裁判員制度の施行状況等に関する検討会(第9回)議事録 第1 日 時   令和元年11月19日(火)午前10時5分から午前11時2分まで 第2 場 所   東京地方検察庁会議室 第3 出席者    (委 員)大澤裕,大沢陽一郎,小木曽綾,重松弘教,島田一,菅野亮,武石恵美子,田野尻猛,堀江慎司,山根香織,和氣みち子(敬称略)    (事務局)保坂和人大臣官房審議官,大原義宏刑事局刑事課長,吉田雅之刑事局刑事法制管理官,羽柴愛砂刑事局参事官兼企画調査室長,鈴木邦夫刑事局刑事法制企画官    (その他)戸苅左近最高裁判所事務総局刑事局第二課長 第4 議 題 1 当検討会において取り上げるべき事項等について 2 その他 第5 配付資料 ・委員名簿 ・資料1:検討事項(案) ・資料2:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)の概要 ・資料3:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)に対する附帯決議(衆議院法務委員会・参議院法務委員会) ・資料4:最高裁判所説明資料 第6 議 事 ○鈴木刑事法制企画官 ただ今から裁判員制度の施行状況等に関する検討会の第9回会合を開催いたします。 ○大澤座長 本日は皆様,御多用中のところお集まりいただきまして,ありがとうございます。   本日につきましては,全委員御出席でございます。   それでは,まず事務当局から資料について,説明をお願いいたします。 ○鈴木刑事法制企画官 本日お配りしている資料は,議事次第,委員名簿,資料1「検討事項(案)」,資料2「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)の概要」,資料3「衆議院法務委員会及び参議院法務委員会の附帯決議」,資料4「最高裁判所説明資料」です。このうち資料2及び資料3は,第1回会合及び第4回会合で配付した資料と同じ内容のものを参考資料としてお配りするものです。資料に不足のある方はいらっしゃいますでしょうか。 ○大澤座長 それでは,議事に入りたいと思います。   前回会合で皆様にお諮りしましたとおり,本日は本検討会において具体的にどのような事項を取り上げるかについて御協議いただきたいと考えておりますが,その前に,前回会合のヒアリングにおきまして,裁判員経験者から御指摘がありました裁判員メンタルヘルスサポート窓口についての御説明をお願いしたいと思います。   裁判員メンタルヘルスサポート窓口については,既に第5回会合において,最高裁判所及び島田委員から資料の御提供をいただき,その概要について御説明いただいておりますが,さきのヒアリングで示された問題意識も踏まえまして,更に詳細な説明を伺うことが今後の意見交換にも有益であると思われますので,最高裁判所及び島田委員から御説明をお願いしたいと思います。   それでは,まず戸苅課長,お願いいたします。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 それでは,最高裁から裁判員メンタルヘルスサポート窓口について簡単に御説明させていただきます。   「最高裁判所説明資料」を御覧になりながらお聞きいただければと存じます。   裁判所では,何らかの身体的・精神的不調を訴える裁判員,補充裁判員の方が現れた場合に備えて,メンタルヘルス対策等の専門知識を有する業者による相談窓口を設置しまして,カウンセリング,健康相談等を実施することにより,裁判員,補充裁判員の方の身体的・精神的不調を解消,軽減するとともに,裁判員裁判に参加することについての国民の不安を解消する,こういう目的の下に,裁判員制度の施行当初から裁判員メンタルヘルスサポート窓口というものを設置しております。   この裁判員メンタルヘルスサポート窓口の内容は,大きく分けて三つございます。一つは,電話によるメンタルヘルス相談,健康相談。二つ目は,インターネットによるメンタルヘルス相談,健康相談。三つ目は,委託業者直営の相談所,あるいは全国47都道府県にある提携機関における対面カウンセリングによるメンタルヘルス相談でございます。メンタルヘルス相談については,臨床心理士などの専門カウンセラーが相談に応じまして,健康相談については,看護師などの専門スタッフが相談に応じております。いずれについても,必要に応じて医療機関の紹介も行っております。   この裁判員メンタルヘルスサポート窓口につきましては,裁判員,補充裁判員として選任されたその日から利用でき,利用期間に制限はございません。電話相談,インターネットによる相談の受付は,24時間・年中無休で行っておりまして,利用回数に制限はございません。電話料,相談料も無料となっております。   なお,対面カウンセリングにつきましては,5回まで無料となってございます。   業務内容の詳細につきましては,先ほど申し上げた本日机上配付しましたリーフレットにも記載されております。このリーフレットは,現在実際に裁判員,補充裁判員の方々に配付しているものの見本でございます。このリーフレットを使って,裁判員,補充裁判員の方々に実際にどのように説明しているのかなどにつきましては,この後,島田委員の方から御紹介いただきたいと思っております。   最高裁判所からの説明は以上でございます。 ○大澤座長 続きまして,島田委員から御説明をお願いいたします。 ○島田委員 それでは島田から,裁判員等の心情に対する配慮について,メンタルヘルスサポート窓口の説明や,その他の配慮に関して,10分弱で御説明いたします。   まず,メンタルヘルスサポート窓口の説明についてです。   