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シンポジウム「法整備支援へのいざない」を開催しました

1 シンポジウム「法整備支援へのいざない」の開催

法務総合研究所国際協力部(以下,「当部」といいます。)は,公益財団法人国際民商事法センター(ICCLC),慶應義塾大学大学院法務研究科,名古屋大学大学院法学研究科・法政国際教育協力研究センター(CALE)との共催で,平成30年6月30日,国際法務総合センター国際棟2階国際会議場A(東京会場)及び大阪中之島合同庁舎2階国際会議室(大阪会場)において,シンポジウム「法整備支援へのいざない」を開催しました。

当部は,関係機関と協力してアジア諸国に対する法整備支援活動を行っています。本シンポジウムは,学生や若手法律家等を対象に,法整備支援について紹介するとともに,法整備支援に携わるためのキャリアパスについて考える機会を提供することを目的として開催しました。

本シンポジウムは,東京・大阪の両会場をテレビ会議システムで接続して開催しましたが,当日は,両会場合わせて154名(東京会場93名,大阪会場61名)の参加者が集い,盛況を呈しました。

  • 東京会場の画像
  • 大阪会場の画像

【会場の様子(左:東京会場,右:大阪会場)】

 

2 シンポジウムの内容

本シンポジウムでは,森永太郎国際協力部長の開会挨拶の後,第1部として,当部小谷ゆかり教官及び小島麻友子教官より,「法整備支援って何だろう?」と題し,そもそも法整備支援とは何か,どのような人や機関が関わっているのかなどについて講義しました。

第1部導入講義の様子

【第1部導入講義の様子】

第2部では,独立行政法人国際協力機構(JICA)の法整備支援プロジェクトの長期専門家として,中国・北京でご活躍の白出博之弁護士より,「法整備支援に携わる―中国的特色のある法制度整備支援の現場から」と題して,北京での豊富なご経験を踏まえ,中国の法整備支援の概況やその仕事の魅力等についてお話しいただきました。

第2部基調講演の様子(大阪会場)

【第2部基調講演の様子(大阪会場)】

第3部では,須田大検事(元ラオス長期専門家)及び石神有吾インドネシア長期専門家(裁判官出身)より,「長期専門家の業務と生活」に関し,ラオスやインドネシアでの仕事内容や日常生活等について,多彩な写真を交えてご紹介いただきました。

第4部では,松嶋希会弁護士(元ウズベキスタン長期専門家),國分典子名古屋大学教授(CALEセンター長),小松健太弁護士(JICA国際協力専門員/元ミャンマー長期専門家),中村憲一検事(元ラオス長期専門家)及び渡部吉俊法務省大臣官房国際課法務専門官をパネリスト,森永部長をモデレーターとして,パネルディスカッションを行いました。パネリストの方々からは,法整備支援に携わったきっかけや,法整備支援に携わるために身につけておくべきこと等についてお話しいただきました。参加者からは,パネリストの方々に対して多くの質問がなされました。

第4部パネルディスカッションの様子(東京会場)

【第4部パネルディスカッションの様子(東京会場)】

3 おわりに

参加者の方々からは,「法整備支援に携わった方々の経験を具体的に聴けて,興味がより高まった。」,「将来のキャリアパスの参考になった。」等の感想をいただきました。

世界における法整備支援の需要は高く,支援の内容も,各国が抱える課題によって様々です。当部では,毎年6月頃に,学生等を対象としたシンポジウムを開催しておりますので,法整備支援に興味のある方はぜひご参加ください。