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「不動産登記規則案」に関する意見募集の実施結果について(報告)

第1  意見数

39件
( 司法書士(個人)及び関係団体25,土地家屋調査士(個人)及び関係団体5,司法書士兼土地家屋調査士(個人)1,金融機関の関係団体1,その他の団体1,その他の個人6)

第2  意見の概要

 ※ 意見は,主なものの要旨のみを取り上げています。
1  第13条(地図の記録事項)について
 第1項第7号に基本三角点等の名称があるときは,その名称も地図の記録事項とすべきとの意見,第2項の括弧書は削除すべきとの意見があった。
2  第14条(建物所在図の記録事項)について
 第4号に「形状」を入れるべきとの意見があった。
3  第28条(保存期間)について
 第9号の権利に関する登記の申請情報等の保存期間は,受付の日から20年とすべきとの意見,閉鎖登記記録の保存期間を80年とすべきとの意見があった。
4  第34条(申請情報)について
 第1項第1号の「申請人の電話番号その他の連絡先」は任意の申請情報とすべきとの意見,代理人によって申請する場合には「代理人」の電話番号その他の連絡先とすべきとの意見,第1項第6号の「申請の年月日」は書面申請の場合にのみ申請情報の内容とすべきとの意見,規則案第118条第1号イの敷地権の符号も申請情報の内容とすべきとの意見があった。
5  第36条(資格証明情報の省略等)について
 資格証明書の添付は登記情報交換システムにより省略することができるとの意見があった。
6  第39条(申請の取下げ)について
 取下げをすることができなくなる登記完了の時点を明示すべきとの意見があった。
7  第45条(申請書等の文字)について
 第2項に「その字数を欄外に記載した部分」への押印も規定すべきとの意見があった。
8  第48条(申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合)等について
 印鑑証明書を作成すべき登記所に申請する場合にも印鑑証明書は必ず添付させるべきとの意見,第48条第1項,第49条第1項及び第50条第1項の公証人等の認証の対象が書面である旨の表現に改めるべきとの意見があった。
9  第54条(受領証の交付の請求)について
 受領証には,申請情報のすべてを記載することを要すべきとの意見,受領証の交付請求は申請書提出後にも行えることを明らかにすべきとの意見があった。
1 0 第55条(添付書面の原本の還付請求)について
 原本還付の対象につき,すべての書面を対象とすべきとの意見,個別の委任状以外の書面すべてを対象とすべきとの意見,印鑑証明書又は委任状についても対象とすべきとの意見,登記原因証明情報として提出する(根)抵当権設定契約書も対象とすべきとの意見,原本還付ができない書類を明確にすべきとの意見があった。
 また,原本還付の時期について登記官による照合後とすべきとの意見,申請時とすべきとの意見があったほか,原本還付を請求することができる者に代理人を明示すべきとの意見もあった。
1 1 第59条(登記官による本人確認)について
 本人確認をすべき場合を限定列挙すべきとの意見があった。
1 2 第61条(登記識別情報)について
 登記識別情報は,不動産ごとに定めるべきでないとの意見があった。
1 3 第63条(登記識別情報の通知の方法)について
 書面申請の場合においては,郵送による登記識別情報通知書の交付を認めるべきとの意見があった。
1 4 第64条(登記識別情報の通知を要しない場合)について
 システム障害がありダウンロード可能な期間が経過した場合には,救済措置を設けるべきとの意見があった。
1 5 第65条(登記識別情報の失効の申出)について
 正当な理由によらない失効の申出は却下すべきとの意見,登記識別情報の有効性の証明請求後の一定期間は失効ができないとすべきとの意見があった。
1 6 第66条(登記識別情報の提供)について
 登記識別情報は,書面申請の場合でも,必ず封筒に入れる必要はないとの意見,申請書に記載する方法も認めるべきとの意見があった。
1 7 第67条(登記識別情報の提供の省略)について
 登記識別情報の不通知の申出をした者にも第67条の適用があるかを明らかにすべきとの意見があった。
