法制審議会会社法(株券の不発行等関係)部会第6回会議議事録 第1 日 時  平成15年2月19日(水)  自 午後1時30分                        至 午後4時08分 第2 場 所  法曹会館「高砂の間」 第3 議 題  電子公告制度の導入に関する要綱試案について 第4 議 事 (次のとおり)               議         事 ● まだお見えになっておられない委員・幹事の方もおられますが,時間ですので,法制審議会会社法(株券の不発行等関係)部会の第6回会議を開催させていただきます。   議事に入ります前に,委員・幹事の異動について御連絡申し上げます。           (委員・幹事の異動紹介省略) ● それでは,本日の議事に入りますが,本日の会議は,主眼は事前配布いたしました部会資料10の「電子公告制度の導入に関する要綱試案」を御審議いただくわけでありますけれども,その前に,前回の部会におきまして○○委員より提案されました譲渡予約証書につきまして前回に引き続いて議論をして,この提案についての当部会としての考え方を整理しておきたいと存じます。   前回の部会では,御発言された方はこの提案におおむね否定的な御意見が多かったと思いますが,前回挙手をされておられながら,時間の都合で御発言いただかなかった委員・幹事の方も相当おられたように思いますので,どなたからでも結構ですので,この問題につきまして,どうか御意見を賜りたいと存じます。いかがでしょうか。 ● もともとこの担保についてどう処理するかというのは,振替制度のもとでどういうふうに技術的な可能性があるかということが委託されていたのではないかと思いますので,その委託の趣旨を最大限に発揮するということからも,それから実質的に言いましても,やはり紙を使うということの例外を最小限にして,なおかつ,前回,○○委員からも話がございましたけれども,そのデメリットを最小限にする措置を講ずる可能性があるのであれば,その可能性を追求すべきではないかと思っております。 ● 全部もちろん調べたわけではないのでございますけれども,株券を担保にして融資を受けるというケースを,例えば商工中金といったようなところで調べていただきましたところ,思いのほか数が多うございまして,実態上非常に有効な融資の方法ということで使われていると,これは明らかな事実であります。今回,不発行に仮になったとした場合に,その道が閉ざされるということになると,これは実態上非常に問題がございますので,少なくともこういう融資の道がきちんと確保される,それも簡便に,不都合なく確保されるという対策は是非とも持っていただきたい,こう思っている次第でございます。 ● ほかに御意見,いかがでしょうか。 ● 私も,よく理解していないかもしれませんが,ちょっと感想を申し上げさせていただきたいと思います。   前回,UFJ銀行さんの方から御提案になった検討ペーパー,多分私,完全に理解していないかもしれませんけれども,一つは制度をどういうふうに作ろうとも,その外で紙があった方が簡便であるということであれば,証書のような紙を作って,当事者がそれを使うのは全く自由なんですね。ですから,もしこの御提案の趣旨というのは必ずしも当事者が自由に制度の外で使うという御提案ではなくて,ある程度法制度上何らかの,ここの言葉で言えば証書というのでしょうか,そういうものを位置づけてほしいという,そういう趣旨に私は理解した上で以下発言させていただきたいと思うのですけれども。   基本のところは,何人かの方がおっしゃいましたように,株券そのものをペーパーレスにするということですから,一部ペーパーを制度として残すというのは,ちょっとやはり制度上の整合性ということから言いましても,方向からいってうまくないと思います。   しかし,他方,おっしゃろうとしていることは極めてごもっともであり,今も御発言がありましたけれども,略式質というのは非常に使われているというのも事実ですから,これは前回○○委員がおっしゃったことだと思いますけれども,略式質というような簡便な担保手法というのが,このペーパーレスの世界になった場合にどういうふうに作れるのかということを,是非法務省の方で御検討をいただければ有り難いと思います。   その際のポイントですけれども,簡便性という言葉があったのですけれども,簡便性の意味というのは,前回のUFJ銀行さんの紙から推測しますに,恐らくコストということと匿名性ということだと思うのですけれども,恐らくコストの方はペーパーレスになってそれが振替制度で動けば,かなり維持できる--維持という言い方がいいのかどうか,よく分かりませんけれども,むしろ紙をやりとりする以上にコストは最終的には下がるのではないか,最初の投資は要るのかもしれませんけれども,どうもそんなような気がいたします。初期投資を除けば,いいように思います。   それともう一つは,匿名性ということではないかと思うのですけれども,これは実務上どの程度簡便性に含まれて利用されている理由になっているかどうか,私は必ずしもよく分かりませんけれども,匿名性を振替制度のもとで維持するのは,いろいろな手法はちょっと思いつきだけでも考えられまして,ストリート・ネームという方法もあるでしょうし,それから信託という仕組みを使うという方法もあるでしょうし,これはいろいろあると思うのですね。したがいまして,証書のような紙があることが匿名性にとっての絶対条件ではないと思いますので,もうちょっとここら辺は実務を詰めてみないと,私にはよく分からないところがあるのですけれども,いずれにいたしましても略式質が利点があるからこそ使われている,これは間違いないことだと思いますので,これを新しい制度に乗せるときに,それは紙というものを維持していきましょうというのがちょっとやはり方向に反するので,紙をなくしても,その機能というか,メリットはそのまま残すという,そういう工夫で考えれば,それで詰めていただく方がいいように感じます。 ● 略式質の重要性等,既にお話しいただいたとおりであり,この点については初期のころ何らかの代替手段というのを御検討いただきたいという意見も述べさせていただいたとおりです。今回,UFJ銀行さんの方からいただいた件について,相当苦労されて御提案していただいているというのは十分理解しておりますのですが,この方法によりますと,いわば私人間の作成した書面で担保的効力を認めるということになり,第三者との関係で当事者が作成した書面で担保の効力,優先性を認めるというのは,ちょっと他の制度との整合性の点で難しいのではないか。   先ほど,○○委員からお話もありましたけれども,略式質のメリットというのは匿名性と簡便性にあると我々も理解しておりますが,そういう方法が他の制度によって確保できるのであれば,そちらの方向でもう一度御検討していただけたらなというふうに考える次第でございます。 ● これまでの御議論は,略式質にかわる新しい振替にのっかった質制度ができないかどうかということと,それからこのような紙を使う必要があるのかという点でしたけれども,前回お示しいただいた譲渡予約証書制度,これは○○委員が言われたように法律上のものとして仕組むということでしょうけれども,ちょっと拝見した限りでは,幾つか問題点があると思いました。   その第1は,この株式譲渡予約証書の法的性質というものが明らかでない,あるいはこれを法的に明確に組もうとしても無理が生じるのではないかということであります。それは,この予約証書は有価証券ではないというふうに説明されているのですけれども,これは口座管理機関が発行して,口座管理機関にそれを呈示することによって何らかの効果が生じますので,何らかの権利を表象していることは間違いないのですね。これはどういう性質のものかというのはまだよく分からない。   また,流通性についても,法律上譲渡禁止としても実際上これが流通するということは限られるので,実際上流通した場合に,その所持人に何らかの利益があって,それを解釈上保護する必要が出てくる可能性があると思います。そうすると,これは株主たる地位が振替口座を離れて流通する可能性がありますので,これは株式の静的な安全性を害するのではないかということであります。   第3点は,このような紙を発行すると,やはりどうしても二重発行とか偽造の可能性が出てきます。二重発行の場合,これは口座管理機関の過誤によって生じた場合には損害賠償責任で対処するとしても,例えば申請者の共同の詐欺によって二重発行するということがあり得るわけで,その場合には取引の安全を害する可能性があるのではないかと思います。また,証書が偽造された場合,口座管理機関との関係ではその効力は否定されるでしょうけれども,やはりそれを取得した者の取引の安全といいますか,その利益の保護をどう図るかということが大変難しい問題になるのではないかと思います。   これは,単にここに示された案が不完全だからそうだというのではなくて,本質的には一方で口座の振替えによる譲渡とか担保権の設定を認めておきながら,他方で証書というものを発行するというところから生じている矛盾ではないかと思います。 ● 大体ひとわたり御意見をいただいたと思うのですが,大体御意見は略式質制度は現在非常に大きな機能を果たしているので,このメリットは振替制度になっても維持しなければならない。それは匿名性,あるいは簡便性ということであると。ただ,譲渡予約証書というような,御提案のようなペーパーを出すということについては,これはいろいろな法的観点からしても難しいのではないかというのが御議論の大勢ではないかと思いますので,そういう方向でまとめさせていただくということでよろしいでしょうか。 ● 皆さん,本当にありがとうございます。私どもとしても,会長からいただきました宿題に対しまして,ぎりぎりの線で考えてみて,それでこういった形でいかがでしょうかということでテーブルにのっけさせていただいて,御検討を図られて,法律的に私ども専門家をそろえているわけではありませんので,いろいろ穴はあるでしょうということですが,○○委員のおっしゃいますように,本質的に株券の不発行の成果の中で,なかなか紙というものを使ってやるのは難しいであろうということが議論されたということであれば,それはそれで非常に有り難いことだと思っております。   それを前提に,金融界としてお話をさせていただきますと,やはり私どもは株主の方の借入れニーズにおこたえするために株券を担保に入れさせてやらさせていただいているわけでございまして,こういった株主の利便性が落ちないような制度を何か考えていけないかということでございまして,匿名性の話も一つでございますし,それから株そのものの担保利用が落ちるということがありますと,問題も起きるのではないか,借入れができないというようなことが実際に起きてしまうのは利用者にとっても非常に難しい制度になってしまうのではないかということで,何とかその辺,利便性の問題等,制度利用離れということを回避できないかなという点がございます。   あと2点ございますのですが,一つは,私ども担保権者でございまして,今一斉に株券の不発行化が行われるということになりますと,ある日突然,担保価値を持っているものがあれされてしまって,担保価値がなくなる,電子化されてしまうということが起きてしまいますので,その辺の移行制度での周知徹底というようなこともひとつお願いをしたいところでございます。   もう一つは,制度移行に伴いまして,担保権者の保護ということでございまして,ひょっとしたらということでございますが,実は,株券を担保にとっている金融機関というのは,残高とお客様の関係がきっちり相対でありますので,ひょっとしたらうまくいけるかもしれないのですが,例えば,株式を預かりといいますか保証金とか権利金とかのたぐいでとっていらっしゃる方がいらっしゃるとしますと,そういった方たちは価値があるものと思って握り込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんので,そういった意味で担保権者の毀損が起きないような移行制度というようなこともお願いできないかなというふうに考えております。ありがとうございました。 ● どうもありがとうございました。いろいろお話を伺って,次回,中間試案の取りまとめの御審議をいただくわけですけれども,その際には各委員・幹事から御指摘いただきましたいろいろな略式質のメリットを生かすための方策を私どもの方で,もう既にそういうこを考えなければいけないというふうに思っておりまして考え始めておりますので,それを試案の中に盛り込んだものをお示しして御審議をいただこうと思っております。   その点について,今現在考えておりますことを若干○○関係官の方から御説明申し上げまして,もし今若干御意見ちょうだいできるものであれば承りたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ● それでは,○○関係官,お願いいたします。 ● それでは,私の方から,先ほどの略式質の簡便性及び匿名性等について,どのように振替制度に生かしていくのかという点について,現在考えていることをお話しいたします。   まず,第1点の匿名性についてでございますけれども,現在の第二次試案では,振替口座簿に質権者として記録されている者は,すべて一斉株主通知のときに発行会社の方にその情報が伝えられ,そこで株主名簿に記載するという形で,登録質というふうな整理を一応しております。ただ,当然それだと匿名性というか,発行会社に伝わってしまいますので,例えば原則としてはそのように一斉株主の通知のときに質権者の情報も通知するが,質権者が通知しないでほしいという旨求めたような場合には,一斉株主通知のときに通知を行わない,したがって会社の方には情報が行かない。また,会社側からの,例えば振替口座簿の閲覧等についても,質権者側が閲覧禁止を求めたらその閲覧をしないというような形で匿名性を確保したらどうかということを,現在検討しております。   