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《連載記事》
- そんなとき法テラスがお役に立ちます! Vol.48
~法テラスのサービスの一つである民事法律扶助。誰が、どういう時に利用できるの?~ - 法制度整備支援の現場から
- 「京都コングレス便り」
~日本の犯罪防止及び刑事司法の歩み~ - 法務省で働くひと・しごと紹介 Vol.4~登記官~
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第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)は,前回,日本でコングレスが開催された1970年の第4回コングレスから50年という節目の年に開催されます。半世紀の間に,国際情勢・社会情勢は目まぐるしい変化を遂げましたが,日本の刑事司法についても,この間に様々な変遷がありました。
そこで,今回は,京都コングレス(第14回)を開催するに当たっての日本の犯罪防止及び刑事司法の歩みについて,振り返ってみたいと思います。
我が国は,1870年前後から,西洋文明を手本として,交通,通信,工業等の様々な分野で近代化を推し進めました。刑事司法分野においても,フランス法,次いでドイツ法に倣って,刑法,刑事訴訟法等の法整備がなされ,近代化が果たされました。
昭和20年(1945年)に第二次世界大戦が終結した後,荒廃した国土を国民の不断の努力によって再建し,1950年代から経済の高度成長期に入るなどして,復興を果たしました。また,刑事司法分野においても,戦後,アメリカ法の影響の下で刑事訴訟法等が大幅に改められるなど,大きな変革を経て,やがて徐々に運用が安定していきました。
このように我が国の近代化が始まってから約100年が経過し,経済及び社会が安定する中で,昭和45年(1970年)にアジアで初めてコングレス(第4回京都コングレス)が開催されました。同じ年に開催された大阪万国博覧会や昭和39年(1964年)の東京オリンピック開催に加え,我が国の先進国入りを国内外にアピールするものでした。
それから50年,我が国は,いわゆる「バブル」の崩壊を背景にした景気の落ち込みを経験したり,未曾有の甚大な被害をもたらした東日本大震災等度重なる自然災害に見舞われたりしました。世界をも震撼させた地下鉄サリン事件等の凶悪重大事件が起きたり,刑法犯の認知件数が一時期大幅に増加するなど刑事司法分野においても様々な課題に直面しました。
それでも,我が国は,その都度,種々の工夫を凝らして犯罪を防止し,刑事司法制度やその運用を改善・整備することにより課題を乗り越えてきました。我が国の刑法犯の認知件数は,平成15年(2003年)以降,16年連続で減少しており,平成30年(2018年)には,81万7,338件と戦後最少を更新しました。
このように,我が国は,たゆまぬ努力によって,良好な治安を維持し続けて,再びコングレスの開催を迎えることになるのです。
京都コングレスでは,様々な機会を通じて,各国の皆様に日本の刑事司法制度について正しく理解していただき,また,安全・安心な社会の実現に向けての各種の取組を体感していただきたいと考えています。
こうした結果を「あかれんが」の読者の皆様にお届けできるよう,引き続き,京都コングレスの成功に向けて,準備を進めていきたいと考えています。
京都コングレスの情報や詳細などについては,京都コングレス専用ホームページに掲載していますので,こちらも是非ご覧ください。
会場である国立京都国際会館
国際会館内(Room A)
京都コングレスロゴマーク
京都コングレス・ユースフォーラムロゴマーク