日本司法支援センター評価委員会 第65回会議議事録 第1 日 時  令和2年8月13日(木)    自 午後 1時30分                         至 午後 3時23分 第2 場 所  法務省20回第1会議室         (中央合同庁舎6号館A棟20階2011号室) 第3 議 事  (1) 平成31年/令和元年度に係る業務実績評価の実施について  (2) 財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について 第4 今後のスケジュール 議        事 伊藤委員長 それでは,定刻でございますので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会第65回会議を開催いたします。   委員の皆様方におかれましては,まだ感染症収まらず,また酷暑の中,御多忙のところをお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。   本日は8名の委員の御出席を頂き,内田委員にもウェブカメラで参加いただいております。   まずここで,定足数でございます過半数の出席要件を満たしていることを確認させていただきます。   それでは,議事に入りたいと存じます。   本日の議事は,お手元の議事次第のとおりでございまして,1,平成31年/令和元年度に係る業務実績評価の実施について,2,財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見についての2点でございます。各議事につきまして,まず,事務局から説明をお願いいたします。 澁谷参事官 それでは,本日の議事の概要を御説明いたします。   まず,議事1につきましては,前回の会議において法テラスから説明がありました,平成31年/令和元年度の業務実績の年度評価につきまして,本日御議論いただき,評価の結論を頂くものでございます。   次に,議事の2につきましては,総合法律支援法により法務大臣が法テラスの財務諸表を承認しようとするときには,あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないものとされておりますので,本日併せて御意見を頂くものでございます。   議事の概要の御説明は以上でございます。   なお,前回伊藤委員長から委員長代理を内田委員とする指名を頂きましたが,事務局において内田委員に確認させていただき,就任を御了承いただきましたので,御報告させていただきます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   内田委員,よろしくお願い申し上げます。 内田委員 分かりました。このような関与の仕方で失礼いたします。 伊藤委員長 それでは,議事次第に沿いまして,議事を進めたいと思います。   続きまして,本日の配布資料につきまして,事務局から説明をお願いいたします。 澁谷参事官 それでは,まずお手元の配布資料の御確認をお願いいたします。   まず,議事次第を入れておりますクリアファイルの方でございますが,ここには,議事次第,進行予定,出席者名簿,配席図と併せまして,業務実績評価分布表(年度評価),それと評価委員事前意見(年度評価)と題する資料を入れてございます。   これらは,年度評価に係る各委員の項目別評定結果をそれぞれまとめた一覧表と,委員の皆様から事前に頂いた御意見の内容,それを踏まえて修正した事務局案をまとめた資料でございます。これらの資料につきましては,この後,議事の1番目について御議論いただく際に,御参照いただければと存じます。   次に,水色の紙ファイルを御覧ください。   こちらの紙ファイルにつづっております資料番号が1から始まるものは,議事1の年度評価に関する事務局案でございまして,資料1−1が評価の概要,1−2が総合評定,1−3が項目別評定調書でございます。   なお,議事の2に関する財務諸表等の資料につきましては,前回お配りさせていただいておりますが,いずれも大部であるため,本日お手元に改めて配布してございません。事務局には部数を御用意しておりますので,必要となりました際にはお申し付けください。   最後に,資料とは別に,クリップ留めをしております机上配布資料を御確認ください。   資料Aは,日本司法支援センターの業務実績評価に係る基本方針,令和元年7月2日改定でございます。   資料の説明は以上でございます。資料の欠落がございましたら,いつでもお申し出ください。   以上でございます。 伊藤委員長 それでは,議事を進めたいと存じます。   最初に,議事1,業務実績年度評価につきまして,全体的な討議の進め方についてお諮りいたします。   まず,個別項目についての討議の進め方でございますが,ただいま説明がございましたクリアファイル内の業務実績評価分布表を御覧いただけますでしょうか。   24項目のうち,自己評価と事前の評価意見が一致していない項目,重要度や難易度が高い項目,さらに,特に個別に各委員からの改善等の御意見を頂いている項目,つまり,項目の番号で申しますと,1−2から1−5,2−8,2−11,3−13,3−14,4−17,4−18,5−22,5−23の各項目について,個別に御討議いただきたいと存じます。   他方で,ただいま申し上げました12項目以外の項目につきましては,自己評価及び各委員の評価意見がいずれも一致しているところでございますので,委員の皆様に特段の御異論がない限り,一括して御討議いただきたいと存じます。もちろん,御意見があれば,個別に御討議いただくことは,全く差し支えがございません。   そして,項目別評定についての取りまとめの後に,資料1−1,評価の概要と資料1−2,総合評定についての取りまとめを行いたいと思います。   以上,全体的な,あるいは基本的な進め方につきまして御提案いたしましたが,そのような進め方で御了解いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 ありがとうございます。   それでは,ただいま説明いたしましたような方法で進めてまいります。   そこで,大項目T,総合法律支援の充実のための措置に関する事項,個別項目番号1−1から1−5までについて,取りまとめてまいりたいと存じます。   まず,項目1−2でございます。常勤弁護士の採用,配置及び資質の向上につきましては,各委員の御意見はいずれもCで一致しておりますが,この点につきましては,大鷹委員から,より常勤弁護士の定着率を向上させることが課題である,要旨でございますが,そのような御意見を頂戴しております。   この点につきまして,恐れ入りますが,大鷹委員から御意見の趣旨を御説明いただけますでしょうか。 大鷹委員 大鷹でございます。      常勤弁護士の採用の対象となる世代というのは,仕事のやりがいも当然ですが,ワークライフバランスを考え,仕事と生活の調和を考えて,採用に受験し,採用された後も,仕事を続けるかどうかを考えるのではないかと思います。