法制審議会会社法(現代化関係)部会第1回会議 議事録 第1 日 時  平成14年9月25日(水)  自 午後1時30分                        至 午後4時15分 第2 場 所  法曹会館「高砂の間」 第3 議 題    会社法制の現代化について 第4 議 事 (次のとおり)               議         事  (開会宣言の後,事務当局から次のように本部会設置につき説明がなされた。) ● 定刻になりましたので,法制審議会会社法(現代化関係)部会第1回会議を開催させていただきます。  本日は,第1回の会議でございますので,まず当部会の設置の経緯等についての確認と,部会メンバーの紹介をさせていただきました後,部会長の互選をしていただきたいと思います。  法務大臣の諮問機関であります法制審議会につきましては,その下に部会を置くことができるものとされております。当部会は,今年2月13日に開催されました第136回法制審議会会議におきまして,株券不発行制度や証券の間接保有の準拠法についての関係各部会の設置とともに,会社法制の現代化にかかわる事項について専門調査を行うべき部会として,その設置が決定されたものでございます。  この部会の設置に係る諮問につきましては,後ほど御説明いたします参考資料1を御覧いただきますと,その諮問事項が記載されているところでございます。諮問第56号として,会社法制の現代化に関する諮問がなされております。        (部会長に江頭委員が互選・指名された。) ● 今回の当部会に対する諮問内容は,後から御紹介がございますけれども,会社法全体について,用語及びその全体の整合性等につきまして全面的に見直すというものでありまして,21世紀の初めにふさわしいテーマのようにも思いますけれども,したがいまして活発な御議論をいただきたいと存じますが,時間も限られているようでございますので,何とぞ能率的な審議にも御協力いただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,本日及び今後の審議の予定等につきまして,事務当局から御説明いただきたいと思います。 ● それでは,まず本日の審議予定について御説明いたします。本日は,この会社法制の現代化の作業の中で,実質的な改正にかかわる論点,例えば体系的な見直しに当たっての基本的な姿勢,あるいは具体的な改正テーマについての御提言等,実質的な改正内容にかかわる点につきまして,御出席の委員・幹事の皆様方のフリートーキングを予定しております。  また,お手元に○○委員の方から資料を御提出いただいておりますので,それについての御説明をいただき,質疑応答をさせていただきたいと思います。  会社法の現代化の作業の中で,形式的な条文の平仮名化等につきましては,かなり技術的な問題でもあり,事務当局において鋭意淡々と作業を進めるべき部分が少なくないわけでございますが,実質的な改正項目として何を盛り込むべきなのか,実質的にどのような改正内容を作業の中で実現していくべきなのかということについては,この部会において御議論をちょうだいすべき点が多々あろうかと思います。そこで,今回と次回,10月にもう一回部会を予定しておりますが,この2回の部会で実質的な改正にかかわる基本的な方向性や大きな論点についての委員・幹事の皆様方の御意見の確認をさせていただいた上,事務当局においてしばらくの期間,詳細にわたって各条文の点検,論点項目の洗い出し等をさせていただき,恐らく前回の改正と同様の研究会のような方式をとって準備的な検討作業を重ねた上,来年3月ごろから部会の審議を再開し,来年の夏ころに,もし実質的な改正項目があるとすれば--もちろんあると思いますが--その内容について中間的な試案の取りまとめを行うというようなタイムスケジュールでこの作業の進ちょくを図りたいと考えております。  この会社法の現代化の作業は,経済関係基本法整備の一環として,平成17年の通常国会への法案提出をタイムリミットとして作業が進められるべきものと予定されております。関係する条文,会社法本体はもちろんのこと,関係法令の整備という作業を視野に入れた場合,想定されるその作業量の多さを考えますと,実質的な改正事項の内容を確定するという作業は,相当前倒しで進めておく必要があると思われます。したがいまして,中間試案的なものの公表というのは,是非来年の夏ごろをめどには行わせていただく,それまでの間にかなり詰めた議論をさせていただくため,来月から3月ぐらいまでの間は事務当局において研究会的な方式で論点の詳細な詰めをさせていただきたいと思っております。  その作業の前提として,基本的な方針や基本的な論点,あるいは具体的な個別改正検討項目について,是非今回と次回とにわたって御発言をちょうだいできれば幸いでございます。  本日及び今後の審議予定につきましては,以上でございます。 ● 事務当局から,本日及び今後の審議予定等について御説明いただきましたが,そのような予定でよろしいでしょうか。--それでは,そのような予定で進めさせていただきます。  次に,本日の配布資料について,事務当局から御説明をお願いします。 ● それでは,あらかじめ御送付させていただきました配布資料について御説明いたします。  まず参考資料1,これが法制審議会に対する先ほどの諮問56号の内容と,その総会における事務当局からの諮問理由の説明を抜粋したものでございます。  諮問理由の説明を御覧いただきますと,前段の部分がいわば商法会社編及び有限会社法の口語化の問題と,会社法制が商法会社編,有限会社法及びいわゆる商法特例法の3つに分かれていることに伴う分かりにくさの解消の問題,大きくこの二つの点が取り上げられているところでございます。ここは主として技術的な事柄であると理解できるわけですけれども,後段の「更に」以下のところが特にお諮りしたい点にかかわるものでございます。  技術的な作業を進めるに当たっても,会社法制にかかわるすべての規定の点検は欠かせないわけでございます。意味が不明なところがあれば,それを補う必要がありますし,用語として適切でないもの,あるいは統一がとれていないものについては,適切な用語に改め,その統一を図るというような技術的な作業が必要なわけでございますけれども,それとともに,体系的な整備というものも欠かせないわけでございます。会社法制につきましては,経済情勢の変動に伴い相当頻繁に改正が加わっておるわけでございますけれども,このような改正作業の結果,必ずしも諸制度間で整合がとれていないのではないかという御指摘を受ける点もあるわけでございます。このような諸制度間の規定の整合性の確保という点も,この技術的な作業の一環として当然浮かび上がってくるものでありますが,これは実質的な改正内容を含むわけでございます。  これとともに,全面的な見直しを行うこの機会に合わせて行うべき実質的な改正事項,必ずしも体系的な見直しという点にかかわらず,実質的に行うべき改正テーマというのも当然あり得るわけでございまして,これらをも取り込んだ形で現代化の検討を進めてまいりたいということでございます。諮問理由は,必ずしも具体的な改正テーマとしてこれを取り上げるべきであるというような内容にはなっておりません。言い換えれば,体系的な見直しを行いつつ,更にどのような実質的改正を行うべきかという点についての判断も,この部会に委ねられていると理解することができるところでございます。特に基本的な見直しの方針等について,忌たんのない御意見をちょうだいできればというふうに思います。  参考資料2以下は,実質的な改正内容の検討に資するものではないかということで取りまとめさせていただいた資料でございます。  参考資料2は,平成13年4月に取りまとめられました「商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案」のうち,今般の商法改正までに実現された事項とそうでないものとを一覧させるべく作成した資料でございます。黒の星印の項目が,中間試案に掲げられていながら実現に至っていないものでございます。この議論に御関係のあられた委員・幹事の方々が多いと思われますので,詳細については省略いたしますが,いずれも何らかの理由により,関係各方面のコンセンサスが得られずに実現が見送られたものと承知しております。  このうち,株券不発行等関係の会社法部会で取り上げられるものについては,その旨を付記してありますので御参考にしていただければと思います。  参考資料3が,さきの通常国会に提出された商法改正法案,この提出に係る自由民主党法務部会商法に関する小委員会において,関連して行われた決議の内容を御紹介するものでございます。例えば,4のところには,「会社法制の現代化に際しては,会社の実態及び制度に応じた分かりやすい法文の表現及び構成を工夫すること」という点が掲げられているところでございます。  参考資料4は,平成2年の商法改正以降の衆議院・参議院法務委員会における商法改正法案,あるいはそれに関連する法案の採決の際に付された附帯決議を取りまとめたものでございます。既にその解決を見ているものも非常に多いわけでございますけれども,例えば1ページ,平成2年の商法改正の際の衆議院法務委員会の①の六番を見ますと,「有限会社の取締役及び監査役の任期制の導入その他有限会社法制の全体的見直しを図ること」というものが挙げられております。  関連して,2ページ,同じく参議院の附帯決議の際の三番,「小規模会社に関しては,その実情に応じた株式会社法の整備を検討するとともに,小規模会社制度としての有限会社法については,取締役・監査役の任期等の制度を導入するなど抜本的な法改正を検討すること」というものが挙げられております。  これは,大小会社区分立法ということを旗頭に,昭和57年以降進められてきた改正作業の中で,中小企業向け法制度の整備ということが意識されつつも,平成2年改正ではその点について十分な実現が図られていないということを意味するものともいえます。それ以降の商法改正が比較的大規模な会社の組織再編等に重点を置いて行われてきたという傾向があろうかと思いますが,そういう意味で中小規模向け会社法制の在り方という問題は,いまだ残されたテーマではなかろうかということがうかがえると思います。  それから,3ページ,平成5年の衆議院の附帯決議では,①の一「会社の社会的責任の重要性にかんがみ,会社がその責任を全うすることができるよう商法上の諸制度の改善に努めること」という提言がされているところでございます。また,「商法等の現代化を図ること」というものが六番に掲げられております。  4ページ,同じく参議院の方では四番に「企業の社会的責任の重要性にかんがみ,会計帳簿の不実記載等を防止するための所要の措置について検討すること」ということが挙げられています。昨今の経済情勢,アメリカにおける動きなどを考えますと,今日的な問題とも受け取れる提言がされているところでございます。  それから,最後の平成14年,先般の商法改正の際の附帯決議を御覧いただきますと,13ページ,14ページですけれども,衆議院の法務委員会につきましては①の三番,「取締役会の利益処分に関する権限及び取締役の責任の在り方については,施行後の実績を踏まえつつ,委員会等設置会社を選択した会社と委員会等設置会社を選択しなかった会社との整合性に留意しつつ,引き続き検討すること」というような点が挙げられております。また五番,「会社法制の現代化に際しては,会社の実態及び制度に応じた,分かりやすい法文の表現及び構成について特に留意すること」という点が挙げられております。  参議院の法務委員会でも同様の趣旨が点が取り上げられておりますけれども,更に三番として,「委員会等設置会社制度及び重要財産委員会制度の運用については,社外監視機能が十分発揮されるよう社外取締役の要件,人数等について周知徹底を図るとともに,今後の実務の運用状況を踏まえ,必要に応じその見直しを検討すること」などの点も挙げられているところでございます。  以上が参考資料4でございます。  次に,参考資料5ですが,平成13年3月の規制改革推進3か年計画から平成14年7月の総合規制改革会議の中間取りまとめまで,これは必ずしも会社法制に限定されてはいませんけれども,いわゆる商法改正にかかわる公的機関の提言として,該当する部分を抜粋したものでございます。  その中では,事業組織形態の在り方,会社設立に関する最低資本金の問題,あるいは商法の平仮名化,口語化,有限会社法制の抜本的見直しなどが挙げられているところでございます。特に有限会社法につきましては,有限会社を中心とする中小会社法制について,閉鎖的な会社の特質に見合ったものとするというような内容の取りまとめがされているところでございます。  繰り返しになりますけれども,現代化の作業の中で,実質的な改正テーマとしてどのようなものに取り組むべきなのかということの参考として,以上のような資料を御送付させていただいた次第でございます。  なお,本日,席上に○○委員から御提出の資料とともに,会社法制に関する条文の抜き刷りをお配りしております。会社法制の現代化の検討作業の対象となる条文のうち,本体の条文は大体この程度の分量でございます。先の商法改正の内容をきちんと反映した六法がまだ出ていないと思われますので,それまでのつなぎとして御参考にしていただければと思います。