法制審議会保証制度部会第5回会議 議事録 第1 日 時  平成16年7月13日(火)  自 午後1時30分                        至 午後4時20分 第2 場 所  法務省第1会議室 第3 議 題  「保証制度の見直しに関する要綱中間試案」に対する各界意見の概要について         保証制度の見直しについて(3)について 第4 議 事  (次のとおり)               議         事 ● 予定した時刻が参りましたので,法制審議会保証制度部会の第5回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中御出席いただきまして,誠にありがとうございます。       (幹事の異動紹介省略)   それでは,まず,事前送付資料と本日の席上配布資料につきまして,事務局の○○幹事の方から御説明をお願いいたします。 ● まず,パブリックコメントの関係ですけれども,6月30日の意見提出期限までに個人・団体を合わせまして合計85件の御意見をお寄せいただいております。こちらに出席していただいている委員・幹事の所属されておられる団体・省庁におかれましても,お忙しい中御意見をまとめていただきましてお寄せいただき,ありがとうございました。これらお寄せいただきました意見を,事務局におきまして集計作業を行いまして,部会の参考資料として「「保証制度の見直しに関する要綱中間試案」に対する各界意見の概要」と題する書面を作成して,事前送付させていただいております。その内容は後ほど御説明させていただきます。   それから,中間試案に対して寄せられました御意見のうち,東京商工会議所・全国銀行協会・日本弁護士連合会という三つの団体から全般にわたる詳細な意見書をいただきました。これらの意見書につきましては,中身についてこちらで要約するのもどうかなというところもありますので,その点は,それぞれの団体から当部会に御参加いただいておりますので,○○委員,○○委員,○○委員から,意見書を配布することを希望するというお話がございましたので,事務局作成の概要とともに,3団体の意見書もあわせて事前送付させていただいた次第でございます。これらの意見書につきましては,後ほど提出団体の各委員から御説明をいただきたいと考えております。   それから,席上配布資料といたしまして,事務局作成の部会資料5をお配りしております。これは,本来ですと1週間程度前に送付させていただくのが例でございますけれども,今回は意見集約の作業にちょっと手がかかっていたのと,それから,内容的にはこれまでと特に変わっていない論点について,意見照会の結果等を踏まえてもう一度論点の整理というような形になっておりますので,申し訳ないのですけれども,直前に委員・幹事の方にファクス・メール等で送らせていただいております。もしかしたら手元に届いていない方がおられるかもしれませんけれども,もしそうでありましたらおわび申し上げますが,今回,それを席上で改めてお配りしております。内容は同じですけれども,ちょっと表現に誤りがありましたので,その点を訂正しているものでございます。 ● それでは,早速,事務局で作成されております「「保証制度の見直しに関する要綱中間試案」に対する各界意見の概要」につきまして事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。 ● 参考資料の「「保証制度の見直しに関する要綱中間試案」に対する各界意見の概要」につきまして御説明いたします。   まず,中間試案に対して寄せられました意見の総数は,資料記載のとおり,85件でございました。   その内訳を申し上げますと,まず,各種団体からの意見が46件でございました。「各界意見の概要」の別紙といたしまして,意見提出団体の略称表を事前に送付させていただきましたが,この略称表に記載されている団体が43団体ございます。これ以外に裁判所と経済産業省から御意見をいただいておりますが,これらの御意見は特に略称を設けないで,単に「裁判所」・「経済産業省」と表記して紹介させていただきました。また,特に意見はないという御意見をいただいた団体が一つございましたので,43足す3で合計46団体ということでございます。   これ以外の個人又は個別の法人からは合計39件の意見が寄せられております。その内訳を申し上げますと,法人が1件,これは大手の貸金業の会社でございます。そして,個人の方からいただいた意見が38件でございます。個人の方についての職業別の内訳を申し上げますと,弁護士の方が最も多くて27件,次に学者・研究者の方が5件,司法書士の方が2件,団体職員が2件,その他が2件でございます。弁護士や司法書士の方からは複数名の連名でいただいた御意見もございましたが,これらはそれぞれ意見書ごとに1件としてカウントしております。これらの個人又は個別の法人から寄せられました御意見につきましては,「各界意見の概要」の中では,賛成又は反対の団体名を列挙している部分では取り上げずに,個別の意見を紹介する部分におきまして御意見を要約して紹介させていただいておりますけれども,その大まかな傾向だけ申し上げますと,商工ローン等による保証人の被害の深刻さを指摘されまして,中間試案に掲げられているものよりもより一層強力な規制を及ぼしていくべきであるという趣旨の御意見が多かったように思います。   なお,中間試案に対して寄せられました御意見のうち,東京商工会議所・全銀協・日弁連の意見書につきましては,先ほど○○幹事の方から申し上げました経緯により,委員・幹事の方にも事前送付をさせていただきましたが,これ以外の意見書につきましても法務省民事局参事官室において保管しており,いつでも御覧いただくことができるようにしておりますので,閲覧の御希望がございましたら遠慮なくお申し付けくださいますようお願い申し上げます。   次に,中間試案の個別の項目について寄せられました意見の概要を御報告させていただきます。これらの詳細は,参考資料の「各界意見の概要」を事前送付させていただきましたので,説明は省略させていただきたいと存じますが,その概略だけ申し上げますと,中間試案の本文におきましてその方向性を明確に打ち出しておりました項目につきましては,寄せられた意見のほとんどすべてが賛成意見でございました。   具体的に申し上げますと,中間試案の「第1 貸金債務の根保証についての個人保証人の保護の方策」の中では,「1 要式行為」の点,「2 保証の限度額の定め」の点,「3 保証期間の制限」のうち,「(1) 合意により保証期間を定める場合」の点,そして4の 「(1) 元本確定事由」の点につきましては,寄せられた意見のほとんどすべてが賛成意見でございました。   これに対しまして,明確に意見が分かれております項目といたしましては,まず,「3 保証期間の制限」のうち,「(2) 合意による保証期間の定めがない場合」の点がございます。「各界意見の概要」の11ページから13ページまでに記載した点でございます。この点は,中間試案におきましてもA案とB案との両論併記としておりますので,それぞれの案に賛成する意見が寄せられたということでございます。この論点につきましては,本日,席上配布させていただきました部会資料5で取り上げておりますので,後ほど御議論を賜りたいと考えております。   また,第1の4の「(2) その他」でございますが,ここでは,主として特別の元本確定請求権と債権者の通知義務という問題を取り上げておりましたけれども,これらの点につきましても,寄せられた意見が大きく分かれる結果となっております。   まず,特別の元本確定請求権の点は,「各界意見の概要」の17ページから19ページまでに記載しておりますように,規定を設ける積極的な意義を指摘する意見などがある反面,適切な要件を設定することが困難であり,規定を設ける弊害も大きいことなどを指摘する消極意見も多数寄せられているという結果でございました。   また,債権者の通知義務の点は,「各界意見の概要」の20ページから22ページまでに記載しておりますように,保証人保護の観点から,債権者に通知義務を課するべきであるという積極意見がある反面,一律に債権者に通知義務を課する根拠が明らかでないことなどを理由とする消極意見も多数寄せられているという結果でございました。   次に,中間試案の「第2 適用範囲」につきましては,第1の部分と比べますと,やや明確な反対意見が複数存在しておりますけれども,大勢といたしましては,「1 要式行為について」の点,2の「(1) 保証人の範囲」,「(2) 主たる債務の種類」の点のいずれにつきましても,中間試案に賛成する意見が大多数を占めていると言ってよいように思われます。   なお,適用範囲の点に関しましては,貸金債務が含まれている場合に限定しないで,できる限り適用範囲を広くすべきであるという意見が複数ございました。この点は,中間試案において注として明記しておりました,継続的な商品売買に係る代金債務でありますとか,不動産賃貸借に係る賃借人の債務についても何らかの保証人保護を検討すべきであるという御意見がありましたほか,身元保証法に関しましても今回の見直しの趣旨に基づく改正をすべきであるという御提言をいただいております。これらの点は部会資料5では取り上げておりませんけれども,後ほどお時間がございましたら,御意見を賜りたいと考えております。   「各界意見の概要」についての説明は以上でございます。 ● ただいまの事務局の御報告につきまして,御質問,御意見ございましたら,お願いしたいと思います。--特によろしいでしょうか。   それでは,また後ほど,資料5について御議論いただく中で取り上げていただければと思います。   それでは,次に,事前送付されております3団体からの意見書につきまして,それぞれ所属の委員から御説明をお願いしたいと思います。   まず最初に,東京商工会議所の○○委員からお願いいたします。 ● 東京商工会議所の○○でございます。   ただいま,お手元に私どもの意見書を既にお配りでありますので,これにつきまして御説明申し上げます。   ○○委員及び事務当局の御配慮によりまして,意見書の委員の皆様への御配布並びに発言の機会を賜りましたことにまずもって御礼を申し上げます。   それでは,時間の制約もございますので,簡潔に当会議所の立場を述べさせていただきます。   まず冒頭でございますが,我が国経済の礎となっております中小企業におきましては,当然に間接金融,いわゆる金融機関から融資を受けるという場合が資金調達においては多いわけでございますが,経営者の個人保証を求められ,また第三者の個人保証を求められるということが多々ございます。その場合,債務者との情義との関係から保証を甘受するということのみならず,あえて包括根保証を債権者からの要求に基づきまして受けるというふうなケースもございますが,その分,内容をよく理解して包括根保証等を含めて負っているかということに関しましては疑問とせざるを得ないようなケースもございます。   仮に保証人が個人として包括根保証を負っているような場合,経営者であるなしにかかわらずすべての債務を一括で弁済するということが,債務者破たんの場合には求められるわけでありますから,実質的に個人保証人が無限責任を負っているに等しく,あたかも人生を担保として提供しているかのようであります。一方,法人の場合には,そのようなケースであっても,債務超過であれば資産を処分して破たんを処理するにすぎない,いわゆる有限責任でございます。ここに大変大きな違いがあるというふうに認識しているところでございます。したがいまして,個人保証人の過度の負担,金融機関にとっては過度の依存であるがゆえに,債務を保証している企業の破たんが直ちに個人保証人の破たん,これが破産,失踪あるいは一家離散等ということになるわけでありますが,それにつながるという悲劇を生じさせているわけでございます。   また,中小企業金融においては,現在,経営のモニタリング等によるキャッシュフロー評価とか,あるいは事業の将来性評価に基づいた融資の在り方が強く求められておりますが,結局,その保証かぶりによる個人資産の喪失とか,あるいは個人企業の個人あるいは企業の破産を押しなべて社会悪とみなすような風潮がある限りにおいては,経営者等の早期リスタート,再チャレンジは困難になるという悪い影響が解消されないということになります。   以上のような問題認識に立ちますと,今般,法制審議会が保証の適正化に関する諮問を受けて当部会において要綱中間試案を発表されたことをまずは歓迎し,また大いなる期待を抱くものでございます。   それでは,具体的なことどもにつきましてコメントをさせていただきます。   まず,「第1 貸金債務の根保証についての個人保証人の保護の方策」に関する事柄でございます。   具体的な要綱中間試案の内容に関しましては読み上げることはいたしません。誠に恐縮ですが,割愛させていただきます。   まず,「1 要式行為」につきましては,賛成をいたします。当然に保証のような極めて重要な契約については文書をもってその細目が約定されるべきであります。債権者が保証人に不当な圧力をかけて口頭で保証の条件を強要した場合はもちろん,特段の法的知識のない者が債権者に言われるままに口頭で合意をするといったことなどによりまして深刻なトラブルが発生した例は枚挙にいとまがございません。   しかしながら,注書きに述べておりますが,本試案の補足説明については贈与契約が例示されておりますけれども,贈与におきましては,贈与者の軽率を防止するために書面によって贈与意思を確認するものでありますが,保証の場合というのは,書面さえあれば保証意思が確認されたと考えるべきではないと思います。保証意思そのものはあくまで本人との面談によってなされるべきところ,更に保証の諸条件について書面によって明らかにされなければならないと考えるところでございます。   なお,本試案の合意による保証期間の定めがない場合の記述に関しましては,例えば,口頭では2年間と合意されましたが,そのことが書面に書かれないとき,すなわち口頭合意の方が保証人に有利な内容であるような場合の手当てがございません。この際,有効な手当てを講じられることを期待するところでございます。   次に,「2 保証の限度額の定め」であります。これにつきましては,本文及び(注1)には賛成いたしますが,(注2)には反対いたします。   冒頭申し上げましたとおり,包括根保証は個人保証人にとって極めて酷な結果をもたらすおそれがあります。したがいまして,限度額を定めなければならないものとする案には,保証人保護の観点から大いに賛成いたします。   なお,極度金額につきましては,債務者の資金ニーズに合った合理的な算定基準が必要であります。すなわち,資金ニーズが1千万しかないのに例えば10億円の極度額を定められてしまえば,これはあえて言えば包括根保証とかわらないような効果になってしまいます。したがって,不当に過大な極度額が設定されるような場合には根保証人に極度額減額請求権が付与されるべきだとの意見があったことを申し添えます。   なお,(注1)に関しましては根抵当権の規律に照らし当然のことだと思いますが,(注2)でございますが,これは個人保証人のうち代表者のみ包括根保証を認めるということにほかなりません。そのような保証人の地位・属性による峻別の仕方は極めて形式的なものでありまして,まして,これを「代表者」ではなく「経営者」と概念を変えて実質的な要素を取り入れるというふうなお考えもございますけれども,すぐれて合理的かつ客観的な基準が明らかではなく,むしろ整合性を欠くと言わざるを得ません。   また,ここには書いてございませんが,一体このいわゆる代表者論に関しましてはすべての法人に共通することなのでしょうか。例えば,社団法人の理事は各自代表権を有しますが,それを一部の法人では定款で制限を加えているということになっておりますが,どのような基準でどのように代表権というものを見定めるのか,また,仮にこの債務者が株式会社であるような場合に限定するとして,なぜ株式会社に限定するのか,およそその根拠が不明であります。したがいまして,いずれにしても合理的な解釈が我々得られませんので,反対であります。   