私が裁判長を担当しているときは,メンタルヘルスサポート窓口の説明を少なくとも2回はしていました。事件によっては,刺激証拠を取り調べたり,とても重い量刑になったりすることもあるため,事案の内容や裁判員の様子に応じて,説明の内容に濃淡をつけたり,更に説明の回数を増やすこともありました。したがいまして,これから御説明する内容は,飽くまでも基本形ということになります。   まず,1回目の説明ですが,裁判員,補充裁判員を選任した当日に行っていました。その流れについて御説明いたします。   裁判員,補充裁判員の選任や宣誓の手続が終わると,裁判官,裁判員,補充裁判員は評議室に移動いたします。そして裁判官が自己紹介をしたり,審理の日程や集合時間,集合場所,評議室における冷蔵庫やロッカーの利用方法,昼食などの一般的な説明をした後,このメンタルヘルスサポート窓口について説明をしていました。   説明の内容は,おおむね次のとおりです。  「お手元の裁判員メンタルヘルスサポート窓口と書かれたパンフレットを御覧ください。もし皆さんが事件のことで悩んだりした結果,眠れなくなったり,食欲がなくなったり,あるいは気分が沈んでしまったなどの精神的な,又は身体的な変調を感じたときは,裁判所が提携しているメンタルヘルスの相談窓口を利用することができます。専門のカウンセラーが対応してくれます。電話やインターネットによる相談は,いつでも無料です。この相談で改善できないときは,5回まで無料で面談による相談を受けることができます。臨床心理士などが対応してくれます。このサポートは,裁判の期間中はもちろんのこと,裁判の手続が全て終わった後でも利用することができます。今日は,このパンフレットをお持ち帰りいただき,内容をよく読んでおいてください。」このような説明をしていました。なお,メンタルヘルスサポートのことを余り強調してしまいますと,かえって裁判員の方,補充裁判員の方を不安にさせてしまうおそれもありますので,「今回の事件では心配ないと思います。」というようにつけ加えることもございました。   次に,2回目の説明ですけれども,こちらは判決宣告が終わった後にしていました。説明の内容は,おおむね次のとおりです。   「皆さんのおかげで無事に判決を言い渡すことができました。これで,今回の事件について裁判員,補充裁判員の仕事は全て終わりました。お忙しい中,御協力ありがとうございました。最初のうちは,緊張感やストレスがあったことと思いますが,今,皆さんのお顔を拝見する限り,充実感にあふれており,心配なことは何もないように思います。しかし,今後,裁判のことを思い返して,眠れないとか,食欲がないとか,気分が落ち込むようなことが起きるかもしれません。万が一そのような状態になったときは,最初の日に御説明したとおり,メンタルヘルスサポートの相談窓口を利用することができますので,パンフレットを見て早めに御相談ください。」   このような説明をしていました。   次に,その他の配慮についてですが,裁判員の緊張感やストレスをできる限り軽くするために私が心掛けていたことを幾つか御紹介いたします。全ての事件で同じというわけではなくて,事件の内容や裁判員,補充裁判員の状態などに応じて個別にあるいは柔軟に対応していました。九つの項目について御説明いたします。   まず1点目ですが,毎朝法廷が始まる前に集合した段階で,裁判員,補充裁判員に対し,睡眠はとれているかどうか,体の調子に変化はないか確認をしていました。   2点目,御遺体の写真など,刺激証拠を取り調べる予定があるときは,裁判員等の選任手続であらかじめ説明をして,辞退を希望するかどうか確認の上,その判断をしておくほか,証拠調べの直前に,これから御遺体の写真を調べるなどという説明をして心構えをしてもらうこと。そして,刺激証拠の取調べが終わった後,法廷の中で裁判員,補充裁判員の様子を確認したり,次の休憩時間には気分の変調がないか確認をするようにしていました。   3点目ですが,昼休みはできる限り裁判員,補充裁判員の皆さんと一緒に食事をとり,世間話や趣味の話など,裁判以外のことをお話をして,緊張感を和らげるように心掛けておりました。   4点目,一日の審理が終わった段階で,裁判員,補充裁判員の皆さんの疲労の程度を確認して,自宅に帰った後は事件のことは忘れて日常生活を送ってくださいと,このようなお話をしていました。   5点目,審理や評議の期間を通じて,裁判官,裁判員,補充裁判員が一体感を持てるように努力をしておりました。例えば,裁判員の年齢や職業,社会経験などによって意見が異なることはあり得るということを前提にして評議を行っていましたし,どのような意見が述べられても否定的な対応はしないようにしていました。また,少数意見の裁判員,補充裁判員が孤立しないようにしておりました。裁判の結論については全員で十分に議論を尽くして決めたものであって,決して一人で責任を負うべきものではないこと,もし裁判の結果について批判されるようなことがあったときは,裁判官が全ての責任を持つ旨説明をしておりました。   6点目,裁判が終わった後のことですが,裁判員,補充裁判員がお互いに連絡をとりたいという希望をしている場合には,相手方の確認をした上で連絡先が共有できるようにしておりました。   7番目,前回も出ていた判決結果などを教えてほしいという要望ですけれども,判決要旨の送付や控訴の有無を教えてほしいと希望する裁判員,補充裁判員がいらっしゃるときには,仮名処理をした判決要旨を送っていました。また,その際,控訴があったかどうかについても連絡をしていました。さらに,控訴審の結果について問い合わせがあれば,分かっている範囲内で対応するようにしておりました。   