法制審議会信託法部会 第54回会議 議事録 第1 日 時  平成30年11月20日(火)   自 午後1時30分                          至 午後3時19分 第2 場 所  法務省大会議室 第3 議 題  信託法の見直しについて 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○中田部会長 予定した時刻が参りましたので,法制審議会信託法部会の第54回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中を御出席いただきまして,誠にありがとうございます。   本日は,川島委員,平川委員,衣斐幹事,渕幹事が御欠席です。   まず,本日の会議資料の確認を事務当局からお願いします。 ○大野幹事 お手元の資料について確認をいただければと存じます。   事前に,部会資料50「公益信託法の見直しに関する要綱案のたたき台(2)」を送付しております。   このほか,当日の席上配布資料として,本日御欠席の平川委員からいただいている意見書,「公益信託法の見直しに関する要綱案のたたき台(2)」への意見書というものを頂いております。意見書の中では,第3の1,第4の1(2)などにつきまして,平川委員の御意見が述べられておりますので,御参照いただければと存じます。 ○中田部会長 本日は,前回と前々回に御審議いただきました要綱案のたたき台(1)についての御意見を踏まえまして,要綱案のたたき台(2)が提示されています。いよいよ本部会の調査,審議も大詰めでございますので,委員,幹事の皆様には引き続き取りまとめに向けて御理解,御協力をお願いいたします。   それでは,本日の審議に入ります。   本日の進め方ですが,全体を大きく四つに分けて御審議いただきたく存じます。まずは,部会資料50の第1から第6までについて御審議いただき,その後,第7から第12まで,第13から第15まで,第16から第19までに分けて御審議をお願いいたします。   では,まず第1から第6までについて,事務当局から説明していただきます。 ○舘野関係官 それでは,御説明いたします。   まず,「第1 新公益信託法の目的」から「第6 公益信託の委託者」までについて,前回,前々回の部会における議論を踏まえまして,提案を修正した箇所を中心に御説明をさせていただきます。   第1,第2,第3及び第6につきましては,従前の提案から変更等はしておりません。   「第4 公益信託の受託者」につきましては,特に第4の「1 受託者の資格」の(1)として,従前の部会資料では,受託者の資格を公益信託事務を処理するのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有する法人に限定する甲案と,公益信託事務を処理するのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有する者とする乙案を掲げておりました。   今般の公益信託法の見直しに際しては,公益信託の適正な利用の促進を図ることを基本的な方針としております。また,この論点は,皆様からも多くの御意見を頂戴するとともに,パブリックコメントにおいても非常に多くの意見が寄せられた論点でございまして,そのような公益信託法の見直しの方針や従前の部会の調査,審議の結果及びパブリックコメントにおける御意見等を踏まえますと,公益信託の受託者の資格については,法人や信託会社などの画一的な基準を設けることは相当ではなく,公益信託事務の適正な処理をするのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有していれば足りるものと考えられます。   そこで,本部会資料第4の1(1)では,従前の部会資料における乙案を採用することとし,併せて法制的な観点から表現上の修正を加えております。なお,「公益信託事務の適正な処理をすることができる能力」が,個別の公益信託の公益信託事務の種類やその内容,規模等に応じて判断されることを想定している点は,従前より変更はございません。   なお,受託者の資格に関しまして,従前の部会において御質問等を頂戴いたしました信託法附則第3項及び第4項の取扱いにつきまして,併せてここで御説明させていただきます。   附則第3項中の「別に法律で定める日までの間」につきまして,平成18年の信託法改正当時は,公益信託法の見直しの状況や新信託法施行後の受益者の定めのない信託の利用実態を踏まえつつ,受託者となることができる者を政令で定める法人よりも拡大したとしても,濫用的に利用されるおそれはないと認められるまでの期間を想定したものでありました。   他方で,これまでの本部会の調査,審議を踏まえますと,公益信託認可を受けられなかった信託には,特則を設けることなどはせず,端的に信託法上の受益者の定めのない信託とすることとしております。また,受益者の定めのない信託は,現時点では少なくとも濫用的に利用されるおそれはないと認められるというところまでの利用実態はないものと承知をしております。これらの状況を踏まえますと,現時点では,附則第3項の受託者要件について,実質的な部分まで改正が必要であるとの判断をすることは難しいものと考えられます。ただし,本部会においては,新たな公益信託には附則第3項における受託者要件を適用しないとのコンセンサスは得られているかと思いますので,従前の部会でも御説明したことはございますが,新たな公益信託に附則第3項が適用されないようにするための技術的な修正のみを行うことは考えられます。今回は,その範囲での改正にとどまるものとすることが相当であるものと考えられます。   次に,「第5 公益信託の信託管理人」につきましては,法制的な観点から必要な修正をしているのみでございまして,実質的な変更はございません。また,公益信託の信託管理人に求められる公益信託事務の適正な処理の監督をするのに必要な能力は,個別の公益信託事務の種類やその内容,規模等に応じて判断されることを想定している点は,従前より変更はございません。   以上でございます。 ○中田部会長 ただいま説明のありました第1から第6までについて御審議いただきます。   この中では,第4の1(1)の受託者の資格の論点について,前回までは受託者の資格を法人に限定する甲案と,そのような限定をしない乙案とが提案されておりましたが,今回は従前の乙案に絞られたということです。そのほか,法制的な観点から必要な修正が加わっているということです。   どこからでも結構でございますので,御自由に御発言を頂ければと存じます。 ○能見委員 受託者のところで,第4のところですが,特に欠格事由が書いてある第4の1(2)に関連してです。   後の方とも少し関係するのですが,ここで書かれている欠格事由は,後で公益認定の任意的な取消し事由になっていますので,そこにも関係します。一つは,単なる形式的な問題かもしれませんが,ここの受託者の資格のところで,(2)では,こういう場合には公益認定の認可を受けることはできないとあり,公益信託認可の基準のことが出てくるのですけれども,これは単なる美的な感覚の問題かもしれませんが,公益信託の認可基準は後の方でまとめて出てきますので,そこでまとめたほうがいいのではないかと思いました。以上は,単なる形式上の問題です。   もう1つは,実質的な問題です。少し疑問に思いましたのは,この受託者の欠格事由というのは,どんなところで影響してくるのだろうかという問題に関してです。公益信託認可の基準以外にどこに影響するのかということですが,取消しのところに影響するのはもちろんですけれども,ほかにも,受託者の任務の終了という問題にも影響するのではないかと思いました。   任務の終了に関しては,私益信託については信託法56条が規定しており,そこでは第1項で受託者の任務終了事由として,受託者の欠格事由が事後的に生じた場合についても対応する規定をしています。もっとも,受託者の欠格事由として信託法の7条が規定する「未成年者」は信託成立後に欠格事由として発生するということはあり得ませんので,これは56条1項2号では受けていませんが,一旦信託として成立した後に,受託者が成年後見開始や保佐開始の審判を受けたりして,事後的に欠格事由が生じたという場合については,任務の終了事由として,信託法56条は取り上げています。しかし,公益信託に関していいますと,第4の1(2)にあるように,欠格事由が私益信託の場合よりも広がっているわけですね。例えば,第4の1(2)ア(ア)では信託法その他の法律の規定に反して罰金の刑に処せられてうんぬんという場合が欠格事由となっており,このように幾つか広がっている部分がありまして,これらについては,信託法56条には書かれていないわけですから,公益信託に関してはこれらの事由は受託者の任務の終了ということには結び付かないような構造になっているのではないか,それは適当ではなにのではないかと思いました。この点はどう考えたらいかというのが,もう1つの問題で,これは実質的な問題であります。   受託者に欠格事由に該当する事由が発生すると,第12の4(1)で行政庁は公益信託認可取り消しができるようになるわけで,結局取り消さないという場合もありますが,取り消すという場合であっても,取消しの処分までには時間がかかり,取消事由発生から取消までには時間的ギャップが生じます。受託者の欠格事由が発生したという場合を考えると,信託法56条1項が適用される私益信託の場合には,欠格事由発生の時点で,受託者の任務はそこで本来は終了することになります。本来はというか,私益信託の場合であれば受託者の任務が終了し,保存行為的なものを除き,受託者は受託者としてのいろいろな行動ができなくなりますので,信託財産管理者でしたか,必要であればそういう者を裁判所に選任してもらって,それが必要な行為をするのだと思います。公益信託の場合も同様に,欠格事由に該当すれば受託者の任務が終了し,受託者として今まで通りの行動はできないことになるのだろうと思いますが,現行の信託法56条は,今言いましたように,公益信託において拡張されている欠格事由の全てを受けて規定されていませんので,この部分についてどう考えたらいいかということが,問題としてありそうな気がいたしました。   これは,公益信託と信託法の間の微妙なずれというんでしょうか,そこの問題なので,そういう問題はほかにもたくさんあるかもしれないので,まとめて議論したほうがいいのかもしれませんが,とりあえずこの受託者のところで,今のような感想を持ちましたので,指摘しておきたいと思います。 ○中田部会長 どうもありがとうございました。   受託者の欠格事由についての御指摘でしたが,関連する御意見は。 ○道垣内委員 能見委員がおっしゃったところの前半と後半が,微妙な緊張関係を持っているような気がするのです。