日本司法支援センター評価委員会 第75回会議議事録 第1 日 時  令和5年7月12日(水)    自 午前 9時28分                         至 午前11時48分 第2 場 所  東京地方検察庁刑事部会議室(514号室) 第3 議 事  (1)令和4年度に係る業務実績評価について  (2)令和4事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について 第4 今後のスケジュール 議        事 長谷部委員長 皆様お集まりのようでございますので、ただいまから日本司法支援センター評価委員会第75回会議を開催いたします。   皆様におかれましては、御多忙のところ、また大変お暑い中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。   それでは、初めに定足数の確認をさせていただきます。  本日は、本会場に9名の委員の御出席をいただいているところでございます。奥山委員におかれましては、健康上の事情により本会場に参集することが困難であり、ウェブ会議システムによる出席が相当であると認めます。運営規則第3条第1項に基づくものです。奥山委員を含めまして10名の委員の皆様に御出席いただいておりますので、定足数でございます過半数の出席要件を満たしていることを確認させていただきます。   議事に入ります前に、まず、委員に交代がございましたので御報告いたします。   本年5月31日付けで𠮷田委員を新たに当評価委員会にお迎えしました。そこで、𠮷田委員から一言御挨拶をお願いしたいと思います。 𠮷田委員 𠮷田でございます。東京高等裁判所に所属しております。   直近では、福島の地方裁判所の方でお世話になっておりまして、司法行政の立場からは、法テラスとの間で接点も多く、いろいろお世話になる機会も多かったところでございます。改めて今回、資料それから御説明を伺って、法テラスの方で多様な業務を展開していることを初めて知ったところでございますので、勉強しながら必要な意見を述べさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 長谷部委員長 𠮷田委員、どうもありがとうございました。   それでは、議事に入りたいと存じます。   本日の議事は、お手元の議事次第にありますとおり、(1)「令和4年度に係る業務実績評価について」、(2)「令和4事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について」の2点でございます。   各議事につきまして、まず事務局から概要の説明をお願いします。 本田総合法律支援推進室長 それでは、本日の議事の概要を御説明いたします。   まず、議事(1)「令和4年度に係る業務実績評価について」につきましては、法テラスの令和4年度の業務実績について、自己評価とその理由等を踏まえた御議論をいただけたらと存じます。   次に、議事(2)「令和4事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について」につきましては、総合法律支援法上、法務大臣が法テラスの財務諸表について承認をしようとするときには、あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされておりますことから、本日、併せて御議論をいただけたらと存じます。   議事の概要の説明は以上でございます。 長谷部委員長 ありがとうございました。   それでは、ただいま事務局から説明がありました議事に沿って進めたいと思います。   本日は、法テラスの業務実績や財務諸表につきまして、委員会としての理解を深めるために、丸島理事長を始めとする法テラスの皆様方から、資料についての御説明や委員からの質問に対する御回答をしていただくこととしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。   続きまして、本日の配布資料について、事務局から説明をお願いします。 本田総合法律支援推進室長 それでは、配布資料につきまして御説明をいたします。   まず、資料1につきましては、本日現在の委員名簿でございます。   次に、緑色の紙ファイルでございます。こちらには、資料2の業務実績等報告書が入ってございます。こちらは、法テラスの令和4年度の業務実績と自己評価等を記載したものになります。   続きまして、青色の紙ファイル、こちらは、令和4事業年度の財務諸表等が入ってございます。この中の資料3-1が財務諸表、資料3-2が事業報告書、資料3-3が決算報告書、資料3-4が監査報告、資料3-5が独立監査人の監査報告書、資料4が日本司法支援センターにおける契約の点検結果でございます。   資料の説明は以上でございます。欠落等がございましたら、いつでもお申し出いただければと思います。よろしくお願いいたします。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   それでは、議事を進めたいと思います。   ここからは、各議事につきまして、それぞれに関連する資料について、法テラスから御説明をいただいた上で、各委員から御質問等をお願いしたいと思います。   評価項目は、全21項目にわたりますため、項目1-1から2-11までを前半、2-12から5-21までを後半として、二つのブロックに分けて御説明をいただき、それぞれに質疑応答の時間を設けたいと思います。   また、本日は、法テラスの松並監事、高橋監事にも御出席をいただいておりますので、後ほど御意見をお願いしたいと存じます。   長丁場でございますので、10時30分頃をめどに、10分程度休憩を取りたいと考えております。   それでは、まず、法テラスの丸島理事長から冒頭の御挨拶を頂戴できればと存じます。よろしくお願い申し上げます。 丸島理事長 おはようございます。日本司法支援センターの理事長を務めております丸島でございます。よろしくお願いいたします。   長谷部委員長を始め、評価委員会の委員の皆様には、当センターの業務運営に日頃から御指導、御支援を頂いておりまして感謝申し上げます。また、本日は、この暑さの中、大変お忙しいところを、令和4年度業務実績評価のための本会議に御参集いただきまして、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。   第5期中期目標期間の初年度に当たる令和4年度の当センターの活動の概況につきましては、後ほど担当者から御説明をさせていただきますが、第5期中期目標においては、司法アクセスへのニーズがますます増大し多様化する社会状況を踏まえて、国民等の期待に十分応えることができるよう業務の改善に取り組むとともに、自発的に創意工夫を凝らして、効率的・効果的な業務運営を行い、時代にふさわしく、業務の基盤となる職員体制の整備・充実を図りデジタル化を推進するなどして、業務と組織の適切な運営を行うことを目標としております。   今期に先立つ第4期中期目標期間は、新型コロナウイルス感染症がまん延し、対面相談など必要な業務の継続に困難が生ずる中、電話等を活用して法律相談を行う緊急時電話等相談援助などの新しい取組を始めたわけでありますが、令和4年度においては、その取組を発展させて、平常時でも、高齢者・障害者など、相談場所に自ら赴いて相談することが困難な方々を対象とする通常電話等相談援助を開始したほか、特定援助対象者法律相談援助や出張相談などの利用の拡大を図るなどして、司法アクセス障害の解消に向けて取組を進めてまいりました。   また、令和4年4月からは、犯罪被害者支援ダイヤルにフリーダイヤルを導入いたしますとともに、DV・ストーカー・児童虐待などの被害者のための法律相談援助につきまして、平常時においても電話等を活用した相談ができるようになり、被害者の方々の利便性の向上を図った結果、犯罪被害者支援ダイヤルの利用件数、そして法律相談援助件数ともに、前年度比で約1.3倍という大きな増加を見ることになりました。   さらに、昨年の業務で特記すべきこととしては、令和4年11月、政府の「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議による取りまとめに基づき、旧統一教会問題に関して被害を訴える方々などの相談窓口となる霊感商法等対応ダイヤルを開設するとともに、対応部署として特定施策推進室を新設するなどして、その運営を開始いたしました。