法制審議会会社法(現代化関係)部会 第18回会議 議事録 第1 日 時  平成16年2月4日(水)  自 午後1時00分                       至 午後4時07分 第2 場 所 法務省第1会議室 第3 議 題 「会社法制の現代化に関する要綱試案」に対する各界意見の分析について 第4 議 事 (次のとおり) 議    事 ● 予定した時刻が参りましたので,第18回の会社法(現代化関係)部会を開会することにいたします。   本日は御多忙の中を御出席いただきまして,ありがとうございます。   本日の会議では,事務局から,要綱試案に対する意見照会の結果の報告を聴取したいと存じます。   それでは,配布資料につきまして,事務局から説明をお願いいたします。 ● 要綱試案に対する関係各界の関心の高さを反映してのことと思われますけれども,意見照会期間中に多数の御意見をちょうだいし,その集計・分析に少々時間を要しまして,事前に資料を配布させていただけなかったことをおわび申し上げます。   本日,席上には,この「「会社法制の現代化に関する要綱試案」に対する各界意見の分析」と題する資料--やや大部なものですけれども--これを用意させていただいております。意見照会に対して寄せられました主な意見の動向,それから具体的な理由について触れられておりますものにつきましては,その主なものについての概要を,できる限り今後の御審議の参考にしていただくべく取りまとめたものでございます。   それから,別に「意見提出団体とその略称対比表」というものをお配りしております。これは,先ほどの「各界意見の分析」の中で用いております意見提出団体の表示方法といいますか,略称を明らかにするものでございます。略し方につきましては,もっぱら便宜的なものと御了解いただきたいと思います。   また,後ほど公示催告手続の見直しに関する取りまとめについて,こちらの方から簡単に御報告をいたします。そのための資料を御用意させていただきました。「取りまとめ」と題するものと,「見直し後における公示催告事件の流れ」と題するものをお配りしております。   本日,お配りさせていただきました資料は,以上でございます。 ● 配布資料につきまして,何か御質問ございますでしょうか。--よろしゅうございますか。   それでは,本日の審議に入りたいと存じます。   まず,要綱試案に対する意見照会の結果につきまして,事務局から報告をお願いします。 ● 具体的な意見の中身について不明な点があれば,後ほど御質問していただければと思いますが,とりあえず要綱試案に対して寄せられた意見につきまして,各項目に従って,その傾向と,必要に応じてその主な意見の概要などを御説明したいと思います。今後の審議に当たりまして,共通の認識に立っていただく必要があろうかと思いますので,少々お時間をとると思いますけれども,よろしくお願いいたします。   まず,10月29日から12月24日までの意見照会期間中に--あるいは意見照会期間経過後に出されたものもありますけれども--関係各方面からお寄せいただきました意見の総数は,1,745件でございました。先ほどお示ししました「意見提出団体とその略称対比表」を御覧いただきますと,主な意見御提出団体は,そこに記載されているとおりでございまして,裁判所,弁護士会関係で10件,大学法学部関係で23件,経済団体17件,金融機関関係8件,その他というふうになっているところでございます。   そのほか,後ほど述べますように,個人の方からも非常に多数の意見の提出をいただいているところでございます。   中身でございますけれども,まず第1部の「基本方針」につきましては,会社法制の現代語化につきまして,特に一部慎重な検討を求める等の意見はありましたけれども,総論において反対意見はなかったところでございます。   それから,実質改正を行うという基本方針につきまして,一部諸制度間の規律の不均衡の是正等について慎重な対応を望む,あるいは急激な規制緩和に対する危惧がある等の意見がありましたものの,総論的には賛成の意見をいただいているところでございます。   なお,試案が取り上げていない項目で,特に改正検討を要する大きな事項として,企業結合に係る法規制の充実という点を指摘する意見もございました。   第2部の「総則関係」でございますけれども,1の「会社の商号」の(1)につきましては,賛成意見が多数を占めたところでございます。既存の会社に係る商号権の保護の必要性,あるいは誤認のおそれというようなことを理由とする反対意見も見られたところですけれども,経済界も含めてさほど強い反対意見は寄せられていないところでございます。   (2)の商法20条の取扱いにつきましては,意見がやや分かれたところでありますが,c案に賛成する意見が多数であったと言えようかと思います。結局のところ,商法20条2項につきましては,商法19条の改正を前提にしますと,現行の規定のままでは維持することができませんので,あとは20条1項の規定を不正競争防止法とは別に置いておく必要があるかどうかという点に論点がほぼ絞られるのではないかと思われます。   なお,これに関連いたしまして,商法25条3項についても見直しを行うべきであるという意見も寄せられたところでございます。   続きまして,2の「支店の所在地における登記事項」ですけれども,見直しの方向性について特に反対意見を述べるものは少数でございました。もっとも,意見の多くは,利用者の便宜の向上ということを前提とし,このような見直しを行うことに伴って利用者の負担が増加しないということを見直しに当たっての当然の前提として述べられているものと思われます。   それから,現在の登記のコンピュータシステムを前提とする議論ではございませんが,少なくとも将来的には--というふうに申し上げてよろしいかと思いますけれども--支店登記そのものを廃止すべきであるという意見も寄せられたところでございます。   3の「使用人」につきましては,まず(前注)について若干の意見がございました。責任の明確化,代表訴訟の対象化等の意見があったところでございます。 また,(1)の末尾の方に紹介してありますけれども,支配人制度自体を廃止すべきであるという意見もあったところでございます。   (1)の「支配人の登記」につきましては,賛成意見が多数でありましたけれども,やはりここでも,支店管轄法務局から本店に係る登記情報に直ちにアクセスできるという方策が確保されていることが前提である等の,利用者にとっての負担増がないということがそれらの意見の前提となっておるところでございます。   (2)の「会社の支配人の競業避止義務等」につきましては,試案で提示しておりましたような方向での検討に賛成する意見が多数を占めたところでありますけれども,反対意見も見られます。   なお,代表取締役についても営業禁止義務に類した義務を課す方が望ましいという意見などもあったところです。   (注)につきましても,一部反対はありましたが,基本的には賛成意見が多数であったということでございます。   それから,試案で取り上げられていない事項についての立法提言として,商法32条2項に相当する規定の会社法における明記及びその規定内容の充実,記帳条件に関する規定の整備の必要性を唱える意見もあったところでございます。   次に,「第3部 合名会社・合資会社関係」ですけれども,1の両会社類型の取扱いにつきましては,賛成意見が多数を占めております。   名称については,そこに掲げておりますようないろいろな意見がございました。   他方,この両会社類型を一つの類型として規律するという方向についての反対意見というものもございまして,そこに掲げられているような理由が示されております。   それから,2の「一人合名会社」についてですが,これについても賛成意見が多数を占めたところでございます。ただ,賛成意見の中には,法人格の濫用防止の観点からの措置の必要性を指摘する意見もあったところです。一部,会社の存続についてはともかく,設立については認める必要がないという意見もございました。   それから,反対意見の中では,弊害のおそれを懸念するものが多かったということでございます。   次に,3の「法人無限責任社員」についてですけれども,これについても賛成意見が多数を占めたところでございます。ただ,これに伴う幾つかの手当ての必要性を唱えるもの,例えば会社の債権者や会社の社員の保護のための何らかの手当てをすべきであるというような提言等があったところでございます。   他方,(注)につきましては,所要の措置の必要性を唱える意見と,その必要性はないとする意見とがございました。もちろん,本文そのものにつきましても反対意見があり,その理由もそこに掲げさせていただいているとおりでございます。この部会での議論の中で出されたものと同じような指摘が反対意見として寄せられたところでございます。   4の「株式会社への組織変更」につきましては,多くの意見が賛成意見でございました。   なお,組織変更に当たっての社員の責任の在り方について,幾つかの指摘もいただいておるところでございます。   第4部の「株式会社・有限会社関係」でございますけれども,まず株式会社・有限会社関係の見直しの基本的な方針であります第1の「総論」につきましては,規律の一体化自体については賛成意見が多数を占めたところでございますけれども,賛成意見の中には,それによって現行の規制の強化,あるいは負担増というものが生じないということが議論の前提であるという指摘をするものもございます。   なお,規律の一体化には賛成しつつ,一つの会社類型として規律する方向での検討については,反対あるいは消極とする意見もございます。   それから,この規律の一体化自体について反対意見を述べたところも--そこに掲げられておりますように--ございまして,株式の譲渡制限の有無,あるいは取締役会の有無という形での会社類型の区別,とりわけ取締役会の設置の有無という点は区別の基準としては必ずしもふさわしくないのではないかという指摘もあったところでございます。   また,この株式会社・有限会社の規律の一体化に当たっては,基本的に株式会社を大規模・公開的な会社形態に純化すべきであるという意見も--かつての大小区分立法の議論に通じるところがありますけれども--そういった意見も寄せられたところでございます。   それから,2の「譲渡制限株式会社における有限会社型機関設計の選択的採用」につきましては,基本的には賛成意見が多数を占めたところでありますが,関連して幾つかの意見が出されております。   反対意見も少数ながらあったところでございまして,会社の実態に応じた,より実質的な基準によって区分をすべきであるというような意見などもあったところでございます。   第2の「設立等関係」についてですが,1の「最低資本金制度」の「(1) 設立時における払込価額規制」については,寄せられた意見がかなり大きく分かれた結果となっております。意見の中味を見ましても,各団体・機関の中で取りまとめに当たって意見が分かれたということが明記されているものも相当数あったところでございます。主な団体の意見の分布はそこに記載してあるとおりですけれども,a案あるいはc案,このいずれかを支持する意見が多数であり,それぞれの意見提出団体を見ましても,学界,経済界とも,それぞれ意見が分かれているという感じでございます。   もちろん,このような見直しを行うということ自体についての反対の意見もあったところですが,見直しを行うということを前提としつつ,a案かc案のいずれかを指示するというところがおおむねの動向でございました。一部,b案を支持する意見もございます。   (2)の「剰余金分配規制」についてですが,これについては賛成意見が多数を占めたところでございます。配当規制については,現在の我が国の会社法制がとっているような分配規制ではなく,より実質的な基準に基づく分配規制を設けるべきではないかというような指摘もあり,また,実質的な分配についても規制を設けるべきではないかというような意見も寄せられたところでございますが,基本的に(2)については賛成意見が多数であったということでございます。   (3)についても賛成意見が多数でございました。   2の「払込取扱機関」につきましては,やや意見が分かれたところでありますが,賛成意見の方が多数であったということでございます。本文を前提として,払込取扱機関の保管証明責任についても規定の廃止を求める旨の意見もあったところでございます。   反対意見の理由としては,そこに掲げられておるとおり,設立時における現実の資産の不存在の可能性,詐欺的な設立の懸念といった点が指摘されているところでございます。   3の「募集設立」につきましては,やや意見が分かれたという状態でございます。反対意見も有力であり--部会でも同様の御意見がございましたけれども--設立当初から出資を行うけれども,発起人としての立場には立ちたくない,発起人としての責任は負いたくないというようなニーズの存在などが指摘されているところでございます。   4の(1)につきましては,一部少数意見があるほかは賛成意見であったということでございます。   (2)につきましては,寄せられた意見は,すべて賛成意見でございました。   (3)についても賛成意見が多数でしたが,有限会社的な会社におきましては,出資一口の金額に出資総口数を乗じて得られた額が資本の総額となるという制度を維持することに合理性があるという指摘も一部にあったところでございます。   5の「事後設立」のうちの(1)の「検査役の調査」につきましては,賛否の意見が分かれたところでございます。弁護士会,学界を中心に反対の意見も強かったところでございます。やはり規制の潜脱防止という制度の意義を重視する意見であるものと見られます。   (2)につきましては,一部反対意見があるほかは,ほぼ賛成意見で占められていたということでございます。   6の(1)の現物出資等の検査役の調査を要しない場合のうち,①の少額特例については賛成意見が多数を占めております。少額特例としては500万円という額の要件への一本化が適当であるとする意見や,設立時における払込価額規制との連動の必要性を指摘する意見もございました。   ②の「市場価格のある有価証券」につきましては,ほとんどが賛成意見であったということでございます。   ③の「会社に対する金銭債権」につきましては,賛成意見が多数でありましたけれども,一部反対意見も有力であったところでございます。反対意見の中でも,(注1)については賛成という意見もございました。反対意見がその理由とする過大評価のおそれという点につきましては,結局(注2)の手当ての要否という点に議論が収斂するのではないかという感じがいたしますが,(注2)については,賛成意見の中にも,その手当てが必要であるとするものが結構あったところでございます。   なお,現物出資規制の意義自体についての再検討の必要性を指摘する意見もございました。   (2)の「現物出資等に関する関係者の責任」の問題につきましては,賛成意見が多数でありましたが,資本充実責任であること等を理由として,過失責任化には反対であるとする意見も一部見られたところでございます。   第3の「株式・持分関係」についてですけれども,(1)の譲渡制限制度の総括的な見直しの方向性につきましては,一部反対意見もありましたが,賛成意見が多数であったところでございます。   反対意見は,デフォルトルールを今の有限会社の制度に合わせるべきであるとするもののようでございます。   なお,これに関連して,譲渡制限に係る定款の定めに関して公示等の必要性を指摘する意見がございました。また,②の定款の定めの廃止に当たっては,特殊決議を要するものとすべきであるというような意見もあったところでございます。譲渡制限を付す,あるいは譲渡制限を外すという場合の決議要件についての再整理の必要性を指摘するものというように受けとめることができるのではないかと思います。   それから,1の(2)につきましては,そのいずれにつきましても賛成意見が多数を占めたところでございます。これについても,定款でどのような定めがされているのかを登記によって公示すべきであるというような意見が寄せられているところでございます。また,これ以外の定款の定めも,合理的な内容であれば許容すべきであるという意見もあったところでございます。   ①から④までについて,それぞれ一部反対意見がございます。その理由は,そこに掲げさせていただいているとおりでございます。   (3)の「一部の種類の株式についての譲渡制限の定め」ですけれども,この部分も賛成意見が大多数でございました。   ①,②のいずれについても,反対意見を述べるものが--ごく少数でありますけれども--ございました。その理由とされているところは,そこに掲げさせていただいているとおりですけれども,どちらかというと,株式の譲渡制限制度そのものについて,かなり批判的な評価をすべきであるという立場からの意見が述べられているところでございます。   ①の(注),②のロ,あるいは②の(注1)につきまして,それぞれ意見が寄せられております。内容は,そこに掲げさせていただいているとおりでございます。   特に,②の(注1)につきまして--譲渡制限の定めをする場合の決議要件,種類株主総会における決議要件の問題ですけれども--特殊決議が必要であるという意見のほか,特別決議までの緩和を認めるべきであるというような意見もあったところでございます。   (4)につきましては,一部に反対,あるいは消極的な意見がございましたけれども,大多数は賛成意見で占められております。   2の「市場取引等以外の方法による自己株式等の買受手続」についてですが,(1)については,寄せられた意見はすべて賛成意見でございました。定款規定に基づく取締役会による自己株式買受けについても,同様の方法による取得を可能とすべきであるというような意見もいただいているところでございます。   その他,これに関連して幾つかの意見が寄せられています。内容は,そこに掲げさせていただいているとおりでございます。   なお,(注3)につきましては,現行制度を維持すべきであるという意見と,現行制度の維持をやめるべきであるという意見とに分かれたところでございます。   (2)の「特定の場合における手続の特例」ですけれども,①につきましては,寄せられた意見のすべてが賛成意見であったところでございます。   営業の一部の譲受けの場合の取扱いをどうするかという(注)の問題ですけれども,これについては,そこに掲げてありますように意見が分かれた状態になっております。   ②の「譲渡制限会社における先買権者の指定」についてですが,一部反対意見がございましたけれども,寄せられた意見のほとんどは賛成意見であったところでございます。   (注)につきましては,意見が分かれております。   ③につきましても--これは譲渡制限会社における相続・合併の場合の取得者からの買受けの場合の特例化の問題でございますけれども--一部反対意見がありましたけれども,大多数は賛成意見であったということでございます。   ④の「市場価格のある株式を市場価格で買い受ける場合」につきましても,賛成意見が多数でございました。ただし,弊害の懸念を指摘する意見もそれなりに寄せられているところでございます。   ⑤のその他の場合の取扱いについてですけれども,そこに掲げられているように,特例が認められるべき場合の更なる追加を求める意見がそれぞれございました。また,①から④までの場合以外については特例を認める必要はないという意見も寄せられたところでございます。   3の自己株式の権利内容についてですが,一部反対意見がございましたけれども,大多数は賛成意見であったということでございます。   反対意見は,株式分割等の場合には,会社の裁量により,自己株式には効力が及ばないものとするという扱いを認めるべきではないかとするものでございます。   (注)につきましては,新株引受権の取扱いについての意見をいただいているところでございます。また,合併の際のいわゆる自己株の取扱いについて,割当てを可とすることの許容を求める意見もございました。   4の子会社による親会社株式取得規制の問題ですけれども,本文の①,②のうち,まず①につきましては,反対意見はごく少数であり,大多数が賛成意見でありました。②につきましても,賛成意見がほとんどでありましたが,反対・消極的意見が①よりもやや多かったところでございます。   (注)の規制自体のそもそもの見直しに係る論点につきましては,一般的な規制撤廃を求める意見があり,具体的な提言も寄せられたところでございます。   他方,この点については,慎重な検討が必要であるという意見も寄せられているところでございます。   なお,これに関連して,処分規制--相当な時期に処分しなければならないという規制--の見直し等を求める意見が寄せられたところでございます。   5の「自己株式の市場取引による売却」につきましては,意見が大きく分かれたところでございます。インサイダー取引規制についての現行法以上の整備が必要であるということを前提とした上での賛成意見もあったところですけれども,単位未満株式の買取請求等によって取得したものに限ってそのような取扱いを認めるべきであるというような意見もございました。   他方,そもそもこの点については慎重に考えるべきであるという意見も多かったところでございます。自己株式の処分と新株発行との間で手続に差異を設ける合理的理由は乏しいのではないかという指摘をする意見も寄せられているところでございます。   6の(1)の「消却に関する定款規定の設定手続等」についてですけれども,一部反対意見はありましたものの,多数は賛成意見であったところでございます。総株主同意でなく,多数決による定款規定の設定等を認めるべきではないかという意見も寄せられているところでございます。   (注2)につきましては,幾つかの意見がございました。内容は,そこに掲げさせていただいているとおりでございます。抽選などの方法が株主平等原則に反しないと理解することを前提とした意見もございましたが,その当否についてはまた部会で御議論いただければと思います。   (2)の「定款に基づかない強制消却」についてですが,①については,特に反対意見はございませんでした。   ②の債務超過の場合における無償での強制消却の可否につきましては,賛否が大きく分かれたところでございます。賛成意見を述べるものの中にも,債務超過の認定の方法・手続等についての十分な検討を行うべきであるというような指摘をするものもございます。   また,反対意見が理由とするところは,債務超過かどうかの判断が困難である等の点でございます。   (3)の授権株式数の変更の取扱い--消却・併合がされた場合の授権株式数の取扱い--についてですけれども,試案が掲げる方向での検討に大多数の意見は賛成であるということでございました。   一部,そこに掲げられているような反対意見も寄せられたところでございます。   また,新株発行についての新たな規律の導入を条件に,授権株式数自体の廃止を提案する意見もあったところでございます。   7の種類株式についてですが,まず(1)の「有限会社における種類株式に相当する制度」については,賛成意見が多数を占めたところですけれども,一部,現行の有限会社制度の在り方を前提に,それをさほど株式会社に寄せる必要はないのではないかという観点からの反対意見も見られたところでございます。   (2)の取締役会の設置されない譲渡制限会社における別段の定め--いわゆる現行の有限会社的な定め--の許否につきましても,賛成意見が大多数を占めたところでございます。   一部,ニーズの有無についての慎重な検討を求める意見,あるいは拙速な検討に対する懸念を表明する意見もあったところでございますが,大多数は賛成意見であったということです。   (3)の「議決権制限株式等の発行限度」--有限会社あるいは有限会社的な会社における発行限度規制--につきましても,賛成意見が大多数を占めたところですけれども,そもそも有限会社に種類株式に相当する制度を設けること自体についての当否,あるいは有限会社的な会社について議決権の制約のある株式を無制限に認めることの当否については,疑問を呈する意見もあったところでございます。   (4)の「強制転換条項付株式」の①,②につきましては,ごく一部に反対意見がございましたが,ほぼすべてが賛成意見であったというところでございます。   (5)の「種類株式の内容に係る定款変更」についてですが,これも賛成意見が大多数でございました。賛成意見の中には,このような取扱いをすることとした場合の後日の混乱の発生の回避についての検討を求める意見でありますとか,取締役会に定款変更の権利を授権するというような構成が適切であるという指摘をする意見もいただいているところでございます。   他方,そのような受けとめられ方--つまり取締役会の決議により定款変更ができるというような誤解--を生じさせるということは適当ではないこと等を理由として,この点に反対する意見もあったところでございます。   8の「法定種類株主総会」の(1)の商法345条1項の規定の明確化につきましては,反対ないし疑問があるという意見を一部いただいておりますけれども,大多数は賛成意見であったということでございます。   (2)の商法346条の関係につきましては,これも一部反対意見がございましたが,大多数は賛成意見であったところでございます。種類株主の保護にかなり欠けることとなるものと理解するかどうかというところで,反対の意見になったところが幾つかあったということでございます。   (3)につきましては,寄せられた意見はすべて賛成意見であったということでございます。   なお,買取請求権の濫用に対する対策の検討を求める意見など,幾つかこれに関連して意見が寄せられておりまして,その内容はそこに掲げさせていただいているとおりでございます。   9の端株・単元株の一体化の問題についてですけれども,寄せられた意見のほとんどは一体化の検討には賛成というものでございました。一部異論があったところですけれども,大多数は賛成ということでございました。   ただ,一体化の方向性につきましては--(注1)ですけれども--どのようなアプローチをすべきかという点について意見が分かれたところでございます。