ただ,何分事務局において手作業で作成したものですので,内容について全く正確であるという自信はないのですけれども,おおむね正確なものという理解のもとに御活用いただければ幸いでございます。  資料につきましては以上でございます。 ● 事務当局から配布資料の御説明をいただきましたが,何かこの資料につきまして御質問ございますでしょうか。  よろしゅうですか,特にございませんでしょうか。  それでは,本日お手元に○○委員から,「会社法の改正の課題」と題する資料が配布されておりますし,またこの資料は,先ほど事務当局から説明がありました実質的改正,今回の改正に盛り込むべき実質的改正項目は何か,その基本的な見直しの方針といったことに関係するものだと思いますので,まずこれについて○○委員から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ● 御説明申し上げます。  「国際競争力の向上を目指し,さらなる経営の選択肢拡大を求める」ということでございまして,都合54項目の要望をさせていただきたいと思います。  基本的な視点でありますけれども,1番目はグループ編成に当たっての選択肢につきまして,かなりの整備がなされたわけでございますけれども,私どもからいたしますとまだ積み残し課題があるということが1点目。2点目は,先ほどの衆議院,参議院法務委員会の附帯決議等でもございましたように,会社機関の選択肢についてのより合理化を図っていただきたいということ。3点目が資金調達でありますとか,それの還元手段の選択肢を拡大していただきたいという,大きくこの三つの視点での要望となっております。  具体的な要望事項を簡単に御説明いたしますと,一番目は「株式制度関係」。二は「会社機関関係」。4ページに「計算・開示関係」。四と五が「グループ会社法制の整備」であり,「組織再編法制の整備」。六は「その他」というふうにまとめております。括弧にあります番号は,通し番号となっております。  まず,一番であります「株式制度関係」の1番は,「自己株式の取得・保有・処分規制の改善」ということでございまして,(1)番,自己株式の取得というのは,今,定時株主総会による授権ということになっておりますけれども,これを株式消却特例法でありましたように,定款授権による取締役会決議事項によることも可能としていただきたいということでございます。米印が付されておりますけれども,一番最後の注の2にございますように,この問題は計算・開示改正の30番,31番とともに,できますれば平成17年の通常国会ということではなくて,今年の秋の臨時国会での成立を求めていきたい,そういうふうに思っております。という意味は,審議の期間等を考えますと,議員立法にお頼りするということになろうかと思っております。  (2)番,自己株式の取得でございますけれども,取締役会,株主総会で授権決議を経て,取締役会で具体的な決議をするのですけれども,その取締役会決議の後,ごく限られた期間でなければ有効性がないというふうに解釈されている。これを最低でも3か月以内まで,できれば次期の定時株主総会まで実際の取得時期を可能とさせていただきたいと思う次第であります。これは,法律の改正というよりも,解釈でということだろうと思います。  (3)番目,かねてよりある問題ですけれども,親会社は自分の株式を取得できるのに,どうして子会社が親会社の株式を取得できないのかという問題でございますけれども,例えば子会社がその配当可能利益の範囲内で親会社の株式を取得・保有することを解禁していただきたい。  (4)と(5)は,自己株式取得にかかわる別段の定め。新株発行の手続によらないように,例外措置でありますけれども,一つは買取請求によって強制的に買い取らざるを得なかった自己株式の処分については,別段の定めを設けていただきたい。  (5)番目,取締役,監査役,使用人に自己株式を報酬として現物を渡したいという場合についても,別段の定めを設けていただきたいということでございます。  2番,「単元未満株式・端株制度の改善」であります。  単元未満株式につきましては,端株と違いまして代表訴訟提起権でありますとか,違法行為差止権でありますとか,そういう共益権が付されているわけでありますけれども,これを端株と同様に,この権利をなくしていただきたい。  (7)番目,株主管理コストを低減するために,単元未満株式でありますとか端株というのが発行済株式総数の一定割合以下になった場合には,強制買取りを会社ができるという制度を創設していただきたい。  3番目,創設されたばかりの新株予約権制度でございますけれども,やはり報酬としてのストック・オプションにつきましては,株主総会の有利発行ということでの特別決議ではなくて,従前の自己株方式と同様に,普通決議化ということに持っていっていただきたい。  それから,新株予約権申込証をそういう場合には不要としていただきたい。  (10)番目,新株発行手続におきましては,去年の10月施行の法律でブックビルディング方式による価額ということで,計算方式ではなくてこういう書き方でいいとなっているのですけれども,新株予約権・新株予約権付社債の公告においてもこれと同様にしていただきたい。  新株予約権の対価,新株予約権行使の際の払込みは現金でなければだめだとの解釈があるようですけれども,現物出資も認めるように明確化していただきたい。  (12)番目,強制転換条項付新株予約権付社債の発行は今認められていないわけでございますけれども,新たな資金調達ということのニーズが多うございますので,是非認めていただきたい。  プット・オプションを会社の方が発行して株主に引き受けていただくということも,同じ資金調達手段の多様化の面から認めていただきたい。  4番目,「種類株主総会の決議規制の緩和」でありますけれども,商法345条,346条で種類株主総会の法定決議事項が定められておりますけれども,これも種類株式を発行する場合の条件ということで任意なものとしていただきたい。定款に委ねていただきたいということであります。  所在不明株主への通知でありますけれども,株主に対して届け出ている住所に送ったものの,その住所には既にいない,別の人が住んでいる,その人については送らないでくれというふうに会社の方が言われる。だけど,5年間送らなければいけないものですから,送らないでくれと言ったのに無理やり送っていく,これはけんかになってしまうということなものですから,こういうふうな場合には,受取りの拒絶があった場合には,そこから5年間経てば不到達と同じようにしていただきたい。ちょっと細かな問題も入っております。  二番目,「会社機関関係」でありますけれども,1番目は「ガバナンス構造による効果の相違の是正」,これは附帯決議でも検討をするようにとなっているところでございます。  これは,前回のこの場の会議におきましても,かんかんがくがくとなってこういう結論になったのは十分承知はいたしているのでありますけれども,やはり納得ができませんので,取締役の会社に対する責任,それから利益処分権限でありますけれども,監査役設置会社と委員会等設置会社とで差異を設けるべきではないということで,ガバナンスの選択についての任意性をより高めていただきたいということでございます。  それから,各委員会と執行役について個別に,これも前にアラカルト方式,だれも食べない定食じゃなくて,アラカルト方式ということを主張して否決されたわけでございますけれども,例えば監査役と監査委員会との選択制とか,こういうあたり,特にアメリカの上場規則がああいうふうになろうとしている中で,こういうことのニーズも強かろうと思いますので,御検討いただきたい。  次は,「重要財産委員会制度の整備」でございますけれども,これは監査役は全員出席する義務を負わなくても,監査役会で決めた人が出ればいいじゃないかということが議論の過程では出ておりましたけれども,やはり会社経営という立場から保守的に考えるということになってくるものですから,重要財産委員会のメンバーよりも監査役のメンバーの方が多いということも会議体としてもいかがかと思うものですから,出席義務についての緩和をしていただきたい。  それから(20)番目,重要財産委員会の決議事項ですけれども,二つに限るのではなくて,260条2項柱書きも含めて,全体について決議事項を重要財産委員会に委譲していただきたい。  次は「取締役会の権限の拡大等」でありますけれども,社債の発行につきましては,多額の借財相当以下の発行総額であれば,代表取締役に委任してもいいようにしていただきたい。短期社債の発行権限につきましても,代表取締役に委譲していただきたい。また,機動性確保という点から,少なくとも社債募集の期間を取締役会決議後3か月以内とする解釈を変更していただいて,さっきの自己株式の取得というのと同じような問題があるのですけれども,1年以内までということにしていただけないかということでございます。  それから,例の取締役会の書面決議。これは,一定の要件のもとに可能にしていただきたい。電話会議は解釈として認められるという方向になったわけでありますけれども,書面決議はやはり認めていただきたい。  4番目,「取締役の責任・株主代表訴訟制度の改善」であります。  (23)番目,これは自民党の法務部会でもありますとおり,米国同様の訴訟委員会制度というふうな仕組みを導入していただきたい。  (24)番目は,できたばかりで,議員立法でできたものを直ちに修正していただきたいということで,6年・4年の問題,これを2年に一律していただきたい。  原告適格ですけれども,原因時の株主ということにしていただきたい。  それから,取締役会で責任軽減をしたときの異議申立て,これは3%ということになっておりますのを5%というふうにしていただきたいということであります。  それから,「株主関連制度の整備」でありますけれども,電磁化関連では,招集通知を電磁的方法でいいよといった株主に対しても議決権行使書を送らなければいけないというのはいかがなものか,議決権書面の送付は不要としていただきたい。  議決権の行使方法につきまして,電磁的方法,書面による方法ということが両方とももちろん選択できるわけでありますけれども,いったん電磁的でやっていてまた書面に変えて,また電磁的に変えてくるというふうなことですと,集計作業が複雑になるものですから,重複行使を禁止していただきたい。  株主提案権につきましては,期限の問題につきましては6週間を8週間にしていただいたのですけれども,議決権の行使要件,300個というのを引き上げていただきたい。  それから,「計算・開示関係」でありますけれども,法定準備金規制につきまして減少手続が取り入れられたことを大変評価しているわけでありますけれども,中間配当財源を計算するに当たって自己株式の取得財源として取り崩した法定準備金も貸借対照表上の法定準備金から控除しなければならない--配当に回せないということになっているものですから,二重に控除した形になっていて,不相当に中間配当財源を縮減しているのではないかということでございます。  それから,取り崩した法定準備金,これはその後これが発行した後,直ちに自己株式の取得には使えるわけですけれども,金銭による中間配当財源というふうに,これに使用することも認めていただきたい。この二つにつきましては,先ほどの自己株式の取得の定款授権化とあわせて早期立法をお願いしたいと思っているところであります。  それから(32)番,4分の1を超過する部分の取り崩しでありますけれども,債権者保護手続,これを個別の催告ということになっていますけれども,合併並びとしていただきたい。  次,総会で法定準備金を取り崩して欠損てん補を行う場合,これは定時総会であれば債権者保護手続は要らないわけですけれども,臨時総会では要るということについて,同じように保護手続を不要としていただきたい。  次は連結計算書類でございますけれども,有価証券報告書提出会社について,そもそも決算公告を不要とするべきではないかということでございます。  (35)番は,完全子会社につきまして有価証券報告書提出会社があるわけでございますけれども,これにつきましては連結計算書類の作成義務を免除していただきたい。  「グループ会社法制の整備」でございますけれども,先ほど連結計算書類の作成義務免除をお願いしたところでございますけれども,更にもっと大きな問題として,完全子会社における会社機関の大幅な簡素化,例えば常勤監査役でありますとか,社外監査役の設置義務,このあたりを不要とするなどの見直しを図っていただきたい。  (37)番目,グループ会社間の取引に関する利益相反取引規制,全体が例の取締役の会社責任が,こういう問題につきましても過失責任となればまた別なのですけれども,監査役設置会社においては無過失責任であるという中で,グループの中の人事ということで,グループ会社の社長を兼務したりする場合がある,それがすべて無過失責任になるというのはいかがなものかということでございます。ロイヤルホテル事件等で,判例上は自己取引には該当しないというふうな解釈も一部出ているようでありますけれども,法律で明確化していただきたい。  それから,類似商号でありますけれども,グループ会社間において合意があれば,その区域内において類似商号であっても,グループ会社において相互に同意しているわけですから,だから認めてもいいじゃないかということでございます。  