8番目,審理や評議の進行中に体調を崩した方がいらっしゃるときには,辞退を勧めて,辞退した人についても裁判所の職員を通じて電話連絡をするなど,アフターケアを図るようにしておりました。   9番目,その他一般的なことですけれども,審理や評議の間に裁判員が気になることがあれば,いつでも裁判官に気軽に相談したり質問できたりする旨,説明しており,実際にそのような相談や質問があったときには,これに応じておりました。また逆に,裁判官からも気になる点があればお声がけをして,個別に話を聞いて,裁判員,補充裁判員のニーズに応じた対応をするように心掛けておりました。   私自身はこういったことを陪席裁判官と協力して配慮を心掛けていたところです。ほかの裁判長に伺っても,やはり似たような配慮をしているようです。   私からの説明は以上です。 ○大澤座長 ただ今の戸苅課長及び島田委員の御説明について,質問等ございますでしょうか。 ○和氣委員 このような制度があって,裁判員の方々には非常に有り難い制度だと思います。  私も被害者支援に携わっていますので,相談員の方たちもスーパーバイズを受けてもらうこともあります。メンタルヘルスを行うということがとても重要になってきているわけですが,私たちは専門の医師にお願いをしています。  このチラシの中に専門カウンセラー臨床心理士というふうにありますけれども,この方たちは国家資格を取られていない方だと思います。現在は公認心理師という国家資格を取っている方が対応された方がよろしいのかと思いますがいかがでしょうか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 今の御指摘,公認心理師というお話も私も聞き及んでおります。この制度としましては,例えば電話カウンセリングの心理カウンセラーとしては臨床心理士とか精神保健福祉士,産業カウンセラー,一定程度の専門的知識を有する専門家ということでお願いしているところでございます。そういう意味では,公認心理師に限るとか,そういう話にはなっておりません。 ○和氣委員 せっかく国家資格となって資格を取られている方々が多いですので,ぜひこちらも公認心理師の方で対応していただけるとよろしいのではないかと思います。 ○山根委員 二つ質問があります。   一つは,窓口ですけれども,選任されたその日から受けられるということで,受けている場合でも5回まで面談もできるというふうに伺ったんですけれども,そうしますと,このパンフレットの一番上に,裁判員,補充裁判員又はそのいずれかであった方のためのというふうに記載がありますと,これは全て終わったときに配付されるというふうに読めるんですけれども,そこはどうなのかなということと,あと,体調不良がうかがえたときに,辞退を勧める場合もあったというお話でしたけれども,そのときは,随分慎重な配慮というか,難しい判断なのかなとも思われますが,そのあたり,何に気をつけているかとか,教えていただければと思いました。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 今委員御指摘のリーフレットの上の方にあるところなんですけれども,「裁判員,補充裁判員」は現在裁判員,補充裁判員を務めておられる方ということです。つまり,選任された当日から終わるまでのことを指して書いてあるつもりでございます。「または」以下は,結局,裁判員,補充裁判員を務め終わった方についても対象になるという意味で記載しております。それは,心の負担とかそういうものは終わってから生じる場合もあり得るということでございますので,裁判員,補充裁判員の任務が終了した後もこのメンタルヘルスサポート窓口を御利用いただけると,そういうことでこのような記載となっております。 ○島田委員 後半の質問について,島田から回答いたします。   先ほど御説明したとおり,毎朝,あるいは日中の間,それから一日の審理が終わった後,裁判員の方の様子を私たちはよく見ております。そして,例えばそれまで元気だったのに急に元気がなくなったとか,お昼御飯食べているときにどうも食欲がなさそうだとか,そういったことに気がついたときには,裁判長だけではなくて裁判官やほかの書記官も含めていろいろ情報を集めて,その上で個別に御本人の体調について何か心配な点はありますかという形で聞くようにしておりました。   もちろん,ほかの皆さんの前でそういうことを聞くわけにいかないので,席を外して個別に聞くわけですけれども,そのときにやっぱり調子がよくないというお話があれば,続けることができるのかということを更に質問させていただいて,その実情を聞いた上で対応するようにしていました。実際に辞退された方もいらっしゃいますけれども,その後,体調の変化がどうなのか,回復したのかどうか,書記官を通じて電話で確認をしたりというアフターケアをさせてもらっておりました。 ○武石委員 シンプルな質問三つなんですが,この制度がいつから始まったのかということと,それから,少し前から始まったのであれば,利用状況などが分かれば教えていただきたいということが2点目。それから3点目なんですが,ちょっと私,聞き逃したかもしれないんですが,これはどのタイミングで送られてくるのかということを教えてください。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 この制度は,裁判員制度施行当初から始まっております。   利用状況なんですけれども,検討会の第5回ですか,施行当初から令和元年5月末までの窓口利用件数,総数が430件と申し上げました。10月末までのデータでいきますと448件,利用件数がございます。