裁判員制度の施行状況等に関する検討会(第4回)議事録 第1 日 時   令和元年5月23日(木)午前10時00分から午前10時34分まで 第2 場 所   東京地方検察庁刑事部会議室 第3 出席者    (委 員)猪原誠司,大澤裕,大沢陽一郎,小木曽綾,島田一,菅野亮,山根香織,横田希代子,和氣みち子(敬称略)    (事務局)保坂和人大臣官房審議官,大原義宏刑事局刑事課長,東山太郎刑事局刑事法制管理官,是木誠刑事局参事官兼企画調査室長,河原雄介刑事局刑事法制企画官    (その他)戸苅左近最高裁判所事務総局刑事局第二課長 第4 議 題 1 当検討会において取り上げるべき事項等について 2 その他 第5 配付資料 資料1:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)の概要 資料2:国会審議の過程において取り上げられた事項(改正事項以外) 資料3:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)に対する附帯決議(衆議院法務委員会・参議院法務委員会) 資料4:武石委員意見メモ 第6 議 事 ○河原刑事法制企画官 それでは,予定の時刻となりましたので,ただ今から裁判員制度の施行状況等に関する検討会の第4回会合を開催いたします。 ○大澤座長 本日は皆様,御多用中のところお集まりいただきまして,どうもありがとうございます。   本日は,武石委員,堀江委員のお二人が私用のため欠席と承っております。   まず,議事に入る前に,事務当局の異動がございましたので,自己紹介をお願いいたします。 ○河原刑事法制企画官 刑事法制企画官の河原と申します。よろしくお願いいたします。 ○大澤座長 どうぞよろしくお願いします。   次に,事務当局から資料について説明をお願いいたします。 ○河原刑事法制企画官 本日お配りしている資料につきましては,議事次第,委員名簿,資料1「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)の概要」,資料2「国会審議の過程において取り上げられた事項(改正事項以外)」,資料3衆議院法務委員会及び参議院法務委員会の附帯決議,それに加えまして,本日御欠席でございます武石委員の意見メモがございます。このうち資料1及び資料3につきましては,第1回会合で配付いたしました資料3及び資料4と同じ内容のものでございます。 ○大澤座長 それでは,議事に入りたいと思います。   本日は,前回会合で皆様にお諮りしたとおり,本検討会において具体的にどのような事項を取り上げて議論していくのか,という点について御協議をいただきたいと考えております。   本検討会は,平成27年の裁判員法一部改正法附則において定められております新法の施行状況等についての検討を法務省が行うに当たり設けられたものでありますので,具体的な協議に入る前に,まずは平成27年の裁判員法一部改正法の概要,同改正法に関する国会審議で取り上げられた事項,附帯決議の内容,そういった点について事務当局から御説明をいただきたいと思います。   それでは,事務当局,お願いいたします。 ○河原刑事法制企画官 本検討会において,具体的にどのような事項を取り上げるかについて御協議いただくに当たり,事務当局より,平成27年に裁判員法を改正した際の国会審議において行われた議論の状況等について御説明申し上げます。   まず,平成27年に国会で審議され,法律として成立いたしました裁判員法改正法の概要について,第1回会合でも御説明申し上げておりますが,再度簡単に御説明申し上げます。   資料1を御覧ください。   改正内容としては4点です。   まず1点目は,審判期間が著しく長期にわたる事件について,対象事件から除外し,裁判官のみで審判を行うこととされたものです。   2点目は,重大な災害で被害を受け,生活再建のための用務を行う必要がある場合を,裁判員の辞退事由として追加することとされたものです。   3点目は,非常災害時に被災地域に住所を有する裁判員候補者について,呼出をしない措置をとることができることとされたものです。   