それから,組織再編法制の積み残しでありますけれども,これはずっと言い続けてきておりますのは(39)番,有限責任事業共同組合法制,アメリカのLLC,LLP類似の制度を導入していただきたい。先ほど御説明がありました規制改革のところでも,検討しようということになっているところだと承知しております。  それから,会社を他の会社の無限責任社員になれないという規定がございますけれども,これはそういう規定を外していただきたい。  (41)番,強制株式買取制度,キャッシュアウトマージャー制度を導入していただきたい。  (42)番,合併対価を柔軟化していただきたい。株式以外に現金でありますとか,例えば親会社株式を対価とする場合も含むということでございます。  (43)番目,これは今産業活力再生法の中で,改正過程の中で議論がされているというふうに聞いているわけでありますけれども,親子会社間で合併・株式交換・会社分割・営業譲渡をする場合に,親会社の議決権保有割合が3分の2以上なのであれば,そして親会社がそれでやろうと言っている場合には,子会社の株主総会決議を不要としていただきたいということでございます。  (44)番目,のれんの計上。この(44)番,(45)番がこの場で議論することなのかどうか,ちょっと分からないのですけれども,要求といたしましては,今,有償取得・合併,吸収分割の際にのれんの計上が認められているわけでございますけれども,株式交換・株式移転・新設分割の場合にも認めていただきたい。組織再編時には資産の再評価も認めていただきたいということでございます。  (45)番,これは債務超過会社を対象とする合併でありましたり,株式交換等でございますけれども,実質評価,DCF等で評価して,その会社の財産が負ではなくて正になっているというふうな場合には,そういう組織再編も可能としていただきたい。これは解釈の明確化にすぎないのかもしれません。  (46)番目は,もう一歩進めて,債務超過会社を完全子会社とした場合も,親会社は何も債務を承継するわけではない,単に株式を持っているだけだということでございますので,実質的に債務超過会社であったとしても完全子会社とする株式交換を認めていただきたいということであります。  「その他」でありますけれども,「検査役制度の改善」で,検査役制度につきまして検査役調査を省略できる有価証券でありますけれども,これは取引所上場だけではなくて,店頭登録の場合にも認めていただきたい。  2番目,減資制度でありますけれども,株式の消却でありますとか併合とか伴わない,単に帳簿上の資本金を減ずる形式的減資につきましては,総会の特別決議ではなくて普通決議で可能としていただきたい。  次は債務超過会社において既存株主の持ち株をゼロにする100%減資,これは会社更生の場合等は認められているということのようでありますけれども,それ以外の場合につきましては総株主の同意が要るということが一部で解釈はそうなっている。これも総会の特別決議,多数決原理でもって債務超過会社においてはこれを認めていただきたい。解釈の明確化の範ちゅうなのかもしれません。  「定款変更」でありますけれども,事業目的の記載,これは目的規制との関連でなっているのかも,商号との関係でもいろいろ規制があるのかもしれませんけれども,要求いたしますのは,例えば当社の事業目的は一切の合法的事業というふうな記載を認めていただきたい。株主がそれでいいのだと言えば,いいじゃないかと。  (51)番目,定款の形式的変更。今回もいろいろとございましたけれども,形式的な変更については総会の決議事項とはしない,取締役会ないしは代表取締役,ないしは使用人が勝手にやってもいいというふうにしていただきたい。  「商業登記」でありますけれども,セキュリティーの関係から代表取締役の住所は登記事項から外していただきたい。  それから,支店所在地における登記というのを廃止していただきたい。  「商法の現代語化」,言うまでもございません。  あと,注1にありますように,この部会とは別の部会で検討が進められております株券不発行,公告の電子化,これの推進をお願いしたいわけでありますけれども,債権者への個別催告を不要とする問題,商業登記の電子化,これにつきましても早期法制化を望むというところでございます。  以上,説明申し上げました。 ● ただいま,○○委員から資料の御説明をいただきましたが,何かこれに関連した御発言,ほかの委員の方からございますでしょうか。 ● ○○委員の御説明と少し関連しますが,むしろ最初に言われた参考資料2の方の質問もあわせてさせていただいてよろしゅうございましょうか。 ● はい。どうぞお願いします。 ● ○○委員のメモにもありましたように,現代化とは別に,株券不発行等関係の部会というのが作られておるようでして,参考資料2の御説明のところで,最後に資本減少手続の合理化のところで注の2として,資本減少の場合を含む商法中の債権者保護手続の全般について合理化を検討すべきであるということについては,別の部会でやると。  これは,今の○○委員の御発言と総合的に考えると,直接今の話が株券と関係しないように思うのですが,これは早くやるからこっち側でやって,我々はもう少しゆっくりという,そういうすみ分けをしたと理解していいのかどうか,その辺ちょっとお教えいただければと思うのですが。 ● いや,その辺はちょっと大きな問題でありまして,○○幹事,どうぞお願いいたします。 ● それでは,私の方から若干御説明させていただきますけれども,もう一つの方の部会は株券の不発行等関係部会でございますが,この部会は株券の不発行制度ともに,いわゆる電子公告制度の導入が検討課題になってございます。これは,平成14年改正のときに電子公告の御議論もあったわけですけれども,資本減少の場合などの債権者保護手続につきまして,電子公告を組み合わせることによって個別催告を省略するということはどうかということが若干議論がされた,そしてそのままになっていたかと思います。その問題は,電子公告絡みの問題でございますので,この株券の不発行等関係部会の電子公告の関係で議論をすることにしているという,そういう趣旨でございます。  ですから,ややミスリーディングな点がここの資料にあるのかもしれません。といいますのは,そういう電子公告絡みでない債権者保護手続の見直しということもあり得ることはあり得ると思いますので,それはもしやるとすれば当部会でおやりいただくということになるのではないかと思います。 ● 両部会の関係はそのようなことですけれども,よろしゅうございますか。  非常に債権者保護手続の実質にかかわることになりますと,やはりこちらの方で御審議をお願いするということになるかと思います。  ○○委員の資料につきましては,いろいろ御質問もあるかと思いますけれども,それはまた時間が余ったら,あるいは次回もありますので,そちらで御議論いただいて,むしろ今日は先ほど事務当局から説明がありましたように,実質的な改正項目,あるいは基本的な見直しの方針等について,こういうことは考えられるのではないかという,それをどんどん出していただく方が後々の審議については便宜かと思いますので,そうした発言をまずお願いしたいと思います。  ○○委員に続きまして,ほかの委員の方から,こういう実質的な改正項目が考えられるのではないかということにつきまして御発言がありましたら,是非お願いしたいと思います。いかがでしょうか。  ○○委員,いかがでしょうか。 ● 今日はフリートーキングで,どこからでも自由に議論してよいということでございますので,少し大ざっぱな話から始めさせていただきたいと思います。  この間,1年間に4回もの商法改正が行われるという中で,精力的に正に現代にふさわしい会社法制を作るための努力がなされてきたわけですが,なんと言っても一番皆悲鳴を上げるに近い状況になっているのが分かりにくいということだと思いますので,まずそれを最大の課題に掲げて今回取り組まれるということ,非常に重要なことではないかと思います。分かりにくいという問題の中には,一つには表現の問題がありますけれども,もう一つの問題は,同じことが別の方法で行うと違う手続になるとか,それからどうしてこちらの扱いとこちらの扱いが異なっているのかよく分からないという,そういう問題が大きいと思いますので,正に整合性という点にも力点を置いて,今回,改正に臨もうとしていらっしゃるということで,大変結構じゃないかと思います。  まず表現の問題ですけれども,現代化,口語化にあわせてどこまで踏み込まれるかということなのですが,恐らく条文の付け替えということもこの際考える余地があるのだろうかということですね。枝番号の枝番号という形になってきていますので,もし分かりやすさという形で臨む場合に,そこまで踏み込むのかどうか,一つ決断の要る話なのではないかなというふうに思います。  それから,条文の番号の付け替えも行うということであれば,なおさらこと,滅多にない機会ということになりますでしょうから,全体の配置等ともまたよく考えなければならない,そこの中に恐らく今回の諮問事項のなかにも入っております有限会社法もそれから商法特例法,これを一体化するという方向までは多分目指していいのではないかと思いますけれども,条文の付け替えも一緒にやるということになりますと,そこら辺も扱いやすいということになると思います。  その際に,是非順番として私は有限会社法の方をむしろ先に置くというぐらいの決断を今回はしてはどうかという感じがいたします。やはり有限会社というのは,数からいきますと大変よく使われております。分かりやすい法律にしてほしい一番の需要というのは,実はそこのあたりのレベルにあるのではないかというふうに思うわけですね。現在は,合名・合資,これは小さい会社から,簡単なものから変えていくという,昔は一つの理由があったのかもしれませんが,ほとんどもう使われていない会社形態になってきてしまっていますので,これは何だったら後ろでもいいぐらいかというふうに思うのですけれども,よく利用されている有限会社について,これが準用条文,準用条文というのはいかにも気の毒なような感じがいたします。そうなりますと,やはりそれを最初にまず書くことによって,株式会社の方がむしろ準用規定になるという形にすることによって,随分国民一般のレベルで分かりやすい法律というものになるのではないかという感じがいたしております。  たまたま,今,イギリスの方で1世紀半ぶりの大改正に臨んでいらっしゃるようで,しかも表題がモダナイゼーション・オブ・カンパニーですか,正に何かここの部会の表題とよく似ているななどというふうに思うのですけれども,そこの大かがりな会社法の改正の取組みの中でも,分かりやすさということを一番の課題にしていらっしゃると同時に,シンクスモールファーストですか,小さな,小規模な企業から考えていくということでもって,それを大きな基本方針にしていらっしゃるようですけれども,そういう観点というのは日本においてもやはり重要な観点ではないかと思いますし,その際には,やはり有限会社法の方を先に条文化するというようなことも一つ具体的に考え得るのではないかと思います。  恐らく,現代語化をする,それから条文の付け替えをする,それから有限会社法もドッキングさせる,商法特例法も一体化するぐらいのところまでは,やろうという気になればこの予定された期間の中で取り組めるのではないかというように期待しているところなのですけれども,これに関連しまして二つだけ質問をさせていただきたいと思います。  日本の今の会社法の状況を考えたときに,もう二つばかり大きい問題が実はあると思いまして,それは多分今回の部会では無理なことだろうと思うのですけれども,将来的な方向として皆さんどのように考えていったらいいのか,考えられるのかということなのですけれども,何と言いましても証券取引法と会社法が両者一体となって公開会社についての法規制が実質上作られている。こういう状況の国というのは余りほかにもないのじゃないかと思うのですけれども,このややこしさみたいなものを今後一体どうしていったらいいのかというのが一つの問題じゃないかと思いますけれども,どう考えたらいいのかという,正にフリーディスカッションということですので,その論点を出させていただきました。  それからもう一つの論点は,会社といいますか,法人というものの一番基礎となるものが何かということについて,正に法人法の総論みたいなものが民法の中に入っているわけでございますね。しかし,その民法の規定も,あれは公益法人にかかわる一般的な規定と,それから法人の総論みたいなものがごちゃごちゃに入っていて,よく分からない。正に会社という者の一番基礎となる概念のところで,どうもあいまいなものやら何やらを残したまま会社法が組み立てられている。その上,最近は特別法が随分増えてまいりまして,会社あるいは法人形態を規定するいろいろな法律が山ほどできているその一番の中心のところをどこかで整理して,検討するというようなことを,長い将来に向けては課題になるのじゃないかと思いますけれども,そこら辺のところについても多分この部会で扱えないことだと思いますけれども,今後の在り方みたいな形で,フリーディスカッションということでございますので,出させていただきました。