人生の制度設計の中で,子育てとか,あるいは介護とか,いろいろな問題が生じるわけですが,今の常勤弁護士の異動の状況を見ますと,全国各地への異動の勤務地の予測可能性がないという実情があるのではないかと思います。   前回の高橋企画部長のお話によりますと,昨年度の採用では,配置が予想される場所について中京圏というような形で示された例もあるということですが,それを更に広げ,採用の在り方を多様化していくことも考えられるのではないかと思います。例えば,全国各地で異動する採用の形態のほかに,東北圏とか,中京圏とか,特定のブロックの範囲の中で異動することを前提に採用するというような,採用形態の多様化ということも,今後の課題として検討してはどうかというのが一つです。   もう一つは,例えば,過疎地域で勤務した場合,次の異動ではできるだけブロック単位ででも希望に配慮するとか,何かそういうような異動のローテーションのようなものについて,ある程度予測可能な情報を提供しながら採用に当たるということも定着率向上のためには検討する必要があるのではないかと思いまして,提案した次第でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   また,この項目につきましては,複数の委員から常勤弁護士の事件処理件数の減少についての御意見を頂いております。本日は御欠席でございますが,池亀委員から,要旨でございますが,事件の内容は個々様々であるために,処理件数のみでは常勤弁護士の業務実施を適切に評価できないのではないか,各地方に存在する司法アクセス障害の問題に対し,各地方事務所が課題や解決に向けた計画を立て,それに向けた取組等を評価の対象とするということも,あり得るのではないかという御意見を頂戴しております。   そこで,ただいまの大鷹委員の御発言,池亀委員からの御指摘を踏まえまして,この項目につきまして,皆様方の御意見を伺いたく存じます。   どうぞ御自由に御発言ください。   増田委員,どうぞ。 増田委員 池亀委員の御指摘について,私も同感しておりまして,やはり外から評価するときには,どうしても件数というものが非常に重要な項目になりますが,実際には,その中身の精査というのが非常に重要で,なかなかそこのところが数値として出にくいというのは,どの分野においても同じではないかと思います。地方特有の問題とか,サポート体制であるとか,その連携とか,そういうもの全て件数につながっているのだというふうにも思いますので,ここを判断するに当たっては,そういう点も考えるということは重要な御指摘だというふうに思いました。   以上です。 伊藤委員長 ありがとうございます。   いかがでしょうか。   どうぞ,山中委員,お願いします。 山中委員 これは,ずっと評価はCでしたっけね,毎年。年によって変動ありましたっけ。   司法法制部の方から説明に来ていただいたときに,たしか,常勤弁護士の業務実績をどう評価するのか,そのメルクマール探しというのは結構難しんですね。今,処理件数の話がありましたが,これは何か,先輩の弁護士が辞めていって,引継ぎをした件数を除外したから,それがマイナス要因の一つだと。それは,常勤弁護士の業務評価とはあんまり関係のない話で,しかも,常勤弁護士の業務をどう評価するかというのは,言わば法テラスのコアの部分なんですね。債権管理とか資金の適切な運用とか,いろいろ管理業務的なものに対する評価というは,もちろん適切に運営されているかどうか判断する上で重要なんですが,それ,一般国民といいますか,外から見たときに,法テラスが期待どおりの業務運営をしているかどうか,その中核になるのが,常勤弁護士の業務に対する評価に直接結び付くのではないかということから考えると,これも,私が前から申し上げているように,評価がAかBかCかということがその問題ではなくて,それをどういう判断基準,認識で,そういう評価を下したかということの方が,より重要だというふうに申し上げてきましたが,ただ,外から見ますと,ほとんどがAとかBの中で,一番中核的な業務評価がなされるべき項目である常勤弁護士の業務がCというのは,これは一体どういうことなのか。   他方で,民事法律扶助業務とか,これは当然常勤弁護士も携わっているわけですが,そっちの方はBの評価が付いている。そうすると,常勤弁護士,研修とか採用とか,処理件数以外にも評価のメルクマールはいろいろあるんですが,どうも評価のマイナス要因ばっかりに目が行くと,Cが付いてしまう。研修なんかは,中身を見ますとかなり充実して,成果が上がっているかどうかは別にして,かなり手広く研修をおやりになっている。そういうことからいくと,何かCの評価というのは気の毒ではあるんです。   マイナスにつながるような項目以外に,どういうところに着眼をして,より積極的な評価につなげていけるかというところは大変,確かに悩ましいことで,私も司法法制部の方から宿題を頂いたような気にはなっているんですが,今日この場でこういうものを考えたらどうかというようなことは,すぐには申し上げられるものを持っていないんですが,そういう気持ちがありまして,来年の宿題のつもりで,私自身は受け止めておるということを,申し上げておきたいと思います。 伊藤委員長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,澁谷参事官,どうぞ。 澁谷参事官 事務局の参事官の澁谷でございます。   今,御指摘ありました過去の評価という点につきまして,去年度の評価を御紹介いたします。去年度は,法テラスの自己評価が,この項目はBだったのに対し,評価委員会で御討議いただきまして,採用数が相当減って常勤弁護士の総数が17名減少したこと,また常勤弁護士の配置について,新たに配置された地域がなかったこと,未配置の地域の解消に向けての前進がなかったこと,そういう点を踏まえ最終的な評定はCとなっております。   以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   どうぞ,山中委員。 山中委員 結局,業務実態というのはほとんど変わっていないんですよね。それが,BとかCとか,年度によってぶれるというところを,評価委員あるいは法務省御当局は,中身をよく御存じですから,どうしてそうなったか,あるいは,法テラスそのものもその辺はよくお分かりなわけですが,はたから見たときになかなか理解できない。そこをどういうふうにして,常勤弁護士の業務実態というのを適切に評価しているということを理解してもらうかということが難しく,かつ,大切であるということだと思います。 伊藤委員長 ありがとうございました。   そういたしますと,この項目に関して,評定自体は原案どおりCということですが,先ほどの大鷹委員から御発言がございました,どのように常勤弁護士の定着を図るか,あるいは,ただいま複数の委員から御発言ございました常勤弁護士の業務実績の評価の方法,あるいは視点をどう見るかということについては,やはり今後検討の余地があるという御意見で,他の委員の方々も恐らく,それに関しては御異論がないのではないかという印象を受けましたので,これは,事務局からしかるべき形で法テラスの側に伝えて,来年度以降の評価の実質が上がるように御検討いただけますでしょうか。