個別には御紹介いたしませんが,a案の①から③まで,及びb案につきまして,それぞれ支持する意見が寄せられているところでございます。   それから,9の終わりの方ですけれども,単元株制度を廃止した上で,端株制度を存続させるべきであるというような意見もいただいているところでございますし,他方,単元株制度に一体化した上で,その実施時期については株券不発行制度の導入後一定の時期に行うこととすべきであるというような,実務的な意見も寄せられているところでございます。   それから,10の(1)の少数・単独株主権に係る議決権基準の株式数基準化の問題ですけれども,一部反対意見がありましたが,大多数は賛成意見であったということでございます。   (2)の「株主総会に関連する少数・単独株主権等」につきましては,これもごく一部に反対意見がありましたが,大多数は賛成意見でございました。   (3)①の役員の解任請求に係る株主要件につきましては,b案に賛成する意見が多数を占めたところでございます。一部a案に賛成する意見もありまして,その理由とするところはそこに掲げさせていただいているとおりでございますけれども,多数はb案を支持する意見であったということでございます。そのほか,現行の規律を維持すべきであるというような意見等もいただいているところでございます。   (3)②につきましては,賛成意見が多数を占めたところでございます。ただし,より広い範囲の株主にその機会を与えるべきであるという立場から,反対する意見も寄せられております。   (4)の「少数株主権と少数社員権の行使要件」についてですけれども,これも賛成意見が多数を占めたところではありますが,一部少数の反対,消極的な意見もございました。   (5)の「株主名簿等の閲覧・謄写請求権」についてでございますが,拒絶事由を明確に定めるということについて,反対意見を述べたところはごく一部でございまして,ほとんどが賛成意見であったということでございます。   なお,賛成意見の中で,拒絶事由の具体的な在り方につきまして,様々な提言等をいただいております。逐一御紹介いたしませんが,幾つもの団体等から意見が寄せられているところでございます。   具体的には,例えば試案が例示している①については,これを理由に拒絶させるべきではないという意見もございましたし,②,③については,「利益を得て」というような要件を課すことは避けるべきであるというような意見もあったところです。   11の「基準日」についてですが,(1)につきましては,賛成意見が多数を占めております。部会での御議論も同様であったと思われますけれども,少なくとも基準日後に登場するある種の株主については議決権を与えるというような取扱いが必要であるということを前提にした意見が多かったように思われますが,一部反対意見,消極的な意見もございました。株主平等原則に対する懸念,恣意的な濫用に対する懸念等を理由とするもののようでございます。   (2)の日割配当の問題についてですけれども,これも賛成意見が大多数を占めたところでございますが,一部反対意見も見られました。反対意見の理由とするところは,場合によっては日割配当的な行為を行うべきニーズがあるということに尽きるのではないかと思われるところでございます。   (注2)の配当に係る基準日の取扱いの問題についてですけれども,賛成意見のほか,反対意見もかなり強く寄せられたところでございます。反対意見においては,議決権の場合より更に恣意的な判断がされる可能性があることへの懸念が強調されているように思われるところでございます。   それから,12の「新株発行及び増資の手続」についてでございますけれども,譲渡制限会社の新株発行手続に係る(1)の①,②の見直しにつきましては,賛成意見が大多数を占めたところでございます。   なお,一部反対意見がございまして,①,②のそれぞれについて反対意見が寄せられております。内容はここに記載させていただいているところでございます。   (2)の「有限会社の増資手続」についてですけれども,これも賛成意見が大多数であったわけですが,賛成意見の中にも議決権の希釈化のみを目的とする増資に対する防止措置の検討を求めるものもございました。   それから,反対あるいは消極的な意見としては,既存の社員の保護の観点を強調する意見等が寄せられているところでございます。   (3)の申込証の用紙の廃止の問題についてですけれども,ごく一部に反対意見がありましたが,大多数が賛成意見であったところでございます。   あわせて社債申込証の用紙の取扱いに関しても,いろいろと意見をいただいているところです。   (4)の「新株発行の際の公告・通知」につきましては,これも賛成意見が大多数を占めたところでございます。証取法による開示との関係で,幾つかの提言をいただいているところでございます。   一部反対意見も見られまして,特に制度趣旨が異なることなどを理由とするもののようでございます。   それから,譲渡制限会社については,公告ではなく,個別の通知というものが行われるべきであるというような指摘も寄せられているところでございます。   電子公告導入後におけるこの措置の要否につきましては,必要であるとする意見と不必要となる可能性があるとする意見とがあったところでございます。   13の(1)の新株発行無効の訴えの提訴期間の延長の問題についてですけれども,一部反対意見がありましたが,大多数は賛成意見であったところです。   なお,合併その他の無効の訴えの提訴期間を同様に取り扱うかどうかにつきましては,反対である旨を明示する意見がございました。内容はそこに掲げさせていただいているとおりでございます。   なお,本文の新株発行無効の訴えの提訴期間の延長に関しましては,譲渡制限会社にとどまらず,すべての会社について同様の取扱いをすべきであるというような意見のほか,関連する手当ての必要性を指摘する意見も寄せられているところでございます。   13の(2)の「提訴可能期間中の口頭弁論の開始」の可否の問題についてですが,これも大多数の意見が賛成であったところですけれども,提訴期間中の判決ということを現実のものとして考えますと,複数の判決が食い違う判断をするおそれがあり,それについての手当てをすべきであるというような意見もいただいているところでございます。   なお,一部反対意見もございます。   14の譲渡制限会社における株主への通知をすべき事項に係る通知方法の在り方についてですが,譲渡制限会社にあっては株主への個別通知の義務づけを求める意見がかなり有力であったところでございます。ただ,これについては,現行制度の維持を求める意見もあり,意見が分かれたと言ってよろしいのではないかと思います。   第4の「機関関係」についてですけれども,1の「株主総会・社員総会」の(1)の「株主提案権の行使期限」については,ごく一部に反対意見があったものの,ほとんどが賛成意見であったところでございますが,定款による短縮を認め得る会社の範囲を限定すべきであるという意見もございました。また,規定を設けるということになりますと,定款自治の範囲についての反対解釈が生ずることを懸念する意見もございました。   (2)の総会の招集地--商法233条の規定の削除--の問題につきましても,賛成意見が多数を占めたところでございますが,少数株主による総会招集の場合の手当ての必要性や,少数株主保護のための何らかの手当ての必要性を指摘する意見,あるいは定款に定めが置かれないという事態を生じさせなくすべきであるとする意見もあったところです。   反対意見においては,そこに掲げてありますような理由が挙げられています。格別現行法に不都合はないのではないかとする意見のほか,現行法の規定に加えて,開催し得る場所の範囲を拡大するということなどをもって足りることとすべきであるとする意見などがあったところでございます。   (3)の「総会検査役」につきましては,ほぼすべての意見が賛成でございました。   ③に関しましては,若干の提言をいただいているところです。調査対象を限定した形での総会検査役の制度の検討の必要性についての指摘もいただいております。   (4)の「書面投票・電子投票」につきましては,ごく一部に反対意見はありましたが,大多数は賛成というものでした。   なお,(注)につきましては,特に議決権行使書面の交付を要するものとすべきではない等の意見がありましたけれども,他方,株主保護的な観点から,やはり交付を要するものとすべきであるという意見もあったところです。   それから,かねてより指摘されているところでありますけれども,この試案に関連いたしまして,書面投票と電子投票とが行われた場合において,そのいずれによる議決権行使を有効にするかという問題についての考え方の整理ないし手当て,あるいは特に電子的な方法による議決権行使の受付期間の制限についての手当てといったものを求める,実務的な意見があったところでございます。   ②の「書面投票制度の義務付けの範囲の拡充」については,賛成意見が多数を占めたところでございます。   (5)の「議決権の不統一行使・代理人の数」についてですが,有限会社に株式会社と同様の規律を及ぼすかどうかという問題ですけれども,これも賛成意見が多数を占めたところでございますが,一部反対意見がございました。   反対意見は,そこに掲げてありますように,社員総会の構造からして,そのような手当ての必要性がないということなどを理由とするものでございます。   (注)につきましては,意見が分かれたところです。会社側の便宜を考慮して,維持すべきであるという意見もかなり多かったところでございます。   (6)の「書面決議」につきましては,一部反対意見はありましたが,大多数は賛成意見であったところでございます。部会でも御議論がありましたけれども,商法253条の書面決議について,報告事項のみの場合でありましても,総会の開催が不要となるということを明確にするような規定を設ける必要性の指摘も寄せられたところです。   (7)の「特別決議の決議要件」の整理につきましては,a案を支持する意見が多数であったところでございます。これに対して,b案を支持する側からは,a案では決議要件が緩和され過ぎる,あるいは有限会社型の会社がミニマムスタンダードであるということを出発点として,要件設定を厳しく考えるべきである等の意見をいただいたところでございます。   2の(1)につきましては--取締役の資格について定款をもっても株主に限ることはできないものとする規定を,譲渡制限株式会社以外の会社については維持するということについてですけれども--賛成意見が多数を占めたところです。もっとも,その規定自体を廃止すべきであるという意見も有力であり,他方,譲渡制限株式会社についても,そのような見直しをすべきではないという反対意見も見られたところでございます。   (2)の「欠格事由」についてですが,①の破産宣告を受け,復権していない者の取扱いについては,意見が分かれたところでございます。反対意見も割と有力でございまして,反対意見としては,この欠格事由が定められている理由とされているところをそのまま掲げているものがほとんどであったと思います。   (2)の②につきましては,寄せられた意見はすべて賛成意見でした。その具体的な罪の在り方については一部意見をいただいているところもありますけれども,おおむねの方向性については異論がなかったところでございます。   3の「取締役の任期」についてでございますけれども,本文につきましては,ある程度意見が分かれましたが,賛成意見が多数であったということでございます。譲渡制限会社であって--委員会等設置会社であればもちろんですけれども--取締役会の設置がされるもの,これにつきましては取締役の法定任期を維持しつつ,それを伸長する方向で検討するという,この本文の内容につきまして賛成意見が多数であったということでございますが,一部反対意見もございました。   反対の理由は,譲渡制限会社であっても取締役会の設置がされたものについては,所有と経営とが一致していることが一般的とは言えないとして,伸長自体も適切ではないとするものです。   (注1)につきましても,そもそも有限会社の取締役にも任期規制を課すべきであるというような意見もあったところでございます。   (注2)についてですが,伸長をすることとした場合の具体的な伸長期間について,三,四年程度,あるいは四,五年程度とする意見や,10年では長過ぎるとする意見があったところです。   (注3)につきましては,試案の本文の内容につき賛成あるいは反対のいずれの立場からも,賛成する意見がございました。もっとも,伸長についてはこの(注3)も含めて反対するという意見も寄せられているところでございます。   (注4)につきましては,意見が分かれております。任期の廃止について,反対する意見が相当多数でございます。取締役会が設置される会社における所有と経営の分離という点を理由とするものが多いわけですけれども,商業登記制度の信頼が失われるというような点を理由とするものもございます。   他方,賛成意見も有力であったところでございます。この部会においても同様の議論があったかと思いますけれども,大多数の譲渡制限会社におきましては,取締役会の設置のいかんにかかわらず,実質的には所有と経営とが分離しておらず,したがって定期的に株主に信任を問う必要性が乏しいことなどを理由とするものでございます。   