その他の中身の点については,また後の機会に。 ● 大変重要な点の御指摘をありがとうございました。  質問ということでしたが,これは事務当局への質問ではなくて,むしろ全体への質問かと思いますが。  私も,今の○○委員の御発言を聞いて,むしろ○○委員に質問したいなと思っていることがあるのですけれども。  まず,○○委員の質問について,どなたかいかがですか。  証券取引法と会社法の関係,これも最近ちょっと「日本経済新聞」を読んでおりましたら,ディスクロージャーの話で,取締役の報酬について日本は開示が非常におくれているという記事がありまして,それでヨーロッパでもこのごろは取締役の個人の報酬について開示するような動きがだんだん進んでいるが,日本では報酬総額の開示すらないと書いてあるのですね。私はびっくりしたのですが,それは多分証取法の開示だけを見ている,およそ会社の営業所まで来て附属明細書を見ろというのは,世間では開示だとは思わないのだということに私はその新聞を見て思ったのですが,今の○○委員の両法律の関係ということに関する御意見を伺って,ちょっとそういうことを思いました。  どうも証取法で自足的な開示をしていないと,していないとビジネスの世界あるいは外国人などは思うということなのじゃないでしょうかね。 ● ○○委員もおっしゃっていますけれども,有価証券報告書提出会社がなぜ決算公告をしなければならないかという問題,正にございますね。 ● 法人全体を通ずる問題というのは,これは何か事務当局の方から……。 ● 今の○○委員の御指摘のうち,2点についてお答えいたします。  まず,条文の付け替えでございますが,諮問理由の一つとして商法会社編,有限会社法,商法特例法を分かりやすく取りまとめるべしということが挙げられているということからして,法制的な検討は欠かせないので最終的な結論というわけではないのですけれども,恐らく一つの法律として取りまとめるということを目指す作業になろうかと思われます。  御承知のとおり,商法会社編においては,枝番に枝番が重ねられて相当条文数が多くなっていますから,有限会社法,商法特例法を商法の中に取り込むということは,非常に不適当な作業になるであろうと思われます。その三つの法律ないし編を一つのまとまった法律に抜き出してまとめるという方向を目指したいと思っております。  そうなりますと,またここでの御議論をちょうだいしなければならないと思いますけれども,商法総則とその新たな法律との関係や,今御指摘になられました法人法総論との関係ということが問題になってくるわけでございます。  まず,法人法総論に関しては,民法の財産編部分の現代語化の作業が経済関連の基本法整備の一環として別途予定されております。したがいまして,公益法人にかかわる規定,民法の規定も含めた現代語化が,この作業と並行して進められることになろうかと思います。  ただ,法人制度に関しましては,これとは別に,特に非営利法人法制の在り方,公益法人法制の在り方について,現在政府の行政改革推進事務局において検討が進められております。これは,特殊法人等改革に関連して,行政とのつながりの深い公益法人の在り方の見直しというのが議論となり,そこから更に広がって公益法人全般の制度の在り方の見直しという作業が進められることとなったものでございます。  この見直しに関する基本的な考え方については,既に事務局の方で取りまとめられてパブリックコメントにかけられておりまして,これを受けて,今年度中,来年3月までの間に公益法人の在り方の見直しについての政府としての基本的な方針が取りまとめられる予定であると承知しております。そこでは,非営利法人について非常に法人格の取得しやすい法制度を用意すべきではないか,現在公益法人については公益ということを理由に税の優遇がなされているわけですけれども,法人制度と税の優遇とを切り離す形で法人の設立を自由にし,法人の活動に対し税の恩典というものが必要であるとすれば,別の仕組みでそれを用意すべきではないかと,大ざっぱに言うとそのような基本的な視点で検討が進められておるわけでございます。そこでの検討作業いかんによっては,法人法制の総論,非営利法人制度と営利法人たる商事会社,あるいは民事会社というものとの関係が再整理されるべきこととなる可能性がございます。現在,どういう方向での議論が進むかという点については,確たることは申し上げにくい状況でありますけれども,基本的には準則主義のもとで非営利法人を一般的に作りやすいものにしようという方向で議論が進んでいるものと承知しておるところでございます。  そうした場合に,そのような規律を民法の中に設けるのか,あるいはここでの作業と同じような意味合いで非営利法人法制としてくくり出すのかという点も問題となりますが,くくり出すというようなことになった場合には,なお一層営利法人法制たる会社法との関係やいかんということが問題になるわけでございます。御指摘のように,法人法の総論とこの会社法制との関係をどう位置づけるべきなのかということに非常に密接に関連するものですから,議論については注意深く見守ってまいりたいと思っております。いろいろ情報がありますれば,随時御報告させていただきたいと思います。  パブリックコメントに付された内容についても,次回には用意させていただきたいと思います。 ● ○○委員に対する質問を一つさせていただきたいと思ったのですが,よろしゅうございますか。  非常に大きく,また本当に重要な問題を御指摘いただいて考えさせられたのですが,そのうち,後半の方の第1番目の有限会社法を先に規定するということ,非常にいい,おもしろいアイデアだなと思うのですが,それをいたしますと,議論を混乱させるようで申し訳ないのですが,有限会社法をやると,今度は商法特例法の小会社ぐらいのことを考えると,そして中会社,大会社といくとすると,また例によって有限会社と小規模株式会社の問題が俎上に……。  ここら辺ぐらいまでは2年ぐらいでできるだろうとおっしゃったけれども,その整理をしようと思うととてもじゃないができないのじゃないか,決断すればできるけれどもということで,そこら辺のことをどう思っておられるのかなということと,それから合名・合資は余り利用されていないということですが,そうすると体系上いろいろ議論されている匿名組合だとか,あるいは○○委員が先ほど言われたLLC・LLP,そこら辺との構成もあって,なかなか難しいと思うのですが,少し敷えんしてアイデアをお示しいただいたら,今後の議論に資するのではないかと思うのですが。 ● 私も先ほど,○○委員に私の方から質問があると言いましたのは,同じようなことでありまして,有限会社とそれから定款で株式譲渡制限をした会社との関係をどうお考えになるのかということですね。  つまり,定款で株式譲渡制限をした会社については非常に柔軟な取扱いができるようになりまして,それから総会の招集期間も1週間とかなりますと,株主総会で譲渡制限の可否を決するということもできるわけですね。そうなってきますと,二つ並べているとかえって分かりにくい。もう合体してしまえというような議論だってあり得ないではないわけで,その辺はどうお考えになるかということを伺おうかと思ったのですが。 ● 本当に二つ並べておくと,なぜ二つあるのか分からないような制度が今日本にあるとということが,やはり大きな問題であるというように思いますので,やはり有限会社法を先に書いてというような方針に戻るとしますと,一つの決断が要ることは正に○○委員がおっしゃるとおりだと思います。しかし,これは恐らく決断だけで済むのではないかというように思っている次第です。 ● 二つあってもいいという決断をすれば,それはそれで済むのかもしれませんけれども,合体させるべきだとすると,これは大変な大作業になりかねない面もあるかと思います。 ● 二つ要るかと言われますと,一本化にするということはあり得る選択肢だと思うのですが,しかし今もう既にこれだけあるものについて,一気に法改正だけで一本化する,それはもう現実的な選択肢としてはあり得ないと思います。したがいまして,やはり二本残すということを前提に,その関係をどう調整し直すのか,その調整についての決断をするということではないかと思っております。 ● 実は,中小企業の代表は,私と,それから中小企業庁から○○幹事が出ているだけ,この2名だけで,どちらかというと大企業の代表の方が2名いらっしゃって,あと皆様は大体大企業を相手にされている方が多いと思いますので,少し申し上げておきたいと思うのですが,私も新参者なのでまだ十分に会議の雰囲気が分からないのですが。  一つは,中小企業は商法ないし会社法制の最大のユーザーでございます。数からいけば。それをターンオーバーで議論したら,それはもう大分ウエートは下がるわけでありますが,私どもが中小企業の活力,あるいはもっと大きなことを言えば,いかに日本経済全体の活力を維持していくかという上では,多くの企業が生まれる,創業・起業がなるべく簡単にできるということ,それから小さい企業,先ほど合名・合資会社の話が出ましたが,私の親戚,合資会社で大正時代から現在に至るまでずっとまじめにやっておるのですが,個人企業もたくさんありますし,そういう方たちが,最初何で始めるかは別にしまして,新日鐵さんとかそういった一部上場の巨大企業になるまで,連続的に存在をしているということを是非皆さんに御認識を強くいただきたい。したがって,ちょっと支離滅裂なことを後で言うかもしれませんけれども,大会社,中会社,小会社,あるいは零細会社というのに仕分けをされるのは,非常に精神的にも,それから実質的にも害があることが起こります。例えば,小さい会社だからといって差別をされて,入札の対象にならないとか,そういう仕切りが非常にしやすくなってくる。なるべく連続的にしていただきたい。こういうふうに思います。  それから二つ目は,人が事業を興そうというときの選択肢をなるべくたくさん用意していただきたい。したがって,法論理的に仕組みについて御議論をしていただくのは大変有り難いことだと思うし,是非していただきたいのでございますが,いろいろなやり方で起業はできる,協同組合でも企業組合というようなことをこれからやろうということでいろいろ頑張っておりますが,組合でも起業ができるし,個人でもできるし,合名・合資会社,有限会社,株式会社でもできる。最近のトレンドを申しますと,やはりちょっとお金がある方は皆さん株式会社でやりたい,こういう傾向が非常に多いわけでございます。  ここから先が,ちょっと先ほど言ったことに二律背反なんですが,そういう方たちにとって会社を作りやすい制度,それから作ってしまったらその後はなるべく使いやすい制度にしていただきたい。もちろん,悪いことをするということを前提にしていろいろな強行法規を入れて,がんじがらめに縛るということは大切なことでもありますし,投資者の保護という意味でも重要であることは事実でありますが,法律を守ることが事業の目的では全くございませんで,事業を行って,事業を拡大をする,利益を上げる,あるいは事業を継続することが目的でございますので,法律自体が目的ではなくて,事業をいかに生かすかということが,もうこんなことは釈迦に説法でございますが,それを是非第一義的な目的にしていただきたい。したがって,規模の小さい,先ほどお話がありました公開されていないような企業については,相当程度使いやすい制度に改変をしていただくというのは有り難い,こう思っております。  そこで,何か川ができちゃって,こっち側とこっち側は違うじゃないか,じゃ分ければいいか,こういう議論につながると私は非常に,また最初の議論に戻ってそこは連続的なのだと,こうわけの分からないことを言わざるを得ないのですけれども,外形的に差別がされない形で,しかし自由自在に小さいところは動けるようにしていただきたい,なるべく規制を外していただきたい,こんなふうに思うわけであります。  最後に,もっとエモーショナルなことを申しますと,中小企業の方たちとお話をしていて,これまで結構長いこと中小企業の方とおつき合いをしたのですが,商法についてここが使いにくいからこう直してくれというような,○○委員のような立派な意見を一度も中小企業者からは聞いたことがありません。一回も文句を言ったこともない。それは,ちょっとこれも言い方はいけませんが,関心がないのですね。関心がないというのは,自分は存在している制度をうまく使って事業をやっているという,ツールであって,それは目的でもないし余り痛痒も感じていない。しかし,もっと研究をして掘り込んでいけば,いろいろなところでこうしてくれ,ああしてくれというのが出てくるのですが,大きな企業と違って法務部もありませんし何もないものですから,要望が具体化しない,こういう状況でございます。  この前,○○幹事にもちょっと申し上げたのですが,うちの方でもしまとめられれば,中小企業の方たちがどういうふうな要望を持っているかというのを一度さらってみまして,御紹介する機会をいただければ有り難い,こう思う次第です。 ● 是非よろしくお願いいたします。 ● 私は,日弁連からの推薦で今回委員の末席を汚させていただいているのですが,審議会に出席するのはふなれでございますので,あるいは失礼なことがあるかもしれませんが,お許しいただきたいと思います。  