2番目に,先ほど○○委員の方から,一斉移行のときにいきなり権利がなくなっては困ると。これはごく当たり前のことで,当然その点についても移行措置として考えておりまして,現在考えておりますのは,例えば乙案,つまり一斉に公開会社が株券不発行に変わるというような場合には,その基準日までに略式質権者が株券を会社側に呈示して,まず会社側で略式質権者としてどんな人がいるのかということを把握しておく,例えばそこで略式質権者登録簿みたいな帳簿を作ってもいいと思いますが,とにかく基準日までにすべて略式質権者を管理しておきまして,そして基準日においてはその略式質権者については特別口座管理機関に口座を開設して,質権口座に当然に記録していくというような方策も考えられるのではないかと思います。   一応,今考えているところは以上でございます。 ● 今の事務当局からの説明について,何か御質問,あるいは注文等,この段階でございましたらお願いしたいと思います。 ● 今のお話を伺っていると,匿名性はそこで担保されなくなるということですか。 ● 移行時の話ですね。 ● そんなことでは全くだめですね。   それから,質権者がほかの人が見ないようにとかということを言うのでは,そもそも金を借りた人が見られたくないので,それも片手落ちでございまして,そんな制度では全く話にならないと思います。 ● アイデア段階ですから,まだいろいろなことをお考えいただければよろしいかなと思ってているのですけれども,金融機関側から考えるお客様のニーズを満たすためには,移行時は,例えばお客様と金融機関が何か共同申請などすると,いわゆる匿名性が担保される質権口に移行申請ができる,こういう制度であれば,要するに株券を発行していらっしゃる会社に知られることなく質権口への移行ができるのではないかというようなことは考えられると思うのですよ。株券をいったん引き出されるということになりますと,融資の担保がこの段階でなくなりますから,呈示するという手段はなかなか難しゅうございます。それから,匿名性を確保するという意味でも,それを会社なり口座機関にいったん呈示して,そこから移すというような制度では,バレバレの世界を作ってしまいますので,それではまずかろうということであれば,現実にそのお金をお貸しし,担保をとっている当事者間である株主さんと金融機関と口座管理機関との間で何かできる制度が必要なのではないかなというふうに感じます。 ● 先ほど,二つ局面の,別々の話ということを前提にお話ししたので,匿名性がなくなるのではないかという御批判がありましたが,そこの点につきましてはちゃんと配慮した制度を今後検討していきたいと思いますので,よろしくお願いしておきます。 ● ほかに,何か御発言ございますでしょうか。--よろしゅうございますか。   それでは,今いただいた御意見を参考にして,是非よい制度を考えていただきたいと思います。 ● 事前に○○委員と十分打ち合わせさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 ● 力が及べばということで……。 ● それでは,次のテーマに入りたいと思いますが,お手元の部会資料10「電子公告制度の導入に関する要綱試案」の審議に入りたいと思います。   次回の部会におきまして,電子公告制度につきましても株券不発行制度とともに中間試案の取りまとめをして,いわゆるパブリックコメントの手続にかけるという予定になっております関係で,電子公告制度の枠組みにつきましてある程度方向性を出す必要がありますので,御協力をお願いいたします。   部会資料10は,電子公告制度の内容に関する第1の部分と,それから電子公告制度の導入に伴う債権者保護手続における個別催告省略の問題を取り扱う第2の部分に大別されます。そこで,まず前者の問題に関する部分である「第1 株式会社についての電子公告制度の導入」につきまして,事務当局から説明をしていただいて,審議をいたしたいと思います。   それでは,お願いいたします。 ● それでは,「電子公告制度の導入に関する要綱試案」の第1の部分について,まず御説明をさせていただきます。   まず,前注をつけてございますが,この前注は前回の検討事項につけておいたものと全く同じでございます。   なお,官報がどういう形で電子官報なるものを含める形になるのかというのは,まだ内閣府の方で御検討が終わっていないようでございまして,まだここははっきりしない部分がございますけれども,とりあえずはこのような形になるという前提でこの試案を作らせていただいているということでございます。   それでは,第1の「株式会社についての電子公告制度の導入」について御説明をさせていただきますが,前回の御審議の際には,四つの考え方をお示しをしまして御審議をいただいたわけでございます。そのうち,今回の試案として残しておりますのは,当時の検討事項でいいますとBという考え方でございます。   2ページの(注1)を御覧いただきたいのですけれども,前回の御審議をいただいた際には,四つの考え方のうちBのほかにDをも残して,BとDのいずれをとるかについて,更に今回議論をしようということとしていただいたわけでございます。しかし,その後私どもの方で専門の技術者の方からいろいろお話を伺ったりいたしましたところ,Dというのは,主務大臣の認定,あるいは指定認可などを事前に要求しまして,その認定等を受けた機関が公告をする主体となって公告をしたいという会社の公告を載せるという,そういうアイデアだったわけですけれども,こういう形を仮にとりましても,認定を受けた人が公告したからといって,その公告の内容が変動なく継続的に公告されるということは保証の限りではないということが分かったわけでございます。したがいまして,D案の考え方をとりましても,個々の公告の有効性を担保しますためには,結局は証明機関による公告が継続的にきちんと行われたという証明が必要とされることになりまして,いわばBプラスDのような形になって,屋上屋を架することになる。そうしますと,前回の御審議の際にも経済界の方々から口々におっしゃられましたできるだけコストを下げたいという御要望にこたえられなくなるということがございます。そこで,今回はそのような主務大臣の認定した機関だけしか公告を掲載できないという,そういう考え方をとらずに,従前の検討事項でいいますとBの考え方,つまり自社ホームページで公告することも認めるけれども,別途証明機関の証明をとっていただくという,その考え方一本を掲げておるわけでございます。   順次中身を御説明いたします。   まず第1の1でございますが,ここは現在の官報,日刊新聞紙という二つの限られた方法のほかに,電子公告という方法によって行うこともできるということを書いたものでございます。   次の2でございますが,電子公告のやり方について書いたものですけれども,公告する内容を一定の期間,当該電子公告のためのインターネットホームページに掲載することによって行うということでございます。これは,官報や日刊新聞紙はある瞬間といいますか,ある日出される官報や日刊新聞紙にその場で掲載されるだけでございます。電子官報の場合は1週間はそれがだれでもただで見られて,それ以降であれば官報の契約をしている方以外は見られるという,そういうことになるようでございますが,紙の方はある日に出された官報なり日刊新聞紙に載るだけでございますけれども,電子公告のメリットはある瞬間ではなくて,ずっと継続的にそれを載せて,それを見る必要がある方がいつでも見られるというところに意味がありますので,一定の期間載せていただくということにするということでございます。ちなみに,既に導入されています決算書類の公開の方法としての電磁的方法による公示におきましては,5年間それを載せるということが要求されているわけでございます。ただ,この5年というのは余りにも長いかなと思いまして,ここではその一定期間につきましては,(注)ですけれども,まず債権者保護手続の公告とか,あるいは株券回収の公告といったように,公告中に一定の期間を記載しまして,その期間は通常「1月ヲ下ルコトヲ得ズ」というようなことが規定されているわけですが,その期間内に債権者が異議申立てができる,あるいは株主が株券を提出することができるとか,そういうことが定められている規定が多々ございますけれども,そういう種類の公告につきましては,公告に掲載する当該行為をするべき期間,その期間中ずっと掲げていただくとしてはどうかというのが①でございます。   それから,②といたしまして,そういう何らかのアクションをとるべき期間というものを定めない公告がございます。これは,前にお配りさせていただいた公告の一覧表を見ていただくといろいろ出てまいりますけれども,それにつきましても何らの公告期間を定めなければいけませんが,これについてはとりあえず1か月ということにしてはどうかと。つまり,ほかのものが大体1か月,その行為をする期間を定めるものが概ね1か月でございますので--厳密に言えば1か月以上ですけれども--そうであるとすれば1か月間ということにしてはどうかというのが②でございます。   それから次に,電子公告をする具体的な手続ですけれども,3でございますが,電子公告を公告の方法とする会社は,定款でその旨を定めなければならない。その旨というのは,電子公告によって公告をするという旨という意味でございます。これは,官報で公告する場合には官報で公告するということを定款で定めなければならないということとなっていますし,日刊新聞紙で公告をする場合には,どの日刊新聞紙で公告するかというのを定款で定めなければならないということになっていますので,それと同じ趣旨でございます。   定款で物事を定めるときに,どこまで定めなければならないかということが問題でございますが,ここでは3におきましては,電子公告という方法によるということだけを定款で定めればいいということにいたしまして,では具体的にどのURLといいますか,インターネットホームページのアドレスを用いて公告をするのかということにつきましては,4でございますが,それを登記すればいいということにしてございます。これは,電子公告のインターネットホームページのアドレスというのは,しばしばいろいろな事情で変更せざるを得なくなる場合があるようでございますので,一々変更する度に定款変更で特別決議をしなければいけないというのは余りにも重たいであろうということで,とにかく電子公告という公告の方法を選ぶということだけ定款で定めていただいて,あとは経営者の側で適切なホームページを設定して,そのアドレスを登記していただくということではどうかということでございます。   次に,5でございますが,これは証明機関でございますけれども,電子公告を行おうとする会社は,この公告を始める前に証明機関に対して継続的に公告がされていたということの証明の申請をしなければならないということにするというものでございます。   6でございますが,証明の申請を受けた証明機関は,当該公告の期間中,継続的に公告されていたかどうかを調査しまして,そして公告が終わった段階できちんと公告されていたということであればその旨の証明書といいますか,証明も電磁的方法によって証明することもあると思いますけれども,何らかのそういう証明を出すということでございます。   ここで問題になります事項は幾つかございますが,大きなものを(注)に掲げております。   一つは,具体的にいかなるものを証明機関とするかということでございます。実は,今この証明のような仕事を行っている業者というようなものは現在はいないわけでございまして,新たに何らかのそういう仕事をする人を作り出さなければならないわけですが,部分的にはもう既にタイムスタンプとかいうような形で,ここでの証明をする内容の一部の仕事をしている会社のようなものはあるわけでございます。   これは,やること自体は最悪の場合人手さえたくさんあれば,それとパソコンがあってインターネットにつながっておればやれないわけではないわけで,機械的にどこまでやれるかということがありますけれども,やる内容は別に高度というわけではございません。ただ大事なことは,本当は調査していないのに調査したとか,あるいは本当は掲載されていない期間,時間,日にちがあったにもかかわらず,ちゃんと公告されていましたというような虚偽の証明をしたりとか,そういうことがない人にこの証明をやってもらう必要があるということでございます。登記申請の添付書面になるということが一つありますけれども,それを別にいたしましても,電子公告が適法に行われたかどうかを決定いたします極めて重要な証拠になることは明らかでございまして,もしも争いが生じたときに,電子公告した側も,また電子公告が適法にされていなかったと主張をする側も,それぞれ立証するのは非常に困難ですので,そういう意味では証明機関の証明というものは非常に大事でございますから,不正な証明をしたり,あるいは証明の申請があったのにそれを不当に拒否したりとかいうようなことがない,そういうしっかりしたところに証明をしていただくということが肝要かと思います。   もう一方で,前回の御審議でもお話がありましたように,せっかくホームページでやっても証明に物すごくお金がかかるのでは意味がないわけですので,また証明の申請をするのが非常に手間だとかいうことになっても意味がないわけですから,簡便に証明の申請ができて,またそれほど高い費用でなく証明が出されるというようなことも確保する必要があろうと思いますが,そういったことを考えて,なお具体的にやってくれるところを探さなければならないという問題もございますので,なお私どもの方で検討させていただきたいというふうに思っております。   それからもう一つ,5の関係では,当該公告の開始前に証明の申請をしていただくということを書いておりますけれども,どのぐらい前に申請をしていただかなければならないのかということも,最終的には決める必要がございます。