法制審議会第140回会議 議事録 第1 日 時   平成15年3月24日(月) 自 午後1時30分                        至 午後3時00分 第2 場 所   法務省大会議室 第3 議 題   諮問第62号,諮問第63号について 第4 議 事   (次のとおり)               議         事  (開会宣言の後,法務大臣から次のようにあいさつがあった。)  法制審議会第140回会議の開催に当たりまして,一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。  委員及び幹事の皆様方におかれましては,公私ともに大変御多用のところ御出席をいただきまして,誠にありがとうございました。  この審議会におきましては,皆様の御尽力によりまして,既に多くの重要な案件について御答申をいただき,また現在も多数の諮問事項について調査審議をいただいているところでございます。皆様方の御労苦に対して,厚く御礼を申し上げます。  さて,本日,御審議をお願いする議題の第1は,民事執行制度の見直しに関する諮問第62号でございます。社会経済の複雑化,多様化に伴いまして,今後,民事紛争の増加が予想されますことから,民事司法を通じての権利実現の円滑化を図る必要性がますます高まっております。  民事執行制度につきましては,前回の第139回会議におきまして,不動産執行妨害への対策強化及び強制執行の実効性確保を柱とする担保・執行法制の見直しに関する要綱を御答申いただいているところでございますが,このような状況のもとで,民事執行手続を更に適正・迅速なものといたしまして,より国民が利用しやすい手続とすることが急務でございます。そこで,民事執行手続の一層の適正・迅速化を図るために,民事執行制度の見直しを行う必要があると考えまして,ここに諮問させていただきました。  第2は,ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する諮問第63号でございます。  近年,コンピュータの利用者は急速に拡大し,またその利用形態もネットワークに接続して用いるものが主流となりまして,世界的な規模のコンピュータ・ネットワークが形成され,社会的基盤となっております。そのため,政府におきましても,いわゆるIT革命を進展させるべく,各種の政策を行っているところでございます。  しかしながら,これに伴い,いわゆるコンピュータ・ウィルスによるコンピュータへの攻撃や,コンピュータ・ネットワークを悪用した犯罪も増加しておりまして,我が国の治安や社会経済秩序を維持するためには,この種のハイテク犯罪に的確に対処し得るための法整備を行わなければならないと考えます。  また,ハイテク犯罪は,容易に国境を越えて犯されるという特色を持っていることなどから,国際的な対策が重要になりますが,欧州評議会によりサイバー犯罪に関する条約が起草されまして,平成13年11月23日,我が国もこれに署名を行いました。同条約は,世界初のコンピュータ犯罪対策条約でございまして,現在,G7諸国はもとより,ヨーロッパ諸国の大多数が署名するなど,事実上のグローバルスタンダードとなっておりまして,その締結に向けました法整備を行うことが必要でございます。  そこで,このような状況に照らし,ハイテク犯罪に対する刑事の実体法及び手続法につきまして,早急に法整備を行う必要があると考えまして,ここに諮問させていただきました。この諮問第63号につきましては,最近のハイテク犯罪の情勢や,条約の早期締結の必要性にかんがみまして,この秋に臨時国会が開かれるようでありましたら,この国会に関係の法案を提出いたしたいと考えておりますので,よろしく御審議の上,できる限り速やかに御答申をいただきたいと存じます。  どうぞよろしくお願い申し上げます。  (法務大臣の退席後、委員の異動につき紹介し,引き続き,本日の議題について次のように審議が進められた。) ● 先ほどの法務大臣のあいさつにもございましたように,本日は,1,民事執行制度の見直しに関する諮問第62号,2,ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する諮問第63号につきまして御審議いただきたいと存じます。  また,本日は,関係官として,司法制度改革推進本部の○○事務局次長に御出席いただいておりますので,現在開会中であります第156回国会に,司法制度改革推進本部から提出されました司法制度改革関連の法案について,審議終了後に説明をお願いいたしたいと存じます。  それでは,審議に入らせていただきます。  本日の第1の議題であります,民事執行制度の見直しに関する諮問第62号につきまして御審議をお願いしたいと存じます。  まず初めに,諮問第62号につきまして事務当局に諮問事項を朗読していただきます。 ● それでは,朗読させていただきます。  諮問第六十二号   民事執行手続を一層,適正かつ迅速なものとすることにより,円滑な権利の実現を図るとの観点から,民事執行制度の見直しを行う必要があると思われるので,その要綱を示されたい。 ● それでは,諮問の内容,諮問に至る経緯及びその理由などにつきまして,事務当局から説明してもらいます。 ● それでは,私の方から民事執行制度の見直しに関する諮問62号について御説明申し上げます。  民事執行制度につきましては,平成13年2月に第49号,同年6月に第53号の諮問がされ,本年2月5日に開催されました前回の会議におきまして,「担保・執行法制の見直しに関する要綱」を御決定いただいたところであります。  この要綱は,司法制度改革審議会の意見書の提言等を踏まえたものでございますが,いわゆる占有屋等による執行妨害や,債務者による財産隠しなどによりまして,民事執行制度が適切に機能しない場合があるなどの指摘を受けて,不動産執行妨害への対策強化及び強制執行の実効性確保の観点からの民事執行制度の改善を図ったものでございます。ただ,我が国の社会経済情勢の変化に照らしますと,民事執行制度を一層適正・迅速なものとし,権利実現の円滑化を図るという新たな観点から,民事執行手続の更なる見直しを行うことが必要であると考えられます。  民事執行制度の一層の適正・迅速化のためには,さまざまな検討事項が考えられるところでありますが,例えば,現在,簡易裁判所におきましては原則として1日で審理を終え,即日判決を言い渡すという少額訴訟手続が設けられております。この制度は,簡易・迅速に判決が得られるという点で国民から評価を受けているものであり,今通常国会に提出しました「民事訴訟法等の一部を改正する法律案」でも,その上限額を引き上げることとしております。更に,その執行手続が簡易・迅速に行われることになりますと,権利実現の段階を含めて,より国民に利用しやすい制度になるものと思われます。このような観点から,少額訴訟の判決等に基づく簡易裁判所における少額債権執行手続の創設が検討項目の一つとなるのではないかと考えております。  また,現在の不動産の競売におきましては,競売開始決定がされますと,裁判所が差押不動産の適正な競売が行われるよう,評価人を選任して不動産の評価を命じ,その評価に基づいて最低売却価額を定めることとされております。最低売却価額制度は,この価額に達しない買受けの申出に対しては,売却を許可しないというものであり,不当に安い価額での売却を防止するとともに,適正価額を提示して,買受けの申出をしようとする者に指針を与えるという機能を有するものでございます。しかしながら,他方で,この制度があるために不動産がなかなか売却できず,競売手続の円滑な遂行の妨げになる場合があるとの指摘もされております。このようなことから,不動産の競売における最低売却価額制度の在り方等を見直すことも必要ではないかと考えております。  さらに,民事執行手続においては,民事執行の申立てから配当の実施に至るまで,裁判所がさまざまな職務を行うこととされております。その中では,例えば不動産の差押えの登記の嘱託,配当要求終期の公告など,一定の事項は裁判所書記官が行う事項とされておりますが,執行手続の迅速化を図るためには,裁判官と裁判所書記官の役割分担の見直しを行うことも必要ではないかと考えております。  