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ビジネスと人権に関する取組

 近年、企業活動のグローバル化が進む中、企業活動における人権の尊重が注目されるようになっています。企業には、ヘイトスピーチを含め、あらゆる偏見や差別をなくし、互いの人権に配慮した行動を取ることが求められています。

 今回は、こうした「ビジネスと人権」に関する最近の国内外の動きについて、ご紹介します。

 平成23年に開催された第17回国連人権理事会では、人権を保護する国家の義務や人権を尊重する企業の責任、ビジネス関連の人権侵害に関する救済へのアクセスについての原則を示した「ビジネスと人権に関する指導原則」が全会一致で支持されました。
 また、平成27年に開催された国連サミットにおいて、2030年(令和12年)までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」が策定され、SDGsの実現と人権の保護・促進は表裏一体の関係にあるとされています。投資家や消費者、市民社会からも企業に対して人権尊重を求める意識が高まっており、企業がSDGsに取り組む上でも、人権を尊重した行動を取ることが求められてきています。
 国内外において「ビジネスと人権」に対する関心が高まる中、令和2年10月には、「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」<「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020-2025)についてのHPへリンク>が関係府省庁連絡会議によって策定され、今後政府が取り組む各種施策や企業活動における人権デュー・ディリジェンスの導入・促進への期待が表明されています。この行動計画を実施し、周知することを通じて、責任ある企業行動の促進を図ることで、日本企業の企業価値と国際競争力が向上することにもなりますし、SDGsで掲げられた「誰一人取り残さない」社会の実現へとつながることが期待されています。
 法務省人権擁護局では、行動計画が公表されたことも踏まえ、令和3年3月に、企業における人権尊重の取組強化に資するため、「ビジネスと人権に関する調査研究」報告書を作成しました。本報告書は、「報告書(詳細版)」、「報告書(概要版)」、「投影資料」及び「活用の手引」の四つで構成されており、研修教材として使用することができます。

 法務省の人権擁護機関では、企業等からの要望に応じて、無料で講師を派遣し、偏見、差別の解消をテーマとする人権研修(大人の人権教室)を実施したり、企業が研修等で使用する人権啓発冊子の配布、DVDを貸し出したりするなどの取組を行っています。<企業における人権研修のHPページへリンク>
 また、毎年、企業も含め、人権擁護上顕著な功績があった団体等を表彰し、その功績をホームページやSNSにおいて広く周知し、人権に配慮した行動の気運を高める取組も行っています。<人権擁護功労賞のHPへリンク>

 このような取組なども通じて、法務省としては、今後ともヘイトスピーチを含めた偏見、差別の解消に向けた人権啓発活動にしっかりと取り組んでまいります。