次に,「3 保証期間の制限」でございます。「(1) 合意により保証期間を定める場合」については賛成いたします。保証人にとっては,保証期間を定めずに半永久的に保証の責務を負うということよりも,5年ごとに自己と債務者との関係を見直して,保証継続の可否の判断をできることが望ましいと考えております。   なお,注書きにつきましては,代表者を除外して,それ以外の保証人に対して元本確定請求権を認めるということの根拠が明らかではございません。ただいま申し上げたような理由によりまして反対でございます。   次に,「(2) 合意による保証期間の定めがない場合」でございます。これはA案に賛成いたします。なぜならば,合意により保証期間を定める場合と整合させることが必要と考えられるからであります。これによりまして,むしろ保証期間の定めが一般に促進され,定着することも期待できます。   一方,B案につきましては,先ほど申し上げました理由と同じく,代表者と第三者の峻別の理由が不明であります。更に言えば,代表者に3年経過後に確定請求権を与えるというのは,これは実効性はいかがなものかと思われます。むしろ期間無限定での保証の存続を意図するものというふうに言わざるを得ません。   もとより,恐らくこの御主張の背景にあるのは,いわゆる経営の規律等の問題点だろうと思います。しかしながら,代表者が債務者としての法人の経営責任を負わなければならないのは当然のこととして当会議所も認識しておりますが,そのことまでを回避するつもりは毛頭ございません。ただし,それは期間無限定の保証責任を負うべきとする議論とは直結するものではなく,特定債務保証もしくは期間限定の根保証で十分に対応可能なものでありましょう。更に経営の規律に関して言えば,経営者は商法,とりわけ第266条ノ3によりまして,債権者一般に対し故意・重過失による損害賠償責任を負っているわけでございまして,ひとり当該債権者のみに責任を負わせられるべきものでもございません。この点に思いを致されるべきだと思います。   次に,「4 期間の経過以外の事由による元本の確定等」でございますが,これはいずれも賛成でございます。特に死亡につきましては,相続人の精神・経済生活両面にわたる負担に思いを致しますと,おのずとこのような結論に帰着いたします。   なお,担保権の実行の申立ての場合を含めまして,確定事由が取下げ等により覆滅した場合にはその確定も覆滅するのかは判然としておりません。立法的な手当てを求めさせていただきます。   「(2) その他」でございます。(注1),(注2),(注3)でございますが,(注1)につきましては反対をいたします。元本確定請求権の取扱いにつきましては,煩雑にならないよう実務上望むところでございますが,そもそも保証契約は主たる債務者からの委任がなくとも債権者の間での契約によって成立いたします。このため,(注1)が主たる債務者と保証人との関係等を中心に例示することとしているのはいかがなものかと思われるわけであります。すなわち,主たる債務者との関係のみが判断事由となるということになりますと,これが前面に出てくることに反対でございます。これは,結局,立場を変えて言えば,保証を求める債権者の予見可能性に事欠くおそれがございまして,これがむしろ金融のいわば貸し渋りを含む収縮を促すようなおそれもないとは言えないと思っております。   次に,(注2),(注3)でございます。これも反対をいたします。第三者保証人に対しましては,保証の提供について,債権者の指示によるものか,あるいは自発的な提供によるものかによって異なる取扱いが考えられます。すなわち,前者であれば,債権者が求めたのでありますから通知の義務は債権者にあるのでありますが,後者であれば,債務者が保証人に対して通知の義務を負うというふうな発想が明快でございます。いずれもこれは立法的に解決されるものではなくて,契約すなわちコベナンツによって義務化する等の慣行・ルールを確立すればよいお話だというふうに思っております。一律に法定するということ,まして確定請求権行使の判断材料として通知を求めるという趣旨であるのであれば,むしろでございますけれども,当該確定請求権そのものに当会議所は反対しておりますので,おのずと反対の結論が導き出されます。   なお,これとは別に,「その他」の点に関しまして二つ提案がございます。   第1でありますが,法人の代表者である保証人が代表者を退き,一方,新代表者が連帯保証人になった場合には,退いた保証人の被保証債権元本は確定する旨のみなし規定を設けたらいかがかということでございます。   第2に,本試案の第1の3の「(1) 合意により保証期間を定める場合」でございますが,例えば,5年を経て更新する際には,その時点の保証債務額を保証人に対して通知するということによりまして,その保証の極度金額の見直しに関しましてきっかけを与えていただくということはいかがかというふうに思っております。   さらに,「第2 適用範囲」でございますが,まず,要式行為につきましては,すべての保証契約について適用するものとすることに賛成でございます。例えば,しかしながら,債務引受契約や損害担保契約等,保証類似の契約をも射程範囲としない限り,結局,今度は不合理な内容の債務引受契約等が口頭合意という形で強要されるおそれがないか,これを指摘させていただきたいと思います。別の場所の御議論になるかもしれませんが,注意を喚起させていただきます。   第2に,「2 根保証における限度額の定め,保証期間の制限等について」の「(1) 保証人の範囲」につきましては賛成いたします。ただし,これにつきまして,法人特に零細会社を含むべきであるというふうな意見があったことを申し添えさせていただきます。喫緊の課題が個人保証でありますから,ここでは賛成をするというにすぎません。   さらに,「(2) 主たる債務の範囲」でございますが,これにつきましては,貸金債務,手形割引,そのほかデリバティブ取引,為替取引等から生じた債務を含まなければ,結局,金融取引を合理的に制限することは難しいと考えられます。すなわち,旧銀行取引約定書ひな形で申し上げますと,第1条全般でございますが,特にデリバティブ取引あるいは外国為替取引といったような取引に関しましては無限大の債務を負担するということが理論的には考えられます。したがって,これに反する取引については,債務包括根保証が認められるということはいかがかと思われますので,そのような余地を残すことには反対でございます。   さらに,(2関係後注)でございますが,求償権保証の問題でありますけれども,中小企業金融の領域にありましては,全国的にも極めて重きを占める信用保証協会の求償権保証の在り方,あるいはファイナンスカンパニーを含む金融機関交渉の当事者等におきまして,貸金等根保証に匹敵する影響を及ぼす問題でございます。したがって,積極的かつ適格な御議論を望むところでございます。   以上申し上げたことどもにつきましては,別途意見書を提出いたしました日本・大阪・名古屋各商工会議所もおおむね同様の意見であることを申し添えます。   最後でございますが,ここでは当部会の御議論とは離れることになりますが,個人保証人に係る制度的見直しはさることながら,個人保証を求めない融資への転換や,あるいは債権や動産等の多様な資産の活用によるリスク補完の提供等,個人保証に過度に依存しない形での保全も進められるべきであります。更に,金融機関の説明義務,いわゆるアカウンタビリティーの充実も喫緊の課題であるというふうに考えております。こういったことどもは金融庁の総合監督指針にも,いわゆる説明態勢の整備ということで指摘もございます。この点,預金取扱い金融機関のみならず,ファイナンスカンパニーを含めて債権者においては十分御留意をいただきたいところでございます。   また,金融庁の「新しい中小企業金融の法務に関する研究会」の報告書が平成15年7月に明らかにされたところによりますと,判例によればでございますけれども,銀行の経営者が一律に保証担保をとらなければむしろ背任になるというふうな意識を持つこと自体が問題であると。最終行に近いところでございますが,最終的に担保・保証が不足したことのみをもって取締役等の責任が認定されるといった誤った認識は払拭される必要があるという裁判例がございます。すなわち,必ず保証を取らなければならないんだというふうな意識のもとに金融実務を行うことはいかがなものかというふうな問題提起というふうに理解をしております。当会議所もこれに全面的に賛同するものであることを最後に申し上げさせていただきます。 ● それでは,続きまして全銀協の○○委員からお願いしたいと思います。 ● 全国銀行協会の○○でございます。   それでは,「「保証制度の見直しに関する要綱中間試案」への意見」につきまして,全国銀行協会の意見ということで述べさせていただきます。   この意見をつくり上げるまでには,傘下銀行におきまして2回のアンケート調査,それから数回にわたる議論をしてまいりまして,正に真摯に受けとめて,重く受けとめて,銀行界の総意としてつくり上げた意見書だということを前もって御説明しておきます。   それでは,最初に4ページ目ですが,4番とさせていただいております,「全銀協としての考え方」ということで,この中間試案を考えるに至っては,全銀協及び皆様方に,どういう観点で考えたらいいのかというのをあえて提起させていただきました。2点ございます。   1点目が,この施策が本当に保証人の適正な保護になっているかという,当たり前といいますか,純粋な話だと思いますけれども,そこをまず我々としては最優先に考えて出した結論だという ふうにもとっていただきたいと思います。   次のページをおめくりいただきまして,②ですね,「金融実務の実態への配慮はなされているか」と,これはちょっと金融実務に偏った言い方になりますけれども,見直しの方策が債務者を始めとする保証人以外の利害関係者に予期せぬ不利益を与えることはないか,それから金融機関が実務上対応可能かということを是非お考えいただいて,それで検証していただきたいという2点,これをまず申し上げさせていただきたいと思います。   それでは,中間試案につきましての意見を述べさせていただきます。中心は,当然,反対のところにつきまして御説明させていただこうと思っております。恐らく今後,我々が反対している意見が議論の大きなポイントになると思いますので,あえて意見表明を含めまして述べさせていただきます。   まず,「第1 貸金債務の根保証についての個人保証人の保護の方策」の「1 要式行為」につきましては賛成でございます。   ただ,②と書かせていただきますけれども,補足説明では,「一定の重要な事項については,保証人が自書しなければならないとする意見があった」旨記載されているが,一律に自書を義務づけることには反対すると。難しい話ではないのですけれども,一律となりますと,遠隔地にいる方だとか,諸般の事情で自書できない方もいらっしゃいまして,現在の銀行実務の運用に支障を来す懸念もありますので,これをあえて述べさせていただいているという状況でございます。   次をおめくりいただきまして,6ページ目,「2 保証の限度額の定め」につきましては,(注2)の「保証人が,法人である主たる債務者の代表者である場合には,限度額の定めのない根保証契約も有効とすべきである」という考え方を強く支持した上で,経営に関与している者以外の第三者に対しては,「根保証契約は,保証の限度額を定めなければその効力を生じないものとする」について賛成です。これは従来から我々が申し述べている,経営者保証と第三者保証を分けて議論していただきたいということをまたもって申し上げているところにすぎません。   もう一度申し上げますと,それはなぜかというのは,下記3点でございます。   1点目が,経営者等の保証に対し限度額を定めることの合理性,必要性に乏しいということでございます。経営者等である保証人は常に自己の保証債務の内容を知り得る立場にあるわけで,根保証だからといって予想しなかった多額の保証債務を負担するという事象は起こり得ない,あり得ないというふうに思っております。   2点目,経営者等の方から包括根保証を希望している実務が存在するということでございます。   3点目,機動的な融資実行--円滑な資金調達--を阻害するおそれがあるということでございます。   これは前々回も申し上げましたので,これ以上は申し上げません。   次のページをめくってください。7ページ目でございます。(注)の記載にある,「法人である主たる債務者の代表者」を,我々としては,「経営者(代表取締役,代表執行役その他債務者の代表権を有する者並びに,直接又は間接に債務者の総株主ないし総社員の議決権の過半数を有する者)」に修正を願いたいというのも,これも前に申し上げたとおりでございます。保証制度の保護は,保証人の地位・属性に応じて考慮すべきものでありまして,要綱中間試案でいう「代表者」という文言は若干狭いものではなかろうかと。代表権を持たないだけで経営に関与されていらっしゃる方も実際にはいらっしゃるわけです。   一方で,実質的経営者に範囲を拡大するとしても,裁判規範として耐え得る明確な概念設定が必要であるというのは当然のことだと思っております。そこで,我々としましては,「代表者」を「経営者等」に置きかえまして,その範囲について,先ほど述べたようなことに提案をさせていただきたいというふうに思っております。   次に,「3 保証期間の制限」の(1),これにつきましては賛成をさせていただきます。   (2)の「合意による保証期間の定めがない場合」というところ,ここはB案を強く支持し,A案に反対いたします。なぜか。B案はA案よりも保証人の保護に厚い上,現行の金融実務に沿った適切な案であるということから,評価します。A案では中小企業の円滑な営業活動を阻害する可能性を有し,金融機関のみならず,経営者等への影響が余りにも大きいことから,強く反対をさせていただきたいと思います。   その理由ももう少し詳しく御説明をさせていただきます。   まず,1番,先ほど申し上げましたように,B案の方が保証人の保護に厚いということです。A案とB案の相違は,A案は保証契約の更新という機会に債権者側から定期的に保証債務の現況等の情報がもたらされる反面,3年ないし5年に1度しか保証債務の元本確定の機会が与えられません。これはもう読まれたらそのとおりだと思います。対してB案は,保証人の側から行動しなければ保証期間が継続するということはありますが,一定期間経過後,これは3年と考えれば3年後はいつでも保証債務の元本確定の機会が得られるという点に集約できると思っております。保証人が過大な債務を負担することがないようにするという改正目的からは,本来は保証限度額の定めで足りるというか,それで十分ではなかろうかと思っております。にもかかわらず期間的な保護を加える趣旨は,債務者の状況や保証人の状況に照らし,保証責任の範囲を短期間で確定できる機会を与えることと考えております。よって,債務者の状況を知る経営者等においては,元本確定請求の機会が3年ないし5年に1度しか与えられないA案よりも,いつでも確定請求ができるB案の方が当然ながら保証人の保護に厚いというふうに思っております。   ただし,B案の問題として,保証人が保証した事実を失念して,長期間経過後,債務者破たん後に保証履行請求を受けるのではないかという指摘は考えられますけれども,このような批判が経営者等に--経営者はそういうことを怠らないだろうということで,当てはまらないということをあえて申し上げております。   それから,A案による経営者等の保証において期間の制限を設けると,債務者に対する機動的な融資活動を阻害するおそれがあります。継続的な営業活動を望んでいる経営者等の立場からすれば,一定期間ごとに保証意思を確認され,書類に署名・押印するなどの手間暇をかけてまで保証期間を更新しなければならないとするメリットは乏しいのではなかろうかと。むしろ,更新手続に負担がかかることより,これまで円滑に行われている資金調達の実務に支障が生じるデメリットを懸念しているものと認識しております。   