そういうことでよろしいですか。   (各委員了承)   それでは,評定自体はCということで取りまとめたいと思います。   次に,項目1−3,一般契約弁護士・司法書士の確保でございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれもB評定で一致しております。   この点に関しまして,内田委員から,一つは,弁護士登録数の増加に見合った増加といえるのか,もう一つは,国選弁護人の増加数に比べて,民事扶助契約弁護士数の増加のバランスが取れているかといった点からの検討も必要と思われるという御指摘を頂いておりますが,内田委員,恐縮ですが,ただいまの御紹介いたしました御意見の趣旨を,少しお話しいただけますでしょうか。 内田委員 今,委員長が御説明されたとおりでございます。   これは,統計上の数値を見て,登録弁護士数の,弁護士でいえばそれなりに毎年増加しておりますので,それに見合っただけの増加につながっていないんではないか。あと,刑事弁護の登録と,あと民事扶助の登録数の別で見た場合にも,刑事弁護,国選弁護の方の登録数に比すと,いわゆる扶助の契約の登録者というのの伸びというか,増加数の割合がちょっと違うんではないかという,統計上の数字からの意見でございます。   以上です。 伊藤委員長 ありがとうございました。   この点に関しまして,池亀委員から,登録司法書士の増加につきまして,1年で13名しか増加していない,この点は問題である。さらに,日弁連や日司連との連携を強化し,司法書士がより一層総合法律支援の中で役割を果たせる体制整備に期待したいと,こういう趣旨の御意見を頂戴しております。   そこで,ただいまの内田委員の御発言,それから御紹介いたしました池亀委員の御意見を踏まえて,この点に関して,皆様方の御意見を頂戴したいと存じます。   弁護士数や司法書士の数の増加に比して,こちらの登録弁護士,司法書士の数が増えていないということももちろんですが,刑事の国選の方に比べて,民事の扶助契約の弁護士の方が増えていないと,これはどういう理由があるのでしょうか。   もちろん,それは確固たる理由があるはずはなくて,ある程度想像するようなことにならざるを得ないかと思うのですが。 澁谷参事官 事務局の方から補足して申し上げます。   いわゆる法テラスのやっております業務のうち,民事の扶助の業務と刑事の国選の業務につきまして,それぞれ弁護士の先生から契約を頂くというのが前提になっておりまして,その契約数の推移としまして,資料にもありますとおり,扶助の方は,平成30年度末で全弁護士が4万1,155名いるところ,2万3,371人ぐらい契約いただいているということで,大体契約率的に申し上げれば,約56%前後ぐらい契約いただいていると。   他方,刑事事件の方でございますが,刑事事件,平成31年度末の数字で,弁護士の先生が4万1,155名おられる中で,登録契約者数は2万9,297名ということで,扶助よりも刑事の方が統計的に契約率が高いという数字はございますが,ただ,正に内田委員御指摘のとおり,今年度の増え方としましては,やや扶助の増え方が弱いのかなというふうには,確かに御指摘のとおりかと存じます。   おおむね,大体司法試験が1,500名ぐらい合格しまして,そこから検事,判事になった人を引いて,あるいは登録を諸般の事情で抹消された方を差し引いても,弁護士の総数全体1,000名ぐらいは,少なくとも増えておるであろうという中で,三百数十名の登録にとどまったということからしますと,何といいますか,先ほど申し上げた契約率は,大体50%を超えている中で,369名という数字がちょっと寂しいかなというところでございまして,そういうところで,やはり扶助の契約弁護士数の方を伸ばしていくということは,非常に重要な御指摘と考えますので,法テラスの方にも来年度以降,単に数字が増加したというだけではなくて,そういった契約率の観点からも,少し数字をシビアに見ていく必要があるのではないかと,御指摘の方を共有させていただきたいと存じます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   内田委員,何か補足して御発言いただくことはございますか。 内田委員 いや,特にございません。 伊藤委員長 よろしいですか。 内田委員 はい。 伊藤委員長 それでは,項目1−3につきまして,他に委員の方で御発言はございますでしょうか。   よろしければ,評定は原案のとおりBといたしまして,ただいま内田委員からの御発言で,それを受けた事務局からの説明の内容を,法テラスの側にしかるべき形で伝えていただくようにしたいと思います。そのような取扱いでよろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 次は,項目1−4,事務所の存置等でございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれB評定で一致しております。   この点に関しまして,奥山委員から,令和2年度は令和元年度の検討を具現化することを希望するという御意見を頂いておりますので,奥山委員からその御趣旨を御説明いただけますでしょうか。 奥山委員 委員の奥山でございます。   この項目は非常に,不断の検討を行い,かつ,必要な事務所の見直しをするということで,難易度が高いということです。これを踏まえて,中期の目標においても,特に司法過疎地域事務所については,設置基準を設定した上で具体的な検討過程を明らかにするとなっています。中期計画も同様に,特に司法過疎地域については検討過程を明らかにする。年度目標も同様に,年度計画も検討過程を明らかにするということであります。   検討過程を明らかにするというのが大きな目標ですが,,現実には,昨年度は事務所数が減っていて,減少傾向にある。目標からすれば,検討したということは,法テラスの方の御説明にもあるように,そのとおりだと思います。。ただ,結果としては,事務所数は減っている。   法テラスの設置の理念というのは,特に司法過疎地域は,あまねく全国において,法の紛争解決を必要とするサービスを提供できるようにするということであれば,過疎地域の事務所が減っていくということは,本当にその理念を具現化するのに大事なファクターが弱くなっているということになります。,検討しています,また,この状況下において,来年度も検討していきます。そうすると,検討していれば,評価はBだということであると,どんどん法テラスの理念が弱体化していくということになりかねない。是非とも検討した過程,結果,いろんなことがあって難しいのは分かりますけれども,それを具体化していかなくてはいけない。そうでなければ,ただ検討しているだけということで,本当に評価をBにしておいていいのだろうかというのが,私の意見の趣旨でございます。   したがいまして,私としては,検討の結果をやはり具体化して,見える形にしてほしい。もし見える形にできないのであれば,なぜそうなったのか,そこは何が原因なのかということをもっと明らかにしていかないと,事務所数が少しずつ減っていくのではないかという危惧の下に,私としてはこうした意見を述べさせていただきました。 