4点目は,裁判員等選任手続での被害者特定事項の保護の観点から,裁判官,検察官,被告人,弁護人は,裁判員候補者に対して,正当な理由なく被害者特定事項を明らかにしてはならず,裁判員候補者等もその選任手続で知った被害者特定事項を明らかにしてはならないこととされたものです。   これら4点の改正事項の趣旨,内容等については,国会でも様々な観点から議論がなされました。   次に,改正事項以外で,国会審議の過程で取り上げられた事項について御説明申し上げます。   資料2を御覧ください。   改正事項以外にも国会審議では様々な議論がなされておりますが,その過程で取り上げられた事項については,大きく分けて資料記載の7つの項目に集約されると考えております。   1つ目は,対象事件の範囲の在り方についてであります。具体的には,性犯罪に係る事件は対象事件から除外すべきではないかといった点や,否認事件については罪種を限定せずに対象事件に加えるべきではないかといった点が取り上げられました。   2つ目は,公判及び公判前整理手続の在り方についてであります。裁判員裁判では,裁判員の方々の御負担が過重にならないよう迅速な審理が行われておりますが,短い審理日程の中での証拠調べや,それを前提とした公判前整理手続を充実させるための運用上の工夫がどのように行われているかといった点が取り上げられました。   3つ目は,評議・評決の在り方についてであります。具体的には,裁判員が裁判官と共に有罪・無罪や刑の重さについて議論するための評議が充実したものとなるための運用上の工夫がどのように行われているのかといった点や,評決において有罪を言い渡す場合,特に,死刑を言い渡す場合には全員一致にするなど,評決要件を加重すべきではないかといった点が取り上げられました。   4つ目は,上訴審の在り方についてであります。具体的には,裁判員裁判が国民の良識を反映させる形で行われた裁判である以上,裁判官だけで構成される上訴審ではなるべく覆せないようにすべきではないかといった点や,同様の観点から,上訴審も裁判員裁判にすべきではないかといった点が取り上げられました。   5つ目は,犯罪被害者等に対する保護・配慮の在り方についてであります。この点,裁判員等選任手続における新たな犯罪被害者等の保護のための措置につきましては改正法において盛り込まれたところでありますが,そのほかの公判や公判前整理手続においても,犯罪被害者等に対する保護・配慮が十分に図られているのかといった点が取り上げられました。   6つ目は,裁判員の守秘義務の在り方についてであります。裁判員には評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしてはいけないという義務が課されておりますが,その守秘義務の範囲について,裁判員や補充裁判員に十分な説明がなされているのかといった点や,その範囲を変更すべきではないかといった点が取り上げられました。   7つ目は,裁判員等の参加促進及び負担軽減のための措置についてであります。この点,裁判員等の辞退率の上昇及び出席率の低下の原因については,第2回会合における最高裁判所及び島田委員からの裁判員裁判の実施状況に関する御説明の中でも触れられておりましたが,国会審議においても,その原因についてどのように考え,どのような対策をとるべきかといった点が取り上げられました。   また,裁判員に選ばれると,公判審理等に参加するために時間的に拘束されるほか,裁判員になることに伴う不安感を始めとした様々な心理的負担を受ける可能性があるところ,そうした負担を軽減するための方策としてはどのようなものがあるのかといった点も取り上げられました。   こうした議論を経て改正法は成立いたしましたが,その際に,衆参両院では附帯決議がなされております。同決議の中には,改正法施行3年経過後の検討の場を設けるに当たって配慮すべきと明記されている項目が幾つかございます。その内容については第1回会合でも御説明申し上げたところではございますが,再度簡単に御説明申し上げます。   資料3を御覧ください。   まず,1枚目の衆議院法務委員会における附帯決議について,第3項及び第7項において,3年経過後の検討に関する記載がございます。   第3項においては,検討において,「裁判員経験者,犯罪被害者等の意見が反映されることとなるように,十分に配慮すること」が求められております。