つまり,前半でおっしゃったのは,これは欠格事由の話ではないということなのだと思います。認可の基準の話であるというわけですね。後半は,こちらはまさに欠格事由であり,ある一定の者は受託者になることができないという前提のもとでのお話のような気がするのです。   ここでの書き方だけ見ますと,こういった場合には公益信託認可を受けることができない,というかたちになっておりますので,能見委員が最初におっしゃった,これ,認可基準なのではないかという話に近づいているような気がして,そうだとしますと,それは,無能力といいますか,受託者にはおよそなりようがないということを必ずしも意味しないかもしれないという感じがいたしまして,どう考えるべきなのかなという気がして,伺っていたということです。 ○中田部会長 ほかに,関連する御意見ございますでしょうか。 ○大野幹事 受託者等の欠格事由につきましては,従前は必要的な取消事由としておりましたものを今回は任意的な取消事由とすることと整理しておりますが,これに伴い能見委員から御指摘いただきました点については,事務当局にて整理をしたいと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   欠格事由と書いているものの中に,認可基準なのか,狭い意味での欠格事由なのか,また,それと受託者の任務終了とがどう関連するのかという三つの問題があり,欠格事由という概念には少し広いのと狭いのとがあると思いますけれども,三つの問題についての整理をする必要があるということを御指摘いただいたと思います。事務当局の方で検討していただこうと思います。   ほかにございますでしょうか。 ○深山委員 第4の受託者の資格については,今回の資料で,甲案,乙案と前回まで両論あったところを,乙案を中心に整理していただいたということで,安堵しているところであります。ようやく最後の明示的な論点に決着がついたという思いなんですが,その上で,意見を含む質問をさせていただければと思います。   乙案を中心に受託者の資格を整理していただいた際に,従前は「公益信託事務の適正な処理をすることができる能力」と書いて,その括弧書きで「当該公益信託事務を処理するのに必要な経理的基礎及び技術的能力」と書かれていたところを,その括弧の中を外に出された形になっております。そういう形で,なお抽象度はもちろんありますけれども,単に「適正な処理をすることができる能力」よりは,もう少し具体性のあるメルクマールを表示されたことについては賛成をしたいと思うんですが,「当該」という二文字をとっているところについて,なぜこれをとってしまったのかという質問です。   この点については,その能力というのは,個々の公益信託ごとに判断をするんだという趣旨で,「当該」という言葉が途中から入ったと認識しております。それは極めてもっともなことなんで,私は是非残すべきではないかと考えています。補足説明を見ても,考え方としては,なお書きでその考え方に変わりはないということをわざわざ書いていただいてはいるんですが,そうであれば,「当該」という言葉をとる必要はないし,むしろ残すべきではないかという気がします。   同じ問題として,第5の信託管理人の資格についても「当該」がとられていますので,ここは,残すべきではないかという意見を申し上げるとともに,法制的なという理由になるのかもしれませんけれども,もしとるべき必要性なり合理性があるのであれば,御説明いただきたいと思います。 ○中田部会長 ただいまの点について,関連する御意見などございますでしょうか。 ○大野幹事 ただいま御質問いただいた点につきましては,部会資料50の補足説明にもありますとおり,従前からの趣旨を変更しているものではございません。それぞれの個別の公益信託の事務の種類,内容などに応じて,求められる能力は変わってくるという点に変更はありません。   その上で,今回の部会資料50において「当該」をとった理由でございますけれども,それは,法制上の観点でそのようにさせていただいております。表現に関しましては,事務当局において検討させていただきたいと思いますが,実質としては全く変更はございません。 ○深山委員 法制上の理由という,予想どおりの答えを頂いたんですが,ほかの項では,「当該公益信託事務」とか,そういう「当該」という言葉を頭につけている部分が何か所もあります。法制上の理由であるならば,みんなそれはとるんだというなら,まだ理解しやすいんですが,ここに限ってとるというのが,なおそれなりの理由があるのかどうかということを御検討いただければと思います。 ○中田部会長 表現について,今の御指摘を受けて,なお検討していただくということですが,内容に変更がないということが部会資料にも明記されておりますし,ただいまの深山委員と大野幹事との間の質疑の記録も議事録に残りますので,この部会の理解としては,従来から何ら変わっていないということでよろしいのかと思います。   ほかにいかがでしょうか。 ○林幹事 まず,第4の受託者につきましては,従前の乙案において整理されたことには賛成したいと思います。   申し上げるとすれば,経理的基礎,技術的能力の表現について,なかなか難しいながらも御苦労いただいているということも承知していますが,そこにはいろいろこれまで議論した問題点もあるところですし,特に経理的基礎というのは,経理的な,技術的な能力の話であって,財産上のものではない,あるべきではないと,自然人たる受託者が一定の資産を持っていないと受託者となれないものではないという意見をこれまで申し上げたところでもありますので,それを前提にお考えいただきたいと思います。また,自然人についてはいろいろ問題点も指摘いただいていましたが,従前の繰り返しではありますが,業法の点も含め,運用上で対応できるはずだと思っていますので,この内容で要綱案が確定したら,その後にそうした整理というか,議論をしていただけたらいいのではないかと思っています。   それ以外の第1から第6につきましては,公益信託の信託の方法につき,自己信託が採用されないことには残念な思いではありますが,この段階ですので,それはそれとしていたし方ないのかと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 ○小野委員 言わずもがなだとは思いますけれども,信託法の第三者委託も含めて,この適正さ,受託者の経理的基礎及び技術的能力も判断する,もちろん丸投げとか,全く能力ないという意味ではなくて,現在の信託法の規定にのっとっているという理解でおりますし,この要綱案の中でも,35条4項の適用はしないと規定されていますから,その当然の前提としては,35条のこれ以外の規定も適用になっていくという理解だと思うんですけれども,そういうことで,非常に幅広に考えていただければと思っております。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 ○能見委員 第6の委託者のところですが,この内容はこのままでいいのですけれども,ちょっと確認のために,あるいは議事録に残すために発言いたします。第6の3のところで,委託者の地位を相続によって承継しないということが書いてありますけれども,その意味ですが,委託者と受託者の間で信託契約によって信託を設定した場合には,その契約当事者としての地位というのは,ここでいう委託者の地位ではなくて,これは相続されると理解してよいか。したがって,契約に瑕疵があったりした場合の無効の主張であるとか取消し権であるとかは承継されるという理解でよろしいですねという確認でございます。 ○中田部会長 第6の委託者についての御意見いただきましたが,第6について,ほかにございますでしょうか。   ただいまの能見委員の第6については,ある意味で解釈論的な部分もあるかもしれませんけれども,これについて,もしございましたら。   委託者の地位というのと契約当事者の地位というのを分けて考えるということで,契約当事者の地位については,例えば,契約に何らかの瑕疵があったというような場合に,それを承継することは依然として残るのではないかと,このような御指摘だったと思いますけれども,いかがでしょうか。   能見委員の御指摘は,規定の仕方によっては,契約当事者の地位が承継されないと決まってしまうとすると,それは問題だということと理解してよろしいでしょうか。 ○能見委員 私益信託といいますか,信託法の本体の方はこういう規定がないので,解釈論の問題として解釈に委ねればよいと思いますけれども,ここでははっきりと,委託者の地位は相続しないと書いてありますので,では契約上の地位はどうなのかという点がよりクローズアップされるように思ったわけです。おそらく解釈問題として解決とすればよいのだと思いますが,ただこの審議会におけるこれまでの議論では,委託者の権利などの相続による移転の可否を主に考えていて,さきほど述べたような契約の当事者の地位が承継されるか否かということは念頭に置いてこなかったと思いますので,そこでまずはここの規律をどういう意味で理解すべきかという確認をしたいと考えた次第です。解釈論の問題だとすると,ここで確認を求めるのはふさわしくないのかもしれませんので,もし解釈論であるということであれば,そういうお答えでも結構です。 ○中田部会長 なかなか難しい問題なんだろうと思います。もしほかに御指摘いただければ,それも頂戴した上で,事務当局において検討していただこうと思いますので,ほかに何か御示唆,御意見などありましたら,是非いただきたいと思いますけれども。 ○吉谷委員 実務でも,それほど多いわけではないと思いますけれども,遺言による公益信託というのも存在しまして,同様のお話があると思うんですけれども,遺言信託については,条文で委託者の地位を相続しないというところが書かれているというところが解釈の参考になるのかなとは思いました。 ○中田部会長 ありがとうございます。 ○能見委員 もう一点だけ,さきほどの発言の際に考えていた背景があるのですが,それはこういうことです。ここで問題としているのは公益信託ですので,当事者の錯誤による無効だとか,あるいは受託者の詐欺による取消しとか,そういう問題は,公益信託として認可された後に主張されて公益信託の効力が否定されるのはよくないという考え方もあり得るかもしれないですね。そ仮に,そこまでの強い意味を込めた規定だという解釈がされると,私益信託と比較した公益信託の特殊性という意味で大きな問題につながる可能性があるのではないかと考えました。恐らくここでの議論ではそこまでのことは考えていなかったと思いますので,先ほど申し上げたように,この点も含めて確認をしておきたかったということです。 ○中田部会長 ありがとうございました。   問題点を非常に明確にお示しいただいたと存じます。なかなか難しい問題だと思いますので,最終的には解釈に委ねることになるかもしれませんけれども,御指摘を踏まえて検討していただこうと思います。   ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは,第1から第6までの中で,平川委員から御意見いただいておりますので,それについて一言コメントを頂こうと思います。 ○大野幹事 平川委員の意見書を御覧ください。   2ページでございますが,第3の1について御意見を頂戴しております。「主語を補って明確にするか,そもそも公益信託の認可を受けられなかった信託の扱いは,当事者の意思解釈の問題であり,法律でその扱いを規定する理由が不明であり,一般の人にもわかりにくいので,削除すべきである。」というものでございます。   御意見を頂戴いたしました点は表現の問題であろうと思われますので,その表現の在り方は事務当局において引き続き検討させていただきたいと考えておりますけれども,実質としては,公益信託認可を受けていない受益者の定めのない信託を無効とはしないという,この部会でコンセンサスが得られている点を規定する趣旨でございます。そういった趣旨に鑑みますと,これを削除するのは難しいのかなと考えております。 ○中田部会長 第4と第6については,従来どおりということでしょうか。 ○大野幹事 はい。 ○中田部会長 ありがとうございました。   それでは,ほかにございませんようでしたら,先に進みたいと思います。   続きまして,第7から第12までについて,事務当局から説明していただきます。 ○舘野関係官 それでは,「第7 行政庁」から「第12 公益信託の監督」まで御説明させていただきます。   この中では,第7,第8及び第10につきましては,従前の提案から変更等はしておりません。   「第9 公益信託認可の基準」につきましては,まず第9の「4 公益信託の信託行為の定めに関する基準」の(1)イにおいて,特別の利益の供与が許容される場合として,公益信託同士の寄附を挙げておりましたが,従前の部会における御意見等を踏まえまして,公益法人に対し,当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合を,ただし書きに追加して提案しております。   また,第9の4(2)につきましては,公益信託事務に係る収入があることが予定されていない公益信託には,収支相償等の会計基準を適用しないという点,及び収入があったとしても,それが寄附金による収入である場合には,やはり会計基準を適用しないという点には変更はございません。   今回の提案では,収入から除かれるものとして,信託財産の運用が預貯金の方法による場合における預貯金の利子を加える旨の変更をしております。この点に関しましては,従前の部会における御意見等を踏まえて再度検討いたしました結果,預貯金については,ほぼ全ての国民が預貯金口座を保有しているという実態があり,社会のインフラとして機能としているとも考えられますので,預貯金の方法による信託財産の運用について,他の方法による信託財産の運用と同視することは,預貯金が社会のインフラとして機能しているという実態にそぐわないものとなってしまいます。そうすると,信託財産の運用を預貯金の方法のみによって行っている公益信託については,会計基準を適用する必要はないものと考えられます。そこで,本部会資料第9の4(2)では,「公益信託事務に係る収入(寄附金及び預貯金の利子を除く。)」があることが予定されていない公益信託について,公益信託の会計に関する基準は適用しないものとすることを提案しております。   この点に関しましては,皆様からも御意見を頂戴できればと存じます。   次に,「第11 公益信託の情報公開」につきましては,これまでの整理を分かりやすく表示するため,形式的な修正を行っております。また,このうち,(7),(9)及び(10)の三つにつきましては,この後詳細を御説明申し上げますが,本部会資料第13の3(4)及び(5),第14の3(4)及び(5),第15の1(2)において,提案の大きな変更をしておりますことから,この第11の提案に追加をしているものでございます。さらに,信託管理人の辞任及び解任についての届出につきましても,追加をしております。   次に「第12 公益信託の監督」について御説明いたします。   部会資料49の第12の4(1)のア及びイの提案に対して,第52回会議では,「受託者が欠格事由に該当することが後で判明した場合などは,受託者を交代させればよいのではないか」,「受託者の資格について,一気に取消しになるのは若干行き過ぎである」などの御意見がございました。公益信託においては,公益信託認可の取消しによって,公益信託が終了することとされております。そのため,受託者や信託管理人が欠格事由に該当した場合に,その公益信託認可が必要的に取り消されるものとすると,欠格事由に該当する受託者や信託管理人を交代させることによって,当該公益信託の継続を図る余地がないままに,当該公益信託が終了することとなります。しかし,受託者や信託管理人が欠格事由に該当する場合であっても,これらの者を交代させれば足りる事例も存在するものと思われます。   また,受託者が一部の信託会社に限られている現在の公益信託の現状を踏まえますと,例えば,一つの信託会社の役員が欠格事由に該当した場合には,数十以上の公益信託が一度に終了してしまうということとなりますが,公益信託のほとんどが適正に運営されているという現状に鑑みますと,そのような結論は必ずしも妥当なものとは言い難いものと考えられます。そうすると,受託者や信託管理人が欠格事由に該当する場合であっても,公益信託認可を必要的に取り消すものとするのではなく,欠格事由に該当した受託者や信託管理人を交代させることによって,当該公益信託を存続させる機会を与えることが相当であるとも考えられます。   また,公益信託認可の基準のうち,信託行為又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反していないものであることにつきましても,同様のことが言い得るものと考えられます。例えば,行政機関の許認可が必要である公益信託事務を行っている場合に,受託者が当該許認可に係る制度改正に基づく対応をしなかったがために,当該許認可の基準を充足しない状態となってしまったような事例であっても,その原因や経緯については,様々な事情が想定されるところであって,事情によっては受託者に対して適正な状態を確保する機会を与えることで,公益信託を存続させることが相当とであると考えられる場合もあり得ます。そうすると,一律にこれを公益信託認可の必要的取消し事由とすることは,過度な処分となるおそれがあります。   そこで,本部会資料第12の4(2)アでは,公益信託の受託者及び信託管理人に関する欠格事由に該当したこと,及び信託行為又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したことの2点につきましては,行政庁がその公益信託認可を取り消さなければならないものとはせず,この公益信託認可を取り消すことができるもの,すなわち任意的取消事由とする提案をしております。   なお,本部会資料第12の4(1)ア(暴力団員等がその信託事務を支配しないものであること),及び(1)イ(受託者が偽り,その他不正の手段により公益信託認可等各種の認可を受けたとき)につきましては,その内容に鑑みまして,任意的取消事由とする必要性はないものと考えられますので,これらについては従前の提案のとおり必要的取消事由のままとしております。   以上でございます。 ○中田部会長 ただいま説明のありました第7から第12までについて御審議いただきたいと思います。   この中では,11ページの第9の4(2)に従前の部会での審議を受けての変更があります。公益信託事務に係る収入が予定されていない公益信託については,収支相償等の会計基準を適用しないものとする提案ですが,括弧内にその例外が記載されておりまして,収入があったとしても,それが寄附金及び預貯金の利子による収入に限られている公益信託については,やはり会計基準を適用しないということです。預貯金の利子も除くという部分が追加の提案です。   また,第12の4において,二つの場合について,必要的取消事由から任意的取消事由に変更するという提案がされています。一つは,受託者及び信託管理人が欠格事由に該当した場合であり,もう一つは,信託行為又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反した場合です。これも,従前の部会の御審議を踏まえた修正提案となっています。   なお,第11の2(7),(9),(10)については,その元になる提案は,後ほど出てまいりますので,公示の前提になります実質については,後ほどそこで御議論いただければと存じます。   以上の点につきまして,どこからでも結構でございますので,御自由に御発言をお願いいたします。 ○吉谷委員 第9の4の(2)について発言させていただきます。   ここで,預金を例外にすることを加えていただいたということ自体には賛成なんですけれども,実務の実態等を考えますと,預金だけでは不足であると思っておりまして,預貯金だけでなくて,例えば,預金保険法上の預金等などと定義されているような預金類似のものも含めて,(1)エの基準の例外にしていただきたいと考えております。   実務の実態の話をいたしますと,信託銀行で行っています公益信託というのは,預金に預け入れをしていません。そのかわりに,信託銀行で取り扱っております元本補填付きの金銭信託というもので運用されております。これは,預金保険の適用のあるものになっております。それが使われているというのは,歴史的な経緯があって,そのようになって現在に至っているということであると思いますけれども,これを預金に換えるというのは,私ども信託金額の実務にとっては,結構手間になるものであるということを申し上げておきたいと思います。   というわけですので,提案の内容では,現行の公益信託についてはほぼ,かなりの部分が収支相償,遊休財産規制の対象になってしまうということです。ですので,従来の審議会で御提案いただいたところの趣旨は達し得ないんではないかなと思っております。収支相償や遊休財産規制との関係でいいますと,よりリスクの高い運用性の資産であるとか,そういう市場金利の超過を目指すようなものを排除すればいいのではないかと思っておりまして,預金等でありましたら,物価上昇に対する消極的な防御の意味程度でございますので,収支相償,遊休財産規制の趣旨には反しないのではないかなと考えているところでございます。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ただいまの点につきまして,関連する御意見などございましたら,いただきたいと思いますが。 ○林幹事 先ほどの9の4の(2)ですが,意見としては,先ほどおっしゃられたご意見とその方向は同じです。その預貯金の利子,利息というところについては,前回私も申し上げたのですが,翻ってよく考えますと,その預貯金の利子に限定せずとも,同趣旨のものはほかにもあり得ると思いましたので,ある種の例示的に考えて,同趣旨のものがあれば,ここに含めるというのもあってもよいのではないかと思いました。具体的にどこまでかというのは悩ましく思います。株の配当金はどうか等の問題もあるのでしょうけれども。   もう一点は,現状だけではなくて,将来の社会の発展や変化があったときに,同趣旨で理解できるものがあれば,柔軟に対応できるように対応しておくということも考えてもよいのではないかと思いました。預貯金の利子,利息と同趣旨のものがあれば,ほかのものも含めてよいのではないのかという意見です。 ○中田部会長 ありがとうございます。   今,同趣旨とおっしゃいましたけれども,どういう点で同趣旨ということになるでしょうか。 ○林幹事 要するに,結局,金銭が一定,定期的に入ってくるだけという類いのものは,預貯金以外でもあり得るのではないか,そういうふうに思います。 ○中田部会長 ほかに関連する御意見などございますでしょうか。 ○山本委員 確認なのですが,13ページに,第11の2の公益信託の公示の(10)が「公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更した旨の届出があったとき」とされていまして,後ろの第15,21ページでは,前回の議論を受けてだと思いますが,「公益信託の信託行為の定めの変更」とされていますけれども,これは誤りではなく,それでよろしいとみてよいでしょうかという点を確認させていただければと思います。 ○中田部会長 ありがとうございます。   ただいまの点,後ほどまた,お答えいただこうと思いますけれども,ちょっと留保させていただきまして,申し訳ありませんが,第9の4の(2)の方を先にさせていただきます。公益信託事務に係る収入で,預貯金の利子が今回追加されたわけですが,それ以外にももう少し拡張していいのではないかということについて,お二人から御意見を頂戴しました。さらに,この点については,平川委員の意見書の中にも関連する御指摘があったかと存じます。ほかに,この第9の4の(2)について御意見がございましたら,頂戴したいと思いますが。   それでは,この辺りでコメントをお願いします。 ○大野幹事 預貯金の関係では,ただいま部会長からも御紹介がございましたとおり,平川委員の意見書の4ページ以降で御意見を頂戴しています。吉谷委員,林幹事,それから本日御欠席の平川委員の御意見などを踏まえまして,事務当局としても,税の観点も踏まえつつ,この点について更に整理,検討したいと考えております。 ○中田部会長 それでは,この点は検討していただくということにいたします。  さきほど,山本委員から御指摘いただきました,公益信託の情報公開の公示についてですけれども,第11の2の(10)についての御指摘を頂きましたが,公益信託の情報公開について,ほかに御意見,御質問などございますでしょうか。   それでは,山本委員の御質問について,お答えいただけますでしょうか。 ○大野幹事 山本委員の御質問の点については,部会資料50で新たに加えたところでございますが,これは誤記ではございません。   この後に御審議いただくところでございますが,従前,受託者等の新選任や信託の変更のうち裁判所の判断がされた後に行政庁が認可をするとされていた部分について,今回の部会資料50では,裁判所の判断のみで効力を生ずるという形で一本化するという整理をしております。この場合に,行政庁は受託者等の新選任等がされたことを公示する必要がありますが,行政庁において裁判所の判断があった事実を把握することができませんので,行政庁に対する届出をさせ,その届出を受けて,行政庁がその旨を公示するという形としております。   以上の前提の下で,信託の変更について申し上げますと,信託の変更のうち,裁判所の判断のみで効力を生ずるのは,公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更の場合だけですので,その場合にのみ届出を受けて公示をすることとしております。 ○山本委員 ご説明,ありがとうございました。 ○中田部会長 よろしいでしょうか。   ほかに,第7から第12までにつきまして。 ○小幡委員 これに賛成だという意見ですが,第12のところの欠格事由のところ,任意的取消しということになった点についてです。公益認定法の方は確か必要的取消しだったと思うのですが,これですと,なかなかきついので,実務的には,あとでわかった時に,全部必ず取消しということになるのはかなり厳しいので,こういう形で交代させて対応することができるように柔軟にしておくということは,むしろ必要かと思いますので,この変更に賛成です。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 ○能見委員 単なるこれも質問ですけれども,ちょっと先ほどの最初の質問とも関係するのですが,部会資料の15ページ,第12の5,裁判所の権限のところです。ここでは,公益信託においても裁判所は信託法が裁判所に与えている権限を原則として有するという基本的な考え方を示しているだけですが,それは考え方としてはいいのですけれども,どういう場合について,信託法の権限が裁判所に与えている権限がそのまま公益信託の場合にも適用されて,どういう場合がそうではないかということが,立法化されるときには,より具体的な規定が設けられる予定なのでしょうかという質問です。 ○中田部会長 ありがとうございました。 ○能見委員 裁判所の権限の有無に関しては解釈に委ねるというのは,適当でないと思いましたので。 ○中田部会長 裁判所の権限について,具体的にこの資料の中で規定している部分があるわけですけれども,それ以外について,更に明確にすべきではないかということでしょうか。 ○能見委員 別段の規定がなければ私益信託の場合と同じ扱いをするという意味での原則であればそれでもいいのですけれども,先ほども触れましたが,受託者の欠格事由が生じ,受託者の任務が終了するときに,すべての欠格事由を受けての任務終了に関する規定が公益信託に関して設けられていないと,56条その他の信託法の規定の解釈で対処することになるのだと思います。そこで,公益信託の事務を継続する必要から信託財産管理者を裁判所が選任しようとする際に,公益信託において拡張された受託者の欠格事由については56条が明確には規定していないのに,信託法の解釈で裁判所に権限を認めることになるのは,適当でないように思います。この例について言えば,結論としては,裁判所の権限を認めるべきだと思いますが,私益信託において裁判所に認められた権限は,別段の規定がない限り,原則として公益信託でも認められるということでよいのか,今までここでは必ずしも十分に議論していなかった問題ではないかと思いましたので,この点を明確にしておいたほうがいいのではないかと思いました。 ○中田部会長 ありがとうございました。   まず,受託者の任務終了についてどうするかって,これは,冒頭に御指摘いただいた点と合わせて検討していただこうと思います。それ以外に,裁判所の権限とだけ書いてあって,信託法との整合性が十分かどうかについては,更に精査していただくことになると思いますけれども,今の時点でもし何かございましたらお願いできますでしょうか。 ○大野幹事 能見委員から御質問の点については,「原則として」という言葉がミスリードなのだろうという理解をしております。現在の公益信託法の第8条では,信託法上は裁判所の権限とされているものが主務官庁の権限にされておりますが,そういった権限について,信託法と同様の立て付けにして裁判所にいわば戻すというのがこの部分の提案の趣旨でございます。このような趣旨を従前から「原則として」と表現してまいりましたが,「原則として」とすると,先ほどの御質問のように,あたかも例外があるかのような捉え方をされてしまうおそれがございます。この部分の表現振りについては改めて検討したいと思います。 ○中田部会長 能見委員,よろしいでしょうか。 ○能見委員 はい。 ○中田部会長 それでは,ほかにございますでしょうか。   先に進んでよろしいでしょうか。   それでは,次に第13から第15までについて御審議をお願いします。   事務当局から説明していただきます。 ○舘野関係官 それでは,次に「第13 公益信託の受託者の辞任・解任,新受託者の選任」,「第14 公益信託の信託管理人の辞任・解任,新信託管理人の選任」,「第15 公益信託の変更,併合及び分割」について御説明いたします。   まず,第13,14,15に共通する変更でございますが,先ほど第11のところでも出てまいりましたけれども,従前の提案では,当事者がその合意により新受託者又は新信託管理人を選任した場合や信託の変更をした場合,裁判所が新受託者又は新信託管理人の選任をした場合や,公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更を命じた場合のいずれも,その後行政庁による認可を受けるものとする提案をしておりました。しかし,裁判所の判断の結果に対して,行政権が更に認可をするという制度は,我が国の法体系になじまないということに鑑みまして,本部会資料第13の3(4)及び(5),第14の3(4)及び(5),それから第15の1(2)では,裁判所による新受託者又は新信託管理人の選任がされた場合,それから公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更が命ぜられた場合には,行政庁による認可を必要としない旨の提案をしております。   また,それぞれの場面において,受託者又は新受託者は,遅滞なく行政庁へ届出をしなければならないものとした上で,当該届出の際に,併せて新受託者又は新信託管理人が必要な能力を有することを証する書面等を提出することや,変更後の信託行為の定めが公益信託認可の基準を充足していることを書面等を提出するものとしています。行政庁がこれらの書類を確認した結果,認可基準の充足性に疑義が生じた場合などは,行政庁は報告徴求,立入検査等の監督措置を採ることができることから,監督の実効性は十分担保されているものと考えられます。なお,これらの場合において,裁判所は形式的に認可基準を充足しているか否かを判断することはできないものと考えられるという点には,変更はございません。   また,「第15 公益信託の変更,併合及び分割」については,第53回会議において,「合意による終了を許容する旨の信託行為の定めを事後的に置いた場合は,どの規律の対象となるのか整理すべき」,「公益信託に適用される信託法上の規律が分かりにくい」との御意見や御指摘がございました。