以上のような点を含めて,さきに申し上げました民事執行手続の一層の適正・迅速化を図るとの観点から,民事執行制度を見直す必要があると考えられますので,その見直しの在り方について,法制審議会の御意見を伺う必要があると考えております。  以上でございます。 ● それでは,ただいま説明のありました諮問第62号について,まず御質問がございましたら御発言をお願いいたします。  御質問がないようでございますので,次に,諮問第62号の審議の進め方について,御意見がございましたらお願いいたしたいと思います。 ● 先ほどの御説明ですと,諮問第62号は,民事執行制度に関するものでございますけれども,専門的,技術的な事項が数多く含まれていると思いますので,部会で審議して,その審議結果の報告を受けまして総会で審議する方がよいのではないかというふうに思っております。  問題は,そのために新たな部会を設置するかどうかでございますが,以前に諮問第52号に基づいて設置されました民事・人事訴訟法部会は,現在も民事訴訟法の関係で存続しているというふうにお聞きしております。そして,民事執行法と民事訴訟法とはどちらも民事手続法の基本法として,制度の在り方や考え方に共通している部分が多いと思われますので,新たに部会を設置することはしないで,同じ部会で審議する方が適当であると考えております。つまり,私は,諮問第62号につきましては,民事・人事訴訟法部会で審議することを提案したいと思います。 ● ただいま○○委員から,諮問第62号につきましては,民事・人事訴訟法部会において調査審議し,その結果の報告を受けて,更に総会で審議をすることとしてはどうかとの御提案がございました。これにつきまして,御意見がございますでしょうか。  特に御異議がないようでございますので,諮問第62号につきましては,民事・人事訴訟法部会において調査審議することに決定いたします。  次に,この部会で調査審議いただく委員等についてでございますが,諮問第62号が追加されましたので,新たに部会の調査審議に加わっていただく委員等の指名が必要になろうかと思われます。これにつきましては,会長に御一任願えますでしょうか。御異議ございませんでしょうか。             (「異議なし」と呼ぶ者あり) ● それでは,この点は会長に御一任願うことといたします。  次に,部会の名称についてでございます。  前回の第139回会議において,「人事訴訟法案要綱」を答申いたしましたので,民事・人事訴訟法部会に付託されておりました諮問第52号のうち,人事訴訟手続法の改正に関する部分につきましては,調査審議を終了しております。そして,新たに諮問第62号が追加されましたので,今後の部会における諮問事項との関連から「民事訴訟・民事執行法部会」と部会の名称を変更することといたしたいと存じますが,いかがでございましょうか。             (「異議なし」と呼ぶ者あり) ● 特に御異議もないようでございますので,そのように取り計らわせていただきます。  総会委員として,諮問事項の中身について,ほかに御意見がございましたら御発言をお願いいたします。  それでは,諮問第62号につきましては,民事訴訟・民事執行法部会で御審議いただき,それに基づいて総会において更に御審議を願うことにいたしたいと存じます。  では,次に第2の議題でありますハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する諮問第63号につきまして,御審議をお願いいたしたいと存じます。  まず初めに,諮問第63号につきまして,事務当局に諮問事項を朗読してもらいます。 ● 朗読させていただきます。  諮問第六十三号   近年におけるハイテク犯罪の実情にかんがみ,この種の犯罪に対処するとともに,欧州評議会サイバー犯罪に関する条約(仮称)を締結するため,早急に,刑事の実体法及び手続法を整備する必要があると思われるので,別紙要綱(骨子)について御意見を承りたい。  別紙     要綱(骨子)  第一 不正指令電磁的記録等作成等の罪の新設等   一 人の電子計算機における実行の用に供する目的で,人の使用する電子計算機についてその意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる不正な指令に係る電磁的記録その他の記録を作成し,又は提供した者は,三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するものとすること。   二 一の不正な指令を与える電磁的記録を人の電子計算機において実行の用に供した者も,一と同様とすること。   三 二の未遂は,罰するものとすること。   四 一の目的で,一の不正な指令に係る電磁的記録その他の記録を取得し,又は保管した者は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するものとすること。   五 電子計算機損壊等業務妨害の罪(刑法第二百三十四条の二)の未遂は,罰するものとすること。  第二 わいせつ物頒布等の罪(刑法第百七十五条)の改正   一 わいせつな文書,図画,電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し,又は公然と陳列した者は,二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し,又は懲役及び罰金を併科するものとすること。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も同様とすること。   二 有償で頒布する目的で,一の物又は電磁的記録を所持し,又は保管した者も,一と同様とすること。  第三 電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法   一 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは,差押状の執行をする者又は差押許可状により差押えをする捜査機関は,その差押えに代えて次の処分をすることができるものとすること。公判廷で差押えをする場合も,同様とすること。    1 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し,印刷し,又は移転した上,当該他の記録媒体を差し押さえること。    2 差押状の執行を受ける者又は差押許可状による差押えを受ける者に当該記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ,印刷させ,又は移転させた上,当該他の記録媒体を差し押さえること。   二 押収物が一の規定により電磁的記録を移転し,又は移転させた上差し押さえた他の記録媒体で留置の必要がないものである場合において,差押状の執行を受けた者又は差押許可状による差押えを受けた者と当該他の記録媒体の所有者,所持者又は保管者が異なるときは,還付に代えて差押状の執行を受けた者等に当該他の記録媒体を交付し,又は差押状の執行を受けた者等に当該電磁的記録を複写させた上,当該他の記録媒体の所有者等に当該他の記録媒体を還付しなければならないものとすること。  第四 記録命令差押え   一 裁判所は,記録命令差押え(電磁的記録を保管する者その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ,又は印刷させた上,当該記録媒体を差し押さえることをいう。)をすることができるものとすること。公判廷外において記録命令差押えを行う場合は,令状を発してこれをしなければならないものとすること。   二 捜査機関は,犯罪の捜査をするについて必要があるときは,裁判官の発する令状により,記録命令差押えをすることができるものとすること。   三 一及び二の令状には,電磁的記録を記録させ,又は印刷させるべき者及び記録させ,又は印刷させるべき電磁的記録を記載しなければならないものとすること。   四 その他,命令差押えに関する所要の法整備を行うこと。  