また,先ほど島田委員のお話にもありましたが,裁判員,補充裁判員選任当日に裁判官から,選任された裁判員,補充裁判員の方々に配られて,先ほど島田委員が御説明したような説明をするという形が多いかと思っております。 ○武石委員 分かりました。先ほどの件数は,どの件数になるんでしょうか。電話相談,ウエブ相談いろいろありますが。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 448件の内訳でいうと,電話が372件ですね。メール相談35,面接が41です。 ○武石委員 これは同じ人が繰り返すと,要は延べの回数ということになるわけですか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 これは延べですね。 ○武石委員 何人かというのは分からないですよね。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 すみません,延べ人数になります。 ○武石委員 分かりました。   それと,そうすると裁判員と補充裁判員に選ばれないと,このパンフレットは見ないということですね。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 そうですね。 ○武石委員 要は,裁判員になると,こういう制度があるんだなということを知って受けるか受けないかを判断するとか,そういうことはできない。こういう制度があることを前提にして,不安な人がこういう制度があることは分からないままに断っているケースもあるかもしれないということでしょうか。 ○島田委員 裁判員候補者の通知をしたときに,このようなサポートがあるということも冊子の中に注意書きがあったと思います。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 確認させていただきます。 ○堀江委員 島田委員が工夫の例として九つ挙げられた中で,判決要旨の希望があれば送付をされているとおっしゃったかと思います。それから,控訴の情報もお伝えすることがあるとおっしゃったと思うんですが,それらは個々の部ごとで個別に判断してされているということなのか,それとも,例えば各地方裁判所単位で統一的な運用を図っておられるということなのか,その点を教えていただければと思います。 ○島田委員 判決要旨の送付については,もちろん個々の裁判体の判断になるわけですけれども,その点については裁判長,あるいはほかの裁判官含めて,おおむね合意はできているだろうというふうに考えております。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 先ほどの武石委員の御質問なんですけれども,裁判員候補者名簿に載ったときの通知の中に同封されているパンフレットの中で,裁判員が不安や悩みを相談するところはありますかということに対する説明として,裁判員メンタルヘルスサポート窓口の紹介をしている部分がございます。 ○武石委員 分かりました。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 そういう意味では,候補者の方々もそれはお読みになって理解をした上で選任手続に臨むという形にはなるかと思います。 ○武石委員 ありがとうございます。 ○大澤座長 候補者名簿に載ったときの通知でしょうか。呼出しのときではなくて。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 候補者名簿に載ったときに送る書類の中のパンフレットにそういう記載がございます。 ○大澤座長 堀江委員はよろしいですか。控訴の点もありました。 ○堀江委員 控訴に関する情報の点も判決要旨の送付と同様ということですか。 ○島田委員 そうですね,同様というふうに私は理解しております。 ○堀江委員 裁判長,裁判官で合意されているというふうにおっしゃったんですけれども,それは例えば東京地裁の中でということですか。それとも全国的にということですか。 ○島田委員 それぞれの裁判所でどのように取決めをしているのかまでは,ちょっと私は分からないんですけれども,私個人が裁判員裁判を担当した東京地裁と大阪地裁では,ほかの裁判体も同じように判決要旨の交付,それから控訴の有無について問い合わせがあったときには対応するようにしている方が多かったと思っています。 ○大澤座長 私も一つだけ。10年以上この窓口を設けているということですが,外部の機関に委託をしているという御説明だったと思います。外部の機関は,この10年間で替わったりしているんでしょうか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 替わっております。 ○大澤座長 何年かで入札か何かをされるのでしょうか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 入札です。 ○大澤座長 分かりました。中身は全く同じでしょうか。 ○戸苅最高裁刑事局第二課長 そうですね。 ○大澤座長 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。   それでは,本日のところは,この問題はここまでということにいたします。戸苅課長,島田委員,ありがとうございました。   続きまして,本検討会において具体的にどのような事項を取り上げるかについての協議に移りたいと思います。   まずは,本日お配りした資料1「検討事項(案)」につきまして,事務当局から説明をお願いいたします。 ○鈴木刑事法制企画官 本検討会において,具体的にどのような事項を取り上げるかにつきまして御協議をいただくに当たり,事務当局として,これまでの御議論等を踏まえ,「検討事項(案)」を作成いたしました。   本日,お手元に配付いたしました資料1「検討事項(案)」を御覧ください。   検討事項は,「1 平成27年改正法により設けられた制度の在り方」から,「8 裁判員等の参加促進及び負担軽減のための措置」までの8項目であります。それぞれの項目の下に記載をした丸につきましては,各項目を具体化した主な内容について例示的に記載したものであり,もとよりこれらに限るものではございません。   各項目につきまして,順に御説明をいたします。   まず初めに,「1 平成27年改正法により設けられた制度の在り方」を検討事項としております。本検討会は,平成27年裁判員法一部改正法附則におきまして定められております新法の施行状況についての検討を行うに当たり設けられたものでございますので,まずは平成27年改正法により設けられた制度の在り方を検討事項として記載しております。平成27年改正法により設けられました制度の概要は,お手元に配付いたしました資料2「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第37号)の概要」も適宜御覧いただきたいと思います。   「検討事項(案)」の1のうち,一つ目の丸につきましては,平成27年改正法により審理期間が著しく長期にわたる事件につきまして,対象事件から除外する制度が設けられたことから,この制度の運用が適切に行われているかどうかを検討事項として記載しております。   続きまして,二つ目の丸につきましては,平成27年改正法により災害時における裁判員の選任につきまして,重大な災害で被害を受け,生活再建のための用務を行う必要がある場合を辞退事由として明記するとともに,非常災害時に被災地域を住所とする裁判員候補者につきまして,呼出しをしない措置をとることができることとされたことから,これらの制度の運用が適切に行われているかどうかを検討事項として記載しております。   最後に,三つ目の丸につきましては,平成27年改正法により裁判員等選任手続における被害者特定事項の保護の観点から,裁判官,検察官,被告人及び弁護人は裁判員候補者に対しまして正当な理由なく被害者特定事項を明らかにしてはならず,裁判員候補者等も,その選任手続で知った被害者特定事項を明らかにしてはならないとされたことから,この制度に基づく裁判員等選任手続での被害者特定事項の保護が適切に行われているかどうかを検討事項として記載しております。   次に,「2 対象事件の範囲の在り方」以降につきまして御説明をいたします。   この「2 対象事件の範囲の在り方」から「8 裁判員等の参加促進及び負担軽減のための措置」までの7項目につきましては,第4回会合で配付いたしました資料,「国会審議の過程において取り上げられた事項(改正事項以外)」に記載をした事項と同じ内容としております。第4回会合におきまして,これら七つの事項につきましては,当検討会において取り上げることとすることで,委員の皆様からの御了承をいただいておりますので,ただ今お示しをしました「検討事項(案)」におきましても,そのまま記載をしております。この点,第4回会合以降のヒアリングにおきまして,鑑定人,犯罪被害者,法廷通訳人,裁判員経験者等の方々から裁判員裁判の施行状況等に関する様々な御指摘をいただいたところでありますが,いずれの御指摘も,これら七つの事項のいずれかに該当するものとして分類できると考えております。   例えば,これまでのヒアリングや意見交換において御指摘のありました検討事項のうち,いわゆる刺激証拠の取扱いにつきましては,裁判員裁判における証拠調べの在り方に関する事項でありますことから,「3 公判及び公判前整理手続の在り方」に含まれるものと考えております。また,同じくヒアリング等におきまして,公判前整理手続の被害者等による傍聴等を認めてもらいたいとの複数の御指摘がありましたところ,このような御指摘につきましては,必ずしも裁判員裁判事件に限られたものではないものの,被害者が裁判の推移に強い関心を有することが類型的に多い事件を対象とする裁判員裁判に多く見られることに加え,裁判員裁判対象事件の被害者が存在するもののほとんどが被害者参加対象事件であることも踏まえますと,公判前整理手続の被害者等による傍聴につきましては,「6 犯罪被害者等に対する保護・配慮の在り方」として検討事項になり得るものと整理をしております。   そのほか,様々な御指摘がございましたが,いずれもこれら七つの事項のいずれかに該当するものと考えられますので,特に新たな項目を設けることはしておりません。なお,平成27年改正法に対する衆議院及び参議院法務委員会における附帯決議では,国民の中から選任された裁判員が裁判官とともに訴訟手続を行う制度の在り方につきましても検討を行うこととされていることから,法務省におきましても,刑事訴訟法手続以外における訴訟手続の国民参加の検討を行っているところであります。   今後,適宜の機会に担当部局におきまして,その課題となり得るところなどを当検討会において御説明差し上げた上で,委員の皆様の御意見を賜る機会を設けさせていただきたいと考えております。このような趣旨でございますので,「検討事項(案)」には記載してはおりません。 ○大澤座長 それでは,まずただ今の事務当局の説明につきまして,御質問はございますでしょうか。   それでは,本検討会において具体的にどのような事項を取り上げるかについての協議に入りたいと思います。   