平成15年2月5日
答申(強制執行を妨害する犯罪等に対する罰則整備のための刑法の一部改正に関する要綱(骨子))

法務大臣 殿

法制審議会会長

答   申

 諮問第59号については,次のとおり答申する。
 標記諮問については,別紙要綱(骨子)のとおり刑法を改めるとともに,別紙附帯決議のとおり罰則を整備することが相当である。



(別紙) (原文縦書き)
     要綱(骨子)
 公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 強制執行を妨害する目的で、次に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。情を知って(三)の譲渡又は権利の設定の相手方となった者も同様とすること。
  (一)  強制執行を受け又は受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為
(二)  強制執行を受け又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損させ、又は強制執行の費用を増大させる行為
(三)  金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為
 偽計又は威力を用いて、立入り、占有者の確認その他の強制執行の行為を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 強制執行の申立てをさせず、又はその申立てを取り下げさせる目的で、申立権者又はその代理人に対して暴行を用い、又は脅迫した者も、1と同様とすること。
 偽計又は威力を用いて、強制執行において行われ又は行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 報酬を得、又は得させる目的で、人の債務に関し、一ないし四の罪を犯した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 偽計又は威力を用いて、契約を締結するための公の競売又は入札の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、1と同様とすること。



     附帯決議
 暴力団等による強制執行妨害行為が組織的に行われている実情にかんがみ、これら組織的な妨害行為については、要綱(骨子)五と同様に加重処罰できるように、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律を改正すべきである。

 
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