なお,任期を廃止するとした場合,登記と実体とのそごが生ずる可能性を回避するための,登記の公示機能の担保制度というようなものが必要であるという指摘もいただいているところでございます。   4の(1)の「累積投票制度」--有限会社に係る累積投票制度の見直しの問題--についてですけれども,これにつきましても反対意見はごく少数でございまして,大多数は賛成意見であったところでございます。もっとも,既存の会社における関係者の期待というものについての経過措置の手当ての必要性を指摘する等の意見もあったところです。   それから,4の(2)「解任決議の決議要件」--普通決議化するという点--につきましては,賛成意見が多数であったわけですけれども,取締役の地位の不安定化に対する懸念がある,あるいは定款自治によって取締役の任期を1年とすることが可能である以上,格別現行法以上に解任を容易にする意味は乏しいとして,反対する意見もございました。   (注1)の累積投票とこの解任決議の要件の緩和との関係の問題につきましては,そこに掲げてありますように,累積投票によって選任された取締役の解任決議要件について,特別決議を維持すべきであるという意見と,普通決議で足りるとする意見とに分かれたところでございます。   (注2)の監査役の解任決議の要件につきましても,やはり意見が分かれたところでございます。それぞれが理由として掲げているところも,そこに記載しているとおりでございます。   5の「取締役会の書面決議」につきましては,やや意見が分かれたところではありますが,賛成意見が多かったと言えるのではないかと思います。これも部会でいろいろと御議論いただいたところでございますが,そこでの賛否の理由とほぼ同じ内容が,それぞれの意見の中で指摘されているものと思われます。   6の「取締役に係る登記」の(1)の「共同代表取締役」--共同代表制度の廃止の問題--につきましては,賛成意見がやはり多数であったと言えますけれども,一部反対意見もございました。少なくとも,現在,不動産登記申請の場合のほか,訴えの提起,あるいは登記以外の登録制度に係る手続の場面などで,制度上機能する余地があることなどの指摘があったところでございます。   (2)の「社外取締役」につきましては,まず登記事項に係る見直しについて意見が分かれております。賛否の意見分布状況は,そこに記載しているとおりですけれども,反対意見においては,責任制限における区別,委員会等設置会社における地位等の点に照らして,公示の必要性があるということが強調されているところでございます。   また,現在の社外取締役の登記に係る問題点として,社外取締役として選任され,あるいは登記されるということが要件となっていないということを掲げ,それについての見直しを行うべきであるとする指摘もございます。   (注2)につきましては,社外性の要件--社外取締役,社外監査役の要件--の見直しに否定的な意見や,要件として独立性というものを要求すべきであるとする意見等が寄せられたところでございます。   (3)の「代表取締役等の住所」につきましては--これも部会でも活発な御意見をちょうだいしたところでありますが--寄せられた意見も非常に分かれておりますが,概ね現行制度を維持すべきであるとする意見が多数であったところでございます。それぞれの意見が理由としているところは--繰り返しませんけれども--そこに記載しているような内容でございます。   なお,この住所の取扱いに関連して,代表取締役以外の役員の住所も登記事項とすべきであるというような意見のほか,有限会社の監査役について--現行法ではこれが登記事項になっていますけれども--登記事項から削除すべきであるとする意見もあったところでございます。   7の「取締役の責任」についてですけれども,まず(前注)に関しましては,委員会等設置会社とそれ以外の会社との間の規定の調整という方向性について,賛成の意見の方が多かったのですけれども,一部反対意見も寄せられたところでございます。   それから,それぞれの責任の在り方についてですが,まず(1)の①につきましては,意見が分かれましたが,賛成意見が多かったところです。もっとも,商法266条2項をどのような実質の規定として残すべきかという点は別にいたしまして,現行の商法266条2項,3項に相当するような規定はなお維持されるべきであるとする反対意見も,そこに掲げてありますように寄せられております。   また,2項に相当する規定を設けないものとすることには賛成であるけれども,3項に相当する規定については設けるべきであるというような意見もいただいているところでございます。過失責任化を図ることとした場合においては,2項の意義については疑問があるけれども,3項の規定は合理的であり,取締役会議事録の重要性という観点からは,3項に相当する規定は必要であるという意見のようでございます。   ②につきましては,賛成意見が多数を占めたところですが,一部反対意見もございます。有限会社においては,一部免除制度を設ける必要がない,あるいは有限会社におけるガバナンス機構に照らすと,そのような検討は適切ではないことなどを理由とする意見,あるいはそもそも一部免除制度自体に問題があるということを理由とする意見が寄せられております。   ③につきましては,意見が分かれましたけれども,見直すという方向性には反対ないし慎重な意見が多かったところでございます。実務界を中心に,一部免除の限度額に関し,更に低減の方向での見直しを行うべきであるとする意見が寄せられることは予想されたところでございまして,そこに掲げているとおりでございます。   (2)の「違法な剰余金の分配に係る責任」についてですが,(前注1)につきましては,賛成意見がほとんどでしたけれども,一部任務懈怠責任とは別個の責任ととらえるべきではないとする意見もあったところです。   ①の「過失責任化」につきましては,賛成意見が多数を占めたところでございます。資本関連の責任であるということを前提に,過失責任化には反対であるとする意見も依然として見られたところでありますけれども,概ね賛成意見が多数を占めたところでございます。   ②の責任を負うべき者の範囲につきましては,a案,b案のうちb案を支持する意見が多かったところでございます。すなわち,分配行為をした取締役と--分配行為というのは,議案作成者をも含むわけですが--そのほかに取締役会決議に賛成した取締役を含めるという案でございます。   b案に賛成する意見の中では,(注3)の議事録に異議をとどめない者の取扱いについて,現行法を維持することに特に反対の意見はございませんでした。   一部a案に賛成する意見もありましたけれども,そのような意見では,そこに掲げているとおりの理由が挙げられております。   (注2)についてですが,この責任は一部免除の対象とはならないものとするという現状維持の取扱いにつきましては,ごく一部反対意見はありましたけれども,賛成意見が大多数であったところでございます。   (注5)の違法な分配に係る監査役の責任の在り方についてですけれども,特別な責任とすべきか否かについては,大きく意見が分かれたところでございます。   ③の「責任の免除の在り方」につきましては,部会でも御議論いただいたわけですが,寄せられた意見も分かれております。財源規制に違反して分配された部分については,総株主の同意による免除を認めない方向で見直しを行うべきであるとするものが多かったということでございます。そもそも株主が免除し得ることとしている現行規制に理論的な問題があるのではないかということを理由とする意見であります。   もっとも,これについては,この部会での議論の際も同様でしたけれども,免除を可能とする現行制度を維持すべきであるとする意見もございました。   (3)の「期末のてん補責任」についてですが,まず(前注)につきましては,ここでも任務懈怠責任とは別個の責任ととらえるべきではないという意見もありましたけれども,寄せられた意見のほとんどは賛成意見でございました。   この期末のてん補責任を負うべき場合について,現在の規律を改めるかどうかにつきましては,意見が分かれたところでございます。この点も部会でも十分御議論いただいたところでありますけれども,賛成意見は,将来予測がなかなか困難な状況になっている今日において,機動的な配当・経営という観点から現行の規律には非常に問題があり,見直しの方向で検討すべきであるとするものでございます。   これに対して,反対意見は,結局は過失の存否の問題として処理が可能であることから,現行制度を改める必要性は乏しいのではないかということなどを理由とするものであるというように整理できるのではないかと思います。   ②の「期末のてん補責任を負うべき者の範囲」につきましては,(2)②の場合と同じように,b案に賛成する意見が多数であったところでございます。   (4)の「利益相反取引に係る責任」についてですが,その過失責任化を図るという①の点については,やはり賛成意見が多数を占めたところでございますけれども,一部反対意見も寄せられました。現行法が,忠実義務の観点から無過失責任としている点を重視すべきであるという意見などでございます。   (注1)についてですが,利益相反取引により受益した取締役等の一部の取締役については無過失責任とすべきかどうかという点については,意見が分かれておりまして,過失責任とすべきである,無過失責任とすべきである等の意見が寄せられております。   (注2)につきましても,寄せられた意見は賛成・反対に分かれております。   ②の「一般の任務懈怠責任との関係」--利益相反取引に係る責任を過失責任とした場合の任務懈怠責任との整理--についてですけれども,意見が分かれたところでございます。任務懈怠責任とは区別しないこととすべきであるとするものと,区別すべきであるとするものとがあり,それぞれについて,これもこの部会において十分御議論いただいた際にそれぞれのお立場についてお示しいただいた理由と同じものが掲げられているというように総括させていただいてよろしいかと思いますけれども,どちらの意見も強く寄せられたところでございます。   ③の「責任の免除の在り方」についてですが,イの利益相反取引に係る責任の過失責任化を図る場合には,266条6項に相当する規定を設けないものとするという点については,格別の異論はありませんでした。   ロの責任の一部免除の取扱いについては,意見が分かれたところでございます。a案,b案のそれぞれについて,そこに掲げてありますような理由を挙げて賛否の意見が寄せられているところでございます。   ④の「取締役会が設置されない会社における利益相反取引の取扱い」については,寄せられた意見はすべて賛成意見でございました。総会の承認については,特別決議とすべきであるという意見も寄せられています。   (5)の「株主の権利行使に関する利益供与に係る責任」についてですが,(前注)について寄せられた意見はすべて賛成意見でございました。   ①の「過失責任化」については,これも意見が分かれております。過失責任とすべきであるという意見は,過失責任化という今回の基本的な方向性からすると,これだけを無過失責任として維持しておく合理性が乏しいこと等を理由とするものでございますけれども,無過失責任を維持すべきであるという意見も有力でございまして,やはりその行為の反社会性など,この責任が無過失責任とされた理由というものを強調するものが多かったと思われます。   ②の利益供与に係る責任を負うべき者の範囲につきましても,意見が分かれたところでございます。利益供与をした取締役に限るというのがa案でございますし,決議に賛成した取締役をも含めるというのがb案ですけれども,a案,b案のそれぞれについて賛成意見が寄せられたところでございます。   なお,(注3)につきましては,一部反対意見がありましたけれども,賛成意見が大多数であったところでございます。   8の「代表訴訟」につきましては,様々な意見が寄せられました。試案では具体的な方向性を示して意見を照会するという形をとらなかったこともありまして,それぞれの立場からいろいろな提言をいただいたところであります。訴訟委員会制度,あるいはそれに代わる関わるような制度の方策の導入についても,原告適格の見直しについても,担保提供制度につきましても,そこに掲げてありますような具体的な意見が寄せられているところでございます。   訴訟委員会制度について見ますと,賛成意見のほか,反対ないし消極の意見というのも非常に強く寄せられたところでございます。これは,前々回,前回と御議論いただきましたように,そもそも会社全体,あるいは株主全体の利益に反するような訴訟というものを排除する方策一般の当否なのか,あるいはそれを訴訟委員会という形で排除することの当否なのかという議論に分けて問うた場合に,またどういう意見分布になるかということはちょっと分かりませんけれども,少なくともいわゆる訴訟委員会制度を導入するということにつきましては,かなり反対意見も多いというように思われます。   原告適格につきましては,行為時株主の原則について賛否が分かれているところでございます。   