職員らは、通常業務の傍ら、極めて短期間に集中して、この新たな業務の立ち上げに努力をしてまいったわけでありますが、この取組では、法的問題以外に、心の悩み、家族の悩み、生活困窮など、相談者が抱えている複合的な問題に総合的・一体的な対応を図れるよう、各種関係機関・団体等と緊密な連携を進め、特定施策推進室に専門の弁護士・心理専門職等を配置するほか、社会福祉関係者の方々などと連携を深めつつ、被害者支援の業務に当たってまいりました。   以上のとおり、社会の中で当センターの役割は年々拡大をしているところでございますが、今後とも多様な司法アクセスのニーズに応えるとの使命をよりよく果たせますよう、人事制度の在り方の見直しやDXの推進を始めとする体制の整備・充実、また福祉関係機関、自治体、その他関係機関・団体の皆様との連携の強化等についても不断に取り組み、サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。   本日は、委員の皆様から忌憚のない御意見・御指摘を賜りまして、当センターの業務と組織運営の改善・強化を図るべく一層の努力をしてまいりたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。   本日はありがとうございました。 長谷部委員長 丸島理事長、どうもありがとうございました。   それでは、法テラスから、評価項目の前半部分の御説明をお願いいたします。 犬木総務部長 法テラス本部総務部長の犬木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。   私の方からは、令和4年度の業務実績につきまして、前半部分として、項目1-1から2-11までを御説明いたします。   また、「B」以外の自己評価とした項目、重要度・困難度が「高」とされた項目など、十分な御説明の必要があると思われる項目を重点的に御説明いたします。   最初に、項目1-1は、常勤弁護士を除く「職員の配置及び能力の向上」に関するものです。   まず、職員の採用については、受験者の利便性の向上及び新型コロナウイルス感染症対策の観点から、一部オンライン試験を導入しました。また、多様な人材確保の観点から、中途採用試験を2回実施したほか、前年度に引き続き、インターンシップを企画し、応募のありました46名中30名を選考して2か所の地方事務所で実施するなどしました。   次に、配置については、各地方事務所の取扱件数や、業務の平準化・事務の合理化の観点に加え、更に適正な人員配置実現の観点から、新たな人員配置計画を策定したほか、組織の活性化を目的にジョブポスティング制度の運用を継続しました。また、職員に多様な経験を積ませることを目的に、職員を消費者庁に出向させました。   さらに、研修については、コロナ禍において実施できなかった集合研修を再開し、採用年次等に応じて職員の能力向上を図るとともに、オンライン研修の長所を活かし、全国の職員を対象に短時間の実務研修を内容別に複数回実施するなど、効率的かつ効果的な研修を実施しました。   また、退職した元常勤職員を一定の要件の下で再度採用するジョブリターン制度を継続したほか、転勤負担の均等化、転勤の負担軽減等に関する検討を行った結果、北海道ブロックと九州ブロックに異動範囲を限定した職員採用を試行として実施し、1名を採用いたしました。また、働きやすさの確保を目的とした転勤特例制度の運用を継続する一方、導入後一定期間が経過したため、より職員のニーズに合うものとなるよう制度の見直しに着手しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目1-2は、「常勤弁護士の採用及び配置」に関するものであり、困難度「高」とされております。   まず、常勤弁護士の採用については、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、オンラインを活用した就職説明会を開催したほか、ホームページやSNS等を利用した情報提供を行ったり、前年度に実施した司法修習生等を対象にした常勤弁護士による連続講演会の録画視聴会を実施したりしました。また、常勤弁護士のドキュメンタリー動画やポスターを用いるなどして、常勤弁護士の取組状況や魅力を周知しました。   次に、常勤弁護士の配置の必要性や妥当性については、その前提となる常勤弁護士の業務量を適正に評価するため、司法ソーシャルワーク等の法律相談や訴訟代理事務の取扱い以外の業務量を把握することを目的とした関係機関連携票を導入いたしました。また、法律相談や訴訟代理等の事件処理件数に加え、出張相談等の採算性の乏しい事案や対応困難な事案への対応件数を把握するとともに、関係機関連携票で把握した司法ソーシャルワークの業務量を分析しました。その結果、常勤弁護士1人当たりの年間平均業務量は、法律相談102.2件相当、有償事件を含みますが、代理援助25.9件相当、国選弁護14.7件相当となりまして、法律相談につきましては、中期目標期間最終年度までに達成すべき指標を上回り、その他につきましても、中期目標期間最終年度で達成すべき指標に近い数値を上げました。   さらに、この業務量を前提としつつ、法テラス内部での調査結果に加え、日本弁護士連合会と引き続き連携して、常勤弁護士の配置の必要性や配置人数の妥当性の検証に取り組みました。   そして、常勤弁護士を地方事務所に配置できていない地域につきましては、法テラスに関する日本弁護士連合会主催のブロック協議会等において、地元弁護士会に対し、司法アクセス障害の解消に向けた全国の常勤弁護士の法的支援体制を周知・広報しました。   以上に加えまして、常勤弁護士が法テラスの各業務の担い手として地域の実情に応じ、法律相談や事件受任等に日々適切に対応した上、司法ソーシャルワーク活動等を活発に行い、福祉機関等の関係機関との連携強化に向けた様々な取組を実践しながら、特に遠隔地の事案や採算性の乏しい事案、高齢者・障害者、犯罪被害者、外国人などの多様な法的ニーズにも積極的に対応し、司法アクセス障害の解消という公共性の高い役割を果たしたことなどを踏まえれば、所期の目標は十分達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続きまして、項目1-3は、「常勤弁護士の資質の向上」に関するものです。   まず、常勤弁護士の研修については、常勤弁護士が司法アクセス障害の解消という役割を適切に果たせるよう、本部に設置した裁判員裁判弁護技術研究室と常勤弁護士業務支援室を活用しつつ、研修内容によっては、外部講師を招きながら、常勤弁護士の日々の業務遂行に役立つ実践的な研修を実施し、その能力の向上を図りました。また、先ほどの裁判員裁判弁護技術研究室や常勤弁護士業務支援室による相談体制の充実を図るとともに、赴任1年目や2年目といった若手の常勤弁護士に向けては、シニア常勤弁護士が担当制で支援を行うメンター制を継続し、若手の常勤弁護士への支援を実施しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続きまして、項目1-4は、「一般契約弁護士・司法書士の確保」に関するものです。   本部と地方事務所におきまして、日本弁護士連合会等の関係機関と連携して説明会や協議会を実施するほか、説明資料を配布するなどして、契約弁護士・司法書士が提供するサービスの質の向上を図りつつ、契約弁護士・司法書士の確保に努めました。   その結果、令和4年度の民事法律扶助契約、国選弁護人契約、国選付添人契約、被害者参加弁護士契約のいずれについても、契約者数が増加しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目1-5は、「事務所の存置等」に関するものであり、重要度・困難度ともに「高」とされております。   被災地出張所につきましては、被災地域のニーズ等を踏まえて総合的に判断し、ふたば出張所と気仙出張所を存続させて業務を継続しております。   また、扶助・国選対応地域事務所については、地域ごとの弁護士数や事件数等を勘案し、事務所の統廃合も含めて検討した結果、令和4年度中の新規設置や統廃合は行いませんでした。   