法制審議会倒産法部会特別清算分科会第4回会議 議事録 第1 日 時  平成16年5月21日(金)  自 午後1時00分                        至 午後4時57分 第2 場 所 法務省第1会議室 第3 議 題 特別清算及び会社の整理に関する改正検討事項について 第4 議 事  (次のとおり)               議         事 ● まだ若干お見えにならない方もおいでになりますが,定刻となりましたので第4回特別清算分科会を始めることにしたいと思います。   しばらく時間があきましたけれども,またよろしくお願いいたします。   それでは,まず配布資料の説明等につきまして,○○幹事の方からお願いいたします。 ● それでは,私の方から配布資料の説明をさせていただきます。   本日,御利用いただきます資料は,事前送付のもので分科会資料番号4「特別清算及び会社の整理に関する改正検討事項」でございます。これは,これまでの第一読会の審議結果を事務当局におきまして要約いたしまして,意見が分かれた点について再度御審議いただいて,次回の部会での審議に備えるという趣旨のものでございます。   それから,特別清算とは直接かかわりませんが,破産法案の審議状況について簡単に御説明したいと思います。   衆議院での審議が,先週,今週とございまして,この間,○○委員と○○委員には参考人としても御出席いただいたところでございます。本日,衆議院の法務委員会で採決がございまして,全会一致で可決されたところです。   今後の予定ですが,来週の前半,多分25日には本会議での可決成立が見込まれるところでございます。   私からの説明は以上でございます。 ● 御苦労いただきました破産法案,間もなく無事に成立するようでございますので,御同慶の至りです。   それでは,早速本日の議事に入りたいと思います。   分科会資料4につきまして,いつものように適宜段落を区切って説明をお願いしたいと思います。 ● それでは,特別清算分科会資料4について御説明いたします。   ただいま○○幹事の方から御説明いたしましたように,今回の分科会資料は,これまでの審議結果を要約いたしまして,倒産法部会に報告するということと,第一読会において意見が分かれた点について再度御審議いただくという趣旨で作成したものです。もっとも,すべての事項について分科会の意見をこの場で取りまとめるということまでは必ずしも予定しておりませんで,今回の審議の結果,なお意見が分かれる事項については,複数の案を併記する等の方法で倒産法部会に報告したいと考えております。   また,今回の分科会資料をもとに,倒産法部会への報告のための部会資料を作成する予定ですが,本文と注をどのように振り分けるか,また注の中の補足説明的部分をどのように取り扱うか,更には本文についての文章の表現については,なお検討させていただきたいと思っております。   それでは,内容に入りますが,第1では「特別清算の見直しの方向」を取り上げております。   この点については,破産法分科会以来,山あり谷ありでございましたけれども,第1回会議で御審議いただいたところ,ここに記載したような考え方に賛成する意見が多数を占めたことから,第2回,第3回会議では,このような考え方を基本にして,個別の検討課題についての検討を行ってまいりました。   なお,この考え方のバリエーションとして,存立中の会社への拡大をするという考え方がございますが,この点については第3で取り上げております。   第2では,「特別清算の見直しについての個別の検討事項」として,各論的事項を網羅的に取り上げております。   1は「管轄」を取り上げております。第2回会議の結果を踏まえまして,原則的管轄としては現行の特別清算と同様の,本店所在地の地方裁判所を管轄裁判所と定めた上で,その特例として,子会社,連結子会社の管轄の特例を設けるとの考え方を掲げております。子会社,連結子会社の管轄の特例については,実務上のニーズや管轄の特例を設けることを制度化する根拠等を勘案して,親法人,大会社の新・特別清算事件や倒産事件が係属する裁判所に,子会社,連結子会社の新・特別清算開始の申立てを認めるという,いわば片面的なものとしております。   親法人,大会社の新・特別清算事件や倒産事件の係属する裁判所の所在地には,理論上,子会社の大株主である親法人や,連結子会社の経営を支配している大会社が存在することになりますので,管轄の特例を認める合理性が高いと考えられること等を考慮したものです。   注に参りますと,(注1)では,第2回会議で御異論のなかったと思われます国際管轄の点を記載しております。さらに,なお書きで,原則的管轄については固有の規定は設けないこととなる旨を注記しております。   (注2)は,これまで何度か御指摘がありました外国会社の日本にある財産の清算の制度に言及しております。現行商法485条第2項は,利害関係人の申立てにより,又は職権で開始された外国会社の日本にある財産の清算について,特別清算に関する規定を準用しておりますが,この準用の意味するところは必ずしも明確ではありません。そこで,準用の趣旨を明確化する必要があると考えられますが,この点についてはなお検討するものとしております。   (注3)は,子会社の管轄の特例について,いわゆる孫会社の取扱いを明確にするもので,御異論のないところと思います。   (注4)は,新・特別清算開始の申立てがあったとき,あるいは新・特別清算開始の命令があったときには,その後に清算に関する事件,更にはその他の会社非訟事件は,新・特別清算事件が係属する地方裁判所が管轄するものとするものでございます。新・特別清算事件について,管轄の特例を設けることに伴い,会社非訟事件の管轄の調整を図るものです。   また,(注4)の後半は,既に係属している事件について,移送の制度を設けることにより,管轄の調整を図るものです。   なお,清算に関する事件についてこのような手当てをすることは当然と思われるところですが,その他の会社非訟事件についても同様の手当てをするか,仮に手当てをする場合に,どの範囲まで手当てをするかはなお検討する必要があると考えられるところです。清算に関する事件以外の会社非訟事件のうち,このような管轄の調整の必要があるものとして,具体的にお気づきのものがございましたら,お教えいただきたいと思います。   次に,「2 記録の閲覧等の制度」です。   第2回会議では,記録の閲覧等の制度を設けることについては御異論がなかったところです。(注)に記載したとおり,閲覧等の対象となる文書等の具体的範囲については,新・特別清算に関する規定に基づき,裁判所に提出され又は裁判所が作成した文書その他の物件を基本に考えることになりますが,ここでも閲覧等の対象とすべきものとして,具体的にお気づきのものがございましたら,お教えいただきたいと思います。   3ページの「3 最高裁判所規則への委任」でございます。第2回会議では,御異論のなかったものでございます。   同じく3ページの「4 新・特別清算開始の申立て」でございます。3までは総則的な事項でございましたが,この4から各則的な事項に入ります。   (1)の「新・特別清算開始の原因」は,現行の特別清算と同様の開始原因を定めるとの考え方でございまして,御異論のなかったところです。   (2)の 「申立権者」については,第2回会議では,会社を申立権者に加えるかどうかについて意見が分かれました。   (注2)のとおり,会社を加えることに賛成する立場からは,その論拠として,破産手続との均衡,会社による費用負担,疎明義務の有無による差別化等が挙げられました。そこで, (a)から(d)までのような点を考慮して,改めて御議論いただく必要があると考えております。   まず,(a)の法人である債務者についての破産手続開始の申立権者は,破産手続における取扱いを確認しようとするものですが,破産手続に関しては,法人の機関決定に基づく法人固有の破産手続開始の申立権を肯定する見解は必ずしも多数説とは言えないという状況にあると言わざるを得ません。したがって,破産手続との均衡の点は,会社を申立権者に加える決定的根拠にはならないように思われます。   また,(b)の個々の清算人が手続開始の申立てをする場合の手続の費用の負担は,第2回会議でも指摘させていただいた点を改めて指摘するものです。   (c)の新・特別清算開始の原因の疎明義務は,清算人による申立てと法人による申立ての差別化を図る上で重要なポイントとなるところです。(c)の第一段落では,ここで問題となる疎明義務の内容を確認的に記載しております。特別清算の開始原因の疎明義務は,会社の整理の開始原因の疎明義務に倣って定められたものですが,今回,会社の整理の制度が廃止される方向で検討されることに伴い,特別清算の開始原因の疎明義務自体も見直しの対象となっております。   特別清算は,清算状態に入ることが前提となりますし,開始原因も会社の整理と比べて緩やかですので,会社の整理の場合と異なり,申立権の濫用防止のために開始原因の疎明義務を課すことは,さほどの意味はないようにも思われますが,開始原因の疎明義務を負うべき申立権者の範囲について御意見をちょうだいし,それを踏まえて会社固有の申立権を認めるかどうかを御議論いただきたいと思います。   なお,疎明義務についても破産手続との均衡が問題となりますが,破産手続については理事等の全員が申し立てるか,代表者が理事等の全員の同意を得て申し立てる場合以外は,破産手続開始の原因となる事実の疎明が必要であるというのが多数説であると思われるところです。   (d)の,会社法制の現代化における清算中の会社の機関の見直しでは,会社法制の現代化により,清算人が単なる清算人会の構成員ではなく,会社の業務執行機関となる等,清算人に関する規律が変わる可能性があることを念頭に置いて議論する必要があることを指摘させていただいております。   以上のような点を踏まえて,会社を申立権者に加えることの当否について御審議いただきたいと思います。今回結論が出ないという場合には,両論併記の上,倒産法部会に御報告させていただくことになります。   次の(3)の「清算人の申立義務」については,御異論はなかったところです。   (4)の「疎明」のうち,(ア)の新・特別清算開始の原因の疎明については,先ほど御説明したとおり意見が分かれました。申立権者の点とあわせて御審議いただきたいと思います。   なお,(イ)の債権の疎明については,御異論はありませんでした。   (5)の「手続費用の予納」については,(ア)の手続費用の予納,(イ)の不服申立て,(ウ)の費用の負担のいずれについても御異論はありませんでした。   最後の「(6) 取下げの制限」は,今回新たに追加したものですが,通説的解釈を明文化するものであり,御異論のないところと思います。   注に参りますが,(注1)は現行制度の廃止にかかわるものであり,裁判所が職権でする開始命令の制度,監督官庁の通告の制度及び手続の費用の仮支弁の制度については,いずれも新・特別清算については設けないものとすることで御異論がございませんでした。   (注2)については先ほど御説明をいたしました。   (注3)は,分科会において何度か御指摘のあった,会社が債務超過の状態にある場合には,株主の申立権を否定すべきであるとの考え方について触れております。資料に記載したような理由で,この考え方は採用しないこととしておりますが,なお御意見があればお聞かせいただきたいと思います。   (注4)の監督官庁に対する通知は,破産,民事再生,会社更生と同様に,規則事項と位置づけて,所要の見直しをしていただくことを考えております。   (注5)は,新・特別清算開始の命令等に対する不服申立てに関連して,新・特別清算に関する裁判に対する不服申立て全般にかかわる問題を取り上げております。現在は,特別清算についても非訟事件手続法の総則規定を前提として,不服申立ての制度が定められておりますが,特別清算は,通常の会社非訟事件とは異なり,多数の個別の制度,手続から構成されており,また多数の利害関係人が関与することから,個々の裁判を迅速に確定させて手続的安定を図る必要があると考えられます。そこで,新・特別清算については,非訟事件手続法の総則規定である第20条を準用しないこととして,破産法案第9条前段に相当する規定を整備するとともに,即時抗告に関する規定を個別に設けるのが適当ではないかと考えております。このような方向で検討することでよろしいか,御意見を伺いたいと思います。このような方向でよろしければ,今後事務当局で検討を行い,その結果を倒産法部会に御報告して,総合的に御審議いただこうと考えております。   さらに,新・特別清算に関する裁判については,表に掲げましたとおり,不服申立ての点のみならず,総合的に検討する必要がある事項があると考えております。   8ページ以下の表を御覧いただきたいと思います。これらについても審議の場が倒産法部会に移った後に,総合的に御審議いただこうと考えております。 ● それでは,ここでいったん切って,御審議をお願いしたいと思います。   まず「第1 特別清算の見直しの方向」でございますが,これは先ほど説明があったとおりで,これまでのこの分科会の大勢の考え方をまとめたものでございます。存立中の株式会社等の関係は,後ほど第3のところで取り上げることにしたいと思います。   そこで,「第2 特別清算の見直しについての個別の検討事項」でありますが,1の「管轄」,これについては今の説明のとおり,基本的にはここに書いてあることで御異論はないかと思いますが,いかがでしょうか。原則的管轄は,本店所在地の地方裁判所にするということで,現行法どおりでいくと。それから,子会社,連結子会社について管轄の特例を設ける,その方向は親法人について特別清算,破産,再生,更生事件が係属している場合に,そちらに子会社,連結子会社についての特別清算手続の申立てができるという片面的なものにすると。--よろしゅうございますね。   それから,(注1)国際管轄については特別の規定は置かない。 (注2),営業閉鎖命令を受けた外国会社の清算については,なお検討させていただく。   それから(注4)につきましても,移送を認めると。管轄の特例によって,本店所在地以外の裁判所に特別清算事件が係属している場合に,当該会社の非訟事件をそちらの裁判所で処理する方が相当だと認めるときには,職権で移送ができると。もっとも,当該会社の非訟事件にどういうものが含まれるかということについては,今,説明がありましたように,何かお気づきの点があればお教え願いたいと。   1の「管轄」については,資料のとおりでよろしゅうございますか。--はい。   次は,2の「記録の閲覧等の制度」ですが,記録の閲覧等の制度を作るということと,支障部分の閲覧等の制限の制度を作るということについても,これも御異論はなかったかと思います。   それでは,先に参りたいと思います。   3の「最高裁判所規則への委任」,これも今度は特別清算に関連して,どういう規則の形式にするかは別といたしまして,最高裁判所規則の方で規定をしてもらう事項が出てまいりますので,そのようにすると,そちらに任せると。--よろしいですね。   それから,「4 新・特別清算開始の申立て」で,(1)の「新・特別清算開始の原因」については,御異論がなかったと思います。   意見が分かれたのは,(2)の「申立権者」のところ,具体的には先ほど詳しく説明がありましたように,亀甲に入っております会社を申立権者に加えるかどうかという点です。先ほど説明がありましたように,(注2)に詳細に検討すべき事項について,どういうことを考慮しなければいけないかということを記載していただいてあります。これについてはいかがでしょうか。前回もなかなか決め手がなかったところですが。 ● 弁護士みんなが不勉強のせいがあるのですけれども,破産の申立てで理事全員の一致,あるいは取締役全員の一致が要るという認識は,きのうバックアップ委員会開いて二十数名の弁護士がおりましたが,だれもそういう認識を持っておりませんで,添付する議事録にも全員の判は多分そろえていないはずだと,役会議事録つくりますけれども,会社側が準備いたしますけれども。あるいは,たしか今日か明日申し立てられるある代理人がおられましたが,親会社から来ている方なので,夕方に呼んで役会だけは開くけれども判がとれるかどうかは分からないとか,来ないかもしれないとか,それでも申立てはするという認識でございまして,ただ債務超過の事実は申立書に記載はしておりますけれども,代理人の認識としてはそれで疎明しているなんていう認識はないはずなので,事実としては記載すべきであるし,管財人が行動するために今どういう状態になっているかは書いておりますが,理事全員でないから疎明しているという認識で申立書をつくっている代理人は,残念ながら昨日二十数人おりましたけれどもだれもいなかったという事実認識でございまして,その点でこの注にお書きになっているところが少し違うのじゃないかなと,少なくとも現場の弁護士とは。   それと,今挙げていらっしゃる学者の方々が,当日集まった中でいえば松岡さんと齋藤さんの名前ぐらいは知っていても,それ以上になると知らないという方々ですので,今の学説の状況がどうなのかということもよく認識できていませんので,その前提のところが少し違うのですが,他方でやはり実務上の問題としまして,開始決定になれば会社が負担するからいいじゃないかということでございますが,じゃ開始決定までの間,仮払いをするのでしょうかというあたりの問題がやはり気になるということで,会社が直接代理人に着手金を支払い,それから予納金を準備するということができる方がよりスムーズではないのかという実務のニーズ,それはやはり大きいですので,その2点から会社を申立代理人にする方がベターではないかというのが弁護士の,これは異論が全くない見解でございます。 ● その考え方は,清算人会が今後も残るとして,清算人会の決定があればやれると,それは必要だいうことですね。 ● 清算人が複数選ばれた場合は,清算人会が必要だという認識でございます。 ● 破産の場合の最近の学説は,確かにここに書いてあるとおり学説のレベルではいろいろな考え方があると思いますけれども,実務上は余りここに書かれているような考え方では必ずしもないと,そういうことですね。要するに,今,普通の会社であれば取締役会で決めればそれでいいと。   いかがでしょうか,ほかの委員・幹事の皆さん。   学者の委員・幹事の皆さん,いかがですか。   ○○委員,いかがでございますか。 ● 費用の負担のようなことについて,いずれの場合でも具体的な違いがないという前提で一応考えるといたしまして,つまり会社の申立てでなくても申立てにかかる費用については会社の負担にすることができるという前提で仮に考えるとしたときに,そうなると実際上の違いがないか,それほど大きなものはないとしたときに,いわば特別清算という手続を選択する会社ないし法人そのものの利益がどこにあるのだろうかということを考えて,確かに破産の場合は存立中の会社というのがあって,それについて破産清算を選択するという利益があるように思いますが,こちらの方は一応通常の場合であれば解散というのがあって,清算手続があって,というふうに進行してくるわけですよね。それにもかかわらず,なおかつ特別清算の段階において会社自身にもう一度特別清算という特殊な清算手続の選択を認めるという利益がどこにあるのかというのが,これは専ら理論的な問題ということになりますけれども,そこが私,十分理解できないところでございます。 ● 確かに,実際上の便宜は○○委員のおっしゃったとおりですけれども,理論上申立権を認めるだけの実質的な利益みたいなものがあるかということで……。   ほかの委員・幹事の皆さん,いかがでしょうか。   疎明との関係で,会社に申立権を認めると,会社は恐らく疎明義務は負わないと,しかし清算人として申し立てる場合には疎明義務を負うということになるのでしょうかね。もっとも疎明義務については後で出てくるように,そもそも疎明の負担というのをすべての申立権者についてやめるかどうかという問題はあると思いますけれども。 学者側の幹事の皆さん方,特に御意見ありませんか。 ● 先ほど,○○委員が前提とされた部分,資料で申しますと5ページの(b)の中ほど,「しかし」以下ですが,ここでは個々の清算人が申立てをする場合でも,つまり機関決定をしないでも,費用の負担の機関決定をすれば会社から出すことは可能と,こういう趣旨ですね。しかし,ちょっとこれがにわかには想像できなかったのですが,具体的にどういう場面なんでしょうか。   つまり,特別清算をするという機関決定はない,そもそもそういう前提をとらないという前提ですか。特別清算の機関決定はしないけれども,しかし費用の負担の機関決定だけするという事態があるのかどうか,ちょっとよく分からなかったのですが。 ● これは現行法を前提にすればということですから,特別清算の機関決定をして,しかし申立権者は清算人に限られていますから,清算人がすると。 ● だとしますと,じゃこの機関決定がなかったらどうなるのかということが当然問題になるわけで,結局個々の清算人がとりあえずは負担せざるを得ないということになると思うのですが,そして始まったら会社負担に帰するということなのですけれども,最終的には同じになるのでしょうが,個々の清算人にそういう負担を必ず課さなければいけないというのがいいのかというのがちょっとよく分からなくて,最終的には会社の負担になるのでしょうが,個々の清算人に一時的な負担を課すのが果たして適切なのかなという気がするので,私自身は会社自身に機関決定の上で申立てをさせるということにも意味があるのではないかというふうに考えております。 ● 却下されちゃったような場合ですね。   そうするとどうでしょうか,余り今の段階で会社を申立権者に入れるとも入れないともなかなか決め手がないようですので,一応この形で部会の方でもう一度御意見を伺うと,場合によればパブリックコメントいただいてから最終的な結論を出すということでもいいかと思いますが,そういう取扱いでよろしいですか。 ● 私ども,ニーズとしてどこまでこれが必要なのかということと,つまりこれを認めた方がどれだけ円滑に進むのかという点と,それと,他方で疎明義務を逆に今度は清算人に課してまでするだけのニーズ,メリットがあるのかというのが十分よく分からない点がありますので,また部会ででも御議論いただければとは思いますが,一応そういう問題意識を持っているということだけはお伝えしたいと思います。 ● もし何か,今の○○幹事の御発言に関連して。 ● 実際,実務の上でいいますと,清算人個人が一人で判断して行うということはまずないだろうと。しかも一人で行った場合は,本当に申立ての段階での弁護士の選任から費用の負担まで,いったんは清算人個人で行うということで,それを考えているものですから,通常の場合は正式かどうかは分かりませんけれども,清算人同士で協議して行う。   ここに書いてありますように,機関決定で費用の負担だけ行うことが可能だと言われると,今,○○幹事からも指摘があったのと関連するのですが,特別清算の申立てを方針として決めた上で,その人は機関としては申立てしないで費用だけ負担してもらう,何か少し迂遠な気がするのと,どうしても倒産手続の一つというふうに実務的には理解しているものですから,破産その他と比較して,特別清算だけ清算人個人でということについて,どうも実務的にはとても不自然な,むしろそちらの方が自然でない,会社で決めて,機関決定している方がスムーズに行うと。   そしてまた,開始命令に対しては,会社としてこれは即時抗告できるというように,会社の方でも開始決定になるかどうかに利益があるとすれば,申立てのところでもその利益を与えておいていいのではないかというようなことから,実務的には機関決定できる方がずっとスムーズに行われる。申立人である清算人として,その決定を得ていないと,自分でリスクを負うという不安感を感ずるということを言っている弁護士もおりますので。 ● それでは,とにかくとりあえず部会まではこの形で上げると,そういうことにしたいと思います。   それから,清算人の申立義務については,特に御異論もなかったと思います。   疎明の点についてはいかがでしょうか。そもそもこういう特別清算について,開始原因の疎明というものを必要とするかどうかということ,それからやはり濫用防止等の必要があるので残すということにした場合に,一体疎明義務を負う者をどの範囲にするか,今の会社の申立権を認めた場合の清算人ということまで含めて御議論いただければと思いますが,これについてはどうでしょうか。   この点は,何か弁護士会の方の御意見はございましたか。 ● 弁護士会の中では,そこは余り詰めた議論はされておりませんが,会社に関しては疎明義務がないだろうと。あとは清算人の場合,新しい商法で清算人が一人,清算人会がなくなるという場合を考えたときに,一人の場合に疎明が要るのかというと,これは弁護士会では議論できていませんが,私個人としては要らないのではないかと思っております。   ただ,複数の清算人が選任されて,清算人会が構成され得る場合であれば,やはりそのうちの一人だけが申し立てるという場合,これは実際上清算に支障を来すべき事情なのかもしれませんが,そうであっても全く一人だけが濫用的に申し立てるということがあり得るわけで,それはやはり疎明義務が課されてしかるべきなのではないだろうかと。   あと,債権者,株主は課されて当然だと思っております。 ● ほかに,この点について御意見ございますか。 ● 先ほどの点と関係するのですが,仮に会社自身に申立権を認めるにしても認めないにしても,一人の清算人で行う場合には,費用はとりあえず自分持ちになるわけでして,原則型は。そこで十分濫用防止の歯どめがきくという考え方もあり得るのではないかと。重ねて疎明義務まで課す必要があるのかという考え方もあろうかと思いますので,私個人は疎明義務は一切なしにしても,一応説明はつくのではないかというふうに考えております。 ● 債権者,株主については認める。 ● もちろん,そこはそうです。 ● どうでしょうかね。そもそも疎明義務の制度,疎明を要求する制度をやめた方がいいという御意見がないようなので,それを前提といたしますと,債権者,株主については疎明を要求していいだろうと,そこまでは御異論がないようですね。   もし会社に申立権を認めたとした場合の清算人の申立ての場合にどうするかということになるかと思いますが,それについてはどうでしょうか。今の○○幹事のように,その場合も要らないのではないかという御意見から,やはりその場合は濫用ということも考えられないわけではないから,疎明義務を認めるということにするか,どうでしょう。   それほど大きな問題でもないと思うので,もし決着がつくならこれは決着つけた方がいいかと思うのですけれども,債権者,株主だけでよろしいですかね。 ● 申立権者の範囲をどうするかということと結びつくと思いますし,先ほども申しましたように会社に疎明義務もなく,これはもちろんそうだと思いますけれども。それから,個別の清算人にも疎明義務がないと,全く両者の区別がないわけで,片方に含まれる形になりますから,そういう制度かいいのかというところも気になりますので,とりあえず申立権者とリンクさせて,なお御議論いただいても結構だと思います。 ● では,そういうことにいたしましょう。   それから,手続費用の予納の点については,特にこれまでそう御意見の対立もなかったと思いますので,原案どおりでよろしゅうございますね。   取下げの制限についても,これでよろしいのではないかと思います。   それから,(注1)でございますけれども,これは確認ですが,職権による開始命令の制度,それから監督官庁の通告の制度,手続費用の仮支弁の制度は廃止するということで,これはよろしいですね。   そういたしますと,(注2)は申立権者の問題でしたが,次の(注3)も申立権者の問題ですが,会社が債務超過の場合には,株主の申立権を否定すべきではないかというお考えが前回のときに出されました。ここでは,しかし株主にも一応申立権を認めてもいいのではないかという方向が示されておりますけれども,この点についてはいかがでしょうか。 ● 実際には,債務超過の状態にあることが明らかな場合にも,株主から特別清算の申立てがされる事例というのがございます。最近でも,名前は差し控えますが,新聞等でも御覧になった倒産会社につきまして,特別清算の申立てがあったのですが,その会社,上場会社でございましたけれども,株式取引が整理ポストに移されて,その後に株を1株2円ぐらいで取得をして,1,000株ぐらいだと思いますが取得をして,その後会社自体は解散して清算手続に入ったわけでありますけれども,特別清算の申立てをされたという事件がございます。債務超過にあることは明らかですので,株主に対する残余財産分配請求権を問題にする余地は全くない事件ではございますが,ただ明文の規定がないものですから,取扱いについていろいろと考えたというような事件がございます。   最終的には,債権者には何らの異論もなく,すべての同意がとれているということ,それから株主に対する残余財産分配の余地はないといったことから,特別清算の必要性がないという理由で却下するということにしたわけでございますが,一番最後のなお書きで記載されてございますとおり,申立権の濫用というような形で処理をするとしますと,更に株主の主観的な事情といったところも考慮せざるを得ないのかもしれませんが,それはなかなか難しいところがございまして,もし理論的にここに書いてあるような考え方が可能なのであれば,むしろ債務超過の状態にあるということがはっきりと当初から分かるような場合には,それを理由として株主の申立てについては否定をするといったことができれば,より迅速な処理が可能になる場合もあろうかというように考えているところでございます。 ● そうしますと,「会社が債務超過の状態にあることが明らかな場合」というような限定をつけてということになるのでしょうかね。   ほかの委員・幹事の皆さんはいかがでしょうか,今の点については。 ● 常々疑問に思っていたのですが,これは諸先生方にお聞かせすると笑われてしまうような話かもしれませんが,商法的な意味で清算手続というのは,やはり株主は初めの清算は残余財産分配を当然に期待していて,その変形であるというふうなとらえ方をすると,株主に何らかの余地がある,つまり株主権が大変抽象的な言い方で失礼ですが,マイナスでも株主であるという考え方をとりますと,例えば残余財産分配が1銭もいかないから,じゃもう株主は株主じゃないかと言われると,どうも株主のような気がするのです。恐らく会社法的な考え方からするとそうだと思いますので,今の債務超過の可能性がある場合に,株主の申立権を一律に否定するということについては,ちょっと何か会社法的に抵抗があるような気がします。それが1点。   さらに笑われることを申し上げるようなんですが,清算手続で,特別清算も含めて,その過程で個々に債権者といろいろ交渉して,債権者の方が放棄してくれる債権がすごく多くて,ふたをあけてみたら特別清算をやったのに余っちゃったというときは,株主に返すしかないだろうと思うのですね。そういうことが実際にあるかよと言われるとちょっと大変お恥ずかしい話なんですが,理論的には特別清算というのは,例えば破産のように当然に配当していくということを必ず義務づけられているわけではないと思いますので,その場合の可能性……というほどあるのかどうか分からないのですが,株主はちょっと外せないような気がするのですが。   済みません,直感的で大変申し訳ないのですが。 ● この原案の考え方も,株主に申立権を一律に認めるという考え方ですから,結論的には○○幹事の御意見と同じだと思いますけれども,○○幹事の方から問題が出されておりますので,何か……。 ● 会社更生法の場合は,必ずしもそういう考え方をとっていないわけですね。債務超過のときに株主の申立権がなくなるとは言っていませんし,100%減資されるとは限らないということで一応正当化できるのかもしれませんが,会社更生法との権衡というのはやはり考えなければいけないというのと,もう一つ,更生法や再生法の申立権の制限は,開始原因としてどういう事実を主張した場合には制限されるという言い方になっているわけでして,これはどうも本当に現に債務超過であることで申立権が排除されるというので,今までにないことを考えていると。そうしますと,今度本当なら原因を審理する前に申立権が排除できなければおかしいのに,原因を審理した後で申立権が排除されるという,非常に奇妙なことになってしまうので,ちょっと私も結論的は○○幹事と同じで,その場合に排除するのはどうも奇妙だなという印象を持っております。 ● いかがでしょうか,基本的には本日の資料と同じことですけれども,本文の方は特に債務超過の場合に株主に申立権を認めるとか認めないとかということにしないで,要するに認めるという前提で書いておいて,問題提起の意味で注に,この現在の(注3)よりはもうちょっと簡易な形で,問題の指摘だけはしておくというようなことでもよろしいですか。 ● 私は,理論的に可能であればという前提で申し上げましたので,それで結構でございます。 ● では,とりあえず部会まではそういう形で上げさせていただくということにしたいと思います。   それから,あとは(注5)の不服申立ての点ですが,これは先ほどの○○関係官からの説明にございましたように,現行法を改めて破産法案の第9条前段のように個別に不服申立てを認めていくという考え方で全体を通して検討するということで,よろしいですか。   それから,特別清算に関する裁判につきましても,それぞれ個別に全体を検討してみるということでよろしいですね,この点についても。大変詳細な表がついておりますので,これで事務当局は大変ですけれども個別に検討していっていただくということにしたいと思います。   それでは,先に進むことにしたいと思います。またよろしくお願いいたします。 ● それでは,資料10ページの「5 新・特別清算開始前の処分」から御説明いたします。   (1)の「会社の財産の保全処分等」については,基本的に御異論はなかったと承知しておりますが,(注1)に記載したような事項については,なお検討の必要があると考えられます。特に申立権者については,清算人などを個別に列挙するのか,包括的に利害関係人と定めるのかというような点が問題になると思われます。   また,③の役員の責任に基づく損害賠償請求権につき,役員の財産に対してする保全処分の発令の要件につきましては,単に「必要があると認めるとき」とするか,「緊急の必要があると認めるとき」とするかという論点が問題となります。この点について特に御意見があれば,お聞かせいただきたいと思います。   不服申立てや裁判書の送達については,倒産法部会に移行した後に,総合的に御審議いただくことを考えておりますが,この際,御意見があればこの点についても伺いたいと思います。   なお,②の会社の株主の名義書換禁止の処分については,これまで御異論がなかったのですが,事務当局において検討した結果,これを廃止することも考えられそうですので,後の「11 裁判所の処分」のところでその存廃について御審議いただきたいと思います。   次に,(2)の「他の手続の中止命令」については,(注2)の第一段落のとおり,中止命令の対象に強制執行等を加えた上で,このような制度を設けることに御異論がありませんでした。   なお,③の一般の先取特権の実行の手続,及び④の民事留置権による競売の手続の取扱いについては,意見の一致を見るに至っておりませんけれども,この点は後の7の「新・特別清算開始の効力」のところで御議論いただきたいと思います。   また,一般の先取特権その他一般の優先権がある債権には,新・特別清算の効力を及ぼすべきではないとの考えをとる場合には,②の強制執行等の手続,及び④の競売の手続から,一般の優先権がある債権に基づくもの,及びこれを被担保債権とするものを除くことになり,また③の一般の先取特権の実行の手続及び⑤の企業担保権の実行の手続を中止命令の対象としないこととなると考えられますが,この点についても後ほど7の「新・特別清算開始の効力」のところで御審議いただきたいと思います。   同様に,ただし書中の①の破産手続に関する部分についても,7の「新・特別清算開始の効力」のところで御審議いただきたいと思います。   そこで,注に入りますが,(注1)及び(注2)については既に御説明いたしましたので,(注3)について御説明をいたします。   (2)の「他の手続の中止命令」については,即時抗告について所要の規定を整備するものとするとの考え方を掲げております。   さらに(2)の「他の手続の中止命令」については,利害関係人に申立権を付与することの当否,中止した強制執行等の手続の取消命令の制度の採用の当否についても御議論いただく必要があります。   申立権者については,(1)の「会社の財産の保全処分等」と同様に,清算人等を個別に列挙するかどうかという点が問題になります。   取消命令の制度の採用の当否も問題となりますが,破産手続との均衡を考えますと,保全管理命令に相当する制度がない新・特別清算では,消極に解さざるを得ないと思われるところです。   裁判書の送達については,倒産法部会に移行した後に総合的に御審議いただこうと考えております。   