これは,証明をする側はチェックしなければなりませんので,その事前の準備作業とか,後に出てきますリンクを張るということもございますので,そういう作業に要する時間がどのぐらいかかるかということと,それから恐らく公告をなさる会社側としてはできるだけ遅くそういう証明機関への申請ができた方がいいのだろうと思いますので,そういうニーズとの兼ね合いで更に御相談させていただきながら決めていきたいというふうに思っております。   あとは注でございますが,(注1)は先ほど申しましたので,(注2)でございますけれども,電子公告につきましては官報や日刊新聞紙による公告とは異なりまして,先ほど申しましたように各社のホームページでもいいということにしますと,債権者,あるいは公告を見たいという方は各社ごとの様々なホームページに個別にアクセスをしなければならないという問題がございます。この問題点は,前にも当部会で御指摘をいただいたところでございます。   そこで,この問題を解消する方策として,例えば法務省において,法務省はホームページがあるわけでございますが,そこに現在公告している会社とそのアドレスを並べたようなリンク集を作りまして,そこにアクセスさえしていただければ,そこから公告のページに飛んで御覧いただけるようなものを作るという方向で今検討しているところでございます。これは,前回の御審議の後に部会長からもそういうことを検討すべしという御指示をいただきまして,そういう方向で検討しております。まだ具体的にどうするかということまで詰め切れておりませんけれども,そういうような形でやるということでいかがかということについて御審議いただければと思っております。   最後,(注3)でございますが,先ほどもちょっと申しましたように,既に計算書類に限りましては電磁的な公示,あるいは電磁的な公開と言われております制度が平成13年の秋の改正で導入されたわけでございます。それを,今回電子公告という制度を導入するに当たってどのようにするかというのが(注3)の問題でございます。   席上に,参考資料4「計算書類の電磁的公示に関する現行規定の見直しの要否等について」というものをお配りさせていただいておりますので,それを御覧いただきながら説明をさせていただきたいと思いますが,この計算書類の電磁的公示の制度といいますのは,ほかの法定公告についてはいろいろな法律効果を伴うということから慎重な検討を要するということで今御検討いただいたいるわけですが,計算書類は公告をしませんと過料の制裁がかかるということはありますけれども,公開をしたからといって何らかの法的効果が生ずるわけではない,単なる事実関係を公にするというだけでありますことから,ほかのものに先行して平成13年改正で導入されたわけでございますが,電子公告制度を設けますというと,計算書類の公示についても公告の方法として電子公告というものが含まれることになります。今は公告をするか電磁的方法による公示をするか,どちらかを選択できるという形になっているわけですが,電子的なものというものの中に公告の方法も入ってくるわけでございます。そういたしますと,そういう電子公告とは別に,計算書類の電磁的公示という現行制度を残す必要性と合理性があるのかという問題が生じます。   それにあわせまして,電子公告として計算書類の開示をする場合にどのようにするのかということもあわせて議論する必要があると思います。   私どもの方で取り急ぎ考えました具体的な課題は,ここに書いてあります四つでございます。   まず,現行の電磁的方法による公示の場合には,証明機関の証明を受けることは要求されておりません。したがいまして,今回創設いたします電子公告を公告の方法として採用する会社が,計算書類についても電子公告をするということは当然予想されるわけですけれども,その場合にも計算書類の電子公告に限っては証明機関の証明を受けることの申請は要求しないということでどうかというのが第1点目でございます。これは,新しい制度が導入されることによって,今までの既に認められたものの規制を重くするということをしないという趣旨でございます。   それから,二つ目でございますが,計算書類の電磁的公示の公示期間は5年間ということになっております。先ほど,第1の2の注のところに一定の期間ということで二つ申し上げたわけですけれども,その一定の期間との兼ね合いが問題になるわけですが,電子公告を行う会社がする計算書類の電子公告につきましても,その公告期間は5年ということにしてはどうかというのが2番目でございます。そのかわり,5年間ずっと,1日もダウンすることなく載せるということも非常に困難な面もありましょうし,長い期間置くのであればいろいろな方が御覧になることができるわけですから,証明機関の証明は受けなくていいということでどうかということでございます。   3でございますが,仮に1と2の措置を講ずるということにいたしますと,公告の方法としての電子公告と,現在の計算書類の電磁的公示というものはほとんど同じようなものになります。その場合に,公告の方法としては電子公告を採用しないという会社,つまり公告の方法は官報による,あるいは日刊新聞紙によるということを維持する会社が,計算書類の開示だけは電磁的方法による公示という方法によることを認める必要性があるのかどうかということ,ここを御審議いただければと思います。   それから,仮に計算書類の開示だけは電磁的方法による公示という方法を認めるとしますと,4でございますが,公告の方法として電子公告を採用する,つまり官報公告や日刊新聞紙による公告ではなくて,電子公告という方法で公告するということを決めた会社についても,計算書類の開示だけは電子公告ではなくて,それと極めて似通ったものであるところの電磁的方法による公示という方法によることを認める必要性,合理性があるのかどうか,少なくとも最後のものはないのではないかなという気がいたしますけれども,これらの点について御審議をいただきたいということでございます。 ● それでは,第1について御審議いただきたいと思いますが,よろしくお願いいたします。   大きい点としましては,前回からの案と比べますと,BとDと残っていたのがBだけになっている,つまり主務大臣の認定等を受けた業者を使って電子公告しなければいけないということになっていたD案というのは落としたという説明だったと思いますが,まずその点が一番大きな点かと思いますが,いかがでしょうか。 ● ○○幹事の方からさっきちょっとお話があったのですが,インターネットでございますので,当然サーバーがダウンするとか,そういうシステム障害が起こるということがあると思うのですけれども,そういった場合,公告期間と継続性という問題と,証明機関の証明というところをどういうふうに考えればいいかということなんでございますが。   仮に,1か月の公告期間の中で,何日かシステムダウンをした場合に,その場合に継続性があるというふうに認めるのかどうか,その辺どんなふうにお考えなのかというのをお聞かせいただければと思います。 ● 同じようなことなのでよろしゅうございますか。   ちょっとアトランダムにお尋ねをするので申し訳ないのですが,今の一定期間の話でいけば,1ページの第1の2のところに「一定期間」という言葉が入ることによって,継続的に中断なくと,こういう概念に当然なると思うのですね。日刊新聞紙に出せば,朝どこかで刷られたものがぽんと出れば,瞬間的にそれで終わってしまうわけですが,非常にここは逆に言うと要件が過重になってくるということでいいのかどうか。先ほどの御質問とほぼ同じでございますが。   それから,この資料で委員の皆様方,恐らく非常に当惑しているところがあると思うのですが,先ほどの○○幹事の御説明にもあったように,証明機関については現存していないと,実態上は。すなわち,我々はイメージがつかめないし,中身も理解が十分できないし,そこがはっきりしないと善しあしについての判断が正直言ってつかないというのが本音だと思うのでございます。したがって,1ページの下の(注)にある「いかなる者を証明機関とするか」ということについては,具体的にこういう人たちで,こんなふうになるのだ,お金がどのぐらいかかるのだ,手間がどのぐらいかかるのだ,それから証明の具体的なやり方はこんなふうになるのですと,様式というのも変ですけれども,こんなやり方になるのですと。それから,証明は,私は前にも御指摘申し上げましたが,先ほどの継続的に中断なくということになると,1時間に1回チェックしているだけではだめになってしまいまして,1日1回なんてとんでもない,ずっと間断なく毎秒やっていなければいけないというとんでもないことになるので,それができるというのだったらやっていただいてもいいと思うのですが,お金がかかるのかなと,こう思います。   それから,2ページの話でございますが,これも幾つかあって申し訳ないのでございますけれども,上の方に6というのがございまして,2行目で「調査しなければならない」。これはどうやって,先ほどのお話でございますが,調査の具体的なやり方をもっとお示しをしていただかないと,判断がつきません。   それから,下の(注2)でございますが,「個別にアクセスしなければ公告の存否・内容を確認することができないという問題点がある」と。余りインターネットの世界では実は問題点ではなくて,それは当たり前のことでありまして,それぞれのウェブサイトのところにみんながアクセスするのが前提,集中してどこかに行けばいいということではなくて,そういうことをやる。それが面倒くさい人は,検索エンジンを使って飛んでいく方法もあるし,リンク集をたまたま持っている人がいて,そこで偶然にもちょっとそっちに行ってみようかなと,こう思うというのがそもそもこのインターネットの世界ですから,何かちょっと読むと,インターネットのシステム自体とちょっと違うお考えをされているような感じがあるので,そこら辺はどうか。   それから,「法務省等において公告リンク集ホームページを開設する方向」と,こういうことに実は中小企業は非常に敏感でございまして,先ほどの証明機関もそうなんですが,まずそういうものは複数あるのかどうか,独占的,排他的なところが1か所になってしまう,例えば登記の関係なんかそういうことだと思うのですが,そういうことになるのかどうか。お金は一体どのぐらいかかるのか。リンク集を作るというのは,普通はお金はかからないはずだと。これは平たく言えばロハということなんだろうなと思うのですが。   では,そのホームページのリンク集に仮に当社が落ちていた,したがってだれかにここに落ちていたからおまえのところが見られなかったと言われたときの責任はだれがとるのかというようなこと,それに対応する手間も含めて,様々ここは具体的イメージがないと恐らく議論ができないのではないか,こう思う次第です。もし,先ほど○○関係官がお示しになったようなアイデアが,検討するということではなくてもうおありになるのであればお示しをいただいた方が,議論が進むのではないかと思うのでございます。 ● 同じ疑問を……,重なるものですからお願いしたいと思います。   我々の方も,継続性の意味がどういうことを意味しているのかという点がはっきりしないのではないかと。これが24時間間断なくということであれば,先ほどサーバーダウンの話もありましたけれども,逆にサーバーメンテナンスを予定してある程度の時間をとめるということになると,この例えば1か月というふうに挙げられているものが,2週間目でメンテナンスが入るともう一度一から1か月なのか,事前の期間,後の期間を合計して1か月を満たせばいいのかとか,そういう問題も起こりますので,継続してという点についての中身を御説明していただけたらと思います。 ● それでは,大体共通の質問が多かったように思いますので,御説明をお願いします。 ● お聞きになられた順番と若干違うかもしれませんけれども,まず証明機関の調査で一体何を調査するのかということと,その頻度はどういうことかという,これも前回も多少御議論があったところでございますが,まず調査すべき事項としては,一つ目は公告をする場合には事前にインターネットホームページなどで登記しなければなりませんので,実際に公告をするといって証明機関に持ってこられたそのURLが,登記されたURLと同じ,あるいは登記されるページはホームページの一番最初のページが登記されることが多いようですけれども,そこからスラッシュ・スラッシュでつながった連続的な番号になっていて,そこに行けるのかどうかというようなこと,それが一番最初に証明申請があったときに必ずチェックしなければならないと思います。   それから,証明申請をしてきた人,会社が,実際に実在していて,本当にその代表権のある人が申請をしたのかどうかというチェックもすることになりますが,これはもう既に電子認証という制度がございますので,電子認証で電子署名つきのもので送っていただければ,機械で自動的にその辺は全部チェックされることになるのだと思います。   あと,まだ決めているわけではないのですけれども,今度ここで考えております電子公告,官報以外のものは,見る側はただだという前提で私どもも考えておりますし,部会の皆さんもそうお考えだと思うのですけれども,このごろ新聞に載っていました携帯電話のケースですと,つなぐとどこか有料のところに自動的に行って,膨大なお金を取られるというようなケースもあるようですので,そうでないかどうかということをチェックするということも,あるいはチェック項目に入れる必要があるのかもしれない。あるいは末梢サイトにつながって,そこに公告が少しだけ出ているとか,そんなのでもいいのかとか,そういうようなことを考え始めると切りがないのですけれども,そのようないろいろなことを考えなければならないのかなと思っております。   後は,きちんと登記されたのと連続性のあるサイトに公告が載せられるとした場合に,その公告がちゃんと毎日きちんと載っているのかどうかということをチェックするということになります。   