第7項においては,「死刑事件についての裁判員制度の在り方,性犯罪についての対象事件からの除外などの犯罪被害者等の保護の在り方,否認事件への裁判員参加の在り方,裁判員等の守秘義務の在り方等」について「十分な検討を行うこと」が求められております。   続いて,2枚目の参議院法務委員会における附帯決議については,第5項及び第6項において,3年経過後の検討に関する記載がございます。   第5項においては,衆議院の第3項同様,検討において,裁判員裁判関係者の意見が反映されるようにすることが求められており,「裁判員経験者,犯罪被害者」に加えて「法廷通訳人」が明記されております。   第6項においては,衆議院の第7項同様,検討を行うべき項目が列挙されており,具体的には「裁判員制度の対象の範囲,死刑事件についての裁判員制度の在り方,公判前整理手続の在り方」が明記されております。   事務当局からの説明は以上となります。 ○大澤座長 ありがとうございました。   ただ今の御説明について,何か質問等ございますでしょうか。 ○小木曽委員 参議院法務委員会の附帯決議ですが,そのうちの5番目の記述の中に「法廷通訳人」がわざわざ書いてあります。法廷通訳人についてのさまざまな問題は裁判員制度に限ったものではないと思うんですが,これは,特に裁判員制度と通訳人との関わりが意識されて,ここに書かれているのかどうかを教えていただければと思います。 ○河原刑事法制企画官 参議院の議論の過程におきまして,法廷通訳人に関する事項が議論されたという観点から,附帯決議に盛り込まれていると承知しております。基本的に,裁判員裁判は集中的に審理をするということで,そこで必要となる法廷通訳人の人員の確保の問題だとか,その能力の問題が取り上げられたと認識しております。 ○小木曽委員 ありがとうございます。 ○大澤座長 それでは,意見交換に入りたいと思います。   本検討会は,平成27年の改正法附則により求められている検討作業について必要な協力をするため,裁判員制度の施行状況と,それを踏まえた対応の在り方を中心に御議論をいただく場でございますので,御発言をいただく際には,そのような本検討会の開催趣旨にも御留意をいただければと思います。   また,そのような開催趣旨を踏まえれば,ただ今事務当局から説明のあった改正法の国会審議の過程で取り上げられた事項については,現行のままにするか,何らかの見直しをするかを含めて,ひとまず本検討会における検討対象とすることが適当ではないかと思われますが,その点についても御意見がございましたらお願いいたします。   なお,本日御欠席の武石委員から,企業の人事管理を専門にされているお立場からの御意見をいただいております。先ほどの配付資料の中にございましたが,こちらも御参照をいただければと思います。   それでは,検討事項につきまして御意見のある方は挙手の上,御発言をお願いいたします。 ○小木曽委員 総論的な話ですけれども,これまで種々御説明いただいたところで,制度は定着してきているということが分かります。何よりも裁判員をお務めになった皆様のほとんどが良い経験であったと言われていることからしますと,制度を維持しつつ,ただ,辞退率を上げないための気の長い取組として,どのような策があるかということを考えるべきではないかと思います。気の長いと申しますのは,始まって10年ですので,数百年の歴史を持っている国と比べて,10年で悲観することも楽観することもないと思います。ですから,制度を定着させるために何が必要かという視点で種々の検討をするのがよいだろうと思います。   また,裁判員の負担を軽減するために,例えば審理期間を短縮するということが,おとといですか,シンポジウムでも言われたという報道に接しましたけれども,他方で,裁判は事実認定の正確さと公正さというのが最も重要なポイントでありますので,拙速であってはいけませんし,また,もともと裁判はそれに携わる人に一定の負担が掛かるものですから,そのバランスをどのようにとるのかという観点から,検討をすることが望まれると思います。   項目としては,国会審議の過程において取り上げられた事項は,いずれも今後検討対象になるのだろうと考えます。 ○山根委員 ここ数日,随分報道もありまして,広報のチャンスだなというふうにも思っております。   経験者の9割以上がやってよかったというふうに回答しているということは,すばらしいと感じています。