これらの御指摘や御意見を踏まえまして,本部会資料第15の1において,そのタイトルを公益信託の信託行為の定めの変更とするなど,公益信託の信託行為の定めの変更について整理し,公益信託の目的の変更以外のものについて,信託法第149条の規律によるものであることをより明確にする旨の修正をしております。なお,公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更には当たらず,公益信託の信託行為の定めの変更に当たるものとしては,正に前回御指摘を頂きました合意による終了の定めなどが考えられます。   なお,部会資料の第14の2の(注),それから3の(注3)に関連いたしますが,信託管理人の解任の裁判及び新信託管理人の選任の裁判に対して,受託者が即時抗告をすることができるかという点につきましては,なお検討が必要であるとも考えられます。現在の提案では,受託者は信託管理人の解任の申立権及び利害関係人として新信託管理人の選任の申立権を有しているとの整理をしております。この整理は,信託管理人の解任や新信託管理人の選任の場面は,受託者は信託管理人に監督される立場であるとの本質的な両者の関係を踏まえても,なお受託者の関与をさせることが相当であると認められる場面であるとの考え方に基づくものです。この整理に基づきますと,委託者や他の信託管理人が信託管理人の選解任を申し立て,これが認容された場合にまで受託者に即時抗告権を付与することは,両者の本質的な関係に反しない限度を超えるものであると考えられます。   そこで,この点につきましても,皆様から御意見等を頂けますと幸いです。   以上でございます。 ○中田部会長 ただいま御説明のありました第13から第15までについて御審議をお願いします。   ここでは,裁判所による判断と行政庁による認可の関係について,変更の提案があります。   18ページの第13の3(4)と(5)では新受託者の選任について,20ページの第14の3(4)と(5)では新信託管理人の選任について,そして21ページの第15の1(2)では公益信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めの変更について,従来はそれぞれ裁判所の判断があった後,行政庁による認可を要する旨の提案がされていました。今回の提案は,これらの場合には,行政庁による認可を必要とせず,裁判所の判断に一本化するというものです。この点を中心に,皆様から御意見を賜れますと有り難く存じます。このほか,信託管理人の解任と新信託管理人の選任の裁判について,受託者に即時抗告権を認めないということについての問題提起もいただきました。   これら以外の点も含めまして,どこからでも結構ですので,ご自由に御発言をお願いいたします。 ○穗苅幹事 今回の提案で,裁判所が新受託者又は新信託管理人を選任した場合の行政庁の関与の在り方について認可制から届出制に変更されておりますので,裁判所の審理の在り方について実務上の支障が生じないように,述べさせていだきたいと思います。   要件自体は従前から変わっておらず,合意に係る協議の状況あるいは委託者の状況,その他の事情に照らして,必要があると認めるときに該当するか否かということを判断するということになっております。この点について,中間試案の補足説明によりますと,公益性の確保や認可基準充足性について判断するものではないと整理されておりまして,そのこと自体は変更されていないと考えております。   もっとも,最終的には,申立てを受けた裁判所の判断ということになるとは思うのですが,例えば,受託者が辞任してしまいまして,委託者がAを候補者としていて,他方で,信託管理人はBということで,AかBかが争いになり,受託者をどちらにしましょうかという事案を想定したときに,先ほど林幹事から経理的基礎の意義について御指摘があったので,その点は触れないでおきたいと思いますが,経理的基礎にAは問題があるけれども,Bは問題がないという事例が仮にあったとします。こうした事例において,裁判所がどういった形で判断するかというと,恐らく経理的基礎に問題がないBを選任するということになるかと思います。   その意味で,認可基準を考慮することは十分あるのだろうと思います。他方で,委託者は亡くなってしまって,受託者が辞任しましたと。あとは,信託管理人の方で新しい受託者を探さなければいけない,こういったケースを想定した場合に,新しい受託者の候補者を信託管理人が探してきて推薦しますというときに,その場合でも,全ての認可基準充足性を裁判所が選任の手続の中で審査するかというと,それは求められていないのだろうと思います。整理すると,認可基準を考慮するということはあるのでしょうが,一方で,常に認可基準充足性を判断しないと選任ができないということであれば,それは違うのではないかと,こういった整理になるのかなというところで,考えてまいりましたので,御意見を伺えればと存じます。 ○中田部会長 ありがとうございました。   裁判所に一本化する場合の判断について,具体的な御示唆を頂きましたけれども,この点につきまして,ほかに御意見などございましたらお出しいただきたいと存じます。 ○小幡委員 私は,裁判所に一本化するということで,それはクリアになってよいと思っていて,今のお話ですが,ただ,裁判所に一本化するのであれば,行政庁が監督するので行政庁にあとで届け出ることにはなるのですが,今おっしゃったように,結局は基準に該当するかどうかというのは,裁判所がある程度見ておくという方に,一本化されれば本来良いのではないかと思って見ておりました。要するに,最終的にもし争いになれば裁判所が,公益の基準に該当するかどうかというのを最終的に判断することにもなりますし,裁判所に一本化して,裁判所が全部やってくだされば,それが一番よいのと思っています。今考慮に入れ得るというようなお話がありましたが,基本的には,やはりわざわざ問題があると分かっている方を選任するということは,多分あり得ないと思うので,ほぼ実質的には,裁判所に一本化して,裁判所の方でやってくださるという感じなのかと思うのですが,もし行政庁の認可であれば,審査基準とか,何をどういうふうに審査するという基準に基づいて,行政庁なりの認可基準,認可の審査基準があるわけですが,裁判所は行手法の適用はないので,裁判所がここで選任するときに,何を基準にして選ぶのかということはどこかで決められるのかどうか,ちょっとそこは分からないのですが,実質的には,そういうことも含めて裁判所が選任していただいたほうがよいのかなとは思いますが。 ○中田部会長 御意見ありがとうございました。   ほかに関連する御意見ございますでしょうか。   小幡委員の御期待と穗苅幹事のおっしゃっていただいたことと,それからこの部会資料で言っていることと,どういう関係にあるかということも含めてお答えいただきたいと思います。 ○大野幹事 事務当局としては,先ほど舘野関係官から御説明いたしましたとおり,裁判所の判断は,信託の関係者の合意に代替するものであり,行政庁に代わって公益信託の認可基準の充足性を判断するものではないという従前の整理を変更しておりません。   行政処分の要件の充足性は,第一次的には行政庁に判断権があるものであって,裁判所が行政庁の判断を代置する形で判断をすることは難しいと理解しております。そのため,先ほど申し上げた整理の変更はしないとしているものです。 ○道垣内委員 冒頭に能見委員が御発言され,私がその後一言申し上げた事柄に関連するのですが,先ほど穗苅さんの話でも,十分な経理的な基礎があるかどうかというのが,2人いたら判断するけれどもという話だったですが,そこにおいては,第4の1の(2)の欠格事由というのは正に欠格事由であって,1人だけが来たんだけれども,その人が暴力団員等であるということになると,これは選任しないわけですよね。そうなると,それというのは,やはり認可基準なのではなくて,正に欠格事由であると,その人を選任しても選任の効力が発生しないといいますか,そういうものであるという性格を持つのだろうと思います。したがって,判断する,判断しないという話を穗苅さんおっしゃいましたが,そうなると,それは適正な処理をするのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するということについての判断を十分にするわけではないかもしれない。かもしれないという話にとどまるのかなという気がして。そうなると,遡って,やはり欠格事由は欠格事由だよねということになり,認可を受けることができないというふうな書き方に第4の1の(2)はするのではなくて,なれないってやはり書かなければならないということなのかなと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかに関連する御意見などございますでしょうか。   道垣内委員の御指摘は,冒頭の御指摘とも関連することかと存じますので,冒頭での能見委員,道垣内委員の御発言についての検討の中で,その点も検討していただこうと思います。 ○小幡委員 そうすると,届出があってから,行政庁は,通常であれば自分のところに来る,認可の基準に照らしての審査を,届出されてから,必要であれば監督をすると,そういう整理でしょうかという確認ですが。 ○大野幹事 はい,御指摘のような整理でございます。 ○小幡委員 分かりました。   裁判所が,結局選ぶときに,少しは考慮をするのではないかという感じがどうしてもしてしまいますが,一応そこは分けると,そういう感じですか。 ○大野幹事 実際の事案によっては,先ほど穗苅幹事が出された例のように,受託者の候補者が二人いて,どちらの候補者が例えば経理的基礎などの認可基準をより充足しているのかということが争点となっているものもあり得ようかとは思います。その場合には,裁判所としては,その争点を踏まえ,裁判所がより認可基準を充足していると判断する候補者を選任するということとなるのでしょうが,そうであるからといって,裁判所が行政庁の判断に完全に代置する形で判断をしているということはできないと考えられます。たとえ事案の争点がそのような場合であったとしても,裁判所が行政庁と同じ判断をすることができるかというと,それは,裁判所という機関の位置付け上無理があると考えております。 ○中田部会長 この点について,ほかに御意見ございますでしょうか。 ○松下幹事 資料の19ページ,第14の2(2)のところで,信託管理人の解任の申立権との関係で,特に受託者に解任申立権を認めることとの関係で,先ほど事務当局から,解任の裁判に対する即時抗告の話がありましたけれども,そこについて一言コメント申し上げたいと思います。   