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記者が行く!
~京都コングレス開催の舞台裏~

新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により,令和2年4月に予定していた京都コングレスの開催が延期されましたが,どのように感じましたか。また,延期から新たに開催日が決定するまでの間,開催に向けて,どのような取組をしていましたか。

4月の開催に向けて一生懸命準備してきたので,延期が決まったときはとても残念に思いました。延期決定後は,新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視しながら,どうすれば安全・安心に京都コングレスを開催できるか,主催者である国連や関係省庁などと協議を重ねながら,オンラインシステムの構築やプログラムの見直し等の検討を行っていました。

本年3月の開催が決まりましたが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から,当初予定していた取組の変更を余儀なくされたと思いますが,当初予定していた取組からどのような変更がありましたか。また,新型コロナウイルス感染症感染拡大防止対策として,どのような工夫をされましたか。

万全の感染防止対策を講じた上で,来場参加とオンライン参加を組み合わせたいわゆるハイブリッド方式で開催することとなった点が,延期前からの大きな変更点です。ポータルサイトを構築するなどして広くオンライン参加していただけるようにする一方,特に,海外からの来場参加は入国の際の水際措置との関係で,閣僚級のみに限定せざるを得ませんでした。
 感染症拡大防止策としては,来場参加者が安心して会議に参加できるよう,海外参加者の専用シャトルバスによる移動,ホテルの借り上げ,国内スタッフのPCR検査の実施などの措置を講じたほか,会場では消毒・検温を実施することはもちろん,参加者にマスクの常時着用をお願いした上で,参加者同士の距離を十分に確保できるレイアウトとしたり,アクリル板やビニールカーテン等を設置したりするなどの対策を講じました。

世界的に新型コロナウイルス感染症感染拡大が続く中で,同じく延期された東京五輪に先駆け,国連の重要な会議を日本で開催したことの意義について,改めて教えてください。

コロナ禍により,弱い立場にある人々の命や生活が脅かされている時だからこそ,5年に一度開催される犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議であるコングレスにおいて,各国の司法大臣等が,国際協力の在り方や,ポストコロナの時代に,SDGsが目指す「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて刑事司法が果たすべき役割等について議論を行い,成果文書として「京都宣言」を採択したことには大きな意義があったと考えています。新型コロナウィルス感染症の影響で,先にお話ししたとおり,様々な変更を余儀なくされ,試行錯誤しながらの開催でしたが,結果として,日本の安全・安心を世界により強くアピールできたのではないかと思います。