伊藤委員長 ありがとうございました。   ただいまの奥山委員の御発言を踏まえて,他の委員の方々,いかがでしょうか。   内田委員も,何かございましたら,どうぞ御遠慮なく御発言ください。 内田委員 幾つかの地域において具体的に検討しているということは,情報としては私も分かっています。ただ,やっぱりいろいろクリアしなくちゃいけない課題というのが多くて,なかなか新たな設置に結び付いていないという,ちょっと,正にもどかしい感じがしているのは,私も情報としては分かっております。   そうなんですね,奥山委員がおっしゃるように,何が隘路になるのか,どういう点をクリアしなくちゃいけないのか,ここらあたりも,確かにそろそろこの委員会の俎上にのせた上で,検討の材料にすべき時期が来ているのかもしれません。 伊藤委員長 ありがとうございました。   他の委員の方,御意見いかがでしょうか。   どうぞ,長内委員。 長内委員 八戸と松本の事務所が閉鎖する一方,新規はなかったとのこと。新規というのはなかなか難しく,いろいろ御苦労もあるだろうことは察しますが,一方,なぜ閉鎖していくのか,その辺の原因について少し検討すべきじゃないのかと思います。なるべく新規を広げていこうという中で,閉鎖するというのは非常に後退したような感じがしております。少なくとも閉鎖については,十分検討すべきじゃないのだろうかと,そういうふうに感じました。 伊藤委員長 ありがとうございます。   他にいかがでしょうか。   どうぞ,山中委員。 山中委員 私のふるさとの松本も閉鎖の憂き目に遭って,発足以来,出入りがいろいろあって,新設あるいは廃止,その時々のそれぞれの理由を伺いますと,なるほどなと納得はするんです。訴訟件数とか民間の一般の弁護士さんの登録数とか,いろんなその地域の状況の変化で随時見直しをされて,廃止やらになっているという,その時々の説明はよく分かるんですが,それを,もう発足10年ちょっとたって,毎年のそういう措置を時系列的に1回整理してみたら,何か考え方が首尾一貫しているのか,あるいは,その時々のアドホックな理由で何かおやりになっているのか,何か見えてくるのかどうか分かりませんが,来年の夏の第1回の評価委員会のときには是非,法テラスの方から,これまでの統廃合の実績といいますか,理由を含めて,何か一覧になるようなものを,資料を作ってお出しいただいて,それを眺めてみた上で議論してみたらいかがかという気がしております。 伊藤委員長 分かりました。   ただいまの皆様方からの御意見を伺いまして,項目1−4につきましては,評定は原案どおりBということでございますが,廃止あるいは新設についてのこれまでの経緯,あるいは今後の具体的な進め方やそれに関する課題等については,法テラスの側で十分に検討をした結果,それを来年度の評価委員会の席上で議論の材料としたいと,こういう理解をいたしましたが,それでよろしゅうございますか。もしそういうことでよろしければ,そのことを,これも事務局を通じまして,法テラスの側にお伝えして,しかるべく対応していただこうかと思います。よろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   次に,項目1−5,関係機関等との連携強化でございます。この点は,法テラスの自己評価がCでございまして,そして,私を除く委員の御意見もC評定となっております。   御意見について見ますと,複数の委員から,地方公共団体等の関係機関への業務説明の実施回数が,達成目標を大きく下回った点については,新型コロナウイルス感染症拡大の影響というやむを得ない事情があったと,こういう御意見を頂いております。そして,大鷹委員からは,今後,連携強化を評価するに当たりましては,業務説明の実施件数のみならず,それによって得た成果も更に検討すべきであって,連携における課題の設定,その課題の解消に向けた取組も評価対象とすべきではないか,このような御意見を頂いておりますが,大鷹委員から御趣旨,もし補足していただくことがあればと存じます。 大鷹委員 大鷹でございます。   趣旨は,委員長から説明いただいたとおりです。確かに,地方協議会の開催回数や業務説明の実施件数といった回数も重要ですが,結局は,何を協議してどういう成果が得られたのかが重要であり,回数は少なくても,その協議会を通じて関係機関の担当者や窓口との連携が密に取れるような環境や体制になったとか,実際に生起した問題や課題について対処できるようになったというような,実質的な観点からも評価をするような指標を今後入れておく必要があるのではないかと思いまして,意見を述べさせていただきました。 伊藤委員長 ありがとうございました。   さらに,増田委員から,今後はオンラインを活用した連携強化が必須であり,対面でのコミュニケーションの重要性,それは認識しつつも,オンラインでの効果を発揮するような工夫を期待したいという御意見を頂いておりますが,増田委員から補足で御説明いただけますでしょうか。 増田委員 この度コロナウイルスに直面しまして,これまでオンラインというものが,いきなり出てきたわけでなく,整備されている部分はあったにも関わらず踏み切れなかったという状況は,皆さんあったと思います。ただ,これをきっかけに踏み切ったという方がたくさん多くいらして,体験して効果をすごく実感したということはあったんだろうと思います。   もちろん,対面での説明や説得,そして共感をするとかということは非常に重要なことなので,それは絶対になくしてはならないですが,やはり今後の社会のありようから,オンラインというものについての効果を,これからも周知しながら活用していくというのは重要です。国民全体が今,その効果を実感しています。   ちょっと話ずれますが,インターネット通販がものすごい数で増えておりまして,同時にトラブルも増えてはいるんですけれども,やはりそういうふうに変わってきています。これがなくならないというふうに思いますので,やはりこの機を逃さずに,活用していったらいいのではないかと思いました。 伊藤委員長 ありがとうございます。   先ほど申しましたように,私自身は,確かに業務説明の面では目標に到達しなかったことは事実だけれども,一応協議会の開催数が増加しているということや,それから,ただいま御発言ございましたように,新型コロナウイルスの影響によって,様々な集まりを持つこと自体が困難になっているということを考えれば,Bとしてもいいのではないかという意見を持ちましたが,これは,皆様方の御意見の大勢に従いたいと思います。   内田委員から,この新システムの導入の際のシステムトラブルによって,業務が一時滞留したという事実がございますが,その原因,対策等について,情報共有の徹底化など,評価に際して言及してもよろしいのではないかという御意見を頂いたように伺っておりますが,内田委員,何かただいま御紹介した点に関しまして,御発言ございますか。 内田委員 この項目で,この点に言及するのがいいかどうかは,ちょっと私もよく分からなくて,別なところでもいいかと思っていました。