弁護士会では,まだそれほど商法改正についての大局的な事項をまとめるということは作業をしておらないので,私がここで発言することは,大体私が弁護士の経験で考えたことあるいは感じたことということで御理解いただきたいと思います。  一つ二つ申し上げたいと思うのですが。一つは,ちょっと大ざっぱな感想めいたこと,もう一つは具体的な法改正の御提案ということを申し上げたいと思うのです。  まず第1の点は,先ほど○○委員がおっしゃったように,私がいろいろな企業に接しておりまして感じますのは,株式を公開した企業とそれから非公開企業とで経営の実情とかあるいは経営が抱える課題というのが非常に違うという点を感じるわけです。今も御発言がありましたけれども,公開企業の場合は大変国際化してまいりまして,また機関投資家などが非常にシビアな市場評価をするというようなことがありまして,例えば今度の米国の企業統治立法が域外適用がされるというようなこともありまして,ニューヨークで上場している会社などはそれに対するいろいろな申入れをしているというようなことがあるようでございまして,要するに公開企業の場合にはまず開示の問題,これが正に証取法と非常にかかわると思うのですね。ですから,会社法の開示制度,あるいは計算規定,それをどういうふうに作るかという問題と,それから証取法がそれにどういうふうにかかわるかというところを統一的に見た形での改正というものを考えていかないと,非常に会社としても手間がかかるという面があるのではないかという点を一つ感じます。先ほどの有価証券報告書と公告とをなぜ重ねてやらなければいけないかという問題なども,端的にそういう問題が出てきているという感じがいたします。  それから,もう一つ開示の問題と別のガバナンスの問題ですね。これは,一つは市場からもう既にマネージメント・クォリティーに対する評価ということが行われるようになってきておりますので,公開企業は対外的にどういうガバナンスをとっているかということをアピールするということを非常にシビアに考えているということだと思います。今現在は,大小会社,大中小の会社を区分して法制ができておりまして,なかなか立法技術的に見て,あるいは機関的に見ても,公開企業と非公開企業,更にその中でまた区分けしてという法制を作っていくというのは,これはなかなか時間がかかるだろうというふうに思いますけれども,少なくとも当社が投資家あるいは海外にこういうガバナンスを採用しておりますということをアピールできるような形にするために,ガバナンスの制度をなるべく選択肢を多くするという方向での改正といいますか,そういう基本的な考え方をとることが有用ではないかという気持ちがしております。  一つは,先ほど○○委員が報告なされましたように,委員会設置会社において,委員会制度と監査役制度を選択できる,また執行役制度をとって,なおかつ指名委員会,報酬委員会は採用するけれども監査は監査役制度をとるというような,選択肢というものがあるいはあってもいいのではないかと。選択を認めるということは,フランスなどの実例を見ると,なかなか企業というのは選択肢を与えられても判断に困るという面もあって,フランスでは成功しなかったという話も聞いておりますけれども,その辺はやはりメニューを与えて,投資家なりにそれをアピールできる,どういう選択をしたかアピールできるという方法でのガバナンスの方策ということを考えるということは,公開企業の場合には有用ではないかというような実感をちょっと持っているわけです。  片一方で,非公開企業の場合ですけれども,これはやはり大変に当面の課題が違う,間接金融が主力ですから,銀行からの格付けであるとか,あるいはとにかく業績向上何とかやらなくちゃというところが今現在--これは中小企業でも業績のいいところもあれば業績がなかなか上がらないというところもありまして,多様でありまして,大小も非常に千差万別でございますが,少なくとも社内のマネージメントとガバナンスとを分離するとか,そういうガバナンス体制について選択をするという余裕がなかなかないというのが現状だと思います。ただやはり,今お話に出ましたように,会社の皆さんたちが分かりやすい制度を作るということ,これは非常に大事でございまして,この点は非常に条文が枝番が多かったり,そういうところをなるべく改善するという今回の方向性は,是非中小企業の皆さんのためにも非常に必要だろうという感じがしております。  なかなか言い尽くせない面があるのですけれども,もう1点,私も弁護士の立場で公開企業との接触もあるし,それから非公開企業との接触もあるということで,特に自己株式取得の制度が昨年非常に自由化されまして,その中で非常に制度として簡明になった反面,若干のしわ寄せが出てきている面があるのではないかと。その一つが,譲渡制限会社の従来の210条ノ3の相続株式の買取制度が廃止されたという点でございます。これは定時総会に限定されたと同時に,ほかの株主が自らを売主として追加することを請求することもできるという形になってしまいましたので,株主平等の原則からいうとほかの株主により売主としての追加請求がされるということ,これはやむを得ないということかもしれませんが,定時総会に限られた結果,場合によっては相続株式の会社からの譲渡を,定時総会を待っておりますと相続税の納期限を徒過してしまうというケースが出る可能性があるわけでありまして,そういう点から見て,実務的にはむしろ204条ノ2の方の譲渡承認申請をやって,ダミーの--これはちょっとこういうところではいけないのかもしれませんが,ダミーの買主を立てて,会社が先買権者を指定するという便法をとってやるというようなことも検討したことが実はありまして,そういうことはできることはできるのですが,あくまでも制度の流用ということになりますので,やはり弊害がないのであれば210条ノ3は残してもよかったのではないかなという気持ちがいたしております。  そのほか幾つがございますが,ほかの委員の方も御発言があるようですから,また機会があれば発言させていただきます。 ● いろいろ続けて御発言いただきたいのですが,ちょっと休憩を挟みたいと思いますので,休憩後,活発な御議論をお願いしたいと思います。            (休     憩) ● 時間の関係もありますので再開させていただきます。  御発言いただく前に,○○委員が見えましたので,最初に一言ごあいさつをいただきます。 ● 遅れまして,誠に申し訳ございません。  本当に,今立法が非常に忙しくなっております。法制審議会の各部会,多い週には2回,3回開かれる。しかも,過去と違って非常にタイトなスケジュールでやっておりますので,委員・幹事の皆様方には本当に御負担をおかけすることになろうかと思っておりますが,しかし会社法の現代化関係,ある意味では商法の総仕上げということもございますので,私どももできる限り円滑に審議が進むよう努力をいたしますが,委員・幹事の皆様方もできる限り御尽力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ● それでは,続けて御発言をいただきたいと思います。 ● くだらぬ意見なのですが,私,会社法の六法を引くのが大嫌いでして,さっぱり分からんということでございます。特にこれが,司法試験を受ける人なんかが,司法試験六法という注釈といいますか,編集者の整理のない法律を与えられたらどうやって分かるのだろうかと,こう思うわけでございます。そういう軽わざ的なことをしなくて済むようにと思いますと,やはり準用と適用除外というのが難しさの一つの原因じゃないかと思いまして,できれば幾つかの総則的なものは共通的に置いて,それからそれぞれの会社形態に応じた,その会社だけのものを加える。株式会社の中でも株式会社の総則的なものと,あとそれぞれの会社の種類で違うのはこれこれと,こうして準用と適用除外をなくすことができないだろうかなと。  それから,第何条の決議と,こう言うかわりに,定義規定を最初に置いて,例えば特別決議とか何とかとか,そういう共通的なものについては最初に規定してしまって,あと第何条をその都度見なくて済むようにしてあげるというようなことをこの際できないかなと思っておりまして,その辺伺えたらと思います。 ● 有益な御意見,ありがとうございました。 ● 仮に一つの法律に取りまとめるとした場合,現在の法律の作り方からすれば,御指摘のようにかなりきちんと定義規定を設ける必要があると思われます。また,規定の並べ方も恐らく御指摘のような形になるのではないかと思われます。  準用等を少なくするかどうかということは,先ほどの有限会社の取扱いにも非常に関連いたします。準用というものは,分かりやすさをもたらす面もあり,御指摘のように分かりにくさをもたらす面もあるものですが,基本方針としては,分かりやすさを心がけたいと思います。なお,作業量等を考えますと,条文数をできるだけ少なくしたいというところもありまして,簡素化ということも一つの指針たり得るところであり,そうすることが分かりやすさにもつながるという面もあろうかと思いますので,どのような簡素化を図るかというようなこともまた御相談させていただければと思います。  例えば,会社類型を少なくすればかなり準用も少なくなることにはなりますけれども,それに伴う問題点もあり得るところでございまして,またその点もお諮りさせていただければと思います。 ● ここで検討します立法の形式,あるいは改正した法律における条文の形については,○○委員,○○委員から大変適切な御指摘がありましたので,是非そのように検討もしていただきたいと思いますが,私がちょっと申し上げたいのは,法制審議会に対する諮問のむしろ後半の方,中身の問題についてちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  後半に指摘してあることは,会社法全体の整合性で問題が起きていることから見直す必要があるというようなことを指摘しているわけであります。この点は正にそのとおりだと私も思っておりまして,技術的なことに関していえば,例えば○○委員の挙げられました列挙事項の中の(30)番なんかは,明らかに法律をドラフティングしていく上での一つの問題として残ったことでありますから,そういったことは整理していく必要は当然あるだろうと思います。議員立法でやってくれるそうですから,ここで考える必要はないのかもしれませんが,それ以外にも問題があることは確かですので,そういったことは速やかにやる必要があると思います。  ただ,そういった不整合をただすというところにとどまらない問題が多分いろいろあるのだろうと思っております。さっき,資料として御説明のございました国会の附帯決議,あるいは自民党の商法小委員会における決議,あるいは○○委員から御説明いただきました経団連からの御提言等を見ましても,やはりコーポレート・ガバナンスに関する制度がなお見直す必要があるということの御指摘が多かったように思います。確かに,今年の通常国会において成立しました商法改正は,大きい改正であり,ガバナンスについていろいろ大きい改正もしましたが,しかしいろいろな事情があって,正直申しますとなおフラストレーションの残った立法であった,○○委員の方で残ったのも十分に承知しておりますし,我々にとっても残った改正であったように思っておりまして,それが国会の附帯決議にもあらわれておりますし,自民党の商法小委員会の方にもあらわれていますし,それからまたそれと違った立場からも当然あると思っております。  また,最近の情勢を見ますと,今度の改正でやったようなコーポレート・ガバナンスの見直しで十分なのだろうかということを当然考え直させるような実態が起きているわけであります。国内に関していえば,企業の不祥事が連続しているわけでありまして,それを見ていますとほとんどがいわゆる社員の内部告発で事件が起きてきている。ところが,その内部告発が出てきた経緯を見ますと,本来でしたら監査役等がそれをうまくすくい上げて,問題点を対処する,そして当然会社の取締役会が自らそれに立ち向かう,そしてコンプライアンスをきちんとするということが期待されているはずでありますが,残念ながらそういうことは全く機能していなかったということがあらわれているわけでありまして,やはりそういったいわばマスコミですとか官庁などに頼って内部告発が出てくるというような現在の日本の会社のガバナンスの在り方というのは,やはり改善する必要があるだろうと思います。  それからもう一つは,今年の14年改正は委員会等設置会社という制度を発足させたわけでありますが,これはアメリカのガバナンスのモデルを主に参考にして立法したわけでありますし,率直に言えばニューヨーク証券取引所のルールなどを主な参考にして立法したわけでありますが,そのモデルにしたアメリカで非常に多くの問題が起きている。エンロンですとかワールドコムの問題が起きています。今年の14年改正のときに,部会長は衆議院の方で参考人として貴重な御発言をされましたが,私も参議院の方の参考人として呼ばれまして,そこでいろいろ今回の改正について申し上げたのですが,多くの議員の方,ほとんどの議員の方が質問されてきたところはそこでありまして,この改正で果たしてそういったアメリカで起きているような問題にちゃんと対処できるのかということを強く聞かれたわけであります。  私も,正直言いますと前回の改正で十分だとはちょっと答えられない。