次は12ページの「6 新・特別清算開始の条件」でございます。   ①から④まで,及び⑥については第1回会議で御異論がありませんでした。⑤については,分科会資料1では,不認可事由の整備との関係で取り上げていたところであり,その趣旨は(注3)に記載したとおりです。   なお,手続の開始にかかわる要件であることから,破産手続によることが債権者の一般の利益に適合することが明らかであるとき,または新・特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるときというように,明白性を要求することも考えられるところですので,この点を含めて⑤のような事由を採用することの当否について御意見をちょうだいしたいと思います。   (注1)では,①の事由について,そもそも疎明義務を課すかどうかが検討の対象となっていることを注記しております。   (注2)では,④の特別清算の見込みという用語は分かりにくいと思われることから,協定案の提出時期の制限の在り方や職権による破産手続開始の事由の在り方等についての検討を踏まえて,より具体的に定める方向で検討するものとしております。   (注3)は,既に説明しておりますので,(注4)に参りますと,(注4)では公告の方式の点を取り上げております。分科会資料に記載したような経緯により,現在は公告の方法を定める規定が存在しないという事態になっておりますので,沿革や実務の取扱いを考慮して,新・特別清算において裁判所がする公告は,官報に掲載してする旨の規定を設けることを御提案しております。御異論のないところとは思いますが,特段の御意見があればお聞かせいただきたいと思います。   次は13ページの末尾,「7 新・特別清算開始の効力」に移ります。   (1)は,「効力を受ける債権の範囲」でございます。   この点につきましては,(注1)のとおりでございます,第2回会議では原則として会社に対するすべての債権が新・特別清算の効力を受けるものとするとの考え方について,基本的に御異論はありませんでしたが,新・特別清算のために生じた費用,及び新・特別清算の手続の費用の請求権については,割合弁済の対象にならないことを明らかにすべきであるとの御意見がありました。また,協定の対象となる債権の範囲について,一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を除くべきであるとの御意見もございました。前回の会議では,新・特別清算のために生じた費用,及び新・特別清算の手続の費用の請求権を割合弁済の対象としない場合の取扱いについて御審議いただき,後の8の(5)のとおり,裁判所の許可を要することなく,全額弁済することができるとの考え方を支持する御意見が多数を占めたところです。   他方で,一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を含めるかどうかの点については意見が分かれました。全体としては,一般の優先権がある債権を含めないとの考え方が有力であり,そのメリットとしては(注1)の①から③までのような御指摘がございました。   なお,特別清算は通常清算との関係で自律的な手続ではなくて,清算手続の一つの属性にすぎないと考えられますので,一般の優先権がある債権が手続外債権にあるという表現は適当でないかもしれません。割合弁済を義務づけられない債権,協定の対象とならない債権という方がより正確であると思われるところです。   これに対しまして,現行の特別清算と同様に,一般の優先権がある債権も新・特別清算の開始の効力を受けるとの考え方を指示する意見もございましたが,この考え方をとる場合には,一般の優先権がある債権を有する者の利益を保護するための制度的手当ての在り方が問題となります。この点については,分科会資料に記載したようなものが考えられるところです。   以上の点を踏まえて,一般の先取特権,その他一般の優先権がある債権の取扱いについて,どのように考えるべきか,御意見をちょうだいしたいと思います。   (2)の「倒産実体法の整備」については,(注2)に記載したとおり,第2回会議で相殺の制限に関する規定のみを設けることについて,特段の御異論はございませんでしたが,その内容を破産手続と同様のものとすることが適当であるかどうかについては,なお検討する必要があるとの御指摘がありました。具体的には,(注2)の①から④までに記載したような御指摘をちょうだいしております。   そこで事務当局におきまして検討を開始してみたのですが,①から④までのほか,更に⑤及び⑥のような点も考慮するとなると,当方の能力ではいささか荷が重いということになりまして,今回の資料では論点を列挙するにとどまっております。今後更に検討を進めると申し上げたいところですが,正直言ってこれらの点をすべて満たすような方向で見直しを行うということは,困難ではないかと思っております。もし,新・特別清算にふさわしい規律について具体的な提案をお持ちの方がいらっしゃいましたら,是非この際お聞かせいただきたいと思います。   次の(3)の「他の手続に対する効力」については,基本的スキームの点では特段の御異論はありませんでしたが,対象となる手続の具体的範囲の点では,たくさんの亀甲がついているところからもお分かりのとおり,意見が分かれました。   まず,(ア)については,(注3)記載のとおり,新・特別清算開始の効力を受ける債権の範囲に一般の優先権がある債権を含めるかどうかが影響してまいります。これを含めないとの考え方をとりますと,一般の先取特権の実行手続は(ア)の中止の対象ではなく,(ウ)の中止命令の対象とするか,あるいは新たに一般の先取特権の実行の手続の中止若しくは取消しの制度を設けることになると考えられます。   また,一般の先取特権の実行手続のみならず,強制執行についても(ア)の中止の対象から除外し,(ウ)の中止命令の対象とするなどの手当てを講ずることになると考えられます。   これに対しまして,新・特別清算の効力を受ける債権の範囲に一般の優先権がある債権を含めるとの考え方をとる場合には,一般の先取特権の実行の手続を(ア)の中止の対象とすることも考えられますが,その実体法上の優先的地位を考慮して,現行の特別清算と同様に,(ア)の中止の対象ではなく,(ウ)の中止命令の対象とするとの選択肢もあり得るところです。これらの点について御意見をお聞かせいただきたいと思います。   次に,民事留置権による競売の取扱いが問題となりますが,破産手続のように民事留置権自体を失効させることは困難ですので,現行の特別清算と同様に,(ア)の中止の対象ではなく,(ウ)の中止命令の対象とすべきものと考えられます。   なお,(注3)のなお書きのとおり,債権者集会の招集請求における債権額の算定等において特別な取扱いをされる担保権の範囲を見直すかどうかも問題になりましたが,この点について第2回会議では見直しに消極的な意見が多数を占めたところです。   さらに,(ア)の中止については,(注4)のとおり企業担保権の実行の取扱いが問題となります。新・特別清算の効力を受ける債権の範囲に一般の優先権がある債権を含めないとの考え方をとる場合には,(ア)の中止の対象に含めることは困難であると考えられますが,この場合に企業担保権の実行を(ウ)の中止命令の対象とするかどうかについては考え方が分かれ得るところです。①又は②のいずれの考え方が適当であるか,御意見をお聞かせいただきたいと思います。   また,(注5)のとおり,(ア)の中止については対象となる破産手続の範囲が問題となります。資料に記載しましたとおり,破産手続開始後のものは破産手続開始の決定が確定しているかどうかを問わず,含まないものとするとの考え方をとることでよろしいか,御意見を伺いたいと思います。   (イ)については,基本的に(ア)と同様に考えることができますので,詳しい説明は省略します。   (ウ)についても,(ア)との関連で考えることになりますので,詳しい説明は省略いたします。   最後に,(注6)では,(ウ)について,利害関係人に対する申立権の付与等に触れておりますが,この点については倒産法部会に移行した後に,総合的に御審議いただくことを考えております。 ● それでは,まず5の「新・特別清算開始前の処分」ですが,「(1) 会社の財産の保全処分等」で,この申立権者の範囲に影響するかもしれませんが,表示の仕方として「債権者,清算人,〔会社〕,監査役」等というふうに個別に定めていくか,それとも「利害関係人」というような形で一括して定めるかという点でございますが,この点についてはいかがでございましょうか。   原案で特に懸念されることというのはどういう点なんでしょうか。「利害関係人」というふうに書いた方がいいという……。 ● 基本的には利害関係人もこれで尽きていると思いますが,一般的な書き方として必ずしも特定できないような場合も含めて「利害関係人」という書き方も十分使いたいと思うときがありますので,そうしますとそれとのバランスということも考える必要があるだろうと思います。 ● 事務局にお任せするということでもよろしいかと思いますが,何か特に御意見ございますか。「利害関係人」というふうに書いた方がいいという積極的な御意見があれば……。   ここで言う「利害関係人」は何が含まれるかというようなことを,コンメンタールでいろいろ書いたりなんかするということになるかと思いますけれども。そうすると,結局これと同じようなことを書くと。   それでは,ほかのこととのバランスもあるというお話でしたので,この段階としては原案どおりということにしておきたいと思います。   次に,(1)の③,損害賠償請求権の保全のために発起人等の財産に対して保全処分をする場合の要件の定め方ですが,これについてはいかがでしょうか。単に「必要があると認めるとき」ということでいいか,それとも亀甲がそこについて示されていますが,「緊急の」必要があるというようなやや加重的な要件にするか。   これまでの例では,両方ありましたですね。 ● 破産法や会社更生法などは「緊急の」と。査定のところだけまとめて条文を書いて,保全処分も一緒に書いて,違いを際立たせたと。 ● どうでしょうか。 ● 特に定見があるというわけではありませんけれども,第三者の財産に対しての保全処分であるということを考えれば,「緊急の」というぐらいにしておく方が穏当なような感じがします。 ● ほかに,特に御意見がなければそういう方向で考えますか。   次は,「他の手続の中止命令」でございますが,これは先ほどの説明にもございましたように,一般の優先権がある債権の取扱いをこの中止命令の対象にするかという点が一番大きな問題ですが,これは後に7の方で御議論いただくということです。   よろしいですね。--では,後ほどこの関係はまとめて御審議願いたいと思います。   次に,6の「新・特別清算開始の条件」でありますけれども,これにつきましては①はさっきの疎明の問題との関係で亀甲がついております。疎明それ自体は残すという方向でしたので,①はそのまま残るということになります。   それから,④については表現は今後もう少し検討していただくということで,⑤は「破産手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき」ということになっておりますけれども,「明らかに」とかいう明白性の要件を明示的に示すことにするか,あるいはそもそもこういう表現の仕方でよろしいかという点ですが,これについてはどうでしょうか。 ● 弁護士会のバックアップ委員会では,④,⑤とも括弧内の御表現をお願いできたらと。明白性を記載していただいた方が有り難いということでございます。 ● ただいまの○○委員の御発言の関係,明白性ですけれども,例えば破産手続によれば否認の可能性があって,それによって財産が増殖されて債権者に対する配当がその分だけ増加するというようなことが一つの例として考えられると思いますが,その場合に,明白性の要件までつけ加えたときには,どうなんでしょうか,否認の成立可能性というのがもう明々白々であるというようなところまで要求することになるのか,そんなことは到底言えないけれども,しかしそういう可能性はかなりありますよというような場合に,明白性の要件をつけ加えることが非常に,結果としてですが特別清算の破産に対する優越性が少し極端な形で承認することにならないかということが気がかりですが,どうでしょうか,そんなことにはならないのでしょうか。 ● どうでしょうか,恐らく否認の要件が満たされることが明白であるというところまでは要求されないのだろうと思いますが,○○委員,何か御意見ございますか。 ● 弁護士会ではそのあたり,ほとんど議論ないままに今申し上げたような結論だけぽんと出てきておりますけれども,○○委員がおっしゃった点でいえば,否認につきまして立証あるいはそれに要する時間と,それから特別清算による早期配当の利益とが兼ね合いになるのかと思いますので,その上で協定の段階で債権者がどう判断なさるかと,生の事実として,あるいは否認の可否について必要があれば検査役の検査などのデータをもとにして,債権者の御判断に委ねるべき事項じゃないかと。そのときに否認の可能性があるからということで特別清算は排除しなければいけない理由はないのじゃないだろうかというのが,私の認識でございますが。 ● 一般的にいえば入口のところですから,明白性を要求するというのはあり得ると思います。一番最後に出てきますように,重大な否認行為があったような場合に,今度は逆に破産手続開始するとか,後の方ではそういう組合せがあるというのは十分考えられると思いますが,そうですね,ちょっと解釈がいろいろ出てくるかもしれませんね。 ● 先ほど,○○委員が言われたように,要するに否認に要する時間と費用,コスト等を考えた場合というようなところまでであれば分かりますけれども,「明らかに」というふうに書いたときに否認要件がそもそも成立するかどうかについてまで調べてみないと結論が出せないということには恐らくならないのじゃないかという気がするのですけれどもね。   また,仮にそうなるのだとすると,やはりここで明白性の要件を書き込んでしまうというのも問題ではないかという気がいたしますがね。 ● ここは開始決定するかどうかの入口のところですので,ここは明白性の要件は入れておいていただいた方がいいかなと。実務の運用の点で,そこが入っていないと見込みがあるのかどうかのところで,過去の,今ではありません,過去の例なんかで否認権成立,あるのかどうかというのもかなり詳しく調べられたようなことがあって,そこで開始決定までかなり時間がかかったということから,そこは後で,もう成立しなければ破産に移行するわけですから,最初の段階は明らかにして,開始決定は比較的スムーズに早い方がいいのかなというふうに実務的には思っているところなものですから,そんな関係もあってこの⑤のところも,破産手続ということよりも括弧で書いてある方が弁護士会の方では望んでいるところであります。 ● 分かりました。そうすると明白性の要件を書き込んで,むしろ否認の問題などに立ち入らずに,特別清算の方を早く開始できるようにすべきだと,そういう御意見でございますね。   ここも裏からと表からと書いてありますが,むしろ括弧の中の方の表現の方がよろしいと。   そうすると,そもそもの問題として,今の問題とも絡みますけれども,この⑤については表に書いてある方がいいのか,それとも括弧の中の方の表現の方がいいのかという点についても,もし御意見があれば伺いたいと思うのですが,弁護士会の方の委員会では括弧の中の方の表現の方がよろしいと,そういう御意見ですね。 ● 私も,○○委員のおっしゃることも非常によく分かるのですが,括弧の中の方にし,かつ明白性の要件をつけ加えると。否認の可能性は確かに問題にはなると思いますが,この時点でどのぐらい明確になっているのか必ずしも明らかではない,ある程度特別清算を進めていく中でその辺がもう少し分かってきて,今度は協定の認可のところで否認していれば得られたであろう清算価値がないいうことで不認可にし,あとは破産ということは考えられると思いますが,ここでぎりぎりやる必要はないのではないかなという気がいたします。したがいまして,⑤で括弧の中をとり,かつこれに明白性の要件を加えるというのがよろしいのではないかというのが私の考えでございます。 ● 民事再生の事件を動かしていったときの感想なんですが,破産で進めるよりも,一定程度裁判所が関与できる手続でやりたいという希望があるときには,とにかく進めていってみると。それで,最後の段階で決着をつけて,より破産の方が好ましいのであれば,そこで破産をするというような考え方を民事再生法以来裁判所としてはとってきたというように思っているのですが,それで結果として余り弊害がなかったというように思うものですから,そういう意味では表現についてまで定見はないのですが,広めに特別清算の開始を認めるということでも,最後の破産のところでだめになればきちんとやりますよという決意さえ持って運用していけば,弊害はないだろうというように思っております。 ● 何かほかに御意見ございますか。   特にほかになければ,確かに今,○○委員が言われたように,入口のところで余りぎりぎりとやるよりは,特別清算とにかく始めて,その過程でだんだん事情が明らかになってきたという場合に破産による方が一般の債権者の利益に合致するということであれば,そこで破産にするという,そういう考え方の方がどうも合理的なように思いますから,部会に上げる案としましては括弧の中の方を表にして,「明らかに」というようなのを亀甲か何かに入れて部会の方の御意見を聞くと,そういう処理でよろしいですか。--それでは,そのようにさせていただきます。   あとは,そういたしますと(注4)の開始決定の公告の方法ですが,これは御異論ないですね。大変詳しくいろいろ経過を調べていただいて,結論としては最後の2行にございますように,新・特別清算において裁判所がする公告は,官報に掲載してする旨の規定を設けるということでよろしいですね。   そういたしますと,次はいよいよ7の「新・特別清算開始の効力」でございまして,ここはいろいろ大きな問題があるところかと思います。   まず,(1)のただし書に関することですけれども,内容的にいうと一般の先取特権その他一般の優先権がある債権の取扱いということになります。   前回から御議論のあったところでございますが,(注1)に大変詳しい説明がございます。