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法務省に協力している民間ボランティア等について ~BBS会~

BBSとはBig Brothers and Sisters Movementの略称であり,非行少年等様々な立場の少年と,一緒に悩み,一緒に学び,一緒に楽しむことを通じて,少年の立ち直りや自立を支援するとともに,非行防止活動を行う青年ボランティア団体です。

全国に約500のBBS会があり,約4,600人のBBS会員が,それぞれの地域で,非行少年等と同世代の,いわば「兄」や「姉」のような立場で接する活動を行うことで,多くの少年たちが立ち直ってきました。

では,実際にBBS会はどのような活動をしているのでしょうか。以下の4つを御紹介します。

1 ともだち活動
保護観察所等からの依頼を受け,兄や姉の立場から同じ目線に立って,非行少年等の話し相手,相談相手となるなど,「ともだち」としてふれあうことを通して,彼らの成長や悩みの解消を手助けしています。
2 社会参加活動・社会貢献活動への協力
保護観察所と協力し,少年たちと共に清掃活動等様々な活動に参加しながら,社会や誰かの役に立つ喜びを分かち合っています。
3 非行防止活動
非行を未然に防ぐための様々な広報活動や各種のイベント,集会等を地域で実施し,犯罪や非行のない明るい社会の実現に努めています。
4 グループワーク
少年たちとBBS会員がグループになって,スポーツやレクリエーションなどを行います。共に何かを楽しむことにより,少年たちに一人ひとりのときとは違った共感や,心を開くきっかけを与えます。

 

BBS会の会員になるためには,特別な資格は必要ありません。BBS会の趣旨に賛同される方であれば参加することができます。BBS会について詳しくお知りになりたい方は,お近くの保護観察所までお問い合わせください。

寺子屋のようす

寺子屋のようす

法制度整備支援の海外現場から ~来日研修で伝わる日本の経験~

カンボジアで働く日本の裁判官

私は,この4月,日本の支援で作られたカンボジアの法律を普及するため,首都プノンペンに赴任しました。私の本業は裁判官なのですが,カンボジア赴任決定後には,大阪地方裁判所で裁判をする傍ら,法務省で法制度整備支援を担当している国際協力部が行う活動に参加して,アジア各国に対する法制度整備支援にも関わってきました。

アジアの法律専門家の来日研修

国際協力部では毎年,カンボジア,ベトナム,ラオス,インドネシアなどから裁判官,検察官や学者など法律の専門家を1,2週間程度,日本に招いて研修を行っています。

研修は,日本の学者や法律家が講師となって日本の法制度を紹介したり,相手国側が持ってきた新しい法律や制度のアイディアに助言したりする座学に加え,裁判所,法務省,弁護士事務所や法科大学院などの現場訪問もします。百聞は一見に如かずの言葉どおり,現場訪問はどの国の人にも大好評で,研修生は自国にないものがあると目を見張って,案内の方を質問攻めにして,いつも時間が足りなくなってしまうほどです。

模擬裁判で熱弁を奮うカンボジアの若手裁判官(国際会議室において)

模擬裁判で熱弁を奮うカンボジアの
若手裁判官(国際会議室において)

ラオス教材作成における意見交換の様子(JICA大阪において)

ラオス教材作成における意見交換の
様子(JICA大阪において)

カンボジアで活躍する来日研修経験者たち

日本のカンボジアに対する法制度整備支援の歴史は10年以上になり,これまで多くのカンボジアの法律家も来日して研修を受けました。国の再建が始まって20年に過ぎず,人材層の薄いカンボジアでは,来日経験者が既に法律分野の重要なポストに就いて活躍しています。そして,こちらで彼らに会うと,口々に日本への御礼と来日時の経験を語ってくれています。

先日,プノンペンにある控訴裁判所長(日本でいう高等裁判所長官)から,同裁判所のデータベースシステム完成式典に御招待頂きました。そして,所長は,10年ほど前に研修で来日した時,日本の裁判所がコンピュータで効率的に事務処理しているのを見て,カンボジアの裁判所でもIT化が必要だと思い,少しずつ設備を整えていると話して下さいました。

現地に赴任してあらためて,来日研修を含むこれまでの日本の支援が,カンボジアの司法に様々な影響を与えてきたことを感じます。

控訴裁判所(中央と右の建物)と筆者が勤務する司法省(左の建物)

控訴裁判所(中央と右の建物)と筆者が勤務する司法省(左の建物)

控訴裁判所訪問の様子(右から4人目が所長,同2番目が筆者)

控訴裁判所訪問の様子(右から4人目が所長,同2番目が筆者)

カンボジア長期派遣専門家

高木博巳