はっきり言うと,新しい委員会等設置会社等を導入しやすくするために,ある意味でいえばやや甘めのところも残っているのじゃないかというふうに思っていまして,具体的に言いますと社外取締役の定義一つをとってもそうでありますし,それから委員会等設置会社の構成もそうでありますし,そういった点についてアメリカで正に問題が噴出して企業改革法でそれに対する厳格化の立法がされているわけですね。そういうことを見ますと,やはり一度立法した直後のことで御異論があるかと思いますが,やはりそれでいいのだろうかということはここで見直しておかなければいけないし,それがまた,そういう見直しがされたことが,例えば○○委員が今日御提案いただいたいろいろな制度の見直しとも絡んでくる,それがうまく改革ができれば,そういった○○委員が御提案されたようないろいろな制度も受け入られやすくなるのじゃないかと思いますし,やはりこの問題は,社会といいますか,国民に対する責任としても,法制審議会は何をやっているのか,きちんとしたコーポレート・ガバナンスを構築しているのかといった付託にこたえるためにも,やはりこれはやらざるを得ない問題だろうと思っております。  17年まで,時間が限られていますから,やれることを本当に選択して,本当に今やらなければいけないことをやっていく必要があると思っていまして,その中では優先度の高い実質的な検討事項はやはりガバナンスに関する問題ではないか,今言ったようなことを見直して,日本のガバナンスがきちんと,コンプライアンスもいくし,それから企業の効率的な経営という両方の面から,よりよいものになるように更に見直しが必要ではないかというふうに思っております。  それから,細かい点はまた議論があればそこで述べさせていただきたいと思います。  そういう意味でいえば,会社法制を更に現代化して,より本当に合理的,効率的なものにしていくという点では,現在の法制というのはある意味でいうと法律構成に非常にとらわれたものでありまして,組織再編なんかも合併などの法人格が動く場合については非常に厳しくやっているのに対して,株式の取得,あるいは譲渡等を通じた組織再編についてはかなり抜け穴があるというような事態があるわけで,現在の経済体制にマッチしていないところがあると思っています。そういう意味では,参考資料の2で中間試案と比較した改正状況で積み残した課題がいろいろ書かれているわけでありますが,例えば株式関係の新株発行規制の見直し,ここら辺を単に新株発行だけの問題でなくて,株式交換の問題等を見直すためにも,あるいはそれ以外の問題について見直すためにも,むしろここをきちんとやっておけばそういうところがうまくいくというところが出てくると思いますので,そういった形式にとらわれずに,実質に即した見直しが必要な点ではないかと。  それと同じ意味で,次のページの2の「会社機関関係」の(3)の子会社の株式譲渡等,いわば株式の変更を通じた組織の変更と,法人格の変更を通じた組織の変更を截然と二つに分けて,全く違った法制にするというような点は,やはり見直していく必要があるのではないかというふうに考えております。  とりあえず,大きい問題点についてだけ申し上げさせていただきました。 ● 細かい問題点も後から書面等で事務当局にお知らせいただくと,今後の検討については便宜かと思われますので,ほかの委員の方々も,もし今日細かい点について御発言を控えられた点がありましたら,後ほど文書等で事務当局にお知らせいただければ有り難いと存じます。  ほかの委員の方,いかがでしょうか。 ● 私も,今,○○委員の御意見を伺っていて非常に共感する点が多いわけであります。実は,日本の会社の中ではコーポレート・ガバナンスに非常に熱心なある会社が,アメリカの有名な格付け機関によるコーポレート・ガバナンスの格付け,あるいは評価というものを受けたわけですけれども,その結果は非常に点数はそれほどよくない。むしろイギリスの会社の点数などに比べると低いというような結果が出ております。もちろん,アメリカの格付け機関のコーポレート・ガバナンスの評価というものが絶対であり,これが的確かどうか,これはそれ自体議論があろうと思いますけれども,いわば相当スタンダード化されたテストで当てはめた場合に,日本のコーポレート・ガバナンスというのは非常にそういうガバナンスというものに熱心な会社でも高い評価を得られないという状況にあるということは,これはやはり認識する必要があろうと思います。したがって,そうだとすると,現行の会社法が予定しているガバナンスというシステム自体が,今選択制というようなことでお互いに選択の幅を広げていこうというような議論がなされておりますけれども,この選択制が認められたというようなことでガバナンスがよくなるのだということは,当然にはそうならないのであり,この選択制というのはあくまでもこれが終着駅ではなくて,これから更にいい方向に持っていこうということが前提にあるべきだろうと思います。だから,選択制というのは突き詰めて言うとガバナンスの在り方についての基本的な理念というものが明確に確立されていないがゆえに,当面のところの選択というような形を考えているのではなかろうか,したがって世界的に見たテストに十分合格する,合格点をもらえるようなガバナンスの在り方というもの,それが投資を呼び込むというようなことにも関係してまいりますので,そういうあるべきガバナンスというものに近づける方向で更に制度を見直していくということが必要であろうというふうに思います。  先ほど,非常に企業の不祥事というものが盛んに出ているということがありましたけれども,日本の会社法の改正,特にガバナンスについては不祥事が出ると非常に改正というふうになる。そういう意味でもガバナンスの問題は,これはここがその終着点ではなくて,いわば出発点に立っているような状況なのだということを認識して,ここで更にいい方向に持っていくということを真剣に考えていかなければいけないのじゃないかなというふうにガバナンスの問題は思います。  それから,ガバナンスの中でも経営管理機構といいますか,取締役会を中心とする,それから経営を実際に実行する部分に関していろいろ改正を行ってきたわけですけれども,しかし会社の機構全体の中で,特に株主総会と取締役会との権限,適正な権限の分配というのはどういう形であるべきだろうか,これも十分検討する必要があり,したがってガバナンスの問題はもっと株主総会等の権限との関係も含めて広くとらえて検討をし,3年後をめどにするのであれば,その中から法改正まで持っていけるようなものを抜き出すという形でやるにしても,やはり根本的な視点からもう一回見直しという作業を,株主総会と取締役会との権限分配も含めて全体の見直しというようなことをやるべきではなかろうかというふうに思っております。  それから,確かに内部告発的な形で事件が非常に頻発しているわけですけれども,恐らく,内部告発というのは本来正常な姿なのだとということではないだろうと思うのですね。組織は,組織自体の自浄作用というものが十分働くということが前提なのであって,しかもそういう状態でないと困るわけで,組織の自浄作用が働かないから外部にそれを持っていくというような形ですと,組織は非常に円滑に機能しないということになってくるので,その部分も組織の自浄作用というものを高めるためにはどうしたらいいのだろうかというところ,これは大きく言えば正にコーポレート・ガバナンスの問題ですけれども,それにとどまらず,企業をめぐるいろいろな利害関係者の中での適切な利害調整というものができていない,つまり組織内に非常に不満があるというようなことが問題だとすると,それらを適切な形で吸い上げて調整するようなことということは,会社法の制度の中でも十分考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。  あと,コーポレート・ファイナンスの方についても問題がいろいろあろうかと思いますけれども,特にコーポレート・ファイナンスの問題とガバナンスの問題とを比較しますと,やはりガバナンスの問題の方がより根本的な対応を求められているということではないかと思います。 ● 来年夏には中間試案ということですので,ここをこうという,具体的な御提言がありましたら是非文書等でも早めにお願いできればと思います。 ● 今まで質問ばかりでしたので,2点,意見を言わせていただきます。  一つは,○○委員に非常に分かりやすく論点を整理していただきましたので,それの4ページに「グループ会社法制の整備」ということがありますが,例えば(36)を見ますと,完全子会社における会社機関の大幅な簡素化,私もこれは非常に必要な合理的な要請だと思いますけれども,完全子会社の機関を大幅に簡素化する場合には,今度は親の会社機関ないしはチェック・システムがどのような形で子会社にも及ぶのかということを議論しなければならず,それと見合いの問題があると思います。これはたしか12年秋ごろの議論では,親子会社法制についても議論しましょうということになっていたのですが,徐々にそれが正面から議論されなくなりましたし,昭和49年か50年来,親子会社法制については,どんどん整備はされていますけれども,平成9年の持株会社原則解禁,更には株式移転,株式交換,更には会社分割制度というようなことから,親子関係が多面的に発展し,経済界の状況の変化にもよりまして,昔は大きく育てて上場するというところが,今右肩下がりになってしまって,子会社を利用して何とか生き延びようという形で,10年前とは違った完全子会社で利用するということもありますので,とりわけ完全子会社を念頭に置きつつ,幅広に会社の親子関係ないしは企業結合法制を,先ほどの部会長の来年の8月までに中間試案をという話からは無意味な意見を言うのかもわかりませんが,ややこれまでの蓄積もありまして,とりわけ部会長は,少し古くなった--古くなったと言うと失礼ですが,かつて立派な具体的立法論も提案されていますので,これを重点項目の一つに挙げていただければ有り難い。そして,そういう親の管理体制が子にもきちんと及ぶようになれば,子会社の方の機構の簡易化とか何かもできる。そういう見合いをベースに考えていただければというのが第1点でございます。  第2点は,コーポレート・ガバナンスも関係するのですが,仕組みを作っても生かすも殺すも人の問題ですし,そしてやはりいろいろとアメリカの状況を見ておっても,どんな制度でも穴がある,そこで不祥事なり問題が起こればはっきりと的確に明らかになる,その明らかになる方が正規の会社法の,あるいは証取法の開示システムの場合もあれば密告--じゃない,もう少しスマートな内部告発という形でも,ともかくできるだけ広くそれがあり,そしてそれが公法的な制裁とともに,なかなか難しいでしょうけれども民事的な制裁もきちんとやるという意味では,確かに経済が萎縮するということで責任を制限する,あるいは代表訴訟のバーを高くするということも,それを合理化する必要はあると思いますけれども,やはり責任を追及しやすくするようなシステムをきちんと考える必要があるのではないかと。つまり,建前としてのシステムとともに,不祥事なり違法なことが明らかとなるようなスキームをベースに,公法上の制裁とともに民事上の制裁があって,悪いことをやると,違法なことをやると割に合わないという,そういう感覚を植えつけるためにも,合理化も必要ですが,その観点からの厳罰化の観点からのいろいろな方策もお考えいただきたい。  私は,無過失責任はやや厳し過ぎると思いますので,過失責任主義にすることは,限定はありますけれども原則として賛成したいと思いますけれども,過失責任にした上,きちんとそれがエンフォースできるような仕組みもお考えいただきたいなということで,選択制の云々とありますけれども,最後はそこの問題なのかなと思っておりますし,またそこら辺のことの具体的なことについては,書面なり何なりで提案させていただきます。 ● 大体,委員の方は御提言いただいたように思いますが,どうぞ幹事の皆さんも御遠慮なく御発言いただければと思いますが,いかがでしょうか。  もし何なら,○○委員から大変詳しいものが出ておりますので御質問等でも結構ですが。  再度細かい点でも結構ですが,どうぞ御遠慮なく。 ● 先ほど申し上げたことの繰り返しになるかもしれないのですけれども,中小企業,事業規模が非常に少なくて,例えば非常に典型的なのはファミリー企業--ファミリー企業と言っても一部上場の企業でもファミリー企業の実体があるところもたくさんあるわけでありますが,そういう公開されていなくて,投資者に不測の損害を与えない可能性の方が高い,そういった企業については,思い切って今お話を聞いているような規制を緩和する,強化するのではなくて,手続を非常に,ルーズと言うと生々しいのですけれども,少なくしてしまうということを少し御検討いただけないかなと思っておりまして,例えば株主も非常に限定をされているし,譲渡も制限されているし,いろいろな意味で制約ばかりで,新日鐵さんとか住友化学さんみたいなのに近いような企業については,それはそれなりに行動規範が違うのだと思うのですね。これは,会社が連続的だということの正に二律背反的なのでありますけれども,ちょっとがんじがらめに最近ではなり過ぎている面が実はあって,これを何か大幅に緩和をしていただくというような考え方を少し取り入れていただけないだろうかと思っております。