手続外とか手続内というのは先ほど○○関係官から指摘がございましたように,余り正確な表現ではございませんけれども,便宜そういう表現を使わせていただくと,一般の優先権のある債権を手続外の債権とする考え方のメリットというのが書いてあり,もしこれらの債権を手続に取り込むとすると,どういう問題点があるかということがその次に書いてあり,そしてどのように考えるかと書いてあるから,何か読んでいくとおのずから答えが出てくるようになっておりますけれども,これは前回のときのここでの御議論の傾向を反映させたものです。改めて御意見を伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。 ● 弁護士会できのう議論いたしましたけれども,手続の一般の優先権のある債権,それから先取特権の債権については,手続の外の債権と,協定に取り込まない債権ということの方がすっきりするだろうという結論になりました。   そうすると,うんと審理が早くなるはずです。 ● 前回もそういう御意見が多かったように思いますし,それからそれに反対だという御意見もなかったように思いますので,最終的な決着は部会の方でつけていただくといたしまして,分科会としてはこれらの債権は手続に取り込まないという方向で考えるということにしたいと思います。   次は(2)の倒産実体法の問題で,相殺の制限に関するところです。   (注2)で,ここも大変詳細に説明を書いていただいております。前回でのいろいろな御意見というのをまとめて,①から④まで書いていただいて,先ほどのように更に⑤,⑥というような問題点もあるということで,一体この相殺の制限を認めるということ自体については御異論がないのですけれども,どういう形にするのがいいのか,新破産法案のそのままでいいのか,破産法案でいうと71条,72条だったと思いますけれども,それを準用するという,方向としては現行法と同じような方向でいいのか,それとも特別清算の場合の相殺制限の在り方というのは,破産と変えた方がいいのか,変えるとするとどのように変えたらいいかということについて,御意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。   これも大変大きな問題ですが,なかなか難しくて,事務当局でいろいろ検討していただいたのですけれども,先ほどのようにどうも具体的な案をここでお示しするまでには至らないということで,お知恵を是非拝借したいと思います。   何か,○○幹事,御意見ございますか。 ● そのような知恵は私にはございませんので……。学者の先生方の御意見を伺っていただきたいと思います。 ● いろいろ実務上遭遇されることが……。特別清算はそれほどないかもしれませんが。   これは弁護士会のバックアップ委員会などでは余り御議論は出なかったですか。 ● 難し過ぎてよく分からないという……。   前回,○○幹事から御指摘があって,なるほどなと思いながら,じゃどうするということになると,よく分からないというところがきのうの雰囲気でございます。 ● ○○委員御自身の個人的な見解は。 ● 対案までとおっしゃると,ちょっと書けないなと。確かに債務超過と支障ある場合とでは全く異なりますから,前回○○幹事が御指摘なさったのはそのとおりだとは思うのですけれども,じゃ書き分けができるのかというあたりが,私自身詰めてもおりませんけれども,すっと頭の中に入ってくるような形では出てこないという現況でございますが。 ● これはどうも,学者側に解明責任があるのかどうか分かりませんが……。   問題提起者であった○○幹事,その後何か具体的なお考えは。 ● 私が申し上げた後,いろいろな御意見を伺って思考停止に陥っているのが現状でございまして特にないのですが,むしろちょっとネガティブなことも,私の申し上げたようなことから進むには,もう少し慎重でなければいけないなという気が少ししております。   というのは,先ほどの特別清算による方が有利である云々というところが,相殺権の範囲が違ってくると,そこのところで非常に難しい判断を強いられるのじゃないかなという気が一方でしておりますが,理屈の上からすると,どうも前回言ったことの方が何かまだ整合性があるのかなという気もしておりまして,悩んでいるというのが現状でございます。 ● お隣の○○幹事,何か。 ● 私も,前回申し上げた意見からほとんど進展していない状況なんですが,前回の繰り返しになるかもしれませんが,弁済禁止とかあるいは否認の制度がないということで,それとの関連を考えなければいけないということは一つあるのだろうと思うのですが,この相殺禁止のコアになっているような部分のほかの,要するに債務者が債権譲渡を受けて自分の債務と相殺するとか,あるいは逆に債権者がほかの債務者の債務を引き受けて,それで相殺するというようなことがもしできるということになれば,危機時期以降できるということになれば,これはもう倒産手続としては成り立たないのだろうと思います。こういう行為は,否認の場合とは違って,要するに債務者は全然関与しなくても,債権者とそれから債務者に対する債務者との間の合意等でできる話なので,これは否認等を制約しなくても,債務者の行為を制約しなくても,それを制限するということには十分な合理性が説明がつくのだろうというふうに思います。   次に,そういうコアの部分をほかのものと切り分けられるか,あるいはそれをどこまで広げられるかということについて考えてみたのですが,そこがうまく必ずしも切り分けられない,そういうような形で債権譲渡受けるのはいいけれども,じゃ第三者弁済で,例えば求償権とかというようなことになった場合にはどうかとか,そのあたりがちょっとまだ十分に検討をし切れていないということで,結論的には○○幹事と同じで,理論的には破産と違うべきではないかと思いつつ,どこまで違えたらいいのかということが分からないということです。申し訳ありません。 ● ○○幹事はいかがですか。 ● 本日の資料で,まず事務局でつけ加えていただきました⑤,⑥についてですけれども,これはしかし,民事再生や会社更生が最も軽い原因で始まったときにも同じように当てはまるのではないかと,ただ空振りになるだけではないかという気もいたしますので,これは必ずしも決定的な理由にはどうもならないのではないかという気がいたしております。   次に,今,○○幹事からお話がありましたとおり,否認の制度がないことの関係をどう考えるかという点ですけれども,これはしかし,先ほど議論した開始あるいは協定の認可のところで清算価値保障原則をかませることで類似の効力を働かせると,いわば個人再生と同じ世界だということでございますので,これも必ずしも決定的な理由にはならないだろうと,というか,それほど重く考える必要がないのではないかというふうに考えております。やはり手続構造を簡単にするために,形成無効は排除するということにしつつ,偏頗的な満足というのを禁止する必要があるということですから,私は基本的には相殺制限は設ける必要がある,この資料の17ページで申しますと,一番上の行から始まります③の考え方に一番共感を覚えるのですが,ただその③の後半で書いてございます申立てが危機時期を画する基準としてよいのかということは,もちろんなお問題になるわけでございます。   本日,いろいろ考えてきたところは,まだまとまらないわけですが,一つはもちろん新破産法71条,72条と全く同じ規定を置くというのも一つの割り切りかと思いますが,仮にもし申立てが危機時期を画する基準として適切でないということであれば,新破産法案の72条,72条の各1項の4号,つまり申立てに係る部分だけを外して,1号から3号だけで書くということも考えられないではないかなと。さっき○○幹事がおっしゃったように,違うことをする理由を説明するのはなかなか大変なんですが,もし申立てを基準にするのが気持ち悪いということであれば,72条,72条の各1項の1号から3号だけを準用するというのも考えられないではないのかなというふうに,とりあえず考えてきたところであります。 ● もちろん部会には,この本日の資料4の形で上げるということは差し支えないと思いますけれども,何か具体的な案が出せれば,具体的な案について部会の方で御議論いただくという方が望ましいと思っていろいろ伺ったのですけれども,なかなか本日ここでこれについて何か一つの具体的な案にまとめるというのは難しそうですね。   何か,○○委員,御意見ございますか。 ● 理論的なことではなく,実務的な観点からなんですけれども,特別清算が破産に移行することも高いわけですので,そういうときのことを考えると,やはり余り複雑していただきたくないなと,そうでなくても結構相殺のところは破産のところでも大分複雑な制度になってきているものですから,普通の弁護士ですとこれがまた違う組立てだというと範囲がまた違ってきてしまうと,最後のところとの清算価値についての比較も難しくなってくる。ですから,基本的にはなるべく同じような構造にしていただきたい。   問題は,確かに危機時期の点もあるのですが,ただ実務的に特別清算の申立てを失期事由にしているケースがかなり実務では多いということも考えて,そうすると申立てのところを外されるのも,これもまたなかなか困るなと。そうすると,その点についてはほかのところでもありますように,ただし書のところで「支払不能でないときは,この限りでない」というような,そういう何かを対応することによって,なるべく近づけていただけないかなと,破産に準じた形での構成をお願いできないかなというふうに……。   これは,本当に理論的じゃなくて実務的な観点でしかないのですけれども。 ● 実際に使えるかどうかといううまい結論というか,結果を引き出せるかどうかというのも大事な点でございますから。   どういたしましょうか,そうしましたらこの点については事務当局の方でもう少し検討していただいて,何かせめて両論併記ぐらいの形で具体案が出せれば部会にお出しするけれども,そうでなければ本日のような形でということでよろしいですか。   なかなか具体案にここで絞り込むのは難しいと思いますので。--それでは,そのようにさせていただきます。   そういたしますと,(3)の(ア)のところは一般の先取特権その他一般の優先権が,手続債権から外れてくるということになると,留置権,企業担保権の実行の問題は別として,あとはほぼ理論的に整理がつきますかね。   (注3)で,初めのところは一般の先取特権の実行でございますけれども,18ページのところで民事留置権による競売についてはどうするかという問題がございまして,民事留置権の扱いをどうするかというのが一般問題でありますが,中止命令との関係でいうと,民事留置権による競売については(ウ)の中止命令の対象とすると,要するに担保権実行の中止命令の方でとめると。(ア)の方からは外れるということでいかがかということですけれども,この点についてはいかがでございましょうか。   これでよろしいですか。もちろんここに書いてありますように,破産のように民事留置権自体を失効させるというようなことは考えられませんから,で,競売そのものを認めないというわけにもまいりませんので,中止命令の対象にする,その場合には担保権実行の方の(ウ)の対象にすると。--それでは,そういうことで御了承いただきたいと思います。   次は,(注4)の企業担保権の取扱いですけれども,これにつきましてはそこにありますように,今の留置権と同じように(ウ)の中止命令の対象にするという考え方と,特別清算が始まるような,というか,逆に企業担保権の実行がされるような状況では特別清算の見込みがないということになるから,特段の手当てをしないでおくというのがいま一つの考え方ですが,これはいかがでしょうか。   ①で,(ウ)の中止命令の対象にするということで,要するに一般の先取特権のある債権と同じことですね,それでよろしいかと思いますが。   よろしいですか。--それではそのようにさせていただきます。   あとは(注5),破産手続との関係ですが,原案では破産手続開始決定があれば,その確定前であっても中止にはならないという,そういう考え方ですけれども,前回のときに開始決定があってから,その確定に至るまでの間は特別清算の方を進めてもいいのではないかという御意見がありましたので,それを(注5)で取り上げているわけです。ここでの案といたしましては,そのような考え方は採用しないということでよろしいかということなのですけれども,いかがでしょうか。 ● 理論的には確定までの間,特別清算を進行させるということもあり得るとは思うのですが,実務上,ちょっと具合が悪いのではないかと思っているのです。現在,ようやく強制和議という仕組みが廃止になったということになりますが,実際に強制和議という形で民事再生ではなくて強制和議という形で争われるものは,濫用的なものがあって大変苦しんだという経験があるのですが,せっかく破産法の改正で強制和議がなくなっているにもかかわらず,破産宣告に対して即時抗告をして特別清算で争われると,またこれは大変だなという意味では,ちょっとそこらの制度の仕組みとどうなんだろうという意味が一つ。   それからもう一つは,34ページに破産手続開始決定があれば特別清算は終わるということが書かれておりますが,これは破産手続の方が絶対的に優先するという考え方だと思うのですが,確定まではなお特別清算を動かすというようなことになると,今まで民事再生で苦しんだのと同じように,廃止決定をして,廃止決定が確定してから破産宣告に移行するとか,そういうような重い仕組みをつくらなければ制度上説明がしにくくなるというようなおそれもないのかなというような心配もありますので,これは一つ破産手続の方が優先するという形で,簡明に規定を設けてもらいたいというように思っております。 ● 特に御異論がなければ,今の○○委員の御発言もあり,(注5)の結論的な部分に書いてありますように,開始決定後確定に至るまでの間,特別清算を進行させるというような考え方はとらないということでよろしいですか。--それでは,そのようにさせていただきます。   それでは,7まで終えたということで,ちょっとまだ3時まで時間がありますので,先に説明だけしていただくことにしたいと思います。 ● それでは,8から10まで御説明いたします。   8は,「清算人」を取り上げております。   (1)の「公平誠実義務」については,御異論はありませんでした。   (2)の「清算人の解任及び選任」のうち,(ア)の解任については,(注1)のとおり不服申立ての点で意見が分かれましたが,即時抗告を認めるとの考え方を支持する意見がやや有力であったと承知しております。事務当局としては,即時抗告を認めるのが適当ではないかとは考えておりますが,この点について御意見をお聞かせ願いたいと思います。   (イ)の選任については,御異論はありませんでした。   「(3) 清算人に対する報告命令及び調査」についても,御異論はありませんでした。   「(4) 清算人の行為の制限」は,前回は専ら監査委員の制度の見直しとして取り上げていたものです。しかし,(注2)(a)の第一段落のとおり,前回の審議では監査委員の制度は廃止し,これにかわる制度を設けるものとするとの考え方が多数を占めました。そこで今回は,改めて清算人に関する規律として,清算人の行為の制限を取り上げております。   まず,監査委員の同意の制度を廃止することによる新・特別清算に対する影響の点ですが,(注2)(a)の第二段落のとおり,清算人の行為の適正を確保するための制度を根本的に見直さざるを得なくなると思われます。資料に記載しましたとおり,現在の監査委員の同意の制度は,必要的同意の制度を前提としておりますが,監査委員の同意の制度を廃止する場合には,①のように債権者集会の必要的決議の制度,及び急迫の事情がある場合の裁判所の許可の制度は維持するという考え方,②のように急迫の事情の有無を問わない裁判所の必要的許可の制度を設ける考え方,③のように裁判所が選任する監督機関による同意,監督の制度を設ける考え方等があり得ます。   しかし,①のような制度は,急迫なる事情を現在以上に拡張解釈することを前提とせざるを得ず,制度としての合理性に欠けると考えられます。   また,②の裁判所の必要的許可の制度については,新・特別清算の当事者自治的性格を重視し,また清算事務の機動性を損なわないようにするための工夫をしても,なお原則として裁判所の許可を必要とする制度設計が,新・特別清算の当事者自治的性格になじむかどうかは疑問が残るところです。   ③の監督機関による同意,監督の制度については,①又は②の採用を前提としない限り,裁判所が選任する必置の監督機関を設けることを意味しますので,適当ではないと考えられます。   このように,監査委員の同意の制度を廃止する場合には,必要的同意の制度を維持することも困難であると考えられますので,まず必要的な構成にするのか裁量的な構成にするのかについて御審議いただきたいと思います。   それを前提として,具体的な制度設計をすることになりますが,今回は必要的な構成を前提とする甲案と,裁量的な構成を前提とする乙案をお示ししております。   まず甲案では,(注2)(b)のとおり,所要の見直しを行った上で,裁判所の許可の制度のみを存続させる甲①案の考え方に加えて,裁判所の許可にかわる同意権限を監督機関に付与することができる制度を設けるという甲案②を掲げています。   なお,再生手続及び更生手続の監督命令又は監督委員とは,必要的許可の制度を前提とする点が異なることから,ここでは「監督委員」という名称は用いておりません。   次に乙案ですが,a案は再生手続における再生債務者等,及び更生手続における管財人の行為の制限を参考にしたものです。   次の乙b案は,再生手続における監督命令の制度を参考にしたものです。   さらに,乙c案及び乙d案は,新・特別清算の当事者自治的性格を重視して,清算人の行為に対する監督の在り方についての決定権を債権者集会に留保するものです。   これらの考え方は,相互に排他的なものではなく,併存させることも可能であると考えられます。新・特別清算の基本的性格に反しないか,実務上合理的に機能するかといった点から,いずれの考え方を採用するのが適当であるか,御意見をちょうだいしたいと考えております。 (注2)の(c)では,乙案をとった場合に,決議,許可,又は同意を要する行為として指定することができる行為の範囲について検討を加えておりますが,このような整理をすることでよろしいか,御意見を伺いたいと思います。   さらに,(注2)の(d)では,清算人が許可,同意又は決議をしないでした行為の効力や,営業の全部又は重要な一部の譲渡などにつき,株主総会の特別決議を不要とする特例について,所要の整備をするものとしておりますが,営業の全部又は重要な一部の譲渡などについて株主総会の特別決議を不要とする特例を設ける場合には,その代替的措置を設けるかどうかが問題となります。