チェックの頻度でございますが,先ほど○○委員は毎秒というようなお話をされましたけれども,機械的に非常に頻度を上げてチェックすることは技術的に全くできないかというと,そうではないようですけれども,余り頻度を上げると,今度は受けた方のサーバーが,それはサーバーに対する攻撃というふうに受けとめてシャットアウトするということがございます。ですから,余りに秒単位でやるというようなことは,これは技術的にも無理だろうと思います。   それと,あと実際に公告がどのぐらいされているかということですけれども,年間で官報で3万ぐらいされています。それから,日経新聞社だけでも3,000近くされておりまして,そういうことを考えますと,そのうちどのぐらいが電子公告をなさるのかという問題もございますが,1日に相当の数を,証明機関が幾つできるのかということももちろん関係があるわけですけれども,証明機関で扱わなければならない公告のチェックの母数との兼ね合いで,1日にどのぐらい公告をチェックできるのかという問題と,あとは機械でどこまでやれるのかという問題がございます。公告の方法も,同じ電子公告といってもHTMLでやるとか,その他いろいろな方法があるようですので,それを一定の公告の方法に限っていただいて,チェックのしやすい方法にしていただくということも場合によっては考えなければならないのかもしれないのですけれども,そういうことを考えているわけでございます。 ● 同じホームページに何かが出ているということは確認しても,それが例えばきのうの何時と同じ内容のものかどうか,それもチェックをするという意味ですね,おっしゃっているのは。 ● そうでございます。それを機械的にチェックできる方法もあるわけです。 ● 体裁が変わったりしても,中身が同じだったら同じだとか,そういう問題も出てくるのです。今のHTMLとか,そういう話になりますと。 ● そういう意味では,要するにHTMLであればテキストファイルですから,ファイルとファイルの同一性はごく簡単に確認はできるのですけれども,実質的に中身が同じで体裁が変わっているのをどうするかというのは,非常に面倒くさくなってしまうのですね。 ● イメージファイルで,画像的なものを,例えば重ね合わせてちゃんと認識できるとか,技術的には相当難しい問題が含まれているのではなかろうかと思うのですね。 ● イメージファイル,特にPDFなんかにしたときに機械的にどうやって確認できるかというのは,これはちょっと技術者と相談しないと分からないのですが,原理的にはできなくはないはずですので。 ● おっしゃることは分かるのですが,要するにみんなが心配しているのは手間と金なんです。 ● ですから,それは基本的に言えばソフト的にファイルの同一性を確認するという,要するにテキストファイルだけではなくてイメージファイルでも確認できるというソフトさえ作れば,手間的にはほとんど……。要するに,HTMLをあらかじめ登録してもらって,1日に1回なりダウンロードして,あらかじめ届けられたファイルとの同一性を確認すればそれで足りるわけですから,手間的にはそんなにかからないだろうと思います。 ● 頻度の話は,例えば私がA社のところにアクセスしようと思ったら,そのときだけ見られない,これはよく私どもがパソコン上で経験することなんですね。 ● そこは,原理的には,おっしゃるように24時間監視しろという話もあるかもしれませんが,例えば占有でも前後で間を推定するという考え方は法律的にあるわけですから,基本的に一定期間内の適当な頻度でやって,かつ,システムダウンしたかどうかというのはサーバー管理会社に聞けば分かる話ですから,その二つを組み合わせれば,その間公告がされていたということは一応一般的には証明できるだろうと思うのですね。 ● 結構抜け穴がどうもありそうですね。サーバー管理会社という第三者がいる,いないというケースももちろんあるわけですし。 ● それはいろいろありますので,具体的にどういう具合にするのかというのはいろいろな管理の形態がありますから難しいわけですが,原理的にぎりぎり,継続を要求したから間断の暇なく証明するなんていうことはおよそ社会的に見てもあり得ないですし,可能な方法と,世の中の多くの人がほぼこれならいいだろうということを考えるかどうかということだろうと思いますね。基本的に言えば,そういう常識的な線に落ち着くようなシステムにするしかないでしょうから。 ● そのときに,どちらかが証明の責任を負ったときに,トラブルになったときに,非常に大きな負担をどちらか一方が負わざるを得ないようなシステムが構築されると,初期のここにお願いをするコスト,手間もさることながら,トラブルになったときにも,小さい会社ではとても対応できないというようなシステムになってはならない。その両面があってもごもごした言い方をしているのですが,そこをきちんと分かるように説明していただかないと,これでいいかと。先ほどから証明機関ないわけですから,もう少し何か,法務省さんを信じないわけではないのですけれども,プロの方に,こうやればこうなるのだということをもう少しきちんと何らかの形で,明確にプロトタイプをお示しいただいて……。そうすると,コストはこんなものだろうとか,先ほど電子署名の話も出ましたが,電子署名は,私ども,今政府の方から補助金をいただいて進めているのですが,やはり独自のシステムを作ると物すごくお金がかかる。そして帝国データバンクなんかと一緒にやると割と安くできるとか,いろいろありまして,これについてもコスト面でも心配……。 ● まだ説明が途中だったと思いますので,続けてお願いいたします。 ● ○○委員おっしゃるとおりでして,かかる金の問題--金の問題というのは結局は利用者の負担にかかってきますので,そこら辺でバランスをとって,どこら辺にするのかということを考えざるを得ないと思っております。ここは実は経済産業省さんとも十分相談させていただきながら進めたいと思っておりまして,○○幹事にもその方向でいろいろ御相談をこれから綿密にさせていただくというような約束になっているわけでございます。   ○○幹事から,何か一言いただければと思います。 ● 我々も,利用者から見ると,恐らく技術・サービスの革新がとても早いところですから,やはり選択肢がたくさんあって,一番いい技術が選べるような仕組みにまずしてほしいという議論になるのですけれども,当然その裏腹で信頼性も確保したいという議論になってきますね。今ちょっと,我々も情報政策の部局と調査をかけていて,ストレートなサービスというのは今ないのですけれども,民間サイドで,改変が加えられなくて継続的に掲示がされているということを,要するにビジネスとしてやり始めている事業者が幾つかあらわれています。通常はタイムスタンプとかいう形でスポットで証明するのですけれども,今回ちょっと特殊なのは,継続性を持ってという議論になってきますから,したがって,どれほど低廉なコストで,なおかつ,先ほどちょっと○○委員が言われましたけれども,何かトラブルがあったときにちゃんとこいつ証明していたのかということが,客観的な,例えば数値のデータで示せるかどうかとか,そういうところもちゃんとチェックをして,実行可能性があるかどうかということを調べていかなければいけないと思っております。   現に,IT書面一括法で証券取引法上の目論見書というのは,原則目論見書を電子的にやる人自身が改ざんされないことを防止する義務をかけて,自己防衛の技術を採用してもらうという体系にもなっているのですけれども,今の電子署名法も,IT書面一括法も,それから今回電子政府の一括法も出てきますので,そういう様々な電磁的な方法を導入したときに,どういうサービスが民間サイドで開発され,提供されていて,それがどのぐらいのコストになっていて,今回この趣旨からするとどれほど利用可能性があって,利用可能なものは,ではこの制度の中で全部取り入れていただくという形で制度を組んでいただければなと思っておりますので,これは恐らくそこの実態が分からないとなかなか議論が進まないところもございますので,ちょっと法務省と協力させていただきながら,我々の方で,情報サービスの方で具体的に何が検討されていて,現に何が動いていて,どういうコストになっていて,どういう証明が可能なのかという点はちゃんと調べ上げて,一度この場で御提案させていただければなと思っております。そういう具体的な案をもってまた御議論いただければと考えております。 ● 是非それはお願いしたいと思います。   実態,コストの話はそれぐらいにいたしまして,あと法的な問題点を。 ● 継続性の関係ですけれども,ここで考えていますのはあくまでも1か月間なら1か月間継続的に公告をしていただくというのが実体的な要件でございます。それが数秒欠けていた場合にどうなるのかというのは解釈問題としてなお残るとは思いますけれども,基本的にはその期間はずっと公告は載せていただかなければいけない。だから,もしもサーバーというのはいつ倒れるか分からないということは事実ですので,少なくとも一方が倒れれば瞬時に別にものに切り替わるミラーサーバーのようなものは用意してあるとか,それから改ざんするような外部からの攻撃にはある程度耐えられるとか,そういったものは必要になると思います。そういうものが用意できない,自社で用意するのはコスト的に引き合わないというところは,そういうことを多分提供する会社がこれから幾つも出てくると思いますので,そういうところを利用されるということになるのではないかと思っております。   それから,リンク集の関係でございますが,インターネットである以上はどこに何が載せられているのかというのは自分で調べるのが原則であるということは○○委員おっしゃるとおりで,前は私もそう考えていたわけですけれども,これまでの部会の御審議では,それだと例えば官報,日刊新聞紙--日刊新聞紙といっても,ほとんどが公開企業ですと日経新聞に公告を載せていますから,非常に限られた媒体さえ目を通していれば,自分がおつき合いのある会社が合併とかするのかどうかというのが分かる時代だったのが,電子公告ですとそれぞれの自分の取引先や,自分が株式を保有している会社がどこに電子公告をしているのか,しかもその会社がいつ公告をするか分からないわけですから,それをしょっちゅういろいろなところを見なければいけないというのは非常に負担なのではないかという御指摘がございました。そこで,部会長とも御相談をさせていただいたところ,どこか1か所にさえ債権者が見にいけば,今,公告をしている会社がどういう会社で,どこでしているのかというのが一目で分かるようにすべきではないか,だからそこはインターネットの今の仕組みを超える部分があるわけですけれども,そういうリンクを作るべきではないかという御指示があったわけでございまして,それについて皆様の意見を伺いたいということでございます。ですから,リンク集を作る以上は複数では意味がないので,どこか1か所ということで考える必要があると思います。   お金の問題ですが,これはリンクを張るということはそれほど大変なことではないので,機械的にできますので,それ自体に独立にお金をいただくとか,あるいは見にきた人がお金を払うとか,そういうことは今のところ考えておりません。どういうふうにしてそのリンクを張っていくのかということは問題ですけれども,証明機関の証明を必ず受けていただく,申請をしていただくというのが第1の5に書いていますので,証明機関に証明を申請をしていただくと,証明機関の方でいろいろな,先ほど申しました公告が始まる前にチェックしなければならない事項はチェックされますので,そのチェックをし終えて,ちゃんとした公告だということ,実際あるアドレスの公告だということが分かった段階で,証明機関からリンクを張る方に電子的な手段でリンクを張る手続をすれば,機械的に,自動的にリンクが張られるというような形にしてはどうかなと。そうすれば,電子公告を行う会社は証明機関1か所にだけ申請すれば,あとは全部やってもらえるということになるわけで,そういうことにしてはどうかというふうに考えている次第です。   万が一,リンクを張るのが落ちていた場合どうなるかということでございますが,ここでは第1に書いていますのは,証明機関に対して証明の申請をしなければならないということで,証明の申請をしていなければそれだけで公告は無効であると考えています。ですが,先ほど申しましたように証明機関に証明の申請をすれば,あと証明機関の方でリンクを張ったりなんかすることにするという前提で考えますれば,もう証明の申請さえちゃんとしておれば,これで電子公告を行おうとする会社は,公告自体はしなければだめですけれども,ちゃんと公告さえしていれば公告が無効になることはないので,あとは証明機関がミスがあれば証明機関側の責任になりますし,リンクを張る側に何らかのミスがあれば,リンクを張る側と,そのために見損なったという人がいればその間の損害賠償とか何かという問題になるというふうに考えております。 ● あと,本当にダウンしたことがはっきりした場合には。途中,1か月の間に。 ● ですから,さっきもちょっと申しましたけれども,基本的には1か月の期間はダウンしないような形で公告をしていただく必要があるというのが原則でございます。ただ,本当にわずかの時間だけダウンして接続できなかったという場合に,それで公告全部が無効になってしまうのかどうかというのは解釈問題としてなお残ると思っていまして,たまたまその時間帯に証明機関が見にいって,切れているということであれば証明出せなくなりますから,それはまずいと思いますけれども,証明機関が毎秒いくわけではありませんから,そうではない時間帯にちょっとだけ切れていたという場合に,全部の公告が無効になってしまうのかというのは,必ずしもそこまでは考えなくてもいいのかなとは思いますけれども,しかし丸1日ダウンしてしまうとか,そういうのは公告自体が無効になる。