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シンポジウム『法整備支援へのいざない』を開催しました

1 シンポジウム「法整備支援へのいざない」の開催

法務総合研究所国際協力部(以下「当部」といいます。)は,公益財団法人国際民商事法センター(ICCLC),慶應義塾大学大学院法務研究科,名古屋大学大学院法学研究科・法政国際教育協力センター,独立行政法人国際協力機構(JICA)との共催により,平成29年6月17日,大阪中之島合同庁舎2階国際会議室において,シンポジウム「法整備支援へのいざない」を実施しました。このシンポジウムには,大学生,法科大学院生等130名以上の参加者が集い,盛況を呈しました。

130名以上の参加者が集った会場の様子

会場の様子

2 シンポジウムの目的

当部は,大学生,法科大学院生,若手研究者,若手法曹等の次世代の法整備支援,国際協力の担い手となり得る若い人材を対象とし,法整備支援や国際協力についての知識等を提供するとともに,国際分野のキャリアパスについて考える機会を提供することを目的として,このシンポジウムを開催しました。

3 シンポジウムの内容

このシンポジウムでは,阪井光平国際協力部長の開会挨拶の後,第一部として,当部福岡文恵教官及び前田澄子教官から,「法整備支援へのいざない」と題して,そもそも法整備支援とは何か,どのような人が関与しているのか,どのような支援を行っているのかなどについて講義しました。

その後,第二部では,知財分野を中心に活躍され,当部の活動にも協力いただいている桜坂法律事務所の林いづみ先生から,「法整備支援に携わって」と題して,日本の知財制度の源を築いた高橋是清(第20代内閣総理大臣)や,林先生のご自身の経験を踏まえ,参加者である大学生等に対して,法整備支援に関与する魅力や意義についてお話しいただきました。

第三部では,入江淳子法務省大臣官房付兼秘書課付〈国際担当〉,松尾宣宏国際協力部教官,田島圭貴弁護士,地神亮佑大阪大学准教授,松戸綾乃JICA産業開発・公共政策部ガバナンスグループ法・司法チーム職員をパネリスト,伊藤浩之国際協力部副部長をモデレーターとして,パネルディスカッションを行いました。このパネルディスカッションでは,検事や弁護士,研究者,JICA職員として国際協力に携わるアプローチやキャリアパスなどについて,パネリストの方々からお話しいただきました。

第四部では,塚部貴子ベトナム長期派遣専門家及び鎌田咲子ベトナム長期派遣専門家,棚橋玲子弁護士(前ラオス長期派遣専門家),枝川充志JICA産業開発・公共政策部国際協力専門員をパネリスト,松本剛国連アジア極東犯罪防止研修所教官(前ベトナム長期派遣専門家)をモデレーターとしてパネルディスカッションを行いました。このパネルディスカッションでは,法整備支援に関係する法律家となったきっかけ,日常業務の内容,やりがい,困難さなどについて,パネリストの方々からお話しいただきました。

各パネルディスカッションでは,参加者から多数の質問が出るなど,活発な議論が行われました。

基調講演中の林いづみ先生の写真

林いづみ先生による基調講演の様子

第三部パネルディスカッションの様子の写真

第三部パネルディスカッションの様子

4 法整備支援に興味のある方へ

世界には,未だに法の支配が定着していない国が多く,また,投資環境整備という観点から法整備支援を必要としている国が多数存在するなど,法整備支援への需要は高く,支援内容も多様化してきています。

当部は,毎年6月に,学生等を対象に,シンポジウム「法整備支援へのいざない」を開催しておりますので,法整備支援に興味のある方は是非ご参加ください。