1点だけ事例を紹介させていただきますと,その下でございます,現在,継続的資金供給の手段として当座貸越というのが広く使われておりますが,当事者からの申入れがない限り自動更新する内容となっているものが大半でございます。仮に保証が条件となっている当座貸越があるとすれば,保証の継続が期限までにできない場合は当座貸越も停止されるということになりますが,期限の前後に保証人である代表者が海外の長期出張に行ったりとか,あるいは不幸にも入院といった形で面会できない事情もあるかもしれない。珍しくはないと書いています。しかし,書面で保証契約を継続できない限り新規の貸越分には保証が及ばないということになれば,銀行としては貸越を停止せざるを得ないという場合になり,それが場合によっては手形の不渡りなど予想外の損失に発展する懸念もあります。これは,債務者,保証人,特に経営者方にとっては期待せざる事態になるということでございます。   あと幾つかありますが,それは割愛します。   では,次のページで9ページでございます。もう一つ考えていただきたいのは,これはコストという面でございまして,全銀協の会員を対象とした調査,これはアンケート調査を行った結果によれば,こういった保証における期限の管理システムの構築・維持というものに場合によっては億単位のコストを要するという意見もあります。また,銀行によっては,当然ながら,既存の包括根保証が1行当たり数万,数十万とあるわけですから,保証契約の期限が末日に集中しがちなことを考えて,かつ機械化・省力化ができないというこの事務負担を考えれば,かなり深刻な事態だと我々は重く受けとめている次第でございます。そして,場合によってはこのコストというものを債務者に転嫁せざるを得ない場合もある。それはもう経営判断でございますから,一概にそういうこともありませんが,そういうことを惹起してしまうということをあえてまた申し述べさせていただきたいというふうに思っております。   次に,「保証期間」という用語を「元本確定期日」に修正すべきであると。これはもう前に申し上げましたので,これ以上は申し述べません。   次のページに行きまして,10ページでございます。次のページにつきましては,基本的には賛成をさせていただきますが,ただ,保証人の破産,それから主たる債務者又は保証人の死亡というのが,我々では分からない場合もありますので,そういう場合での確定の猶予というものを検討していただきたいというお願いでございます。   それから,「(2) その他」,これは注が三つあると思いますが,(注1)については反対をさせていただきます。   それから,(注2),(注3)については,これも強く反対をさせていただきます。これにつきましても御説明させていただきますので,あえてここでは割愛させていただきます。   最後のページに行きまして,11ページでございます。「第2 適用範囲」というところで,「1 要式行為」,これについては賛成をさせていただきます。   2の「(1) 保証人の範囲」につきましても賛成をさせていただきます。   「(2) 主たる債務の種類」につきましても賛成をさせていただきますが,1点だけ,「貸金債務」というものにつきましては明確な定義をお願いしたいということを条件とさせていただきたいというふうに思っております。   以上が今回の全国銀行協会の意見書でございますが,冒頭申し上げましたとおり,我々としても,この保証制度の見直しにつきましては,各銀行で何度にもわたりまして議論をしてつくり上げた結果だというふうに思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。 ● それでは,最後になりますが,日弁連の○○委員からお願いしたいと思います。 ● 日弁連の意見書がお手元にあると思いますが,8ページということで比較的短いものに整理されております。日弁連の中でいろいろ議論している中ではこの2倍以上ぐらいあったのですが,いろいろ意見を調整しているうちにこういう短いものになったということであります。   総論部分と各論部分で若干考え方がずれているのかなというふうに見受けられるところもありますが,日弁連として今回のこの保証制度の改正について考えているところというのは,基本的には,現在のような中間試案では生ぬるい,もっと積極的な規制をすべきであるというふうな考え方が強いということであります。ですから,今回の中間試案それ自体については基本的には賛成です。例えば,第三者と経営者を分けて,経営者については規制を緩やかにするというふうな考え方については基本的には反対ということであります。   具体的に,各論について申し上げたいと思います。   4ページの「第2部 各論」のところを御覧いただきたいと思いますが,まず,「1 要式行為」の点については賛成,(注)についても賛成という結論でありますが,それに加えて書面の交付義務を負わせるべきではないかというのが日弁連の立場であり,なおかつ限度額や保証期間については自書させるべきであるというのが日弁連の結論であります。自書については,この各論の部分では記載されていないのですが,前のページ,3ページのところでその趣旨が書いてございます。   次の「2 保証の限度額の定め」については,本文について賛成,(注1)についても賛成,(注2)については,代表者であるということで規制を緩めるものであるからということで,これは反対ということであります。なお書で,保証の限度額を定めるに際しては保証人の返済能力を考慮し,これを超える額を定めてはならないとすべきであると書いてありますが,要するに,限度額の定めがあっても,それは青天井ではないだろうと。保証人の能力を超えたものについては無効とすべきであるということを明記すべきだという意見であります。   次が,「3 保証期間の制限」でありますが,「(1) 合意により保証期間を定める場合」,これについては賛成であります。賛成ですが,(注)については--(注)についてももちろん賛成ではあるのですが,むしろ第三者保証人のみならず,経営者についても3年を経過した後は元本確定請求権を有するというふうにすべきであるというのが日弁連の考えであります。   それから,自動更新に関して,自動更新はできないのだということを明文で定めるべきであるとすべきであります。   次に,「(2) 合意による保証期間の定めがない場合」,A案,B案とあるわけですが,日弁連としてはA案に賛成するという結論であります。   それから,「4 期間の経過以外の事由による元本の確定等」というところでありますが,元本確定事由についてはいずれも賛成します。   (注)の担保権の実行を申立てした場合等を含めるかどうかということについては,担保権の実行についてはこれを含めることに賛成。ただし,仮差押えについてはこれを含めることに反対するということであります。この意見書自体では仮差押えのことについて記載がありませんが,日弁連の議論の中で,仮差押えはこれは含まないということでございました。   それから,「(2) その他」,これについては,まず(注1),「一定の特別な事由がある場合には,保証人は,保証すべき債権の元本の確定を請求することができるものとすべきである」という考え方について賛成します。具体的な確定請求事由としては,ここに書いてありますように,①法人である主たる債務者の代表者が,当該法人の代表者であることに起因して保証人になった場合において,当該代表者たる地位を失ったとき,②個人である主たる債務者の配偶者が,配偶者であることに起因して保証人となった場合において,当該配偶者たる地位を失ったとき,③主たる債務者が債権者に対して主たる債務の履行を怠ったとき,などが考えられるところであります。   次に,(注2),一定の事由について保証人に通知すべき義務を課すべきであるという考え方,これについても日弁連は賛成します。ただし,通知を怠った場合の私法上の効果については,これは付与する必要がないと考えております。   (注3)については,そもそもこれは代表者と代表者以外を区別するという前提がありますので,これについては適当ではないと考えております。   次に,「第2 適用範囲」でありますが,「1 要式行為」については,保証人が個人であるか法人であるか等を問わず,すべての保証契約について適用することに賛成いたします。   「2 根保証における限度額の定め,保証期間の制限等について」は,「(1) 保証人の範囲」,保証人が個人である場合に適用するというのが中間試案でありますが,個人のみならず,零細な個人会社に適用すべきであるというのが日弁連の考えであります。   次に,「(2) 主たる債務の種類」でありますが,根保証契約において定められる主たる債務の範囲に貸金債務が含まれている場合について適用するということについては,これだけではなく,もっと広い範囲で適用すべきであるという意味で,結論としては反対ということであります。   以上,結論的なものを申し上げました。 ● それでは,以上の3団体の意見につきまして御質問などございましたら。あるいは事務局のまとめた全体について御質問等ございましたら。 ● 弁護士連合会の7ページのところで,読んできたときには,通知義務でサンクションは損害賠償義務かということで,なかなか保証人保護に整合的な話だなと思ったのですが,今,口頭では,効果を付さないというふうにおっしゃったように聞こえたのですが,それはどういうニュアンスなんでしょうか。 ● 要するに,立法上の手当ては特にしないと。ですから,通知義務を怠ったことによる債務不履行等の損害賠償責任は当然あり得るだろうと,それで十分ではないかというのが日弁連の見解です。 ● ということは,通知義務自体は法文で一応書くと。 ● そうです。   それは(注1)の方ですから,(注1)で書いていただきたいと。 ● 法文として書いて,その違反がどのようなサンクションに結びつくかは自明のことなので書かなくていいだろうと,そういう御趣旨ですか。 ● そうです。通知義務は課すべきである,これは法定化すべきであると。ただし,それを怠った場合のペナルティーについて特に立法上の手当ては必要はなくて,それは一般の損害賠償法理論の中で処理できることではないかということです。 ● もう一つよろしいでしょうか。   4ページの限度額の定めで,保証人の返済能力を考慮して,これを超える額を定めてはならないという,このことは法文化するのかどうかということと,これに違反したときのサンクションは相当な額まで減らすのか,それとも保証契約自体を無効にするのか,幾つかの選択肢があると思うのですけれども,この点はどういうふうにお考えなのでしょうか。 ● これは,特に違反した場合のサンクションまでは想定しておりません。また,具体的にどういう表現がいいかというのは,正直なところなかなか難しいところでありまして,日弁連でも,じゃあどう書くべきかということで議論はしたのですが,なかなか妙案がなくて,こういう抽象的な表現に終わってしまったということであります。 ● ほかに何か御質問等ございますか。よろしいですか。各界の意見については以上で御質問等よろしいでしょうか。   それでは,本日の議題の方に入りたいと思いますが,先ほど既に御説明がありましたように,席上配布資料として部会資料5が配布されておりますので,これに基づいて御議論をいただくことにしたいと思います。   まず,○○幹事から,議事の進め方について御説明をお願いいたします。 ● 今回の部会資料5におきましては,第1として「保証期間の制限」,第2として「元本確定事由」,第3として「個人の保証人が求償権保証をする場合の取扱い」という三つの問題を取り上げております。この部会の審議スケジュールでは,一応,次回の会議におきまして要綱案のとりまとめを行うことが予定されておりますので,パブリックコメント後の審議時間が限られているという事情がございます。本来であれば,今回の部会におきまして要綱案全体のたたき台をお示しした上で更に御議論いただくべきところかと存じますけれども,私どもから要綱案のたたき台をお示しする前に,おおむね議論が集中すると思われる点が幾つかございますので,この議論を賜りたい点につきましてこの部会資料5で取り上げていると,こういう次第でございます。本日は,これらの点を中心として御議論いただきまして,更に時間がございましたら,中間試案で取り上げております他の論点についても御意見をちょうだいできればというふうに考えております。 ● それでは,ただいまの事務局の提案に沿って議事を進めてまいりたいと思います。   まず,部会資料5について,事務局から資料の説明をお願いいたします。 ● 部会資料5につきまして御説明いたします。特に途中で区切らないで,最後までまとめて御説明いたします。   まず,「第1 保証期間の制限」という項目について御説明いたします。   この項目は,中間試案ではA案とB案との両論併記とされておりました。また,中間試案に対して寄せられました意見を見てみますと,事前配布資料の「各界意見の概要」の11ページでございますが,数の上ではA案に賛成する意見が多数を占めておりますものの,金融機関を始めとする債権者の立場からはB案に賛成する意見も少なくないという状況にございます。そこで,要綱案のとりまとめを行う前に改めて部会での御議論をお願いしたいと考えた次第でございます。   このA案とB案のそれぞれの論拠は,これまでの議論の中で既に出尽くしているようにも思いますが,最終的に結論を決める上でなお御議論をお願いしたいと考えましたのが,部会資料5の第1の1におきまして(1)と(2)に記載している点でございます。   (1)は,代表者保証においてA案とB案のいずれが保証人の保護になるかという点を取り上げたものでございます。この点は,単純に保証期間の定めがあるかないかという点で比較しますと,当然にA案の方が保証人保護に厚い考え方であるわけでございますけれども,B案は,保証期間の制限を設けないけれども,これを補完する措置として,3年経過後は保証人に元本確定請求権を付与することとしておりますので,必ずしも単純には比較できない面がございます。そして,B案の立場からは,先ほど○○委員の方から御紹介がありましたように,3年ないし5年に1度元本確定の機会があるにすぎないA案よりも,当初契約から3年を経過した後はいつでも元本確定請求ができるB案の方が保証人保護に厚いという主張がされているわけでございます。このように,A案とB案はいずれの立場からもそれぞれの支持する考え方の方が保証人の保護になると主張されておりますことから,この点についてどのように考えたらよいのかというのが,(1)において御議論を賜りたい点でございます。   (2)は,金融実務におけるコスト増という問題を取り上げたものでございます。(2)の(注)に記載いたしましたように,金融機関の側からは,与信管理システムなどの物的設備の面のほか,定期的な更新の手続のために保証人と面談をするのに要する人的な面での負担が増加するという指摘がされております。この点につきましては必ずしも数量的に把握することが容易でなく,どの程度のコスト増になるかという具体的な数値は示されてはおりませんので,仮定の話にならざるを得ませんけれども,抽象的には大なり小なりコスト増があることは間違いのないところであるように思われます。そこで,改めまして,代表者保証における保証期間を制限することに伴って発生する金融機関のコスト増が債務者の不利益につながらないかどうかという点について御議論を賜りたいと考えた次第でございます。   ところで,この保証期間の制限に関するA案とB案は,代表者保証の場合に限って期間の定めのない根保証を認めるかどうかという点において対立する考え方でございますが,これに関連する論点として,保証の限度額についても同様の議論がございました。事前配布資料の「各界意見の概要」で申しますと5ページの(注2)という部分でございます。この保証の限度額の定めの点に関しましても,中間試案に対して寄せられた意見の分布は,先ほどのA案,B案とおおむね同様となっております。しかしながら,限度額の点と保証期間の制限の点とでは問題状況がかなり異なっているように思えます。