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アジ研の汚職防止研修について

1 第19回汚職防止研修について

国連アジア極東犯罪防止研修所(アジ研)では,平成28年10月12日から11月17日の約6週間にわたり,19回目の汚職防止研修を行います。

アジ研外観

アジ研の写真

2 研修テーマ

汚職防止研修は,国連の腐敗防止条約(英文では,United Nations Convention Against Corruptionの各頭文字をとって,UNCACと略されます。)を研修の素材として行っていますが,今年は,その9条に定められた公共調達分野が研修の主なテーマです。

公共調達の分野は,国の予算が使われるため,その金額は大きく,そこには多くの汚職が生まれています。

たとえば,国がダム等を建設する場合,その建設をどの業者に担わせるのが妥当なのでしょうか。入札により業者を選定するとしても,最も安い工事金額を提示した業者に任せるのがいいとも限りません。工事には一定の質が求められます。金額が安くても,質が悪ければ国の仕事を任せるわけにはいかないからです。では,質の高い仕事をしてくれる業者はだれがどのように選定するのでしょうか。その選定に担当者の不透明な裁量の部分があれば,そこに汚職が生まれる可能性もあります。そこで,工事の質を保ちながら,かつ金額を抑えて無駄な税金等の支出を防ぐ,透明性を確保した公正な基準が必要です。UNCACも,透明性を確保した競争原理に基づいた客観的な基準により業者を決定できるような適切な制度設計を求めています。

では,世界の国々は,どのような制度設計をしているのでしょうか。

また,そのルールに違反して不正を犯した場合,どのような罰則を用意しているのでしょうか。

さらに,その罰則を適用するための捜査はどのように行われているのでしょうか。

実際の事案も知りたいところです。

そのような問題意識で今回の研修は行われます。

3 研修内容

汚職防止研修では,アジ研の所長や各教官の講義,各研修員の個別発表のほか,国土交通省,東京地検特捜部,証券取引等監視委員会や公正取引委員会など,国内の公共調達や汚職等の取り締まりに従事する各機関から,複数の専門家を招いて講義をしていただきます。さらに,それらの講義を踏まえ,研修員には,3つのグループに分かれていくつかのテーマについて議論してもらい,その結果を発表してもらう予定です。

第18回汚職防止研修のグループワーク

第18回汚職防止研修のグループワークの様子

4 参加国・参加者

研修員は,東南アジア,南アジア,アフリカ,東欧,南米等の地域(25か国)から25名が参加し,日本からも,裁判官2名,検察官2名,証券取引等監視委員会から1名が参加します。

5 おわりに

研修は生き物です。あらかじめ用意されたプログラムはありますが,それに各研修員が積極的に参加することによって,様々に議論が発展する可能性があり,それが国際研修の醍醐味の1つでもあります。

また,文化や法制度が異なる様々な国々からの研修員がアジ研に集まり,一緒に寝泊まりし,同じ食事を食べ,様々なイベントに参加することで,研修員は相互に理解を深め,人脈を構築することができます。このような「場」を提供すること自体,アジ研の果たす大きな役割の1つです。その「場」がより有意義なものとなるよう,アジ研では,第19回汚職防止研修をしっかりと運営していきたいと思っています。


第66回“社会を明るくする運動”が全国で展開されています!

第66回運動の広報ポスターイメージ

第66回運動の広報ポスター

“社会を明るくする運動”とは,犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め,それぞれの立場においてチカラをあわせ,犯罪や非行のない安全で安心な社会を築こうとする法務省主唱の全国的な運動です。

66回目を迎えた本年も,全国で様々な運動を実施しています。

○鉄拳さんによるパラパラマンガの制作について

“社会を明るくする運動”の趣旨に賛同した鉄拳さんが,自分のできることで運動に協力したいとの思いから,本運動のためにパラパラマンガを制作してくださいました。過ちを犯した少年が,地域の方々に温かく見守られながら立ち直っていくストーリーで,法務省YouTubeチャンネルでも御覧いただけます。