先ほど事務当局から示されました「検討事項(案)」に記載された事項以外に,更に検討事項をつけ加えるべきであるとの御意見や,これまで4回にわたるヒアリングにおいて,鑑定人,法廷通訳人,犯罪被害者,裁判員経験者などの方々から多くの御指摘がありましたので,それらを踏まえた感想や関心を持った事項などでも結構ですので,ぜひ積極的に御発言をいただければと思います。   なお,本検討会は,平成27年の改正法附則により求められている検討作業について,必要な協力をするため,裁判員制度の施行状況とそれを踏まえた対応の在り方を中心に御議論いただく場でございますので,御発言をいただく際にはそのような本検討会の開催趣旨にも御留意をいただければと思います。   それでは,御意見あるいは御質問のある方は,挙手の上御発言をお願いいたします。 ○大沢委員 本検討会では,ヒアリングをこれまで行ってきて,いろいろと,いろんな意見を聞くことができて非常に有意義だったと思うんですね。これは非常に,何というのかな,これまでいろいろなところで発言はありましたけれども,やはりこういう場でしっかりといろんな方が発言していただいたということを重く受け止めるべきではないかというふうに思っております。   そして,この検討事項は,どれも検討すべき事項だとは思いますけれども,中でもヒアリングでいろいろな指摘が出た事項については,やはり重点的にめり張りを持って検討した方がいいのではないかなと思います。   先ほどもお示しになった刺激証拠の話とか,被害者参加の被害者の方のお話とか,それからあとは裁判員の方のお話では,やはり7番の守秘義務の関係についてはいろんな御指摘があったので,それをああいった生の声を受けとめて,どういうふうにこれを考えていくかということは,やはり検討していくべきなのかなというふうに思います。   それからもう一つ,特にその中で視点としては,今10年たってみて,いろいろなことがありますけれども,やはり8番の部分が,辞退率の上昇や出席率の低下というのがやはりかなり顕著に出ていて,これは,ここでちゃんと手を打っておかないと,これがどんどん悪化してしまうと,やはり裁判員制度の趣旨の根幹が揺らいでしまう可能性があるので,やはりこの8番のこういったところをどういうふうにいい方向に持っていくかということの,そういう視点で検討することが必要なのではないかなというふうに思っております。 ○菅野委員 私の方からは,1点,ここに具体的に挙げられていない事項に関して検討対象にしていただけないだろうかということをお話ししたいと思います。   ここでもし番号と関連づけるとすると,「3 公判及び公判前整理手続の在り方」に関係しますが,手続の二分ということもこの検討会の検討事項にしていただきたいと考えています。   手続の二分というのは,我々,法曹三者はそれだけで分かりますが,要するに,事実認定に関する証拠調べのステージと,量刑判断に関する証拠調べのステージというものを分けていく制度です。現在の裁判でも,実は事実認定に関する証拠と量刑に関する証拠をなるべく分けて,それぞれ誤解のないような事実認定を行うための運用を各裁判体で行っているところではあります。ただ,実は各裁判体においても,その二分の徹底の度合いというものはかなり異なっておりまして,具体的な裁判員裁判を,幾つか見てみましても,例えば事実認定に関する証拠調べが終わった時点で中間的な論告・弁論をして,そこで有罪という心証がとれた場合に,更に量刑的な証拠調べ,あるいは最終的な論告・弁論が続くというようなものから,そういった中間的な論告・弁論は抜きにして,前半部分を事実認定に関する証拠,後半部分を量刑に関する証拠を調べるだけの緩やかな二分的な運用をしているものも,かなりまちまちという印象がございます。   そうすると,やはり特に裁判員裁判においては,量刑に関する証拠と事実認定に関する証拠,あるいは共通する証拠ももちろんありますが,制度的にきちんと手続を二分して運用を図ったほうが,適正な事実認定に資するのではないかと,このように考えているところです。   したがって,この3番の公判に関係することで二分論というものを検討のテーブルに上げていただきたいと思っていますし,衆議院の法務委員会の附帯決議でも,7番には否認事件への裁判員参加の在り方ということは項目的には挙がっておりますので,特段,突拍子もない提案でもないのかなと私自身は考えているところです。 ○大澤座長 今,手続の二分についても取り上げられたいという御意見がありました。これについて,他の委員の方々から御意見等ございますでしょうか。 ○大沢委員 質問なんですけれども,その場合は,裁判員は同じ人がやるということですか。それとも裁判員も選び直すということですか。 ○菅野委員 具体的にそこまで私の方で考えているわけではありません。というのは,本当に制度的に二分した場合には,どの程度時間的な間隔を置くのか,現実に裁判員がその職務を重ねてやることが適切なのかという議論を抜きにしては,ちょっと制度設計できないと思っています。なので,割と時間的に近接して,御負担がないので,参加したいということであれば,共通して裁判員が関わっていくという制度設計になるでしょうし,あるいはちょっと一旦間を置くというような制度になるのであれば,もちろんその期間の空け方によっては別の考え方もあるのではないかとは思っております。 ○大沢委員 そうすると,どちらにしても,それも一つの考え方だと思うんですけれども,裁判員の負担というか,というのは結構,絡む話なのかなと受け取ったものですから,ちょっと質問させていただきました。 ○菅野委員 おっしゃるとおりだと思います。 ○小木曽委員 今の点ですけれども,かなり大きな話になるだろうと思いますので,取り上げることに反対するわけではありませんが,取り上げ方には工夫が必要だろうと考えます。 ○重松委員 今の小木曽委員の御意見とほぼ同じようなことなんですけれども,果たして本当にこの場で取り上げるべきものなのかどうかというのも含めて,そこは検討の場として活用すべきかなと思います。少なくとも,裁判員制度の運用に絡んだ問題ではなさそうな印象を受けますし,刑事裁判全体のことに関わるかなり大きな課題なのかなと思いますので,そういった点の考慮も必要かなと思います。 ○大澤座長 ただ今,大きな問題ではないかという御指摘がございました。本検討会は,現行の裁判員制度の枠組み及びその運用に関わる事項を中心にして,裁判員制度の施行状況とそれを踏まえた対応の在り方などについて検討するということを開催趣旨としているということは,最初に確認をしたとおりでございます。したがいまして,裁判員裁判事件を離れて刑事手続一般を検討対象とするということは,恐らく本検討会の開催趣旨を超えるものであって,当検討会として扱うのに必ずしもふさわしいものとは言えないと思われます。   ただ,他方で,裁判員裁判に特有の側面を持つ,あるいは裁判員裁判の場で特に顕著に現れるような問題について,裁判員裁判事件以外の事件にも関わるという一事をもって議論の入口を閉ざしてしまうということも,裁判員制度とその運用を多角的に検討するという観点からは妥当ではないようにも思われます。   そこで,菅野委員の御発言の御趣旨ですけれども,刑事手続一般を念頭に置いて手続二分ということを考えるということではなくて,裁判員裁判事件に特有の問題に着眼をして,裁判員裁判に生じる問題を検討するその一環として,いわゆる手続二分についても議論をすべきだという,そういう御趣旨と理解してよろしいでしょうか。 ○菅野委員 はい。この検討会の趣旨を前提に,裁判員に関わることを中心にここでは議論いただきたいと考えています。先ほどいろいろな意見いただいたとおりです。テーマそのものは広くなってしまう可能性はありますが,私の方でこの検討会に持ち出した趣旨というのは,特に裁判員裁判特有の問題,10年たっていろいろな研究もされていますので,そういったことを踏まえた,ある意味二分論の中でも裁判員に関係する部分で議論をしていただきたい,このように考えておるところです。 ○大澤座長 そのような御趣旨だということであるとすると,御指摘のあった手続二分論も,当検討会の検討事項の3番の中に含まれるものとして,御議論いただくということにしてはどうかと思いますが,いかがでございましょうか。 (一同了承) 〇大澤座長 それでは,そのような形で3番の中で御議論をさせていただくということで,今後進めていきたいと思います。   ほかに何か御発言等ございますでしょうか。 ○堀江委員 最初の大沢委員の御意見とかなり重複するんですけれども,この「検討事項(案)」の8項目について,特に異論はございませんが,全ての項目,この8項目の中で更に下位的な項目もあるわけですけれども,それら全ての項目を同じ密度で検討するというのではなくて,めり張りのきいた検討をすることが重要かなというふうに思っています。   その点,一つのやり方としては,重点項目とそれ以外の項目を区別するということも考えられるかと思います。ただ,委員の皆さんの中で個々の項目についてこれが重要だ,重要でないというお考えは様々でしょうから,なかなかそういう整理の仕方は難しいかもしれませんし,基本的には,具体的な検討の仕方は座長と事務局にお任せしたいと思っておりますけれども,可能であれば,そうした整理の仕方も考えていただければと思います。八つの項目の中では,私も大沢委員と同じで8番目のところが特に重要だろうと思っております。   もう一つ,これは確認ですけれども,先ほどの事務局の御説明では,ここに明示的に挙げられているもの以外でも,これまでのヒアリングや意見交換で指摘のあった事項はここに含まれるということでした。それで結構ですけれども,特に2点ほど確認させていただきたいと思います。一つは,ヒアリングで通訳人,鑑定人の方から,通訳人や鑑定人の体制整備とか,質の確保というようなことへの言及がありました。これは必ずしも裁判員制度に限った話ではないのかもしれませんが,特に裁判員裁判との関係で通訳や鑑定の人的基盤の整備というところが問題になるのであれば,そういった点とか,あと,裁判員経験者の方の御意見の中で,弁護の在り方についていろんな御感想があったと思います。その関係で,弁護に限らないかもしれませんが,特に弁護の側での裁判員制度に対する対応状況,これらの人的体制の整備といった点が,この項目の中のどこかで出てくるのかということを確認させていただきたい。   それから,もう1点,これは第4回の際に確か小木曽委員が発言されたかと思うんですけれども,法教育の関係,衆参いずれかの附帯決議の中でも触れられていたかと思いますが,これを取り上げることになるのかどうか。是非とも取り上げろとまでいう趣旨ではありませんけれども,確認させていただきたいと思います。 ○大澤座長 第1点目につきましては,今後の進行についての御注意,御意見ということで承っておくということでよろしゅうございますでしょうか。 ○堀江委員 はい。 ○大澤座長 2点目,3点目に関してですが,事務当局の方から何かございますか。人的体制の整備というのが含まれてくるだろうかというお話ですね。 ○吉田刑事法制管理官 御指摘にありました通訳人の問題,あるいは弁護人の体制の問題,いずれについても,どの項目で取り上げるかというのは整理させていただきたいと思うのですが,検討課題としては入っているものというふうに認識しております。   他方で,法教育については,若干,裁判員制度から離れていく部分もございますので,座長とも相談させていただいた上で,またその結果をお伝えしたいというふうに思います。 ○堀江委員 分かりました。 ○菅野委員 私もその8番のテーマが非常に重要ではないかと思っているところですが,実際,選任手続とかで多くの候補者から出るのが,やはり仕事が忙しいという,あるいは自分は出たいんだけれども,会社の中でなかなかそれが許されないというような声が非常に多く感じられているところです。なので,この検討会でそういったことができるのか分からないですけれども,多くの会社で実際どのような裁判員裁判に参加することがスムーズに許容されるような規定作りが進んでいるのかとか,大手の会社は恐らく非常に恵まれている環境だとは思いますけれども,やはり日本では中小企業が非常に多くて,なかなか人も回っていないというような,事実上規則があっても出られないみたいな人もいらっしゃるかと思うので,そういったことに対する調査とかいうことは考えられているのかどうかというのはちょっとお聞きしたいところでした。 ○鈴木刑事法制企画官 今,委員御指摘の裁判員を派遣する企業体からの考え方でございますが,こちらの方からもいろいろと打診をしてはいるんですけれども,それを一元的に把握しているところがなかなか見つからないという状況でございます。もしそれを許す状況になれば,また別途そういう機会を設けたいと思いますが,現状では難しいかもしれません。 ○菅野委員 分かりました。ありがとうございました。 ○大澤座長 今の点につきましては,最初のころに武石委員から提出のあったペーパーの中で問題意識として書かれていたり,あるいは横田委員からもそういうところについてお話を伺いたいという発言があって,事務当局としてもいろいろ御検討されてきたということかと思います。引き続き検討していただくということで,御意見として承るということにさせていただきたいと思います。 ○山根委員 堀江委員の方から法教育という言葉が出まして,大変関心も持っておりますが,大きくなる話で,なかなか具体的な話をここの会で進めるのは難しいかもしれないんですけれども,でも,やはり法廷の公開の在り方であるとか,あと裁判の傍聴の勧めであったり,法曹の三者や裁判員経験者の体験談等,日頃のことや体験談等を聞く機会の充実・拡大とか,そういったことを少し7番8番のあたりで含めて議論してもいいのかなというふうにも思います。 ○大澤座長 今の点も御意見として承っておくということにさせていただきたいと思います。   ほかにいかがでしょうか。   本日お配りした「検討事項(案)」に記載された検討事項を当検討会の検討対象とするということにつきましては,まず特段の反対の御意見もなかったように思いますので,これらの事項について検討対象とすることとさせていただきたいと思います。   また,本日意見交換により検討事項に加える御提案があった事項につきましても,検討事項(案)に記載された八つの項目,いずれもこれは非常に広いものでございますので,いずれかの中に含ませて捉えることは可能であろうと思われます。差し当たり資料自体の記載は変更しないこととし,次回の会合以降,この「検討事項(案)」に沿って順次意見交換を行っていくこととさせていただきたいと思いますが,そのような進行でよろしいでしょうか。いただいた御意見を踏まえながら,事務当局とも進行を考えさせていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。 (一同了承) ○大澤座長 続きまして,次回以降の進行につきまして,委員の皆様にお諮りをしたいと思います。   先ほど御了承いただいたとおり,次回会合以降,順次個々の検討項目に関する意見交換を行っていくこととしたいと思います。効率的な議論のためには,資料1「検討事項(案)」に記載された八つの大きな検討項目のうち,1番目,平成27年改正法により設けられた制度の在り方から順に,1回の会合でおおむね三つずつ程度のペースで1巡目の意見交換を行った上で,必要に応じて検討項目全体について2巡目の意見交換を行う。そのような進行を考えておりますが,それでよろしいでしょうか。 (一同了承) ○大澤座長 それでは,そのような進行とさせていただくこととし,次回会合では,早速でございますが,「1 平成27年改正法により設けられた制度の在り方」,「2 対象事件の範囲の在り方」,「3 公判及び公判前整理手続の在り方」くらいまで意見交換を行うこととさせていただきたいと思います。3は少し重たいかもしれませんので,全てということにはならないかもしれませんが,一応そのあたりまでということにいたしたいと思います。   また,次回,個々の検討項目の意見交換を始めるに当たりまして,平成27年改正法により設けられた制度の施行状況を含む裁判員裁判の施行状況に関する最新の資料など,今後の意見交換に必要な資料等の説明を最高裁判所及び事務当局にお願いをしたいと思います。   そこで,委員の皆様におかれましても,次回以降の意見交換に当たって,提供してもらいたい資料等がございましたら,事務当局宛てお知らせをくださるようにお願いいたします。   本日予定した議事は以上でございますが,この際,何か御発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは,最後に事務当局から,次回以降の日程につきまして確認をお願いいたします。 ○鈴木刑事法制企画官 次回の日程につきましては,第10回会合を12月17日火曜日,午前10時から開催する予定としております。場所につきましては,追って御案内を申し上げます。 ○大澤座長 それでは,本日はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。 -了-