また,システムの問題ですから,システムの専門的なことを共有とかというのは,どれだけ実益あるのかというふうにも思っております。ただ,決定すべきものが,なかなかその時期が遅れたといったような,そういった状況というのは生じたと思いますので,システムの不具合によってどういった滞留が生じるのか,それが回復するまでに,どういった手順でどういうふうなことがなされて,どのくらい掛かって回復されたのか,これは共有してもいいんではないかなと思って書いたというのが,趣旨でございました。 伊藤委員長 ありがとうございます。   それでは,ただいまの内田委員の御指摘に関しては,この項目がいいんですかね,もし何か言及するとすれば。 澁谷参事官 事務局から補足して申し上げます。   内田委員御指摘のとおり,去年の5月に新システムを導入した際に,約1か月間,5月中,システムが思うように動かないなどの不具合が生じるなどし,業務の方にもいろいろ滞留が出まして,その解消に向けて人員を投入したり,あるいは業者と再度契約等について見直しをしたりという対応をしていると承知しております。新システムの構築作業は,法テラスにおいて現在も続いているところでございます。   今回,この1−5の関係機関等との連携強化だけではなくて,情報提供あるいは民事法律扶助の実施等の側面でも,その影響が出る中での1年だったという認識でございます。そういった全体の捉え方としまして,新システム導入の際の不具合等に伴う業務の一時的な滞留等の困難がある中での実績であって,その原因と対策については,共有できる時期になって,その原因,対策等がはっきりした段階で,共有を徹底すべきであるという趣旨の御指摘をいただきました。今回1−5の評定に至った理由の欄に御指摘を入れさせていただいて,そういった認識を法テラスにも共有するという形でよろしいかと存じます。 伊藤委員長 分かりました。   それでは,その点に関しては,事務局からただいま説明がございましたような形で法テラスに伝える,それから,先ほど大鷹委員から御発言ございました連携強化の実質に関して,その内容や取組を評価対象とすべきであるという御意見,さらに,増田委員からのオンラインでの対応連携についても,更にそれを進める方向で検討すべきであるという御意見,そのあたりは,法テラスに評価委員会での意見としてお伝えすることにいたしまして,評定は,私自身は,先ほど申しましたようにBということを付けておりますけれども,委員の方々の御意見の大勢に従いまして,Cということでよろしゅうございましょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 よろしければ,そのようにいたします。   大項目Tのその他の項目,具体的には,1−1になりますけれども,これは,自己評価,委員の皆様方の意見がいずれも一致しておりますので,この場で特段の御発言がございませんようでしたら,原案のとおりとしたいと思いますが,それでよろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   引き続きまして,大項目のU,提供するサービスその他の業務の質の向上に関する項目,個別項目番号2−6から2−12までを取りまとめたいと思います。   まず,項目2−8,民事法律扶助業務についてでございます。この項目は,自己評価,各委員の御意見は,いずれもB評定で一致していますが,重要度が高とされている項目でございます。   この点に関しまして,内田委員から,連携を契機とした法律相談援助の伸びしろは,まだまだあると思われるので,一層の取組を期待したいという御意見が寄せられておりますが,内田委員,御意見について若干の補足をお願いできますでしょうか。 内田委員 記載のとおりでございます。   この点は,たしか去年の委員会でも同様の意見を申し述べたと思いますので,詳細は述べなくてもよろしいかと思います。正にこうした点が,法テラスの,取り分け過疎対策の大事なところだと思いますので,引き続き力を入れていただければと思います。   以上でございます。 伊藤委員長 内田委員の御指摘のとおりかと思いますが,この点につきまして,皆様方からの御発言はございますでしょうか。   よろしいでしょうか。   (各委員了承)   そういたしましたら,項目2−8につきましては,評定は原案どおりBといたしまして,それに付して,内田委員から御発言ございました点についても,評価委員会における意見としてお伝えいただければと思います。   次に項目2−11,適切な(犯罪被害者)支援・援助の実施についてでございます。自己評価,各委員の御意見はいずれもBで一致しておりますが,これも,重要度が高とされている御意見でございます。   池亀委員からは,精通弁護士などの体制整備のみならず,実際に犯罪被害者に対する援助を実施することが重要であって,その視点から見ると,昨年度は援助実施件数がやや少ないと思われるという御意見を寄せていただいております。   ただいまの池亀委員からの御意見を踏まえまして,委員の方々からこの点に関しまして何か御発言ございますでしょうか。   増田委員からも御意見いただいたように聞いておりますが,何かこの場で御発言いただくことございますか。 増田委員 私は,実施件数が少ないかどうかというのはちょっと,よく分からないんですけれども,やはり当事者に情報が届くかどうかということが非常に重要だと思っております。子供に直接カードが手に取ることができるような,前回のとき申し上げましたけれども,文科省の協力が得られるかどうかというより,直接校長会に言えるのかとか,教育委員会を通してやる方法とか,教育機関に対してのアプローチというのは,私たちもとても悩ましいところがございますので,それには工夫が必要なんだろうなというふうに思います。   そういう意味で,やっぱり当事者,被害者に対して,直接情報が届く方法ということについての工夫が,今後必要かなというふうに思います。   以上です。 伊藤委員長 分かりました。   奥山委員,何かございますか。 奥山委員 委員の奥山でございます。   今,増田委員からお話ありましたように,特に児童虐待は,保護者は大人で,虐待を受けるのは子供,子供がなかなか法テラスの存在というのを知り得ることはまず難しい。仮に知っていても,通知をするということはあり得ない,あり得ないというと言い過ぎですけれども,難しい。そうすると,やはり保護者,若しくは保護者直接じゃなくても周りの方々に,法テラスというところでも,こうしたことに取り組んでいることを周知をする。このような方向も,効果的ではないかなと思っておるところでございます。   以上でございます。 伊藤委員長 ほかにいかがでしょうか。   もしよろしければ,この項目2−11につきまして,評定は原案どおりB,理由も原案のとおりといたしまして,それにつきまして,ただいま頂戴した御意見を,しかるべき形で法テラスにお伝えするということでよろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   大項目Uのその他の項目につきましては,自己評価,委員の皆様方の意見がいずれも一致しておりますので,他に特段の御意見がございませんでしたら,原案のとおりといたしたいと思いますが,それでよろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 御異議がないようですので,そのようにいたします。   