LGBTについて考えよう

あなたは「LGBT」という言葉を聞いたことがありますか?
初めて聞いた人も、すでに知っている人も、まずはこの動画をご覧ください。

動画で紹介されている「性的指向」「性自認」「LGBT」
についてまとめます。

LGBTとは次の言葉の頭文字をとって組み合わせた言葉で、性的少数者 (セクシャルマイノリティ) を
表す言葉の一つとして使われることもあります。この機会に多様な性について考えてみましょう。
(Sexual Orientation (性的指向) と Gender Identity (性自認) の頭文字をとった 「SOGI」との表現もあります)

性的指向とは、どのような性別の人を好きになるか、ということです。
これは自分の意志で選び取るというより、多くの場合思春期の頃に「気付く」ものです。

性自認 (性の自己認識)とは、自分の性をどのように認識しているのか、ということです。
「心の性」と言われることもあります。多くの人は「身体の性」と「心の性」が一致していますが、
「身体の性」と「心の性」が一致せず、自身の身体に違和感を持つ人たちもいます。

※性的少数者(セクシュアルマイノリティ)には、LGBT以外にも、男女どちらにも恋愛感情を抱かない人や、
自分自身の性を決められない・分からない人など、さまざまな人々がいます。

「性的指向や性自認、LGBT」について、知ることができましたか?
そこで質問です。あなたはこういった場面にあったことはありませんか?

LGBT当事者の意識調査 (2016年7月15日~10月31日実施)

【職場や学校での差別的発言】

15,064人のうち、職場や学校で差別的発言を聞いた
ことのある当事者は71.7%

【職場や学校でのカミングアウト】

15,064人のうち、職場や学校でカミングアウトして
いる当事者は27.6%

出典 日高庸晴 宝塚大学看護学部教授 「LGBT当事者の意識調査 ーいじめ・職場環境問題ー」

性的少数者に対する偏見や差別の例

「ホモ」「オカマ」「男らしくない」「女らしくない」などとからかう
「どこかおかしいのでは」「問題があるのでは」「気持ち悪い」などとうわさ話をする
 本人の了承なく、その人の性的指向や性自認について暴露する (アウティング)

LGBT当事者の中には、性的指向や性自認をカミングアウトすることによって、「自分を偽ることなく生きたい」と思っている人が数多くいます。
しかし、「カミングアウトをすると、これまでの人間関係が崩壊してしまうのではないだろうか」、「友人や職場の同僚から否定的な反応が帰ってくるのではないだろうか」と悩んで、カミングアウトできない人たちもいるのです。
LGBT当事者がカミングアウトしやすい職場環境をつくることは生産性を高めることにつながるという指摘がありますが、LGBTや、典型的ではない性別表現を嘲笑したり、からかいの会話が日常的にある環境では、カミングアウトすることは現実的に困難ではないでしょうか。

LGBTであることを告白すること

カミングアウトとは、Coming out=“coming out of the closet”のことです。社会の差別・偏見や周囲の無理解から自分のセクシュアリティを隠さざるを得ない状態を「クローゼットに押し込まれている状態」にたとえ、そこから出て、陽のあたる場所に自分を置く決意をいいます。
カミングアウトは、自分のセクシュアリティを受け入れ、肯定する過程でもあり、自分らしく生きていくための手段の一つです。
しかし、カミングアウトするかどうかや、いつ、誰に、どのように伝えるかは、当事者本人が決めることであり、周囲の人が、カミングアウトを強要するようなことは、決してあってはなりません。

職場や学校でできること、地域でできること、何があるか考えてみませんか?

多様な性について知る

専門家/当事者から話を聞く、研修会を開催するなど、性的指向・性自認に関する知識を 持つ機会を設ける。

習慣・常識を変える

身の回りの習慣や常識となっている考え方を今一度点検し、性的指向・性自認に関する差別やハラスメントにつながるものはないか、見直しが必要なものはないか、考えてみる。

理解者を増やす

組織内に、性的指向・性自認に関する知識を持つ理解者を増やす。
理解者に対して「理解者、支援者」であることを目に見える形で行動することによって、 当事者たちの応援の姿勢やメッセージにつながることを知らせる。
家族、学校、職場の中で、当事者が、「自分の居場所がある」と実感できる機会を増やしていくことがとても大切です。
たとえ一人でも、きちんと気持ちを受け止めてくれる人、安心感を与えてくれる人がいれば、前向きな気持ちが生まれるものです。

全国の法務局・地方法務局では、面接や電話、インターネット等で人権相談を行っています。人権相談等で性的指向や性自認に関し、人権侵害の疑いのある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として調査を行い、その結果を踏まえて、事案に応じた適切な措置を講じています。

日高 庸晴(ひだか やすはる)

宝塚大学看護学部 教授、日本思春期学会 理事、厚生労働省エイズ動向委員会 委員。
京都大学大学院医学研究科博士後期課程修了、博士号(社会健康医学)取得。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部エイズ予防研究センター研究員、公益財団法人エイズ予防財団リサーチレジデントなどを経て現職。
法務省企画の人権啓発ビデオの監修や文部科学省が2016年4月に発表した性的指向と性自認に関する教職員向け資料の作成協力、法務省による国家公務員等人権研修、文部科学省幹部職員研修等、国や地方公共団体のセクシュアルマイノリティ理解推進・啓発事業に従事している。

法務省人権擁護局