だから,そうでないサイトにしていただくということにしなければいけないのではないかなと思います。 ● 1日だとやり直しですか。 ● 今のところに関連するのですけれども,継続性の解釈の問題なのか,それが継続というものの意味の定め方の問題なのかというところになるかと思うのですが,それは今後の議論で……。   先ほど,コストのお話が出ましたけれども,例えば債権者保護手続等が登記の要件で,申請する場合の申請の際の証明書のコストという問題と,お話がございましたように実体的な争いになったときに,いわゆる訴訟上のコスト,証明する手段としてのコストという,コストには二つ少なくともあるかと思うのです。申請の際には,例えば先ほど占有の話がございましたけれども,最初と最後公告されていましても,それだけで済むというのであれば申請書としてはそんなに,証明書としてはそんなにコストがかからないと思うのですが,裁判上の要件として,実体的要件として24時間間断なく1か月というような形が要件になり,それを証明しなければいけないということになると,今度その証明機関にそれを証明してもらわないといけないということになるかと思うのですね。   他方,現状の官報公告であれば,出しましたということを提出すれば,極端な場合コストゼロで証明できるわけです。そういうところのコストの違いも,やはり具体的に御検討いただいて御説明いただけるのだと思いますが,あわせて御説明していただけたらと思いますのでお願いいたします。 ● 今の点ですけれども,証明機関の証明は何のために用意するかというのは,一つは登記のためなんですけれども,もう一つはやはり裁判の場合ということも考えておりまして,証明機関がそんなに毎秒毎秒チェックするわけではありません,多くても1日に何回かになると思いますけれども,チェックに要するお金との兼ね合いの問題もありますが,しかし証明機関の証明がされていれば,一応その期間内公告がされていたということが立証されて,あとはそうでなかったということを相手方が立証するということになる。そのために証明機関を用意するということになるのではないかと思っておりました。 ● 事実上の証明というか,その事実上の推定力の問題なんですね。ただ,これ仮に問題になっているそれを争う方としては,この時間載っていませんでしたという形で何か出されれば,たまたまそのときに本当に何かトラブルがあって公告されていないとなると,実体的要件を欠くということになってすべてが無効になってしまうということを考えると,先ほどのコストのお話がありましたけれども,毎秒全部チェックしていただいた証明書をもらわない限り,会社の方としては将来の不安要素を残すということになると思うのですね。申請の際は別にそんなに重要ではないのですが,後に争われたときに膨大なコストがかかる。そういうことに巻き込まれないためにきちんとしたものを証明してくださいということになると,やはり毎秒毎秒というような問題だって出てくるかと思うのです。あくまでそれは法律上の推定を認めるのではなくて,事実上の証明力の問題にしかすぎませんので,そうなると最初の段階で低廉なコストで本当にできるのかどうか,官報公告ですと数万円で済むのが,もっとそれ以上もお金がかかるという話になるのかということを,具体に御検討いただいて御説明いただけるというお話が先ほどありましたけれども,それもあわせ考えて御説明していただけたらというのがお願いでございます。 ● 実は,御説明する際に一つ御紹介するのを忘れてしまったのですけれども,お手元の席上配布の資料として,日本経済新聞社の広告局と電子メディア局からの意見書をちょうだいしております。これは先ほど部会長から御紹介いただいた,今回の試案ではDの考え方を落としているわけですが,ここでは,やるのであればDのような考え方にしてほしいと,そしてシステムダウンとか情報の改ざんがないようなしっかりしたサイトで公告がされるようにすべきであるという,そういう御意見をいただいておりますので,これもあわせてお読みいただきながら御審議をいただければと思います。 ● 今の中断に関してはいろいろ考え方があろうかと思うのですが,「継続して」というのを条文で使うと,今事務局が説明したようなことになるのかなとは思うのですが,しかし同時に,本当に1日中断したら全部やり直すというのがいいかどうかということはまた御意見があろうかと思うのです。   それと同時に,本当に一定期間の公告を要求しているのは,その期間一瞬の休みもなく常にアクセスできる状態でなければいけないという要求をすることになるのかどうか,そこら辺について御意見があるなら伺ってみたいと思うのですが。 ● 具体的に考えたというわけではないのですけれども,24時間間断なくということまでは必要ないのではないかと。もちろん,紙との比較でするのは極論ですけれども,官報公告というのは1回して,その後官報等を何らかの形でもう一度見る機会があるからということで多分1度だけすればいいというふうになっているのだと思うのです。それとのバランスで,一瞬たりともアクセスできないような状態になれば,一定期間という要件を満たさないというのは極論ではないかなと。インターネットというのは,本来24時間アクセスできることが前提なのですけれども,1日何時間以上とかいうような,緩める方向で考えることも可能なのではないかなというふうな印象を持っております。 ● ○○委員御指摘のとおり,どの程度で登記を受けつけてくれるかということ,それから訴訟になったときにどういう証明ができるかという問題があるのですが,前者の方は○○委員もおっしゃったとおりで,後者の方も--大体,訴訟というのは合併無効の訴えとか,そういう形で出てくるわけですね。現在は,これは通知,個別催告を要求しておりまして,催告は実際上やっていない例が多いというのも御承知のとおりでありまして,もし万が一そういうたまたまある一定時間電子公告が途切れていたということになりますと,通知を受けなかった者が訴えを起こしてきたときと似ているのかなという感じはしております。 ● 公告側に機会を提供することになりますので。今までは,官報公告が出ているということ一言で争いようがなかったわけですけれども,それが一定期間という,本当に間断なくということになると,非常に負担が大きくなるのではないかなと。会社の方としての防御の負担が重たくなるのではないかなというのが,ちょっと危ぐされる点です。 ● 私,商事課で登記を所管しておりまして,たまに公告はしたのだけれども誤記があったということで,しかしその公告期間との関係で,これは是非総会の決議を経ていつ幾日までに合併なら合併をしなければならないという,御要望といいますか,要請はときにございますので,誤記があったときに,今ですと誤記があっても今の添付書類は最初にこういうものを出した,それが登記の添付書類として受け入れられるかどうかということだけを考えますのでいいのですけれども,この仕組みで電子的なものですと,恐らく今のこの仕組みで公告して1日目に気がついて直すと,そうすると一からやり直しということになるのでしょうか。15日目に気がつくと,15日目からやり直しということになり,それがいかに瑕疵が少なくても,ファイルが違っていればだめということになるのか,あるいはもっと中まで見るのか,そのあたり,実際にそういうことがございますので,余りに固くすると非常にここに入ってきにくくなるのではないかと思いますので,そういうあたりもお考えいただければと思います。 ● 電子公告制度のこの案でございますけれども,基本的には私としては賛成ということでございますが,もっと具体的な話がないと判断できないという御意見がございましたけれども,私としてはこれ以上詳しく言われれば言われるほど分からなくなってくるということでございますので,是非ともその際には低廉性,利便性ということでのシステムの開発と,それからどういうところが証明機関になるかということについて,できるだけ規制をかけないように,かつコストとか利便性の面でも競争原理が働くような形に是非していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ● 証明の点については大変御議論いただきましたが,この点についてはなお今後も継続して検討していただくということで,その他の点についてはいかがでしょうか。   例えば,2の(注)の②で,法律的な点ですが,はっきり公告期間が決まっていないものについては1か月ということでよいのかというような点,この点はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   これも,絶対的な基準が何かあるわけではないのですが,妥当なところかなということですが,そういうことでよろしいでしょうか。   それから,参考資料4の点,現在計算書類の電磁的公示ということが実施されているわけですが,この電子公告による計算書類の公告ということもできることになるだろうと,それとの関係で計算書類の電磁的公示という制度をどうするかという点であります。   1,2は余り問題ないのではないかなと。現在と変わらないということでありますから。   3と4でありますけれども,この点はいかがお考えでしょうか。   3については,公告方法としては電子公告を採用するというふうに定款で決めていない会社が,計算書類の電磁的公示だけすると,こういうことを認める必要と合理性があるかということですが。これは,定款変更面倒くさいという……。   現在,計算書類の電磁的公示は,たしか取締役会決議だけでできるのですよね。そういうものを認めるかという話かなと思いますが。 ● これ,計算書類の場合は電子公告にした場合でも5年間というのは残すということのようですね。そうすると,これは電子公告ですから5年間も継続性の証明というのは要るということ。 ● 1で要らないと。 ● 要らないのですね。ただ,証取法のEDINETとか,これはもともとそういうのはないですよね。 ● あれは,国が管理しているから間違いないという前提でできているのではないかと。 ● 分かりました。 ● いかがでしょうか,3は。いかんという理由もないような気もしますが。 ● 今議論されているのは,商法上の公告ということでございますが,経済界の実態を見ますと,証取法上とか取引資産の規則上とかの公告があるわけですが,その辺への広がりというのは何かお考えがございますでしょうか。 ● いえ,私どもそこまで偉そうなことをするつもりはありませんので。そのような権限もございませんから。 ● 3のところはルーズにしておいていいのではないかなと。いろいろな人がいるわけですから,好きにすればいいと。 ● 定款で決めてなくても,気にする必要はないと。 ● きっちりした方が集まっている審議会かもしれませんけれども,ルーズでいいのではないかなと思いますが。 ● 現行法のままということですね。 ● 私も,今の○○委員の意見に賛成でございまして,ちょっと私の所見を申し上げさせていただきますと,あえて意地悪しなくても,実務の実態に委ねてほしいなと。恐らく,今度の電子公告制度の制度構築いかんで,完全にセパレートとか何とかということは余り議論する必要がなくて,どちらか一方に収斂という形で多分実務の方向性が落ち着きを見せるのではないかなと思いますので,先ほど来御審議されていますように,今の電子公告制度を少しでもコストダウンに資するものであって,また利便性があって,競争原理が働くものと,こういうことでやっていただければ,3も4もおのずと望ましい結論になるのかなと,そんな感じがいたしております。 ● 大体そんなところでよろしいでしょうか。ほかの委員・幹事の方も。--では,ここは法律では縛らないという方向でいきたいと思います。   第1については大体そんなところでよろしいですか。   それでは,第1の議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。特に御議論があった証明機関のところについては,なお事務当局で御検討いただくということにしたいと思います。   では,休憩にしたいと思います。           (休     憩) ● それでは,始めたいと思います。   審議を再開します前に,会議の冒頭に申しましたとおり,新たに委員に就任された○○委員がいらっしゃいましたので,御紹介いたします。           (委員・幹事の異動紹介省略) ● それでは,「第2 株式会社の各種債権者保護手続中の個別催告の省略等」の部分に入ります。   この部分につきましては,前回の御議論の結果,株主に対する関係の公告についての個別通知の省略は認めないということとし,また債権者に対する公告であっても,清算における公告については同様に個別催告の省略は認めないということになりました。そこで,清算以外の場合の債権者保護手続についての個別催告の省略等につきまして,前回の議論を踏まえまして事務当局にたたき台を作成してもらった上で,更に議論を続けようということになりましたことから,今回の資料が作成されております。まずこれにつきまして,事務当局から御説明をお願いいたします。 ● それでは,「第2 株式会社の各種債権者保護手続中の個別催告の省略等」につきまして御説明をさせていただきます。2ページから4ページの途中まで,本文でⅠ案からⅤ案まで,五つの案,それに更に(注)に公告の種類を問わずに官報公告,電子公告プラス電子メールアドレスの登録をした人に個別にメールで通知するという,そういう選択肢を挙げておりますが,都合六つ案を掲げさせていただいていることになります。   そこで,本文を見ていただくと非常に分かりにくいかと思いまして,参考資料3ということで,試案第2に掲げております各案がどうなっているのかという補足説明をあわせて御送付させていただいた次第でございます。   この補足説明の方で主として御説明させていただきますが,甲というのは官報公告のみすればよくて,個別催告という制度は廃止するというのが甲でございます。   