法務省民事局
「民法の一部を改正する法律」の概要

 目的

証契約の適正化
 保証人が過大な責任を負いがちな保証契約(特に根保証契約)についてその契約内容を適正化するための法整備を行っています。
法の現代語化
 民法を国民に理解しやすいものとするため,その文体や用語の現代語化を行っています。


 改正法の要点

保証契約の適正化

       融資に関する根保証契約を締結した個人の保証人を保護するため,次のような措置を講じています。
  (1)  極度額(限度額)の定め
 極度額の定めのない根保証契約を無効としています。
  (2)  元本確定期日(保証期間の制限)
 根保証をした保証人は,元本確定期日までの間に行われた融資に限って保証債務を負担することとしています。この元本確定期日は,契約で定める場合には契約日から5年以内,契約で定めていない場合には契約日から3年後の日となります。
  (3)  元本確定事由
 主たる債務者や保証人が,強制執行を受けた場合,破産手続開始の決定を受けた場合,死亡した場合には,根保証をした保証人は,その後に行われた融資については保証債務を負担しないこととしています。
  (4)  書面の作成(※すべての保証契約が対象)
 根保証契約を含む保証契約は,契約書などの書面によってしなければ無効になります。

民法の現代語化

  (1)  文体の平仮名・口語化
 これまで片仮名・文語体であった文体を,親しみやすい平仮名・口語体の文体に改めています。
  (2)  用語の平易化
 現代では用いられていない用語を,平易なものに置き換えています。
 例えば,「疆界(きょうかい)」を「境界」に,「囲繞地(いにょうち)」を「その土地を囲んでいる他の土地」に,「溝渠(こうきょ)」を「溝,堀」に,「僕婢(ぼくひ)」を「家事使用人」に,「薪炭油(しんたんゆ)」を「燃料及び電気」に置き換えています。

 改正法Q&A

 Q1  なぜ根保証契約の適正化を図る必要があったのですか。
 根保証契約は,中小企業が融資を受ける際の代表者の個人保証などに多用されています。しかし,現行法の下では,その契約内容をどのように定めるかについて制限がなく,金額・期間について無制限に責任を負う場合もあり(包括根保証契約),保証人が過大な責任を負いがちであると指摘されていました。このため,保証人が負担する責任を予測可能な範囲に限定するなど,根保証契約の適正化を図る措置を講ずることが必要となっていました。

 Q2  極度額の定めのない根保証契約は,すべて無効となるのですか。
 今回の措置の対象となっているのは,主たる債務の範囲に融資に関する債務が含まれており,かつ,保証人が個人であるものに限られています。このような根保証契約(貸金等根保証契約)であって極度額を定めていないものは,その契約が無効となります。

 Q3  契約日から5年を超える日を元本確定期日と定めた場合には,どうなるのですか。
 貸金等根保証契約について契約日から5年を超える元本確定期日を定めると,その期日の定めが無効となります。この場合には,元本確定期日の定めがないことになりますので,契約日から3年後の日が元本確定期日ということになります。

 Q4  契約日から5年を超えて根保証を継続する必要がある場合には,どうすればよいのですか。
 根保証契約の締結後に,当初定めていた元本確定期日を先に延ばす変更をすることは,可能です。しかし,この変更をするには債権者と保証人の合意が必要であり,また,変更後の元本確定期日は,その変更をした日から5年以内の日でなければなりません。

 Q5  改正法の施行前に締結された貸金等根保証契約であっても,極度額の定めのないものは無効となるのですか。
 改正法の施行前に締結された貸金等根保証契約は,無効にはなりません。
 ただし,改正法の施行後3年が経過しても元本が確定しないものは,3年を経過する日に自動的に元本が確定するという経過措置が設けられていますので,改正法の施行前に締結された貸金等根保証契約の保証人は,元本が確定した後の融資については保証債務を負わないことになります。

 Q6  改正法の施行日はいつですか。
 改正法の公布の日(平成16年12月1日)から起算して6か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます。この施行日を定める政令は,まだ制定されていませんが,法務省では,平成17年4月1日から施行する方向で準備を進めています。

 
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