そして、司法過疎地域事務所については、地方事務所からの意見聴取結果を踏まえつつ、あらかじめ設定した司法過疎地域事務所の設置基準に該当する地域を抽出した上で、日本弁護士連合会との間で設置している作業部会を開催するなど継続的な協議を実施しながら、必要に応じて地方事務所等との協議を開催するなど、検討を進めているところでございます。   以上を踏まえれば、所期の目標は達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目1-6は、「司法アクセス拡充のための体制整備」に関するものです。   こちらについては、まず、令和4年度は、本部において、関係機関連絡協議会により関係機関と緊密な連携を図りつつ、各種データの整理や体制整備に関する取組事例の共有、情報発信についての研修を行いました。   そして、地方事務所においては、全ての地方事務所において地方協議会を開催し、実施回数は67回に達し、前年度を上回る実績となりました。   また、地域課題を分析し、優先課題を解消する取組や、関係機関主催のケース会議に弁護士を派遣する取組を行った結果、中期目標上の取組対象である975の自治体のうち260の自治体において、人口1,000人当たりの民事法律扶助に基づく法律相談援助の実施件数の区分が上昇するに至っており、指標を達成いたしました。   さらに、令和4年度においては、いわゆる霊感商法や高額献金等の旧統一教会問題及びこれと同種の問題に関し、政府の関係省庁連絡会議が取りまとめた被害者救済に向けた方策の一つに「法テラスの抜本的な充実・強化」という項目が盛り込まれたことを受け、対応部署として、11月11日に特定施策推進室を新設しつつ、同月14日には政府の合同電話相談窓口の機能等を継承したフリーダイヤルの対応窓口として、霊感商法等対応ダイヤルを開設しました。また、以上と並行しまして、この種の問題に経験・理解のある弁護士の紹介や弁護団への引継ぎ、それに伴う民事法律扶助の積極的な活用、心理専門職等を活用したワンストップ型相談会の実施といった取組を行うなどしました。また、以上の取組を進めるに当たっては、日本弁護士連合会や全国統一教会被害対策弁護団のみならず、日本公認心理師協会、日本臨床心理士会及び日本社会福祉士会とも協議・連携を行うなどし、その結果、特定施策推進室への心理専門職の配置等も実現しました。   以上の取組においては、法テラスは、被害者救済に向けまして、単なる法律的な支援にとどまらず、心の問題など他に必要な支援を含めた総合的・一体的な相談対応を行いましたが、そのための心理専門職等の配置や、心理専門職等を活用したワンストップ型相談会の実施、同じく被害者救済に取り組む弁護団との連携など、従来の法テラスにはなかった新たな取組は、今後の総合法律支援がより一層発展していくための礎を築くものであったと考えております。   また、法テラスにとっては、令和4年度当初予測しなかった外部的な要因に対し、以上の取組を極めて短期間のうちに連続的に実施した点につきましては、十分評価に値するものであったと考えております。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目2-7は、「適切な情報提供の実施」に関するものです。   コールセンターの対応件数は、39万9,000件を超えるなど、前年度より大きく増加し、過去10年度において最も多い件数に達しました。また、メールによる情報提供件数も7万1,000件を超え、これまでで最も多い件数に達しました。さらに、高齢者・障害者への対応では、全ての地方事務所の情報提供専門職員に高齢者・障害者に関する知識や必要とされる配慮、対応に関する研修を実施しました。   満足度調査については、5段階評価のアンケートで、特にコールセンターで件数が大きく増加した状況においても利用者満足度4.8と、高水準を達成し、全体平均でも4以上の評価を得ることができました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目2-8は、「法教育事業及びその関連事業」に関するものです。   令和4年度から、法テラスの取組内容を法教育事業及びその関連事業に区分し、前者は一般市民を対象に法的問題への対応能力を高めることを目的とした取組として、また、後者は関係機関職員等を対象に一般市民の支援に資することを目的とした取組として、それぞれ整理いたしました。   その上で、令和4年度においては、新型コロナウイルス感染症対策のため、一部オンライン形式も活用しつつ、地方事務所ごと、相続や成年後見をテーマとした企画、図書館と共催した企画、大学の授業に組み込んだ企画など、鋭意工夫して実施した結果、一般市民向け法教育事業の実施回数は236回、関係機関職員等への法教育関連事業の実施回数は181回、合計で417回に達しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目2-9は、「民事法律扶助業務」に関するものであり、重要度「高」とされております。   まず、高齢者・障害者等に対する支援の充実についてですが、19か所の地方事務所が高齢者・障害者に対する支援を地域課題として設定した上で、その解消に取り組んだほか、複数の地方事務所がケース会議弁護士派遣モデル事業を利用して、地域包括支援センターにおけるケース会議に弁護士を派遣しました。   また、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会との定期協議会において、特定援助対象者法律相談援助の実施状況を共有したほか、高齢者支援に関わる福祉関係者向けに作成したユーチューブ動画を、QRコード入りのチラシや福祉関係者向けの研修で周知しました。   以上の取組の結果、出張相談及び特定援助対象者法律相談援助の件数を前年度より増加させることができました。   また、関係機関等と連携し、巡回相談を各地の実情を踏まえて実施したところ、巡回相談件数は859件に達し、前年度より増加させることができました。   次に、民事法律扶助業務の利便性の向上についてですが、弁護士会・司法書士会など関係機関と連携・協力しながら、指定相談場所や連携機関を相談場所としたオンライン相談を3か所の地方事務所で実施しました。   また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、利用者等の感染リスクを回避するため、令和2年5月から開始した緊急時電話等相談援助を、令和5年3月まで延長しつつ、業務方法書を改正し、高齢者や障害者など既設の相談場所に赴いて相談することが困難な方を対象とした通常電話等相談援助を令和4年4月1日から開始しました。   なお、緊急時電話等相談援助と通常電話等相談援助につきましては、令和5年3月31日に廃止し、4月1日からは対象を限定しない電話等相談援助を開始しております。   そのほか、利用者が代理援助と書類作成援助を選択できるよう日本司法書士会連合会が作成した「司法書士ができること」を地方事務所に配布し、適切に説明できるようにいたしました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続きまして、項目2-10は、「国選弁護等関連業務」に関するものです。   こちらについては、まず、国選弁護人及び国選付添人の迅速かつ確実な選任態勢を確保するため、支部を含む全ての地方事務所において、関係機関との間で463回の協議を行うとともに、刑事弁護等に関連した研修・協議会ないし説明会を144回実施しました。   また、被疑者国選弁護事件については、全ての地方事務所において、休日を含め、原則として数時間以内、遅くとも24時間以内との目標を定めておりますが、令和4年度においても、従前同様、全事件の99.9%で24時間以内の指名通知を行うことができました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目2-11は、「司法過疎対策業務」に関するものです。   まず、司法過疎地域事務所については、新規設置や統廃合を行わなかったものの、常勤弁護士の配置人数については、司法過疎地域事務所ごとに取り扱う事件の種類・件数等を分析した結果に基づき、業務量等に応じた必要な人数を配置するなどしました。