なお,原告適格については,更に少数株主権化を図るべきであるというような意見も寄せられています。   前回御議論いただきました,株式交換等による原告適格の喪失についての立法上の手当てについては,その方向での手当てを行うことに賛成する意見が多数であったところでございます。   それから,担保提供についてですが,「悪意」の意義の明確化を図るということなどにつきましては,賛成意見も寄せられたわけですけれども,一部反対意見,現行制度維持的な,判例の動向に委ねるということで足りるのではないかとする意見もあったところでございます。   また,担保提供制度につきましては,そもそも現在の制度の基本的な枠組み自体を見直すべきではないかというような意見も寄せられているところでございます。   その他,代表訴訟に関して試案においては直接には触れられていなかった項目ですが,和解の際における他の株主に対する告知についての手当て,提訴手数料の取扱い等についての意見があったところでございます。   9の「監査役」についてですが,(1)の権限の見直しについては,意見が分かれましたけれども,どちらかというと賛成意見が多かったところでございます。これにつきましては,部会でも御議論いただきましたとおり,特に小会社の監査役に業務監査権が付加されることにより,実体のない監査役が責任を問われる事態が生じ得る等の懸念を理由とする反対意見も述べられているところでございます。   (2)の「補欠監査役」につきましては,結論において予選することが可能であることについての規定の明確化に反対の意見はごく少数でありまして,大多数は賛成であったところでございます。   その要件につきましては,--(注1)ですけれども--意見が分かれたところです。つまり,予選の効力がいつまで及ぶこととすべきか,あるいは定款の定めを必要とするかどうかについて,定款の定めを必要とすべきであるとするもの,あるいは不要とすべきであるとするもの,予選の効力を次の定時総会までとすべきであるとするもの,あるいは最大4年として,被補欠監査役の任期満了時までとすべきであるとするもの等,いろいろな意見が寄せられたところでございます。   (注2)につきましては,いずれにしても開示をすべきであるとするものが多数を占めたところですけれども,その開示の在り方については幾つかの提言が寄せられています。   (注3)につきましては,そこに掲げてありますとおりでございまして,賛成意見,つまり取締役についても同様の取扱いをするというような意見がございました。   ただ,この補欠監査役の関係では,反対意見--要するにそもそもこのような補欠監査役の予選というような形で事柄を処理すべきではないという意見--も寄せられているところでございます。   なお,監査役制度につきましては,監査役に株主総会議事録への署名を義務づけるべきであるというような意見ですとか,これも従来から御指摘がありますけれども,監査役会設置会社におきましても委員会等設置会社に準じて,一定の事項を定めるべきこととすべく施行規則等に所要の措置を講ずるべきであるという意見も寄せられているところでございます。   10の「使用人兼務取締役等」の(1)につきましては,賛成意見が多数でございました。一部反対意見がありましたが,これもこの部会で御議論いただいたとおりの理由によるものでございます。   なお,委員会等設置会社か監査役設置会社かにかかわらず,譲渡制限会社以外の会社においては,取締役の過半数は社外取締役であるべきであるとする意見も一部にあったところでございます。   (2)の使用人兼務執行役の報酬の問題ですけれども,これも賛成意見が多数を占めたところでございます。   一部反対意見があり,その理由としているところは,これもこの場で御議論いただいたとおりのものでございます。   11の「会計監査人」についてですが,現行の会計監査人設置強制範囲の基準の見直しについては,意見が大きく分かれております。拡大する方向での検討に賛成する意見もあり,具体的な基準の提案等もされています。   他方,縮小する方向での検討をすべきであるとする意見もございます。   また,基準の在り方として,資本金基準が必ずしも適切ではないという意見,具体的に代替的な基準の提言もございました。   他方,5億円,200億円という現行の基準を維持すべきであるという意見もあり,かなり意見が分かれたところでございます。   ②の大規模有限会社における取扱いについては,一部反対意見がありましたが,賛成意見が大多数でございます。ただ,十分な経過措置や,完全子会社の特例を設けることがその前提であるというような意見もあったところでございます。   ③の「完全子会社の特例」につきましては,これも意見が分かれたところでございます。賛成・反対のそれぞれの意見の分布状況はそこに掲げたとおりでございます。部会での御議論もこれとほぼ同様の状況であったのではないかと思いますけれども,寄せられた意見もこのようにかなり大きく分かれたところでございます。   (2)の「会計監査人の任意設置の範囲」につきましては,これもかなり意見が分かれております。   賛成意見を寄せた団体等は非常に多かったのですけれども,例えば,小会社への任意設置の拡大を図るという場合には,会計監査人の資格について見直しを図るべきではないかとする意見も複数寄せられたところでございます。   それから,この任意設置の範囲の見直しの方向性については,反対意見も非常に有力であったところです。これは小規模の会社における計算の適正さを確保するための制度が構築されるべきではないという意見ではなく,そのような制度を構築すべきであるという前提に立ち,それについては会計監査人の任意設置の範囲の拡大という方向ではない別の方向での制度の構築が望まれる,そういう意味でこの任意設置の範囲の拡大には反対であるというような意見であるというように総括してよろしいのではないかと思います。   この点につきましては,多くの個人の税理士の方々等から多数の意見をいただいております。試案に対して寄せられたおよそ1,700余りの意見のうちの1,600余りがそのような意見であったわけですけれども,その中身を御紹介いたしますと,要するに小会社を対象とし,その当該会社における計算の適正担保の方法につきましては,その計算書類の正確性を確保するため,実在性,網羅性,期間配分,適正性及び表示の妥当性について検証するという作業を行うこととし,その担い手としては,少なくとも税理士,税理士法人が含まれるべきであるとし,そのような担い手となった場合の責任については,商法280条2項の規定に準ずるようなものとするというようなアウトラインでの制度設計を求めるとする意見でございます。   また,これに関連する意見として,小会社における計算の適正さの確保という観点から,計算書類についての直接的な保証というものを予定するものではありませんけれども,関与証明報告制度というような提案も寄せられているところでございます。   具体的な提案以外にも,専門家の関与による中小会社の計算書類の適正さを確保するための措置の必要性を指摘する意見は,ほかにも寄せられたところでございます。   (3)の「会計監査人が設置される場合の機関設計等」につきましては,試案では,①譲渡制限会社と②任意設置会社という二つのタイプの会社について,会計監査人が置かれるべき会社における機関設計の在り方に関して,現行法よりもやや簡素化された在り方の検討の方向性を掲げているわけですけれども,これにつきましては,方向性自体には賛成意見が多かったのですが,内容については意見が分かれているところです。試案ではa案からc案までを提示しておりますけれども,そのいずれに賛成であるかということについては,意見が大きく分かれております。   細かくなりますので逐一御紹介はいたしませんが,①,②のそれぞれの会社について,あるいはその一方の会社について,a案,b案,c案のどれを支持するかということについて,様々な意見の分布がありました。   (4)の「会計監査人が不適法意見を述べている場合の措置」については,寄せられた意見は,ほぼすべて賛成意見であったということでございます。   (5)の会計監査人の責任についてですけれども,①については,大多数が賛成意見であったと総括させていただきたいと思います。   ②につきましては,意見が分かれたところです。特にこの②のような手当てをする必要はないという意見も寄せられていますけれども,多くは②に賛成という意見であったかと思います。   ②の(注1)につきましては,2年が適当である,4年が適当である,あるいは6年が適当である等の意見がございました。   (注2)につきましても,事後的な免責方法を認めるべきであるとする意見,その必要はないとする意見がそれぞれあったところです。   責任の限度額をあらかじめ法定しておくというような方法についても,賛否両論の意見が寄せられました。   (6)の「会計監査人の報酬」につきましては,基本的には寄せられた意見はすべて賛成意見であったと言えますけれども,一部,監査役会については同意権限までは認めず,取締役が監査役会の意見を聞かなければならないということとする程度で足りるのではないかという意見も寄せられております。   (注2)については,監査委員会に決定権限まで付与すべきかどうかにつき両論がございました。   (7)の「会計監査人の欠格事由」につきましては,賛成意見が大多数でした。   (8)についても,賛成意見が大多数であったところでございます。   12の(1)についてですが,重要財産委員会への監査役全員の出席義務等の見直しの要否につきましては,出席義務自体について緩和すべきであるという意見等,幾つか見直しの提言が寄せられたわけですが,他方,制度を導入して日が浅い等の理由で,反対ないし慎重な意見も強く寄せられているところでございます。   (2)の大会社に係る機関設計の見直しの要否につきましては,これも意見が分かれ,更なる柔軟化という方向での検討に賛成という意見もありましたが,どちらかというと反対ないし消極的な意見の方が多いというところでございます。これも,制度が導入されて日が浅いことなどを理由とするものでございます。   なお,これに関連いたしまして,委員会等設置会社の取締役と委員会の関係についてですけれども,社外取締役が過半数であるという場合には,取締役会自体がすべての監督権限を有するということを原則とし,取締役会はその権限の一部又は全部を各委員会に委譲することができるというような制度にすべきであるというような,具体的な提言も寄せられております。   第5の「計算関係」ですけれども,1の(1)の①,②の関係では,ごく一部に反対意見がありましたが,ほぼすべて賛成意見でございました。   なお,①の(注1)の譲渡制限の定めを行う場合における買取請求に財源規制をかけるかどうかという点については,賛否両論があったところでございます。   (注2)の財源規制を課さない自己株式の取得の範囲についてですけれども,営業の一部の承継,譲受けに関わるものについての取扱いについては,財源規制をかけるべきであるとするものと,かけるべきではないとするものとに,これまた意見が分かれているところでございます。   その他,財源規制をかけるべきもの,あるいはかけるべきでないものについて,幾つかの意見が寄せられているところでございます。   (2)の「現物配当」についてですけれども,一部反対意見はございましたが,基本的には賛成が多数であったところでございます。現物配当を可能とする場合における要件等につきまして,幾つかの提言が寄せられております。   (3)の「剰余金分配限度額の計算方法」については,これも一部反対の意見がありましたが,大多数の意見は賛成であったということでございます。   (4)の「分配可能限度額の算定の基準時等」につきましても,ほぼ賛成意見で占められておりました。   (5)の「利益処分等に対する会計監査人の関与」につきましては,賛否がかなり分かれております。これも部会で十分御議論いただいたところでございますが,関与の必要性はないとする意見は,現行制度での弊害の不存在,会計監査人の本来の職務とは異なること,計算が単純かどうかは分かりませんけれども,枠の計算だけということであれば,関与は不要ではないかというような点を理由として挙げているところでございます。   2の「資本・準備金」の(1)の組入基準に関しましては,賛成意見がほとんどでございました。   なお,これに関連して,資本に組み入れるべき額の規制について,そもそも廃止すべきであるという意見も寄せられているところでございます。   (2)の「欠損てん補のための資本減少の決議要件」の見直しですけれども,一部反対意見がございましたが,ほとんどが賛成意見であったところでございます。総会決議自体も不要とすべきであるという意見や,形式減資については債権者保護手続は不要ではないかという意見など,いろいろございましたけれども,本文については賛成の意見が多数であったということでございます。   (3)の「利益準備金」についてですけれども,これは賛否が分かれたところです。