法務省

文字の大きさを変更する

拡大する

標準に戻す

色変更・音声読み上げ・ルビ振りを行うアクセシビリティツールを利用するかたはこちら

トップページ > 政策・施策 > 国民の基本的な権利の実現 > 人権擁護 > 人権擁護局フロントページ > 人権侵害を受けた方へ > 平成19年中の「人権侵犯事件」の状況について(概要)〜人権侵害に対する法務省の人権擁護機関の取組〜

平成19年中の「人権侵犯事件」の状況について(概要)〜人権侵害に対する法務省の人権擁護機関の取組〜

○新規救済手続開始件数 21,506件 (対前年比0.8%増加)
○処理件数 21,672件 (対前年比2.1%増加)
【新規救済手続開始件数からみた特徴】
(1) 学校における「いじめ」に関する人権侵犯事件の増加 2,152件 (対前年比121.2%増加)
(2) インターネットを利用した人権侵犯事件の増加 418件 (対前年比48.2%増加)
(3) 児童虐待に関する人権侵犯事件の増加 600件 (対前年比12.4%増加)

 法務省の人権擁護機関(以下「人権擁護機関」という。)は,人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令第2号,以下「処理規程」という。)に基づき,人権侵害を受けた者からの申告等を端緒に人権侵害による被害の救済に努めている。
 平成19年暦年の人権侵犯事件に対する取組状況は,以下のとおりである。

1 平成19年中に取り扱った人権侵犯事件数の動向

図1
 平成19年は,平成18年(以下「前年」という。)に比し,新規開始件数は0.8%,処理件数は2.1%増加した。
(1) 開始件数
 平成19年中に,新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数は21,506件であり,対前年比で178件(0.8%)増加した。このうち,公務員・教育職員等による人権侵犯事件数は3,829件で,対前年比で1,540件 (67.3%)増加し,私人間の人権侵犯事件数は17,677件で,対前年比で1,362件(7.2%)減少した。
 なお,公務員・教育職員等による人権侵犯事件数の増加要因は3(1)記載のとおり。
(2) 処理件数
 平成19年中に処理した人権侵犯事件数は21,672件であり,対前年比で444件(2.1%)増加した。このうち,公務員・教育職員等による人権侵犯事件数は3,863件で,対前年比で1,625件(72.6%)増加し,私人間の人権侵犯の事件数は17,809件で,対前年比で1,181件(6.2%)減少した。
 処理区分別にみると,「援助」(注1)が19,968件(全処理件数の92.1%)で最も多く,次いで「説示」(注2)が192件(0.9%),「要請」(注3)が174件(0.8%),「調整」(注4)が128件(0.6%),及び「措置猶予」(注5)が94件(0.4%)となっている。
 また,特に重大・悪質な事案に関して,文書をもって是正を求める「勧告」をした事件が7件,刑事訴訟法の規定に基づき「告発」をした事件が1件となっている。
 このほか,「侵犯事実不存在」が571件(2.6%),「侵犯事実不明確」が395件(1.8%)となっている。
 なお,上記の措置に併せて,事案に応じて「啓発」を行ったものが273件(1.3%)ある。
(注1) 法律上の助言を行ったり,関係行政機関や関係ある公私の団体を紹介すること。
(注2) 相手方の反省を促し善処を求めるため事理を説き示すこと。
(注3) 被害の救済又は予防について実効的な対応ができる者に対し必要な措置を執るよう求めること。
(注4) 被害者と相手方との話合いを仲介すること。
(注5) 事案の軽重や反省の程度,懲戒の有無等を考慮して措置を講じないこと。
(3) 特別事件
 平成19年中の特別事件(処理規程第22条に規定されている重大な人権侵犯事件)は1,229件で,前年に比べて186件(17%)増加しているが,増加分は,公務員・教育職員による人権侵害,児童虐待,インターネット事件である。