また、これと並行し、今後の配置人数の更なる適正化を目指し、事件の種類・件数等のほか、情報提供等を行った件数等も踏まえた業務量の把握のために必要なデータ収集を行いました。   次に、司法過疎地域事務所を設置していない地域における司法過疎対策としましては、引き続き、関係機関・団体との協定に基づく巡回相談を実施しました。また、司法過疎地域の福祉施設において、生活困窮者向けの巡回法律相談や、精神病院に入院されている方など地方事務所まで法律相談に赴くことができない方を対象とした巡回法律相談も実施しました。令和4年度も新型コロナウイルス感染症の影響で面談相談の実施が難しい状況が続きましたが、通常電話等相談援助が開始されたため、これを活用した対応を行っております。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   前半部分の御説明は以上でございます。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   それでは、項目が多岐にわたっておりますが、ただいま御説明がありました範囲に含まれるものにつきましては、どの点からでも結構ですので、委員の皆様から御質問等ございましたらお願い申し上げます。 増田委員 全国消費生活相談員協会の増田でございます。お世話になっております。   この度、1-1で、消費者庁に職員を1名出向させたという記録がございまして、消費者問題に関して、法テラスさんの方にもたくさん御相談があると思うので、その状況を把握していただくのに、大変取組としてはいいなと思っております。   事前説明のときに、公益通報のところの部署に配置されたと伺っておりますけれども、公益通報って非常に狭い分野でございまして、一般消費者からの相談というのはそんなに多くないんですね。結局、関係する省庁や相談窓口を持つ関係団体に紹介したりとかになります。もうちょっと違うところの方がいいのではないかと思うのですが、例えば、法教育との比較のための消費者教育であったり、それから地方消費者行政の実態を知るために地方消費者、地協課というところがございますので、そちらであったり、いろいろございますけれども、その辺のお考えを伺えればと思います。 犬木総務部長 ありがとうございます、総務部長の犬木でございます。   御指摘のとおりかなと思っておりますが、私が仄聞しているところでございますと、もちろん公益者通報の関係の業務を中心に行っているようなのですが、例えば、パンフレットの作成も担当しているそうです。そのパンフレットの交付を通じた啓もう活動といいますか、本制度に関する広報活動にもかなり力を入れて関わっているようでございまして、そういう意味では、法教育には多少携わっているのかなと理解しています。   また、これ、部分的のようなのですけれども、地方の消費者の方から消費者庁にもろもろ御相談の電話が寄せられるそうなのです。その相談員を統括するという趣旨ではないのですけれども、電話を受ける方からの個別の相談等も受けるようでありまして、そういった意味では、本人にいろいろ指導的な役割も期待されているようで、勉強になっているのかなというふうに理解しております。   1年度目は公益通報者保護法に関する業務が中心だったかもしれませんけれども、こちらの方からはもっと、例えば立法審議とか、難易度が高い仕事をお願いしますというふうにアピールしておりますので、引き続き期待していただければなと思っております。ありがとうございます。 増田委員 分かりました、ありがとうございます。 長谷部委員長 ありがとうございました。   内田委員、お願いします。 内田委員 弁護士の内田でございます。   1-1の4の「働きやすい職場の実現」の中で、ジョブリターン制度の継続に関して、質問部分については事前の説明の際に御説明いただいたので、それを前提にして、むしろ意見的なことになりますが、このジョブリターン制度の実績をお聞きしたところ、令和4年度はなしで、令和元年度に1名あったと伺いました。申出自体は19名あったということなので、決して、需要という言葉が適切かどうか分かりませんけれども、需要がないわけではないことがうかがわれます。   それで、これは、実績に出てこなかったのはいろんな原因があって、特に法テラス側の努力改善が足りないとかということではないのだと思うのですが、19名の申出といった需要があることを考えると、何か実績に結び付けば、毎年とは言いませんけれども、一、二年に1名でも実績があるぐらいだといいなという、ちょっと感想的な意見になりますが、申し述べておきます。 犬木総務部長 総務部長の犬木でございます。   ジョブリターン制度につきましては、令和元年度から採用した制度ですけれども、御指摘のとおりかと思います。引き続き、職員の皆様がジョブリターン制度を活用しやすいように、周知活動も含めて徹底していきたいと思います。ありがとうございました。 長谷部委員長 ありがとうございます。   中村委員。 中村委員 中村でございます。   今のところと近いところなのですけれども、インターンシップ制度を始められたということで、どういう方が来られて、どういう経験を積まれるのかなというか、その結果、法テラスに来たいというような方がどのぐらいあったのかとか、その辺りのところをお聞かせいただければと思います。 有吉人事課長 人事課の有吉からお答えさせていただきます。   インターンシップにつきましては、令和3年度は、東京地方事務所において実施しまして、民事法律扶助を題材にしてロールプレイを行いました。令和4年度につきましては、インターンシップの目的を維持しつつも、より多くの学生の方との接点が持てるように、東京地方事務所と大阪地方事務所におきまして、情報提供や民事法律扶助の特徴を捉えた広報プランを作成するといったキャリア教育型プログラムを実施いたしました。   結果につきましては、昨年度は、30名の方がインターンシップに参加されまして、そのうち19名が本選考に応募され、そのうち2名に内定を出しております。 長谷部委員長 よろしいですか。ありがとうございました。   増田委員。 増田委員 すみません、もう一点なのですが、霊感商法等に関する研修やら相談窓口設置ということで、法テラスさんとしても、新しい取組のことが多くあったのではないかというふうに思います。法律の施行に伴って、消費生活相談で寄附、お布施の相談も受けると明確になったことから、現場の相談員は非常に混乱、不安に思っているところがございまして、やはり消費生活センターでは対応できないことがとても多いことが推測されますので、法テラスさんの方との強い連携というのが、非常に心の支えになっている状況にあります。   具体的に、福祉関係ですね、精神福祉とかそちらとの対応というのが、やっぱり各自治体の消費生活センターではそこまで十分に手当てができないので、やっぱり国の予算、バックアップが必要と思います。法テラスさんではそういうところとの連携ができているというふうに理解はしているのですけれども、家族であったり、心理的な要因から、本当に裁判に移行するところまでいくのには、非常に時間が掛かることが多くあると思うのですが、その辺の対応というのは、既にもうされているのかとか、どういう状況なのか、ちょっと教えていただければと思います。 村山特定施策推進室長 特定施策推進室長の村山です。   今の御質問、心理的な問題を抱えた方が裁判に至るまでにとは、どういった御趣旨でしょうか。 増田委員 そうですね、家族の方の御相談があって、本人がなかなかそういうふうに踏み出せないということの方が多いのではないかというふうに思うのですけれども。 村山特定施策推進室長 分かりました。霊感商法等対応ダイヤルは毎日やっておりますけれども、その中には、入信している本人ではなく、その御家族が心配されて電話をしてくるというケースは多くございます。その場合には、まず、御本人を脱会させたいというような御相談になりまして、これは、本人が脱会したいと自ら言っている場合には、弁護士の方につなげて、最寄りの弁護士の方に行って法律相談をと案内しているのですけれども、脱会させたいとなると、かなり複雑で難しい問題でして、これは、今、全国霊感商法対策弁護士連絡会というところがございまして、そちらの方に少し脱会についての相談に乗っていただけるということで、そこに御案内をするというふうにしております。