第五 電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体からの複写   一 裁判所は,差し押さえるべき物が電子計算機であるときは,当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって,当該電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから,その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上,当該電子計算機又は他の記録媒体を差し押さえることができるものとすること。   二 一の規定は,捜査機関が刑事訴訟法第二百十八条の規定によってする差押えについてこれを準用するものとすること。   三 一の差押状及び二の差押許可状には,差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって,その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならないものとすること。  第六 電磁的記録に係る記録媒体の差押状の執行を受ける者等への協力要請   一 差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは,差押状若しくは捜索状の執行をする者又は差押許可状若しくは捜索許可状により差押え若しくは捜索をする捜査機関は,差押状若しくは捜索状の執行を受ける者又は差押許可状若しくは捜索許可状による差押え若しくは捜索を受ける者に対して,電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができるものとすること。公判廷で差押えをする場合も同様とすること。   二 検証すべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは,裁判所又は裁判官の発する令状により検証をする捜査機関は,一と同様の協力を求めることができるものとすること。  第七 保全要請等   一 捜査については,電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対して,その業務上記録し,又は記録すべき電気通信の送信元,送信先,通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し,九十日を超えない期間を定めて,これを消去しないよう求めることができるものとすること。   二 捜査関係事項照会及び一の保全要請を行う場合において,必要があるときは,みだりにこれらの要請に関する事項を漏らさないよう求めることができるものとすること。  第八 不正につくられた電磁的記録等の没収   一 不正につくられた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還し,又は交付する場合には,当該電磁的記録を消去し,又は当該電磁的記録が不正に利用されないようにする処分をしなければならないものとすること。   二 不正につくられた電磁的記録に係る記録媒体が公務所に属する場合において,当該電磁的記録に係る記録媒体が押収されていないときは,不正につくられた部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならないものとすること。   三 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法の適用については,被告人以外の者に帰属する電磁的記録は,その者の所有に属するものとみなすものとすること。  以上でございます。 ● 続きまして,諮問の内容,諮問に至る経緯及びその理由などにつきまして,事務当局から説明していただきます。 ● それでは,私の方から,諮問第63号につきまして,提案に至りました経緯及び諮問の趣旨等について御説明申し上げます。  近年,コンピュータの高性能化,低価格化,処理可能な情報の多様化が進み,コンピュータの利用者は急速に拡大しております。また,その利用形態も,従来の単独で用いる形態ではなく,ネットワークに接続して用いるものが一般的になり,世界的な規模のコンピュータ・ネットワークが形成されて,重要な社会的基盤の一つとなっております。そのため,政府におきましても,いわゆるIT革命を進展させるべく,各種の施策を行っているところでございます。  一方,これに伴いまして,いわゆるコンピュータ・ウィルスによるコンピュータへの攻撃や,コンピュータ・ネットワークを悪用した犯罪が増加しており,我が国の治安や社会経済秩序を維持するためには,この種のハイテク犯罪に的確に対処するための法整備を行うことが不可欠でございます。  また,ハイテク犯罪は,容易に国境を越えて犯され得るという特色を有し,一国を起点とした犯罪が他国にも重大な影響を及ぼすものでありますことから,国際的に協調した対策が求められておりますところ,欧州評議会によりサイバー犯罪に関する条約が起草され,平成13年11月23日,我が国もこれに署名を行いました。同条約は,世界初のコンピュータ犯罪対策条約でありまして,G7諸国はもとより,ヨーロッパ諸国の大多数が署名するなど,事実上のグローバルスタンダードとなっており,我が国としましてもその締結に向けた法整備を行うことが必要でございます。  そこで,このような状況に照らしまして,ハイテク犯罪に的確に対処するため,早急に刑事の実体法及び手続法について法整備を行う必要があると考え,今回の諮問に及んだものでございます。  次に,諮問の内容について御説明申し上げます。  初めに,要綱(骨子)の第一についてでございますが,このうち一から四までは,人の使用する電子計算機について,その意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる不正な指令に係る電磁的記録等を作成し,提供し,取得し,保管し,又は人の電子計算機において実行の用に供する罪を新設しようとするものでございます。  今日,電子計算機が重要な社会的機能を有するに至っていることは,既に申し上げたとおりでございますが,電子計算機による情報処理は,プログラムの実行によりなされるものでありますところ,電子計算機のプログラムは,作成されればこれを容易に,かつ大量に複写することが可能である上,ネットワーク等を通じて容易に広範囲に拡散することが可能な状況にあります。また,電子計算機のプログラムは,これを実行する者がその機能を把握することが困難であり,電子計算機の使用者は,不正なプログラムでありましても,その機能を認識することなく,これを実行させることとなります。そのため,近時,いわゆるコンピュータ・ウィルス,すなわち人の使用する電子計算機について,その意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる不正な指令に係る電磁的記録が,使用者の意図に反して広範囲の電子計算機で実行されて広く社会に被害を与えており,深刻な問題となっておりますが,かかる事態を放置すれば,人は,電子計算機による情報処理のためにプログラムを実行するに際しまして,そのプログラムを信頼して情報処理を行うことができなくなり,ひいては社会的基盤となっております電子計算機による情報処理が円滑に機能しなくなります。したがって,このような不正プログラムによる不正行為につきましては,その作成,提供,供用,取得又は保管の各段階の行為を処罰することにより,人のプログラムに対する信頼を保護し,電子計算機の社会的機能を保護する必要性が極めて大きいと言えます。  サイバー犯罪に関する条約も,このような認識に立ち,その6条1項におきまして,データ妨害,システム妨害の犯罪を行うために使用する意図をもって,これらの犯罪を主として行うため設計され,又は調整されたコンピュータ・プログラムを含む装置を製造し,販売し,配布し,又はその他の方法によって利用可能とする等の行為の犯罪化を締約国に求めております。  