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法務省で働くひと・しごと紹介 Vol.2
~保護観察官~

職 名:保護観察官
氏 名:宇佐美圭司
採用年:平成12年
所 属:東京保護観察所処遇第2部門

保護観察官ってどんな仕事?

「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があります。意味をご存じの方も多いことでしょう。犯罪や非行は,時として,加害者と被害者の関係を作り出します。被害者の方の痛みを和らげることができ,罪を犯した人が社会内で立ち直ることができたら,きっと社会はもっと明るくなるのではないでしょうか。そんな理想を求めて,毎日,様々な人々と,笑ったり,泣いたり,怒ったりするのが,保護観察官の仕事なのかもしれません。

今担当している仕事は?

平成28年から刑の一部の執行猶予という制度が導入され,保護観察を長期間受けることになった人が増えるようになりました。その多くが,違法薬物を使用してしまった人たちです。保護観察の期間中,違法薬物を再使用しないように「薬物再乱用防止プログラム」を受けることが義務付けられています。私が所属している部署は,そのプログラムを実施するチームですが,どのようにしたら効果的なプログラムが実施できるのか,と毎日頭を悩ませながら仕事をしています。

グループミーティングの写真

薬物再乱用防止プログラム
グループミーティングを実施(※写真はイメージです)

保護観察官のやりがいって何?

人は一人では生きていけません。人は人と出会って成長していくものではないでしょうか。保護観察官の仕事は,人との出会いの連続です。様々な人の人生に触れながら,その人の人生に共感したり,励ましたり,逆に励まされたりする。ある人の成長や回復の過程で,おせっかいを焼きながら,時には厳しい判断を迫られたりもします。だから,人との出会いを大切にしたいと思っています。一期一会の毎日は大変ですが,やりがいにも感じられるのかもしれません。

個別面接の写真

個別面接をすることもあります
(※写真はイメージです)

心に残っているエピソードがあれば教えてください。

私が所属する部署は,薬物に問題がある人を持つ家族のための「家族会」も開催しています。初めて参加する家族の方は,自身を責め,薬物問題を抱える本人を憂い,涙を流す方も少なくありません。しかし,参加の回数を重ねるたびに,涙が笑顔に変わっていきます。また,保護観察を受けている人に,薬物再乱用防止プログラムを終了する際,「ありがとうございました。本当に助けられました。」と笑顔でお礼を述べられたことがありました。私はその方々の涙と笑顔が忘れられません。