検察庁(けんさつちょう)

検(けん)察(さつ)庁(ちょう)に()は()、()最(さい)高(こう)検(けん)察(さつ)庁(ちょう)、()高(こう)等(とう)検(けん)察(さつ)庁(ちょう)、()地(ち)方(ほう)検(けん)察(さつ)庁(ちょう)、()区(く)検(けん)察(さつ)庁(ちょう)の４種類(しゅるい)があります。
最高検察庁(さいこうけんさつちょう)は最高裁判所(さいこうさいばんしょ)に対応(たいおう)する検察庁(けんさつちょう)で、全国(ぜんこく)で１庁(ちょう)しかなく、東京(とうきょう)にあります。
高等検察庁(こうとうけんさつちょう)は、高等裁判所(こうとうさいばんしょ)に対応(たいおう)する検察庁(けんさつちょう)で、北海道(ほっかいどう)（札幌市(さっぽろし)）、東北(とうほく)（仙台市(せんだいし)）、関東(かんとう)（東京都(とうきょうと)）、中部(ちゅうぶ)（名古屋市(なごやし)）、近畿(きんき)（大阪市(おおさかし)）、中国(ちゅうごく)（広島市(ひろしまし)）、四国(しこく)（高松市(たかまつし)）、九州(きゅうしゅう)（福岡市(ふくおかし)）のそれぞれの地方(ちほう)に１庁(ちょう)ずつ、合計(ごうけい)で８庁(ちょう)あります。
地方検察庁(ちほうけんさつちょう)は、地方裁判所(ちほうさいばんしょ)・家庭裁判所(かていさいばんしょ)に対応(たいおう)する検察庁(けんさつちょう)で、全国(ぜんこく)４７都道府県庁所在地(とどうふけんちょうしょざいち)にあります。ただし、北海道(ほっかいどう)は、札幌(さっぽろ)のほか、函館(はこだて)・旭川(あさひかわ)・釧路(くしろ)にもあるため、合計(ごうけい)で５０庁(ちょう)あります。新聞(しんぶん)やテレビで報道(ほうどう)される刑事事件(けいじじけん)の大部分(だいぶぶん)は地方検察庁(ちほうけんさつちょう)が取(と)り扱(あつか)っています。
検察庁(けんさつちょう)では、検察官(けんさつかん)や検察事務官(けんさつじむかん)などが働(はたら)いています。
検察官(けんさつかん)は、社会(しゃかい)の利益(りえき)を守(まも)る代表者(だいひょうしゃ)として、犯罪(はんざい)の捜査(そうさ)をしたり、その犯人(はんにん)の処罰(しょばつ)を求(もと)めて裁判所(さいばんしょ)に訴(うった)えて、裁判所(さいばんしょ)に証拠(しょうこ)を提出(ていしゅつ)したり、意見(いけん)を述(の)べたりします。そのようにして、事件(じけん)の真相(しんそう)を明(あき)らかにし、犯人(はんにん)がきちんと処罰(しょばつ)されるよう、社会正義(しゃかいせいぎ)の実現(じつげん)を目指(めざ)しています。