そこで,不正なプログラムによる不正行為に的確に対処できるようにすべく,その作成,提供,供用,取得又は保管の行為を処罰する罪を新設するものでございます。  法定刑は,電磁的記録不正作出・供用の罪(刑法161条の2)や,電子計算機損壊等業務妨害の罪(刑法234条の2)等の法定刑を参考にしまして,作成,提供,供用の罪については3年以下の懲役又は50万円以下の罰金とし,供用,提供の前段階の行為である取得,保管の罪につきましては,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金とすることとしております。  次に,要綱(骨子)の第一の五は,電子計算機損壊等業務妨害の未遂を処罰することとするものでございます。  これは,電子計算機損壊等業務妨害罪についても,今日,コンピュータ・ネットワークにより遠隔から敢行され,また広範囲に被害を及ぼし得るものとなっており,これを未然に防止する必要性が高いところ,その未遂は,不正指令電磁的記録供用罪又はその未遂罪に該当する場合も少なくはないと考えられますが,これらによる処罰のみでは必ずしも十分でないと考えられますことから,電子計算機損壊等業務妨害罪の未遂を処罰することとするものでございます。  次に,要綱(骨子)の第二についてでございますが,これは,現行刑法175条前段のわいせつ物頒布等の罪に加えまして,電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布する行為についても処罰できるようにするものです。具体的には,電子メールによりわいせつ画像を不特定又は多数の者に送信するような行為が想定されます。  このような行為は,わいせつ物の頒布行為と実質的には同様の行為でありますが,コンピュータ・ネットワークの普及に伴い,刑法による的確な対応に疑義が生ずるに至っておりますことから,このような行為を処罰の対象として明確に規定する整備を行うものでございます。  このほか,同条の罪は,利得獲得目的で行われるのがほとんどである実態にかんがみ,罰金の任意的併科を可能とする改正等を行うこととしております。  次に,要綱(骨子)の第三についてですが,これは電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法を定めるとともに,これに伴う還付についての所要の法整備を行うものでございます。  現行法上,電磁的記録に係る証拠の収集方法としましては,電磁的記録に係る記録媒体を差し押さえることが考えられますが,例えば記録媒体が大型のサーバーであるような場合に,これを差し押さえることによって,被差押者の業務に著しい支障を生じさせるなどする一方で,差押えをする者にとってもそのサーバー自体を差し押さえるまでの必要がなく,記録媒体をそのまま差し押さえないで,捜査の目的を達成できると判断できるときには,そういったことを可能にすることが相当であると考えられます。  サイバー犯罪に関する条約19条3項も,このような認識に立ち,締約国に対し,必要なコンピュータ・データを確保するため,コンピュータ・データの複製を作成し,保持すること,及びコンピュータ・データを消去すること等を行う権限を当局に与えることを求めております。  そこで,差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは,差押状の執行をする者,又は差押許可状により差押えをする捜査機関は,その差押えに代えて,差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し,印刷し,又は移転した上,当該他の記録媒体を差し押さえることができるようにするなどの法整備を行うこととしております。  次に,要綱(骨子)の第四についてですが,これは,電磁的記録を保管する者等に命じて,必要な電磁的記録を記録媒体に記録等させた上,当該記録媒体を差し押さえる記録命令差押えという制度を設けるものでございます。  現行法上,電磁的記録に係る証拠の収集方法といたしましては,既に申し上げましたとおり,電磁的記録に係る記録媒体を差し押さえることが考えられますが,今日,コンピュータ・ネットワークが高度に発展し,遠隔の電子計算機の記録媒体に電磁的記録を保管し,又は必要の都度,これをダウンロードするなどして利用することがかなり一般化しておりますことから,従来の記録媒体を差し押さえる方法だけでは,電磁的記録が記録されている記録媒体を特定することが困難な場合,電磁的記録が複数の記録媒体に分散して保管されている場合等におきまして,捜査目的を十分に達成できないおそれがあり,このような傾向は,今後,ますます強まると考えられます。  他方,通信プロバイダ等の電磁的記録を保管している者等につきましては,裁判官の令状があれば,必要な電磁的記録を他のディスク等の記録媒体に記録した上,当該記録媒体を提出することを協力する場合も多いところ,そのような場合であって,電磁的記録が記録されている記録媒体自体を特定して差し押さえなくても,必要な電磁的記録を取得すれば証拠収集の目的を達することができるときには,そのような方法をとることが合理的でございます。  また,現代のコンピュータ・システムは極めて複雑で,その捜査には種々の専門的な知識等が必要でありますため,電磁的記録を記録媒体に記録する捜査も,捜査機関が行うよりも,コンピュータ・システムの管理者等に行わせる方が効率的であり,コンピュータ・システムの保護にも資するものであると考えられます。  サイバー犯罪に関する条約18条も,締約国に対し,協力的な第三者が保管するような電磁的記録に係る証拠の収集に当たり,現代の複雑なコンピュータ・システム下における種々の専門的な電子計算機の操作等を捜査機関が自ら行うことを回避するとともに,被処分者にとってもより侵害性の弱い方法によることを可能とするものとして,電磁的記録の保管者等にこれを自ら提出させる制度の創設を求めております。  そこで,電磁的記録の保管者等に必要な電磁的記録を記録媒体に記録させた上,当該記録媒体を差し押さえる制度を設けることとしております。  次に,要綱(骨子)第五についてでございますが,これは,電子計算機の差押えに際して,これに電気通信回線で接続している記録媒体からの複写を可能とする制度を設けるものであり,電子計算機を対象とする差押えの範囲を実質的に電子計算機と一体的に利用されている記録媒体にまで拡大しようとするものでございます。  今日,コンピュータ・ネットワークは高度に発展し,遠隔の電子計算機の記録媒体に電磁的記録を保管し,又は,必要の都度これをダウンロードするなどして利用することがかなり一般化しておりますことから,従来の記録媒体を差し押さえる方法だけでは捜査目的を十分に達成できないおそれがあることにつきましては,既に申し上げたとおりでございます。  サイバー犯罪に関する条約も,19条2項におきまして,コンピュータ・システムの捜索等を行う場合において,対象となるデータが他のコンピュータ・システムの中に蔵置されていると信ずるに足りる理由があり,かつ,当該データに対して当初のシステムから合法的にアクセスが可能であるか,又は当初のシステムで利用可能であるときは,当該他のコンピュータ・システムの捜索等を行うことができるようにすることを締約国に義務づけております。  そこで,差し押さえるべき物が電子計算機であるときは,当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって,当該電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから,当該電子計算機を操作して,必要な電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上,当該電子計算機又は記録媒体を差し押さえることができることとするものでございます。  この場合におきましては,令状主義の要請を満たすため,差押状又は差押許可状に,差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって,その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならないこととしております。  