乙は,官報公告と日刊新聞紙公告,あるいは官報公告と電子公告と,いずれかをすれば個別催告を省略するというものでございます。現在,合併での債権者保護手続と吸収分割の場合の承継会社がする債権者保護手続の場合には,官報公告と日刊新聞紙公告という組合せで個別催告の省略が認められていますので,いわば日刊新聞紙公告とパラレルのものとして電子公告というものを位置づけて,官報公告プラス日刊新聞紙公告,あるいは官報公告プラス電子公告のいずれかをすれば個別催告を省略するというのが乙という考え方でございます。   それから丙でございますが,官報公告と電子公告とアドレス登録という三つ,これをやるということにする。アドレス登録しなかった人には個別催告はしないというのではどうかというのが,丙でございます。   組合せでございますが,現在,先ほど申しましたように二重の公告をすることによって個別催告が認められている合併の債権者保護手続と,吸収分割の承継会社の場合の債権者保護手続の在り方として,甲とするものをⅠ案,Ⅱ案,Ⅲ案と,乙にするものをⅣ案,Ⅴ案,それから丙にするのを(注)の案という形で載せているわけでございます。   それから,前回の御審議では,現行法では,個別催告の省略が認められていないもののうち,会社分割の場合の分割会社がする債権者保護手続,これは債権者保護手続において債権者が異議を述べませんと,分割会社は免責的債務引受けによって債務を免れる,そして承継会社の方に債務者の地位が移転するという効果が生じますので,ほかのものよりも厳格にすべきではないかという御意見が比較的多かったと思いますので,これは乙から始めるのをⅠ案,Ⅱ案としまして,丙によるというのをⅢ,Ⅳ,Ⅴ,(注)の案ということで出させていただいた次第でございます。   それから,資本減少・準備金減少,これも現行法では個別催告の省略が認められていないわけでございますが,これについてどうするかということについて,合併の方に寄せて考えるのか,あるいは会社分割における分割会社に寄せて考えるのか,両方の御意見がございましたので,合併の方に寄せて考える考え方,これがⅠ案ですとかⅣ案がそうでございますが,会社分割における分割会社の方に寄せて考える考え方としてⅡ案やⅤ案というような案をお出しした次第でございます。   ちょっと叩き台の数が多過ぎて,叩きにくいかなという感じもしないではなかったのですけれども,前回様々な御意見が出ましたので,これでも論理的にはこれの何倍あるわけですけれども,多少は絞って,これらの案について更に御議論いただいて,次回は中間試案の公表でございますので,六つの案を示したことは多分いまだかつてなかったと思いますので,二つか三つに絞っていただく必要があるのかなと思っておりますけれども,今日その御審議をいただければと思っている次第でございます。   更に追加的な御説明ですけれども,この参考資料の3の「説明」というところに書いておりますが,ここに挙げました六つの案のほかに,論理的には①,②,③と書いてありますが,ア,イは--ア,イというのは会社分割における分割会社がする債権者保護手続と,資本減少・準備金減少の場合の債権者保護手続は,これはアドレス登録まで必要で,つまり合併などの場合は官報公告のみという,甲と丙を組み合わせるという案も論理的にはあり得るわけです。しかしながら,これにつきましては,甲と丙というのは非常に隔たりがあるものですから,飛躍があり過ぎるのではないかということで,事務局限りで叩き台としてお出しするのを控えさせていただいたということでございます。   それから,もう一つはすべて甲という考え方もあり得るわけでございます。ただこれにつきましては,前回の御審議では,会社分割における分割会社がする債権者保護手続の場合に,官報公告だけすれば個別催告自体を廃止するというのは,それは行き過ぎだろうというのが大方の御意見だったかと思いまして,それを踏まえまして,全部甲という案は落としたということでございます。   それから,すべて乙という案,これも落としております。これはなぜ落としたかといいますと,前回の御審議では会社分割における分割会社がする債権者保護手続について,ほかの債権者保護手続よりも厳格に考えるべきだという御意見と,それから資本減少や準備金減少を合併よりも,つまり現行と同じように合併などよりも厳格に考えるべきだという御意見の双方がありまして,どちらの立場にお立ちいただいても全部乙という考え方は御支持いただけないかなと思って落とした次第です。   ただ,その後更に考えたのですけれども,乙・乙・乙という選択肢はもちろん論理的にはあり得るわけですし,実際上もあり得ないとは言えないというふうに思います。というのは,官報公告のみという考え方が合併の場合にそれでいいのかどうか,今は官報公告プラス日刊新聞紙公告ですので,乙ですと比較的現行法と隔たりがないわけですけれども,甲ですとかなり思い切った緩和になる。それがいいのだという御意見も前回あったわけですけれども,しかしそこまでやるのはいかがかという御意見もございました。他方で,資本減少と合併とどの程度違うのかということも前回も少し御議論いただいたところですが,いろいろなお考えがあろうと思います。特に,これは現代化部会の方でこれから御審議をいただくことですけれども,合併につきましても合併対価の柔軟化ということが一つの大きな検討課題になっておりまして,金銭合併とか,外国で認められているいろいろな合併を視野に入れていこうという話になってございます。そうなりますと,合併とはいっても,例えば債務超過会社を消滅会社とする無対価合併とか,そういうようなことも考えていくと,減資とどこが違うのかというようなことにもなってまいりまして,合併でもいろいろなものがあり得る。あるいは減資の方も前回御議論がありましたけれども,形式的減資と実質的減資との違いもあります。そうすると,合併でも資本減少でもいろいろな場合に分けて考えるということももちろん論理的には考えられますが,そうしますと法制度としては極めて複雑で,専門家好みかもしれませんけれども実務家は困るというようなことにもなりかねないということがあるとしますと,現行法は基本的には一本の制度で合併の場合だけちょっと特別扱いというようなことにしていますから,まとめて乙という考え方もあるいはあり得るかもしれませんので,六つも出しておいて更に申し上げて恐縮ですけれども,七つについてどれがいいかということを,今回はまだ中間試案段階ですので,一本に絞っていただく必要は決してないと思いますけれども,七つ出すのはちょっと行き過ぎかなというふうに思っておりますので,ある程度御議論いただいて,詰めていただける限りにおいて詰めていただければと考えている次第でございます。   若干,個別のところを御説明いたしますけれども,少し手を加えましたのは,補足説明の甲と乙は若干表現が変えたところがあるかもしれませんけれども,前回の検討事項で掲げておったのと同じものでございますが,アドレス登録方式の部分の書き方を,内容も含めまして少し変えているところがあります。一つは,ただし書というのをそれぞれ書いてございますが,例えば一番最初に丙が出てくるのが第Ⅲ案ですので,3ページの3を御覧いただきたいのでございますが,「ただし,当該電子メールアドレス登録欄を設けた後1年以上が経過した場合に限る」というふうに書いてございます。これは,電子公告をする前日に,あるいは当日にメールアドレス登録欄を設けて電子公告と官報公告を実施したという場合を一番極端な例として考えますと,これですとメールアドレス登録欄を設けても,結局電子公告を見てからでないと登録することはないわけで,公告見た以上は登録しなくても中身が分かっているわけですから,乙と何ら変わらないということになってしまいます。ですから,乙と丙を区別するためには,公告が始まる前にとにかくアドレス登録ができるようにしておいて,そのアドレス登録をしておけば個別に公告がされているかどうかをチェックしなくても,メール送信をしてもらえるという,そういうものでなければならないだろうということで,その期間をどのぐらい前にしておかなければいけないかというのはいろいろ御議論あり得るところと思いますけれども,とりあえずの案として1年ということを出したわけでございます。   それから,前回ははっきりしていませんでしたけれども,今回は電子公告というを採用するのとあわせてアドレス登録をするということにしております。これは,実務上の処理を考えましたときに,電子公告をしないでアドレス登録だけをするというのも非常に不自然ですし,電子公告をする会社がアドレス登録もするのでしょうから,その場合にまた別のアドレス,アドレス登録をするためのURLを別のものにするというのも,これは登録をする側からすると非常に不便でございますので,電子公告という方法を採用した会社がアドレス登録欄をそこの公告をするURLに設ける,こういう形にシンプルにしたということでございます。   それから,(注)の考え方についてちょっと御説明をさせていただきますけれども,これは前回は御議論いただかなかったもので,丙・丙・丙という案でございますが,乙の官報公告プラス電子公告で個別催告を省略するのと,官報公告プラス電子公告プラスアドレス登録という方法,どこが違うかというと,アドレス登録があるかないかでございますが,アドレス登録欄を設けること自体は,ホームページ上にそれを設ければいいだけなので比較的簡単にできることでございます。   それから,アドレス登録を受け付けてデータを保存しておくスペースを用意しなければなりませんが,それは多少お金がかかるかもしれませんけれども,アドレス登録をした債権者に対してメールで登録されたアドレスに通知をするというのは,これは機械的に,自動的にできることでございます。しかも,現在のインターネットの仕組みでは,電話をかけるのですと一人にかけるのと二人にかけるのでは同じ時間かけますと倍お金がかかるわけですけれども,インターネットはそうではなくて,一人にメールを出そうが10万人にメールを出そうが,お金はほとんど変わらないということになってございます。したがいまして,ここの丙の考え方で5行目の後ろからの「電子公告を行う会社の負担という観点で大きな違いはないと考えられる」と書いていますが,これは要するに前回の部会ではアドレス登録をした債権者が今でも本当に債権者なのかどうかということをチェックすると非常に大変だというお話があったわけですが,そういうチェックは一切しないとすれば,つまりしなくても,間違っていようが何であろうがとにかく登録した人に送うことにすればお金はほとんど変わらないわけですので,管理はしない,登録してきた人に送るという扱いに割り切るとすれば,電子公告を行う会社の負担という観点では,サーバーは少し大きくしなければいけないという問題はあるかもしれませんけれども,大きな違いはないと考えられます。そうすると,丙の考え方と乙の考え方ですと,乙ですと何らかの形で公告を見てアクションをとらなければいけないのに対して,丙ですと,とにかくアドレス登録欄を設けてあれば,そこへ登録をしておけば,ほっておいても通知をしてもらえるので,さっき御議論いただいたリンクにアクセスして公告がされているかどうかというのを時々見るというような作業をしなくていいという,それだけの違いですけれども,そういう違いがありますので,そうだとすれば全部まとめて一つにするというのも,御議論いただく意味はあるのかなと思って掲げた次第でございますが,前回,全然御議論いただいておりませんので,注の形にしたということでございます。   ただ,(注)の案については幾つか更に御議論いただく必要があると思いまして,まずアドレス登録をしたものが公告の時点でも債権者かどうかのチェックはしないという割り切りが実務上本当にできるのかどうかということがあろうかと思います。   それから,この(注)の案によりますと,現在は官報公告と新聞公告の二重の公告をすれば個別催告の省略が認められている合併とか吸収分割の場合の承継会社がする債権者保護手続について,そういうものは認められなくなるわけですけれども,それでいいのかどうかという問題があろうかと思います。   なお,費用だけを考えますれば,官報公告と新聞公告をするよりも,官報公告と電子公告とアドレス登録者への個別の通知をした方が,多分安くなるのだろうとは思います。   それから,仮に(注)の案を採用しない場合でも,電子公告を実施する会社が自社の任意の措置としてアドレス登録欄を設けて,そこへ登録した人にはお知らせをしてあげるということは,これはもちろん会社の自由な経済活動としてできるわけで,それを禁止するわけではないわけですけれども,合併などのような場合についてもこれを法律上そこまですることを強制すべきなのかどうか,する必要性と合理性があるのかという,(注)の案については,これらの点についても御議論いただく必要があろうかなと思っている次第でございます。 ● それでは,審議に入りたいと思いますが,お手元の資料には六つの案がありまして,本日一つに絞る必要はないと思うのですが,中間試案を公表するに際しまして,やはり現在の六つはいかにも多いので,二つか三つに絞ることは必要ではないかと思います。その点で絞っていただきたいと思うわけであります。   ここには六つですが,先ほどの事務当局の説明では,乙・乙・乙というのも考えられるのかなということで,七つぐらいが一応の合理性が考えられる案ということになるかと思います。   どこから議論したらいいか,恐らく私の感じではア,イ,ウのうちのアをどうするかというあたりから御議論いただくのがいいのではないかと。つまり,アドレス登録というのをどう扱うかということですね。アはほかと違いまして,いわゆる免責的債務引受けになる可能性があるものでありますから,まず甲というのはここにも載っておりませんけれどもないのだろうと。