規制強化の話ばかりなものですから,あえて申し上げておきます。 ● 例えばというのを挙げていただくと有り難いのですが。 ● 例えば,取締役会の開催をもう少し簡便にできるようにするとか,登記もそうでありますし,今は恐らく会社法に書いてあることを全部やろうと思いますと,大変なことになるわけでございまして,それだけで会社の事業が利益がなくなってしまうような状況でございまして,日刊新聞でやるとか,そんな話がかつてはあったのでありまして,ちょっとそれではひどいじゃないかと。実態は,もう皆様よく御案内と思いますが,身の回りを見ていただければ,八百屋さんも魚屋さんも皆株式会社であったりするわけで,こういった方たちの実態に合わせたものをお願いできないかと。  それから,じゃそんな人は違うシステムを使うべきではないか,株式会社でなくてもっと適切なものを使うべきではないかと,こうおっしゃるかもしれません。しかし,制度として存在をしていれば,いろいろな方がいろいろな使い方をする,これはもう立法者の手を離れてからの話でございますから,それについて議論しても始まらなくて,実態を見据えればほとんどはそういう中小零細会社が株式会社を使っている。そこをもう少し皆さん方が温かく見ていただけないかなと,こう思う次第でございます。 ● 今の○○委員からのお話でございますけれども,本当に中小会社のことを考えると,何でこんな規制が必要だったのかと思うようなものは確かにあると思うのですね。例えば,今回,社外取締役は登記事項になりましたね。これを中小企業に当てはめた場合に,一体この方々まで皆登記事項か,これ,どなたが守られるのだろうかなというふうに思うわけです。例えば,奥さんが取締役であった,これも一応定義からいくと社外取締役だから登記するのかという,こういう奇妙なことも出てきておりますので,確かにおっしゃるような観点からの見直しは私は必要だと思うのですが,しかし私は,中小企業の場合に問題なのは,何もかもルーズであっていいわけではない,ルーズでいいことはルーズであっていいけれども,肝心なところだけはきちんと筋の通った規制がなされているということがやはり必要だと思うのです。それをやってこなかったことが,日本の法というものを根底のところで非常に基礎のない,流動的な頼りないものにしていると思うのですね。  今日,参考資料の2の方で,積み残しの事項をいろいろ御指摘いただきまして,私も○○委員や○○委員がおっしゃいましたように,特に株式関係の(1)の部分,それから2の「会社の機関関係」の(3)の部分等々,あるいは会計監査人の責任の問題等,重要な問題が網羅されているわけですけれども,しかし貸借対照表の公開の問題については,一応手当てがなされた項目にここではなっております。しかしもう一つ,参考資料の4を用意していただいたのは本当によかったのじゃないかと思うのですけれども,ここの平成2年の改正の最大の積み残し事項というのが,やはりこの計算書類の登記所における公開の問題であったと思いますし,法人であり,有限責任であるものが,なぜ計算書類を公開しないでいいのか,そういう立法が相当議論が詰まっても最後の土壇場になりますと,国会に上程の直前でやはりやめておこうということになってしまう。この問題を手をつけることなくして21世紀の会社法はないというぐらいにお考えいただきたいことじゃないかというふうに思います。その点については,やはり規制の強化がないがために,皆,結局実質無限責任で,銀行からもどこからも個人保証しなければ借りられないということであり,かつ個人保証をたくさんしているがために,もう会社は本当に赤字になっているのにつぶせないのですね。つぶすとあしたからの暮らしが成り立たないということで,住むところも何もかもなくなってしまうという,そういう中小企業,零細企業が非常に多くて,見るからにお気の毒なんですけれども,こういうことのままずるずる行くということが許されているシステムになっている,ここにやはり問題があるのではないかというぐらいの深刻な問題だろうというふうに思います。是非,この問題は取り上げていただきたい。 ● ここで掛け合いをやろうということではないのですけれども,そもそも企業がスタートするときに,大体皆さん資本力がないものですから,当然自分のポケットマネーを出してスタートしたり,人から物を借りたりする。銀行の方,あるいは金融機関,街金でもいいのですけれども,自分で保証しないと貸せないよと。これは当然の話でありまして,そもそもそういうところから企業というのはみんなスタートしてきていて,そのままずるずると大きくなっていくというのが通常なのでございます。あるところで,無借金経営になる人もいますが。ですから,会社法の世界で予想している美しい会社の発展の動きと,実態というのは全くかい離をしている。  私どもがどうしてくれとまだなかなかはっきり申し上げられませんけれども,やはり実態を相当踏まえて,○○委員がおっしゃるように必要な規制は当然必要ですから,これはやるべきだと思います。思いますが,しかし彼らの感覚を聞けば,商法なんか見て会社を作っている人は一人もいない--と言うと語弊がありますが,ほとんどいないわけです。みんな会計士さんに相談したり税理士さんに相談したり,弁護士さんに相談したら,こうやればこうこうこうなるよと,分かりましたと言ってマニュアルに従って作っているだけで,ですからちゃんと読まれて,法治国家にならなければいけないという議論をされると,恐らく企業の世界はいわゆる法に基づいて治められている世界ではないので,そこら辺はもう少し……。  ですから,分かりやすい法律にしていただきたいし,親しまれる法律にしていただきたいし,それからPRもしていただかなければいけないと思うのですね。ところが,皆様方の視線がほとんど一部上場企業,公開会社に向いているがゆえに,先ほどのコーポレート・ガバナンスの話も含めて,いろいろな規制が重畳的にかかってきていて,それは別世界の話なのですね,中小企業にとっては。本当は違うのかもしれません。  だからどうするかというのはちょっと中で御相談をしてみますけれども,そこのところが二重構造,三重構造だということを是非御理解いただいて,それからガバナンスの問題は規制を強化すればガバナンスができるとは私は全く思いません。これは,経済産業省とかがまた御意見があるのかもしれませんけれども。 ● 一方では,私の承知しているところでは,倒産法とか民事執行の関係では,中小企業は倒産すると経営者は丸裸になる,これは何とかしてくれという議論があるようで,そうなりますときちんと会社の会計についてディスクロージャーをして,信頼できるものを作って会社債権者に対して開示してくれと,そういう話が出てくるわけで,そういういろいろなことにかかわっている話だというふうに先ほどの議論はお伺いしました。 ● 今の議論とちょっと関係するのですけれども,実態と法のかい離という点が指摘されたのだと思います。これは事実として,特に零細あるいは中小の会社と法との間にかい離が生じている,これは事実だと思います。  その場合に,ではどうしたらいいかというときに,実態の方を法律に近づけるというのは,これはおっしゃるとおり非常に困難だろうと。そうだとすると,法の方を実態に近づけるという方向が考えられるだろうと。そうだとすると,現在の実態というものに合わせて中小・零細の会社にふさわしい実態に合わせた法というものを,実態に近づけていくという作業をするべきではなかろうか,正にそういう方向での作業を,この場で考えていく必要があろうと思うわけです。ですから,実態と法のかい離があるから,そのまま,かい離したままでいいということには当然にはならないのではないかなと思います。  それから,ちょっと別のことを。  そういう意味で,法人一般論の方にちょっと触れてみたいと思うのですけれども,○○委員が出された中で,5ページのところの「定款変更」で,「定款における事業目的の記載を柔軟化し,「その他一切の合法的事業」」云々とありますね,こういう提案が出てくるということは,すなわち公益的な法人でない,営利法人というものを考えたときに,法人の目的というものをどういうふうに位置づけるのかという大問題があるわけなので,したがってこの際法人の目的というもの,特に会社法での目的というものについては,学説も非常に議論しているわけでありますから,この辺のところもあるいは目的の位置づけというものも法律上明確にしていくということも十分考えられるのではないかなというのが,この○○委員のこの部分の提案についてはそのような印象を受けました。 ● 先ほど,○○委員が言われたこと,中小企業の経営機構の簡素化というようなことを考えますと,これは最初の問題にまた戻ってくるわけですけれども,定款で株式譲渡制限をした会社を考えていいのでしょうけれども,その場合でも,今,日本の実態を考えますとかなり規模等で定款が株式譲渡制限した会社にもいろいろあるわけですね。恐らく,そのうち零細なものについてはおっしゃったように有限会社と同じような取締役会なんか要らない,取締役は一人でいいという実態があるのだと思いますけれども,そうなりますと定款で株式譲渡制限をした会社をまたその中を細分化するのかというような話になってくるわけで,それはもちろんそういう制度だって考えられるわけです。ですから,これはかなり難しい問題をはらんでいるというふうに私は認識しております。 ● 先ほど来,中小企業の問題が御議論になっておりますけれども,私どももやはり小さいものからだんだん大きくなって,ではルールを決めるときにどこで線を引くのかというところは一番難しい。線を引くと,今の有限会社と株式会社と同じように,無理して株式会社になろうというところで,実態にゆがみがまた出てきてしまうというところも問題がございます。  先ほど,委員の方からもお話があったように,法律と実態のかい離というところで,今,普通に経営している中小企業,実態と法律はかい離しているのですけれども,それのかい離の存在すら気がつかないで日々無事に経営をされていると。ただ,かい離がやはり顕在化してくるのは,多分ファミリー・ビジネスのときにファミリーで紛争が起こったときとか,あるいは相続が起こったときとかにそういった法律の建前と実態とのかい離が大きな問題となって出てきてしまうということでございますので,そういった面は法律の安定性という観点からも問題ですので,普通の経営上問題なければ,やはり法律をできるだけ実態に合わせて,ただ有限責任の会社として経営していく上での最低限のルールというのはきちんと守っていただくというのが,一つの基本的な考え方だろうと思っております。  それから,有限会社法と株式会社の特に小さいところとのすみ分けなり整理をどうするかというのは,今の中小企業の中にも有限会社も100万とかありますし,そういう実態の中で,今ある実態を踏まえた上で,これからどんどん中小企業が創業していくわけですから,今のような体系の中で創業を許させていくのか,それとも今ある所与の実態を踏まえた上で新しい制度としてどういうものがいいのかというのを,これまでのものとこれからの制度とが多少両方うまく接合できるような形で制度設計をしていただきたいというふうに考えております。  また,私どもも今実態などいろいろ研究しておりますので,また機会がありましたらお話しさせていただきたいと思います。 ● 是非,具体的な提言をお願いいたします。 ● 経済産業省でございまして,○○幹事が中小企業の担当で,私が大企業の担当という仕分けでは実はなくて,正直申し上げて,恐らく企業の見方は○○幹事が見ているのは若い会社で,私が見ている会社は年老いた会社ということかもしれないのですが,もともと経済産業省がこの商法の改正等に非常に期待をしている点は,例えば5年前にさかのぼっていただくと,平成9年に持株会社の解禁というのが独禁法でなされました。それ以降,実は5年間の間に企業経営者の目の前には組織の選択,それから資金の調達,この二つの面で類似の商法改正,相当程度の選択の幅が出てきたことは事実であります。  我々がなぜそれを指導してきたかというと,要するに90年代をずっと通して見ると,実は日本の企業経営組織全体が市場の環境に応じてどれだけ迅速に資源の配分を移していけたのだろうか,そこが非常にある種滞っている現象が非常に蔓延しているのじゃないかという問題意識がもともとございまして,実は80年代はそんな議論は全くなかったわけですね。日本の経営組織は,ある種日本的なシステムの中で,市場を通じて資源配分する欧米よりも,相当程度迅速に資源配分を組織の中で動かして,それで大きなパフォーマンスを上げてきた,これが常識だったわけですが,それがどうも90年代以降うまく働いてきていない。そうすると,我々の目から見ると,例えば商法の世界の中でも組織の選択,資金の調達,ここの自由度は極力上げていただきたい,ある種の選択の幅をどんどん増やしていただきたいという議論がまず1個目にあったのだと思います。その中で,まだ実は実現されていない要望項目というのがございまして,先ほど○○委員の方からも御紹介がありましたが,ここは現代化の膨大な作業をされる中で大変だと思うのですが,積み残された規制改革的な要望事項,これは是非実現の方向に向かって前向きに御議論いただければと思っております。  ただ一方で,二つ目なのですが,先ほどガバナンスの議論が出ました。