次に,要綱(骨子)第六についてですが,これは,差し押さえるべき物又は検証すべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは,差押え等を行う者は,被処分者に対して,電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができることとするものでございます。  電磁的記録に係る記録媒体の差押え等を行うに当たりましては,コンピュータ・システムの構成,システムを構成する個々の電子計算機の役割・機能や操作方法,セキュリティの解除方法,差し押さえるべき記録媒体や必要な電磁的記録が記録されているファイルの特定方法等について,技術的・専門的な知識が必要な場合が多いことから,差押え等を実施する捜査機関等があらゆる面で自力執行することは困難な場合が多く,また被処分者の利益の保護等の面からも適当でないことがございます。したがいまして,電磁的記録に係る記録媒体の差押え等に当たりましては,これらについて最も知識を有すると思われる被処分者の協力を得ることが必要となると考えられますし,被処分者の中には,記録媒体に記録されている電磁的記録について権限を有する者との関係で,これを開示しない義務を有するものもあることなどから,捜索・差押えを実施する者が協力を求め,また,これに協力することができる法的根拠を明確にしておくことが望ましいと考えられます。  サイバー犯罪に関する条約も,19条4項等におきまして,締約国に対し,コンピュータ・システムの機能,又はコンピュータ・システム内のコンピュータ・データの保護措置に関する知識を有する者に,コンピュータ・システムの捜索,差押え等の執行を可能にするために必要な情報を合理的な範囲で提供するように命ずることができるようにすることなどを求めております。  要綱(骨子)第六は,これらの理由から,被処分者に対する協力要請の制度を設けることとするものでございます。  次に,要綱(骨子)第七についてでございますが,これは,捜査については電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等に対して,その業務上記録し,又は記録すべき電気通信の送信元,送信先,通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し,90日を超えない期間を定めて,これを消去しないよう求めることができることなどを定めるものでございます。  コンピュータ・ネットワーク等の電気通信を利用した犯罪の捜査におきましては,その匿名性ゆえに,犯人の特定等のために通信履歴の電磁的記録を確保することは極めて重要でありますが,通信履歴の電磁的記録は,一般的に短期間で消去されていくことになる場合が多いという事情にあります。捜査実務では,差押許可状を取得する前の段階において,通信履歴の電磁的記録の任意の保全を求めている場合がありますが,通信履歴の電磁的記録は,通信の当事者の利益にもかかわるものであり,その保全を求める法律上の根拠を明確にしておくことが望ましいことから,保全要請の規定を設けることとするものでございます。  サイバー犯罪に関する条約16条1項も,締約国に対し,特定の捜査との関係で,既に記録・蔵置された既存のデータを,削除せず維持しておくことを命ずる保全命令又はこれに類する方法により確保できるようにすることを求めており,要綱(骨子)第七は,迅速に保全する必要性が特に大きい通信履歴の電磁的記録について,条約が求める法整備を行うものでございます。  最後に,要綱(骨子)第八についてでございますが,これは,不正に作られた電磁的記録等の没収についての法整備を行うものでございます。  電磁的記録の没収は,現行刑法において認められている文書偽造における偽造部分の没収と同様に,有体物の一部没収としてこれを行うことが可能であると解されますが,その執行方法は必ずしも明らかではないことなどから,刑事訴訟法498条と同様の規定として,不正に作られた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還等する場合には,当該電磁的記録を消去等しなければならない旨の規定を設けるほか,刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法の適用について所要の法整備を行うこととするものでございます。  要綱(骨子)の概要は,以上のとおりでございます。十分御議論の上,できる限り速やかに御意見を賜りますよう,お願いいたします。 ● 引き続きまして,本日の御審議の参考にしていただきますために,席上に資料3点を御用意させていただいておりますので,その内容等につきまして御説明申し上げます。  番号刑1は,先ほど朗読いたしました諮問第63号でございます。  次の番号刑2は,「欧州評議会サイバー犯罪に関する条約」の英語の正文と,その仮訳文でございます。訳文につきましては,今後条約の批准のための手続が進められる中で作成されることとなりますので,正式なものではありませんが,仮訳文を御用意させていただきました。正式の訳文となる過程で文言が変更されることがあり得るところで,あらかじめ御了承願います。  最後の番号刑3は,統計資料でございます。  1ページは,我が国のインターネット利用者数と人口普及率の推移に関する統計であり,2ページは,インターネットの接続サービスを提供しているインターネットサービスプロバイダと呼ばれる事業者の数の推移に関する統計でございます。  我が国におけるインターネットの普及には,近年目覚ましいものがあり,平成14年の人口普及率は54.5%に達し,現在,国民の半数以上がインターネットを利用している状況にあります。また,プロバイダの数も,急激に増加し,平成13年度で6,700余りの事業者が存在しております。  3ページから7ページまでは,世帯,企業,国の行政機関のそれぞれにおけるパーソナルコンピュータ及びインターネットの利用状況の推移に関する統計でございます。世帯,企業,国の行政機関のいずれにおきましても,コンピュータ及びインターネットの利用が飛躍的に増加していることが御理解いただけると存じます。  8ページは,コンピュータ・ウィルスの届出件数に関する統計であります。  平成2年に,当時の通商産業省が「コンピュータウィルス対策基準」を策定し,コンピュータ・ウィルスを発見した者は,被害の拡大及び再発を防止するために必要な情報を「情報処理の促進に関する法律」に基づいて設立された特別認可法人である情報処理振興事業協会に対して届け出ることとされておりますが,その届出件数をまとめたものでございます。届出件数は,平成5年には897件だったのが,同14年には2万352件にまで増加しております。  なお,実際にコンピュータに感染したケースは,同13年には4,676件だったのが,同14年には1,719件に減少しておりますが,その理由としては,いわゆるアンチ・ウィルスソフト等によるセキュリティ対策が進んだことなどが考えられます。しかしながら,コンピュータ・ウィルスは,次々に新種のものが社会に被害を与えており,今後も,コンピュータ利用者の自衛手段のみによってはウィルスによる被害を防ぐことはできないと考えられます。  9ページは,ハイテク犯罪の検挙件数の推移に関する統計であり,10ページは,平成11年から同14年までのハイテク犯罪の検挙件数の罪名別の内訳をまとめたものでございます。ハイテク犯罪は,コンピュータ・電磁的記録対象犯罪,すなわち,コンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪と,ネットワーク利用犯罪,すなわち,コンピュータ・ネットワークを手段として利用したわいせつ物頒布,詐欺等の犯罪,そして,不正アクセス禁止法違反とに分けられます。これらの統計から,ハイテク犯罪,特にネットワーク利用犯罪の件数が急激に増加していることが御理解いただけると存じます。  以上,簡単ではございますが,配布資料の説明をさせていただきました。 ● それでは,ただいま説明のありました諮問第63号について,まず御質問がございましたら御発言をお願いいたしたいと存じます。 ● 二つ質問がありまして,どちらも分からないのですが,このサイバーですけれども,数年前に,これはアメリカ軍の施設といいますか,それによって可能になっているわけですが,ヨーロッパの政府とか企業が何か交信しているのを,アメリカ政府を通じてアメリカ企業にも知られて,有利な商談をアメリカ企業が進めることができたのじゃないかというような不満がすごく出て,あれはどうなったのか。この条約を見ると,何もアメリカというのは出てこないから,参加するというアメリカ政府のは書いてあるけれども,そういう関係はどういうふうに解決といいますか,何か一応つじつまが合うようになっているのかというのがよく分からなかったのです。  それから,もう一つの犯罪の方は,ちょっとサイバーというのか,携帯電話ですね。特に日本で作るのは地球上ぐるっと回れないですが,ほかの所で作るのはどこでかけても,地球の反対側でもどこでも話せるようになっているわけですが,最近あった関係で,戦争をやっているあれもあるのですが,イラク大使館の館員で何か問題のある活動をやっているのについては追放するようにしてくれまいかという米政府の要請が各国政府に結構あるのですが,フィリピンで起こったことは,何か係の人というか,警察なのか軍隊なのか分からないけれども,何かイラク館員のだれかさんを捕まえようとしたら,ちょうど電話をかけておって,それで捕まえようとしたら電磁的記録というのを携帯電話から取り出して口の中に入れて飲み込もうとしたところを,入る前にとってみたら,アルカイダと何か交信しつつあったというようなことが出たというようなことについては,これはどういう関係になるのかなと思っているのですね。生々しいみたいで,つい数日前みたいですけれども,何か,私,ちょっと,欧州評議会のはそういうふうなんでしょうけれども,何かそこら辺がちょっと分からなくて,法務省とは余り関係ないのかもしれませんが,よく分からない感じがしますね。  特に前者の方は何か書いてあってもよさそうなんだけれども。結局,技術自身,仕組み自身はアメリカなんですからね。それがどうなっているのかということと,それから,欧州評議会というのは,新しい国連みたいな感じにどんどん進めて,ドイツ人とフランス人がいるものだから,法律作るのが上手だし,大好きだし,やるので,すごく動いているわけですが,こういうのは増大する趨勢にあるのでしょうか。欧州を中心とした国際的な条約というか,そういったものでどんどんカバーして,世界貿易機構が世界中の貿易についてやるのと似たような感じでやるような,そんな感じがあるのかというのも聞きたいなと思っていましたが。  一番最後のは本当に数日前で,日本政府の場合はノーコメントで過ごしているのですよ。これは一体何の関係があるのかなと思います。 ● まず,欧州評議会でございますけれども,欧州評議会と申しますのは,これまで,各国のよって立つべき国際的な基準と申しますか,様々な条約の起草をやってきておりまして,例えば,我が国が締約国となったもので申しますと,受刑者移送条約が欧州評議会の条約でございます。我が国は,アメリカなどとともにオブザーバー資格を認められておりますので,このサイバー条約が採択されましたときに署名したわけでございます。その意味で,ヨーロッパ各国が共同して運営している欧州評議会がこれまで様々な条約,欧州を中心とします国際的な条約作りを行ってきた,それの一部であるということでございます。  そして,先ほどの民間企業の取引内容が不正に盗聴されたと申しますか,その件につきましては,そういった事実があったかなかったかにつきまして,まだ確定された状況でもございませんが,いずれにしましても,この条約におきましては,法的な根拠のない不正な傍受でありますので,表現としましてむしろ「盗聴」と言うべきなのかもしれませんけれども,そういったものにつきまして各国で犯罪化を図ろうということでございます。  最後の点につきましては,私自身,事案自体把握しておりませんので,何とも申し上げかねますけれども,いずれにいたしましても,電磁的記録という形で大量のデータと申しますか記録が保管可能になっておって,また,それが目につかない形で電磁的な方法によって容易に消去される,あるいは移転されるということがございますので,そういったことにつきまして,これまでの有体物,例えば紙でございますけれども,何か紙に書かれた文書を中心といたしました手続ではなかなか対応できない。それにつきまして,それにふさわしい法制を各国が設けていくべきだということとしてこの条約ができているものと理解しておりまして,そのために,今回,これまで媒体を押さえるしかなかった,あるいは捜査機関自らがすべてをやるという建前でできておるものにつきまして,法的な枠組みと申しますか,令状主義の下に,様々な,より実効的で,あるいは処分を受ける方にとっても負担の少ない方法というものを御提案させていただいておるというところでございます。 ● ほかに御質問ございませんでしょうか。 ● この要綱を拝見しますと,非常に御苦心があったと思いますのは,全部日本語で書いてあって,片仮名語というのは全然使われておりませんですね。現実には,こういうコンピュータ関係の言葉というのは非常に片仮名語的なものがはん濫していて,今後もずっとそうだろうと思うのですが,こういうような,例えば「電磁的記録」という日本語の表現で,今後起こってくる様々な状況というのが全部網の目にかかるような形のものになるのか,それから,全体として意図的にそういう片仮名語的なものはこういう法令の中では使わないということで,こういう方針にされたのか,お伺いしたいと思います。 ● 「電磁的記録」という言葉自体につきましては,昭和62年の刑法改正によりまして定義規定を設けさせていただいておりまして,他の法令なども「電磁的記録」という用語を相当程度使っております。これ自体は,かなり包括的な書きぶりをしておりまして,人間の五官と申しますか,特に目でございますけれども,見て理解ができないようなものであって,方法としましては,磁気的,光学的,いろいろな方法のいかんを問わず,電子計算機による処理可能なもの,処理され得るものということですので,これは,相当程度いろいろなものを今後とも包括し得るというふうに考えております。  それと,今回,要綱(骨子)として御提示させていただきました中には,確かに一言も片仮名が出てまいりません。ただ,そこはかなり苦労いたしましたが,基本的に片仮名用語を使いますと,必ずしも使っておられる方,専門用語でも一義的とは言い難いものもございますし,他方で普通の国語辞典等を片手にして読み取れる内容ということを心掛けましたために,このようになっております。どうしても片仮名でなければ表現できない事柄につきましては,またそれはそれで今後部会の審議なりで御検討いただくことかなと思っております。 ● ほかに御質問ございませんでしょうか。 ● 諮問63号と,その要綱(骨子)は大変よくできているというふうに拝見したのですけれども,1点だけ,第四の「記録命令差押え」という新しい言葉について,若干違和感があるということだけ言わせていただきたいと思います。  今の○○委員の御質問と非常によく似ているのですが,こういう新しい記録命令差押えという制度を定着させるという場合に,このままですと何か記録命令を差し押さえるというようにもとられかねない。この内容は,記録命令を出して,そして,新しい記録媒体に記録させて,そのものを差し押さえるということが定義できちんと書かれておりますけれども,これは,どんどん,記録命令差押え,記録命令差押えと繰り返していけば,いずれ定着するものかもしれませんけれども,一般の国民の理解する言葉としては,ややなじみにくいのではないだろうかということだけ申し上げたいと思います。  「差押え」という言葉は刑事だけの特有な言葉ではありませんで,民事でも「差押え」ということはごく普通に使いまして,その上に,例えば「不動産差押え」とか「動産差押え」とか「債権差押え」といいますと,その目的物を差し押さえるというように国民は一般に理解しているのではないかと思います。