ただ,やっぱり辞退者が多いということで,いろいろ見直しも必要だなと思うわけですけれども,10年の節目ということですので,余り前提というようなものを設けずに,幅広く検討すべきであろうというふうには思っています。   やはり関心を高く持つのは,国会審議の過程でというところで見ますと,6番,7番のところでありまして,守秘義務の範囲について,あるいは説明の仕方等々について見直すところがないかどうか,あと負担軽減ということで心のケアであったり,日本の量刑制度や矯正施設等々のことを十分理解して臨めているかであったり,様々見ていくところがあるのかなというふうに思っております。 ○大沢委員 今回の検討をしていく上で,こちらの国会審議のところでも附帯決議のところに衆院でも参院でも書いてあるんですけれども,やはり裁判員経験者の方の声をしっかり聞くということが基本になるのではないかと思っております。   それで,ちょうど施行10年で,報道機関でいろいろな報道が出ていますけれども,やはりそういった報道をよく見ていくと,裁判所のアンケートでは,直後ということもあって非常によかったという回答が非常に多いと思うんですね。それは非常に良いことだと思うんですけれども,やはり終わった後の高揚感とか,そういったもので,かなり良く出ている面もあるんだと思います。ですから,各報道機関のいろいろな記事を読んでいくと,かなりたってから後のいろいろな感想を聞いていくと,いろいろな思いをされているんだなということがよく分かるんではないかと思います。   ですから,やはり直後の声だけではなくて,裁判をやって5年たって,10年たって,どういうふうな思いを持っておられるのかと,そういったことも,時の経過とともにやはりいろいろな負担感,心の負担感もあると思いますので,例えば特に死刑ですよね。死刑判決について,判決直後は良かったと思っていらっしゃって,例えばそれが確定して,確定した時点で裁判員経験者がどう思われるか,それからまた,何人かの死刑囚の刑が執行されていますけれども,刑が実際に執行されてしまった後にどう思われるかとか,そういったことも,なかなか声を聞くということは難しい面もあるかもしれませんけれども,なるべくそういったいろいろな段階の声をしっかり聞いて,そういう中で,実際務めた中で何が負担だったのかということを,しっかりまず経験者の声を聞いて,そこで何か変えていかなきゃいけないのかということを考えていくことが必要なのではないかと思っています。   そういった中で,守秘義務のことも出ていますけれども,例えばそういった今ある守秘義務が,自らの経験を伝えていく際に何らかの負担につながっているのかどうか,そういったこともしっかり聞いていくことが必要なのではないかというふうに思っております。 ○和氣委員 被害者の側からお話しさせていただきます。裁判員裁判になりまして,言葉の使い回しなど非常にかみ砕いた表現で,とても分かりやすくなったという意見が結構ありますけれども,それでもまだまだ,付き添い支援をしている中で,改善していただきたい部分が多々あります。例えば加害者と被害者とが法廷内外の通路でバッティングしてしまいます。そういう細かい部分の改善の余地はありますので,是非そういうところも,被害者の声を是非多く聞いていただきたいということも述べさせていただきます。 ○横田委員 さっき小木曽委員も裁判は事実認定の正確さと公正さが重要だとおっしゃっていました。裁判員裁判において,その辞退率が増加しているということは非常に問題であると思っておりますし,裁判員の方が参加しやすくなるということは非常に大事なことだと思っております。   ただ,裁判員の参加しやすさということばかりに目がいってしまって,真相解明という刑事訴訟の,刑事裁判の目的,こういうものをないがしろにするというような,そういうことのないように議論していく必要があるのではないかと考えております。 ○大澤座長 国会審議の過程で挙がってきた事項は全部取り上げましょうということで,それを前提に更に何か意見を言おうとすると,なかなか難しいのかもしれませんが,今御発言にありましたように,こういう点は特にしっかり議論すべきでないかとか,あるいはこういう形で議論すべきでないかとか,そういったご指摘・ご提案でも結構かと思いますので,更に御意見があればお願いしたいと思いますが,いかがでございましょうか。 ○島田委員 裁判所といたしましては,この10年間,法曹三者の協力の下に,おおむね順調に裁判員制度を運用できてきたなというふうに考えておるところではございますが,いろいろなシンポジウムですとか報道などを通じても,いろいろな問題点,指摘されております。   裁判所の取組としましても,前回あるいは前々回,この会合の中で問題点として幾つか提起させていただいたところでございます。そのあたりが本日の各委員からの問題意識にも反映されているのかなと思いますので,まずはいろいろな問題点を取り上げて御検討いただければなというふうに考えております。 ○東山刑事法制管理官 先ほど和氣委員の御発言の点で,もしよければ1つ御質問させていただきたいんですけれども,被害者の方々から見て,問題が多々あるということをおっしゃって,1つの例として,恐らく裁判所内での動線の話を挙げられたと思うんですけれども,それ以外に,もし今の時点でおっしゃれるような問題点があるのであれば,事前に聞かせていただけるのであれば,我々としてもテイクノートしておきたいなというふうに思っております。 ○和氣委員 実は今,全国被害者ネットワークの方から,各被害者支援センターの方にアンケートを取っておりまして,その中でも挙がってきている事項があったりしまして,申し訳ないですが,まとまっていないものですから,次回発言させていただきたいなと思っています。 ○山根委員 先ほどから経験者にもっと語ってもらう場が,というか,聞く必要があるというようなことが出ていますけれども,それは本当にそのとおりだと思っていまして,ただ,ここのところの報道を見たりしますと,経験した方々の交流も進んでいるというふうに聞きます。ただ,それが社会にオープンにというよりは,経験者同士の思いの交流,共有の場というような面が強いのかなと思います。心理的な負担をそこで和らげる場にもなっているということであれば,それも役割としてはいいんですけれども,ただ,未経験者に向けてとか,社会全体に向けての情報発信も,そういうところからもあっていいのかなというふうに思っています。ですから,そのあたりの方々から,今後ヒアリング等の機会があるのであれば,お話も聞いてみたいと思うところです。   それからもう1点,細かい話かもしれませんけれども,最初に裁判員選任者に郵送される案内ですね,呼出状と呼ばれる。それの中身を見てみたいなというふうにも思っております。そもそも呼出状というタイトルは余り,ちょっと圧力を感じるもので,好ましくないのではないかということを制度の発足の頃にも言った覚えがあるんですけれども,それはともかく,裁判所から物が届くというだけでも一般の人からすれば特別なことであって,そこでもう一気に緊張を持つと思うんですけれども,その中身について,十分制度を理解できるものであるかとか,いろいろ不安を解消して,よし,やってみようというふうな意欲を持てるものとなっているかということは,見てみたいなという思いがあります。   特に辞退理由の説明などが,だったら私,やらなくて済むわというようなことに取られるようなものになっていないかであったり,あと,会社や家族にどういうふうに協力を得ればいいかということも何か触れてあるのかとか,そのあたり,もしできれば見て確認してみたいなというふうにも思います。 ○大澤座長 呼出状とかそれに関する説明文書,質問票といったようなものは,資料としてお示しいただいても差し支えのないものですか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 はい。 ○大澤座長 そうすると,実際に見せていただけると一番わかりやすいかと思いますが,お願いできますでしょうか。 ○島田委員 次回,裁判所の方で用意させていただきます。 ○大澤座長 お願いします。   ほかにいかがでございましょうか。   この問題点について,こんなものがあったら,あるいはこういう方からお話が聞けたらというようなことでもよろしいのかと思いますが。 ○横田委員 最近の報道とかシンポジウムとかで拝聴しておりますと,裁判員の方がなかなか参加しにくいとおっしゃるのは,一番に仕事との関係であるとおっしゃっていたので,裁判員の方ばかりではなくて,裁判員を送り出された企業側の方などに,裁判員を送り出すに当たって,どういうところがハードルなのかとか,そういう企業側の方のお話も聞いてみたいです。 ○大澤座長 多分,武石委員の問題意識にも通じるのかなという気がいたしますが。 ○小木曽委員 もう1つ言うとすれば,先ほど私,気の長い取組と申しましたけれども,やはり参議院法務委員会の附帯決議の2番目に「法教育」というのがあるんですけれども,この場の趣旨に沿うかどうか分かりませんが,児童か生徒か,生徒でしょうか,くらいの学校,中学校とか高校とかいうところで,国民の義務としてそういう制度があって,参加することになっているんだというようなことが語られることは,長期的には重要なことではないかと考えます。そうすると,学校でどういうふうにこういう問題を取り扱っているのかというようなことも,時間があれば検討してみるのがいいのかもしれないと思います。 ○大沢委員 もしデータというか,実情を教えていただければということなんですけれども,裁判員の方が終わった後に,相談を受け付けるコールセンターみたいなものが裁判所にはあったように思うんですけれども,それがどれぐらい利用されていて,それで,その内容をオープンにということはなかなか難しいのかもしれませんけれども,どんな時期に,どんな相談があって,それで対処されていらっしゃるのかという,そういう相談の体制とか,それからどういった悩みとか,そういう相談が寄せられていて,どういう対応をされているのかという,そんなことが,なかなか個別の中身についてというわけにはいかないかもしれませんけれども,教えていただける範囲で結構なんですけれども,もし教えていただけたら議論の参考になるのではないかと思いますので,一言申し上げます。 ○島田委員 ただ今の大沢委員からの御質問の趣旨の確認になるんですけれども,これは裁判所ではメンタルヘルスサポートという窓口を設けておりますが,そのことについてでよろしいでしょうか。 ○大沢委員 そうです。 ○島田委員 分かりました。   最高裁の方で,そちらの方は準備可能でしょうか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 可能な範囲でという形になりますが,次回,お持ちさせていただきます。 ○大澤座長 大体意見は尽きたということでよろしいでしょうか。特にどれを除けという話でもございませんし,国会の中で議論されていた事項は広く取り上げましょうということで,特にこれ以上,今日は御議論もないようですので,それでは,大分予定した時間よりは早いですけれども,この論点に関する議論はこれで終了ということにさせていただきたいと思います。改めて,本日の議論を踏まえて,事務当局の方で論点を整理したものをまとめていただけるということかと思います。   それでは,続いて次回以降の進行について,委員の皆様にお諮りしたいと思います。   引き続き本検討会で検討すべき事項について御検討をしていただくに当たりまして,これまでの皆様方からの御意見や,あるいは附帯決議の内容も踏まえて,裁判員経験者,犯罪被害者等からのヒアリングを行い,その後,意見を広く聴取するのがよいのではないかと考えておりますが,次回以降,ヒアリングを実施するということでよろしいでしょうか。 (一同了承)   それでは,そのようにさせていただきます。   具体的な人選や実施方法等については,本日いただいた御意見等も踏まえて私の方で検討し,事務当局を通じて委員の皆様にお知らせすることにさせていただきたいと考えますが,それでよろしいでしょうか。 (一同了承)   それでは,第5回以降の会合の進行については,今申し上げたようにさせていただきます。   本日予定した議事は以上でございますが,この際,何か御発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。   では,最後に,事務当局から次回以降の日程について御確認をお願いいたします。 ○河原刑事法制企画官 次回以降の日程につきましては,第5回会合を7月4日木曜日午前10時から,第6回会合を7月25日木曜日午後3時から,それぞれ開催する予定としております。場所につきましては追って御案内を申し上げます。 ○大澤座長 それでは,本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。 -了-