ここで休憩ということでよろしいですか。   それでは,ただいまから15分程度休憩を挟みまして,その後に再開いたしたいと思います。           (休     憩) 伊藤委員長 議事を再開いたします。   続きまして,大項目のV,業務運営の効率化に関する事項,項目番号で申しますと3−13から3−16までを取りまとめたいと思います。   まず,項目3−13,一般管理費及び事業費の効率化についてでございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれもBで一致しておりますが,この項目の重要度が高とされております。   この項目に関しまして,御意見のある委員はいらっしゃいますでしょうか。   中村委員,もし何か御発言ございましたら。 中村委員 余り具体的なところではございませんで,全般として,効率的に運用をされているというふうに判断をいたしました。 伊藤委員長 ありがとうございます。   他の委員の方,いかがでしょう。   よろしゅうございますか。   それでは,項目3−13につきましては,評定は原案どおりBで,評定理由も原案のとおりとして取りまとめたいと存じます。   (各委員了承)   ありがとうございました。   次に,項目3−14,情報提供業務(犯罪被害者支援業務の一部を含む)について討議いただきます。自己評価はBでございますが,委員の方々の評価もおおむねBということになっておりますが,内田委員から,Aとの評価もあり得るという御意見を頂戴しておりますので,内田委員,よろしければ御意見をお願いいたします。 内田委員 基本的には,意見の欄に書いたとおりでございます。   対応件数が3万件以上増加している中での,若干の対応率の低下,それでも目標値自体は上回っていると見ると,それ自体を,少なくともマイナス評価する材料にはならないんだろうと。それでいて,1件当たりの経費というものを下げているというのは,これはやはり大きくプラスに評価してもいいのではないかなということで,Aもあり得るかなと思った次第でした。 伊藤委員長 ありがとうございます。   また,この項目に関しましては,長内委員からも,コールセンターの対応件数が増加する一方で,応答率が前年度より3.3%ほどですが低下をして,情報提供を受けることができなかった方が増加したことについての懸念の御意見を頂いておりますが,長内委員,補足して御意見をお願いできますでしょうか。 長内委員 確かに90%の応答率を維持したこと,特に対応件数が3万件増えている中での目標達成は,評価していいと思っております。   一方,昨年度と比較して3.3%の減少ですが,この3.3%という数値を実際の件数に表したらどれぐらいかと考えたところ,1万件を超えるかなと思います。1万件を超える応答できなかった件数があるという事実を低く見ることができないと考えました。コールセンターへ電話をされる方は非常に困ってお電話をされる方で,また皆さん,非常に勇気を出してお電話されている方だと思います。そういう中で,1万件応答できなかったというのは,昨年度と比較して,A評価でいいのだろうかと,ちゅうちょがございました。   そのようなことで,今回はB評価でいいのではないだろうかと,私は判断いたしました。 伊藤委員長 ありがとうございます。   内田委員からは,A評価にも値すると,そのような評価もあり得るのではないかという御指摘,御意見がある一方,長内委員からは,応答率の点を考えると,やはり目標を超えてまで達成しているという評価のところは難しいのではないかと,こういう御意見ございましたが,他の委員の方はいかがでしょうか。   もしよろしければ,やはり総合的に考えると,A評価とするのは少し無理があるように思いますので,B評価という原案のとおりといたしまして,その理由に関しても,一方で90%の達成目標以上を維持している,他方で,しかし,応答率についての若干の懸念があると,こういう理由を付記して,B評価ということで取りまとめてもよろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 ありがとうございます。それでは,そのようにいたします。   大項目Vのその他の項目につきましては,自己評価,委員の皆様方の意見がいずれも一致しておりますので,他に特段の御意見がございませんでしたら,原案のとおりといたしたいと思いますが,よろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   続きまして,大項目のW,財務内容の改善に関する事項,個別項目で申しますと,4−17から4−19までを取りまとめたいと思います。   まず,項目4−17,自己収入の獲得等でございます。自己評価,各委員の御意見はいずれもB評定で一致しておりますが,難易度が高とされております。   そこで,この点に関して委員の皆様方の御意見を伺いたいと思いますが,いかがでしょうか。   特に,司法過疎地域事務所における有償事件の受任による事業収益が低下しているというような問題もございますけれども,この点は,努力はされているようですが,結果としてはそういう状態だということですが,何か御意見ございますでしょうか。   どうぞ,奥山委員。 奥山委員 評価はBということで,私も何ら異論はございません。   評価の数値,対象数値の中に,寄附の収入があります。寄附は,もちろん寄附をもらうために努力をする,これは非常に重要なことだと思いますけれども,その結果としての寄附というのは,飽くまでこれは寄附者の意向によるもので,これを評価の数値のデータとして使うのはいかがなものかと思われます。むしろ,それよりも,法テラスが自主的にできる努力,例えば,財政的支援等々を地方自治体等から受けていたというようなことを,数値基準にした方がよろしいのではないでしょうか。   寄附そのものを否定するわけではありませんけれども,何か釈然としないというのが,この項目に対する私の意見でございます。 伊藤委員長 分かりました。   贖罪寄附はともかく,一般寄附に関しては,確かにおっしゃるような側面があるとは思います。   ただいまの御指摘の点も含めまして,何か御発言ございますか。   どうぞ,山中委員。 山中委員 確かに寄附そのものは,寄附する人の意思の問題ですから,法テラスの業務への努力とは無縁の話で,あんまり強く発言するつもりはないんですが,例えば,消防の救急車が急病人を搬送して,消防署に行きますと,寄附を受け付ける箱が置いてあるところが結構あるんです。もちろん,搬送は税金で賄われているわけですが,命拾いしたか,大変救急隊員にお世話になったというとで,後日気持ちを寄附という形で,消防署を訪れてやる。これ,寄附そのものは,全く受け身一本で,寄付額の高が決まるのか,もちろん強要するわけではありませんが,何らかの慫慂するか仕向けるか,それとなくその気持ちにさせる努力というのは,全くないわけではないと思うんです。   