保証期間の制限につきましては,代表者保証の場合に限って期間の定めのない根保証を許容することといたしましても,その補完措置として,保証人に元本確定請求権を付与するという案が示されているのに対しまして,限度額の点につきましては,代表者保証の場合に限って限度額の定めのない根保証を許容することといたしますと,その補完措置が全くなく,正に青天井として批判を浴びている根保証の現状が何も変わらないということになってしまうわけでございます。   また,金融機関が主張しておられます事務コストの点に関しましても,その主張するところによれば,保証期間を制限した場合には,すべての代表者保証について定期的な更新手続が必要となるのに対しまして,限度額の制限については,資金需要が予想外に増大した場合等に例外的に限度額の変更手続が必要となるにすぎないと考えられますことから,事務コストの増大が債務者に不利に働くおそれという面でも,限度額の点については比較的問題が少ないように思われます。   したがいまして,事務局といたしましては,少なくとも限度額の点につきましては,保証人が代表者であるか第三者であるかを区別しないで,必ず限度額を定めるものとする方向で要綱案のとりまとめをお願いしたいと考えており,これを前提として,保証期間の制限の点に絞って御議論を賜りたいと考えております。つまり,代表者保証であっても,今後は限度額を定めなければならないものとする,その上で更に保証期間の面からも制限を設けるかどうかという点について御議論をお願いしたいと考えております。そこで,部会資料5におきましては保証期間の制限の点のみを取り上げることとした次第でございます。   次に,部会資料5の第1の2におきましては,「具体的な法定期間等の定め方」という問題を取り上げております。中間試案では亀甲括弧つきで〔5年〕,〔3年〕という案を掲げていたところでございます。この点につきましては,前回の部会におきましても,より短い期間とした方がよいのではないかという御意見があったところでございますが,なお異なる意見もあるところでありまして,大方の賛同を得られるところといたしましては,根抵当や身元保証における規律とのバランスをとった〔5年〕,〔3年〕という案ではないかと考えた次第でございます。   「第1 保証期間の制限」に関する説明は以上でございます。   次に,「第2 元本確定事由」という項目について御説明いたします。   この元本確定事由につきましては,中間試案に対して寄せられた意見のほとんどすべてが賛成でございましたので,それを前提として,実際に法文を書く上でのやや細かい問題について御議論を賜りたいと考えております。   まず,第2の「1 強制執行の申立て」の点でございます。この点については,中間試案の本文では強制執行の申立てのみを記載し,(注)や補足説明において担保権の実行や仮差押えの申立てについても同様の取扱いとするかどうかという問題提起をしていたところでございます。この点についての意見照会の結果を見てみますと,「各界意見の概要」の16ページから17ページにかけてでございますが,担保権の実行の申立てにつきましては,これを元本確定事由とすることにほぼ異論がありませんでした。そこで,今回の部会資料では,第2の1の最初のパラグラフの②のところでございますが,主たる債務者又は保証人の財産を目的とする担保権の実行の申立てをした場合をも元本確定事由とすることを提案しております。   ここで「担保権の実行の申立て」と言っておりますのは,民事執行法第3章の手続の申立てをすべて含むという趣旨でございまして,担保不動産競売のほか,昨年の改正により創設されました担保不動産収益執行も含まれますし,また抵当不動産についての物上代位も含まれるという意味でございます。   これに対しまして,仮差押えの申立てにつきましては,これも含めるべきであるという意見がある一方で,部会資料の第2の1の(注)に記載いたしましたように,必ずしも資産状態の悪化の徴表と見るのが相当でない事例もあるという指摘もありますところから,これを元本確定事由とはしないことを提案させていただいております。   なお,意見照会の結果では,滞納処分の申立ても含めてはどうかという意見がございました。しかし,ここで元本の確定事由として議論しております差押えは,根保証契約の債権者が主体となって行ったものに限られているところでございます。これとパラレルに考えますと,元本確定事由となり得るのは,根保証契約を結んでいる租税債権者が滞納処分を行った場面ということになろうかと思われます。そして,確かに国税通則法によれば租税債権に関しても保証人をとることが予定されているようでございますが,根保証を利用するということは通常考え難いことですので,そういう意味で滞納処分の申立てについては特に規定を設ける必要がないのではないかと考えております。   それから,強制執行の申立てに関してはもう1点,部会資料の第2の1の2番目のパラグラフに記載した点でございますが,根抵当に関しまして,申立てはあったが手続の開始前に取り下げられた場合には元本が確定しないという規律が設けられておりますので,根保証につきましてもこれと同様の規律を設けることを提案しております。   「1 強制執行の申立て」という項目に関する説明は以上でございます。   次に,「2 破産手続開始の決定」という項目について御説明いたします。   この点は中間試案のとおりとしておりますが,なお根抵当との横並びという点では,部会資料の(注)に記載いたしましたように,破産手続の開始後にその効力が消滅した場合の取扱いという問題がございます。根抵当における民法398条ノ20第2項におきましては,抵当不動産について,他の債権者が担保権実行の申立てをした場合と,破産手続開始の決定があった場合に関しまして,こうした手続の効力が事後的に消滅したときに元本確定の効果も覆滅するものとしております。   このような技巧的な取扱いがされております理由は,抵当権には順位という問題がありますことから,新たに行う融資について,従前の根抵当権を利用したいという債権者の利益を特に保護する必要があるためであると考えられます。   そういたしますと,順位という問題のない根保証におきましては,あえてこのような技巧的な取扱いをしなくても,従前の根保証の元本は確定したままとし,必要があれば新たに根保証契約を締結すれば足りるように思われます。   今回の根保証における元本確定事由では,他の債権者が強制執行等の申立てをした場合についてはそもそも元本確定事由とはしておりませんので,破産手続開始の決定の効力が事後的に消滅した場合のみが検討の対象となるのですけれども,ただいま申し上げました理由から,この点については根抵当と横並びの規定は設けないことを提案させていただいた次第でございます。   次に,第2の3,主債務者や保証人の死亡という項目について御説明いたします。   この項目につきましても中間試案のとおりとすることを提案しておりますが,なお(注)に記載いたしましたように,主債務者や保証人が死亡したことにつき債権者は当然には知り得ないという問題があり,この点について検討する必要があるように思われます。個人である主債務者が死亡したのに,それを知らずに更に融資をするというケースは実際にはそれほど起こり得ない問題であるように思いますので,主として問題とすべきは,保証人が死亡したケースであろうと思います。物的担保である根抵当におきましては,そもそも設定者の死亡は元本確定事由ではありませんので,これは新たに生ずる問題でございます。   この点につきましては,保証人が死亡したことを知らないで,その死亡後に融資をした場合につき債権者が不測の損害をこうむるおそれがあるという指摘があり,このような事態が起こり得ること自体は否定できないと思います。しかしながら,債権者保護のために具体的にどのような措置が考えられるかを検討してみますと,部会資料の(注)に記載いたしましたように,例えば債権者が死亡の事実を知ったときに確定するなどの考え方をとりますと,相続人が保証債務の存在に気づいて,債権者に通知するなどの措置を講ずるまでの間に保証債務の額が膨らんでしまうおそれがあるという別の問題が生ずるわけでございます。また,翻って保証人の死亡を元本確定事由とする趣旨を考えてみますと,そもそも個人の根保証というものが人的な信用関係を基礎とするものであることを根拠として,その相続性を否定すべきであるという考え方を推し進めたものでございますから,もともと保証人の死亡の前後においてオール・オア・ナッシングで決めざるを得ない問題であるという面もあるように思われます。更に,このように考えたとしても実務上全く対処の方法がないわけではなく,例えば,主債務者との融資の契約におきまして,保証人が死亡した場合にはその旨を主債務者が債権者に通知しなければならないという約定をしておくという方法も一応の対策にはなるように思われるところでございます。   このような点を考慮いたしますと,保証人の死亡を単純に元本確定事由といたしまして,特に債権者保護の規定は設けないという選択肢もそれほど不合理なものではないように思われます。この点は,これまで部会において必ずしも明示的には議論されていなかったところですので,是非御意見を賜りたいと考えております。   「第2 元本確定事由」についての説明は以上でございます。   最後に,「第3 個人の保証人が求償権保証をする場合の取り扱い」という項目について御説明いたします。   この項目は,前回の会議におきまして,甲案と乙案という二つの具体案をお示しして御議論をお願いしたところでございます。この点につきましては,前回の会議における御議論も踏まえ,また,その後に意見照会の結果で送られてきました意見を踏まえまして,今回,甲案を採用することを提案させていただいております。   その理由といたしましては,まず,求償権保証契約について直接に規制を及ぼしていこうとする乙案の規律が複雑で分かりにくい上に,現在の実務では求償権保証についての一部保証というものを全く行っていないため,乙案の考え方は実務上極めて受け入れにくいという指摘があったことでございます。   また,求償権保証という特定債務の保証のうち,根保証についての求償の場合に限って個人保証人を保護することの理由や,これ以外の場合との整合性をどのように説明するかという問題もございます。求償権保証の場合には求償元本に対する損害金が大きく膨らんでしまうという問題を指摘できないではないのですが,このような問題は,根保証についての求償権だけでなく,特定債務の保証についての求償権についても同様に存在するものでございますので,なぜ根保証についての求償権の場合のみ特別な規制を設けるのかという疑問が生ずるわけでございます。もちろん,甲案によりましても,この場合に限って根保証をした法人に対して規制を及ぼしているというアンバランスはあるわけでございますが,これは背後にいる個人を保護するという目的を達成するためであるという説明が可能であろうと考えました。   このような理由から,今回の部会資料では,より簡明である甲案を採用することを提案させていただいた次第でございます。   説明は以上でございます。 ● それでは,順番に御議論をお願いしたいと思いますが,まず,「第1 保証期間の制限」というところについて御議論をお願いしたいと思います。 ● 「第1 保証期間の制限」のうち,「(2) 金融実務のコスト増」に関しまして,これは質問というよりはあくまでも疑問を申し上げます。   このコスト増に関しまして大変驚いている次第でございます。なぜかと申しますと,まず第1に,根保証を適用している金融取引というのは,一般に手形貸付あるいは手形割引等の短期金融,すなわち経常的に貸出しを反復実行しているというふうなことのために求められているはずなのであります。したがいまして,当然に代表者とは日ごろから接触されているはず,したがって,差しかえが行われるということになれば,良好な関係であれば日ごろの接触の中で文書のやりとりを行えばよいわけでございますが,それなのに,なぜ,何をもって,一体どのような,かぎ括弧つきでございますが,コストがかかるのか,よく分かりかねる点がございます。   また,結局B案というものは,代表者以外の保証人に関してはA案によるということでございますから,結果的に,代表者以外の保証人をとっている場合には必ずその管理を行うということになりますが,それもコストがかかるわけでございますから,およそ一般にB案を支持するからといって,つまりは結局その代表者を包括根保証をとれないからといって,コストがかかるという問題とは違うのではないかなというふうにも思うわけでございます。   また,それから,期間無限定の保証を確かにこれまでとっておられたのが金融実務でございましょうが,いつも会わないというわけではなくて,先ほど言ったとおり,むしろいつも会っているのではないかということ。加えて言えば,そもそも契約書の更新は基本的に行わないとしても,その保証意思の確認は3年ないし5年のサイクルでやっておられなかったのでしょうか。つまり,意思の確認も含めて一切合財ずっと期間無限定という立場で,そのような御姿勢で,保証人とは会わない,代表者とも会わないというような御姿勢だから,今回大きくコストがかかるというのは,つまり,これから会わなければいけないから,これから契約書を更新しなければいけないからという意味合いでしょうが,そのコストがかかるのだというふうな御議論は非常に疑問とするところでございます。 ● 基本的に今お述べになった御意見と同旨でございます。コストが増加すると言われましても,やはり5年というのは商事債権であれば時効にかかるような期間ですから,債権管理という観点から考えても何らかのアクションはずっと起こされていたはずだと思います。5年間ほったらかしにしているような保証人だったら,本当にいる保証人なんだろうかという疑問も生じかねないわけでございますので,やはりA案をとっていって十分なのではないか。コストというのは,A案をとるかB案をとるかでコストが大きく違うということはなかなか想定しにくいような気がいたしております。 ● コストというのは二つあるというふうに思っておりまして,ここに書いてあるとおり,与信管理システムの再構築に要する費用と,更新手続に要する費用ということだと思います。   例えば経営者の方々を例にさせていただきすと,日々,経営者の方々とお会いしているのは事実でございます。ただ,その局面局面において,保証についていろいろな御説明をさせていただいているということはないわけです,基本的には。当然ながら,商売に絡むこと,お客様のニーズに沿ったことを御提案並びに御解決申し上げるというのが金融界の責務と思っておりますので,保証について今回ということであれば,改めてその場面をまずつくらないといけないということが一つ。   それで,当然ながら,今後は限度額を定めるわけですから,その限度額をどう定める必要があるかにつきましては,もう一度,お客様の経営状態だとか財産等をいろいろ考慮させていただいた上で,稟議を上げ,承認を受けて,かつ,今度はその保証書についてどういう保証内容かということを説明をして,それでお客様の面前自書をいただいた上で,次に今度は登録をするというふうな流れになるわけで,登録につきましてはまたシステムの再構築の費用がかかるわけですから,場面ということで申し上げれば,保証ということをとらえれば,局面を一つふやす,という言い方もおかしいのでしょうけれども,お客様にお話をしなければいけないというのは増えるというのは事実だというふうに思っております。 ● いかがですか。 ● 一言だけ。   ただいまの御発言は御発言としてお聞きいたしておきますが,あくまでコスト増と言われますと,中小企業の立場からすると,当然に金利とか手数料というところで受けとめていくわけでございまして,繰り返しますけれども,このようなコスト増というような御見解に関しまして,一体どのような金利あるいは手数料の上げになるのか,それは個別金融機関の体力によるというふうに結局は考えざるを得ないのかもしれませんが,なかなか中小企業にとってはびっくりするだけであって,一体どのようなことになるのか,この辺いかがなものかなというふうに思うところでございます。   これはあくまで私どもの表明でございます。質問ではございません。 ● 管理システムの再構築に費用がかかるという点なのですが,いずれにしても保証を今回見直していますので,多分,保証関係のシステムそのままというわけにはいかないだろうと思うのです,ここでA案をとるかB案をとるかにかかわらず。したがって,そういう意味で言うと,システムの再構築に要する費用というのはA案をとるかB案をとるかでそんなに大きく変わってくることはないんじゃないかなという気がするのですけれども。 ● それはおっしゃるとおりでございまして,これは二つありますと。限度を定める場合と期間を定める場合になるわけですから,今度は期間を定めるところにおいての期日管理システムという問題が出てきます。ただ,申し訳ないのですけれども,ここで幾らかかるかということはちょっとお答えできないのが残念なのですけれども,そういった局面で2局面かかるということですから,それなりに費用がかかるということになるというふうに我々としては御説明をするしかないと。   もう一つ,先ほど申し上げましたコスト増につきましては,コストを転嫁すると言い切っているわけではなくて,それは各銀行によって判断をさせていただくことになろうと思っております。ただし,A案をとるということになれば,そういったことを検討することにもなるのですけれども,それでよろしいのでしょうかと。本当にそれが保証人の方々あるいは経営者の方が望まれているのかなというのをあえて問題とさせていただきたいということを申し述べたいというふうに思っております。 ● 今日初めて参加させていただくのであれかもしれませんが,御議論を伺っていますと,部会資料の(1)のところで,A案とB案とどちらが保証人の保護に厚いかというような議論がございますけれども,制度を形式的に議論すると,なかなかどちらが保護に厚いのかよく分からないところはあると思いますが,中小企業と金融機関という立場を考えますと,中小企業というのは金融機関からお金を貸していただかないとなかなか事業が成り立たないわけでございまして,そういうことからすると,元本確定請求権を与えればいつでも使えるじゃないかというふうな,論理的にはそういうことでございましょうけれども,それなら今の制度でも別に包括根保証にしなければならないという制度になっているわけではないにもかかわらず,現実にはそういう無期限で限度額も定めないような保証書を差し入れている経営者なりが非常に多い。そして,それがこういう問題が起こってきているので何とかしようじゃないかという発端になっているということを考えますと,B案で元本確定請求権を与えているからむしろ保護に厚いんじゃないかというようなことになかなか現実にはなりにくいのではないかなというような気がいたします。   それから,コストのことは,これは金融機関の方でないと分からない問題ではあるのでございますけれども,もともとを言えば,幾らも限度のない保証書を差し入れるとか,非常に大きな不動産の登記書を持ってくるとかいうようなことにするのがコストが一番低いというのは,それはよく理解できているわけですけれども,それではこういう保証人の保護に薄過ぎて,非常に生活の根底から奪われる,再起もできないというようなことになっているところをどうしたらいいのだろうかというところでこの議論が始まったというふうに伺っておりまして,そういう面からは,負担増というのは確かにゼロではないのだろうと思いますけれども,そこのところを金融機関さんの方でのみ込んでいただいて,どこまでの保証人の保護が図れるかということがここの御議論の対象なのではないかというふうに思います。   中小企業に金利が上がってもいいんだなと聞いたら,結構ですという中小企業はいらっしゃらないんじゃないかなというような気がいたしますので,そこのあたりを含めたような御議論をいただければ有り難いのではないかと思います。 ● コスト増のところは,何度も申し上げているように,銀行経営の問題でもありますし,我々は残念ながら株主とか債権者の方もいらっしゃるわけで,一様に銀行が,はい分かりましたと言える問題ではなかろうかなと思っております。   何度も繰り返しになりますが,A案の方がそういう問題を惹起してしまうということをあえて申し上げたいということでございまして,銀行も,のめるものは,当然ながら,中小企業の繁栄に即するのであれば前向きに検討するというのは何度も申し上げているところではございますけれども,いかんせん,そういう問題もあるということは御認識をいただきたいというふうに思っております。 ● この資料の中には,代表者保証における保証人の保護というのと,金融実務のコスト,金融機関に対するコストというのが挙がっているわけですが,以前から何度か申し上げていますけれども,債務者のコストというのが私自身は気にかかっています。   保証期間を経営者保証についても定めることによってそれが実務的にどういうインパクトを持つかというのは,これはちょっと私には予想できないところで,ただ単に3年ごとに紙をぱっと出して署名だけさせて回収するという,非常に形式的に行われてしまうということももちろんあるかもしれない。そうであれば,債務者に対するコストなんていうのはほとんどないだろうと思います。しかし,保証に期間を定めることを強制しようというふうにこういう立法案が考えられたそもそもの政策的な根拠は,ここにある種の与信管理システムといいますか,お金というのは貸したきりではだめで,やはりきちんと債務者に対する与信管理をしなければいけない,そのためのインセンティブにもなるということがあったのではないかと思います。そうであるとすれば,経営者保証の場合についてもきちんと期間を定めるということによって,期間ごとに与信管理をするというふうに金融実務は動いていくであろうということも十分予測できるわけです。   そうなりますと,与信管理というのは外部からの評価になるわけですが,私など大学でもそうですけれども,外部評価というのは評価される側にとっては大変なコストを伴うわけでして,管理してもらう,評価してもらうための資料をいろいろつくらなければいけない。そうすると,この与信管理というのをきちんとやられると,債務者にとってもそれなりにコストがかかることになるだろうと思います。   しかし,債務者によっては,代表者自身にかなり資産があって,自分がもう全部個人保証で引き受けるから,とにかく継続的にお金を貸してくれ,細かいこと言わないで貸してくれというような債務者もいるであろうと。そういう債務者,かつ,その債務者が代表者ということですが,そういう場合に,そういう選択肢もきちんと残すということが債務者あるいは経営者にとって利益になることもあるのではないかということが当初から気にかかっておりまして,その意味では,そういう選択,つまり,期間を定めずに経営者保証をするという選択の余地も残す制度にしておいてもいいのではないかという感じがいたします。 ● 今のは,二つに分けるということになりますかね。つまり,今までは保証人の犠牲の上に債務者がコストを負担しないできた部分があると。それを,保証人が甘受するようなタイプの場合には今のまま続けてもいいじゃないかと,そういう……。 ● いえ,経営者保証というのは,つまり債務者と経営者がほとんどイコールの場合ですので,債務者にとってのコストを安くするということは,経営者保証人にとってもプラスになるわけですので,保証人が個人保証を期間の定めなく引き受けることによって債務者にとってのコストを減らすという選択の余地を残すということです。 ● コストの話なのですが,先ほど○○委員がおっしゃったこととほぼ同じなのですけれども,少なくとも,コストがかかるからB案を支持するなんていうのはちょっと全く理解ができないんですね。   ここに書いてあるような,要因として二つあると。コンピュータシステムの再構築に関する費用は,これは新しい制度ができるのですから当然かかりますよ。それは億単位かかるかもしれません。ただ,それはA案をとったってB案をとったって同じ話であって,A案を採用するから,じゃあB案と比べてどれだけコストが高くなるのか,それを具体的に指摘してくださるならまだ分かりますけれども,多分そんなものはほんのわずかだろうというふうに私は思います。   それから,面談をするために人的な事務負担の増加というふうなことをおっしゃっていますけれども,これは零細な業者,中小企業の与信管理として日常的な接触をするのはごく当たり前の話であって,その中で保証に関して特別に面会をしなければいけなくなるという発想自体がちょっと理解できないのですが。しかも,それに要するコストって一体何なんでしょうか。面会するための手間暇にそんなに膨大な費用がかかるというのでしょうかね。保証意思を確認する,保証手続を更新するための費用がそんなにかかるということなのでしょうか。そこが全然理解できないのですが,いかがでしょうか。 ● まず1点目,全銀協は,はっきり申し上げておきますけれども,コスト増になるからB案を支持しているわけではなくて,代表者保証において保証人の保護に厚いからB案を支持しているということは前もって申し上げておきますので,これはくれぐれもお間違いのないようにしていただきたい。それで,結果,A案となりますとコスト増にもつながりますよというのを申し上げているということですね。   それから,保証云々というお話で,人的コストがかかるという話ですけれども,通常,銀行と中小企業のオーナーとお話をする際に保証の話をするということはやっぱりないと思いますね。お客様のニーズが保証かというと,そうではなくて,どうやって経営というか,平たく言えば売上をふやしていくんだ,利益を上げていくためにどうしたらいいんだと。例えばコストを切り詰めるためにどうしたらいいんだとか,あるいは売上をふやすための方策はどうしたらいいんだとか,金利を低くするためにどうしたらいいんだとか,今後金利が上がりそうだからどうやって金利を抑えようかとか,そういったことが中小企業経営者にとってのニーズであって,保証云々というのはニーズではない。そういうことを考えると,局面局面では,保証について改めて御説明をする機会を設けない限り,それは起こり得ないということでございます。 ● 3年でいったん切れてもう一度更新するか,あるいは3年たてば終了請求権が発生するかというのは,3年というところで見れば,いわゆるオプトインにするかオプトアウトにするかという,個人情報保護なんかでも同じような議論があるのですが,と同じようなことになるのではないか。つまり,当事者が黙っていればもう了解したことになって,続いてしまうと。他方で,継続しますとかオーケーですという明示のオーケーが出ない限りはだめだというのがオプトインですよね。ですから,確定請求権を与えるというのはオプトアウトの発想だと思います。   オプトインかオプトアウトかというのは,根本的な原則の違いということに一応はなるのですが,経営者保証という実態から見ればほとんど変わらないのではないかと。つまり,引き続き融資をしてもらいたい,そして経営者としてもやっていくのだということであれば,確定請求という形であっても確定請求権は行使しないであろうし,更新という手続であっても,むしろ積極的に,次にまた保証人になりますから是非融資を継続してくださいというふうに経営者の方から申し出るぐらいだろうと。したがって,原理原則は百八十度違うけれども,通常であれば変わらないことになるのではないかと。そうであれば,原理としてよりすぐれているオプトインの方がいいのではないかなというふうに思います。   ただ,全銀協さんがおっしゃるように,次の更新サイクルの間でやめたいという場合,そういう事情がある場合に,3年単位の更新だと,更新してから3年間は保証関係から離脱できないというか,終了させることができない。それが3年以降は更新拒絶権がいつでも発生するのだということであれば,4年目でも5年目でもいつでも保証人の側から確定できるという点は,逃げられないよりは逃げられるという点でメリットではないかということをおっしゃるわけですが,これも,そこだけとらえれば恐らくメリットかもしれないですが,正常な融資慣行が行われている限りは,途中で経営者が保証人をおりるというのは,よほど何か特殊な事情,経営者をやめるとか,そういうような特殊な事情がない限りは考えられないのではないか。むしろ,主債務の融資契約自体を打ち切って,したがって保証もそこで確定させるというような事情になるということはあるにしても,融資は引き続き続けてください,私はここでやめますというのは,実態としてはできないのではないかなというふうに思いますから,法律論的にはメリットかもしれないけれども,実態としては余りメリットにはならないのではないかなというふうに思います。 ● かねてから,A案とB案でどちらが保証人にとって有利かという議論がされていて,従前から事務局の方ではA案の方が有利であろうということを言っていたのですが,今までの議論でちょっと忘れられている視点といいますか,そもそもここで議論している案というのは,強行規定として,それ以上保証人にとって不利な約定をしてはいけないという形の決めをしようという議論をしているというふうに考えております。   その場合に,B案の方は一定期間経過後はいつでも解約できるという選択肢がとれるから有利だということを,B案の方が有利だという論拠に掲げているのですけれども,A案を決めた場合でも,これは任意に当事者の合意で解約権を付与することを認めないのかというと,別にそんなことは多分ないと思うのですね。今,制度として考えている場合に。   そうなってくると,制度として単純に比較してどちらが有利かという場合に,B案が有利だということで論拠として掲げている,途中から解約できるじゃないかということについては,制度自体の比較としては,A案の方が不利だという説明の材料には全くならないのではないかというふうに思っております。 ● ほかにいかがでしょうか。 ● 今のお話と重なるのかもしれませんけれども,ここで議論しているのは,包括根保証をどう変えるかという制度設計の話ですから,基本的に,ある場面では適用があるけれどもある場面では適用がない,人で分けるという議論をしていますけれども,そういう分け方はやはり制度設計としては余りいい制度設計ではないのではないかというのが私の基本的な考え方です。   あと,各界の意見の中にもありましたけれども,代表者というとらえ方をしても,その代表者をどこの時点で決めるのかという,裁判所か何かからの御意見であったのかと思いますけれども,そういう,解釈でも非常に疑義が出るような場面もありますので,制度設計としてはやはり一義的に決めるのが,今回の保証制度の在り方としては正しいのかと思います。   あと,うがった言い方と言っては申し訳ないですけれども,仮にここでA案で決まった場合に,じゃあ銀行協会さん等が実務でどうされるかというと,多分全部5年で契約合意でやる,合意の期間の定めのないものというのはないという前提で全部保証をとられるのかなと思うのですね。ですから,逆に,銀行協会さんが今,A案でなくてB案でとおっしゃっているのは,要は,代表者を中心とする保証のとり方としては期限を定めませんよというのをメインにされるというのが多分前提なのかなと思うのですね。そうだとすれば,なおのこと,申し訳ないですけれども,やはり制度の設計の仕方としてはどうもおかしいのかなというふうに思います。 ● それでは,ここで休憩にしたいと思います。            (休     憩) ● それでは,再開したいと思います。            (幹事の異動紹介省略) ● それでは,先ほどの議論の続きでございますが,資料5の1の部分について,まだいろいろ議論があろうかとも思いますが,先に第2の部分及び第3の部分について議論をお願いして,時間が残りましたらまたもとへ戻るというふうにしたいと思います。   「第2 元本確定事由」のところについて何か御意見ございましたら,お願いしたいと思います。 ● 私も,仮差押えについては外す方がよろしいかと思います。   実際に仮差押えを担当いたしておりましたが,一方的な債権者の方からの申立てによって保全の必要性等を判断いたしております。ですから,仮差押えの異議とか何かでそれが是正されることは予定されておりますが,必ずしも的確な財産状態を反映しているとは限らないと思います。   先般も,私がやっていた訴訟事件で仮差押えが先行していた事案があったのですが,請求が1億の事案です。