そちらの方とは日頃から連携も取っていますので、そこと連絡調整しながら、ダイヤル業務をやっているというところでございます。 増田委員 すみません、私も連絡会の方とは情報交換しているのですけれども、結局、弁護士が説得するというのは非常に難しいことなので、何か牧師さんの団体であるとか、精神的な対応をできる先生とかいうことになるということなので、やっぱりそこの手当てが十分かどうかということがとても心配です。結局、こちらがつなげることになるので、そこで受け止めができているかどうかというのが心配だったのです。 村山特定施策推進室長 おっしゃるように、牧師の方ですとか、他の宗教団体の方で脱会について御相談に乗るということをされているというふうには、こちらもお聞きしているのですけれども、ただ、日本司法支援センターから直接別の宗教団体の方につなぐというのは、なかなか難しいところもあると考えていますので、まずは、従前からこの問題に取り組んでいる弁護士連絡会の方に御案内をしているというところでございます。   また、心理的な問題につきましては、ダイヤル業務の中で、先ほど総務部長から報告があったように、心理士の先生方に毎日来ていただいていますので、その心理士の先生方の知見を活用しながら対応しているということでございます。 高橋常勤弁護士総合企画部長 担当部長の高橋ですけれども、若干補足をします。今、室長が申し上げた案内先の、全国霊感商法対策弁護士連絡会というのですけれども、従前から、脱会に関しては、そちらの弁護士が個々に牧師さんですとか、あるいは脱会に関わる心理士さんと連携をしながら、弁護士と一緒に取り組んでいると承知していますので、そちらの方でやられると私どもも承知しているところです。 増田委員 ありがとうございました。 長谷部委員長 よろしいですか。   なかなか難しい問題かと思いますが、ほかにいかがでしょう。 池亀委員 池亀です、よろしくお願いします。   1-5の事務所の存置についてお尋ねしたいのですが、令和4年度中の新規設置や統廃合は行わないと御説明を頂きました。報告内容の記載を見ますと、司法過疎地域事務所の新規設置、存続及び統廃合の要否について、全国地方事務所から各地の実情を踏まえた意見を聴取するとともに、設置基準に該当する地域を抽出する作業を行ったとあって、その下に、具体的に設置を検討すべきとなった地域についてはというくだりがありますので、具体的に設置などを検討すべきとなった地域がどのぐらいあって、それがどこで、そして、その協議の結果、行わないこととなったという、その協議の概要について教えていただければと思います。 山内常勤弁護士総合企画課長 常勤弁護士総合企画課長の山内でございます。私から回答させていただきます。   具体的に設置等を検討すべきとなった地域についてでございますが、こちらにつきましては、実際に令和4年度において、協議の議題には、兵庫県の北部、それから三重県の南部などの地域が具体的に挙がっております。協議としましては、話題に挙がった地域につきまして、日本弁護士連合会との間で行っている作業部会で、地元弁護士会のニーズの調査を行って、その上で実際に設置に至れるかどうかを検討しました。   それから、地元の地方事務所の方に我々本部の方から足を運んで、地方事務所の意見、地元の弁護士会の様子と、実際に地元の先生方がどういった御苦労をされているのかなどを把握した上で、そこも踏まえて、日弁連の方と協議をしておりますが、まだ設置には至っていないというのが、令和4年度の状況でございます。 池亀委員 もう少し具体的に、地元の理解が得られない点というのは、どういうところにあるのでしょうか。 山内常勤弁護士総合企画課長 地域事務所が設置されることによって、その辺りでやられている、地元の弁護士として活動されている弁護士の先生方が、やはり自分たちの仕事が奪われるのではないかというか、減ってしまうのではないかというような懸念を示されるということがございます。それで、地元の先生方で一生懸命頑張るので地域事務所は不要という意見が上がってきたりだとか、地元の弁護士の先生方がもう少しカバーしますという話等があったりしまして、そうすると、地元の弁護士会の理解が得られないまま地域事務所の設置をしたとしても、結局その地域では法テラスの常勤弁護士が十分な取組ができないという結果に至りますので、そこはやはり理解を得ながらというところで進めているところでございます。 池亀委員 設置を検討すべき、具体的にここに設置した方がよいのではないかというふうに、設置を検討された地域というのは、司法過疎の地域だというふうな御認識だろうと思われるので、今後ともそこに法テラスの大きな役割である司法アクセス、国民のニーズに応えるという側面から見れば、継続して地元の理解を得られるように御尽力いただくとともに、ここにあったらいいなという事務所ができることを希望しています。ありがとうございました、詳しく頂きました。 山内常勤弁護士総合企画課長 その御期待に応えられるように、我々も頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。 池亀委員 こちらこそ、ありがとうございます。 長谷部委員長 鳥本委員。 鳥本委員 評価委員、鳥本です。   1-2の常勤弁護士の配置の関係で、すごく努力されているというのは、本当に大変御苦労を掛けていると思うのですが、この常勤弁護士を配置できていない地方事務所への配置の促進との関係で2点ばかり聞きたいのです。   まず、法テラスとして考えておられる常勤弁護士となる人の調達についてですが、つまり、東京都が修習の終わった人たちを派遣することを考えているのか、それとも地元、その地元で調達することを考えているのか、その辺りこの文章では分からないので、どちらを重点にされているのかということと、それから、日弁連との協議もよく分かるのですが、日弁連というのは全国の弁護士会の統括的な機関ではあるのですけれども、はっきり申し上げて、日弁連から上意下達で何か言ってきて、地方の地元の弁護士会が聞くというふうにはなっていないと思うのです。だから、幾ら日弁連が言っても、日弁連がどこどこの弁護士会作れといっても、分かりましたという話には多分ならないと思うのです。   そのことを踏まえまして、一体この日弁連との協議で、どういう形で地元弁護士会に働き掛けようと考えているのか、つまり、具体的にいうと、分からないのは地元弁護士会と直接そういうことをすると、日弁連の方で何かクレームがあるのか分かりませんが、そこら辺考えないと、ただ日弁連に声を掛けてやってくださいというと、一生懸命やりますと言うでしょうけれども、多分地元弁護士会になかなか届かないと思うのです。   その辺よろしくお願いします、どう考えておられるのか。 山内常勤弁護士総合企画課長 常勤弁護士総合企画課長の山内でございます。   まず、1点目ですけれども、常勤弁護士につきましては、基本的には、ブロックごととか地元での採用ではなく、全国転勤を前提とした採用を行っております。ですから、ある特定の事務所に勤めてもらうために採用するということはしておりません。全国転勤を前提とした、基本的に新スキームと説明をさせていただいておりますけれども、司法修習終了後直ちに常勤弁護士として採用する枠組みをメインとして採用をしております。   2点目の点ですけれども、確かに日弁連から上意下達で作れと言ったからできるものではないというのは、重々承知しております。ただ、やっぱり日本弁護士連合会の下に各地の単位会がございまして、その単位会の理解を得るためには、やはり法テラスから直接働き掛けたところで理解を得られない可能性が高いというところでございますので、まず日弁連の方の理解を得て、日弁連の方からその単位会に理解を得るという形で話を進めてもらうことが、一番効果的であると考えております。ですから、実際に日弁連の総合法律支援本部の方々と密に連携を取って、その中でクリアすべき問題というところをしっかり、こちらも共通の認識を持ってやらせていただいているというところでございます。 高橋常勤弁護士総合企画部長 担当部長の高橋の方から、若干補足させていただきます。   先ほどの池亀先生からの御質問とも関係するのですけれども、まず、前提としまして、今司法過疎地域と言われている地域について、弁護士が全くゼロとか1とかという地域ではほとんどないのです。この間、弁護士数が増えたことによって、大体の地域が数名ずつ弁護士さんは実際にはいらっしゃる。