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ヘイトスピーチ解消法施行から4年

 ヘイトスピーチ解消法が平成28年6月3日に施行されて,4年になります。
 ヘイトスピーチ解消法施行後,ヘイトスピーチに対する国民の関心が高まり,ヘイトスピーチは許されないものであるとの意識が社会の中で共有されつつあります。
 この間,法務省の人権擁護機関が作成した,「ヘイトスピーチ,許さない。」というポスターをはじめとする啓発資料は,地方公共団体や市民の間で広く利用されて,人権啓発活動の取組が浸透していると感じています。
 また,地方公共団体において,条例の制定や公の施設の利用許可に関するガイドラインの策定などの取組も進められています。
 しかし,それでも,いまだにヘイトスピーチがなくなったといえる状況にはなっていません。
  典型的なデモにおけるヘイトスピーチに加え,インターネット上でのヘイトスピーチも問題になっています。インターネット上の情報は,一つの書き込みが同様の書き込みを誘発するなどして深刻な事態を引き起こしかねない危険があります。
  また,選挙運動・政治活動に名を借りたヘイトスピーチも,今日的な課題として指摘されています。選挙運動・政治活動の自由の保障は民主主義の根幹をなすものですが,選挙運動・政治活動として行われたからといって,直ちにその言動の違法性が否定されるものではありません。
  さらに,最近では,新型コロナウイルス感染症に関連する差別的言動も問題となっています。差別的言動はもちろん,これに関連する不当な差別,いじめ等があってはならないことはいうまでもありません。
  法務省の人権擁護機関は,これらの様々な情勢を踏まえつつ,関係行政機関や地方公共団体と連携しながら,ヘイトスピーチ解消のための施策を実施していきます。
  ヘイトスピーチをなくすためには,社会全体の人権意識を高め,そのような言動が許されないのだという意識が広く深く社会に浸透することが大事だと思います。
  社会を構成する一人一人が「ヘイトスピーチ,許さない。」の主体となっていただけるよう,引き続き,粘り強く人権啓発活動を実施してまいります。