1 8 第68条(登記識別情報に関する証明)について
 複数の登記識別情報の証明請求を一回で行えるようにすべきとの意見があった。
1 9 第70条(事前通知)について
 事前通知に基づく申出の期間は,国内については3週間とすべきとの意見,外国については4週間以上とすべきとの意見,5週間とすべきとの意見があったほか,事前通知書の到達時から起算すべきとの意見があった。また,第1項第1号に法人の代表者の住所に送付する場合も含めるべきとの意見があった。
2 0 第71条(前の住所地への通知)について
 行政区画の変更の場合等には前の住所地への通知を省略すべきとの意見,資格者代理人による本人確認の情報の内容が相当と認める場合には前の住所地への通知を省略すべきとの意見,住所変更の登記と所有権の移転の登記を連件で申請すべき場合には前の住所地への通知を省略すべきとの意見があった。
2 1 第72条(資格者代理人による本人確認情報の提供)について
 資格者代理人が法人である場合に当該申請において当該法人を代表する者が本条の資格者代理人に該当することを明らかにすべきとの意見,外国人登録原票記載証明書を2号書面とすべきとの意見があった。申請代理人でない資格者代理人についても本人確認情報の提供を認めるべきとの意見があった。
2 2 第73条(土地所在図等の作成方式)について
 電子申請において提供される土地所在図等について,作成者である土地家屋調査士の職・氏名が明らかになるように作成すべきとの意見があった。
2 3 第74条(土地所在図等の作成方式)について
 書面申請において提出する土地所在図等はA版化すべきとの意見があった。
2 4 第77条(地積測量図の内容)について
 第1項第7号の「特別の事情」を明らかにすべきとの意見,地積測量図について世界座標化すべきとの意見があった。
2 5 第79条(地役権図面の内容)について
 地役権図面には,作成者の職・氏名が明らかになるように作成すべきとの意見があった。
2 6 第92条(行政区画の変更等)について
 第92条は総則の通則として規定すべきとの意見があった。
2 7 第93条(実地調査)について
 ただし書に土地家屋調査法人が代理人となる場合の作成者も明記すべきとの意見,ただし書から「その他の申請情報と併せて提供された情報」という部分を削除すべきとの意見があった。
2 8 第107条(合筆の登記における権利部の記録方法)について
 第1項第1号の「合併」は「合筆」と改めるべきとの意見があった。
2 9 第165条(根抵当権等の分割譲渡の登記)について
 根抵当権の分割譲渡においても付記登記ですべき場合があるとの意見があった。
3 0 第193条(登記事項証明書の交付の請求情報等)について
 第4項の代理人の権限を証する書面には印鑑証明書を添付させるべきとの意見,第5項の利害関係がある理由を証する書面は提示でなく添付とすべきとの意見があった。
3 1 第197条(登記事項証明書の作成及び交付)等について
 第197条第1項,第200条第1項及び第2項,第201条第1項及び第2項は,「登記官印」は「職印」とすべきとの意見があった。
3 2 附則について
 登記済証についても送付を認めるべきとの意見,未指定庁において旧法の「登記済証」を交付するときは,「登記完了証」を交付する必要がないとの意見があった。
3 3 別表第三について
 「区分建物の番号」は「区分建物の名称」の誤記であるとの意見があった。
3 4 その他
 上記のほか,次の意見があった。
  (1 ) 書面申請の規定を原則とする条文とすべきとの意見
  (2 ) 代表者の氏名は,代理人による申請の場合は申請情報の内容とすることを要しないとの意見
  (3 ) 委任による代理権が不消滅の場合の代理権限情報の扱いを明確にすべきとの意見
  (4 ) 破産管財人がする所有権の移転の登記には登記識別情報の提供を要しないとの規定を設けるべきとの意見
  (5 ) 法第14条第1項の地図として備え付けらた地図についても,その要件が欠くことを判明したときは,地図に準ずる図面として変更することができる旨の規定を設けるべきとの意見
  (6 ) 資格者を優遇すべきでないとの意見
  (7 ) 登記事項要約書に共同担保目録を記載すべきとの意見
  (8 ) a登記事項証明書等の手数料を下げるべきとの意見