ただ、全体の人口バランスですとか需要との関係で、あるいは客観的なデータの関係で人数が少なかったりするような地域について、私どもの方で新たに事務所を設置すればどうかというようなことで働き掛けをするということが前提となります。   そうしますと、その地域の先生方に対して、私方が直接というよりかは、日弁連、あるいはその地元の弁護士会を通じて、まずはお話を頂きながら、あるいは客観的な資料を示しながらお話をして御理解いただいて、事務所を設置していくというような作業をしているというのが実情でございます。 鳥本委員 ありがとうございました。 長谷部委員長 ありがとうございました。   奥山委員、お願いします。 奥山委員 奥山でございます。   今のところに関連して、常勤弁護士の適正配置というのは非常に重要であり、難易度が高いということは、私も承知をしております。なかなか常勤弁護士が配置できない理由の一つに、地元弁護士会の理解が得られないというのは、前からお伺いをしているところでございます。   その上で、本来、司法アクセスの障害の解消に向けて、常勤弁護士を配置すれば非常に効率的・効果的だというような事務所があるかと思います。そうした事務所は幾つぐらいで、またそうしたところは、いまだになかなかその解消が難しい特定のところなのか、それとも人口動向によって変化しているのか、この辺についてお話をお聞かせいただければ幸いです。 山内常勤弁護士総合企画課長 常勤弁護士総合企画課長の山内でございます。   奥山委員の御質問の趣旨が、最後のところが私の方で聞き取れませんでしたので、申し訳ございませんが、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。 奥山委員 常勤弁護士が設置できていない地方事務所の数がおおよそ幾つぐらいで、そのうち、効率的若しくは効果的に、アクセス障害が大きくよくなるという、そうしたランクの事務所があるかと思うのです。そうしたランクのところは、非常に長い間、そういう状態なのか、例えば、人口動態によって今年、ここ二、三年でそういう状態になったのか、ここらを御説明いただきたいという趣旨でございます。 山内常勤弁護士総合企画課長 ありがとうございます。   常勤弁護士を配置できていない地方事務所につきましては、現在10か所ございます。そこにつきましてですけれども、こちらといたしましては、ここ数年の動向によって設置が必要となったという認識ではなく、法テラス設立当初から併設の法律事務所は必要であるという認識で動いているところでございます。 奥山委員 ありがとうございます。そうすると、今までの御説明にあったように、やはり地元弁護士会の御理解が進まないということが大きいとなれば、この10か所が特定の地元弁護士会か、あるいは地域に偏っていなければ、その10か所の地元弁護士会に対して、全部10か所一遍にはできないとしても、うち三つとか四つを特に重点的に取り組むとか、そういうような方針というのはございますでしょうか。 山内常勤弁護士総合企画課長 全ての事務所に同じような形でアプローチをしているわけではございません。各地域で、ここに弁護士が足りないのではないかなど、法テラスの地方事務所から意見をもらったりしながら、足りないというところがあれば常勤弁護士でフォローをするという形になると思いますので、そういった形で足りないという意見が上がってきているところは、重点的にアプローチをしているところでございます。 奥山委員 はい、了解しました。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   ほかにございますか。 長内委員 長内です、よろしくお願いいたします。   2-8をお願いします。主要な経年データの中に令和4年度や令和3年度の実施回数が出ていますが、令和4年度の実施回数417回のうちの法教育事業の236回と令和3年度の合計回数114回、この2つが対応していると理解してよいか確認させてください。 千葉情報提供課長 情報提供課の千葉でございます。   令和3年度のその回数とこの236回は同じものでございます。 長内委員 ということは、法教育の実施回数が倍増したということですね。コロナの影響がやや収束されてきたとのことが要因かもしれませんが、実施回数が増えたことについて、重点的に行った企画、力を入れた企画があれば教えてください。 千葉情報提供課長 情報提供課の千葉でございます。   令和4年度につきましては、若年層を対象に多く実施しておりまして、そういったところに重点を置いたということと、あと一つは、いわゆるオンラインの企画も比較的、61回だったと思いますがあったということで、これが増加の要因ではないかと考えております。 長内委員 若年層を対象とする企画、重点的に行っていただきたいと思います。   それから、続けて2-7をお願いいたします。   2-7で、適切な情報提供の実施ということで、本年度も満足度が4.4という非常に高い数値を達成したこと、とてもすばらしいことだと思います。そのような中、ホームページにおけるアンケートの満足度が、昨年の4.2よりも低い3.9になっています。その要因について分かればお聞かせください。 千葉情報提供課長 情報提供課の千葉でございます。   ホームページにおけるアンケートにつきましては、アクセスした利用者の方が任意でお答えいただいているということですので、満足度が下がったということについて分析はできておりません。 長内委員 分かりました、ありがとうございました。 長谷部委員長 ほかにございますか。   内田委員。 内田委員 弁護士の内田でございます。   1-2、1-3の常勤弁護士に関することについて、私自身、養成事務所ということで今まで4人の常勤弁護士を送り出し、5人目を養成しているところでございます。また、採用に際しての日弁連からの推薦の事務にも加わっておりました。あと、日弁連の役員をしているときには、常勤弁護士の配置について単位弁護士会との協議に実際赴いたりしたこともあって、この常勤弁護士の事柄については、個人的にもちょっと思い入れが深いものですから、あえて発言させていただきます。   法テラス側で、ここには法律事務所を置いた方がいいのではないかというところで、地元弁護士会のなかなか了解が得られなくてというのは、それはそのとおりなのですけれども、その了解を得られない理由の一つに、需要と供給についての見方、考え方が若干違うというのがあるのだと思います。これは、日弁連は、地元というか、単位弁護士会も過疎対策に力を入れていないところはないわけで、需給の把握の仕方が違うところというのは、例えば、逆に、地元弁護士会からここの地区に法テラスの事務所を置いてくれという要望があっても、むしろ法テラス側というか、法務省も含めてですけれども、ここは事務所を置くに足るだけの法的需要というものは果たしてあるのだろうか、ちょっと今のままでは、予算も伴う話だから財務省の説得もなかなか、説得なんて言葉がいいのかどうか分かりませんけれども、難しそうだというようなことで、逆に、地元会から要望しても事務所の設置に結び付かなかったこともございます。   今現在も幾つか動いている中で、設置に地元会も機関決定して賛同した上で進んでいるのもございますし、ここ10年ぐらいで見ても、例えば、鰺ヶ沢とか鹿角の事務所というのは、当初は単位弁護士会の結構反対が強かったところでありながら、法テラスあるいは日弁連の方でいろいろ協議を重ねながら、最終的には単位弁護士会も受け入れて開設できた。あと、地方事務所においても、兵庫県なんかもそうだったと思うのですけれども、最初は反対があっても、需給のバランスというか、そこについてのいろんな詰めの作業を、法テラス、日弁連、単位会でもって行うことによって、実際幾つか進んできたという、そういう実績もあるのです。そういった需給についての考え方になかなか難しいところがあるというのが、私自身そういった作業も経験していて感じているところであります。   あと、常勤弁護士の評価について、これは、今となっては中期目標と年度計画なんかにも反映されるようになった、いわゆる受任件数や相談件数では必ずしも評価できない関係機関との連携活動、これ、今の法テラスの立場では、情報提供業務に位置付けるしかないのですけれども、それは、潜在的な相談事件に結び付いていく重要な、また、常勤弁護士でないとなかなかできない情報提供業務だと思うのです、ケース会議への出席とかということも含めてなのですけれども。