検察官(けんさつかん)はどのような仕事(しごと)をしているの？

検察官(けんさつかん)は、捜査(そうさ)（犯人(はんにん)を特定(とくてい)して、罪(つみ)を犯(おか)した証拠(しょうこ)を集(あつ)める手続(てつづき)）をします。
具体的(ぐたいてき)には、被疑者(ひぎしゃ)（罪(つみ)を犯(おか)した疑(うたが)いがあり、捜査(そうさ)の対象(たいしょう)とされている人(ひと)）や参考人(さんこうにん)（被害者(ひがいしゃ)や目撃者(もくげきしゃ)など）の取調(とりしら)べ、証拠品(しょうこひん)の捜索(そうさく)や差押(さしおさ)え、さらにその分析(ぶんせき)・検討(けんとう)などをします。
検察官(けんさつかん)は、捜査(そうさ)の結果(けっか)、明(あき)らかになった事実(じじつ)に基(もと)づき、犯人(はんにん)の起訴(きそ)（裁判(さいばん)にかけること）・不起訴(ふきそ)（裁判(さいばん)にかけないこと）を決定(けってい)します。
また、検察官(けんさつかん)は、起訴(きそ)した事件(じけん)について、裁判所(さいばんしょ)で開(ひら)かれる裁判(さいばん)に立(た)ち会(あ)い、裁判官(さいばんかん)に対(たい)して、起訴(きそ)された人(ひと)がどのような事件(じけん)を起(お)こしたのかを証拠(しょうこ)に基(もと)づいて明(あき)らかにし、どのような刑罰(けいばつ)を与(あた)えるべきか意見(いけん)を述(の)べるという役割(やくわり)も担(にな)っています。
そして、裁判所(さいばんしょ)において有罪(ゆうざい)の判決(はんけつ)が言(い)い渡(わた)されると、検察官(けんさつかん)は、その刑罰(けいばつ)の執行(しっこう)を指揮(しき)します。

検察官(けんさつかん)の捜査(そうさ)と警察官(けいさつかん)の捜査(そうさ)の違(ちが)いってなに？

刑事事件(けいじじけん)（犯罪(はんざい)）が発生(はっせい)すると、まず警察官(けいさつかん)が犯人(はんにん)を特定(とくてい)したり、犯罪(はんざい)の内容(ないよう)を明(あき)らかにするため、捜査(そうさ)をします。
もっとも警察官(けいさつかん)には、起訴(きそ)・不起訴(ふきそ)を決(き)める権限(けんげん)はなく、検察官(けんさつかん)が起訴(きそ)か不起訴(ふきそ)かを決(き)めることになっています。
このため、警察官(けいさつかん)は、捜査(そうさ)をしたら、その結果(けっか)をまとめた捜査記録(そうさきろく)などを検察官(けんさつかん)に送(おく)ります。
検察官(けんさつかん)は、起訴(きそ)か不起訴(ふきそ)かを決(き)めるため、警察(けいさつ)から送(おく)られた捜査記録(そうさきろく)などを確認(かくにん)するほか、自(みずか)ら積極的(せっきょくてき)に被疑者(ひぎしゃ)や参考人(さんこうにん)の取調(とりしら)べなどの捜査(そうさ)をして、事件(じけん)の真相(しんそう)を解明(かいめい)することに努(つと)めています。
このように、検察官(けんさつかん)と警察官(けいさつかん)の捜査(そうさ)は、事件(じけん)の真相(しんそう)を明(あき)らかにするという目的(もくてき)や内容(ないよう)は同(おな)じなのですが、捜査(そうさ)を行(おこな)う段階(だんかい)が違(ちが)うのです。

検察事務官(けんさつじむかん)はどのような仕事(しごと)をしているの？

検察事務官(けんさつじむかん)は、検察官(けんさつかん)を補助(ほじょ)する仕事(しごと)をしています。たとえば、事件(じけん)に関係(かんけい)する証拠品(しょうこひん)の捜索(そうさく)や差押(さしおさ)え、犯人(はんにん)の逮捕(たいほ)などの捜査(そうさ)を行(おこな)ったり、捜査(そうさ)で集(あつ)められた証拠品(しょうこひん)の管理(かんり)を行(おこな)うなどしています。

「特捜部(とくそうぶ)」ってどんな仕事(しごと)をしているの？

ニュースになるような経済(けいざい)の取引(とりひき)に関係(かんけい)する事件(じけん)や国民(こくみん)の義務(ぎむ)である税金(ぜいきん)を納(おさ)めずに免(まぬが)れる事件(じけん)などについては、検察官(けんさつかん)が自分(じぶん)で最初(さいしょ)から捜査(そうさ)を行(おこな)うことがあり、そのような事件(じけん)を専門的(せんもんてき)に捜査(そうさ)するために置(お)かれているのが特捜部(とくそうぶ)（特別捜査部(とくべつそうさぶ)）です。特捜部(とくそうぶ)は、東京(とうきょう)、大阪(おおさか)、名古屋(なごや)の地方検察庁(ちほうけんさつちょう)に置(お)かれています。