問題点は,恐らく日本の経営者自身が自らの判断で物事を変えて行くメカニズムがうまくいっていれば,別にガバナンスの議論は要らないわけであります。恐らく一番問題になるのは,事業の撤退だとか,あるいは縮小という非常に厳しい経営判断を迫られるときに,経営者自らが判断するのではなくて,例えば株主であるとか,あるいは債権者であるとか,あるいは日本のシステムでいうと労働者であるとか,そういう幅広い内部・外部の関係者が,ある種マーケットを通じて経営者にシグナルを送る,その仕組みをもう少し風通しをよくするという議論も大事だと思っております。したがって,ガバナンスの議論は実は我々規制強化の議論だとは思っていなくて,ある種そういう外部環境の変化が生じたときに,経営者に対して適切なシグナルを送る,その道筋をどうやって合理的に制御するかという視点で,是非見ていただきたいと思っております。  そういう発想に立ったときに,実はガバナンスのシステムが一つである必然性はないというのが我々の発想でございまして,例えば先ほどの○○委員からも御提示がありましたが,委員会等設置会社と監査役設置会社,二つ御用意していただいたのは非常に大きな前進だと思うのですが,あれを二つである必然性はないのではないかという議論が,我々の中ではやはりあります。恐らく,いろいろな選択肢が提示されて,今,日本の経営者も行政も含めて確たる組織モデルに対するコンセンサスがない中では,多様な実験が可能になるようなシステムを,組織,資金調達の面でも,ガバナンスの面でも御用意していただいて,その中で,恐らく10年たてばある種の合理的なモデルが出てくるというようなインフラを商法の世界で用意していただきたいというのが我々の要望でございます。  その中で,実は○○委員から御指摘がありましたが,ガバナンスの選択の議論は,どちらかというと公開大会社を念頭に置いた議論をやってきたのですが,これからは恐らく公開と非公開,譲渡制限かかっている,かかっていない,それから変な話ですけれども健全な企業と更生手続に入った企業とか,あるいは法人と組合の議論,いろいろな組織選択の幅が出てくる中で,それぞれに応じて適切なガバナンスのシステムという議論を御議論いただければ,恐らく規制強化という議論ではなく,かつ選択の自由が増える中で,いいものがマーケットの中でできていくという議論になってこようかと思います。  3点目は,私はガバナンスの議論は商法の世界ではとれないと思っていまして,例えば規制緩和というのは非常に経済産業省が熱心にやっているのは,やはり取引マーケットの競争がないとガバナンスはそもそもきかないのだという問題意識があって,したがって規制改革を進めて取引市場で企業が選択されるという御議論も必要だと思っております。それから,雇用の流動化を非常に声高に叫んでいるのも,ある種労働者の目で見たときに企業が選択されるというルートも作っていく必要があるのじゃないかという感じのことを思っております。したがいまして,ガバナンスのシステムを商法体系の中ですべて解決するという発想よりも,そういう一連の制度改革の束の中で商法が位置づけられるという御議論になっていただければなと思っております。  あと,恐らく次回,できれば○○幹事ともども,経済産業省の考え方を皆さんに御提示しながら,今申し上げたことを敷えんしたいと思っているのですが,先ほどありましたLLC・LLPの議論,こういう実は従来の会社法という枠の中で位置づけて議論するのか,民法の中で位置づけて議論するのか,非常にまだ決着がついていない重要な組織フォーマットの議論がございますが,例えばこういう議論も実は税制の議論がついてこないと完結しないわけでございます。  それから,先ほど言われました内部告発の議論,ガバナンスの経緯でありましたけれども,これは恐らく商法の中で議論するだけではなくて,むしろ労働者保護法制の中における内部告発制度という議論をする必要があると思います。したがいまして,論点は恐らく多岐にわたった御議論,あるいは御検討をお願いするときには,そういう商法固有の話と,商法もほかの制度改革と一緒にやってもらいたい話という幾つか分けながら,御提示をさせていただければと思いますが,我々基本的な認識は,要するに組織,資金調達という企業の選択の自由,あるいはガバナンスシステムの選択の自由という議論をまず前提に置いていただいて,その中で新しい,いいモデルが市場の中で残っていくという発想で,是非いろいろな議論を御提示いただければと思っております。その中に,恐らく責任追及の手段で罰則の強化という議論がありましたが,恐らくこれから独禁法の世界でもああいう議論は出てくると思うのですけれども,それは事後的なサンクションを強化した方がより合理的なのかどうかという点も恐らく論点になろうかと思いますが,そういう点も含めて幅広く御検討いただければと思いますが,いずれにしてもなるべく事前に企業の選択肢を一つだというふうに決めるということではなくて,なるべく選択肢を増やす方向で,だけど比較的合理的な選択ができる環境を作るという方向で御議論いただければというのが我々の感じでございます。 ● マーケットの影響によって企業の経営管理組織が決まっていくというのは,確かに重要な論点だと思います。問題は,マーケットの方がそうなっているかというのはまた一つの議論としてあるかと思われますけれども。  それから,内部告発の問題につきましても,ここだけの問題ではないというのは全くおっしゃるとおりだと思います。 ● 会社法を分かりやすくしていくという点につきまして,是非一つ申し上げたい点がございまして,会社法が分かりづらいというのは必ずしも素人の方にとってだけではなくて,かなり専門の会社法の弁護士さんたちにとってもどうなのかという議論が分かれてしまうという分野が結構あると思います。それは,とりわけいわゆる強行法規と任意法規との区別という点ですが,どこまでが契約自由の範囲で,ないしは定款自治の範囲で企業家が自由に制度設計ができるのかというその境目が,極めて曖昧であるという点が従来から問題になってきていると思います。  先ほど来,公開会社と非公開会社というお話がありましたが,非公開会社は必ずしも同族会社だけではありませんで,やはりベンチャー企業,あるいはジョイント・ベンチャーといった,いわゆるプロが完全な合意の上でいろいろな組織設計をしていきたいというニーズが非常に高い分野がどんどん増えてきております。そういった場合に,どういう組織設計をするかについて,プロ同士が話していても,けんけんがくがく,いつまでたっても結論が出ない,どこまでやっていいのかということについて結論が出ないということは非常に多いわけでありまして,これはかなり問題なのじゃないだろうかと。要するに,会社法専門の弁護士さんたちの意見が非常に合わないというような状況ということが極めて問題なのではないかというふうに思うわけでありまして,是非今回の現代語化に当たりまして,強行法規と任意法規との区別,これはすべての条文についてきれいに示すというのは実務的に非常に困難かとは思いますが,むしろこれまでの,会社法は原則強行法規だということを大きく転換するぐらいの,つまりこれは強行法規だと書いていない以上は任意法規であるというぐらいの転換をここでしてもよろしいのではないかなというふうに御提案させていただきたいと思います。  ただ,そういう強行法規,任意法規の議論をしてまいりますと,必ず大企業と小規模閉鎖会社とでは違うという議論が出てまいりまして,端的には公開企業については不特定多数の投資家を含むものでありますから,かなり強行法規の分野を残さざるを得ないという議論になるかと思います。その区別なのですが,現在行われている資本金ないしは負債総額基準における大会社,中会社,小会社という区分が,既に実態に合わない,かつまた論理的な合理性を持たない状況になってきていると思いますので,この区分の仕方をむしろ公開会社か非公開会社かという端的な区分で行っていくような方向が望ましいのではないかというふうに個人的に思っております。 ● 具体的にこの点が問題なのだということを,できれば文書等で事務当局に御連絡いただければ大変有り難いと思います。  ほかに御発言ありませんでしょうか。 ● 既に○○委員等,他の委員の先生がおっしゃってくださったことの繰り返しになるのですけれども,より選択肢を拡大するということはそういう方向で進めていくというのは望ましいと思うのですけれども,それと同時に,実効的なコーポレート・ガバナンスの確保ということ,それは対立関係にあるというよりは,むしろ両方があって両立していかなければいけないので,そういうようなシステムが作られなければいけないという気がいたします。特に,選択肢の拡大の中で,決定権限の分配,あるいは決定権限の委譲という,機動的,弾力的な決定ができるようにする,株主総会の権限を取締役に移す,取締役会の権限をより少数の経営者に移す,代表取締役に移すというような方向が求められている事項も結構あって,それはもう移すということでいいかもしれないし,うちの会社ではこう,こちらの会社ではこうというような選択肢を拡大するというやり方でも構わないのかもしれないのですけれども,決定権限をより少数に集中する,より機動的にできやすくするということは,それだけモニタリングが働きにくくなるという側面もあって,株主総会の権限から取締役会の方に移すということになると,株主の監視が働きにくくなる。取締役会からより少数の代表取締役に移すということになると,他の取締役会レベルでの監督がうまくいかなくなるかもしれない,働きにくくなるかもしれないというようなことがある。  14年改正の重要財産委員会とか,委員会等設置会社の最初にできてきたころの経緯というのを見ますと,機関の分科会で議論に参加させていただいたのですが,当初実務界で非常に260条2項が邪魔だと,あれがあるために取締役会を頻繁に開かなければいけないし,取締役会で決めるから責任の問題も出てくる,できるだけ機動的な意思決定をできるようにしてほしい。では260条2項を大幅に緩和しましょうということで考えたのだけれども,しかしそれを緩和するだけでいいのかということを考えていくと,どうもそうではなさそうだと,重要財産委員会というものを作るのだったら最低限これは必要だと。あるいは,より大幅に一人に決定権が集中するのだったら,やはり委員会等設置会社のような形とセットでなければ認められないのではないかというような議論であの制度が出てきたのじゃないかと。  今のできた制度が最善の制度であるというわけではありませんけれども,そのように意思決定権限の自由化,弾力化を進めることは必要でしょうけれども,一方でそれを進めると暴走が起きたときに歯どめがきかなくなる。あるいは,より情報が多くの人に共有されにくくなる。日本の企業では,従来の日本の年功序列制のもとで,あるいは社内出身の取締役がだんだんピラミッド的に取締役なり代表取締役になるというシステムのもとでは,暴走がきかなくなるということはあり得るので,そうするとガバナンスの強化ということも考えないといけない。それは,別にがんじがらめにするということではなくて,一方では自由化する,弾力化する,それを可能にするための最低限の条件は何か,ディスクロージャー,単に仕組み,運営機構を強行法規的にするというのじゃなくて,より開示の面の強化,それから事後的なエンフォースメントの仕組みの強化というところで足りるのかもしれません。そのあたりのことを忘れてはいけないだろうというふうに思います。  それから,最近の企業の不祥事が多発しているというようなことを考えてみると,何か具体的なアイデアがあるというわけではないのですけれども,上から,例えば社外監査役一人入れる,社外取締役一人入れるというだけで実効的なガバナンスが確保されるとか,あるいはコンプライアンス体制がきちんとできるというわけではないので,一番上のレベルの話だけではなくて,会社全体,会社の組織として,会社のシステムとしてガバナンスを守るような,最低限のレベルから,従業員レベルからトップに至るまでガバナンスをきちんと法令を遵守して会社経営がなされるようなシステム,強行法規的にこういうシステムを作りなさいというのではなくて,それぞれの会社が競い合って自発的に促すような,そういうシステムを促すような仕組みというものが何か考えられないのだろうかというようなことを一つ思いました。 ● ほかに御発言ありますでしょうか。  次回は,何か今日の議論を踏まえて資料のようなものは出るわけですか。 ● 次回には経産省,中小企業庁から御意見をちょうだいする予定でございますが,フリートーキングの素材となるような論点整理をこちらの方でも用意させていただきたいと思います。 ● 是非そうしていただきたいと思います。またその論点整理に,できれば具体的なあれが,今日時間の関係で遠慮された細かい論点も入っていた方が便利でありますので,是非書面なりあるいはメール等を通じて,事務当局の方へ御遠慮なくお知らせいただければ有り難いと思います。  それでは,大変熱心に御議論いただきましたが,今日はこれで閉会にいたしたいと存じますが,次回の日程を事務当局からお願いします。 ● 次回は10月23日の水曜日,午後1時半から,今回と同様,この場所で開催させていただく予定でございますので,よろしく御参集のほど,お願い申し上げます。 ● それでは,これで本日は閉会させていただきます。どうも長時間ありがとうございました。