そういったことが中期目標に取り入れられ、年度計画にも記載されているというのは、これは、私としては非常にいい点だったと思っています。こういったことについては、もっと続けていただければなと、もっと更に拡大していただければなと思っております。   あと、評価は全然、法テラスの自己評価等、異論ないのですけれども、逆に、1-3の常勤弁護士の資質の向上については、自己評価は「B」ですけれども、これ、研修とか実際どんな形でどういうふうにやっているか、そこを見てみると、今以上のことというのはなかなかやれないで、研修回数では数値化できますけれども、それが目標とかになっているわけではないので、120%の達成だねとかというふうには言えないのですが、ここはかなりやっていて、私個人なんかにしてみれば、ここは「A」評価でもいいのではないかなというふうに思ったぐらいでした。 長谷部委員長 どうもありがとうございます。実情を踏まえた、大変貴重な御指摘をいただきました。ありがとうございます。   法テラスの方、何かございますか。よろしいですか。   大変熱心に御議論いただきまして、どうもありがとうございました。   この辺りで午前10時53分ぐらいまで休憩とさせていただきたいと思います。           (休     憩) 長谷部委員長 それでは、再開したいと存じます。   引き続きまして、法テラスから後半部分の御説明をお願いしますが、前半部分について補足説明があると伺っておりますので、お願いします。 犬木総務部長 総務部長の犬木でございます。   後半部分に入る前に、1点補足説明をさせてください。   内田委員の方から、ジョブリターン制度についての御質問がございました。その際に、19名の申出があったとのお話がありました。この点の補足説明でございます。   正確に申し上げますと、令和元年度から今日まで19名の方からございましたのは、退職する際に、いずれジョブリターン制度を使うかもしれないという意思表明があったという数でございます。この数に基づいて、実際に法テラスに戻ってきたいと、つまり、ジョブリターン制度を実際に使いたいと意思表明された方は3名でございました。そのうちの1名を、現在採用に至っているということでございます。   他方で、センターから退職された職員というのは、令和元年度以来、当然19名以上おります。本制度につきましては、仮に元職員が法テラスに帰ってくれば、即戦力となって働いてくれる方なわけですので、非常に有用な制度と考えております。今後とも本制度については、退職時に周知して、ジョブリターン制度の活用を続けていきたいと思っているところでございます。   以上でございます。 長谷部委員長 ありがとうございました。 犬木総務部長 では、後半部分の説明に移ります。   項目2-12から5-21まででございます。   最初に、項目2-12は、「犯罪被害者支援業務」に関するものであり、重要度「高」とされております。   こちらにつきましては、まず、全ての地方事務所におきまして、関係機関・団体から法テラスに対する意見等を聴取するとともに、本部においても、被害者支援に携わる関係機関との意見交換を行うなどして、犯罪被害者等のニーズを把握し、業務の改善に役立てました。   また、二次被害防止をテーマとした研修として、内閣府主催のオンライン研修を各地の職員が受講したほか、被虐待児への初期対応技術に関するリフカー研修を、東北ブロックの地方事務所等を対象に4回開催いたしました。   次に、各種業務の適切な実施と関係機関との連携に関しては、犯罪被害者支援ダイヤルのフリーダイヤル化によりコールセンターの受電件数が約1.3倍に増加したことに伴い、精通弁護士紹介件数及びDV等被害者法律相談援助件数も増加しました。   また、DV等被害者法律相談援助では、電話等を利用した法律相談を平常時においても利用できるよう制度を改正し、利便性を向上させました。   さらに、関係機関との連携においては、全ての地方事務所において、弁護士及び関係機関等に向け、業務説明や協議会等を複数回実施し、更なる連携の強化を図りました。   被害者参加旅費等の支給については、引き続き、裁判所・法務省等と情報を共有し、連携を図りながら適切な支給に取り組んだ結果、全請求の99.9%について目標期間内に支給することができました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目2-13は、「多様な司法アクセス障害等に対応した業務の充実」に関するものです。   高齢者・障害者等への対応につきましては、項目2-9や2-11でも触れておりますが、令和4年4月1日から新型コロナウイルス感染症まん延などの事情がない平常時におきましても、既設の相談場所に赴くことが困難な方を対象にした通常電話等相談援助を開始し、福祉機関等の連携機関に周知を行いました。   また、特定援助対象者法律相談援助、ケース会議弁護士派遣モデル事業、常勤弁護士による関係機関に対する情報提供などの取組については、全ての地方事務所において自治体・福祉機関等に対し、協議会や説明会を通じて周知を行いました。   次に、外国人のニーズへの対応につきましては、本部国際室において、運営協議会や勉強会等を通じ、外国人在留支援センター入居機関との連携を深め、相談対応の引継ぎを積極的に受け付けました。   また、全国の外国人支援機関との連携についても積極的に取り組み、外国人支援者に対するセミナーの実施では、広く参加者を募るためホームページに事前に公開し、セミナーの基礎編について修了証を発行することにした結果、令和4年度の基礎編の平均受講者は194名に達しました。   以上の取組により、令和4年度の国際室による情報提供は1,221件に達し、前年度を上回る実績となりました。   また、多言語情報提供サービスの多言語対応件数については、前年度を上回る6,803件に達しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目3-14及び3-15は、それぞれ業務運営の効率化に関する事項です。   項目3-14は、「一般管理費及び事業費の効率化」に関するものであり、重要度「高」とされていますが、まず、一般管理費及び事業費については、経費削減を推進し、効率化係数が織り込まれた厳しい予算額の範囲内で効率的な予算執行を達成しました。   また、業務の内容に応じて、職員を柔軟に配置し、給与体系についても労働法規を考慮しつつ国の制度に準じた内容の給与規程を維持するなどして、人件費の合理化・効率化を図りました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目3-15は、「事業の効率化」に関するものです。   組織運営の効率化については、全国の地方事務所長等が参加する会議において、効率的な組織運営の在り方に関する協議を行いました。また、法テラス内で効率的に業務支援を行うため、地方事務所及び本部課室間で相互に業務支援を行う運用を開始しました。   また、情報提供業務では、コールセンターで入電傾向を分析し、人員配置を工夫することで応対件数が2万2,000件増加した中でも、応答率92.4%を達成しました。また、人員の効率的な配置の指標として導入した、利用者対応時間を業務関連時間で除した割合である占有率については81.7%を達成することができました。   さらに、民事法律扶助業務の効率化では、全ての地方事務所において、書面審査や単独審査を活用する体制を整えるなど、事務手続の合理化を図りました。   また、民事法律扶助副所長会議などを開催し、審査に関する課題等について意見交換を行いました。   そして、国選弁護等関連業務の効率化では、報酬算定に対する不服申立てについて、報酬算定業務の本部集約後も地方事務所による再算定を可能としており、令和4年度は、271件の不服申立てのうち約0.7%に当たる2件を地方事務所限りで処理しました。地方事務所限りで再算定した割合は減少傾向にありますが、これは、不服申立てのほぼ全部が契約約款の解釈をめぐる統一的な判断が必要なものなど、地方事務所限りで処理することが相当といえる事例がほとんど見当たらない結果でありまして、本部及び地方事務所の適切な業務分担による手続の合理化を図っております。   