| 第155回国会において成立した新「会社更生法」について 〜 新しい会社更生手続の概要 〜 |
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| 1 | 新「会社更生法」の目的 |
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| 経済的に苦境にある大規模な株式会社の迅速かつ円滑な再建を可能とするため,昭和27年に制定された旧「会社更生法」を全面改正して,会社更生手続について,迅速化及び合理化を図るとともに再建手法を強化して,現代の経済社会に適合した機能的なものに改めるものです。 |
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| 2 | 新「会社更生法」のポイント |
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| 3 | 新しい会社更生手続の流れ |
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| 4 | Q & A |
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| Q | 1 会社更生手続とはどのような手続ですか。 |
| 会社更生手続は,経済的に行き詰まった株式会社について,会社債権者等の利害関係者の多数の同意の下に更生計画を策定し,これを遂行することにより,利害関係者の利害を適切に調整しつつ会社の事業の再建を図る手続です。 |
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| Q | 2 なぜ,会社更生法を全面改正するのですか。 |
| 旧「会社更生法」は,昭和27年に制定され,昭和42年に濫用防止等の観点からの一部改正がされましたが,その後は,本格的な見直しがされてきませんでした。そのため,手続が厳格にすぎて,再建までに時間がかかりすぎるなど,現在の経済状況に合わなくなりました。そこで,手続全体を迅速化,合理化するとともに,再建手法を強化するため,旧「会社更生法」を全面改正することにしたのです。 |
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| Q | 3 会社更生法の全面改正にはどのようなメリットがあるのですか。 |
| バブル経済崩壊後,企業の倒産件数は増加傾向にありますが,特に最近は,上場企業等の大型倒産が目立って増加しています。今回の会社更生法の改正により,経済的に行き詰まった大企業は,新しい会社更生手続によって,より迅速かつ円滑に再建を図ることができるようになります。また,このことは,企業の過剰債務(金融機関の不良債権)処理の環境を整備することにもつながります。 |
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| Q | 4 今回の改正により,会社債権者にはどのような影響がありますか。 |
| 今回の改正により,(1)更生計画案に対する議決権の行使方法として,関係人集会に出席して行使する方法のほか書面等により行使する方法が認められ,(2)利害関係人が裁判所にある事件関係書類の閲覧等をすることができるようになるなど,手続の合理化が図られるため,会社債権者は,会社更生手続に参加しやすくなります。 なお,今回の改正は,主として手続全体の迅速化・合理化,再建手法の強化を図るものですから,会社債権者が有する債権(更生債権等)については,従業員(使用人)の社内預金(預り金)の取扱いが変わった点を除き,旧「会社更生法」とほぼ同様に取り扱われることになります。 |
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| Q | 5 従業員の社内預金の取扱いについて,どのような点が変わったのですか。 |
| 従来,従業員の社内預金は,その全額が共益債権とされており,手続の制約を受けずに,随時,弁済を受けることができました。今回の改正により,手続開始前6か月間の給料総額に相当する額または社内預金額の3分の1に相当する額のいずれか多い額に限って共益債権とされることになります。したがって,これを超える部分は,更生債権とされて,更生計画によるカット等の対象になります。→「更生手続開始前の給料・預り金・退職手当の請求権の取扱い」参照 |
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| Q | 6 再建手法の強化を図るため,営業譲渡の制度が導入されたと聞いたのですが。 |
| 従来,更生計画の中に営業譲渡に関する条項を定めて,その更生計画に従って営業譲渡を行うことは認められていましたが,更生計画によらないで営業譲渡をすることができるかどうかは明確ではありませんでした。今回の改正により,事業の更生のために必要である場合に限り,更生計画が成立する前でも,裁判所の許可を得て,営業譲渡をすることができることが明らかにされました。 |
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| Q | 7 民事再生手続と会社更生手続との違いを教えてください。 |
| 民事再生手続は,法人,個人を問わず誰でも利用できる簡易な手続で,無担保債権者の権利のみを制約し(担保権者は自由に権利を行使できます。),再生計画でカットできるのも無担保債権だけです。したがって,会社更生手続と比べると,手続の効力が弱い反面,低廉かつ迅速な中小企業向きの手続といえます。 これに対して,会社更生手続は,株式会社のみが利用できる強力な手続で,無担保債権者のみならず担保権者や株主の権利をも制約し,更生計画でこれをカットすることができますし,合併,減増資等の会社の組織再編行為も簡易に行うことができます。したがって,民事再生手続と比べると,手続の効力が強力な反面,費用と時間とを要する大企業向きの手続といえます。 なお,手続が開始されると,必ず裁判所によって管財人が選ばれて,経営者が経営権を失う点も,民事再生手続とは違っていますが,会社更生手続でも,経営責任がない経営者に限り,例外的に管財人に選任される余地が認められています。 |
| ※ 民事再生手続と会社更生手続との比較(概要) |
| 民事再生手続 | 会社更生手続 | ||
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| 旧会社更生法 | 新会社更生法 | ||
| 適用対象 | ・限定なし | ・株式会社のみ | |
| 事業経営 | ・経営者が引き続き経営にあたるのが原則 ・裁判所の判断により例外的に管財人を選任 |
・裁判所が選任した管財人(経営者は退陣) | ・裁判所が選任した管財人(経営責任のない経営者は管財人として選任可) |
| 権利変更(減免等)の対象 | ・手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権で無担保かつ優先権のないもの【再生債権】 | (1)手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権【更生債権】 (2)担保権付の請求権【更生担保権】 (3)株主の権利 |
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| 担保権の取扱い | ・別除権(減免の対象にならず,担保権実行も制約されない) ただし,競売手続の中止命令制度及び担保権消滅制度あり |
・更生担保権(減免の対象になり,担保権実行も全面的に制約される) | |
| 計画の成立要件 | (1)再生債権者の決議による再生計画案の可決 + (2)裁判所の認可 |
(1)更生債権者,更生担保権者,株主の決議による更生計画案の可決 + (2)裁判所の認可 |
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| 可決要件 | ・出席した再生債権者等の過半数で,債権総額の2分の1以上の同意 | (1)更生債権者の組では債権総額の3分の2以上の同意 + (2)更生担保権者の組では債権総額の5分の4以上の同意 |
(1)更生債権者の組では債権総額の2分の1以上の同意 + (2)更生担保権者の組では債権総額の4分の3以上の同意 |
| 計画の履行の確保 | (1)監督委員が選任されている場合は3年間履行を監督 (2)管財人が選任されている場合は管財人が再生計画を遂行 |
・管財人が更生計画を遂行 | |
| 特徴 | (1)手続に拘束される関係者の範囲を限定した簡易迅速な手続 (2)経営者の経営手腕等の活用が可能 (3)決議要件が緩和されているため,計画の成立が容易 |
(1)すべての利害関係人を手続に取り込み,会社の役員,資本構成,組織変更まで含んだ抜本的な再建計画の策定が可能な手続 (2)担保権者の権利行使を全面的に制限 (3)手続が複雑かつ厳格であるため,手続及び費用の負担大 |
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