甲案又は乙案のいずれの考え方を採用するかにかかわらず,営業の全部又は重要な一部の譲渡等については,裁判所の許可,監督機関の同意,又は債権者集会の決議のいずれかを必要とするのが適当であると考えられるところです。   さらに,裁判所が許可をする場合,又は監督機関が同意をする場合には,何らかの形で債権者に手続関与の機会を与えることが考えられます。これらの点についても御意見を伺いたいと思います。   次の(5)は,「債務の弁済」を取り上げております。基本的なスキームは,前回の審議で多数を占めた考え方に従っておりますが,(注3)のとおり,一般の優先権がある債権の取扱い次第で亀甲括弧の部分を挿入するかどうかが異なってまいります。また,新・特別清算のために生じた費用,及び新・特別清算の手続の費用の請求権の弁済については,前回の審議の結果を踏まえて,割合弁済の許可の対象とはしないこととしておりますが,なお(4)の「清算人の行為の制限」の対象にはなり得ると整理することでよろしいか,御意見を伺いたいと思います。   (注4)及び(注5)はやや細目的事項ですが,(注4)の許可の申立ての方式の点については,前回の審議で御異論はありませんでした。   疎明義務及び裁判の方式の点については,倒産法部会に移行後,改めて御審議いただく予定です。   (注5)の清算人代理等についての所要の整備については,御異論のないところと思います。   次の9は「債権者集会」でございます。   前回の審議では,(1)の「書類提出及び意見陳述のための債権者集会」については,招集を原則とし,例外的に招集しないことができる乙案が支持を集めましたので,今回はこれを本文に掲げるとともに,ただし書について表現を工夫しております。   なお,これは規範の実質を書いたものですので,条文表現が異なるものとなる可能性があることは,ほかの部分と同様です。   この書類提出及び意見陳述のための債権者集会に関連して,(注1)のとおり財産目録及び貸借対照表の裁判所への提出の制度が問題となりますが,前回の審議では,これが通常清算で廃止される場合には,代替的に新・特別清算において整備することに御異論はありませんでした。さらに,書類提出及び意見陳述のための債権者集会については,これを招集しない場合の代替的措置が問題となります。具体的な定めは最高裁判所規則にお任せすることになりますが,この点について何か具体的な提案をお持ちでしたらお聞かせいただきたいと思います。   (2)の「(1)以外の債権者集会」については,基本的に御異論がありませんでした。(イ)の少数債権者による招集の②については,前回積極的な御発言がございませんでしたし,なお社債権者集会との均衡も考慮する必要があると思われるところから,6週間とするとの考え方と8週間とするとの考え方を併記しております。   また,(注3)のとおり,不服申立ての問題がございますが,この点についても倒産法部会に移行した後に改めて御審議いただくことを考えております。   (3)の「債権者集会の指揮(議長となるべき者)」については,御異論はありませんでしたが,「指揮」という用語の妥当性については疑問が呈されました。この点については,条文化の作業の際に検討させていただきたいと思います。   (4)の「決議」ですが,本文については御異論がありませんでした。(注4)では,(エ)の代理人による議決権行使に関連して,議決権の不統一行使の制度を設けるものとするとの考え方を掲げております。前回,御異論のなかったところです。   なお,議決権の不統一行使がされた場合の可決要件のうち,頭数の数え方については,監査委員の制度が廃止されて決議事項の内容が単純化いたしますので,再生手続と同様の考え方をとることが可能てあると思われます。   また(注5)では,債権者集会に出席しない債権者が,書面又は電磁的方法によりその議決権を行使する制度,及び債権者集会を開催せずに,書面等で議決権を行使させる制度を設けるものとするとの考え方を掲げております。これも前回御異論のなかったところであり,具体的な制度設計については基本的に社債権者集会に倣うものとしております。さらに基準日の制度についても,これを設けるものとし,具体的な制度設計については基本的に株主総会に倣うものとしております。   (注6)では,特別の利害関係を有する者の議決権の行使を禁止する規定は設けないものとするとの考え方を掲げています。この点については,前回の審議で御異論はありませんでしたが,念のため特別の利害関係を有する者が実際に議決権を行使したときの取扱いについて検討を加えております。結論としては,特別の利害関係を有する者の議決権行使を禁止しなくても,特段の問題は生じないというふうに考えられます。   また(注6)では,無記名式の債券を有する者の取扱いについても触れております。前回の審議では,これを設けないものとするとの考え方をとることについて特段の御異論はありませんでしたが,現在の特別清算における振替社債の取扱い等を踏まえて検討すべきであるとの御指摘もございましたので,会社法制の現代化の動向も踏まえつつ,基本的にこのような規律を設けないものとする方向でなお検討するものとしております。   (6)の「担保権者の取扱い」については,対象となる担保権者の範囲をどのように考えるかという,新・特別清算全体にかかわる問題を除き,御異論はなかったと承知しております。   続いて10ですが,「検査役」を取り上げております。   前回の審議では,(1)の「検査命令」,(2)の「検査役の報告」のいずれについても御異論がありませんでした。   また,(注1)の執行官又は警察官の援助の制度については,このような制度があっても悪くはないという消極的な存続論もございましたが,多数は新・特別清算の性格に合致しないとの御意見でしたので,今回はこれを設けないものとするとの考え方を掲げております。   (注2)は,やや細目的な事項になりますが,見直しの必要があると思われる事項を列挙しております。この点についても倒産法部会で改めて審議していただくことを考えております。以上です。 ● それでは,区切りをここでつけるということで休憩にしたいと思います。   では,休憩に入ります。             (休     憩) ● それでは,審議を再開することにしたいと思います。   8の「清算人」からでありまして,説明は先ほどしていただいたとおりです。   (1)の「公平誠実義務」については特に御異論ないと思います。   (2)の「清算人の解任及び選任」のうち,御意見を伺うべきものは(ア)の解任の③,清算人を解任する裁判に対する不服申立ての点ですが,先ほどの説明にもありましたように,即時抗告をこの場合は認めるというのが前回の多数の御意見だったと思いますが,不服申立てを認めないという選択肢もあり得るかと思います。この点はいかがでしょうか。 ● 私,この(注1)に書かれてある前提というか,あるいは必ずしもそうかなというのがちょっとよく分からなかったのでお教えいただきたいのですが。   今の条文だと,例えば民事再生だと監督委員については57条2項で解任の規定があって,これが調査委員,管財人,保全管理人,一応すべて準用されているという形になっていますね。それで,確かにそういう人を交代すれば監督命令等が変更されるということになるのかなと思うのですが,ただそこで,この前提はあれでしょうか,監督委員が例えば自分が解任されるのが不当だという理由で監督命令の変更について争えるという前提がとられているのでしょうか。 ● そうだと思いますけれども。 ● そういうふうに解されているのでしょうか。余り何かそういうことを明確に書いた文献というのは,私が見た範囲ではなかったような気もしたのですが。 ● 御指摘のとおりで,余り明確に書いてある文献は恐らくないだろうと思います。旧会社更生法についての条解に,それらしき記載が若干ある程度ではないかなと思います。 ● 実質論として,何かちょっと変な……。つまり,破産管財人と更生管財人はそうすると全然争えないわけですね,自分が解任されたことについて。それで保全管理人とかだけが,たまたま保全管理命令の変更という形になるから争えるというのは,何かやや釈然としない部分が私にはあるのですが。   ですから,これがどういう条文になるのか分かりませんが,明確な形で清算人が自分が解任されたときにそれを争えるということを書いてしまうと,その今の解釈論についても何か決めを打ってしまうような形になるような気もするのですが,それがいいのかどうかというのは,私はやや疑問なところがあるような気がしているのですが。 ● そうすると,実質的にほかとのバランスからいうと,清算人についても解任の裁判に不服申立てができなくてもよろしいのではないかと,そういうことになるわけですね。 ● 結論的にはそういうことです。 ● こちらの方は書かないと,恐らく解釈の余地はないと思うからできないということになると思うのですが。   いかがでしょうか,今,○○幹事から御疑問が出されましたが,前回は認めるという御意見が多かったように思って,事務局ではそちらの方を先に書いたのですが。 ● 清算人の場合は,破産管財人と異なりまして当初から会社が選任された清算人が就任するのが通常かと思いますので,それの解任に対して,当該清算人が不服申立てできないというのはやはりいかがかなと。その点では破産管財人と明らかに立場が違いますので,とともに,実務的にもやはり濫用的な解任申立て事例というのはあり得ることでございますし,それが原審で審尋があるとはいえ通ってしまったときに,一切不服が言えないというのもいかがかという点が気になりますので,抗告ができてしかるべきだと思いますが。 ● 前回はそういう御意見が多かったのだと思うのですが。そうでもなかったのですかね。 ● 破産との比較で,といいますか,破産と同じように解任に対する不服申立てはできなくていいのじゃないかという御意見もありましたのですが,実質論は今,○○委員が言われたようなことはお話があったと思います。複数の意見が賛成意見であったということだと思います。 ● これはどうでしょうか,会社法的に御覧になられて,取締役が清算人になったと,裁判所で何か不都合な事由があるというので解任されたというときに,不服申立てを認めた方がよろしいのか,あるいは認めるべきなのか,それともそこまで認めなくてもいいということなのか。 ● 両方制度はありますが,会社法的には。ただ,もちろん不服申立てという話ではなくて,まず○○委員がおっしゃったように清算人は会社で選ばれるというのは,その更に前に通常のときに取締役だったものが当然清算人になると清算に書いてあって,それで特別清算に移行するとそれがそのままになるからという,三段階なんですね。   先ほどから条文を見てみますと,だんだん裁判所の関与が強くなってきていて,会社法上は,清算段階に至っていない会社の場合には,もちろん裁判所が解任するというのは極めて特殊で,基本的にはない。株主総会は常に解任できますのですが。ところが,通常清算でも裁判所がかかわってこられるようになっているのですね。そこでまず第一歩変わっていて,ですから特別清算の場合には更に変わったと解釈すれば,裁判所がもうやめさせちゃってもいいのかなという気がします。   そこへ不服申立てをする制度というのは,もともと商法では全く考えられていませんので,何せ株主総会でやめさせればいいことだと考えておりますので,株主総会の場合には理由も何も要らないわけですよね,そこから二段階に変わった特別清算がどういうふうに性質を異なっているのかなというのが問題だと思うのですが,私はもう清算の段階でも裁判所が入れるのだから,次の特別清算では要するに会社法的な考え方は一切ない,で,裁判所は常に解任することができ,その後に不服を申し立てることができるかできないかというのは非常に政策的な問題であるという気がしますが。 ● あと,今の点について何か御意見ございますか。ほかの委員・幹事の方。 ● 1点教えていただきたいのですが,商法の新しい改正の関係では,通常清算の場合の裁判所による解任というのは残るのですか。 ● まだはっきりはしていないようです。 ● 変えるという話は聞いてはないですが。 ● 特に積極的な御意見がなければ,今,両方の御意見が出て,それぞれごもっともと思う理由なので,なお事務局の方で検討させていただいて,部会にどういう形で出すかお任せ願いたいと思いますが,それでよろしいですか。--それでは,ちょっと検討させていただくということにしたいと思います。   次は,(3)は特に問題がなかったと思います。   (4)の「清算人の行為の制限」で,これは非常に大きな論点の一つです。   議論の経緯は先ほど○○関係官から説明があったとおりでございまして,前回の監査委員の制度をそのまま維持するという,現行法のまま基本的に維持するという考え方については,どうも御異論が強かったので,別の監督の方法を考えるということで,甲案と,乙案はa,b,c,dというふうに分かれておりますけれども,それぞれの持つ意味は先ほどの説明のとおりです。   各案の理由づけにつきましては,(注2)の(a)から説明のあるとおりです。   端的にここはどういう仕組みにしたらいいか,甲案のように必要的同意ということにして,②で監督機関を選任して裁判所の許可にかわる同意をする権限を監督機関に付与するということにするという案と,乙案の方はいろいろなバリエーションがあり得るわけですけれども,いずれの考え方がよろしいでしょうか。   もちろん,今日どれかに一本化しないで,2案ぐらいに絞って部会の方に上げるということも十分考えられると思いますけれども。   弁護士会の方は,いかがでしたでしょうか。 ● きのうの議論としましては,甲案支持の方が多数説でございまして,その場合に,場合によっては裁量的な形で裁判所の要許可行為,445条各号すべてまで許可が要るとまでしなくてもいい,あるいは金額を定めて,500万ぐらいでいかがかという意見がございましたけれども。現行は100万ですが。   それから,②もあってもいいのだろうという意見の方が多数でございます。   それから乙案につきましては,乙c,dに関しましては非常に強い反対がございまして,特に債権者集会を開いた場合に,いわゆる外資の方々などがお入りになってきて,集会が結構混乱する場面が多いので,御自分の利益だけで走られる形になると特別清算自体の進行が非常に難しくなるという御意見がございまして,乙案であればa,bいずれかであろうと,こういう意見が多数でございました。 ● ほかの委員・幹事の方はいかがでしょうか。 ● 資料の22ページの(b)の直前に書いてあるとおり,新・特別清算の自治的な性格というのを考えますと,必要的許可という形で縛る必要はないのではないかということで,まず甲か乙かでいえば,私は甲をとる必要性は余りないのではないかと。必要なものだけ,必要な場合に要許可等にかからしめればよいのではないかということで,乙案支持でございます。   乙の中では,私は基本は乙aとしつつも,もし加えるのであれば乙cも加える。これは相互に排他的な関係はないという御説明がございましたが,基本は裁判所が定めるものということにしながら,債権者の意向で更に例えば追加をしてほしいというようなものがあるのであれば,それも加えられるということもよいのではないかと思います。確かに債権者集会の決議で,現実の場面で実務家の先生方が苦労されているというのは分かるのですが,人の顔を見て,だれだからその意見はどうかというのもいかがなものか,債権者として合理的な行動をしているのであれば,それは受けとめざるを得ないのではないかというのが私の感想でございます。 ● むしろ乙案の方がよろしいのではないか,乙案を基本と考えるという御意見でございましたが,ここも両方当然あり得ることではあるのですけれども,もう少しほかの委員・幹事の御意見も伺いたいと思いますが。   ○○委員,何か御意見ございますか。 ● 私は,どうも○○委員の発言と対極でありまして,債権者自治という一方の理念と,それから従来監査委員について言われていた欠点,あるいは問題点の解消という点から見て,乙d案というのは十分それにこたえられるものではないかと考えております。 ● dですね,監督機関を選んで,その同意にかからせると。   ○○委員,何か御意見ございますか。 ● 私は,甲案でいいのではないかと考えてきたのですけれども。   乙案をとるとすれば,簡明を旨とするa案でいいのじゃないかと思いますけれども,乙案も結局裁判所が個別的に指定しても,それはある程度似たり寄ったりしたものになるということであれば,一応法律で最低限の枠を決めておいて,それにプラスアルファをするということで,大体甲案の1項で済むと思いますけれども,更に念を入れて2項もあわせて使うこともあるというぐらいでいいのではないかと。これは特別清算人だけではなくて,破産の管財人や会社更生の管財人も大体一定の範囲は規定しておいて,プラスアルファの方式でございますので,それと横並びでいいのではないかというふうに考えてきたのですが,さっきの特別清算人というのをどう考えるかと,破産管財人と違うものにするかどうかということとも関連しますので,一応私の意見は甲案でいいのではないかということです。 ● この甲・乙のそれぞれの案の当否というよりも,ちょっと○○委員が今最後におっしゃった点で,気にかかることがございまして。   というのは,清算人の行為規制として組むのがいいのかどうかというのは,やはり考えなければいけないのかなという気がするのです。つまり,会社の行為規制になるべきなのではないかという気がするのです。清算人は手続機関ではございませんので,代表者ないしは代表する業務執行についてのボードのメンバーですので,それに行為規制を加えるというのが本当にいいのだろうかと。そもそも清算人会が,既存の取締役が清算人になる場合は清算人会もございますし,この規定はどうも戦後の改正を十分考慮していないのじゃないかなという,つまり戦前の取締役が各自代表権を持っていたいうのを前提にしているようなところもございますし,どうもこの清算人の行為規制にするよりは,やはり再生法と同じように,債務者である会社の行為規制にした方が私はいいのではないかという気がするのですけれども。 ● そうすると,具体的にはどういう仕組みに。 ● だから,会社の行為の制限についてはというだけになるだけですので,実質は変わらないのです。ただ,そちらの方がどうも清算人の法的性格にそぐうのではないのかなという気がするということで,それでオプションとしてどういう場合にどういう形で行為規制をするかというのは,全くこれと同じことにはなると思うのですが。 ● 今の点はどうでしょうかね。 ● 今の御趣旨ですと,例えば公平誠実義務の主体ですとか,そういうものも含めて,清算人が主体ではなくなるという前提なんでしょうか。 ● そこはまだ必ずしも詰め切ってはいないのですが。   