つまり,官報と電子官報,官報はとっている人は余り多くありませんし,電子官報,ただで見られるのも1週間しかないと,これで免責的債務引受けの効果が生ずるアをそれでいいというのは余りないと思いますので,乙か丙かということで,特にアドレス登録方式をめぐっていろいろ御議論があるかと思いますので,まずこの辺から議論していただくのがいいと思います。 ● アドレス登録方式についてでございますが,さっきちょっと割り切ったら手間は同じではないかというふうに言われたのですけれども,やはり会社としては債権者であるかどうかということを確認するのかなと。そうすると,事あるごとにある時点で必ずそれをやらなければいけない,これは大変な作業になります。   それから,実態といたしまして,債権者への個別催告は,現在小口のものについてはやられていないという,これは違法ではあるのですけれども。ところが,債権者でない人までやるのというので,何か変だなという感じがいたします。   それから,メールアドレスは,過去にそのもののアドレスというのは普通ないわけでございまして,大体個人別の,例えば経理部の何々さんとか,そういう登録をするのが普通でございますが,例えばそういう人が転勤してしまったけれども,後任者が登録されていないというような場合,とにかく登録されたところに会社としてはメールを送れば免責されるというので本当にいいのかなということとか,それから債権者でなくなった人のアドレスは,会社としては整理したいと思うのですね。勝手に消去してしまっていいのかということとか,ためにする登録があるのではないかとか,いろいろな問題がありまして,私どもとしては案を減らす意味からしましても,アドレス登録はやめていただきたいということでございます。 ● アについては乙にしたいという御意見だという理解でよろしいですね。アドレス登録が入った丙は,アについても反対であると。 ● 私どもは,Ⅰ案が賛成ということ。これは当然のことで……。 ● アドレス登録に関してですが,先ほど割り切った考え方として登録している方全員に通知するというお話がございましたけれども,各手続そうですが,債権者への個別の催告をして,その後の登記のことを考えますと,異議があればその異議に対してどういう対応をしたのかという形を添付して登記する必要があると。そうなりますと,通知を送って,本来債権者でない者から何らかの異議が出たということになると,その会社の方としては異議が出たけれどもこれは債権者ではなかったというようなことを登記の際の添付書類につけなければいけないとかいうような形で,後の手続が非常に重たくなるのではないかと。つまり,登記の際の添付の書類ということで考えたときに。   また,債権者ではないというようなことをどうやって証明するのだとかいうようなことも問題になるのではないかなと思うのですね。とするならば,割り切って登録している者すべてに通知をするということを前提にするような丙の方法というのは,問題があるのではないかと。アドレス方式をとるにしても,債権者であることが確認できる者に対する通知ということを前提に議論しないといけないというような気がするのですが,いかがでしょうか。 ● 債権者でない者が異議を申し立ててくるというのは,これは個別催告をするかどうかとはかかわりないような気もしますけれどもね。 ● もちろんそうなんですが,添付の書類とすると,どういう形で通知したのかと,個別でリストをずっと出して,その異議があったものについてはこういうふうに処理しましたという形で現在添付して出しているわけですね。そうすると,通知を出した個別のメールを送った人全部を,今回登記の添付の書類が変わるのであれば別ですけれども,メールを送った人全部のリストを挙げてするというようなことになると,相当負担が大きくなるかと思うのですけれども。 ● やはりアについては……。 ● 丙はちょっととり難いという……。 ● とらない方がいいという御意見ですね。   いかがでしょうか,世界的にも個別催告をしている国は珍しいというあれもありますが。 ● 今,部会長が世界的にも珍しいと言われたので,ちょっと言いにくいなと思ったのですけれども。   世界的にないけれども,日本だけは必要だということはいっぱいあるわけですね。例えば,特別目的会社もそうですし,投資法人もそうですし,理論でも○○委員みたいに商事信託とか構成しないといけませんし,公開会社法もやらなければいけないし,いろいろやはり日本は条文とか形になっていないルールというのが必ずしも確立していませんから,そういう意味では日本だからしなければいけないということは幾らでもあるだろうと思います。といって,別にむだなことはする必要はもちろんないのですけれども。   これは,やはり合併の手続の個別催告を緩和するときに,もしこの登録という技術が確立していたとすれば,恐らくこの辺に落ち着いたのではなかろうかという,そういう感じもしまして,それから先ほど御説明がありましたように,合併といいましても型どおりではなくていろいろなタイプの合併があったり,様々な取引の多様性というものが非常に拡大しておりますので,やはり真に個別催告は本当はすべきなんではないかと思われるような状況というのはもちろんあることはあるのだろうと思うのです。   それから,本人は管理されたくないということで,途中から債権者でなくなる場合はもちろん削ってくれと言うわけでしょうし,それから会社の側も,自分のリスクで削るということは当然できるだろうと思うのです。ですから,やはり今の企業はいろいろな多様な利害関係に対して自分の会社の情報を伝えようという方向ですけれども,とりわけ本当に重要な債権者に対して,登録すればきちんとメールで伝えますということが,私は合理的な手段なのではないかなという感じがします。   ただ,いろいろな御意見あるだろうと思いますので,せめて二つか三つのうちの一つには残ってもいいのではないかという感じがいたします。 ● ただいまの御意見は,アについては少なくとも丙で,望むらくは合併についても丙。 ● (注)のアです。 ● アの点だけについて考えると,仮に丙案をこの段階で消すとなると,ほかの選択肢は現行の個別催告というのを置かなくていいのかなと。乙一本に絞ってしまうと,ですね。これ,丙という案があるからアについては乙か丙かどちらかにしましょうという,そこら辺でバランスがとれていると思うのですけれども,この段階で丙を消してしまうというのはまずいのではないかという気がしますので,どれがいいかと言われても困るのですけれども,どこかの形で丙は残すと。 ● 二つか三つの中には丙が残るようにしてくれと。 ● イとウの関係については,私自身の考えはイとウで差別を設ける必要はないのかなと。これはいろいろな意見があろうかと思いますけれども,そういう中で絞り込んではどうかと。 ● イとウで差別つける必要がないといったときに,さっきの○○委員の甲・甲というのと乙・乙というのとでは大分違うのではないかと。つまり,減資,それから減資に実質近いような,いわゆるキャッシュアウト・マージャーとアメリカで言われているような合併が出てくることについて,実質官報をとっていないと1週間しか公示期間がないという手続でそれを認めていいのかという問題はあるわけです。 ● 学者として聞かれると……。 ● そうすると,乙・乙・乙か乙・乙・丙かという,そういうことだというふうに理解してよろしいですね。 ● Ⅰ案は最初から消せという趣旨は全くありません。 ● 皆さんの御議論に水を差すつもりは毛頭ないのですけれども,12月18日のこの場での御議論というのは,アドレス登録方式というのは必要かもしれないけれども,それにしてもいろいろ問題点が多いですよねという御審議でも盛りだくさんだったなという記憶がしておりますけれども,今日の御議論も,先ほど幹事の方から,債権者であろうがなかろうが,そこは割り切って,いったんアドレス登録をしたらもう大人の対応をしたらどうかと,こういうことなんでございますけれども,それはそうであったとしても,やはり12月の議論からの流れを見ますと,到底やはり実務界としてはなかなかそこまでは割り切れないというのが,先ほど○○委員が申し上げたとおりです。基本はやはり個別管理というのが,私どもの長い実務慣行の中でしみ渡っておりまして,ちょっと話は脱線しますけれども,昨年,例の所在不明株主の話もまだ実務としては到底5年間の通知催告の話,動くような状況ではございませんので,文字通り個別管理というのを念頭に,これから実務が動くような制度を私ども知恵を出し合って組んでいこうとしているところでございますけれども,それはちょっと似て非なる例示でございますけれども,そんなようなことで会社の方も割り切ることもできませんし,勝手に削除することもできないと。そういうような状況もございますので,あえてここでお示しいただいたところでございますれば,やはり私ども実務の一端を担う者としてはⅠ案若しくはⅡ案,それからもう少しバリエーションで乙・乙・乙というのもあってもいいかなということで,今,○○委員からございましたように,丙案お残しいただけるのは結構でございますけれども,できますればダミーとして残していただきたいと,こういうふうに切なるお願いを申し上げたいと存じます。 ● 今までイとウは余り区別する必要はないのではないかという御意見が,恐らく全員そうかなという気がいたしますね。その点,そういう理解でよろしいですか。   例えば,○○委員,○○委員は上から言いますと乙・甲・甲ですね。それから,○○委員は恐らく乙・乙・乙。○○委員は丙・乙・乙。○○委員は丙・丙・丙と。そういうふうに私は理解いたしましたが,どうもイとウは余り区別する必要ないという御意見が今まで多かったように思います。   ほかの方はいかがでしょうか。特に債権者への通知等の方法というのは,これは最初の契約段階からそういうことがあったら通知しろということを契約書に書いていることが恐らく多いので,アメリカなんかもそうですけれども,いわゆる契約で自己防衛をする,だから余り必要がない。それから消費者も,消費者が債権者だといっても銀行とか証券会社とかごく限られていまして,余り関係ない。それぞれに特別な手続がありますから。   そうすると,中小企業なんですね,受益者は。何かその関係で,○○委員,あるいは中小企業庁,御意見ございませんか。どれが望ましいという。 ● 特に私ども,ちょっとピンと来ないのですね,これは。余りケースが思い浮かばないですね。 ● ほかにいかがですか。学者あるいは実務界で。   幹事の方々で,特に学者の方,いかがですか。 ● アドレス登録方式につきましては,いろいろ問題点指摘されたところでありますけれども,しかしやはり会社分割の場合の債権者保護,今,部会長が御指摘になられましたように中小企業なんか念頭に置きますと,もし会社分割で甲・乙をとれば,現実には知らない間に自分の債務者が入れ替わっておるということが起こり得ると思うのですね。そして,現行法の債権者保護手続のレベルをできるだけ下げないのが望ましいということも考慮いたしますと,アドレス登録方式について今指摘されたような問題を実務的に何とか解決できるのであれば,やはり会社分割については丙をとるのがいいのではないかという感触を持っております。ですから,具体的には私もⅣ案あたりが妥当なところではないかというのが今の感触でございます。 ● 上から丙・乙・乙ですね。   ほかにいかがですか。   どうも今まで出た案の中では,割と有力なのは上からいきまして乙・甲・甲という,これは会社側といいますか。それから,乙・乙・乙,丙・乙・乙,○○委員は丙・丙・丙と,こういうことなんですが,いかがですかね,四つですが。それで,比較的数が多いのは前の三つかなと。 ● 私は,丙が残れば。現行の合併から見れば強化になるわけですから。 ● 丙・乙・乙でもいいという御意見ですね。そう理解いたしました。   もしあれなら,その三つでよろしいですか。乙・甲・甲,それから乙・乙・乙,丙・乙・乙,この三つをパブリックコメントにかけるということですが,よろしいですか。   それでは,割と迅速に進みましてありがとうございました。   次は,「第3 有限会社の各種債権者保護手続中の個別催告の省略等」及び(後注)でありますが,分量がわずかでありますので両方一緒に事務当局に説明をお願いいたします。 ● それでは,あわせて御説明させていただきます。   まず,第3の「有限会社の各種債権者保護手続中の個別催告の省略等」でございますが,ここに書いておりますように第2と同じ取扱いをするということで,株式会社の場合と同じ扱いにするということでいかがかということでございます。ですから,株式会社について今三つの案を残していただきましたので,それのどれかと同じ扱いに最終的になるということでどうかということでございます。   前回の御審議におきましては,株式会社と有限会社で債権者保護手続を区別しなくていいのではないかというお考えが比較的多かったかなと思うのですけれども,有限会社と株式会社が若干違うのではないかという御意見もありましたので,もう一度そこら辺を御議論いただければと思ってお出ししているところでございます。   それから(後注)でございますが,合名会社・合資会社の合併の債権者保護手続の場合ですが,これは個別催告の省略は現在認められていないわけでございます。このほか,清算の場合も公告と個別通知が必要ですが,これは前回の御審議におきまして株式会社の場合も清算についてはやはり個別催告の省略はできないだろうというお話でございましたので,合名・合資の場合も同じ扱いにならざるを得ないということで,合併の場合についてどうするかということを(後注)で出させていただいた次第でございます。   それで,これも席上配布の資料になって恐縮でございますが,参考資料の5というものを席上に配布させていただいております。   これは,平成9年の改正の際に,株式会社・有限会社については官報公告のほか新聞公告をもした場合には,個別催告を省略することができるという取扱いになったわけですが,その際,合名会社と合資会社については個別催告の省略はしないということにされたわけでございます。   