1億なんていうのはないという前提で仮差押えがかかっていたわけですが,現実には1億円を用意して解放金として積まれたケースがあります。1億円あるかないかという認定が,一方の債権者の疎明資料では,ないという前提で判断されていたということに帰着するわけです。   ですから,そのようなことを考えますと,仮差押えについては,これは多数の方の御意見もそうかと思いますので,外していく方がベターかと思っております。 ● ほかに,元本確定事由についていかがでしょうか。 ● 3の「死亡」のところなのですけれども,全銀協の方も意見を出させていただきました一定期間の猶予措置をとっていただけたらなというふうに思っております。   根抵当権の元本確定というのも,例えば6か月という期間猶予というのも,平仄を合わせるかどうかはあるのですけれども,ということも考えられるものですから,ここに注書きで書かれているのですけれども,何がしか設けていただけたらなというのが全銀協の意見なので,あえてここでもう一度申し上げたいと思います。 ● 今の死亡の点というのは,実は,御紹介した当初から事務局もいろいろと,多少の問題はあるんじゃないかという意識はあったのですけれども,先ほどの説明にもございましたけれども,改めてじゃあどういう措置を講じるかということになると,先ほどの資料で例として挙げているのは,債権者が事情を知ったときというのと,債務者が知って債務者の方から何らかのアクション,確定請求するということも考えられるでしょうし,あとは形式的に,今,○○委員がおっしゃったように,何か月か猶予を置くということがあるのでしょうけれども,これはそれぞれについてデメリットがありまして,デメリットがある割に根本的な解決になるかというと--根本的な解決というか,特に何か公平にかなったような結論に持っていくような制度を仕組みにくいというようなことがあるように,内部の検討の結果ではそういうところがございます。ですから,○○委員がおっしゃったような一定の猶予期間という考え方はもちろんあり得ると思うのですけれども,その点を踏まえてもう少し踏み込んだ意見があればというふうに考えております。   それからもう一つ,理由として事務局の方から具体的な措置を講じなくていいのではないかという御説明を申し上げたのですけれども,これはもちろん立場の違いによって双方主張があり得るということは留保した上での意見でございますけれども,いずれにしても,死亡したかどうかということがすぐには関知できないような状況にある保証人,それでその保証人の資力を具体的に当てにして新たな融資をする,その場合に保証人の相続人が責任をかぶるということについてどこまで正当化できるかということに結局は尽きるのではないかという気がいたします。これも両方の意見があることは分かっておりますけれども,具体的な財産を引当てにして担保的な価値を重視してということになるのであれば,もちろん物的担保をとるような方法もあり得るでしょうし,物的担保をとらないにしても,それなりに状況は,毎日監視していろとまでは言いませんけれども,何週間,何か月にもわたってその状況を把握していないというような場合に,先ほどの繰り返しになりますけれども,それを保証の具体的な引当てとして期待することをどこまで保護するのかということが議論になってくるのだろうというふうに考えております。 ● 今,根抵当との並びでという御趣旨の発言があったかと思うのですが,指しておられるのは恐らく民法398条ノ9のことではないかと思うのですけれども,もちろん,先ほどの説明で申しましたように,根抵当に関しては設定者の死亡というのは元本確定事由とはなっていないので,ここでは債務者の死亡ということを参考に考えなければいけないわけですが,そこで,根抵当に関して設けられております規律というのは,2項において,その死亡後,債権者と設定者との間の合意により,死亡後に生じた債務についても担保するものとすることができるという規律でございまして,そのような合意ができないときは相続後に元本が確定したものとみなされると。つまり,保証の場合に引き直して考えますと,死亡後に債権者と保証人との間で合意ができるのであれば,死亡後に生じたものについても主債務とすることができると,こういう規律になるわけでございます。   それで,このような同じような規定を設けることに意味があるかと言えば,保証に関しては根抵当のように順位の問題 は生じませんので,死亡後に合意によって主たる債務として含ませることができるというような規律を設けることというのはそれほど意味がないであろうと。つまり,そういう合意ができるのであれば,新契約を結んだって特段の支障はないだろうと。   全銀協さんの方で主張しておられますような猶予期間というのは,恐らく,そういう合意がなくても,一定期間に生じたものについては主たる債務の範囲に含まれるようにしてほしいという御趣旨だと思いますので,そういったような規律というのはそもそも根抵当においても存在していないというふうに考えております。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。この第2の部分で。 ● 先ほどの仮差押えのところについて,これは元本確定事由としないという話に戻ってもよろしいでしょうか。   ちょっと気になりますのは,例えば,仮差押えは立派な時効中断事由で,もちろん,その後その手続がどうなるかという問題が続きますけれども,これはどちらかというと保証人に有利に働くので,別に確定事由にしても何ら差し支えはないような気がするのですが,事務局レベルでわざわざ別にしようとされた真意がもう一つ伝わってこないのですが,その点はどういうふうにお考えなのですか。 ● もちろん,保証人の保護に資するという意味では,元本確定事由は広く設けることが適切だという方向に進むのであろうと思いますけれども,ここで元本確定事由としております趣旨としては,やはり債権者がそういう行動をとったということが,主債務者なり保証人なりの資産状態の悪化ということを債権者が認識していることの徴表と見られるかどうかということで,実際の意思にかかわらず元本確定事由とするということにしているわけでございます。担保権実行の場合は,主債務者の財産なり保証人財産なりの担保権を実行する場合,それはもう資産状態が悪化しているという認識のあらわれだというふうに評価してよいというのが大方寄せられた意見であったわけですけれども,仮差押えに関しては様々な場面で使われるので,債権者が例えば保証人の資産状態が悪化しているから仮差押えしたのだとは必ずしも言えない場合があるという実務界からの御指摘がございました。もしそういうふうに使われているのだとすれば,当然にそれをもって元本確定事由とするのは必ずしも適切ではないだろうと,こういうふうに考えた次第でございます。 ● 具体的に実務ではどういうふうにというのはちょっと気になりますけれども。   権利行使という観点から見ますと,民法は時効のところでは特に区別していないわけで,その場合だって,もちろん多目的のために仮差押えはなされるわけですけれども,これは債権者に有利に働きますけれども,法定の一律の扱いをしているので,ここでも別に一律でもいいような気もちょっとしたので,質問させていただきました。 ● 第2について,ほかに御意見よろしいでしょうか。 ● ただいまの御議論につきまして見解を申し上げます。これは冒頭申し上げましたことと重なるものですから,誠に恐縮なのですが。   まず,死亡のことでございますが,先ほど根抵当権のことにつきましては詳細な御解説をいただいたわけでございますが,別の座標軸での根抵当権の議論もあるかと思うのですね。というのは,根抵当の担保提供者であれば,これは登記すなわち公示をしておりますから,基本的にはその配偶者等の遺族,あるいはお子様も含めて遺族の方が,大体どのような担保提供であり,またその額であるかということは分かっておられるわけでございますが,保証人はそういう公示などありませんから,およそ知らないわけですね。したがって,非常に不幸なケースの場合には,残された御遺族が,保証人になっていること自体を全く知らない,それで知らないままに貸し込まれていたというふうなケースが多分にあるわけでございますから,そういう意味では,そのことにむしろ重きを置かれると,やはりおのずとこの死亡というものが元本確定事由になるのだというふうな理解に私どもは達しているということでございます。   それから,先ほどの仮差押えのことでございますが,中小企業金融の現場で考えますと,業績の悪化等を理由とする信用不安等による仮差押えも当然あるわけでございますが,むしろ別のトラブルによって,制裁的な意味合いで,債権者が期限の利益を喪失せしめずに仮差押えを行うというようなことがある。すなわち,仮差押えは,御案内のとおり,担保権の実行や強制執行と異なりまして,貸出金の期限の利益は喪失しなくてもできるわけでございますので,そういった点ではぎりぎりと交渉事を行う場合のある種の手段として使われるというふうなケースもございまして,そのような形で債権者と債務者がある種紛議を生じているような場合に,一方的に保証債務が確定するということは,債務者にとっても,これはかえって,ある意味,力を失うことになりますので,いかがなものかと。やはり,いずれまた和解をすれば取引が復活するというようなこともあり得るわけですから,そういった点からしても,仮差押えがもろもろの局面で使われるがゆえに一律に確定事由にされるのはいかがなものかというふうに思っております。 ● ほかに御意見いかがですか。   第2についてはよろしいでしょうか。 ● 議論がなかったところなのですが,破産手続開始の決定の関係で,各界の意見の中に,民事再生とか,あと特定調停というようなのもありましたけれども,そこまで含めるかどうかはちょっとよく分かりませんけれども,例えば民事再生の手続とかを主債務者もしくは保証人がとった場合というのを確定事由に同様にしなくていいかどうかというのはいかがなのかなと思ったのですが。 ● 基本的に,ここで破産のみを掲げておりますのは,御案内のとおり,根抵当において破産しか掲げられていないということに起因するものでございまして,根抵当に関しましても同様な議論がございます。一つには,再建型の手続では事業を継続するのだから必ず確定するものとする必要はないという議論がございまして,他方で再建型の場合でも確定させるべきであるという議論があるところでございまして,そのような議論がある中で,今回,再生まで含めるということにすると向こうの解釈論に影響を与えるというのが,消極的ではありますけれども,一つの考え方でございまして,ひとまず横並びで規定を設けるということを提案させていただいた次第です。破産以外の部分は解釈に委ねるという趣旨で考えております。 ● ほかにいかがでしょうか。--よろしいでしょうか。   それでは,もう一つ,「第3 個人の保証人が求償権保証をする場合の取扱い」の部分について,甲案でいくという点についてはいかがでしょうか。事務局のこういう案でよろしいということでしょうか。 ● 全銀協でまだ意見が集約されていなくて,甲案・乙案両方あるみたいな支持をしている状況でまとまっていないのですけれども,一つ単純な疑問としまして,この求償権に対する保証人の保護をあえて取り上げる必要があるのかなという疑問でございまして,恐らく保証協会の保証というのは甲案であれば特段問題はないというふうに思っておりまして,それをあえて規定を設けることがどれだけの意味を持つのかなというのが,単純な疑問というか,そこまで取り上げる必要性があるのかなというのがそもそもの疑問でございまして,そこら辺をどう考えたらいいのかなということです。 ● これも以前御説明したかもしれないのですけれども,もちろん,こういった形の求償権保証が社会的に大きな取引の量としてあるものは,御承知のとおり信用保証協会が大きな部分を占めているわけですが,それだけに限られていないという問題がございます。特に昨今では,商工ローンの貸金業者が保証会社を介在させて実質的に高い利息を取るみたいなことが,これをみなし利息として扱われて裁判で判断されているというような事例に見ても明らかなとおり,保証会社を介在させて,実質的には直接の貸付け,直接の個人保証みたいなものを求償権保証の形で目的を達するというケースが考えられないわけではないということがあると思われます。ですから,もちろん,実際に行われている例としては信用保証協会の例が多いのでしょうけれども,そうではない場合にこういった求償権保証を悪用されるケースが考えられるので,これについても一定の枠をはめておく必要があるだろうというのが一つでございます。   もう1点は,信用保証協会も実務的にはこういった枠がはめられているということもありますし,前も御説明したように,基本的には根保証自体が非常に少ないということは御説明したとおりですけれども,やはり限度額の定め方といったものについては,今の実務とここに書いてあることとでは多少そごがある場合もあるようでございます。要は,元本の極度額を決めているのかどうかというあたりについてはここに書いてあるとおりにやっていればどうかということになりますと,必ずしもそうではないという場合もあるようでございますので,その点でも,信用保証協会を対象に考えても全く意味がないわけではないというふうに考えております。 ● よろしいですか。この点。 ● 日弁連でも,結論としては甲案でよろしいのではないかということだったのですが,ちょっとよく分からないのは,例えば,当該貸金等根保証契約において保証の限度額の定めがあって,保証期間の定めが5年を超えないものがあるということを前提にして,自動更新の約定なんかがあった場合にはどうなるのかなと思ったのですが。 ● 最終的にそれを防ぐための規律を設ける必要があるかどうかというのはよく検討したいと思いますけれども,実質としては,根保証契約の方が更新されたから当然にその後のものについても求償債務の保証を負うというようなことにしては意味がないというふうには考えております。 ● では,その点を明確にする手当てをしていただけるという前提ですね。 ● ほかに何か御意見ありましょうか。 ● これはあくまで実務の視点からでございますが,第3の(注2)につきまして,特に限度額に関して,元本のほかに利息・損害金を含むのかどうかのことに関しましては,信用保証協会連合会さん等のお立場からすると大変大きな御疑問を呈しておられるというふうに私は仄聞しております。中小企業金融の,特に資金調達をする立場の者から言いますと,このあたりのことどもはよく御斟酌をいただいて,御当局において--我々審議会でも決めるわけですけれども,御当局の方で御斟酌をいただければと思います。 ● 今お話がございましたが,私どもの方でも信用保証協会の考えとかについて確認をして,また必要があれば御連絡申し上げます。 ● 第3の,先ほどの日弁連さんの自動更新との関係でなのですが,自動更新はだめだというのは分かりますが,合意で更新をすると。債務者と債権者,信用保証協会がきちんと合意して,じゃあまた5年間と。求償権保証の方は合意なしに,3当事者が合意すれば自動的に延長してしまうのですか。それとも,求償権保証については,当初の5年なら5年でもう確定というか, 求償権の保証人が更に継続しますよということに合意しない限りは切れてしまうということでよろしいのですか。 ● 少なくとも求償権保証に関しては,根保証の方が更新されたとしても,その更新後のものについては当然には保証債務を負わない。それは,他人の合意によって自分の債務の内容が左右されるのは理屈として問題があるからだというふうに考えております。   ただ,参照しなければいけない問題としては,賃貸借の保証人の地位というのがどうなのかという点かなと思うのですが,賃貸借に関しては,賃貸借が更新された場合に,その賃貸借の保証人についても,特段の事情がない限り,更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証責任を負うという最高裁の判断があるわけでございますけれども,そこで理由として掲げられているのは,賃貸借というのは基本的に更新されるのが通常であるから,保証人としても,通常であれば,特段の事情がない限り,そういうものとして保証債務を負っているはずだということであったと思います。   