清算人が会社に対して義務を負うのは,これは清算人でしかあり得ないですから,これは商法の存立中の会社の忠実義務,善管注意義務なんかと同じようなことだと思うのですけれども,株主及び債権者に対してというのも,これは私は別に清算人であっても構わないというふうには一応考えています。株主との関係では,株主から付託を受けた,あるいはそれにかわるものとして裁判所が選任した者ですから,株主に対してそういう義務を負っても構わないし,債務超過状態であれば,実質的な会社の所有者は債権者だと考えれば,株主と同じように債権者を扱うと,こういうふうに考えられると思いますので,私はここの公平誠実義務については特に問題性は感じないのですが,それ以外のところについて,どうも会社と清算人の切り分けが,清算人が代表者ないしは清算人会のボードメンバーであるというところの性格と合わないのではないかという気がするということでございます。 ● 今まで,確かに会社法の戦後の改正の考え方が十分取り入れられていない,特別清算との関係で。という面があったのかもしれないのですけれども,従来はやはり清算人が特別清算手続の機関といいますか,遂行主体だというふうに考えてきたのだと思うのですがね。 ● これ,何回目かのときに清算人会というのができて,機関意思決定になるのか,あるいは一人一人がやっちゃってもいいのかという話が出たことがありますが,そのことは必ずしもこの新・特別清算制度でもまだはっきりしていないわけですね。もし,今,○○幹事がおっしゃったように清算人会というのがあるとすると,現行商法には260条があって,その取締役会の細胞の一つである取締役というのは実質上何もできないようになっているのですね。取締役一人に対してやらせてはいけない,つまりこれはもう具体的には代表取締役のことなんですが,代表取締役の専横を防ぐために260条2項で,例えば重要な財産の譲渡とか,多額の借財については取締役会の決議を経ろと書いてあるシステムをそのまま今のとおり取り入れたとすると,これは特別の機関を設けるのは段階としては尚早であって,まず清算人会の相互監視機能を期待せよということになってしまうわけなんですが。   はっきり,もしこの点を清算の段階で--実は通常清算でもそのことがまだ不明確な条文になっているのですが,少なくとも新・特別清算では,その点は清算人は各自執行,各自代表になるということはどこかに明記しておく必要があるのではないかという気がするのですが。 ● 20人も取締役がいる会社で,清算に入ってそのまま裁判所が解任せずに横滑りで清算人になっているようなところに,20人が20人代表権を持つということは,ちょっと……。そうすると,もう必然的にそこでは何人かを解任していくという手続をとらざるを得なくなって,かえってそういうことでフリクションが生ずるというようなことも考えられますので,私はやはりそのまま存立中の会社の執行機関の構成がそのまま横滑りすると考えた方がいいのではないかなと思っているのですけれども。 ● 今のは,どちらにせよ通常清算でどうなるかが前提ですよね。基本的には通常清算では,清算人会の制度は,全面的にか部分的にか,権限の問題はよく分かりませんけれども,廃止する方向だというのは要綱試案の方針ですね。 ● そうですか,それではそこのところをにらみつつ考えなければいけないということになりますね。分かりました,ありがとうございました。 ● なお理論的な問題は残るかと思いますけれども,とりあえずは従来の考え方のように,清算人が手続上の機関だという考え方でちょっと議論を進めさせていただきたいと思いますが,先ほどからの御意見を伺っていますと,結局甲案--①,②両方あわせてですけれども--と,それから乙案のaあるいはbを中心にする,ないしはaとb両方ということも考えられると思うのですけれども,そういう甲・乙2案という形で部会に上げるということにいたしますか。   ○○委員,何かこの点について御意見ございますか。 ● 実務上の観点からですけれども,弁護士会でもそうだったのですが,先ほど紹介していただきましたように甲案で①,②という背景には,特別清算に対する債権者からの信頼がどの程度得られるのかという観点からいくと,やはり裁判所が,特に清算に向かっていくわけですから,しかも中心は財産的な行為,財産法上の行為,いわば弁済を受ける財源の確保に向かって裁判所が監督しているのだということの方が,特別清算手続に対する債権者の信頼が得られやすい。そうでないと,どうも裁判所は裁量的な監督だけだとなると,特別清算そのものの申立てのところでなかなか債権者から信頼得られにくいということから,甲案の①,②の方がいいなと。   ただ,余り低いところまで監督は不要だろうというので,今の100万でなく,300とか500とか,そこは増やしていただきたいということにつながっているのだろうと思いますので,その辺も配慮していただきながら決めていただければと思います。 ● さっき私,甲案と乙案と大ざっぱに言いましたけれども,甲案の場合に制限の金額を引き上げるということもその中に含めて考えるという,厳格に言うとそういう趣旨です。   甲の方は②も含めてということで大体御意見はまとまるかと思うのですけれども,乙の方はどうでしょうか,排他的じゃないからaとbですかね。どちらを中心に考えるかという考え方はまた分かれるかもしれませんけれども,そのあたりで2案にするということでよろしいですか。 ● c案あるいはd案という御意見もあろうかと思いますので,乙はa,bを中心としながら,c,dについても注記する形で,一応オプションとしては三つにするという説明をしたいと思いますけれども。 ● そういたしましょう。やはり債権者集会は広い意味での監督権限を行使できてもいいじゃないかという御意見もございましたので,c,dも注の形で示させていただく,そういうことにしたいと思います。   (4)の関係はそれでよかったですかね。 ● 営業譲渡があります。 ● そうですね,24ページの(d)ですね。ここで営業の全部又は重要な一部の譲渡等について,現行法と同じように株主総会の特別決議を必要とするという規定の適用を排除いたしますと,代替的措置として,甲・乙いずれをとるかにかかわりなく,その営業譲渡については裁判所の許可あるいは監督機関の同意等が必要となるというふうに考えられるわけですけれども,更に債権者の手続関与の要否,並びにその関与の在り方をどうするかという問題が出てまいりますが,この点についてはいかがでしょうか。   民事再生,あるいは会社更生と同じような仕組みにするか,あるいはそれ以外に何か別の仕組みを考えるか。更には,債権者の中でも労働組合等についてはどうするかという問題もあり得るかもしれません。 ● 特別清算の場合は,一応解散決議によって事業継続に関する株主の利益については,一応総会決議ができているということと,それから特別清算の場合でもいろいろ営業譲渡等いろいろな態様があるとは思うのですけれども,既に事業が廃止されて,従業員が全員解雇されている,あるいは事業が停止しているというような局面もあろうかと思うのです。そういう場合に,現在活動中の事業そのものを承継するというのと,少し趣を異にして,いったん廃止された事業を再度興すというような意味合いの,経済的な実体としての意味合いの取引もあろうかと思いますので,特にそういう場合には,営業廃止後まだ余命を保っている間に,簡易迅速に営業譲渡するということの必要性というのは非常に大きいですので,ここでは民事再生とか会社更生のように,現に維持されている事業を譲渡するときの手続の枠組みをそのまま踏襲するのではなくて,もう少し簡便で迅速な営業譲渡を可能にするようにしていただいた方がいいのじゃないかなと。   労働組合等の意見聴取は定めていいと思うのですけれども,基本的には裁判所の許可プラス代諾許可というような形じゃなくて,裁判所の許可一本でやれるというようなことを考えていいのじゃないかなというふうに思いますので,一言申し上げます。 ● 債権者の意見聴取は,労働組合は別として,原則として必要ないのではないかということになるわけですね。 ● 解体清算に向かっているということを前提としての話です。 ● いかがでしょうか。 ● 解体清算に向かっているので株主の権限を排除するというのはある程度正当化できると思うのですが,つまり投資の対象である事業がもう終わるということですから,あとは清算の方法だけですので,それはそれでいいのだと思いますが,債権者はやはり幾らキャッシュが入ってくるかということについて最大の関心を持つわけでして,やはり価格の適正さ等については何らかの関与を認めないと,とりわけこういう営業譲渡というように必ずしも適正価格が明確に把握し切れないものについては,やはり何らかの債権者保護のメカニズムは必要なんじゃないでしょうか。 ● ここのところは,きのう日弁連でも議論はできていないのですが,私自身は今,○○幹事がおっしゃったのと同様で,債権者の利益保護の観点が必要かと思います。特に,営業譲渡が行われる場合に,その価格がどういう形で決まるのかが債権者になかなか見えない,しかもそれがウエートが非常に大きい面がございますので,単に裁判所の許可だけでいいかというと,必ずしもそうじゃない。このあたりは債権者自治だという点からいけば,先ほど私が申し上げたのと少し違うかもしれませんが,やはり債権者の利益の最大限を図るべき手続保障というのは要るのだろうと思いますが。 ● その場合の意見聴取の方法としては,どういうことが考えられますか。 ● 集会の決議までということになりますと,これは重過ぎると思いますので,やはり意見聴取の手続保障で済ませると。必要があれば裁量的に集会をお開きになるのは別に構わないと思いますが,義務づける必要まではないだろうと思っております。 ● 私は,どちらかというと○○オブザーバーと同じような考え方を持っていたのですが。   破産の場合には,結局債権者の意見聴取は入れなかったわけですね。裁判所の許可だけでやることにしたので,そういう意味で監督機関の同意に委ねるということは私は適当でないだろうと,これはほかのスキーム全部裁判所の許可でこの問題をやっているので,それでやるべきではないかというふうに思っているのですが,破産でも私は債権者の意見聴取があってもよかったのじゃないかというふうに思いまして,そういう意見を申し上げたのですが,結局それは換価の一つの方法にすぎないのだということで,特段の手続保障をする必要はないという御意見が大勢を占めて,そういう形になったというふうに承知していますので,そういう意味で清算の一態様であるという点においては,私は同じ問題なのかなという感じがしておりまして,ここではあえて意見聴取の規定を設けるまでの必要はないのかなというふうに思っておりますが。 ● あえて差別化するとしたら,破産管財人と,先ほど来申します清算人の立場の違いということで,清算人がやるということは会社がやることですから,会社がやるという以上は,それについてもう少し,場合によっては清算人は従来からの清算人が横滑りしてきているわけで,それについては一定の歯どめが債権者からかけられるようにしておくというのも一つの考え方なのではないか,破産法と差別化するとしたら,そういうことになろうかと思います。 ● この点についても,ちょうど意見が二つに割れておりますけれども,いかがでしょうか。 ● 私は,○○オブザーバーのように考えていたのですけれどもね。これはもう清算段階に入っているのなら,簡易迅速にやった方がいいと,だから裁判所の許可だけで,特に債権者の意向を聞いたりなんかする必要はないのじゃないかというふうに考えていたのですけれども,○○幹事,○○委員の考え方も非常に説得的だなということで,ちょっと考えあぐねております。 ● 私は,意見を聞いた方がいいという考えであります。○○オブザーバーがおっしゃることも分かるのですが,しかし営業譲渡するという以上,営業は生きているわけでありまして,取引先関係でありますとか,一定の人的・物的資源というのはそれなりに統合されていなければ営業譲渡ということもあり得ないわけですから,そうなるとやはりそういったいわば一部であれ有機的一体として生きているようなものをどういう形で換価するか,しかも○○幹事がおっしゃったように,管財人ではなくて清算人というものがやることについて,やはり意見を聞く程度のことは最低限の手続保障として必要なのではないかと思います。 ● ○○委員,御意見ございますか。 ● 今の○○委員の御意見に共感しているところですけれども,我々として何か意見を集約したというわけではありません。 ● 実際に特別清算の段階で,確かに営業譲渡したことがあるのですが,破産のときもそうですが,もう清算に向かっているものですから会社更生とか再生手続中と違って非常にスピードを要します。いつやめるのか,もう取引先も特別清算,それから破産の場合もそうですが,終わりにすると分かっているものですから,非常に事業の劣化が普通のとき以上に激しい。そうなものですから,非常にスピードを要するということから,破産の場合に裁判所の許可だけでできるものですから,私は民事再生のケースにおいてもわざわざ再生手続を廃止して,破産に持っていって,破産宣告直後に営業譲渡を行ったというようなことがあって,非常に破産手続が切れ味のいい,スピードのある手続だというので,営業譲渡はこの方式が非常にいいというふうに思っているぐらいですので,特別清算の場合においても裁判所の許可だけで,そのかわり先ほど申し上げましたように処分については必要的許可事項としていただいて,これはそれでいいのではないかと。そうしないと,とてもスピードに対応できなくなって,ますます劣化してしまうだろうというふうに思っております。 ● 私は,やはりここでは意見聴取というのがあった方がいいのじゃないかというふうに考えております。確かに破産ではないのは確かなのですが,破産と違うのは協定で終わるという手続の構造ではないかと,やはり債権者の自治というのが手続の根底になっているのではないかと思います。   確かにこの段階で急ぐというのは非常によく分かるのですが,急ぐなりの聞き方というのはやはりあるのじゃないかと,意見聴取の仕方も非常に丹念にいろいろな債権者に聞くというやり方から,本当に大口の,あるいは関心の強そうなところだけ聞くと,バリエーションがあると思いますので,原則のルールとしてはやはり聞くということにしておいた方がよろしいのではないかというのが私の考えです。 ● どうも,ちょうど同じぐらいに意見が割れておりますけれども。 ● この点を考えるに当たってはいろいろなアプローチがあると思うのですが,一つは破産手続の方から物を見ると。あるいは再生,更生の方から物を見るということもあるのでしょうが,実はこれ,通常清算とのバランスというのを考えないわけにはまいりませんで,通常清算の場合には特別決議を適用除外という制度はないわけです。通常清算も清算に向かっていること自体は特別清算と同じなわけですから,通常清算と特別清算でどこが違うのかというあたりをうまく説明できないと,なかなか難しい問題があるのではないかと。   現行制度は,恐らく株主総会にかわるものとして債権者集会を位置づけるということで特別決議を飛ばしているのだろうというふうに考えられるわけですが,債権者集会の制度を正面に持ってこないということになると,一体どういう形で特別決議を飛ばすということを正当化するのかというあたりをよく考えないと,商法の側から見てこの点についてはおかしいというクレームが出る可能性があるのではないかというふうに思われます。 ● 商法の側からという話が出ましたが。 ● その点でいきますと,例えば現物出資の場合,設立の場合には裁判所の検査役の検査とか裁判所が関与してくるところ,財産的な会社資産の充実について裁判所が関与しているところは結構あるのですね。ですから,そういう点からいうと,商法の目から見てもどっちもあるなという気がするのですけれども。裁判所がオーケーと言えばいい,だけど債権者集会がオーケーと言わなければいけない,どちらもありますね。ですから,どちらかで商法的におかしいということはないと思います。 ● 分かりました。それでは,この分科会としても初めて御議論いただいた問題ですので,なお検討させていただいて,部会にはどちらとも決めずに,また部会の方の御意見を伺うということになるかもしれませんけれども,いずれにしても少し事務当局の方で検討させていただきたいと思います。よろしいですか。   そういたしますと,次,「債権者集会」の方に入りたいと思います。   「書類提出及び意見陳述のための債権者集会」,これにつきましては(注2)にございますように,清算人の判断として債権者集会を招集しないということにした場合に,代替措置が必要になると思いますけれども,どういうことが考えられるか,これについて御意見を伺えればと思いますけれども,いかがでしょうか。   民事再生規則,会社更生規則に前例はあるわけですけれども。 ● 弁護士会の議論では,民再規則の63条の報告書のようなものを配布するということでよろしいのではございませんでしょうかというのが多数でございますが。 ● 説明会のようなものは要らない。 ● はい。説明会までは本当に必要かと,もし意見のある方はということであれば,その中に意見のある方はお申出くださいというレベルでいいのではないでしょうかと。 ● そのぐらいのことでしょうかね。   何か特に,ほかにこういうことも考えていいのじゃないかというアイデアがあれば,お知らせ願いたいと思いますけれども。   それでは,今日のところは文書で知らせるというぐらいのことで,あと何かアイデアがあったらお知らせ願いたいと思います。   そういたしますと,次は「(2) (1)以外の債権者集会」ということになりますが,清算人による招集,それから少数債権者による招集,(イ)の②,6週間又は8週間というところは会社法の方の株主総会の招集のこととのバランスもございますので,現在のところではこのままにしておくということでよろしいですね。   それから,(3),これは「指揮」という表現がいいかどうかは別として……。 ● 先ほど来,清算人の法的な地位にこだわった発言ばかりして恐縮なんですが,裁判所が招集した場合には裁判所が指揮するというのは当然だろうと思うのですが,清算人ないしは会社が招集した場合について,なぜ裁判所が指揮をするのか,つまり社債権者集会の場合は裁判所は最終的に認可するかしないかということだけを判断するわけで,それ以前にはもうかかわらないということになっておりますので,どうもどちらに引き寄せて考えるべきなのかというのがやはり少し整理した方が……。   現行法の考え方は明らかに破産の場合と横並びという発想で,議決権の額の定め方のところ以外は基本的にそうだと思うのですけれども,ちょっと少しそこは整理する必要がどうもあるのではないかなという気がしております。 ● どうでしょうか,この点については。   確かに招集権者は清算人ではあるのですけれども,実際に債権者集会を開いて裁判所が指揮をするというか,主宰をするというか,そうではなくて,うまく機能するのかどうか。   そういう実際上の問題と,○○幹事が言われるような理論上の問題といいますか,そのあたりをどう調和させるかですけれども。   どうでしょうか,いろいろ御経験の豊富な○○委員,何か。 ● 裁判所が主宰しない場合に,そうすると議決権なんかの争いがあるときには,そこは主宰はしないけれどもその場で裁判所は判断してくれるということになりますか。 ● 仮に問題があるとすれば,その点でしょうね。そのために裁判所がどっちにしろついてくるのだったら,もう裁判所に必ず指揮してもらうというのも選択肢だとは思います。 ● 実際に債権確定の手続がないものですから,争いがあったとき,清算人側と異なるときに,証拠資料,手形とか持ってきて,じゃ債権者集会のところで裁判所に判断してもらいましょうということで用意してきてもらって,その場で議決権の確定をしてもらうというようなことで行ったことなんかあるものですから,そういう実際的なことからやはり裁判所で指揮して,こういうことをやっていただいた方が,議決権の確定の手続等もその場で行われると,これは本当に実務的な便利さだけなのですが,そんなことから現行法どおりでいいのではないかというふうに思っているところです。 ● 議決権の決め方はまず清算人が決めるというところを,むしろそれなら変えてしまって,全部破産法と同じように裁判所からやっちゃうということに……。   だけど,どうも変な,いろいろな考え方がミックスされて性格がよく分からない仕組みになっているなというのがそもそも私の疑問の出発点ですので,私は指揮するのであれば裁判所が当初から議決権--議決権の額の当初案は,やはりそれは……。どこから出てくるのでしょうね,これは。届出額でやらざるを得ないので,やって,あともうそれについて異議がだれかがあれば,もう裁判所がやってしまうとい仕組みにした方がしっくりするような気もします。 ● どうでしょうかね,届け出てきて一応清算人が幾らだというふうに認めるわけですね。そこで争いがあれば,裁判所に行くということになるわけだから,○○幹事が言われているように,そう何段階もということにはならないのじゃないですか。 ● といいますのは,「定める」という表現の問題だと思います。認否の問題ならそれでよく分かるのですが,なぜ定めるのかというのがよく分からないということです。 ● 債権者間で争いがあるというような場合には,一応清算人が幾らと認めますということになるのじゃないでしょうかね。 ● それは全然争わなくて,表現だけで,「定める」という表現に違和感を感じているということだけですので,実質は○○委員がおっしゃっているのと変わらないと思います。 ● それでは,○○幹事からの問題提起はございましたけれども,一応ここでは裁判所が,「指揮」という表現はちょっと別として,そのようなことでまいりたいと思います。   次は,(4)の「決議」の点については,今のところが少し関係してまいりますけれども,大体これまで御異論のなかったところだと思います。   注の方では,まず28ページの(注4)議決権の不統一行使の制度を設けると,その場合の頭数要件の定め方は,前回,○○委員から御指摘がございましたけれども,2分の1を追加する,加算するということでよろしゅうございますね。   それから,(注5)書面又は電磁的方法による議決権の行使を認めるということ。それから,債権者集会を開かないで書面等による議決権の行使も認めるということにつきましては,特に御異論もないかと思います。その仕組み方については,基本的に社債権者集会の規定に従うと。   それから,基準日の制度も設けるということでよろしゅうございますね。   そうしますと,次は(注6)でございますが,特別の利害関係を有する者の議決権行使を禁止するという規定を設けるかどうかということで,いろいろ検討していただいて,結論的には設けなくていいのではないかということで,この点もよろしいですね。前回,大体そういう御意見だったと思います。   それから,無記名債券につきましても,今後の会社法制の動向を踏まえながら,特別の規定は設けないという方向で行くということで,この点もよろしいですか。   そういたしますと,次は「10 検査役」の点ですが,これにつきましては特に御異論もないかと思いますけれども,何か御意見ございますでしょうか。 よろしいですか。--それでは,原案どおりお認めいただいたということにしたいと思います。   それでは,11からまた説明をお願いします。 ● それでは,30ページの「11 裁判所の処分」から御説明をいたします。   前回の審議では,検査役の検査を必要的前置とせずに,①から⑥までの処分を認めるものとするとの考え方について御異議がありませんでした。   そこで,個々の処分についての問題に入ることになりますが,まず(注1)では,①の会社の財産の保全処分について,新・特別清算開始前と同様に,申立てによってもすることができるものとするとの考え方を掲げております。このこと自体は御異論がないのではないかと思いますが,問題となるのは,この場合の申立権者の具体的な範囲です。清算人等を個別に列挙するのかどうかという点について,現段階で特段の御意見があればお聞かせいただきたいと思います。   また,不服申立ての可否などについても問題となりますが,これらの点については倒産法部会の場で改めて御審議いただくという予定でございます。   (注2)は,②の会社の株主の名義書換禁止の処分の制度を取り上げております。この制度を維持することについては,第2回及び前回の会議で特段の御異論はありませんでした。しかし,改めて考えてみますと,この制度は既に存在しない未払込株金の徴収のための簡易手続を設けたことに伴い採用されたもので,その後,本来の意味は失ったものの,現在でも制度上は存置されているものです。実務上余り利用されていないと言われておりますし,特別清算開始後の清算人に対するコントロールは,基本的に裁判所及び債権者集会にゆだねられるのですから,債権の譲渡も制限するのであればともかく,株主の移動だけを制限することには合理性がないのではないかと思われます。そこで,この際,株主の名義書換禁止の処分の制度を廃止することも考えられますので,この点について御意見をお聞かせいただきたいと思います。   引き続き(注4)では,会社の役員の財産に対してする保全処分,(注5)では④の会社の役員の責任免除の禁止の処分,(注6)では⑤の会社の役員の責任の免除の取消しの処分,(注7)では⑥の会社の役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の処分を取り上げております。ここでは,特に(注7)の⑥,査定の処分において株主に申立権を付与することの当否について御意見をちょうだいしたいと思います。そのほか,いずれの処分についても(注1)の会社の財産の保全処分とほぼ同様の問題がございますが,この際,特段の御意見があればお聞かせいただきたいと思います。   次に12ですが,「協定」を取り上げております。   (1)の「協定の申出」,(2)の「協定の条件(内容)」,(3)の「担保権者の参加」については,基本的に御異論がなかったものと考えております。   なお,「協定の申出」については,前回の審議結果を踏まえて,「監査委員の意見を聞いて」という部分を削っております。   また,「協定の条件(内容)」については,(注2)のとおり,一般の優先権ある債権が協定の対象となることを前提とする公正かつ衡平な差を設けるの部分は,本文からは落としております。   そこで,最大の関心事であると思われる(4)の「協定の可決要件」ですが,前回の審議結果を踏まえて,今回は②の議決権額基準について,現行の4分の3のほかに3分の2とする考え方を掲げております。(注5)のとおり,前回,一般の優先権がある債権を協定の対象としないことを前提として,可決要件を3分の2程度に緩和することは可能であるとの意見が複数述べられました。さらに,2分の1まで緩和するとの考え方もございましたが,逆に現行の4分の3を維持すべきであるとの御意見もございました。このように,いまだ意見の一致を見ていないところですし,可決要件の緩和は今回の特別清算の見直しの目玉と思われますので,両案併記の形で倒産法部会に御報告したいと考えておりますが,それでよろしいか,御意見を伺いたいと思います。   次の(5)の「協定の不認可要件」については,第1回会議で若干の御議論はあったところですが,大勢はこのような不認可事由を設けることに賛成する御意見だったと承知しておりますので,今回は分科会資料1と同じ内容を本文に掲げております。   そこで注ですが,(注1)は,新・特別清算事件の早期終了を図るための手当てを取り上げております。会社更生法に倣って,協定の申出についての時期的制限を設ける考え方をお示ししております。   もっとも,会社更生法では,裁判所が提出期限を定めるに当たっての時期的制限ですので,やや規律を異にしますが,事件の早期進行を担保するという趣旨は同じでございます。前回の審議では,協定案の作成までに1年を要するような事案は希有であるとの御意見がございましたので,このような時期的制限を設けることによって特別清算の審理期間が目立って短縮されるということはないと思われますが,いたずらに長期化するような事態は未然に防止するには,このような規律を設けることも十分考えられるところです。そこで,このような考え方をとることの当否について,御意見をちょうだいしたいと思います。   (注2)については,先ほど御説明したとおりです。   (注3)は,(注1)と同様に事件の早期終了を図るための手当てを取り上げております。債務の期限の上限は民事再生では原則10年,会社更生では原則15年とされていますが,新・特別清算については最近の破産事件の審理期間が大幅に短縮していること等を考慮して,原則5年としております。   (注4)では,(3)の「担保権者の参加」の対象となる担保権者の範囲が問題になり得ることを注記しております。   (注5)については,先ほど御説明いたしました。   (注6)は,前回御示唆をいただいたところでありまして,民事再生手続等に倣い,協定の認可又は不認可についての利害関係人の意見陳述権について手当てをするとの考え方を掲げております。御異論のないところではないかと思います。   次の13では,「 新・特別清算の終了」を取り上げております。   (1)の「新・特別清算の終結」,(2)の「破産手続開始による新・特別清算の終了」のいずれについても,基本的枠組みについては御異論がなかったところです。   そこで,今回は(注1)及び(注2)に記載した新・特別清算事件の早期終了のための制度的手当てについて御意見をちょうだいしたいと考えております。   まず(注1)では,裁判所や利害関係人が終了事由の発生の有無を判断しやすいように,終結事由及び職権による破産手続開始の事由をできる限り具体的に定める方向で検討するものとしております。この点は,条文表現,条文化の作業にかかわる問題ですので,最終的には事務当局にお任せいただくことになりますが,特段の御意見があればお聞かせいただきたいと思います。   次の(注2)は,実質的な改正にかかわるものであり,早期終了を図るために①から③までのような具体的な手当てをするという考え方を掲げております。早期終了のための手当てをすることについては,前回基本的に御支持をいただいたものと考えておりますが,今回再度御意見を伺い,①から③までのいずれか,あるいは①から③までの全部を採用することに御異論がなければ,これを本文に掲げることも検討したいと考えております。   そこで,①については,先ほど御説明したとおり,協定の申出について時期的制限を設けることが前提となりますが,時期的制限を設ける以上は,その実効性を担保するため,一定の例外は設けつつ,破産手続への移行の制度を整備する必要があると思われます。   ②については,現行法のもとでは,協定の見込みなきときという実質概念の中に読み込まれているわけですが,協定案が否決され,あるいは不認可の決定が確定しても,制度上は手続の打切りを予定していないというのはやはり合理的ではないと考えられますので,この場合も一定の例外は設ける必要があるかもしれませんが,明示的な形で破産手続への移行の制度を整備する必要があると考えられます。   ③については,協定の不認可事由を整備することを前提といたしますと,協定の認可の見込みがない場合ということもできるかもしれませんが,新・特別清算によることが相当でないと認める場合,破産手続によることが債権者の一般の利益に適合すると認める場合には,破産手続へ移行させるのが適当であると考えられるところです。以上のような手当てをすることの当否について,改めて御意見をお聞かせいただきたいと思います。   以上が第2ですが,続いて第3でございます。「存立中の株式会社への拡大」を取り上げております。   現行の特別清算を見直して,存立中の株式会社,更には存立中の法人全般について,その利用を認めるようにするとの考え方は,御案内のとおり改正検討事項以来の検討課題であったわけですが,現在,特別清算により処理されている事案を引き続き利用対象として想定し,かつ,破産手続との関係を合理的に整理しようとすると,現行の特別清算の枠組みを基本的に維持せざるを得ないと考えられることから,特別清算の大幅な見直しは断念し,第2回及び前回の会議では,第2のとおり,個別の制度,手続についての見直しの検討を行ってきたものですが,なお存立中の株式会社の拡大は検討課題として残されております。   この考え方については,前回も御審議いただき,この考え方をとる場合には特別清算のメリットを確保しつつ,破産手続との関係を合理的に整理することは困難であるといった御指摘をちょうだいしたところです。また,前回この考え方を支持される方からも,破産手続との関係を合理的に説明しようとすれば,破産手続の位置づけを大きく見直さざるを得ないとの御示唆があったところです。したがって,この考え方を採用することはなかなか難しいものと考えておりますが,特別清算の見直しについての審議の場が当初の破産法分科会から倒産法部会,更にはこの特別清算分科会へと移った経緯に照らしまして,なおこのような考え方をとることの当否について,倒産法部会の場で御審議いただくのが適当であると考えまして,ここに掲げております。このような形で倒産法部会に御報告することでよろしいか,御意見をちょうだいしたいと思います。   次に,第2部「会社の整理」でございます。   会社の整理の制度については,廃止することに御異論がないと思われますので,これまで取り上げてまいりませんでしたが,倒産法部会に報告をするに当たり,改めて会社の整理の制度を廃止することでよろしいか,御確認いただきたいと思います。以上です。 ● それでは,まず11の「裁判所の処分」のところから御意見を伺ってまいりたいと思います。   先ほどの説明のとおり,本文については特に御異論はないかと思います。   そこで,まず(注1),本文の①会社の財産の保全処分についででございますけれども,申立てによってもすることができるものとするということでどうか,それからその場合の申立権者をどうするかという点でございますけれども,この点について御意見をまず伺いたいと思います。   申立てによってもすることができるものとするという点は,これでよろしいでしょうか。   その場合の申立権者でございますが,先ほどの開始前の保全処分の場合に,個別に書くということで書いてございましたが,こちらの方は利害関係を有する者というふうなことになるのか,あるいはこちらの方も個別に書くことになるのか,いかがでしょうか。開始前の保全処分の場合と,変える必要があるのかどうか。   何か御意見ございますか。10ページの開始前の保全処分の場合に掲げられている債権者,清算人,会社,それから監査役若しくは株主,これと同じでよろしいか,あるいはこちらについては何か含みを持たせる意味で「利害関係を有する者」というふうにするか,あるいはさかのぼって前の方も「利害関係を有する者」に改めるか。   基本的には,開始前の保全処分と変える必要はないように思いますけれどもね。   よろしいですか。--では,そういうことでまいりたいと思います。   次は,(注2)の株主の名義書換禁止の処分なんですが,これはほかにも例があり,こういうものかというふうにずっと思ってきたのですけれども,ここに書いてあるように沿革的な理由を拝見すると,確かに問題なのかなという気もいたします。 ● 確かにここに書いていただいているとおりで,経過はよく分かりまして,なるほどそうだったのかと思ったのですが,むしろここの中ほどに書いてある,実際に起こりつつあったケースなんですが,やはり会社の内紛に絡んで特別清算の申立て後開始決定前の段階だったと思うのですが,やはり一部のものは,内紛の状態でしたから整理屋に株式を売ろうという動きがあって,このときこそこれを使えるのだなと心強く思ったのですが,実際にはそれが実行されなかったので,事なきを得て,多くの債権者が理解されるとおりに特別清算進んだのですが,ここで外されると,特別清算開始前の保全処分のところでも当然外されることになるだろうと思いますので,確かに利用,現実にはしなかった,それからまた利用しているのも少ない,ほとんどないだろうというのは想像がつくのですが,特に弊害がなれば残しておいていただいた方がいいかなということを申し上げたいと思っておりますが。 ● いかがでしょうか,何か現在あるものをわざわざ削除するということになると,それで大丈夫かなという不安が残りまして,そこに今,○○委員のお話にありましたような,そういう実際に意味のある事例もあり得るということになると,廃止してしまわなくてもいいのかなという気もいたしますけれども,どうでしょうか。   先ほど,○○幹事が言われたのも,これに関係するような話でしょうかね。 ● 先ほど申し上げましたのは,もともと上場企業でございまして,整理ポストに入ったところで買い受けられたので,これの対象になりますかね。 ● ちょっと違いますね。それは全然初めから株主でない者が取得するという,そういう話ですね。 ● ここになお書きの形で株主名簿閉鎖の制度の廃止のことが触れられておりますけれども,これは株主名簿の閉鎖期間制度の廃止は,現在においては基準日制度と閉鎖期間制度,両方あるのですけれども,基準日だけで全部が賄えるという理由で廃止するものですので,こことは全く関係がないと思います。 ● 御指摘,ありがとうございました。   そうしましたら,名義書換禁止の仮処分は,少なくとも現在の段階では維持しておくということでよろしいでしょうか。   それでは,先に参りたいと思います。   次は(注4)になっておりますけれども,一つ番号が飛んでおりまして(注3)ということになるかと思いますが,発起人等の財産に対してする損害賠償請求権を保全するための保全処分でございますが,これも(注1)と同じでしたね。問題点としては,申立てによってもすることができるものとするということと,その申立権者の範囲をどうするかということで,(注1)と同じ問題ということにさせていただきたいと思います。   そうすると,少し違いますのは(注7)です。資料どおりの番号でいうと(注7)の⑥のただいまの発起人,取締役,監査役又は清算人の責任に基づく損害賠償請求権の査定の処分の方です。これについて,株主に申立権を付与することでよろしいかどうか,付与する必要があるかないかということですね。この点はいかがでしょうか。   これについては,株主も申立権者にするということでよろしいか。開始前の保全処分についての10ページのままだとすると,株主も入っているということになるわけですけれども,それでよろしいかどうか。 ● きのう少し議論がございましたけれども,清算中であっても代表訴訟は起こせるはずでございますし,それで特別清算になったからといってそれが終了するわけではございませんので,それとの均衡からいって,申立権付与されてしかるべきじゃないかという意見でございました。 ● では,そういうことでよろしいですね。 ● 一つ戻って恐縮なんですが,⑤の責任免除の取消しの処分というところなんですけれども,私自身はこれでいいのかなという感じもするのですけれども,商法の方で取締役の責任の免除について近年かなりいろいろな法改正があって,その責任の限度額を限定するとか,いろいろな措置がとられているように承知しているのですが,これはいったん免除されたものを取り消すという,ある意味では大胆な規定のような感じがいたしておりまして,基本的には否認とパラレルなものであるというふうに言われているようですけれども,ただ判決手続も保障されていなくて,結局決定だけでやるというような形に簡易にできるというようなことになっているのですが,商法の観点からこういうような規定にして問題ないものかどうかということを,もしお教えをいただければというふうに思うのですが。 ● 商法の観点からということでしたので,○○幹事,御意見があれば伺いたいと思いますが。 ● 恐らく,詐害的な責任免除のことだけを念頭に置いてこの規定が入ったのだと思います。○○幹事が御心配のような,本当にこれは免除しようという,本当という言い方はおかしいですけれども,詐害的ではないときのことを,そのときにもう免除されていて,ずっとそれが後になって取り消すという話になると困ると思うのですけれどもね。ですから,もし御心配のようなことがあるとすると,例えば申立てがなされて以降のとか,そういう限定があればはっきりはすると思うのです。   申立て以降だと,その前にもう既に取締役は知っている場合があるわけですね。済みません,取締役というのは清算人の前の段階ですね,取締役が清算に移して,更に特別清算に行くことをよく知っているという場合には,詐害的になされるおそれはあるわけですね。   株主総会は,基本的には○○幹事がおっしゃったように取締役会が牛耳れますので,このおそれは高い。   申立て後というのは,今だめなことは分かったのですが,期間を設けてはいかがでしょうか。例えば5年とか3年とか。そうすると,非常に前から詐害的に免除するということは,計画はさすがに無理ですので,例えば申立て前5年の免除については,とか……。5年は長いか。そういうのはきついですかね。 ● そこは別として,時期的な制限を設けるということが一つ考えられると。 ● この規定自身は,非常に詐害的なものを想定していると思うのですが。 ● 本来,そういう趣旨の規定であることは間違いないと思うのですが。 ● そして,つけ加えるとすると,かつて余り免除のことを,実際にあったなしは別にして,公になってこなかったのですね。ですから,余りやっているということが議論の俎上に上ることはなかったものですから。ただ,○○幹事がおっしゃったように,近年それがクローズアップされていることは確かです。 ● 確かに決定手続でおしまいというところが,手続法的にはちょっと気持ちの悪いところではありますね。実体的な責任の免除がされていたのが,決定手続で取り消されてしまって,責任が復活すると。   しかし,異議の訴えなんていうのを後につけるというのは,ちょっと話が大きくなって……。   それでは,初めての問題ですので,先ほどの○○幹事からの御示唆も踏まえて検討させていただきたいと思います。   そうすると,次は12の「協定」の問題であります。   (1)の「協定の申出」,それから(2)の「協定の条件」,(3)の「担保権者の参加」については,特に御異論ないかと思います。   問題は,先ほど○○関係官からの御指摘のように,(4)の「協定の可決要件」,とりわけ②の議決権数の要件の方だと思いますが,これについては現行法の4分の3はきつ過ぎるのでもっと緩和すべきだという意見が前回もかなりございました。しかし,他方では4分の3を維持すべきだという御意見ももちろんございました。前回以後の新しい事情としては,大体この分科会では一般の優先権ある債権は協定の対象から外すという方向ですので,そうした場合にどうなるかということです。   今日,この点についても御意見は伺いますが,今日のところは先ほどの関係官からの説明にもありましたように,差し当たって今日どちらかに決着をつけるということはちょっと考えられませんので,部会の方で決めないといけないと思いますので,最終的にはこの形で部会に上げるということでよろしいかということになるわけですが,なお御意見があれば伺いたいと思います。いかがでしょうか。   これは,弁護士会の方としては緩和をすべきだということについて非常に強い御意見というか御要望だというふうに伺ってよろしいですか。   ○○委員,いかがでしょう。 ● 今回議論して,この優先権については協定の対象から外すべきだと,それによってこの注の指摘の実体法上の優先関係に従う云々のことは,もうこれで解決なんだから,そうだとすれば2分の1というのを残しておいていただいてもいいではないかという意見と,それからいろいろな協定案も単純な清算で,金銭での配当だけでなくて,いろいろ複雑な協定の中身もあり得るから,3分の2でもいいのではないかという意見,東京弁護士会あたりでは2分の1の方がより多かったと。前はほとんど全員一致だったのですけれども,そこは変わってきたというところはありますが,2分の1の方がまだどちらかというと多いという,そういう状況にありますので,注ぐらいには残しておいていただけると有り難いということです。 ● 債権確定と,それから財産評定とかいうものがございませんからね,直ちに民事再生並みになるのかどうかというあたりはいろいろ御意見のあるところかと思いますが。   これについては,○○委員,前回も御発言でしたが。 ● 私どもは,前回,現状維持が妥当なのではないかという立場から御意見申し上げたのですが,それは前回の資料の注にありました清算価値保障を示すものという説明が説得力を感じるというか,そういうことだったわけです。   ただ,会社更生法での可決要件の引下げとは,これは事情を異にする問題だということは十分理解しておりますので,こちらの原案のような示し方は適当なのではないのだろうかと,こんなふうに思っております。 ● それでは,どのみち4分の3と3分の2と両方併記して部会に上げると言っているのに,どっちかといって御意見伺ってもなかなか出てこないかもしれません。決着はどうせ後だということになりますので。   そこで,部会への上げ方として,今の○○委員の御意見ですと2分の1という選択肢も注ぐらいに上げておいてほしいという,そういう御意見だと思いますけれども,その点はどうでしょう。2分の1というのは少し難しいのではないかということで上げないでおくか,それとも一応注ぐらいには上げておくか。 ● これ,今でも注には上がっているのではないですか。(注5)で,2分の1まで緩和すべきであるとの意見も述べられたけど問題があるという意見の方が多かったと。 ● 事実としては書いてある。 ● せめてこの程度は……。 ● 分かりました。そうしますと,可決の要件についてはそういうことで本文の方を4分の3と3分の2の両論併記ということでいきたいと思います。   それから,(5)の「協定の不認可要件」で,これは大体これでよろしいでしょうか。   注に参りまして,(注1)は協定申出の時期的な制限を設けるかという点ですけれども,これはいかがでしょうか。 ● かなり実務的なところだと思いますので,私の方から意見を申し上げるのが適切かどうか分からないのですが,民事再生には特にないわけですね,1年なんて定めは。会社更生の場合は,従前遅かったという経緯があるのでわざわざ1年と切ったということがあると思うのですが,そのような前提が特別清算についてあるのかどうか,部会でしたか分科会に入ってからでしたか,お話があったと思いますけれども,かなりの事件は早く終わっているということでもありますので,わざわざここまで書く必要があるのかなというのをちょっと疑問に思います。 ● きのうのバックアップ委員会でも,このような形で時間的な制限を設けて,それで本当に進行するかといえば疑問であると,破産に行って,かえって時間がかかってしまう事件も現にあったという報告もございますので,やむを得ない事情の方でそういう場合は拾われるのかもしれませんが,このような形で制限を設けることが事件の進行を促すとも必ずしも言えませんし,必要であれば債権者が清算見込みなしで破産の申立てすればいいわけでございますので,必要ないのじゃないかというのが多数でございます。 ● 特に制限を設けるべきだという御意見がなければ,これは設けない方向でいくということにしたいと思います。   (注2)は済んでいる問題ですので,(注3)協定の条件の方ですが,期限が猶予される場合の債務の期限の上限を定めると,例として5年を超えない範囲というのが挙げられておりますけれども,そういうことを定めるべきかどうか,この点はどうでしょうか。 ● 清算なものですから,再建型ですと期限決めて弁済できることは可能なんですが,清算手続なものですから,5年以内に清算を終えてとか,5年以内に弁済するというのはなかなか難しいものですから,特に結果的には5年以内に終えているのが大半だろうと思いますが,長くかかっているケースというのは,不動産その他が不良なのがあって,なかなか換価できない等もあったりするものですから,こういう基準は清算型の場合ちょっと難しいのではないかと。そもそも計画案の中にそういうことがつくれるのかどうか,ちょっと疑問に思います。 ● ほかに御意見ございますか。 ● ○○委員と同じような意見でございますが,ノンバンクの清算,バブルがはじけた当時の事件でも今まだ完了していない事件がございますし,それは資産の換価に時間がかかっているだとか,あるいは係争が続いているだとかいうことがございますので,不確定期限をどうしても定めざるを得ない協定というのは多数ございますので,その点からいって5年というのは短過ぎるのじゃないかと。余り長ければ,一般の利益に反するときの不認可の方でカットできるわけですから,それによって対応が十分できるのじゃないかと思いますが。 ● 分かりました。それでは特に御異論なければ,こういう制限は設けないということにしたいと思います。   それでは,13の「新・特別清算の終了」の方の話でございます。   (1)の終結,それから(2)の終了,職権による破産手続開始,それから特別清算の終了,いずれにつきましても本文に関しましては御異論がないかと思います。 ● これで,今は終結自体が協定の実行完了まで終結しないという扱いになっていますけれども,協定がスムーズに進行しているときに,特別清算という手続自体を終結してしまって通常清算に戻すことが本当にできないのだろうかという疑問が,きのうのバックアップ委員会で少し出ておりますが。   民再の監督委員の任期が終われば,裁判所の手続としては終結いたしますね,それと同じような考え方というのはできないのだろうかという意見が出ておりまして,結論はいずれともということできのうは終わっておりますが。 ● 特別清算人を裁判所が選任したというような場合は,通常清算に戻ったときはどういうことになるのですかね。 ● 裁判所が選任した場合は難しゅうございますね。 ● その場合は,通常清算人になるというわけにもなかなかいかないかなという気がしますが,どうでしょうかね。   確かに,協定が成立した後は,通常清算と同じようなことになるじゃないかといえばそうかもしれないけれども。   どなたか,何か御意見ございますか。 ● 結構重要な財産が残っていて,この換価の監督の問題というのが残る可能性はあるのじゃないでしょうか。そうすると,やはり何のために監督について一定の枠組みを今回残そうと,甲案か乙案かは別として残すことがあり得るといっているところとの関係が,どうもうまく整理できないような気がするのですけれども。 ● 協定成立で,即終了という意見じゃ全くないわけで,重要な財産もほぼ終わって,あと……。 ● 早めに終結できるということですね。 ● 全部終わらなければ終結できないということは固過ぎるのじゃないでしょうかという,そういう疑問だけでございます。 ● これもちょっと新しい問題で,手続の構造そのものに響いてまいりますので,ちょっと検討させていただくということで御了解願いたいと思います。   そういたしますと,(注2)でしょうか,早期終了を図るために,本文に掲げたのとは異なるというか,それに追加して終了原因を認めてはどうかということですが,①は協定申出について時期的制限を設けることが前提になっておりましたけれども,先ほどの御意見でこれは設けないということになりましたので,問題外ということになります。   ②が,協定案が否決された場合,又は可決された協定の不認可の決定が確定した場合には,破産原因があることを前提として,職権で破産手続開始の決定をするという考え方。   ③は,特別清算によることが相当でないというふうに認められる場合,その場合には同じく破産原因がある場合には裁判所が職権で破産手続開始の決定をするということですが,これらについてはいかがでしょうか。 ● これは,②や③が終了原因にならないとすると,もう少し待っていて,34ページの職権による破産手続開始原因が生ずるまで待つということになるのですかね。それはどうもむだなような気が……。   これで立ち直る可能性があればですけれども,協定案が否決されて,更にもう一度協定案をつくり直して出す余地がある。 ● 理論上はあり得るわけですね。 ● これ,34ページ本文の方は,これは必ず職権でやらなければならないということだから,これを加えると職権による牽連破産が多くなり過ぎるかもしれないと,場合によっては救済できるものまで早期に破産に移行させてしまうかもしれない,そういう懸念ですね,ここに書いてあるのは。 ● いやいや,そうではない。 ● むしろ長く特別清算事件がだらだらと続く可能性があるとすると,こういう②や③のように一定の節目でもう職権で破産手続に移る必要があるのではないかと。 ● そういう趣旨です。伺っているのは。 ● それなら,私はつけ加える方に賛成ですが。 ● 余り御異論はないかなと思ったのですが,従来現行法ではそういうことになっていませんので伺ったということです。 ● ③の場合の破産手続開始決定に対する即時抗告の理由というのが,やはり特別清算によることが相当でないと認めることが相当かどうかというところも,即時抗告の理由になるという了解でよろしいわけですね。 ● そうだと思いますね。 ● 分かりました。それなら……。 ● 理論上はそういうことになりますね。   それでは,あと特に御異論がなければ,②,③の場合も職権で破産手続開始決定をするということにしたいと思いますが,それでよろしいですか。--はい。   そういたしますと,「第3 存立中の株式会社への拡大」で,これはもう当初からいろいろ問題があった論点でございますが,先ほど○○関係官から慎重な説明がございましたように,部会に上げ方としてこれでよろしいかということについて御意見を伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。   これまでの分科会での議論の推移,あるいはそれ以前の破産法分科会以来の推移からいうと,こういうまとめになるかなという気がいたしますけれども,それでよろしゅうございますか。   そうすると,最後に「会社の整理」ですけれども,これはこれまで部会あるいはこの分科会でも会社整理は廃止する方向ということで特に御異論はございませんでしたけれども,締めくくりとしてはこれを掲げて意見照会をする,そういうことになるわけですね。これも掲げるということにしたいと思いますが。   特に御異論もないようでございますので,ではそのように扱わせていただきます。   そういたしますと,本日は大分駆け足でしたけれども資料4についての御審議をこれで終えたいと思いますが,よろしいですか。何か特別の御意見があれば伺いますが。   それでは,御意見もないようですので,資料4についての審議は終えたいと思います。   次回の予定につきまして,○○幹事の方からお願いいたします。 ● 次回の予定ですが,次回は倒産法部会で御審議いただくということになります。日にちは6月18日金曜日,開始は午後1時からということになります。場所は法曹会館を予定しているのですが,場所の利用時間の関係で会場の変更があり得るかもしれませんので,とりあえず場所の方は一応未定ということで御理解いただきたいと思います。   テーマは,中間試案につきまして,中間試案というのは仮称でございますが,とりあえずパブリックコメントに付す内容につきまして御議論いただく,こういう予定でございます。 ● 部会の方は,6月と7月しかなくて,7月には中間試案を決めなければいけないということになっていますので,6月18日は4時までということになってしまうと審議の時間が足りないかなという感じがするので,ほかに会議室が確保できれば変えていただきたいということをお願いしたわけです。   それでは,次回についてはただいま申し上げたとおりです。   予定の終了時間になりました。本日の会議はこれで終了といたしたいと思います。どうも長時間ありがとうございました。 -了-