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ラオス法制度整備支援20周年及び民法典成立について

★ ラオスという国

ラオスという国に行ったことがあるでしょうか?

村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?」という本がありますが,東南アジアのうち,タイやベトナムやアンコールワットを訪れたことはあるけれどラオスに行ったことのない(ラオスに何があるか知らない)方は多いのではないでしょうか。

ラオスは,東はベトナム,西はミャンマーとタイに挟まれた内陸国で,日本の本州と同じ位の面積を持ちますが,人口は約650万人と日本よりだいぶ少ないです。仏教徒が多く,オレンジ色の法衣をまとい托鉢をするお坊さんの姿が見られます。南北にメコン川が流れる自然豊かな国で,一年を通して暑い地域が多いです。経済成長率は高く,特に首都ビエンチャンは,立派なホテルや素敵なレストランがあるなど目覚しい発展を遂げています。

メコン川の夕日

メコン川の夕日

★ ラオスに対する法制度整備支援20周年

法務省の機関である法務総合研究所の国際協力部(International Cooperation Departmentの頭文字をとって「ICD」といいます。)は,発展途上国における法律の整備等を支援する(「法制度整備支援」といいます。)ための専門の部署です。ICDには法律の専門家が集まっていて,検察官や法務省職員のほか,裁判官も出向して働いています。

日本のラオスに対する法制度整備支援は,2018年に20周年を迎えました。20年の間,ICDは関係機関と協力しながら,民事法,刑事法の教科書の作成や実務に役立つ資料の作成など,様々な支援を行ってきました。日本が一貫して意識してきたのはラオスにおける法律関係者の人材育成です。日本が作った法律や本をラオスに渡すのではなく,ラオスの人たちが考えて自ら法律や本を作る。日本は助言をしながらラオス人の考えを尊重する。こうした活動は,ラオス側の基礎能力の向上に繋がります。このような日本の姿勢はラオスから評価され,厚い信頼関係が築かれています。

ラオスの民法典や教科書等

日本の支援によってできたラオスの民法典や教科書等

ラオスの司法研修所

日本の司法研修所をモデルに作られたラオスの研修所

★ ラオスには民法典があります

民法典の成立は,日本の支援活動の中でも大きな結果となりました。今までラオスには,契約法や家族法などの個別の法律はありましたが,不足や矛盾があったため,1つの総合的な民法典を作る必要があったのです。そこで,日本は,2012年から民法典の起草を支援し,6年かかり2018年12月6日,遂にラオスで初めてとなる民法典が成立しました。

2018年は,日本による法制度整備支援20周年と民法典の成立が重なり,関係者は喜びに沸きました。

今後も,民法典の普及をはじめ,ラオスのための法制度整備支援は続きます。

民法典成立と法制度整備支援20周年記念行事の会場

ラオスにて行われた民法典成立と法制度整備支援20周年記念行事の会場