ここの求償権保証に関しては,そういったような事情は基本的には考えられないのではないかと。したがって,その更新後のものについては当然に保証債務を負わないと考えてよいのではないかと一応考えておりますが,なお御意見をいただければと思います。 ● ついでに,今の賃貸借でない方での確認なのですが,通常の継続的な融資取引において,求償権保証で5年がたちましたと。求償権保証人としてはその更新にオーケーはしていないと,自分の債務は。ところが,本来の債務者とか,あるいは機関保証している保証会社等々は更新をしました,次の5年のステップに入りましたという場合に,求償権保証はそれでもう効力が切れてしまって,保証人は一切何の責任も負わない状況にきれいさっぱり解放されたということになるのか,5年で確定請求をして求償権を確定させていれば負担したであろう金額についてはその後も残るというような感じなのか。それだと,どんどん主債務は入れかわっているはずですから,最初の5年間の時点で残っていた債務は,次の1年ぐらいの間にもうきれいさっぱり消えているはずなんですよね。そのあたりはどのように考えられますか。 ● それはやはり,その保証期間の間に発生した主たる債務については,その後も,将来求償権が発生したときに,その保証期間の分の主たる債務に基づく求償権の範囲では,求償権の保証人は責任を負うということになるのではないかと思います。 ● ただ,継続取引ですから,どんどん弁済されていますから,どんどん消えていくわけで,いずれゼロになるということですね。 ● それは,求償権保証ではなくて,そもそも保証に期間制限をするわけですけれども,それは継続的な金銭の貸付けとは別なわけですよね。だから,そっちでも全く同じ問題が出るんじゃないですか。それと同じに扱われるというだけの話で。もともと保証期間が5年とか何かに限ろうというわけでしょう。だけど,その前提になっている継続的な契約,銀行と主債務者との契約というのはどんどん続いていくことは十分あり得るわけでしょう。そのときと同じ議論ではないかと思うのですが。 ● 経営者保証で,経営者が交代すれば保証人ではなくなるというような取り決めをしている場合に,経営者がやめた時点での債務については……。 ● そこまで行って残っている債務については,保証する。 ● するけれども,しばらくするうちに消えていくからゼロになるということと同じだということですね。 ● ほかにいかがでしょうか。--よろしいですか。   そうすると,一応,本日のところは大体御議論いただいたのですけれども,本日のところでまだ前に戻って御意見があればお伺いしたいと思いますが,それとあわせて,この部会資料5に触れられていない点についても,何か御意見がありましたら,お伺いしたいと思います。 ● 今回,各界からの意見の概要をおまとめいただきまして,非常にいろいろな意見があるということで,ちょっと言い方に語弊があるかもしれませんが,いつの間にか訴訟物が小さく,かわいくなりつつあるような気が,これを見ながら,ちょっとしたわけです。   批判はもちろん,債権者側のものと,保証人の保護を考えるものからのものが幾つかあるわけですけれども,例えば概要の30ページで,特に判例なんか読んでいる者としては,気になりましたのは,例えばということで,今回の改正の方向が認められたとして,それで商工ローン被害に対して何らかの対策になるのかというと,全然ならない。商工ローン被害もきちんと極度額も期間制限もあったのだというふうな認識がされていまして,やはりああいう悪徳金融業者絡みの保証人の,正に限度額につけ込んで貸し続けて,主債務者からは利息だけ取るというふうなタイプのものを意識した形での議論をする必要があるのではないかという感じがしております。   そのことは全銀協さんの2ページのところにも同じ問題意識は一部あらわれておりまして,この商工ローンの問題,あの事件においては限度も期限もあるということであって,全銀協さんの趣旨も,こういう問題をきちんとつぶすということはなるほど民法上も意義があるだろうという御趣旨だというふうに私は読ませていただきました。   それで,幾つか,やはり訴訟物を広げたいという提案をさせていただきたいと思うのですけれども,例えば,手書き要件につきましては反対もありますけれども,自書能力のない人についての手当てが必要だから自書は不要だという意見があるのですが,そんな人まで保証人としてとる必要があるのかという気が私はいたしまして,入院している場合にどうするかとあるのですけれども,せめて体が健全でぴんぴんとしている人が保証人になるというのがノーマルな姿だと思いますので,その辺はやはり理由になっていないと思いますので,一度やはり手書きに関する議論をしていただきたいというふうに思います。   二つ目ですけれども,概要の20ページですが,この辺で,通知義務というものをやはり何らかの形で--定期的に年に1回という形で課するやり方もありますし,このとりまとめにありましたように,一定の事由が発生したら直ちに通知すべきだという通知義務の課し方の二つの可能性があると思いますけれども,これに向けて前向きの意見が幾つか表明されております。   そのときに,全銀協さんの立場を常に気にしているのですけれども,その点についてどうお考えなのかと思って,レレバントなところがありまして,6ページの全銀協さんのまとめでは,やはり通知義務云々というところで,主債務の状態がいかなる状態であるかどうか知っているか知っていないかが本当の大事なポイントであって,知っている人にはその限度額も当然分かっているから定める必要がないというふうな流れにあったと思うのですが,これは逆に申しますと,全銀協さんの立場でも,少なくとも純粋の第三者保証なんかの場合,特に商工ローン事件なんかを念頭においた場合には通知義務はお認めになることについては別に抵抗感がないのかなというふうに勝手にこの点は思わさせていただきました。   それから,概要の23ページですけれども,この辺で,事後的な責任制限という形でありまして,ここで東弁の方から出されましたのは,非常に長い文章ですけれども,一切の事情をしんしゃくして保証人の責任を免除・軽減するというふうなことが出されておりますし,この点は,契約成立時点における保証人の資産を勘案したところの,支払能力を勘案したところの適合性原則を契約成立時点で認めるかどうかというものと,それから,契約成立後に貸込みというふうな事態があったりして不必要に保証債務の額をふやした場合の債権者側の保証人に対する保護義務の問題という二つの問題に一応分けるべきかもしれませんけれども,そういう形の議論もやはりやる必要があるのではないかという感じがいたしまして,この議論は,特に商工ローンみたいなタイプの場合には,そういう規定がありますと有効になるのではないかという感じがしております。   全銀協さんの念頭の中心は,経営者保証は別枠というわけですけれども,第三者保証も含めて立法するというときにはやはりそれなりに,経営者保証がこうだからということだけではすべては割り切れませんけれども,第三者の保証人を保護するということについての社会的需要が強いということも忘れないで,そういう議論を,もう残された回数は次回で終わりのようですけれども,是非ともお願いしたいというのが私の希望です。 ● 今,○○委員の方から出た話題のうち,先に後の問題の方を取り上げたいのですけれども,どちらかというと,与信・受信両方やる金融機関ではなくて,商工ローン,貸金業者の話というのが出てきて,そことの関連でも通知義務の話なんかが出てきたのですが,これも最初のころに御紹介差し上げたかと思うのですけれども,貸金業法の中で,17条・18条のところで,根保証契約をやっている場合に保証人に一定の事項を通知する義務が課されていると。それについては,行政上の制裁とか罰則も科されていて,今ちょっと手元に規則まで書いてある六法がないものですから分からないのですけれども,少なくとも具体的な根保証の対象になる貸付額については通知の対象になっていたと。あと,不履行についてどうだったか,今記憶していないのですが,そのあたりからすると,具体的にここで議論している一般的な民事法の中でどこまで手当てするのか,特に,今おっしゃったように,具体的な弊害が,と言うとちょっと語弊がかなりあるのかもしれないのですけれども,そこについてはかなり業法上の規制が詳細にされているという実情がありますので,そのあたりのことをどう考えるのかと思っております。   それから,自書の問題ですけれども,これはもちろん,自書をすることのメリットで,慎重さを担保するということで,意味は相当程度あるのだろうと思っているのですけれども,記載能力云々ということは別としまして,それを一律に要求するということをどういうふうに考えるか。日本の社会の中で,自分で署名させる,特に金融機関の取引なんかではそういったことがむしろ重視されてきているのだろうということはあるのですけれども,そうは言っても,実際にサインするかどうか,記名・押印というような形態の契約の締結の仕方も相当程度あるということからすると,そこを一律にそういったことを決めてしまうことについてどう考えるかということを少し慎重に考える必要があるのではないかというふうに考えております。 ● ほかの点について。あるいは○○委員の意見に対する意見でも結構ですけれども。 ● 先ほどの○○委員の意見とは違って,むちゃくちゃ訴訟物が小さい質問で恐縮なのですけれども,先ほど,最初にありました保証期間の合意によって保証期間の定めがない場合で,A案がいいかB案がいいかという議論がなされましたけれども,A案がいいかB案がいいかという話ではなくて,そもそもB案ですと,法人である主たる債務者の代表者が保証人であるときはということで,保証人の属性によって扱いを切り分けるということになっておりますけれども,商工会議所さんからの意見書にも,同じような問題意識なのかと思いますけれども,3ページにございますように,例えば経営者保証の場合に扱いを異ならせるのが妥当なのだという立場に立ったとしても,立法するときにきちんと書き分けられるのかどうかというのが非常に疑問で,そのあたりを意識しないで議論をしていると,何となく時間もないので議論が効率的ではないのではないかなというふうに思います。まあ,ほかにも,経営者保証と第三者保証を切り分ける規律がどうかというオファーが幾つかございますけれども,そもそもどう切り分けるか,切り分けをどう書くかとかいうことについて,私,もしかして失念しているのかもしれないのですけれども,事務局の方で何か非常に具体的な案をお持ちなのかどうかというのを教えていただきたいのですけれども。 ● 多分それは事務局ではなくて,全銀協の方が提案したと思っておりまして,それは7ページ目の一番上に,「法人である主たる債務者の代表者」という形で定義させてくださいというのを御提言させていただいています。事務局の方はそうではないので,これは全銀協が申し上げているところです。   それで,これにつきまして御議論があるというふうに思っているのですけれども,一応,これは,全銀協としましてそれなりの見解を踏みまして,これであれば裁判規範に耐え得るだろうという結論で提言をさせていただいているものということでございます。 ● 全銀協さんの方からそのような御提案があったと先ほど御紹介があったので分かっておりますけれども,事務局の方がどういう御意見なりお立場を今お持ちなのかということをおっしゃっていただきたいと思います。 ● 今までここで俎上に乗ったものとしましては,代表権の有無と,全銀協の方で御提示いただいた代表権プラス議決権等の過半数,直接・間接に過半数ということだと思います。ちょっと説明が足りないのかもしれませんけれども,従前から説明していると思っているのですけれども,まず,議決権の過半数云々という基準につきましては,直接・間接ということをどういうふうにきちんと規範的に書いていくのかという問題があろうかと思います。それは,直接・間接ですから,親会社・子会社を介して孫会社的な保有も含めて,2分の1,2分の1以上の要件を満たしている間接的な保有形態も含めて全部ひっくるめたら2分の1以上だという趣旨なのかもしれませんけれども,そこの点はいま一つ明確ではないのではないかというふうに思っております。   それから,もっと根本的な問題ですけれども,これは最初に○○委員の方から御意見をいただいた際に私の方から申し上げたのですが,経営者・代表者ということについて,直接の貸付けの当事者的な地位にあるから,まあ部外者的な立場ではなくて別扱いする合理性があると,こういう論拠を一つ切り分けの理由として考えていると思うのですけれども,議決権の過半数ということだけではその点を合理的に説明できないのではないかということはかねてから我々は考えているところでして,これも繰り返しになりますけれども,会社の持分を半分以上持っているということは,それは所有はしているのだけれども,実際に具体的にどういった業務執行をやっているかということについてどの程度コミットしているかということは何の保証もない,関連性もないと,極論すればそういうことになってしまいますので,その基準だけで切り分けをするのは適切ではないのではないかというのが事務局の考え方でございます。   ですから,銀行協会さんの意見,それから金融機関からの意見としては,そういった議決権要件みたいなことでの経営者性で切り分けるという御提案をいただいているところですけれども,事務局としては,仮に経営者かそうでないかということを切り分ける際の基準としても,従前から申し上げているとおり,代表権の有無で切り分けるという方法しかなかなかうまい切り分けはないのではないかというのが,現段階の考えでございます。 ● 先ほど○○幹事の方からも御紹介をいただいたところなのですが,裁判所の方では,内部の意見としまして,代表者の地位を有しているか否かの基準時点,それから地位の得喪が生じた場合にどのように扱うのか,このあたりの問題もあるのではないのかという意見が出たところなのですが,このあたりは事務局としては何かお考えはございますでしょうか。 ● そのあたりについても,切り分けをするとなると,かなり細かな規律を設けなければいけないのではないかという問題点があるとは思っています。   ただ,これも,代表権があるものについて,B案ですと解約権行使というような措置にとどまるということになるのですけれども,その場合に,その後代表権を外れたらどうなるかという点が典型だと思うのですが,B案における3年経過後に退任したときには,もともと解約権は行使できるので,それで当然解約にするのかというと,考え方としては両方あり得ると思いますけれども,B案を仮にとるとしたら,なかなかそこはしにくいのではないかと。   それからもう一つは,一番問題になるのは,3年なら3年の期間経過前に代表者から退いたというときですけれども,この場合,一番分かりやすい手当てとしては,その時点から確定請求権を付与するという規律なんだろうと思います。ただ,これは,代表権から離れた場合に特別解約権を一般的に認めるかどうかという議論と並ぶ問題がございまして,一定の期間を定めているような平場の第三者がその期間に拘束されるのに,そうではない代表者,これは代表者ということを機縁として根保証を引き受けたということがかなり多いということは否定できないと思いますが,それにしても,通常の第三者は期間を決めてあればその期間拘束されるのに,その間で代表権を退いたらそれで解約権を付与するということのバランスをどう説明するか。これは何度も説明しているような気がしますが,今言ったような問題がございます。   ですから,いずれにしても何らかの措置を講じるかどうかということもちょっとまだ具体的に,B案だったらどうなるのかということまで詰めておりませんけれども,B案でも何も講じないというのも今の説明でお分かりだと思いますけれども,一つの考え方としてはあり得るだろうというふうに思っております。 ● ほかにいかがでしょうか。 ● 今の点に若干かかわりますけれども,少し違う問題について御質問させていただければと思います。   