まず,2の(2)で,信託管理人の解任の申立権を受託者にも与えているというのは,これは先ほど御説明のあったとおり,委託者等による申立てが機能しない場面を念頭において,ある種最後の手段として受託者に信託管理人の解任申立権を認めると,ここはよろしいと思うんですけれども,逆に,委託者やほかの信託管理人の解任の申立てがあって,信託管理人解任の裁判がされたときに,やはり今の信託管理人でいいんだと言わせる必要は,受託者にはないのだろうと思います。それは,受託者の地位と整合しない,大分無理がある説明ですし,この2(2)は,解任する方向での申立権ですけれども,解任を認めたときに,解任を止める方向での力を与える必要はないと思いますので,先ほど口頭で御説明があったとおり,信託管理人解任の裁判に対して,受託者に即時抗告権を認める必要はないと,私も思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   もう一点の20ページの下の方の(注3)というところに,新信託管理人の選任についても同様の問題があろうかと存じますが,それも同じように考えてよろしいでしょうか。 ○松下幹事 そうです,同じです。 ○中田部会長 ありがとうございます。 ○松下幹事 ですから,例えば,資料19ページの2の下に注がついていますが,58条7項と同様の規律を及ぼすというのも,今のような,言わば留保をつけた上で同様の規律ということになろうと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ただいまの点に関しまして,ほかに御意見などございますでしょうか。 ○穗苅幹事 今の点で確認をさせていただければと思います。   新しい提案というところで,全て検討できているというわけではございませんが,恐らく信託法においても同様の問題が生じているのかなという印象を受けておりまして,信託法の規律との整合性については検討しておいた方がよいのではないかと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかに。 ○小野委員 ちょっと先ほどの議論に戻ってしまうんですけれども…… ○中田部会長 では,少しお待ちください。   ただいまの受託者からの即時抗告権について,お二人の幹事から御意見をいただきましたが,これについて何かございますでしょうか。 ○大野幹事 いただいた御意見踏まえまして,事務当局にて検討させていただきたいと思います。 ○中田部会長 それでは,小野委員,お願いいたします。 ○小野委員 質問というか考え方の確認みたいなことなんですけれども,合意の場合には認可が必要で,それが効力要件になっている。裁判所の場合には,裁判所が認めれば,裁判所の判断でそこから受託者としてスタートする,ということで,手前で,旧受託者が解任されている。ですから,どうしてもそこにタイムラグが生じるわけです。現在の信託法の規定そのものをたどっていくと,その解任された旧受託者がそのまま信託事務の管理を続けていくとされています。合意の場合には,新受託者が任命されているんだけれども,その解任された旧受託者が相変わらず信託財産の管理を続ける。ちょっと変則的だけれども,そういう制度なんですということかもしれません。   他方において,恐らくそういう状況に備えて,先ほどから能見委員が御指摘されているように,信託財産管理者が任命されて,そういう何か不都合が生じたときには対応する,こんな立て付けだと思うんです。そこで質問ですが,信託財産管理者の申立権で利害関係人についての考え方ですが,これは信託法に則る旨現在の提案でもそうなっております。しかしかなり混沌とした状況だと思うので,その場合に,やはり利害関係人として,前も発言していますけれども,行政庁も入ることとし,そういう場合に,やはり混沌とした状況で信託財産管理者がきちんと財産管理して,行政庁がその間にその認可をするかどうかよく判断するとか,そういう立て付けであってもいいと思います。利害関係人という幅広い概念だから,解釈論として入ってもよろしいのかなと思いますし,一方で,利害関係人といっても行政庁はそこに明示されていない場合には入らないのではないかという解釈論もあり得るとお伺いしておりますけれども,お伺いしたい点としましては,解任から今の一連の流れというのをどんなように理解しているか。今の提案どおりの流れで,特に何か混乱は生じないのかどうかという辺りについて,何か事務局の御意見をお伺いできればと思います。 ○中田部会長 御指摘ありがとうございます。   受託者の解任から新受託者の選任に至るまでの間に時間の流れがあるわけですけれども,その間,どうなっているのかと。その間の公益信託の適正性をどのようにして確保したらいいのか,こういう御指摘だったと思います。   関連する御意見や御質問はございますでしょうか。   それでは,この点について事務当局から。 ○大野幹事 小野委員の御発言のあった受託者の解任から始まる流れ自体については,小野委員が整理されたとおりだろうと考えておりまして,信託財産管理命令の制度が活用されるという場面や状況も生じ得るだろうとは思っております。   ただ,信託財産管理命令の申立人に行政庁が入るという理解はしておりません。 ○中田部会長 この点に関しまして,ほかにございますでしょうか。   とりあえず,小野委員の御指摘につきましては,事務当局としてはこのように考えているというようなところを頂戴いたしました。 ○小野委員 はい,分かりました。 ○中田部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○吉谷委員 先ほどの即時抗告のところでちょっと,まだあまり論点がよく分かっていないので確認させていただきたいんですけれども,受託者が信託管理人を引き止めたりするのはおかしいのではないかということが言われたかと思うんですけれども,逆に,不適切な信託管理人だと思っているのに解任の判断がされなかったときに,即時抗告するというのは,これはできるということなのでしょうかというところと,もう一つは,判断するのに,著しい損害があったかなかったかということと,その他重要な事由があって,その他重要な事由のところに能力基準とか認可基準のところがあるのかもしれないのですけれども,著しい損害があったかなかったかというところが議論になるのだとしたら,そこは争えないというところが,あんまり現実的ではないかもしれないのですけれども,ちょっと,なぜ争えないのかというのが,少しよく分からなかったというところです。 ○中田部会長 恐らく,先ほど松下幹事から頂戴した御意見というのは,信託管理人の解任の場合についても,新信託管理人の選任についても,いずれにしても即時抗告権は認めないのがよかろうというようなことであったかと存じますけれども,さらに,それに加えまして,ただいまの御質問,御意見に踏まえてお答えいただければ,お願いします。 ○松下幹事 先ほど申し述べたシチュエーションと違って,受託者が解任の申立てをして,それを認めない決定がされたら,そこに対して認めてくれという即時抗告ができるのはもちろん当然だと思います。   私が最初申し上げたのは,受託者ではなくて委託者や他の信託管理人が解任の申立てをして,確かに解任に事由がありますねというんで解任の裁判をされたときに,受託者がなお,いや,あの人がいいからとどまってほしいと,解任の裁判を取り消してほしいと,そこまで言う地位とか利益を受託者が持っているとは思えないという話をさせていただいたということです。 ○中田部会長 そうしますと,受託者が申立てをして,その申立てと異なる裁判がされたときには,即時抗告権は認められると。 ○松下幹事 受託者に申立権がある以上,それが通らなかった場合に,解任する方向で,つまり原審が解任を認めなかった場合に,いや,あの人不適切だからやはり解任してくれというのは,解任の申立権がある以上,即時抗告権も当然くっついてくると思うんですが,ほかの人の申立てで解任されたときに,逆向きに,いや,解任の裁判を取り消してくれという利益はないのではないかという話です。 ○大野幹事 事務当局からの御説明が不足しておりましたので,松下委員から御説明もあった点につき,事務当局からも改めて御説明させていただければと思います。   先ほどの吉谷委員の御発言は,信託管理人の解任の申立てが却下された場合を念頭に置かれたものと理解したしました。信託管理人について準用される信託法58条7項は,信託管理人を解任する裁判に対する即時抗告について規定するもので,事務当局が念頭に置いていたものは,こちらの場合でございます。これに対して,申立てが却下された場合には,信託法ではなく,非訟事件手続法に規律がございます。非訟事件手続法66条2項がその規律でございますが,申立てを却下した終局決定に対しては,申立人に限り,即時抗告をすることができるとされております。ですので,受託者が信託管理人について解任すべき事情があるものと考えて,その解任の申立てをしたが,裁判所がこれを却下するとの裁判をした場合には,受託者は,非訟事件手続法66条2項により,申立人として,その裁判に対する即時抗告をすることができます。逆に,信託管理人の解任の申立てに対して信託管理人を解任する裁判がされた場合が信託法の規定する場面ですが,このうち,まず,受託者が信託管理人について解任すべき事情があるものと考えて,その解任の申立てをしたところ,裁判所が申立てを認容して信託管理人を解任するとの裁判をした場合には,申立人である受託者は,その裁判に対する不服を申し立てる利益がありませんので,受託者が即時抗告をすることができるかどうかということは問題とはなりません。そうすると,残った場面としては,特定の信託管理人について委託者や他の信託管理人が解任すべき事情があるものと考えて,その解任の申立てをしたところ,裁判所が申立てを認容して信託管理人を解任するとの裁判をした場合に,受託者がその結論に不服がある,つまり信託管理人を解任すべきではないとして,即時抗告を申し立てることができるかどうかというものです。これについては,先ほど松下委員から御指摘がありましたが,もともと受託者に信託管理人の解任の申立権を与えた趣旨とは大きく異なるだろうということでございます。 ○中田部会長 ほかに関連する御意見はございますでしょうか。   松下幹事,どうもありがとうございました。 ○能見委員 裁判の問題ではなく,小野委員が先ほど言われたことについてです。受託者が解任された場合に,新しい受託者が選任されるまでの間について,先ほど小野委員から,解任された受託者があたかもそのまま続けて受託者としての任務を行うことができるかのようなニュアンスの御発言があったと思いますけれども,受託者が解任された場合には,一定の保存行為はともかく,それまでの権限のままで任務を遂行することはできないのではないかと思いました。どこかに信託法にも規定があったのではないかと思いますが。委任の終了のところに関連する規定があって,委任が終了したときに,緊急のときには,受任者はそのまましばらく委任の事務を行うことはできるという規定はありますけれども,これは解任された場合は恐らく違うんだと思うんですね。