第3  意見についての考え方

 ※ 意見及びこれに対する考え方は,主なものの要旨のみを取り上げています。
1  第13条(地図の記録事項)について
 第1項第7号に基本三角点等の名称も地図の記録事項とすべきとの意見については,基本三角点等の位置の記録方法の内容として検討する。第2項の括弧書は削除すべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
2  第14条(建物所在図の記録事項)について
 建物所在図の機能から考えて,「形状」を要件にする必要はないと考える。
3  第28条(保存期間)について
 第9号の権利に関する登記の申請情報等の保存期間等については,将来的な課題として検討する。
4  第34条(申請情報)について
 第1項第1号の「申請人の電話番号その他の連絡先」及び同項第6号「申請の年月日」は任意の申請情報であると考える。
 代理人によって申請する場合には「代理人」の電話番号その他の連絡先とすべきとの意見及び第118条第1号イの敷地権の符号も申請情報の内容とすべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
5  第36条(資格証明情報の省略等)について
 資格証明書の添付は,公平の観点から省略することができないと考える。
6  第39条(申請の取下げ)について
 登記完了の時点は,登記官が,登記記録に登記事項等を記録した上,登記官の識別番号を記録した時点であることは明らかである。
7  第45条(申請書等の文字)について
 第2項に「その字数を欄外に記載した部分」への押印も規定すべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
8  第48条(申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合)等について
 公証人等の認証の対象が書面である旨の表現に改めるべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
9  第54条(受領証の交付の請求)について
 受領証の交付請求は申請書提出後にも行えることを明らかにすべきとの意見を受けて、原案を修正することとした。
1 0 第55条(添付書面の原本の還付請求)について
 原本還付の対象については,登記の正確性の観点から原案を維持すべきと考える。
 他方,原本還付の時期について登記官による照合後とすべきとの意見を踏まえ,原案を修正することとした。
 なお,原本還付の請求が代理人でもできることは当然である。
1 1 第59条(登記官による本人確認)について
 登記官による本人確認をすべき場合を限定列挙することは,成りすましによる不正な登記を防止することができないおそれがあるので,相当でないと考える。
1 2 第61条(登記識別情報)について
 登記識別情報は,登記の正確性を確保する観点から,不動産ごとに定めるべきと考える。
1 3 第63条(登記識別情報の通知の方法)について
 書面申請の場合において郵送による登記識別情報通知書の交付を認めることについては,確実かつ迅速に通知を行う観点から検討すべき問題があるので,将来的な検討課題としたいと考えている。
1 4 第64条(登記識別情報の通知を要しない場合)について
 極力,システム障害が生じないようなシステムを構築する予定であるが,仮に登記所のシステムに何らかの障害が生じた場合には柔軟な対応をしたいと考えている。
1 5 第65条(登記識別情報の失効の申出)について
 失効の申出に制限を設けることは,登記の正確性の観点から相当でないと考える。
1 6 第66条(登記識別情報の提供)について
 書面申請において登記識別情報を封筒に入れないで提供しても,これを理由に却下する扱いにはなっていない。
1 7 第67条(登記識別情報の提供の省略)について
 登記識別情報の不通知の申出をした者にも第67条の適用があると考えている。
1 8 第68条(登記識別情報に関する証明)について
 複数の登記識別情報の証明請求を一回で行えるようにすべきとの意見を受けて,同一の登記名義人について複数の登記識別情報の証明請求を一回で行うことができるようにシステムの検討・開発を行いたいと考えている。
1 9 第70条(事前通知)について