そのときの理由でございますけれども,二つ理由が挙がっているわけですけれども,一つ目の理由としては,合併後に無限責任社員がいなくなる場合があると。つまり,合名会社・合資会社には必ず無限責任社員がいるわけですが,合併後に物的会社に変わる,株式会社に変わることが認められていますので,株式会社になるような合併をする場合には,株式会社と合併する場合は常に株式会社になりますし,合名会社と合名会社で新設合併をして株式会社を作るというような合併もできるわけでございます。その場合は,今まで無限責任社員に対して請求できた債権者が,その請求ができなくなるということから,個別催告の省略を認めるのは相当でないという理由が一つ目の理由として挙げられております。   二つ目の理由としては,合名会社・合資会社というのは比較的小規模な会社であるから,官報公告と新聞公告という二重の公告をしてまで個別催告の省略をする必要はないだろう。つまりそれほど債権者数が多くないので,官報公告と日刊新聞紙による公告という二つ,しかも日刊新聞紙による公告は200万円とかかかるわけですので,それをかけるぐらいなら個別催告をする方がいいから個別催告の省略をする必要はないだろうという,その二つの理由が挙がっておったわけでございます。   このうち,二つ目の理由につきましては,当時は個別催告の省略としては官報公告と日刊新聞紙の公告という選択肢,両方やるという選択肢しかなかったわけなので,それなりにお金がかかるという問題があったことは事実ですけれども,今回,ただいまの御議論ですと,合併の場合は甲にするか乙にするかのどちらかということですので,官報公告のみか官報公告プラス電子公告で個別催告は省略できるということになりますから,そうしますと,かかるお金も相当変わってくるので,合名・合資も個別催告の省略を認めるニーズがあるいは出てくるのかもしれないと思います。   それから,もう一つの理由であります無限責任社員がいなくなる場合,これは確かに一つの問題ですけれども,無限責任社員がいなくなるというのは,今まで無限責任社員が並列的に負っていた債務が,新設会社あるいは存続会社に引き継がれるという,一種の免責的債務引受けがあるのと同じですから,そうすると分割会社が会社分割においてする債権者保護手続と同じ形にしてもいいのではないかとも考えられるわけでございます。今の御審議ですと,会社分割における分割会社がする債権者保護手続について,乙か丙ということになっておりますので,そういう形で,今までのような個別催告はしなくてもいいというふうにする実益があるのかどうかということを御議論いただく必要があろうかと思います。   そこで考えられる選択肢として,A,B,Cという三つを挙げてみた次第です。   Aが比較的現行法に近くて,Cが最もラディカルなものでございますが,Aは合名会社・合資会社の合併のうち,合併後に無限責任社員がいなくなる場合については個別催告の省略は認めないものとして,つまり現行法どおりということですけれども,それ以外の場合,無限責任社員が残る場合については株式会社の合併の場合と同じ公告をすることによって個別催告の省略を認めると。つまり,甲がとられるなら甲,乙がとられるなら乙にするというのがA案でございます。   Bは,合名会社・合資会社の合併のうち,合併後に無限責任社員がいなくなる場合については,株式会社における分割会社が会社分割においてする債権者保護手続の場合と同じ手続によるものとする,それ以外の場合については株式会社の合併の場合と同じ公告をすることによって個別催告の省略を認めるというのがBでございます。   Cは最もラディカルなんですけれども,合名会社・合資会社の合併についても同じ合併だからということで,株式会社の合併の場合と同じ公告をすることによって個別催告の省略を認めるというものでございます。ただ,Cにつきましては,今申しましたように無限責任社員がいなくなる場合にまで株式会社の合併と同じようにしていいのかどうかというのは,事務当局としてはいささか疑問に思っております。 ● 「第3 有限会社の各種債権者保護手続中の個別催告の省略等」と,それから(後注)と二つありますが,まず前者の方について御議論いただきたいと思います。   原案は,株式会社と同じでよいのではないかということでありますが,前回ちょっと御異論もあったというふうに事務当局からの先ほどの説明にありましたが,いかがでしょうか。   株式会社と有限会社を違って取り扱うということについて,そうすべきだという御発言がありますでしょうか。   特になければ,原案のとおり,つまり株式会社と同じ取扱いということでよろしいでしょうか。 ● これはこの部会ではなくて,例の株式会社と有限会社の扱いを法律上どうするのかというところとちょっと絡めて考えないと,そこに相当関係してくるなと。ちょっと言いよどんでいたのは,何とも言い難いものですから。そちらで有限会社が全然なくなってしまってあれになると,こんな議論をすることも意味がなくなるし,有限会社というシステムを残していただくということになれば,ここは議論する意味が出てくると思うし,ちょっとそこが何とも……。 ● もちろん,おっしゃるとおり有限会社という形態がもしなくなるのであれば,これを議論する意味は全くないと思います。 ● ここでは,有限会社はあるのだという前提になっているのですね。 ● はい,一応は。 ● 実は,改正の時期が違うわけでございまして,これは今年の秋という予定で,今年の秋はまだ有限会社は残るわけでございます。   しかし,ここでもし別の扱いをするということになりますと,統合するときにどうするかというのがやや厄介になるのかもしれませんので,同じ扱いにしていただければ統合がしやすくなるということは言えるかと思います。 ● ですから,なかなか言いにくい。   ついでですから,ちょっと合名・合資について申しますと……。 ● ちょっと待ってください,第3を片づけてしまいたいと思いますので。   特に株式会社と違えた取扱いをする必要があるという積極的な御意見は,ないと思ってよろしいですね。--それでは,そういうことにさせていただきます。   では,(後注)の合名・合資会社の合併等についてでありますが,○○委員,どうぞ。 ● 部会長にまとめられてしまったのでなかなか言いにくかったのですが,ちょっとまだ意見は少し,第3のところについて議論を私どもの中でさせていただきたい,ちょっと保留させていただきたいと思っております。   合名・合資は,実は余り私ども例を十分たくさん知ってわけではなくて,頭の中にいろいろな例示がすぐに浮かぶわけではないのですが,合名・合資でも結構大きいところもあるし,一般的には私が知っている例は相当小さくて,人間関係の中で商売がされているという,非常に情念の世界。したがって,この情念の世界では,何だ官報だけでやっちゃったのかとか,そういう世界にもなるので,これはちょっと感覚的な議論なんですが,個別催告は普通は省略しないというのがこれまでの情念の世界には合っているのかなと。   ただ,手続を簡単にしてしまって,私もう一つ立場があって,なるべく当該会社の負担を減らしたいという立場もあって,なるべく余計な着物を脱ぎ捨てたいという気持ちもあって,これも悩ましいのですが,一般的に言えば,私どもの加盟会社に聞けば,合名・合資はそれはちょっと違うだろうという答えが出てくる可能性の方が高いなと思っております。 ● ほかに御意見,いかがでしょうか。   1番の問題は,合併後に無限責任社員がいなくなるケースだと思うのですね。御承知のとおり,例えば合名会社と株式会社の合併というのを現行法は認めておりまして,例えば一つの例としては株式会社と合名会社が合併して,それで株式会社が存続会社になるというようなケースですが,それについて個別催告はさせるというのがA案。それからB案は,会社分割と同じ。つまり,一種の免責的債務引受けだろうということ。それからC案は,株式会社の合併と同じということなんですが,いかがでしょうか。   ○○委員おっしゃったような情念の世界もあると思うのですが,制度はBだなと。個別催告にしてもいいのですね。事実上してもいいわけで。 ● トラブルになるごくまれなケースを考えると,意識的に当然個別催告はしないわけですね。 ● トラブルになりそうな人にはしない。でも,例えばB案ですと,会社分割と同じ手続,これは乙になるか丙になるかは別にして,それは法律的に要求されていると。あと,情念の世界に行く場合には,個別催告も事実上すると。そういうことになると思います。 ● 出されているAの方なのかなと。無限責任社員がいなくなる場合は,やはり相当これまでの約束と違うと,安心しておたくと取引していたのにという感じの意見になるのだろうなと思っております。 ● 情念にこだわるわけではないのですが,私もA案というふうに考えております。B案,先ほどの御説明で免責的債務引受けと同じような構造という御説明をいただきましたけれども,会社資産というのは有限ですから,無限が有限になると,変わる点で免責とちょっと同列に論じるのはいかがなものかと。そうすると,人的側面を重視する合名会社・合資会社の場合は,無限責任社員がいる場合は個別催告は残していただくべきではないかというふうに思いますので,A案というふうに考えております。 ● ほかの皆様,いかがでしょうか。余り経験がある人は少ないようですが。 ● 私も全く判断がつかないのですが,先ほどの○○幹事の御説明で,B案もそれなりの一つの理屈のつけ方かなと思うのです。   結局,これもさっきの乙・丙で,仮にそっちの方が丙になるということであれば,Bも実質同じになるかと思いますね。丙がなかなか多くの支持を集められないということになると,やはり今実務的な御意見はAということを伺いますと,Aという選択肢も十分合理性があるのかなという気がしてまいります。全く定見はありません。 ● ほかにいかがでしょうか。これは○○委員がおっしゃるように,先ほど来の第2,第3の論点がどうなるかに確かにかかっている面はありますね。B案をとった場合に,もし第2,第3で乙になると確かに相当変わってくるということはあります。   では,一応基本的にはAで,それでもし第2,第3で丙になれば,ちょっと考え直す余地もあると。 ● それでは,AとBを両論併記で意見照会をして,補足説明をつけるつもりでおりますので,AとBどちらにするのがいいのかという問題は,第2の問題をどう考えるかということともかかわっていて,特に第2において分割会社がする債権者保護手続の場合に丙をとるのだとBという選択肢もあり得るという指摘もあったというようなことを補足説明につけ加えて,A,B両論併記で意見照会をしてみるというのではいかがでしょうか。 ● そういうことですが。A,B両案併記で,Aが有力だが第2,第3で丙案であればBも考える,そういうことですね。   今のような両案併記,どちらかといえば基本的には何らかの個別催告かアドレス登録方式,何らかのチャンスは,個別催告がいくチャンスは残すという,そういう内容の中間試案でいくということでよろしいでしょうか。 ● こういう問題は,だれも何も今まで考えたことがないかと思うので,できれば選択肢を提示して,広く意見を仰いだ方がいいかなという気がいたします。 ● ではそういうことで……。   今のようなまとめ方でよろしいですね。--ありがとうございます。   予定よりも大分時間が早く本日の実質的な議論は終了したわけですが,何かこの不発行等部会の問題につきまして,この際御意見がありましたら。 ● 実は,休憩前に御審議いただいた計算書類の電磁公示なんですけれども,これ非常に細かい点ですので休憩中に思いついたのですが,事務当局の方でお考えいただければと思うのですけれども。   電子公告に加えて電磁的公示というのを制度的に残すといたしますと,今なされているものはどちらのかという問題が法律的にはあると思うのですね。   例えば,電子公告をするという定めがある会社がありまして,取締役会決議をして電磁公開をしていたとすると,そして取締役会決議がある意味瑕疵があって無効になったりすると,電磁的公開としては有効ではないけれども,電子公告として有効になるのか,あるいは電子公告の方は要旨でよくて,電磁公開の方は本体全部でなければいけないかという問題もあると思います。更に言えば,電子公告の方のは一律ですから,ホームページのアドレスはあるアドレスだけれども,電磁公開の方は別のアドレスですということも当然あり得るでしょうし,同じアドレスであれば補完性があるのかという,非常に細かい話なんですけれども,ちょっとその辺も詰めないと,制度として--一般論として選択肢があるというのはいいことだと私も思いますけれども,ちょっと制度として本当に両立するのかというのをお詰めいただければと思います。 ● それでは,その点次回までに詰めて,次回に出してください。   ほかにございませんでしょうか。--よろしいですか。   それでは,本日の議事は終了いたしまして,最後に次回の予定につきまして事務当局から説明していただきます。 ● 本日は,非常に効率的に御審議いただきましてありがとうございました。   次回でございますが,3月26日水曜日,午後1時30分からでございます。場所は,本日とは異なりまして,法務省20階の第1会議室で開催させていただきますので,場所をお間違えになりませんようにお気をつけいただきたいと思います。   次回は,株券不発行制度及び電子公告制度の導入に関する要綱の中間試案の取りまとめの御審議をお願いしたいと思っております。今回と前回の御審議でいろいろ御指摘をちょうだいしましたところを踏まえまして,中間試案の原案を作成して,事前にお送りさせていただきたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。どうも本日はありがとうございました。 ● それでは終了いたします。どうもありがとうございました。 -了-