これ以上,むきになって言うような話はないんであれですが,やっぱり寄附は,間接的に法テラスの業務に対する評価を表してはいるものだという面もあることは事実ではないかという気はします。 伊藤委員長 なるほど。   そういたしますと,寄附金収入の増減をどのように評価するかという問題はございますけれども,項目4−17につきましては,評定としては原案どおりBで,評定の理由も,ここに記載されておりますようなことで,Bということで取りまとめたいと存じますが,よろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 ありがとうございます。   そういたしましたら,次に4−18,民事法律扶助における立替金債権の管理・回収等についてでございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれもA評定で一致しておりますが,この項目は,重要度,難易度が共に高とされている項目でございます。   この点につきまして,御意見ございましたらお願いいたします。   Aとして評定が一致している理由としては,なかなか性質上難しいにもかかわらず,償還率が年々上昇しているというあたりを積極的に評価いただいているかと思いますが,他方,償還滞納率が平成29年以降横ばいで,これを前年度以下にするという目標を達成しているとは言えないという,そういう見方もできるかと思いますが,もし何かそのあたりで御発言ございましたら,お願いいたします。   どうぞ,奥山委員。 奥山委員 奥山でございます。   今,委員長の御発言がございましたように,償還滞納率については,達成目標は前年度以下というふうに,前年との比較というふうに見ておりますけれども,基準値から見れば,37%からほぼ0.3%の差ということで,大きな意味でいえば横並びだということです。なかなか回収が非常に難しい立替金だと思いますので,私は,ここの達成目標が僅かながら未達,若しくは横ばいだったということをもって,A評価をあえてB評価にする必要はないと思っております。 伊藤委員長 ありがとうございます。   奥山委員からはただいまのように,その問題を勘案しても,なおA評価とすることが適切であるという御意見ございましたが,その点も含めまして,この項目4−18につきましては,評定をAとし,評定理由も原案のとおりとするということで,委員の皆様の御意見が一致していると理解してもよろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   大項目Wのその他の項目につきましては,自己評価,委員の皆様方の意見がいずれも一致しておりますので,他に特段の御意見ございませんようでしたら,原案のとおりといたしたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   次に,大項目X,その他業務運営に関する重要事項,個別項目番号で申しますと,5−20から5−24までを取りまとめたいと思います。   まず,項目5−22の情報セキュリティー対策でございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれもB評定で一致しておりますが,重要度が高とされている項目でございます。   この点に関しまして,何か御発言のございます委員の方はおいでになりますでしょうか。   どうぞ,中村委員。 中村委員 中村でございます。   先ほど前段のところでもお話がございまして,5−22についての内田委員のコメントにも記載されておりますが,セキュリティーというところにどこまで含めるのかという部分はあるものの,システムの利用に関して支障があったということであるとすると,この点についてのコメントというのは,ここに入ってきてもいいのではないかというところは,私も同感でございます。   特にこの評価を左右するということではございませんが,セキュリティー関連の事項としてこういうことがあって,それに対しての対策についても,若干の言及があってもよろしいのではないかというふうに思いました。 伊藤委員長 そういたしますと,ただいまの内田委員の御意見を元にして,中村委員の御発言も踏まえますと,評価の理由について,なおこういう問題もあったというような記述を入れた方がよろしいということですね。 中村委員 はい。 伊藤委員長 それでは,その点はどうでしょう,事務局,その趣旨のこと,もし,多分委員の方に御異論がなければ,そういう問題があったという点の記述は若干付け加えるということでもよろしいですか。 澁谷参事官 承知いたしました。 伊藤委員長 分かりました。   そうしましたら,表現は,恐縮ですが,一任していただくことにして,趣旨は,先ほどの内田委員の御発言や中村委員の御発言を踏まえて,若干記述を付け加えるということにしたいと思います。   ほかに御意見はございますか。   それでは,項目5−22につきましては,評定は原案どおりBとして,評定の理由に関しては,原案にただいま御指摘のあった点の記述を付加すると,そういう形で取りまとめたいと思います。   (各委員了承)   よろしければ,次に項目5−23,業務内容の周知を図る取組の充実についてでございます。自己評価,各委員の御意見は,いずれもB評定で一致しておりますが,重要度が高とされている項目でございます。   この点に関しまして,奥山委員からは,次年度もページビューの数の向上を期待するという御意見いただいておるようでございますので,補足していただければと思います。 奥山委員 委員の奥山でございます。   法テラスの方では,インターネット等の活用した広報活動ということで,リスティング広告やコンテンツマッチ広告というようなものを使って周知を図っていると説明されています。   実際,私,インターネットで実は幾つかの単語を検索してみました。例えば,DVと検索すると,確かに法テラスが出てくる。もちろんほかの民間団体も出てきます。その中で,インターネットで検索するという方は,まず安心して相談できるところかどうか,それから料金はどうか,すぐ対応してくれる迅速性と,大きく言うと,この3点を注目するかとだと思います。民間でも同様なうたい文句を書かれています。   残念ながら,たまたま私が使った検索エンジンのせいなのかもしれませんけれども,法テラスのところでは,国によって設立されているということがうまく表示されません。そうすると,まず安心して相談できるというところがなくなってしまって,ほかのところに,相談してみるというようなことがあるかもしれません。   借金で検索しても同様ですが,国によって設立されたということが表示される場合もあります。もう少しこの辺は,法テラスの方で研究を更に進めると,安心して法テラスのホームページにアクセスしやすくなるかもしれないと思います。   必ずしもインターネットを使う方が法テラスだけに頼るということではないかと思いますが,やはり普通に考えれば,国によって無料でできて,24時間対応してくれるのであれば,まず最初に選ぶというふうに思います。