2 事件種類別にみた新規救済手続開始事件数の動向

(1) 暴行・虐待事案(図2図3図4
 平成19年中における暴行・虐待事案は4,937件で(対前年比4.7%減少),平成14年以降継続していた5,000件を若干下回ったものの,全事件種別の中で最も多く全事件数の23%を占め,引き続き憂慮すべき状況で推移している。このうち,いわゆる社会的に弱い立場にあるとされる女性,児童,高齢者,障害のある人を被害者とする割合は85.5%(4,219件)を占めている。
 このうち,配偶者からの暴行・虐待事案は2,723件で,平成18年に比べ7.7%減少しているものの依然として少なくない数値を示している。
 また,親子間についてみると,親の子に対する暴行件数は755件で,前年の724件に比べ4.3%増加している反面,子の親に対する暴行件数は463件で,前年の536件に比べ13.6%減少している。(別紙事例1
(2) 強制・強要事案及び住居・生活の安全関係事案 (図2図3
 平成19年中における強制・強要事案は3,947件で(対前年比25.7%減少),このうち,女性に対するセクシュアル・ハラスメント事案は475件であり,前年の656件と比べ27.6%減少し,平成14年以降の増加傾向が減少に転じた。また,住居・生活の安全関係事案は4,120件で(対前年比2%減少),全事件数の19.2%を占め,強制・強要事案と合わせると全事件数の約37.5%を占めている。
 ところで,強制・強要,住居・生活の安全事案の減少は,いわゆる振り込め詐欺等による高齢者等に対する経済的負担を強いる類型の事案が昨年に比べて約1,600件減少していることがその要因となっている。
(3) プライバシー関係事案(図2図3図5
 平成19年中におけるプライバシー関係事案は1,692件であり,前年の1,460件と比べ15.9%増加している。特にインターネットを利用した人権侵犯事件は,前年の282件を大きく上回る418件(48.2%増)と引き続き増加傾向を示している。
 この中には,少年審判事件記録である少年の供述調書等を引用したとする書籍の出版者及び著者に対して「勧告」した事件がある。
(4) 障害のある人に関する事案(図6
 平成19年中における障害のある人を被害者とする人権侵犯事件数(社会福祉施設内での事件(2(5)関連)を除く。)は284件で,前年に比べ11.0%減少しているが,その内訳は,暴行・虐待事案が52件(18.3%),強制・強要が13件(4.6%),雇用差別等を含む差別的取扱い事案が219件(77.1%)となっている。
 この中には,フィットネスクラブによる障害のある人に対する施設利用拒否に対して「説示」した事案がある(別紙事例2)。
(5) 社会福祉施設関係(図7
 平成19年中における高齢者施設,知的障害者更生施設等の社会福祉施設における人権侵犯事件数は114件で,前年の142件に比べ19.7%減となっているが,同施設等職員による入所者に対する暴行・虐待事案について,「勧告」,「告発」を行った事案(別紙事例3,4)がある。

3 特徴的な動向

(1) 学校における「いじめ」に関する人権侵犯事件の増加(図8
 人権擁護機関は,社会問題化している「いじめ」問題に関して,子どもの人権問題に関する専用相談電話「子どもの人権110番」のフリーダイヤル化(平成19年2月),インターネットによる相談受付システムの導入(平成19年2月),全国一斉「子どもの人権110番」強化週間の実施(平成19年9月17日〜同月23日),及び全国の小学校・中学校の全児童・生徒に対する「子どもの人権SOSミニレター」の配布などを通じて,関係機関と連携を図りながら,「いじめ」問題の実態把握と解消に向けて取り組んだ結果,平成19年中に新規に開始した学校における「いじめ」に関する人権侵犯事件数は2,152件に上り,過去最高であった前年の973件を大幅に上回った(121.2%増)。
 この中には,学校に適切な対応を要請した事件や,学校と保護者の信頼関係を調整した事件,及び「いじめ」等を起因として生徒が自殺したとする事件報道を端緒として調査を開始し学校に「説示」した事件もある(別紙事例5)。
 (注) 学校における「いじめ」とは,いじめに対する学校側の不適切な対応等の事案であり,学校長等を相手方とするものであって,いじめを行った加害児童・生徒を相手方とするものではない。
(2) インターネットを利用した人権侵犯事件の増加(図5
 インターネットの普及により様々な情報に容易にアクセスできるようになった反面,インターネットを利用した人権侵犯事件は,ここ数年急激な増加傾向を示している。
 平成19年中に新規に開始した件数は,前年の282件を大きく上回る418件(48.2%増)で,大幅な増加となっており,このうち,名誉毀損事案が154件,プライバシー侵害事案が181件となっており,この両事案で全体の約8割を占めている。また,特定の地域が同和地区であるとする書き込みがされるなどの差別助長行為事案は12件あった。このうち,プロバイダ等に対し削除要請を行ったものは51件ある(対前年比54.5%増)。この中には,差別を助長する行為を行った者に対して「勧告」した事件や,犯罪を犯したとされる少年の顔写真や氏名がインターネット上の掲示板に掲載され,「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」(プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会)に基づきプロバイダ等に対し削除要請を行ったものがある。
(3) 児童虐待に関する人権侵犯事件の増加(図9
 平成19年中に人権擁護機関で新規に開始した児童虐待事案に関する人権侵犯事件数は,600件に上り,平成18年の534件から約12.4%増加している。
 この中には,実父から養育を放棄されていると子どもの人権SOSミニレターによる被害申告があった事件や,保育所職員による園児に対する虐待事案について「勧告」した事件(別紙事例6)がある。

4 添付資料

(1) 人権侵犯事件統計資料(平成19年1月〜12月)(別添1
(2) 女性の人権ホットライン統計資料(別添2
(3) 子どもの人権110番統計資料(別添3
ページトップへ