不適切な受任者だということで解任された以上は,そのまま続けるというのは適当ではないので。委任の場合はともかく,信託法の問題に戻りますと,信託の場合も,同様の考え方をすることになるのではないかと思いました。○中田部会長 ありがとうございました。   関連する御発言ございますでしょうか。 ○小野委員 信託法の条文でいくと,59条3項で,56条1項4号から7号で任務終了した場合で新たな受託者が任命されるまで,ただ,信託管理者の場合は別ですよということで,引き続き財産の管理をすると書かれていて,56条1項6号で受託者の解任が入っていると読んだんですけれども。もし解任が入らないとすると,そのとき誰が担当するのかなと,素朴な疑問もあります。 ○大野幹事 先ほどの小野委員の御発言は,信託法59条3項を念頭に置いていらっしゃると理解いたしましたので,事務当局からも,受託者の解任から始まる流れ自体については,小野委員が整理されたとおりですとお答えをいたしました。 ○中田部会長 受託者の任務の終了の問題と,受託者の解任から新受託者の選任に至る時間の経過の中での規律の適正化という問題と,二つの問題がここで現れていると思いますが,いずれについても検討していただくということになっておりますので,御指摘を受けて,次回までにもう一度見ていただくということにしたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。   ありがとうございます。   ほかにいかがでしょうか。もしないようでしたら,続けてよろしいでしょうか。   それでは,第16から第19までについて御審議を頂きたいと思います。事務当局から説明していただきます。 ○舘野関係官 それでは,次に「第16 公益信託の終了」から「第19 その他」までについて御説明いたします。   この第16から第19までにつきましては,従前の提案から変更等はしておりませんが,第17の「公益信託の清算」のうち,第17の「1 残余財産の帰属」の中で,公益信託の残余財産の帰属すべき者の実質について御意見等を賜りたく存じます。   信託法第183条は,帰属権利者について定めております。信託法上の帰属権利者は,信託の目的に従った財産の管理・処分が終了した後に,残存する財産が与えられるものにすぎないので,信託の終了事由が発生するまでは,受益者に与えられた権利を行使することはできず,信託の清算中においてのみ受益者とみなされ,その間,清算受託者の監督のために受益者が有する各種の権限を行使することができるものとされております。また,帰属権利者についても,受益権の取得について定めた信託法の第88条第2項や受益権の放棄について定めた第99条と同様の規律に従うものとされております。   これに対しまして,特定の受益者が存在しない公益信託にあっては,残余財産の帰属すべき者を受益者とみなして,残余財産の帰属すべき者においても受益者が行使することができる権限を有するものとすることは相当でないと考えられますし,そのように解したとしても,新たな公益信託では信託管理人を必置とし,信託管理人によって清算受託者を監督することとなりますことから,問題は生じないものと考えられます。   そこで,本部会資料第17の1(1)の(注)では,残余財産の帰属すべき者については,信託法第183条第6項の規律は及ぼさないものとするとの提案をしております。   また,183条第1項は,信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定されたものが,当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得するものとしております。帰属権利者として指定された者が,当然に債権を取得することにより,清算受託者に対して各種の義務が課されることになるなどの効果を直ちに導くことができるのであって,帰属権利者の利益となり,その合理的意思にも合致するものと考えられますが,これは,公益信託の残余財産の帰属すべき者についても同様に妥当するものということができます。そうすると,残余財産の帰属すべき者は,当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する者とすることが相当であると考えられます。   また,信託法183条3項が自己の意思に反して利益も不利益も強制されることはないという民法の一般原則を表した規定であることからすると,残余財産の帰属すべき者についても,残余財産の帰属すべき者として指定されたからといって,残余財産の帰属を強制されるわけではないと考えられます。これらを踏まえますと,公益信託の残余財産の帰属すべき者は,残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得し,また,残余財産の帰属に係る権利を放棄することができるものと考えられます。   また,信託法第184条第1項においては,受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)及び帰属権利者の全てに対し,その承認を求めなければならないものとされております。この受益者及び帰属権利者による承認は,清算受託者が職務を全うしたことの確認であり,帰属権利者が受益者とみなされることから生ずる監督的な権限であると考えられます。   これに対し,公益信託においては,先ほど御説明いたしましたとおり残余財産の帰属すべき者は受益者とはみなされない者と考えられることから,残余財産の帰属すべき者に対して公益信託事務に関する最終の計算の承認を求めることは相当でないものと考えられますし,公益信託においては,信託管理人によって清算の監督が行われていることからすれば,清算受託者は,当該信託管理人に対して最終の計算の承認を求めれば足りるものとも考えられます。そこで,本部会資料第17の1(1)の(注)では,残余財産の帰属すべき者については,信託法第184条の規律は及ぼさないものとするとの提案をしております。   これらの点につきまして,皆様から御意見を賜りたく存じます。   以上でございます。 ○中田部会長 ただいまの部分に入ります前に,先ほどのパートのところで,平川委員からの意見書の中で御意見を頂戴しておりますが,これについては,本日の部会で委員,幹事の皆様からお出しいただいた御指摘についての事務当局のお答えの中に含まれていると思いますので,重ねてお答えいただくまでもないかと思います。   そこで,ただいまの第16から第19までについての御審議を頂きたいと存じます。   ここでは,取り分け26ページの第17の1に関する補足説明で,公益信託の残余財産の帰属すべき者の実質について,詳しい説明がされています。この点を中心に御意見を賜れますと有り難く存じます。   どこからでも結構ですので,御自由に御発言をお願いいたします。 ○能見委員 ここに書いてある考え方の基礎になる考え方についての確認だけですけれども,公益信託の場合に残余財産が帰属することになる者については,私益信託の場合の帰属権利者とは違うところがあるので,規定上どこが違うかというのをはっきりと書くという方針と理解しました。その上で,そういうふうに条文上はっきりとさせるのであれば,以前のこの部会では,帰属権利者という言葉と違う言葉を使おうとしていたと思いますが,今回の案は,帰属権利者という言葉自体は私益信託の場合と同じものを使うとしても問題がない。そういう考え方でできていると理解してよろしいのでしょうか。   第17の1のところに「残余財産の帰属すべき者」という言葉が出ていますけれども,「残余財産の帰属すべき者」という表現は,信託法の182条の第1項の第2号のところにあり,さらに同条項でこれを「『帰属権利者』という」表現が出ていますので,これと同じものを公益信託の場合も使うという考え方でできているということですね。○中田部会長 いかがでしょうか。 ○大野幹事 公益信託において残余財産が帰属する者に関する規律の実質は,部会資料50にて御説明しているとおりです。もっとも,表現上の問題として,信託法の規定振りとの平仄など法制的な面からは,それを帰属権利者と表現せざるを得ないだろうと考えているというところでございます。ですので,御質問に対するお答えとしては,帰属権利者という言葉を使っていくことになると考えているというものでございます。 ○小野委員 ちょっと議論のための議論みたくなってしまって恐縮なんですけれども,目的信託の場合には,委託者が目的信託を監督するという立て付け,信託管理人が任意的設置で,ですから,清算の過程においても,委託者が監督をすることを一応コンセプトとしてはしているところを,恐らく帰属権者はより強い信託財産に対する利害関係を持っていることから,受益者と同じように監督権を与えましょうと,解釈するとそうなのかなと思います。今回の理由付けが,信託管理人がいるからということですけれども,実質はそれでもいいような気はするんですが,委託者に置き換わった信託管理人がいるというところからすると,利害関係は実は差はなくて,帰属権利者また帰属すべき者でもどちらでもいいんですけれども,やはり信託財産に対する強い関心,利害を持っているかと思うので,政策的に与えませんということは一つの理屈になりますけれども,そうではなくて,理屈上は要らないということには必ずしもならないのかなと思います。あと,政策的にも,サステナビリティ的な視点からすると,新たな信託財産の受託者になる方が,しっかりとその清算途中を監視するということもあってもいいのかなと。そうあるべきとまで思わないんですけれども,その辺どんなふうに考えるのか教えていただければと思います。 ○中田部会長 清算過程における委託者の監督権についての御指摘。 ○小野委員 そうですね。委託者が信託管理人に置き換わっているんで,信託管理人がいるからという理由には,必ずしもならないのではないかと。 ○中田部会長 分かりました。信託法と同様に,委託者にも監督権を追加的に与えるべきだということではなくて。 ○小野委員 違います,はい。 ○中田部会長 信託管理人がいるからということと,委託者がいるからということとの理由付けの重さというか関係ということですね。 ○小野委員 そうです。 ○中田部会長 分かりました。   関連する御意見ございますでしょうか。   今の小野委員の御発言は,太字部分の変更というよりも,説明の仕方についてということかもしれませんが。 ○小野委員 そうですね。本当,議論のためのだけなんです。 ○中田部会長 いえ,とんでもないです。   御指摘を頂いておりますが,何かございますでしょうか。 ○大野幹事 説明の仕方については,なお検討いたしたいと思います。 ○新井委員 ここでの趣旨には全面的に賛成しますけれども,ただ,用語の問題として,私益信託と公益信託で同じ帰属権利者という言葉を使いながら,実質がかなり違うというところは,なかなか分かりにくいと思います。それで,例えば,公益信託については少し用語を変えたらどうでしょうか。一例としては,公益信託帰属権利者とか,私益信託とは違うという趣旨を明示したほうが,一般にも分かりやすいのではないかなと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   関連する御意見ございますでしょうか。   言葉遣いについて,法制的な面からの制約もあるようですので,なかなか難しいところもあるかもしれませんけれども,本日,各委員,幹事からいただいた御意見を踏まえて,更に検討していただこうと思っております。   ほかに,この部分についての御意見,御質問ございますでしょうか。   あるいは,これまでの分全体を通じてお気付きの点などございましたら,ご意見をいただければと思いますけれども,いかがでしょうか。 ○山田委員 ありがとうございます。   促していただきましたので,一旦決着がついたところについて,交ぜ返す発言ではないのですが,少し意見を申し上げたいと思います。   預貯金の利子のところであります。   先ほど幾つか,三つぐらい意見が出て,預貯金の利子を広げていく方向での御意見があったように思います。基本的に,私,それで考えていただきたいという意見です。   そのときに,この補足説明のところに,預貯金については,ほぼ全ての国民が預貯金口座を保有しているという実態より,社会のインフラとして機能していると,これを理由にしていらっしゃいます。これで預貯金の利子を除くというのは,その点についてはいいのですが,この趣旨だけですと,やはり広がり方がなかなか広がらないように思います。したがって,もう少し別の観点から広げる方向を考えていただくのが,私はいいのではないかと思います。   そこで,何が挙がるかということなんですが,先ほど出た具体的な金融商品全部がそのとおりだなとはちょっと思わないのですが,例えば,普通預金にかなり商品性が近い,しかし元本が契約上は割れる可能性があると言われている投資信託があるように思います。短い期間の公社債を入れているんでしょうかね,というのがあるように思います。そういったものは,商品性からすると,普通預金と同等と考えられるように私は思います。預金保険は付いていないと思いますので,先ほどの発言の中に,預金保険を一つの媒介として広げていくというお考えもありましたが,それでもまだ足りないかなと思います。   それから,投資信託ではないのですが,国債というのは,何か古い時代から信託の議論をするときに,硬直的な信託ですら,国債についてはオーケーとしているというような,日本ではなくて外国のことかもしれませんが,そういう背景があったように思います。そうすると,国債は,満期まで持たないで途中で処分すると損失が生ずるという辺りをどう乗り越えるかということなんですが,結論としては,国債を持つ信託であっても,この公益信託の会計についての規制が働かないと。ですから,預貯金の利子と同じように除くという方向で考えていいのではないかなと。そうすると,恐らく満期前の売却は確かに売却損が生ずる可能性はあるけれども,そこは,目をつむるという言い方はよくないんですが,そこはそれでよいとして,基本的に満期まで持っていれば,元本は確保できるというものであり,何かこう社会のインフラというだけではなく,今,私もちょっと複数のことを申し上げましたので,金融の世界でこういうのをうまく整理する方法があれば整理していただき,整理する方法がなければ,ちょっとカズイスティックになりますが,社会的にどういったものまでここでは受け入れるのがよいかということを考えていただくのがいいように思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   普通預金に近いものということの含意として,安定性があるとか,利子があるとしてもそれほど多くはないとか,変動性が非常に少ないとか,そういう辺りでしょうか。 ○山田委員 それほど多くないというのは多分,全体の金融市場に依存しますので,定期預金でも30年ぐらい前は大分高い金利もあったように思いますから,何かこう,今の時代だけでは整理できないように思うのですが。しかし,基本的に柔軟な方向で,そして,法律に書き切れないならば,下位の法令に委ねて処理するという方法も,こういうところは何か積極的に考えたらいいのではないかなと,私は思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ほかに関連するご意見は。 ○小野委員 先ほど林幹事が発言したことに関連するんですけれども,当初の信託財産,株式の場合に,当然,当然といいますか,普通であれば配当が毎年入ってきますし,会社の業績がよければ株の数も増えていくと思いますし,それを金銭化するために売却ということもあるかと思います。   前は運用という議論をしたときは,それは運用ではなくて信託財産そのものの管理の議論であるという話であったと思います。ここでは,表現が収入ということで,すべからく新しい信託財産が金銭に置き換わると,それが収入になってしまうのかなと,ちょっと違う視点なんですけれども,表現上入ってしまうんだと思うんだけれども,趣旨からすると入らなくてもいいのかなと思ったりします。当初から不動産でそれを売却するということは原則あり得ないかもしれませんけれども,場合によっては,何か施設をよりよくするため,違うところに移転するため,売却ということもあるかもしれません。そういうふうに当初信託財産が金銭化するような状況,運用ではなくてですが,入るのか入らないのかとか,また入るべきか入るべきではないかという辺りはどう考えるのかというのは,いかがでしょうか。 ○中田部会長 ありがとうございました。   ここは,会計基準の適用除外という観点での絞り方ということですので,今おっしゃった問題とは,広がり方という意味では似たところがあるのかもしれませんが,ここは,会計基準を求める趣旨との関係で,どのような理由付けで広げることができるのか,できないのかという,その辺りが課題になっているという御指摘を頂いているんだと思います。小野委員の御指摘もそういったことかと理解いたします。 ○小野委員 もう一点,バックアップチームで議論したことで,今の関連で,美術品を何か展示して,そこで収入を得ると,ですから,別に営利事業ではなくて,それを,教会に入るときみたく寄附ですという場合は大丈夫だけれども,入場料ですというと駄目って,一応会計基準だからそういう整理なんでしょうか。しようがないとは思いますけれども。というようなことを議論したので,一応追加しておきます。 ○中田部会長 御紹介ありがとうございました。   ほかに,関連する御意見などございますでしょうか。 ○中田部会長 それでは,今の点につきましては,先ほどいただきました御意見とただいまいただきました御意見を踏まえて,事務当局の方で検討していただこうと思います。林幹事,どうぞ。 ○林幹事 先ほど言い忘れたのですが,第3の公益信託の要件の1で,附則3項,4項のことを触れられていたので,その点申し上げます。   今回はこれ以上検討しないという御趣旨だったと思います。この法制審でどこまでできるかとか,どうすべきかや,現状の認識とか,いろいろあって悩ましいことは分かっているのですが,なお改正できるなら改正したほうがいいという意見を従前から持っていますので,その点だけは申し上げておきたいと思います。   認可を受けられなかったら,直ちに無効にはならないとしたとき,現行の目的信託の規定を適用する,そのルートそのものはいたし方ないのですけれども,結局,そうすると,やはり附則3項,4項で引っ掛かって,実質的には信託として残っていけないという実態が目に見えているので,そういう目的信託をもっと使えるように附則を改正したらよいと思います。ただ,それについて,具体的にどこまで,どういう範囲でどうすべきかというのが,まだはっきりしていない面もあり,そういう意味では悩ましいのですが,なお可能であれば改正したほうがよいと思いますので,その点申し上げたいと思います。 ○中田部会長 御意見ありがとうございました。   ほかにございますでしょうか。 ○沖野幹事 中身ではなくて,表現だけのお話ですけれども,今後少し注意していただければと思う点です。   14ページの公益信託認可の取消しのところです。(1)のアですが,行政庁は,こういう場合には必然的に取り消すということで,アは公益信託の受託者の処理する信託事務に関する基準に該当するに至ったときになっております。(注1)を見ますと,第9の2の(2)ということですが,第9の2の(2)は,暴力団員等がその信託事務を支配しないものであることというのが基準になっておりますので,これに該当して取消しというのは,言語的に矛盾するというか,内容的に矛盾しますので,表現を変えていただいたほうがいいということが一つです。   それから,その次の(2)のところで,任意的取消しになっているのですが,アで,公益信託の受託者及び信託管理人に関する欠格事由に該当するに至ったときということですけれども,イの方で,公益信託の目的に関する基準の次に,公益信託の受託者及び信託管理人の資格に関する基準が引かれておりまして,資格に関する基準の中に欠格事由も入っていると思われますので,これは,アとイが重複になるように思います。そのことは,(注2)の記載でより明らかになりますので,ここも表現だけの問題かと思いますので,少し整理していただければと思います。 ○中田部会長 ありがとうございました。   いかがでしょうか。 ○大野幹事 ありがとうございました。   御指摘の点を踏まえまして,なお整理をさせていただきます。 ○中田部会長 ほかにございますでしょうか。   ほかに御意見がございませんようでしたら,本日の審議はこの程度にしたく存じますが,よろしいでしょうか。   それでは,この程度にいたしまして,最後に次回の日程等について,事務当局から説明していただきます。 ○大野幹事 次回の日程は,平成30年12月18日火曜日午後1時半から午後5時半まででございます。場所は,現時点で未定でございますので,改めて御連絡を差し上げます。   また,次回は,開始時間を午後1時半より後ろ倒しで変更させていただく可能性がございます。その場合には,改めまして御連絡を差し上げます。   次回は,今回までの議論を踏まえまして,可能であれば,要綱案の取りまとめをいただけるよう目指していきたいと考えております。資料につきましては,準備ができ次第,また皆様にお送りいたします。   引き続き,どうぞよろしくお願いいたします。 ○中田部会長 それでは,本日の審議はこれで終了といたします。   本日も熱心な御審議を賜りまして,ありがとうございました。 -了-