もっと違う選び方もあるかもしれませんが,ここいらは少し研究をしていくと,PV数が伸びていくのではないかなと思っています。   以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございます。   ただいまの点に関しまして,中村委員からもホームページのビューについての御意見いただいているように聞いておりますが,いかがでしょうか。 中村委員 ホームページのビュー自体は増加をしているということでございますが,今御指摘もありましたように,認知度自体についていま一歩というような結果かなというふうに思っております。   若干話がずれて恐縮ですが,インターネットということの手段も,今非常に大きな周知の手段ではあるんですが,例えば,災害の際等には,インターネットにアクセスできないような環境ということも考えられるので,場面場面に応じて,例えば,そういうときはラジオ等での広報であるとか,地方のテレビ局を使っての広報であると,比較的全国ネットよりも安価にできるというようなこともありますので,その時々に応じた,見てほしい方に見ていただけるようなアクセスの仕方というのも,更に工夫ができるのかなというふうに思ったところです。   以上です。 伊藤委員長 分かりました。   そういたしますと,この項目5−23につきましては,評定は原案どおりBで,その評定の理由も原案のとおりですが,若干それに付随して,ただいま奥山委員,中村委員から御発言があった点も,法テラスに評価委員会の中の委員の御発言としてお伝えして,参考にしていただくということでよろしいでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   大項目Xのその他の項目につきましては,自己評価,委員の皆様方の意見がいずれも一致しておりますので,他に特段の御意見ございませんようでしたら,原案のとおりとしたいと思いますが,よろしゅうございますか。   (各委員了承)   以上で,個別の項目別評定意見の取りまとめは終了でございます。   なお,幾つかの項目について申しましたが,頂いた御意見につきましては,それをどういう形で表現するかも含めて,法テラスへの伝え方などに関しましては,事務局と私に御一任いただければ有り難いと思いますが,それでよろしゅうございますか。  (各委員了承) 伊藤委員長 ありがとうございます。   続きまして,資料1−1の評価の概要案につきまして取りまとめをしたいと思いますが,いずれの箇所についてでも結構ですが,評価の概要の記載につきまして,御意見のある委員はいらっしゃいますでしょうか。   よろしいでしょうか。   (各委員了承)   それでは,評価の概要につきましては,資料1−1の原案のとおりにいたします。   引き続きまして,資料1−2の年度評価の総合評定につきましてお諮りいたします。   総合評定につきましては,各委員の評定意見はB評定で一致しております。なお,本日御欠席の池亀委員からは,今後も新型コロナウイルスの影響は継続するものと思われますので,特に関係機関との連携,情報提供業務,民事法律扶助,法律相談等でございますが,法教育,司法過疎対策等,面談,集合形式のものが採用できないことが想定されますので,事業の継続に必要な工夫と対応をお願いできればと思いますという要旨でございますが,御意見を頂いております。本日の委員会でも,同様の御意見が出されておりますが,ただいまの池亀委員の御意見を含めて,評定及び評定に至った理由,支援センター全体の評価等の記載も含めて,何か御意見のある委員の方はおいでになりますでしょうか。   よろしければ,総合評定につきましては,資料1−2の原案どおりということにさせていただきたいと思います。   (各委員了承)   以上で,議事1の年度評価につきましては終了でございます。ありがとうございました。   そこで,本日取りまとめました業務実績評価の今後の取扱いにつきまして,事務局から説明をお願いいたします。 澁谷参事官 御説明いたします。   今後の取扱いでございますが,本日の結果につきまして,伊藤委員長にお諮りしまして,本日の御討議の内容を資料1の方に反映させていただきます。来週の8月19日水曜日頃までに,各委員の皆様に最終的な確認依頼をさせていただく予定にしてございます。その上で,締切りにつきましては,御依頼をさせていただく際に,改めてお伝えいたしますが,8月25日頃をめどに,御確認を頂いて御返信を賜れればと存じますので,よろしくお願いいたします。短期間での御対応をお願いすることとなりますが,どうぞよろしくお願いいたします。   各委員に御確認いただいた上で,伊藤委員長に最終的な御確認を頂きまして,内容を確定とさせていただきたいと思います。   確定いたしました平成31年/令和元年度の年度評価につきましては,その後,公表手続を行うとともに,総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知をさせていただく予定となっておりますので,御了承ください。   以上でございます。 伊藤委員長 ただいま事務局から説明がありましたような手順で,当評価委員会としての意見を取りまとめたいと思いますので,御多忙のところ恐縮ではございますが,よろしくお願いいたします。   次に,議事2の財務諸表の承認に関する意見に関してについて,お諮りいたします。   前回の会議におきまして,法テラスから令和元年度の財務諸表等に関しまして説明を頂きましたが,法務大臣がこの財務諸表を承認することに関しまして,承認を相当としないという御意見はございましょうか。   それでは,財務諸表につきましては,当評価委員会といたましては,承認して差し支えないという意見を申し上げることといたしますが,それで御了解いただけますでしょうか。  (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのようにいたします。   以上をもちまして,本日の議事につきましては,全て終了ということになります。   最後に,事務局から議事録の取扱い等についての説明をお願いいたします。 澁谷参事官 御説明いたします。   まず,本日の会議の議事録についてでございますが,従前どおり,事務局におきまして原案を作成しました後,御出席の委員の皆様に内容を御確認いただきまして,最後に委員長に全体を御確認いただいてから,公表するという手順とさせていただきたいと存じますが,よろしいでしょうか。 伊藤委員長 よろしゅうございますか。   (各委員了承)   それでは,そのようにお願いいたします。 澁谷参事官 ありがとうございます。それでは,そのように進めさせていただきます。   次に,本日お配りした資料でございますが,大部でございますので,郵送を御希望される委員がいらっしゃいましたら,そのまま机上に資料を残しておいていただきましたら,後日事務局より郵送させていただきますので,よろしくお願いいたします。   事務局からは以上でございます。 伊藤委員長 それでは,以上をもちまして,日本司法支援センター評価委員会の第65回会議を終了とさせていただきます。   本日は長時間にわたりまして,御審議ありがとうございました。 ―了―