 事前通知に基づく申出の期間は,現在の郵便事情のほか,登記の迅速性の観点から,原案が相当と考える。
 第1項第1号に法人の代表者の住所に送付する場合も含めるべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
2 0 第71条(前の住所地への通知)について
 行政区画の変更の場合等には,前の住所地への通知を省略すべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
 資格者代理人による本人確認の情報の内容が相当と認める場合や住所変更の登記と所有権の移転の登記を連件で申請すべき場合であっても,住所移転を利用した成りすまし事案に対処するため,前の住所地への通知を省略することは相当でないと考える。
2 1 第72条(資格者代理人による本人確認情報の提供)について
 資格者代理人が法人である場合に当該申請において当該法人を代表する者が本条の資格者代理人に該当することを明らかにすべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
 外国人登録原票記載証明書は,同居の親族等本人以外の者も交付を請求することができるから,2号書面とするのは相当でないと考える。
 申請代理人でない資格者代理人について本人確認情報の提供を認めることは,新不動産登記法第23条第4項第1号において予定されていない。
2 2 第73条(土地所在図等の作成方式)について
 電子申請において提供される土地所在図等に作成者である土地家屋調査士の職・氏名を明らかにすべき点については,土地家屋調査士法施行規則の改正において検討することとする。
2 3 第74条(土地所在図等の作成方式)について
 書面申請において提出する土地所在図等は,保管等の関係からA版化するのは相当でないと考える。
2 4 第77条(地積測量図の内容)について
 第1項第7号の「特別の事情」については,通達等で明らかにする予定である。
2 5 第79条(地役権図面の内容)について
 地役権図面についての作成者の職・氏名までは必要ないと考える。
2 6 第92条(行政区画の変更等)について
 行政区画の変更等の規定は,表題部の不動産登記事項のみに係るものと考える。
2 7 第93条(実地調査)について
 ただし書に土地家屋調査法人が代理人となる場合の作成者も明記すべきとの意見を受けて原案を修正することした。「その他の申請情報と併せて提供された情報」については,実地調査の要否の判断資料とすることを否定するのは相当でないと考える。
2 8 第107条(合筆の登記における権利部の記録方法)について
 土地の合筆に伴う所有権の登記の表現としては,原案が適切と考えている。
2 9 第165条(根抵当権等の分割譲渡の登記)について
 根抵当権の分割譲渡においても付記登記ですべき場合があるとの意見を受けて,原案を修正することとした。
3 0 第193条(登記事項証明書の交付の請求情報等)について
 第4項の代理人の権限を証する書面には,印鑑証明書を添付させるまではないと考えている。また,第5項の利害関係がある理由を証する書面は,提示により相当な判断ができると考えている。
3 1 第197条(登記事項証明書の作成及び交付)等について
 第197条第1項,第200条第1項及び第2項,第201条第1項及び第2項は,「登記官印」は「職印」とすべきとの意見を受けて,原案を修正することとした。
3 2 附則について
 確実かつ迅速な交付の観点から,登記済証について送付を認めるべきでないと考えている。
 旧法の「登記済証」を交付するときは,なお従前の例による(新規則案附則第15条第3項及び第5項)とされているので,当然「登記完了証」を交付する必要がないことになる。
3 3 別表第三について
 「区分建物の番号」は「区分建物の名称」の誤記であるとの意見を受けて,原案を修正することした。
3 4 その他
 破産管財人がする所有権の移転の登記については,現在の登記実務を考慮し,事前通知をするまでもないと考えている。
 制度上要件を欠くものを法第14条第1項の地図として備え付えることは想定されていない。

第 4 原案の修正等について

 お寄せいただいた御意見を踏まえ,法務省民事局において,更に検討を加えた結果,不動産登記規則案については,別添のとおりとすることを考えております。
 御協力ありがとうございました。