最初に○○委員から幾つか,訴訟物を広げるべきだというようなお話をされましたけれども,その一つとかかわる点ですが,中間試案で言いますと第1の4の「(2) その他」(注1)でしょうか。つまり,事情変更に基づく解除といいますか,こういった方策については検討を要する事柄だと。先ほど来から見ていますと,検討を要する事柄ではあるけれども法文化は見送るというような御趣旨ではないかなというふうに伺いました。ただ,こういったものを否定する趣旨ではなくて,信義則等一般法理によって認められるということ自体は否定されないので,わざわざ書くまでもなかろうと。少なくとも,書こうとするとなかなか要件設定が難しいので見送るということなのではないかというふうに思います。ただ,この事情変更解除に関しましては,これが認められるということ自体は判例及び学説上異論のないところだろうと思います。   そして,異論のないところなんだけれども,しかし今回新たに立法が行われて,保証人保護の制度を整備すると。しかし,その法律を見ても書かれていない。民法典を見てももちろん書かれていない。保証人にとって重要な保護手段の一つであるにもかかわらず,どこにも明文の形では書かれていないという状態が,今回わざわざ立法するにもかかわらず,続いてしまうというのはいささか問題ではなかろうかと。認められない,異論があるからだめだというのであれば分かります。例えば先ほど挙がっていた例では,適合性原則云々というような事柄につきましても,私法上の効力についてはなかなかまだ,議論はしているけれども,意見は一致しないところで,こういうのを見送るというのはよく分かるわけですけれども,認められること自体に異論がないものについて,しかし書かなくても一緒なんだから見送ろうというのはいささか問題があるのではないかなと思います。その上で,要件をどう設定するかというのはもちろん問題ではあるかとは思うのですけれども,やはり簡単に外れるというのはやや疑問があるかなという,まあ意見にすぎませんけれども,ちょっと申させていただきます。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。 ● 今日まとめていただいた参考資料の「中間試案に対する各界意見の概要」の28ページで,連合の意見として出させていただいたのですが,いわゆる身元保証について手を加えるべきこともあるのではないかという話でございまして,一応,今回の議論は,包括根保証ということの現場のニーズから含めて入ったという議論の経過は承知しておりますけれども,考え方として,かなり継続的な保証の部分のところを重点にして,なおかつ,いわゆる第三者的保証の部分でやっている人たちに対して過酷である,被害が及ぶという観点からしますと,こういう考え方で仮に今回の包括根保証というのに規制を加えるという考え方でいくと,現在の身分保証の在り方についてもほぼパラレルに同じようなことをするのは,考え方としては筋が通っているのではないかなというふうに考えております。   今回,仮に限度額あるいは期間制限,まあ身分保証は一応期間3年ということで法律に身元保証の方には書いてあるわけですけれども,どうも現場で聞いていると,これは更新の有無とかいうのが非常にあいまいになっていて,実際いつまでもだらだら続いているんだみたいなような議論が一つ出ているだろうというふうに思いますし,現状,これが頻繁に過酷に悪用されているというよりは,それほどはお聞きをしてはおりませんけれども,考え方としては,そういう制限というのもやっぱりきちっと設けるべきではないかというふうに思いますので,御検討をお願いしたいと思いますし,これは,この包括根保証を考えたロジックというか考え方からするとそのとおりなのですけれども,同時にまた,これは政策的な観点から身元保証ということを考えますと,これがあるがゆえに,使われているがゆえに,現実に雇用機会を狭めるという問題が実際にはあるのだというふうに思います。   当然,身元保証にしても,それは当事者の契約の自由でつくれるということになりますが,実際上,労働者にとって,雇用にこれが条件となっているというような部分がまだ少なからず,運用としてはある。これは,雇用機会の公平性とか拡大とかいう部分において一定の足を引っ張っている部分がありますので,雇用にかかわる部分についての身元保証等についてはこれを禁止するとか,そういったような手を,これは政策的観点から同時に手を加えるようなことを検討していただければ有り難いと思います。 ● 何かありますか。 ● 非常に難しいテーマでして,実は身元保証の実態についても--身元保証法自体,所管しているのは法務省なので,それは責任を持って調べる必要があるのかもしれないのですけれども,関係する省庁にも問い合わせたのですが,雇用の際のこういう付随的な契約の実態についてどうも十分に把握していないという状況がございました。   そういうことになると,率直に言って,今回ここに,身元保証の内容についてとか,今,○○委員がおっしゃったように一定の場面で禁止するとか,そういったことまではちょっとなかなか手がつけられないかなと。   これは冒頭,議論を始めたときに申し上げていることなのですけれども,確かに,今回の根保証の規律というのは,身元保証を参考にして,可能な部分は違う規律を取り入れている部分もあると。恐らく,保証人保護という観点からすると,可能なものは,例えば身元保証にも及ぼしていくということがあり得るのでしょうけれども,これも繰り返しになりますが,身元保証の場合,限度額の決め方というのが難しいと。まあ,難しくても決めろというのはもちろんあると思っていますけれども。   それからもう一つは,身元保証法の方は,責任の減免について最後のオールマイティーみたいな規定があって,そことでバランスがとれているという面は否定できないだろうと思います。ですから,そこをどういうふうに整理するかということはかなり大きなテーマになってくるのかなという気がしておりますので,もちろん,これは引き続き検討するべき課題なのだろうというふうに認識しております。 ● ほかにいかがでしょうか。 ● また視点が狭いと怒られるかもしれませんが,保証期間の制限等の中でもう一度申し上げておきたいのですけれども,先ほど,正常な取引の場合は余り関係がないみたいなことをおっしゃったと思うのですけれども,よくよく考えれば,正常な取引といいますか正常な関係においては,恐らく保証人の方からもう一度見直してという議論は起こらないと思います。   そうすると,A案で,3年ごとにあえて保証を見直しするという必要性はまずなかろうかなというふうに思われると。整理すれば。次に,じゃあ保証人の方からどうしても手を上げたいというときにはどうなのとなると,A案よりもB案の方がシンプルといいますか,3年後にいつでも解約権があるということですから,極めてシンプルではなかろうかなと。おっしゃるように,3年ごとだけれども,その期間の間は任意でいけますよというのは確かにそうかもしれませんけれども,3年後にはいつでもできると言った方が極めてシンプルで分かりやすいのではなかろうかなというふうに思っています。   これは何度も申し上げますけれども,銀行界は決して保証期間の制限がない方がいいからこの案を取り上げているということではなくて,全銀協としましてはこの問題を重く受けとめまして,アンケートも行い,何度も議論を重ねた結果,真摯に受けとめた結果,保証人保護に何がなるのと出した結論がこれだというふうに,是非そこは御理解をいただきたいというふうに思っておりますので,よろしくお願いします。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。 ● 若干技術的な問題を質問させていただきます。   今回の立法の適用の対象としてはずっと議論されていて,一応は貸金債務についての根保証で,かつ個人の場合だということですね。そして貸金債務の場合という限定をつけられたと。この貸金債務についてであるということは,典型的な保証ですと明白だろうと思うのですけれども,必ずしもそうではない場合,ボーダーラインのものもあるでしょうし,また,定め方自身がぼやっとしていて,貸金債務が含まれているようないないようなという場合もあり得ると。こういう場合について,この立法の適用があるかどうかということについて,貸金債務であるということを言う必要があって,この証明責任というのはどちらの当事者が負うというふうに想定されているわけなのでしょうか。 ● そういった決め方の問題はもう一度検討させていただきたいと。   端的に言えば,それはその規定の適用を主張する側ですから,貸金債務だという主張をする側が立証責任があるはずですね。 ● 典型的なもので言いますと,保証債務の履行を求めていて,それに対する保証人が,例えば限度額の定めがない,あるいは期間の定めが限度を超えているなどなどと同時に,これは貸金債務の保証であるということも保証人の側で言わなければいけないということですか。 ● そうなると思います。 ● 今の点ですけれども,保証人に対して保証請求するときに当たっては,当然のことながら元債務についても主張しなければなりませんから,元債務を言ってしまうと,結局,限度額がないということを抗弁で言えば足りるはずですから,裁判所の好きな要件事実的にいけばAプラスBとかいうようなことになるかと思いますから,それは,あえて保証人の方から言わなければならないというケースばかりではないと思います。 ● 主債務があらわれているということですか。 ● まず,保証人に対して請求をするときには,主債務が何であるかを言って,それに基づいて保証債務が発生していますよと言いますから,必ずもともとのが貸金であるかどうかということを言わざるを得ない。貸金であるということを言う,それがぼやっとしたようなもので,貸金と評価できるかどうかという法律評価の問題だということに尽きてしまうのではないでしょうか。 ● 貸金債務を含む契約だから。必ずしも主債務で現実に請求するのは貸金債務とは限らないわけですよ。だから,貸金債務を主債務で請求している事件であれば,それは言わなくてもいいのだけれども,貸金債務を含む保証契約で,主債務として履行請求されているのが貸金債務じゃない場合というのはあり得るわけでしょう。だから,そういう場合は貸金債務が入っていますというふうに積極的に言わないと,それは主張立証しないと,自動的には来ないということです。 ● ちょっと補足しますと,今,事務局で提示している案というのは,貸金債務を対象に予定している根保証契約であればいい,そしてその幾つかの中に貸金債務が含まれていればいいという要件立てをしているものですから,例えば貸金債務と売掛金債務とを根保証の対象にしていて,売掛金債務を請求してくる,それで売掛金債務の保証責任を追及してくるということはあり得るということを今申し上げて,そうなってくると,貸金ではないという形の請求をしてくる場合が保証人の責任追及の場面としてはあり得るということです。 ● 先ほど来のお話は,考え方としては分かるのですけれども,ただ,債権者の側が保証人に対してその保証債務の履行を請求していくときには,債権者の側で保証債務の内容を特定しないとだめではないのですか。多分, おっしゃりたかったのはそういうふうに読めるんじゃないかなと思ったのですけれども,そうすると,やはり債権者の側が,貸金債務が含まれているような保証契約を締結したのだということを言わざるを得ないのではないかなと思ったりもするのですが,それは違うのですか。何でもいい,要するに,保証債務が,内容をある程度特定して,それの履行を求めるのだということのみを言えばよくて,保証人の側が,その中に貸金債務も含まれているような保証だということを抗弁でわざわざ言っていくということなのでしょうか。何か争いになりそうな気がしてならないのですけれども。特に,主債務が貸金債務でないようなものを挙げて,そしてその保証債務の履行を求めていくようなケースですね。ですから,正に紛争になりそうな問題に関して言うと,どうなんだろうと。 ● 今言われたように,社会的ニーズとしての根保証というものを考えたときに,根保証契約はどんなものかということを言わざるを得ないですよね。そうすると,言っていく中には, 貸金も入ってますよ,こういう取引も入ってますよということで,取引内容を明示しなければなりませんから,請求原因の中で出てきてしまうんじゃないですかね。一般的なケースですけれども。   だから,その評価が,それが貸金と言われ--まあ,最近は複雑な契約がいっぱいありますから,それが貸金と評価できるかどうかというのは多分法律上の問題として発生する余地はあるかもしれませんけれども,立証責任という意味で言ったら,そうではないですかね。法律評価の問題と立証責任の問題。立証責任というのはあくまで事実の存否の証明ですから,それをあと法的にどう評価するかという問題とはまた違うのではないかと。 ● だから,社会的事実というのをどの程度に考えるかということなんですよね。   昔みたいに,社会的事実をできるだけ分けないで,一つのものとして立証責任の対象にしていこうという考え方があるのだけれども,現実に保証債務の範囲が幾つもあるときに,そのすべての保証債務を主張しなければいけないかといったら,そんなことはないので,現実に成立している保証債務が入っているということさえ言えば足りてしまうわけですから,実際問題としては。ですから,事実上の問題としてそういうことは起こり得るということを言っているわけです。それは,あなたが言うように,保証債務というのは社会的事実で一つだ,だからそれに書いてあることはすべて主張立証しなければ本来立証ができないはずだというなら別だけれども,必ずしもそうではないのだから。 ● ただ,ここの議論の中の前提としては要式性を要求しておりますので,その要式性の中で保証の内容が明らかになってくれば,立証責任ということはそれほど重みがあるかどうかについては疑問がある。その点は言えるのではないでしょうか。 ● 今の点ですけれども,この法律が適用されれば要式性が要求されるので,今の議論の前提には,この法律が適用されないところの根保証であるという訴訟を起こしてくるというのが前提でしょうから,そうすると書面は出てこないわけですよね。それで,根保証の被保証債務として貸金は入っていないという趣旨の請求が立っているわけですよね。いわばうそをついて請求してくるはずですよね。それに対して,保証人の側が,実はそうではないんだということを言わなければならないということにならざるを得ないのではないですか。うそをつかれたら,それはうそだと言わなければならない。根保証自体は書面が要らないというのが前提ですよね。 ● 書面自体は要るのですけれども……。 ● 根保証についてはすべて書面が要るわけでしたか。 ● 保証は一般に。   ○○委員がおっしゃるのは,多分,対象債権の範囲について書面で記載しているかどうかというあたりが問題だと思うのですが,まだ明確になっていないところが残っているのですけれども,少なくとも根保証について限度額と期間の問題については明示されるような形で規制を考えたらどうかということを言っておりますので……,まあ,ちょっとそこは確かに,今までの議論の中では,対象債権については多少レベルの違いがあるのではないかということは言えると思います。 ● ほかにいかがでしょうか。   それでは,よろしいですか,今日の段階では。   それでは,そろそろ時間でございますけれども,一応,予定した議題については御意見をいただけたと思いますが,今後の議事日程につきまして,事務局の方から御説明をお願いします。 ● 次回の議事日程でございますけれども,8月3日の火曜日,午後1時30分から4時30分ということで,場所はこちらの20階第1会議室でございます。   次回,何とか要綱案のとりまとめをお願いしたいと思っておりますので,資料をお送りするなり,事前にいろいろ意見をちょうだいするなりして,何とかまとめられる方向で事務局の方としては努力したいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ● それでは,法制審議会保証制度部会を閉会させていただきます。本日はどうも熱心な御討議をありがとうございました。 -了-