「記録命令差押え」という言葉は,これからの審議をどういう形でするかとも関係しますけれども,一般国民がより分かりやすい刑法,あるいは刑事訴訟法を作るために御工夫をいただければという,これは,御質問というか要望ということでございます。よろしくお願いいたします。 ● もとよりこれは一つの表現ぶりとして御提示したものでごさいまして,「記録命令」と書いておりますのは,記録することを命ずるということで,それを伴う差押えということを略語的にと申しますか,縮めまして,「記録命令差押え」と,取りあえず表現させていただいたというものでございます。 ● ほかに御質問ございませんでしょうか。 ● コンピュータ・ウィルスを持ったプログラムが,これまで蔓延といいますか,いろいろなところに広がっていったという経過をいろいろ読んだり聞いたりしてみますと,明らかに悪意をもってそういったものを作って広めていったという人もいるのですけれども,中には,電子メール等にくっ付いてきて,知らない間にそれを友人などにまた送ってしまったというようなケース,それがだんだんに広がっていったというようなケースもあると思うのですが,いわゆる過失といいましょうか,というようなことで広がらせてしまった,非常に重大なコンピュータ・ウィルスを持ったプログラムをいろいろなところに広がらせてしまったというような場合は,これは罰せられないということになるのだろうと思うのですけれども,そうなると,実質的にそういうケースでどんどん広がっていくということもあるのですが,それを防ぐための手段といいましょうか,方法といいますか,何かやはり考えておかないとまずいのじゃないかなという気もするのですけれども,その辺はどういうふうにお考えなのでしょうか。 ● コンピュータ・ウィルスによる被害をどのように食い止めていくかということにつきましては,さまざまな技術的なセキュリティ問題と申しますか,そのウィルスを駆逐する,あるいは検知するプログラムの普及なり開発なりというあたりにも絡もうかと思っております。  今回,御提案させていただいております内容は,これは,それを知らない人の使っておるコンピュータで,現に動かすつもりで故意に行うということでございまして,ここは,字義どおりの正確なものではございませんけれども,偽造文書を行使するのと似たような構成をとっております。偽造文書にいたしましても,その文書自体が余りにも出来がよくて,偽造であることを知らないで使って,相手方がそれで被害を負うということになりましても,それは犯罪とはされておりませんで,同じような考え方に基づきまして,今回これは過失犯などは含まないということで整理をさせていただいております。 ● ほかにございませんでしょうか。  ほかにはございませんようですので,次に,諮問第63号の審議の進め方について御意見がございましたら承りたいと思います。 ● このハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備を行うことは,極めて重要なことだと思いますが,この別紙,要綱(骨子)を見ますと,実体法,手続法とも内容が専門的なものになっておりますので,まずは専門の部会を立ち上げていただいた上,そこで御審議をいただき,その結果に基づいて総会で更に審議をするという手続をとるのが適当ではないかと存じますが,いかがでしょうか。 ● ただいま,○○委員から,部会設置等についての御提案がございましたけれども,これにつきまして御意見がございますでしょうか。  御意見がございませんようですので,御異議がないというように認めまして,諮問第63号につきましては,新たに部会を設けて調査審議することと決定いたします。  次に,新たに設置する部会に属すべき総会委員,臨時委員及び幹事の指名に関しましては,会長に御一任願いたいと存じますが,御異議ございませんでしょうか。             (「異議なし」と呼ぶ者あり) ● ありがとうございました。  それでは,この点は会長に御一任願うことといたします。  次に,部会の名称でございますが,諮問事項との関連から,「刑事法(ハイテク犯罪関係)部会」と呼ぶことといたしたいと存じますが,いかがでございましょうか。  御異議がないようでございますので,そのように取り計らわせていただきます。  総会委員として,諮問事項の中身について,ほかに御意見がございましたら御発言をお願いしたいと思います。 ● 例えば,第七の「保全要請等」を拝見しますと,これが実際に実施される過程で,例えば官庁とか大学とか研究所とか,そういうところで,実施体の実施の仕方がどういう形になるのか,管理の形になるのか,その辺が少し分かりにくいところがありまして,そのやり方いかんによっては通信の秘密との関係でかなり微妙な問題をはらんでいるのではないかという感じがしますので,この官庁それぞれの対応の仕方なども含めて,そこは申すまでもないのですけれども,是非部会で慎重に御検討賜ればというように考えております。 ● ほかにございますでしょうか。  それでは,諮問第63号につきましては,部会で御審議いただき,それに基づきまして総会において更に御審議を願うことにいたしたいと存じます。  これで本日の審議は終了いたしました。  それでは,最初に申しましたとおり,現在開会中の第156回国会で,司法制度改革推進本部から提出されております司法制度改革関連の法案につきまして,司法制度改革推進本部の○○事務局次長に御説明をお願いいたします。 ● 通常国会提出予定法案について,御説明申し上げます。  司法制度改革推進本部におきましては,今月14日,司法制度改革関連の4法案を閣議決定の上,国会に提出いたしました。具体的には,裁判の迅速化に関する法律案,司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案,仲裁法案,法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律案の4法案でございますが,本日は,これらにつきましてその概要を御説明申し上げます。  なお,説明に際しましては,お手元の資料にございます各法案の概要ペーパーと,その後ろにポンチ絵がついておりますので,順次御参照ください。  まず,裁判の迅速化に関する法律案について御説明申し上げます。  我が国の裁判は,平均的に見れば相当の迅速化が図られておりますが,オウム事件,麻原被告の裁判は,第1回公判から既に7年近くが経過しており,和歌山カレー事件でも,第1回公判から判決まで約3年7か月を要するなど,依然として長期間を要する事件が少なくありません。本法案は,このような状況にかんがみ,すべての訴訟事件について2年以内に第一審手続を終局させることを目標として,裁判の迅速化を図ろうとするものです。  本法案におきましては,まず第一審訴訟手続を2年以内のできるだけ短い期間内に終わらせることなどを目標に掲げました上で,充実した手続の実施と,これを支える制度,体制の整備により,裁判の迅速化を実現することとしております。特に,争点を絞ったむだのない審理を行うための訴訟手続の整備を図るとともに,間隔を置かずに開廷して審理を進めることができるように,法曹人口の大幅な増加,裁判所,検察庁の人的体制の充実,弁護士の体制整備を図ることなどを明記しております。  また,拙速な裁判にならないよう,手続の公正・適正な実施を確保する必要があるとし,以上の内容を迅速化を図る上での基本的な考え方としております。  その上で,迅速化の担い手の責務として,国の責務と政府の法制上,財政上の措置等を掲げると同時に,裁判の運用面におきましても2年以内という目標の達成に向けた裁判所,当事者等の責務を規定しております。  さらに,目標達成を担保するため,最高裁において検証を行い,その結果を2年ごとに公表して国民に明らかにした上で,これを適切に活用する仕組みについても規定することとし,これを通じて審理の遅延の原因等を浮き彫りにして,更なる迅速化方策の検討に資するようにしております。  以上が裁判の迅速化に関する法律案の概要でございます。  