鉄拳さんのパラパラマンガ“社会を明るくする運動”のワンシーンイメージ

鉄拳さんのパラパラマンガ“社会を明るくする運動”のワンシーン

○全国各地でのイベントについて

「島ぜんぶでおーきな祭」(第8回沖縄国際映画祭)におけるパラパラマンガ完成披露イベント

平成28年4月,「島ぜんぶでおーきな祭」(第8回沖縄国際映画祭)に参加し,鉄拳さんと更生保護関係者によるトークショーを行いました。鉄拳さんからは,「非行や犯罪は悪いことですが,そのことで将来を台無しにしてほしくない。家族や仲間,自分の考えや行動によって自分の未来を明るくできる,前向きになっていく少年の姿をポイントに描きました。」という本作品に込めた思いが語られました。

島ぜんぶでおーきな祭」(第8回沖縄国際映画祭)におけるパラパラマンガ完成披露イベントの様子

「島ぜんぶでおーきな祭」(第8回沖縄国際映画祭)におけるパラパラマンガ完成披露イベント

「立ち直りフェスティバル」の開催

平成28年7月1日(金)及び2日(土),東京都有楽町駅前広場において「立ち直りフェスティバル」と題したイベントを開催しました。

当日は,本運動フラッグアーティスト(旗振り役)である谷村新司さんによるトークショーや,鉄拳さんによるトークショー&パラパラマンガ上映,ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」によるパフォーマンスショー等を行いました。また,就業支援センターで,更生に取り組む人たちが育てた野菜の販売や,薬物依存症者の回復施設「ダルク」において,薬物からの回復プログラムの一環として行われている「エイサー」の披露など,罪を犯した人の立ち直りについて考えを深めていただくきっかけとなるよう,様々なイベントを行いました。

本運動フラッグアーティストの谷村新司さんの様子

本運動フラッグアーティストの谷村新司さん

鉄拳さんによるトークショー&パラパラマンガ上映の様子

鉄拳さんによるトークショー&パラパラマンガ上映

就業支援センターで更生に取り組む人たちが育てた野菜を販売する様子

就業支援センターで更生に取り組む人たちが育てた野菜を販売

ダルクによるエイサーライブの様子

ダルクによるエイサーライブ

「みんわらウィーク」におけるパラパラマンガ上映イベント
「みんわらウィーク」におけるパラパラマンガ上映イベントの様子

「みんわらウィーク」におけるパラパラマンガ上映イベント

平成28年8月7日(日),札幌市において「鉄拳の“社会を明るくする運動” with 法務省」と題したステージイベントを実施しました。本イベントでは,パラパラマンガにおいて重要な役割を果たしている「保護司」もトークショーに参加し,犯罪や非行からの立ち直りには周囲の支えが必要であり,来場者の皆様にも,一人一人ができる範囲で,犯罪や非行からの立ち直りに協力してほしいことを呼び掛けました。

○「日本中でおえかきホゴちゃん」について

更生保護のマスコットキャラクター「更生ペンギンのホゴちゃん」イメージ

更生保護のマスコットキャラクター
「更生ペンギンのホゴちゃん」

第66回“社会を明るくする運動”では,子どもたちに,更生保護のマスコットキャラクター「更生ペンギンのホゴちゃん」の似顔絵を描いてもらう「日本中でおえかきホゴちゃん」と題した企画を実施しています。

本企画は,子どもたちが,ホゴちゃんの似顔絵を描くことを通して,ホゴちゃんに親しみをもち,“社会を明るくする運動”や更生保護について理解を深め,考えるきっかけとすることを目的として実施しているものです。

現在,日本中から,個性あふれる作品が集まっています。作品は,保護局公式Twitter(@MOJ_HOGO)で随時発信していきます。どうぞお楽しみに!

全国での実施の様子の写真6枚

全国での実施の様子

おえかきホゴちゃん作品紹介イメージ

おえかきホゴちゃん作品紹介

○おわりに

第66回“社会を明るくする運動”では,鉄拳さんとのトークショー等を通して,普段“社会を明るくする運動”に参加する機会の少ない世代に対して,広報啓発活動を行うことができました。“社会を明るくする運動”は,皆様のお近くでも,様々なイベントを行っています。皆様も,イベントへの参加など,できる範囲において,本運動への御理解と御協力をお願いいたします。