法務省入国管理局
第3次出入国管理基本計画に関する意見募集(パブリック・コメント)の実施結果について

 「第3次出入国管理基本計画における主要な課題と今後の方針」について,下記の要領で意見募集を行い,御意見をいただきました。お寄せいただいた御意見については,第3次出入国管理基本計画の策定に当たって参考とさせていただきます。

 ○  広報
 当省ホームページ
 ○  意見募集期間
 平成17年2月2日(水)〜同年3月1日(火)
 ○  応募件数:266件(電子メール230件,ファックス12件,郵送24件)

 意見の概要
(1 )専門的,技術的分野の外国人労働者の受入れについて
  ○  専門的,技術的分野の外国人労働者については,積極的な受入れを進める必要がある。
  ○  我が国の大学,専門学校等で学んだ学生や,日本の資格の取得者などについては,専門的,技術的分野の外国人労働者として幅広く受け入れていくべきである。
  ○  高度な技術を有する人材は国内での育成を優先すべきであり,受入れによる国内への影響にも配慮をしながら検討すべきである。

(2 )人口減少時代への対応
  ○  「現在では専門的,技術的分野に該当するとは評価されていない分野における外国人労働者」についても受け入れるべきであるが,その際には,以下のようなポイントが重要である。
   ・  一定の日本語能力を有していること。
   ・  一定の技能を有していること。
   ・  雇用者の責任を明確化すること。
   ・  日本の労働市場への影響を考慮すること。
   ・  低賃金で外国人労働者を働かせないこと。
   ・  受け入れる外国人の国籍を特定すること。
   ・  国内の管理体制を強化すること。
  ○  「現在では専門的,技術的分野に該当するとは評価されていない分野における外国人労働者」については,以下の理由から,受け入れるべきではない。
   ・  少子化対策,労働力率向上対策等の国内の対策が優先されるべき。
   ・  受入れに伴って新たに問題が発生すること(新たな失業の発生,受け入れた外国人が高齢化することによる社会保障負担の増大を含めた受入れコストの発生,治安の悪化に対する懸念等)
   ・  諸外国においても種々の問題が発生していること。
   ・  少ない人口に見合った発展を図っていけばよい。
  ○  「現在では専門的,技術的分野に該当するとは評価されていない分野における外国人労働者」の受入れについては,その受入れに伴う正負両面の効果を明示し,国民的議論を行っていくべき課題である。

(3 )国際的な文化交流の拡大
  ○  文化交流の拡大は図るべきであるが,治安への影響を考慮して対応すべきである。
  ○  治安への影響があるため,文化交流の拡大は図るべきではない。

(4 )留学生,就学生の受入れについて
  ○  留学生,就学生の受入れは推進すべきであるが,適正化を図っていくことが重要である。
  ○  我が国の大学,専門学校等で学んだ学生については,専門的,技術的分野の外国人労働者としての就職を一層認めていくべきである。

(5 )研修・技能実習制度の適正化
  ○  研修・技能実習制度は,国際貢献のための重要な制度であり,一層の技術移転が可能となるよう,技能実習対象職種の拡大や滞在期間の延長等の措置を講ずるべきである。
  ○  研修・技能実習制度をめぐっては様々な問題が発生しており,まず,適正化のための取組等を講じていくべきである。

(6 )不法滞在者を大幅に縮減し,我が国の治安を回復するための取組
  ○  我が国の治安を確保する観点から,出入国審査の厳格化を行う必要があり,バイオメトリクスを活用した手法も早急に導入すべきである。ただし,取得した情報については厳格な取扱いが不可欠である。
  ○  バイオメトリクスの活用は,人権上の観点からも十分慎重に検討すべきである。
  ○  不法滞在者対策は一層厳格に行っていくべきである。
  ○  不法滞在者であっても一定の配慮は必要である。

(7 )その他
  ○  様々な対応を行っていくため,必要な体制の整備を進めていくべきである。
  ○  一層適切な難民認定業務を推進していくべきである。

 意見についての考え方
(1 )専門的,技術的分野の外国人労働者の受入れについて
 専門的,技術的分野の外国人労働者については,我が国の経済社会の活性化に資することから,積極的な受入れを図る必要があると考えています。
 現行の在留資格や上陸許可基準に該当しないものでも,そのような分野であると評価できるものについては,新たな在留資格や上陸許可基準の整備を行っていく必要があると考えていますが,その際には,御意見にあったようなポイントを含めた我が国の産業及び国民生活に与える影響等を勘案することが不可欠であると認識しています。


(2 )人口減少時代への対応
 人口減少時代への対応については,様々な観点から多様な御意見が寄せられたところです。「現在では専門的,技術的分野に該当するとは評価されていない分野における外国人労働者」の受入れについては,検討すべき事項が多岐にわたることから,パブリック・コメント手続において寄せられた御意見も踏まえ,受入れに伴う我が国の産業及び国民生活に与える正負両面の影響を十分勘案しながら検討していくことが必要であると認識しています。


(3 )国際的な文化交流の拡大
 国際的な文化交流の拡大は重要であると認識していますが,我が国の治安への悪影響を生じさせないよう,不法滞在等の問題に留意しながら,訪日外国人旅行者の円滑な出入国手続の推進に努めていきたいと考えています。


(4 )留学生,就学生の適正な受入れ
 留学生,就学生は,我が国の文化に触れながら我が国で学んだという意味で,将来,我が国のよき理解者となり得る人材と考えられます。また,そのような外国人が専門的な知識や技術を習得し,日本国内や世界各国で活躍することは,経済,文化の両面から我が国の発展を支える基礎となると考えられますので,留学生,就学生の受入れを今後とも積極的に進めていく必要があると考えております。他方で,留学生等として入国した後に不法就労等に従事するケースも少なくないことから,関係機関とも連携して適正な受入れを確保するとともに,卒業後の就労のための在留資格の変更手続の円滑化などの措置を講じていく必要があると考えています。


(5 )研修・技能実習制度の適正化
 研修・技能実習制度は,開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するものとして重要な制度ですが,研修生・技能実習生の失踪,不法残留といった問題や,研修手当・賃金が全額支払われないなどといった問題も発生していますので,実態調査の強化など厳格な審査を行うこと等を通じて,適正化のための取組を推進していくことが重要であると考えています。また,研修・技能実習制度を適正かつ円滑に推進し一層充実させていくため,制度自体の見直しを検討していくことも必要であると考えています。


(6 )不法滞在者を大幅に縮減し,我が国の治安を回復するための取組
 政府の方針である不法滞在者の半減に向けた取組を推進していくことが重要であると考えています。
 厳格な水際対策を講じていくためには,バイオメトリクスを活用した出入国審査の導入が有効であると考えておりますが,取得した情報については,厳格な管理を行うことが必要であると認識しています。
 また,不法滞在者であっても人道上の配慮を要するケースはありますので,そのような観点も考慮しながら適切に対応していくことが必要であると考えています。


(7 )その他
 今後とも,必要な体制の整備に努めていきたいと考えています。
 難民認定業務については,難民審査参与員制度の新設等を内容とする制度の見直しが行われましたので,今後,新たな制度を円滑かつ適正に運用し,難民を偽装する外国人を排除しつつ,真の難民を確実に庇護して国際社会における責任を果たしていきたいと考えています。

 
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