反対意見も結構多かったところですけれども,利益と資本--利益性と資本性--というものの区別を維持しておくべきであるということを理由とする意見のようでございます。   なお,関連して,利益準備金の積立規制自体を廃止すべきであるという意見も寄せられています。   (4)につきましては,一部反対意見がありましたが,大多数は賛成であったということでございます。   (5)ですけれども,これも賛成意見が多数であったところですけれども,現状を維持すべきであるとする意見も複数寄せられています。   (6)の「自己株式の処分差益の計算上の取扱い」についてですけれども,これも意見が分かれております。現行の取扱いを維持すべきであるとする意見が理由とするところは,そこに掲げてあるとおりでございます。   (注2)につきましても,賛否の意見が分かれているところでございます。   3の(1)の組織再編行為の際の資本の部に係る計算の問題についてですけれども,(1)につきましては,ほぼすべてが賛成意見であったということでございます。   (2)についても賛成意見がすべてでございまして,(3)についても一部を除いてほとんどすべてが賛成意見であったということでございます。   (3)につきましては,例えば②の債権者保護手続の必要性について,異なる意見もあり,また③自体については反対意見もあるところでございますが,その他は賛成意見がほとんどであったということでございます。   (4)の合併差損が生ずる場合の取扱いについてですけれども,①につきましては,ほとんどすべてが賛成意見でございました。   ②の点につきましても,賛成意見が多数であったところでございますけれども,一部,一定の場合には株主総会の決議を不要とすべきではないか等の意見も寄せられているところでございます。   4の「分配機会及び決定機関の特例並びに役員賞与等」についてですけれども,(前注1)については,賛成意見が多数を占めたところでございますが,一部反対意見もございます。このような取扱いを行い得る会社の要件について,更なる要件の追加などを提言する意見もございます。   4の(1)についてですが,(注2)につきまして,特に会計監査人が設置される場合の機関設計の在り方として,監査役会なども置かれないということがあることとした場合ですけれども,そのような場合には現行の制度を維持すべきであるという意見も寄せられております。   (2)については,反対意見はごく一部でございまして,ほとんどすべてが賛成意見であったところでございます。剰余金変動計算書につきましては,資本金,法定準備金の変動をも含めた株主持分変動計算書にすべきであるというような意見も寄せられているところでございます。   (3)の「株主からの配当議題提案権」の取扱いですけれども,これについては意見が分かれております。試案では,a案からd案までが掲げられていますけれども,それぞれについて支持する意見がございまして,それらの意見が理由とするところは,そこに掲げてあるとおりでございます。   (4)の「取締役等に対する財産上の利益の取扱い」につきましても,ほとんどが賛成意見でございました。   5の「開示・監査関係」の附属明細書の取扱いについては,意見が分かれたところでございます。反対意見も,そこに掲げてあるような理由のもとに,比較的多く寄せられておるところでございます。   (2)の「利益処分案・損失処理案」に係る記載事項等の法務省令化については,格別の異論は寄せられておりません。   (3)の「決算公告」につきましては,試案ではa案からe案までが提示されていましたけれども,これについてもまた,それぞれについて支持する意見がそれぞれ有力に寄せられているという結果になっております。ここでの議論とほぼ同様の結果のように思われます。   第6の「社債・新株予約権関係」ですけれども,有限会社の社債等につきましては,賛成意見が多数を占めております。学界を中心に反対意見も見られまして,有限会社については適切ではないということのようでございます。   2の「社債総則に関する規定の整理」についてですが,(1)の取締役会決議の決議事項の明確化につきましては,賛成意見がほとんどであったところでございます。これに関連して,幾つかの提言も寄せられていますので,御覧いただきたいと思います。   (2)の「社債関連規定」の298条から300条までの削除の点につきましても,賛成意見が多数を占めたところでございますが,ごく一部に反対意見もございます。   3の「社債管理会社」につきましては,まず社債管理会社の資格範囲の見直しの要否の検討の点についてですけれども,これについて幾つかの意見が寄せられています。見直しの必要はないという意見から,見直しについて引き続き検討すべきであるという意見,あるいは社債管理会社の設置強制自体を見直すべきではないかという意見や,設置強制の要件の見直しを求めるというような意見など,様々な意見が寄せられているところでございます。   (1)の「「約定権限」の行使」に関しましては,格別の異論はなかったところです。   (2)の「社債管理会社の辞任」につきましても,多くの意見は賛成意見でございました。   (3)の「社債管理会社の責任」についてですが,①については,特に反対というほどの意見はなかったところですけれども,(注)の3月という期間の延長については,肯定的な意見と反対という意見とがあったということでございます。   ②の社債管理会社の関連会社の行為に関する規律の取扱いについてですけれども,一部の意見のほかはすべて賛成意見であったということでございます。   なお,(注)の相殺の取扱いについては,意見が分かれたところでございます。   (4)の「法的倒産手続における社債管理会社の権限」につきましては,賛成意見が大多数でございました。   (5)の「債権者保護手続における社債管理会社の権限」につきましては,反対意見は一部でありまして,ほとんどが賛成意見であったわけですけれども,御覧いただいて大体お分かりのとおり,全銀協からは,社債管理会社として直接社債管理業務に携わる立場から,反対の意見がかなり強く寄せられているところでございます。   それから,4の「社債権者集会」についてですけれども,決議事項の許可制の廃止という部分については,一部に濫用の懸念を理由に反対する意見もありましたけれども,やはり賛成意見が多数であったということです。   (2)の「特別決議の成立要件」の見直しにつきましては,c案を支持する意見は余りなく,結局,a案を指示する意見がやや多かったということでございます。それぞれの案を支持する意見が理由とするところは,そこに掲げてあるような内容のものでございます。   5の「一株に満たない端数の処理」につきましては,一部に反対意見がありましたが,賛成意見が大多数でございました。   6の「強制転換条項付新株予約権付社債」につきましては,賛成意見が多数でございました。ここでも議論がありましたとおり,投資家保護の観点からの反対意見も一部に見られますけれども,基本的には賛成意見が多かったということでございます。   なお,これに関連して,強制転換条項付新株予約権の創設についての検討を求めるという意見もあったところでございます。   7の「組織再編行為に際しての新株予約権等の承継」についてですけれども,(1)の「承継の手続」につきましては,格別の異論はなかったところでございます。   (注)の新株予約権付社債に係る新株予約権の買取請求についてですけれども,分離が困難であることを理由に,一体とした買取請求権を設けるべきであるというような意見などが寄せられているところでございます。   (2)の「株式交換・株式移転の際の新株予約権付社債の承継」の問題についてですけれども,これもごく一部に反対意見がありましたけれども,おおむね賛成意見であったということでございます。   問題は(注)の債権者保護手続の要否の点でございますが,これにつきましては,意見がこのように分かれたということでございます。   8の「新株予約権付社債の譲渡等」についてですけれども,これにつきましては,格別の異論はなかったところでございます。記名式のものの必要性を指摘する意見が寄せられています。   9の「社債の銘柄統合」につきましても,賛成意見が大多数ですが,ごく一部反対意見がございました。実際に手続を構築する上での具体的な提言も,そこに掲げてありますように幾つか寄せられたところでございます。   10の「社債権者による書面投票制度」--社債権者集会に代わる書面投票制度の導入の問題--についてですけれども,一部反対意見がありましたが,賛成意見が大多数でございました。   (注1)については,a案を支持する意見が多数でありましたが,一部b案を支持する意見もございました。 ● それでは,大分時間をとりましたので,ここで休憩したいと思います。             (休     憩) ● それでは,再開したいと思います。 ● それでは,簡潔に残りの部分につきまして,御報告をいたします。   第7の「組織再編関係」でございますが--項目は少ないですけれども,かなり重要な論点が幾つか並んでおるわけですけれども--まず「対価柔軟化」関係につきましては,賛成意見が大多数を占めたと言ってよろしいのではないかと思います。ただ,賛成意見の中には,対価の種類について制限を設けるべきであるとする幾つかの提言がございます。金銭は適切ではないとか,あるいは国内財産に限るべきであるとか,いろいろな意見があったところですが,概要としては賛成意見が多数であったということでございます。   もちろん,反対意見として幾つかのの意見をいただいておりまして,その理由は予想されるところと同じでございまして,そこに掲げてあるとおりでございます。   (注2)の対価柔軟化の下で株式交換を行う際に,債権者保護手続を要するものとするかどうかという点につきましては,不要とする,あるいは一定の場合には不要とするという意見と,必要であるとする意見とがあったところでございます。   (注3)についてですけれども,これについては組織再編の柔軟性を害することなどを理由として,制度導入に反対という意見が多数でございました。若干,検査役の調査のような制度でなければ--すなわち別の制度であれば--あり得るというような意見もあったところでございます。   それから,株式交換に関しまして,株式交換を外国会社との間においても認めるべきであるとする意見がございました。株式交換の創設当初から議論を呼んでいた論点の一つでございますけれども,そのような意見が強く寄せられているところでございます。   2の「簡易組織再編行為」についてですけれども,一部に反対意見がありましたけれども,多くは賛成意見であったということでございます。具体的な要件の緩和の程度につきましては,20%以上とするもの,あるいは10%程度にとどめるべきであるとするもの,それらの中間的なものなど,いろいろな意見があったところでございます。   (注2)につきましては,一部反対意見がありましたが,大多数は賛成ということでございました。   (注3)につきましても,一部反対意見がございましたけれども,多くは賛成ということでございます。   (注4)につきましては,現行の6分の1を9分の1とすべきであるという意見が多数を占めたところでございますが,一部に異論もございます。   (注5)についてですけれども,賛否両論の意見がございます。   (2)の「譲渡制限会社についての取扱い」につきましては,一部反対意見がございましたが,大多数は賛成ということでございます。   3の「略式組織再編行為」についてですけれども,これについてもほとんどが賛成意見であったということでございます。   なお,対価を株式とする場合に限るべきであるとする意見,あるいは(注3)の制度--少数株主の保護のための何らかの制度--の整備を条件とすべきであるとする意見もございました。   具体的な支配関係に係る要件の設定の在り方については,9割以上とする意見と,3分の2以上で可とする意見とがございました。   (注2)につきましては--先ほども少し触れましたが,対価の種類によって手続を区別する必要があるかどうかという点ですけれども--区別する必要はないという意見が多かったわけですけれども,対価が現金であるという場合については,仮にこれを設けるにしても,相当程度要件を厳格にすべきであるという意見も寄せられているところでございます。   (注3)についてですが,先ほどの少数株主の保護のための制度の要否につきましては,反対株主に買取請求権を付与すれば足り,差止請求権を認める必要はないというような内容の意見から,買取請求権のみならず差止請求権も認めるべきであるとする意見,あるいはその他の制度の必要性を説く意見等があったところでございます。   (注4)--①,②はそれぞれ別の制度ですけれども--については,①,②とも賛成とする意見,①,②とも反対ないし消極の意見のほか,①に賛成,②に反対とする意見,あるいはその逆の意見等,意見が分かれているところでございます。   4の「効力発生」につきましては,賛成意見が大多数であったところでございます。学界を中心に反対意見も少数ありましたけれども,大多数は賛成でございました。   なお,効力発生日を見直すのではなく,仮登記等の制度を用いることによる工夫を考えるべきではないかとする意見もいただいております。   (注3)の会社新設型の組織再編行為の効力発生につきましては,登記時とせざるを得ないとする意見が比較的多いところですけれども,本文と同様の措置を講ずるべきであるとする実務上の要望も寄せられているところです。   5の「人的分割における財源規制」につきましては,反対意見が一部ありましたが,ほとんどは賛成意見であったということでございます。   (注)につきましては,これに賛成する意見と反対する意見とに分かれています。   第8の「清算関係」についてですけれども,1の「清算手続への裁判所の関与」の規定を基本的に削除することにつきましては,賛成意見が多数でございましたが,一部弁護士会関係,学界等を中心に,反対の意見もございます。   2の「清算中の会社の機関」についてですが,(1)の清算人会の設置の要否につきましては,賛成意見が大多数でございました。   (2)の監査役についてですが,解散時に大会社であった会社の清算中の監査役の要否については,b案を支持する意見が多数を占めたところでございます。b案は,監査役を一人以上設置することを義務づけるというものでございますが,一部にa案を支持する意見がありました。a案を支持する意見は,いずれもaのⅰ案--社外監査役一人以上の設置を義務づけるという案--に賛成というものでございます。   解散時に大会社であった会社以外の会社の清算中の監査役につきましては,a案,b案に意見が分かれたところでございます。すなわち,義務づけないとするものと,譲渡制限会社であった会社にのみ義務づけないとするものとに分かれております。   また,それ以外の案として,そこに掲げてありますように,解散時に譲渡制限会社であった清算中の会社についても,原則として監査役を一人以上設置することを義務づけ,解散時に監査役を設置していなかった会社についてのみ,解散後も監査役の設置を義務づけないものとすべきである,あるいは解散時に譲渡制限会社であったものについても監査役の設置を義務づけるべきであるなどとする意見もございました。   3の「清算中の会社が行うべき公告」についてですけれども,1回で足りるものとすることについては大多数が賛成の意見でしたが,最低2回は必要であるというような理由による反対意見も,少数ですがございます。   (注)の申出期間の短縮につきましては,1月に短縮することに賛成するものと,2月を維持すべきであるとするものとの二つに分かれております。   清算中の決算公告の廃止につきましては,一部反対意見がございましたが,大多数は賛成意見であったということでございます。   4の「清算中の会社の配当等」についてですが,(1)の現物交付につきましては,これも賛成意見が多数でございました。もっとも,総株主の同意を要求すべきであるとする意見もあり,また反対する意見というのも一部ございました。   (2)の「会社財産の株主に対する払戻し」についてですけれども,一部に反対意見がありますが,そのほとんどは賛成意見であったところでございます。   (注2)につきましては,そこに掲げられているような意見が寄せられました。清算中の会社が分割会社となる人的分割,完全子会社となる株式交換の双方について認めるべきでないとする意見,株式交換については認めるべきでないとする意見が寄せられたところでございます。   5の「清算結了登記後の資料の保存者」についてですけれども,賛成意見が多数でございました。   一部反対意見があったところですけれども,反対意見は,現行法を維持すべきであるとするもののほか,清算人が保存者を指定し,その公示を行うというスキームにすべきであるとするものでございます。   この資料の保存に関連して,保存義務の期間の見直しを行うべきであるとする意見ですとか,あるいは保存資料の閲覧請求者の範囲を明確にすべきであるとする意見も寄せられております。   第9の「その他」ですけれども,「子会社に関する規定」については,ほぼ賛成意見ということでございました。外国会社に対する場合の実効性に配慮した規定とすべきであるという意見が寄せられたほかは,ほとんどが賛成意見であったところでございます。   「会社整理・特別清算」につきましては,ここに掲げられているような状況でございます。   第5部の「外国会社関係」ですけれども,1の「擬似外国会社」の取扱いにつきましては,b案に賛成する意見が大多数でございましたが,a案に賛成する意見というのも一部ございます。   擬似外国会社の関係では,完全擬似外国会社について法人格を認めながら,我が国の法律に基づいて再設立することを要求すべきであるとする意見,あるいは商法482条を削除し,そのかわりに外国会社についてその法人格を日本において認許した結果が日本の公序に反する場合には認許しないことを定めるべきであるという意見等があったところでございます。   2の「外国会社の日本における代表者」についてですけれども,この点については試案の内容に格別の異論はございませんでした。   最後に,第6部の「その他」についてですが,1の「新たな会社類型」を創設する方向での検討の点については,寄せられた意見の中では,創設の方向での検討に賛成する意見が大多数でございました。   一部反対意見,消極的な意見がありましたけれども,それらの理由はそこに掲げてあるとおりでございます。   なお,新しい会社類型の創設の検討に関連して,社員の氏名及び住所を定款記載事項や登記事項とすべきではないとするもの,その新たな会社類型と他の会社類型との間の組織変更等の手続整備を図るべきであるとするもの,魅力的な名称の付与が重要であるとするもの等の意見も寄せられたところでございます。   試案が(注)に掲げておりましたような規律の骨子の例については,更に突っ込んだ意見が幾つか寄せられております。   会社の内部関係について,基本的に合名会社の規律に準ずるものとするということについては,社員の入社,持分の譲渡その他が,総社員の一致によらなくても可能となるということを明らかにすべきであるとする意見も寄せられております。   退社,解散判決,除名に関して,合名会社と同様の制度を設けるものとするということについては,定款をもって一定の場合には退社の自由を制限することも可能とすべきであるというような意見等が寄せられているところでございます。   (3)の業務執行権限の所在その他についてですけれども,これについても様々な意見,具体的な提言が寄せられております。そこに掲げさせていただいているとおりでございますが,特に法人が業務執行者となるということを許容するかどうかに関連いたしまして,複数の提言が寄せられているところです。   2の「会社の外部との関係」の(1)の有限責任性にかかわる部分につきましては,労務出資は認めないという方向での検討について,賛成・反対双方の意見がございます。   (2)の貸借対照表等の作成の義務づけ等につきましては,賛成・反対の意見のほか,簡便な内容となることを希望する等の意見もございます。   (3)の剰余金の分配に係る株式会社同様の財源規制の問題につきましては,賛成の意見と,一部消極的な--要するに株式会社と同じような資本制度を構築するということについての消極的な--意見というのもございます。   (4)の第三者責任の規律の在り方につきましては,業務執行者以外の社員について第三者に対する責任規定を設けるということには反対するという趣旨の意見が寄せられているところでございます。   (5)の退社の際の払戻しに係る規律につきましては,a案を支持する意見とb案を支持する意見,あるいはその中間的な案というものを支持する意見がそれぞれ寄せられたところでございます。   2の罰則関連規定の整備については,特に意見は寄せられていません。 御報告は以上でございます。   特に,意見の具体的な内容についてコメントしたものとしなかったものとがありますが,全く他意はございません。ここに掲げさせいただいたものは,いずれも多数寄せられた意見の集約として掲記するのにふさわしいものとして掲げさせていただいているものですので,今後の審議に当たりましては,これを踏まえつつ,御議論をちょうだいしたいと思っているところでございます。   項目が非常に多数でございまして,時間が限られております中で難しいかもしれませんが,もしこの意見の趣旨の具体的な中身は何かというようなお問い合わせがあれば,この場でお答えできるものはお答えいたしますし,後日事務局の方にお申出いただければ,関係各団体の意見の内容をそのまま詳しく伝えさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 ● 席上配布でありましたので,かなり詳しく御説明いただきましたが,何か御質問等ございますでしょうか。あるいは,今日これを御覧になって,その結果,この問題についてはこういう観点から今後議論すべきではないかというような,今後の審議の取扱いに関する御意見等でも結構ですが,そういった質問,御意見ございましたら,どうかお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。   最初からいった方がいいですかね。「第1部 基本方針」のところにつきまして,何か御質問ありますでしょうか。あるいは第4部の前まで,何か是非ここで質問したいということはありますでしょうか。--よろしいですか。   では,「第4部 株式会社・有限会社関係」でありますが,「第1 総論」の部分につきまして何か御質問ございますか。あるいは御意見でも結構ですが。--よろしいですか。   「第2 設立等関係」あたりはいかがですか。ここは,意見が分かれるであろうと思われるところは分かれているようですけれども。   最低資本金に関して,けさの「日本経済新聞」に新事業創出促進法に関する記事が出ておりましたけれども,あれには何か成功例みたいなものしか書いてなかったのですが,逆に失敗例がどの程度のあれなのかというようなことが,むしろここの問題については重要ではないかと私は思っているのですが。つまり,ああいう書き方をするのはどうなのかという,そういうことも……。   今日の新聞等で出てこなかったことについて,もうちょっと詳しいお話が今後伺えればと思いますが。もちろん,今日でなくて結構ですが。○○幹事,お願いできますか。 ● はい。 ● 何かほかに,この部分につきまして質問あるいは御意見ございますか。   それでは,次に「第3 株式・持分関係」についてはいかがでしょうか。特に先ほどの○○幹事からの説明について,質問等ございますでしょうか。--よろしいですか。   そうしますと,「第4 機関関係」ですが,この辺につきましてはいかがでしょうか。 ● 指摘ですけれども,64ページの上から2行目ですけれども,完全子会社の特例につきまして,経団連,法友会は大賛成であるのでありまして,反対意見が……。これ,賛成・反対の両方に載っているのですけれども,反対の方は切っておいていただきたいのですが。 ● 恐らく,その次に出ている法友会もそうなのではないかと思います。 ● 経団連と法友会と両方,こちらから取っておいていただきたい。 ● 恐らく64ページの2行目は消すということではないかと思います。 ● 済みません,64ページの2行目の「日本経団連」と「法友会」を削除していただきたいと思います。 ● ほかに,何か御指摘等ございませんでしょうか。 ● 37ページですが,「株主提案権の行使期限」について,一番下の「14年改正の趣旨を考慮し,定款により短縮を認める会社の範囲を限定すべきであるとするもの」と,日弁連が引用されているのですが,この点は日弁連の意見書では単純に「賛成する」というふうになっていると私は心得ているのですが。 ● それは大変失礼いたしました。 ● 日弁連という引用は,ちょっとカットしていただいた方がよろしいかと思います。  よろしくお願いいたします。 ● それでは,38ページの1行目の「日弁連」は,これも消していただくということです。 ● 申し忘れましたけれども,この意見照会の結果分析は,何らかの形で公表したいと思いますので,もし今のような御指摘も含めて,ここは少し不正確であるという御指摘があれば,この場でなくても結構ですので,早急に事務局の方に御連絡いただければ幸いでございます。 ● そのほか,お聞きになっていて疑問に思われた点等,ございませんでしょうか。--よろしいですか。   それでは,先に進みますと,70ページからですかね。「第5 計算関係」。このあたりは何か御質問等ございますでしょうか。--ございませんか。   それでは,84ページ以下の「第6 社債・新株予約権関係」はいかがでしょうか。何か質問はございませんでしょうか。   それでは,先に進ませていただきまして,93ページ「第7 組織再編関係」,このあたりはいかがでしょうか。--よろしいですか。   それでは,「第8 清算関係」,このあたりは御質問ありますでしょうか。--よろしいですか。   それでは,「第9 その他」。101ページから次のページにかけてですが。 ● この第9の1のところの(注1)とか(注2)に対して,別に何もコメントはなかったという理解でいいのですか。 ● ○○幹事,何か特にこの辺はどうなったのかという御質問がありますか。 ● 実は,この(注2)みたいなところについて,「なお検討する」と書いてあって,これに及ぼした方がいいという意見が多かったとか,そのあたりが知りたいなと思ったのですけれども。 ● 概して言えば,項目の後ろの方に来れば来るほど意見が少なくなる傾向にありまして……。   自信を持っては申し上げられないのですけれども,第9の1の(注1),(注2)について個別に寄せられた意見については,少なくともここに取り上げようとしたものはほとんどなかったということでございまして……。   子会社による親会社株式の取得禁止の問題につきましては,その該当箇所のところで意見が取りまとめられておりますので,それ以外の指摘は特になかったということのようでございますけれども,もしありましたら次回に御報告いたします。 ● 103ページのところですけれども,第6部の「1 新たな会社類型」で,「賛成意見を述べるのは」といってたくさん書いてあって,「反対意見又は消極意見を述べるのは」と少し書いてあって,これで大多数を占めたというぐらいの感じなのかなと。大多数を占めたというのは,少しきつい表現ではないかなという……。これは感じの問題であります。   例えば,下の方に「また」ということで,私どもが出した意見がちょっと入っておりますけれども,これも消極か積極かはちょっと分かりにくいのですけれども,一つのちょっと違う意見なものですから,一番上のところに「大多数を占めた」というのは少し書き過ぎなのかなというような感じがするということが一つ。   ちょっと前に戻って申し訳ありませんが,65ページでございますが,上から3行目,4行目でございますが,「具体的な内容については言及がないものの……」と,ちょっと嫌みが書いてありまして,専門家の関与によると,いずれにせよ何らかの形の専門家を関与させて,適正性を確保するためチェックをしようという措置というので,ある程度具体的に書いているつもりなものですから,読む人によっては,あなたのところが出したのに嫌みを言われているよと言われそうなものですから,「具体的内容について言及はないものの」というところはちょっと削っておいていただければうれしいなと。これは希望でございます。 ● ちょっと表現は,公表するときには再考を事務局にお願いしたいと思います。   第4部につきましてはそんなところでよろしいですか。   「第5部 外国会社関係」はいかがでしょうか。   これ,b案が圧倒的に多いというのは,ちょっと意外でしたけれどもね。a案が判例のはずなので,現行法を前提にした判例ですけれども,それに対してこんなに反対が強かったとは,私はついぞ知りませんでしたけれども。まあこういうことなんでしょうかね。   では,第6部については何か御質問等ございますか。 ● また指摘ですけれども,104ページの(2)の下に書いてある3行目,法友会が出てくるのですけれども,定款による合理的な退社制限事由というつもりで,本来退社できるというのに対して,合理的な退社制限の事由という趣旨で書いたと。書いていなければそれが間違いである,そういう趣旨だったと思うものですから,「退社事由」を「退社制限事由」というふうにしていただきたいと思います。 ● 分かりました。   ほかに,何か御質問あるいは御指摘ありますでしょうか。--よろしゅうございますか。   それでは,この意見照会も踏まえつつ,今後再度審議をお願いすることになりますが,何かそれについて事務局から,こういう予定であるとか,審議の進め方等について,何かございますか。 ● 事項の取上げの順序につきましては,また内部で詰めさせていただきたいと思いますが,いずれにしましても意見照会の結果を踏まえますと,議論の少ないところ,それから意見がまだまだ分かれているところ,かなり鮮明になってきていると思いますので,ここでの御審議につきましてもその軽重をつけさせていただきたいと思っております。最終的には,全体について要綱案という形でおまとめいただく必要がありますけれども,取り上げ方の順序も含めまして,また部会長と御相談の上,次回の部会資料を作成させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 ● 審議の進め方について,何か御意見等ございますでしょうか。 ● これまでの審議は,株式会社と有限会社の関係については基本的に規律の一体化をする方向で議論するということになっておりまして,結局どのように差をつけるのかということは審議の最後に考える問題という形で置かれていたかと思います。しかし,そろそろどこかで決断をしないと,それを前提に細部の設計に入っていかなければならないというようなことも今後多くなっていくのではないかと思いますが,その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますのか,お伺いできればと思います。 ● 意見照会の結果を踏まえて,何かその点についてお考えがありますか。 ● その辺りのところから,多分議論させていただくことになると思いますが。 ● 意見照会の中には,そういう方針に反対だというものもありそうなんですが。そういう御意見は,多くの項目について反対・反対となっているような気もしますけれども。 ● 事務局限りで申し上げれば,規律の一体化という問題と,類型の統一という問題とは別ではあるのですけれども,それを両方とも推し進める検討をしてみようということでここまで来たところですけれども,どちらの方向性についても一部に反対意見もないではないのですが,比較的どちらについても支持を得られているのではないかと思われます。いずれにしても,その点を次回に確認させていただいた上で,議論を進めさせていただきたいと思います。 ● 意見分布も今日初めてここで御覧になったので,十分我々の頭に入っていないところもありますので,もう一度これを御覧になって,○○委員が指摘された点についてもどう考えるべきかということについてお考えいただければと思います。   そういうことで,もちろんそういう問題も飛ばしてしまうということではないということで御了解いただければと思います。 ● 内容ではないのですけれども,書き方で今後私どもが分析する上で教えていただきたいのですけれども。   「意見が分かれた」というのと,「多数の意見を占めた」というのと,ニュアンスはどういうふうに違うのでしょうか。   見ますと,いろいろな団体があって,団体の数だけで比べているようでもなさそうですし,出た意見書の数でいっているのかどうかというのもよく分からないのですけれども,書き方を微妙に変えているわけですね,私ども理解していく上で,「分かれた」というのはイーブンという意味ですか。 ● 事務局限りで,意見分布に軽重があると断ずるにはちゅうちょを覚えるという程度に意見が分かれたと……。   おっしゃるように,数だけで決めるということであれば簡単なのですけれども,そこは個人の意見を含めますとなかなかそうもいかないところがございます。ここに掲げられている意見は,どちらかというと私どもの方で個別に文書によって意見照会させていただいているところのものがほとんどでございまして--,我が国における有力な関係団体,関係機関になろうと思いますけれども--,それらの意見の中に賛否それぞれの意見があるという場合に,だれの目から見ても--と言うとまた語弊があるかもしれませんが--,それなりに数において差が開いていると言えそうな場合と,そうとも言えそうもない場合というのを事務局の方で適宜判断させていただいたものです。別に他意はございません。 ● なかなか,賛否が分かれているとかいっても,これは例えば経済団体の中でも分かれている,大学の中でも分かれているというものと,それから経済団体はほとんどこっちで,大学あるいは弁護士会はほとんどこちらとか,いろいろな分かれ方があると思いますので,そういう点も気をつけてお読みいただければと思います。   何か,ほかに御質問等ありますでしょうか。   それでは,先ほどいただいた御意見も踏まえて,今後事務局で審議すべき内容を提示していただければと思います。   それでは,要綱試案に対する各界意見の分析につきましてはよろしいでしょうか。   次に,もう一つ資料として本日出ております公示催告手続の見直しにつきまして,事務局から報告をお願いしたいと思います。 ● お手元に,「公示催告手続の見直しに関する取りまとめ」と題する書面を,「公示催告事件の流れ」と題する図とともにお配りしたわけでございますけれども,これにつきまして御報告をいたします。   これは,御承知のとおり,公示催告手続ニ関スル法律という法律が明治23年法律第29号という番号で残っているわけですけれども,この現代語化の作業につきましては,この通常国会に民事訴訟法等の一部改正法案の中に盛り込んで提出させていただくという予定で,別途作業が進められています。法務省における研究会におきまして内容を練った上,パブリックコメントを昨年行いまして,それを受けてこのような取りまとめ案が作られて,これに基づいて法案の中身が作成されるということになっております。   報告させていただく趣旨は,有価証券,例えば商法280条ノ3ノ2の新株予約権証券などのような有価証券の公示催告手続にも関係する事柄でありますことから,あらかじめその内容について認識しておいていただければという趣旨でございます。   この公示催告手続の見直しにおいては,片仮名・文語体で書かれている現行法の規定を平仮名・口語体化するということとともに,中身についても幾つかの改正事項が取り上げられています。   第1,第2,第3と取りまとめの項目が分かれておりますけれども,まず第1を御覧いただきますと,一般の公示催告の方法,期間についてですが,裁判所の掲示場への掲示及び官報への掲載の方法による公告を2か月以上行うということにした上で,現行法に定められております公報への掲載による公告は廃止するということが一つの柱でございます。これは,第1の2の(1)に書かれているところです。これが公示催告の公告の方法・期間についての一般的な規律の見直しの点でございます。   有価証券の無効を宣言するための公示催告の方法,期間については,その特則として第1の2(2)で触れられています。   まず,裁判所の所在地にある取引所における公告という制度を廃止することとし,また,公告期間の下限について,現行法783条では6か月とされておりますけれども,この間に証券上の権利の満期が到来して,善意取得者に権利行使されてしまうということになりますと除権判決がむだになってしまうということを踏まえまして,この公告期間の下限の6か月という特例を廃止するということにしております。つまり,(2)のイで下限の6月という特則を廃止する結果,この下限は2の(1)の2月ということになります。   (2)の(注)にありますように,上限については格別の規制を設けないということになっていますので,例えば有価証券の権利の満期までの間に相当程度時間があるということであれば,裁判所がそれを勘案した期間の設定をするという現行法上の取扱いを維持しつつ--すなわちそのような場合には,2か月ではなく,もう少し長い期間が設定され得るということを前提にした上で--公示期間の最低限を2か月にするということとしております。   それから,第2の「除権の裁判等」についてですが,公示催告手続がいわば非訟事件とされるものですので,その手続全体を決定手続とし,裁判の形式も判決ではなく決定とすることとしております。   なお,第3の不服申立てについても,決定手続とすることを踏まえた見直しが行われるということでございます。   主として第1の2の(2)のところが商法に関連する事項であるということでございまして,このような内容が盛り込まれた民事訴訟法等の一部改正法案が今国会に提出される予定であるということを御認識いただければと思います。   ちなみに,このたたき台となりました法務省における研究会には,商法学者として○○先生と○○先生に御参画いただいていたということをあわせて御報告させていただきます。 ● ただいま説明いただきました点につきまして,何か御質問等ございますでしょうか。--特に御質問ございませんか。   それでは,御質問等ないようでございますので,本日予定した議題は以上でありますが,よろしいでしょうか。前の要綱試案に対する意見照会の点についても,何か補足的に御質問ございませんか。   もしありませんようでしたら,本日の審議はこれで終了させていただきたいと思います。   なお,事務局から連絡事項がございます。 ● 重ねて申し上げますけれども,この意見照会の分析結果につきましては,雑誌掲載の方法によりまして公開する予定でおりますので,先ほどのように不正確な記載があるというような御指摘は,早めにいただければ幸いでございます。   なお,次回は2月25日の水曜日,午後1時から,場所は法曹会館高砂の間におきまして,分析結果を踏まえた要綱案の作成に向けた御審議に入っていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 ● それでは,本日の部会を閉会させていただきます。   本日は長時間にわたりまして熱心な御審議をいただきまして,どうもありがとうございました。