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トップページ > 政策・施策 > 国民の基本的な権利の実現 > 人権擁護(人権相談,調査救済,人権啓発等) > 第1章 人権教育及び人権啓発をめぐる国民の意識

第1章 人権教育及び人権啓発をめぐる国民の意識

1 概説


昭和33年からおおむね5年ごとに実施され,10回目となった「人権擁護に関する世論調査」の結果が,平成19年8月25日に内閣府から発表された

今回は,「人権教育・啓発に関する基本計画」に掲げられている主要な人権課題等について国民の意識等を調査し,今後の施策の参考にすることとしたものである。


2 人権一般についての意識


(1)基本的人権についての周知度

基本的人権は侵すことのできない永久の権利として,憲法で保障されていることを知っていると答えた者の割合(77.8%)は,前回調査同様に高い水準を維持しているが,基本的人権についての周知度がいまだ十分とはいえない状況にある。

(2)人権侵害の推移

人権侵害の状況については,前回調査に比べて,「少なくなってきた」と答えた者の割合が減少(12.3%→11.0%)し,「多くなってきた」と答えた者の割合が増加(36.2%→42.0%)して過去最高となっており,社会全体としては,人権侵害が多くなってきたという認識が増えていることがうかがわれる。

(3)人権侵害の経験

自分の人権が侵害されたと思ったことがあると答えた者の割合は,前回調査に比べ,上昇している(13.9%→16.3%)が,大多数(83.7%)は,「ない」と答えている。

(4)人権尊重と権利主張による他人への迷惑

人権尊重が叫ばれる一方で,権利のみを主張して,他人の迷惑を考えない人が増えてきたと思う者の割合が増加(76.7%→85.2%)しており,自分の権利を主張する上で他人の権利にも十分に配慮する必要があるという認識が,いまだ国民の間に十分に浸透していないことがうかがわれる。


3 主な人権課題に関する意識について


日本における人権課題については,身近な人権問題や最近マスコミに取り上げられるなど話題となっている問題((1)障害者,(2)高齢者,(3)子ども,(4)インターネットによる人権侵害,(5)北朝鮮当局によって拉致された被害者等)に,高い関心が寄せられている。

(1)女性に関する人権問題

「職場におけるセクシャアル・ハラスメント(性的いやがらせ)」を人権問題であるとして挙げた者の割合が増加(29.8%→33.1%)しており,これは職場内における女性の人権に関する意識が高まった結果であると推測されるが,今後とも,教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(2)子どもに関する人権問題

子どもに関する人権上の問題については,「いじめ」による自殺が社会問題となったことを反映して,「いじめをしている人や,いじめられている人を見て見ぬふりをすること」(68.0%),「「仲間はずれ」や「無視」,身体への直接攻撃や相手が嫌がることをしたり,させたりするなど,いじめを行うこと」(62.2%)を人権問題として挙げた者の割合が高い。

また,「親がいうことを聞かない子どもに暴力を加えるなど子どもを虐待すること」を挙げた者の割合が増加(40.9%→47.7%)している。これは,昨今マスコミにも多く報道されるなど注目を集めたことにより,家庭内における児童虐待を人権問題とする意識が高まった結果であると推測されるが,今後とも,教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(3)高齢者に関する人権問題

高齢者に関し人権上問題があると思うこととして,「悪徳商法の被害者が多いこと」(54.3%),「高齢者を邪魔者扱いし,つまはじきにすること」(45.2%),「働ける能力を発揮する機会が少ないこと」(41.7%),「病院での看護や養護施設において劣悪な処遇や虐待をすること」(41.7%)を挙げた者の割合が高い。

国民の高齢者に対する人権尊重意識を高揚させるとともに,高齢者が地域社会において積極的に社会参加できるための様々な条件整備等を行うことが重要と考えられる。

(4)障害者に関する人権問題

障害者に関する人権問題として,「就職・職場で不利な扱いをすること」(53.1%),「人々の障害者に対する理解が足りないこと」(50.4%)を挙げた者の割合が高く,障害者理解や障害者の自立に関連する問題が国民の間で意識されている。

障害者に対する人権尊重意識を高揚させるとともに,障害者が地域社会において積極的に社会参加できるための様々な条件整備を行うことが重要と考えられる。

(5)同和問題

これまでの普及啓発活動が一定の成果をあげているものの,現在でも,結婚や就職等の場面で人権問題が起きていることがうかがわれ,今後とも,広く同和問題について正しい認識を普及し,同和問題に関する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(6)アイヌの人々に関する人権問題

アイヌ文化の振興及びアイヌの伝統等に関する知識を普及し,アイヌの人々に関する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(7)外国人に関する人権問題

我が国に入国した外国人の増加等に伴い,言語,宗教,生活習慣等の違いから,様々な人権問題が発生しており,今後とも,外国人に対する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(8)HIV感染者等に関する人権問題

これまでの普及啓発活動が一定の成果をあげているものの,今後とも,広くHIVに関する正しい知識を普及し,HIV感染者等に対する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(9)ハンセン病患者・元患者等に関する人権問題

広くハンセン病に関する正しい知識を普及し,ハンセン病患者・元患者等に対する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。

(10)犯罪被害者等に関する人権問題

犯罪被害者等基本計画に基づき,犯罪被害者等のための施策を推進するとともに,マスメディアの自主的な取組を喚起するなどの犯罪被害者等の人権擁護に資するための取組を推進することが重要と考えられる。

(11)インターネットによる人権侵害

インターネットによる人権侵害に関し,「出会い系サイトなど犯罪を誘発する場となっていること」(53.7%),「他人を誹謗中傷する表現を掲載すること」(52.8%)を挙げた者の割合が高く,憲法の保障する表現の自由や通信の秘密に十分配慮しつつ,必要な施策を展開していくことが必要であると考えられる。

(12)ホームレスに関する人権問題

ホームレスに対する国民の人権尊重意識を高揚させるとともに,ホームレスの自立支援のための様々な環境整備を行うことが重要と考えられる。

(13)性的指向,性同一性障害者に関する人権問題

広く性的指向,性同一性障害者に関する正しい知識を普及し,性的指向,性同一性障害者に対する偏見や差別意識を解消するための教育・啓発広報活動を推進することが重要と考えられる。


4 人権課題の解決のための方策について


調査結果から,人権教育・啓発に対する国民の大きな期待がうかがうことができ,効果的な啓発広報活動としてはマスメディアを積極的に活用すべきであるとの意見が多い。マスメディアの有する情報伝達の特性を活かし,啓発広報活動の媒体としてマスメディアの果たす役割は極めて大きく,今後とも,その積極的な活用が重要になってくるものと考えられる。

また,人権侵害被害者の実効的な救済・支援のための取組を引き続き強化することが重要と考えられる。

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