続いて,司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は,幾つかのテーマに関する関係法律を一括した,いわゆる束ね法案であります。以下,テーマごとに概要に沿って御説明申し上げます。  まず,概要の第1にあります裁判所法等の一部改正について御説明申し上げます。  これは,国民の最も身近な簡易裁判所の機能を拡充するとともに,利用者の費用負担を軽減することにより,裁判所へのアクセスの拡充を図ろうとするものであります。  まず,簡易裁判所が取り扱う民事訴訟の価額の上限を,現在の90万円から140万円に引き上げることとしております。また,民事訴訟の利用者の費用負担を軽減するために,必要な範囲で訴えの提起の手数料を引き下げることなどとしております。  続きまして,概要の第2の民事調停法の一部改正について御説明申し上げます。  これは,裁判官制度の改革の一環として,民事調停官,家事調停官制度を創設するもので,いわゆる「非常勤裁判官制度」と呼ばれるものであります。具体的には,弁護士が非常勤の形態で民事調停事件や家事調停事件に関し,裁判官と同等の権限を持って調停手続を主宰することができる,そういう制度を創設することとしております。  続いて,第3の弁護士法の一部改正について御説明申し上げます。  まず,1にありますように弁護士資格につきまして,司法試験に合格した企業法務等の担当者,公務員,国会議員と,いわゆる特任検事等を対象に特例を拡充するものであります。今回,この特例を拡充する基本的な考え方は,今後弁護士が社会のさまざまな分野で果たすべき役割が増大していく中で,実社会における法律に関する実務経験を経て,高度の専門的能力を備えた方について,その経験や専門性を活用できる道を開いておくことが,多様なバックグラウンドを有する法曹の確保という今般の司法制度改革の趣旨にかなうものであり,これによって多様な法律サービスの提供を求める国民の要請にこたえることになるという点にございます。  二つ目は,弁護士制度の改革であります。弁護士の公務就任の制限の撤廃,営利業務への従事の制限の緩和,綱紀・懲戒手続の整備などであります。  続いて,概要の第4の外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法,いわゆる外弁法の一部改正について御説明申し上げます。  国際化時代の法的ニーズに十分にこたえるため,外国法事務弁護士,いわゆる外弁と,我が国弁護士との提携,協働を推進する必要があることから,外弁による我が国弁護士の雇用や,外弁と我が国弁護士との共同事業等を禁止する規定を削除するとともに,必要な事後的弊害防止措置を講ずることとしております。  以上が束ね法案の概要でございます。  次に,仲裁法案について御説明申し上げます。  仲裁は,仲裁人という第三者の判断にゆだね,その判断に服する旨の合意に基づいて紛争を解決する制度であります。現在の仲裁法は,明治23年に制定されたものであり,国際的な潮流にも合わなくなったことから,国連の国際商事仲裁模範法をモデルとして,新たな仲裁の基本法を制定することといたしました。  まず,仲裁合意について明文規定を設けて,訴訟が提起できないとの効果を明確化しております。また,仲裁合意を要式行為とし,書面によるべきものとする一方,電子メール等の利用を認めることとしております。  次に,仲裁手続については,標準的な仲裁人の数を二人から3人に改め,多数決による決定に支障がないようにしたほか,開始から終了に至るまでの標準的な手続に関する規定を設けております。  さらに,仲裁判断については,一定の事由がある場合には,裁判所に対し,取消しの申立てをすることができますが,その取消事由等に関して国際的な標準に沿って規定を整備するとともに,裁判の形式につき,柔軟な対応を可能とするため,判決手続から決定手続に改めております。  なお,消費者と事業者間の将来紛争を対象とする仲裁合意,及び労働者と使用者間の将来紛争を対象とする仲裁合意について,消費者及び労働者を保護するために特例を設けております。  最後に,法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  この法案は,昨年秋の臨時国会で成立しました法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律,いわゆる連携法の趣旨にのっとり,国の責務として,裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員を法科大学院の教員として派遣するための制度を整備するものであります。  この法案におきましては,さまざまな法科大学院の要請にこたえるため,二つの派遣方式を整備することとしております。  一枚目のポンチ絵の右側に記載しました,いわゆる「フルタイム派遣」と,左側に記載しました,いわゆる「パートタイム派遣」の二つの派遣方式であります。  まず,フルタイム派遣の方式は,専ら法科大学院において教員の業務に従事し,本来の職務には従事しないという派遣方式であります。最初に法科大学院から任命権者への派遣の要請を受けまして,法科大学院と任命権者との間で勤務条件等の取決めをいたします。その上で,検察官等の個別の同意を得て派遣するものでありまして,期間につきましては原則として3年を超えることができないものとしております。  フルタイム派遣の場合,派遣された検察官等は,本来の職務に従事いたしませんので,その派遣期間中,国からの給与は原則として支給しないこととし,法科大学院から報酬等の支払いを受けることとしております。この場合,法科大学院から相当額の報酬等を支払っていただくことになります。これが原則でございますが,その上で,例外的に特に必要があると認められるときには,当該検察官等には給与の一部を支給することができるものとしております。  もう一つは,左側のいわゆるパートタイム派遣でございます。これは,職務とともに教員の業務に従事するというものでありまして,基本的な制度設計はフルタイム派遣と同様であります。  次に,裁判官のパートタイム派遣につきましては,2枚目のポンチ絵を御覧ください。  最初に,法科大学院の要請があること,法科大学院と最高裁判所との間で取決めをすること,派遣対象者の同意を要件とすることなど,いずれも先ほどの検察官等のパートタイム派遣の場合と同様でございます。  その一方で,裁判官については憲法上の身分保障などを考慮し,裁判官としての給与は減額されないものとし,そのかわりに法科大学院からは,報酬等の支払いを受けないものとしております。そうしますと,法科大学院は,裁判官に対して報酬等を支払わなくてもよいということになるため,いわゆる受益者負担の観点から,法科大学院は,政令で定める金額を国庫に納付しなければならないものとしております。  なお,裁判官につきましては,その勤務形態などからパートタイム派遣のみで対応することができるため,裁判官の身分保障にも考慮した上で,フルタイム派遣の制度は設けないこととしております。  以上が法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律案の概要であります。以上でございます。 ● それでは,ただいまの御説明につきまして御質問がございましたら承りたいと思います。--ございませんか。  では,ほかにこの機会に御発言いただけることがございましたらお願いいたします。本日の議題以外のことでも結構でございますが,何かございますでしょうか。  最後に,事務当局から,何か御連絡事項がございますでしょうか。 ● 本日,配付させていただきました資料は,若干大部でかさばるものになってございますので,お持ち帰りに差し支えのある委員におかれましては,机上にそのまま資料を残しておいていただいて結構です。事務当局において早急に郵送させていただきますので,その旨御連絡をさせていただきます。 ● それでは,本日はここまでということでよろしゅうございますでしょうか。何か御意見,ほかにございますか。  それでは,これで本日の会議を終了させていただきます。御多用中,御出席くださいましてどうもありがとうございました。