また、業務のデジタル化に関しては、効率的な業務運営に資するデジタル技術の導入について、コンサルタントや業務担当職員と意見交換を行ったほか、実際にサービスを提供している職員のアイデアをデジタル化するための検討を進め、民事法律業務における法律相談のウェブ予約など、一部業務においては、デジタル技術を導入し、利用者の利便性の向上や業務効率化を図っております。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目4-16は、「自己収入の獲得等」に関するものであり、困難度「高」とされております。   まず、常勤弁護士の有償受任等による自己収入の獲得については、常勤弁護士に対する研修等の機会に、常勤弁護士に対し、自己収入の確保の必要性や重要性を認識させることにより、各地域の実情に応じた自己収入の確保に努めたものの、司法過疎地域事務所での有償受任による自己収入は前年度に比べて減少しました。   一方、寄附金収入獲得への取組については、法テラスのホームページ等を通じて寄附金募集の呼び掛けなどを実施しまして、令和4年度の寄附金総額は前年度を大きく上回ることができました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目4-17は、「民事法律扶助における立替金債権の管理・回収等」に関するものであり、重要度・困難度は、いずれも「高」とされております。   立替金債権の管理・回収につきましては、継続的な償還を確保するべく、生活用口座からの引落しを推進するとともに、償還を滞納した被援助者に対しては、コンビニエンスストア用の収納用紙を送付するなどして償還を促しました。また、償還が見込めない立替金債権の償却を促進するため、本部による一括償却を実施するなど、効率的な事務処理も行いました。こうした取組により、償還率は前年度の93.0%から93.5%へ、償還滞納率も前年度の30.6%から30.1%へ、それぞれ向上しました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」としました。   続いて、項目5-18は、「業務運営の体制維持」に関するものであります。   このうち、特にデジタル化への対応では、一部業務において、デジタル技術を導入し、利用者の利便性向上や業務効率化を図るほか、有志によるワーキンググループにおいて、法テラスのサービスが抱える課題をデジタル化によって解決できるかなどを利用者目線で検討を進めたり、情報システム統一研修の情報システム入門を原則全職員が受講することとして、デジタル技術を利活用できる人材育成などを進めたりしました。   そして、業務継続体制の整備については、特に、国選弁護等関連業務に関し、長期間業務継続が困難となる事態を想定し、全ての地方事務所において検討協議を行い、非常時の人的応援体制や、長期間業務が困難となった場合に備えたマニュアルの見直し、事務所閉鎖時の業務移管に備えた地方事務所間での協議、指名通知業務の継続に関する弁護士会との協議を行うなどいたしました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目5-19は、「内部統制の確実な実施」に関するものであり、重要度「高」とされております。   まず、ガバナンス強化のため、本部では執行部会を開催するとともに、決定事項を速やかに全職員に伝達し、地方事務所においても、本部同様に執行部会議を毎月開催しました。   次に、常勤弁護士の業務におけるガバナンス強化の取組として、法律事務所の運営に係る規程の変更や事務連絡の発出があった際は、メール及びグループウェアを活用して法律事務所に周知を図りました。また、赴任を控えた養成中の常勤弁護士を対象とした赴任前研修や、赴任4年目の常勤弁護士を対象とする業務研修において、法律事務所のマネジメントに関する研修を実施したほか、法律事務所職員を対象としたオンライン研修も実施しました。さらに、法律事務所代表会議を開催し、法律事務所のマネジメント、各種規程及び手続についての周知を図りました。   また、情報セキュリティ対策基準については、令和3年7月に「政府機関のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群」が改正され、さらに、令和4年3月には、法務省の「法務省情報セキュリティ対策基準」が改正されたことを踏まえ、法テラスの情報セキュリティ対策基準と関連する規程を改正し、情報セキュリティに関する体制を整備しました。   そして、情報セキュリティに関する研修については、一部の階層別研修受講者に対し、最新の情報セキュリティ対策を盛り込んだ講義を実施したほか、任意の職員を対象とした標的型攻撃メールの訓練や、全職員を対象とした情報セキュリティ教育を実施しました。   監査については、令和4年度においても、引き続き、監事監査を始めとした各種監査を実施したほか、過年度の監査結果を踏まえたフォローアップ監査を6か所の地方事務所で実施し、監査結果の改善状況を確認しました。また、監査技術の向上に資する研修を積極的に受講することで、監査の充実強化を図りました。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、一部の監査対象事務所については、ウェブ会議システムを使用した監査方式により対応しました。   さらに、内部統制強化とコンプライアンスの推進については、内部統制推進委員会の下部組織として設置した業務管理小委員会において、各種監査における指摘事項について業務改善策の検証を行い、また、コンプライアンス小委員会において、コンプライアンス強化週間の設定、コンプライアンス・マニュアルに対する理解度チェックを実施するなど、職員に対するコンプライアンスの意識の向上を図りました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   続いて、項目5-20は、「業務内容の周知を図る取組の充実」に関するものです。   まず、令和4年度におきましては、従来の手法を更に見直し、例えば、4回シリーズの冠ラジオ番組の実施やケーブルテレビを活用した動画配信のほか、高年層を意識しつつ、雑誌に広告を掲載したり、通信販売商品にチラシを同梱するサービスを利用したりするなどの取組を新たに行う一方で、若年層向けのイベント来場者に成年年齢引下げをテーマとした広報誌とロゴ入りグッズのセットの配布を行うほか、20歳代から40歳代を念頭にツイッター広告を行うなどして、ターゲットに応じた広報活動を実施しました。   また、霊感商法等対応ダイヤルの広報活動は、年度当初予定しておらず、急遽対応が必要になったものでしたが、その重要性に鑑みまして、令和4年11月14日の開設日に先行してインターネット広告を取り急ぎ始めつつ、同月中は取り分け目に留まりやすいヤフーのトップページにバナー広告を掲載したり、年度末までユーチューブ広告を行ったりするほか、法テラスの公式ツイッターアカウントでも開設や受付時間に関する情報を随時発信し続けました。   そして、令和4年12月から令和5年2月にかけては、比較的大規模なテレビCMと新聞広告を集中的に実施いたしました。その中でも、特に令和5年2月は首都圏でテレビCMが放送された期間中でありまして、その期間中は受付相談件数が大きく増加しました。   このような広報活動の影響もあってか、業務認知度は16.0%に達したところでありまして、前年度から1.5ポイント上昇し、基準値を上回りました。また、名称認知度におきましても57.4%と、前年度から5.3ポイント上昇いたしました。さらに、ホームページの年間ページビュー数についても1,744万回を超え、こちらにつきましても基準値を上回りました。   以上を踏まえれば、所期の目標を上回る成果が得られたものと考え、自己評価を「A」といたしました。   最後に、項目5-21は、「報酬・費用の立替・算定基準検討結果の適切な反映に向けた取組状況」に関するものです。   民事法律扶助の報酬・費用の立替基準、国選弁護等関連業務の報酬・費用のいずれについても、日本弁護士連合会と定期的に協議を継続した結果、国選弁護等関連業務については、算定基準の取扱変更につながりました。   以上を踏まえれば、所期の目標を達成したものと考え、自己評価を「B」としました。   御説明は以上でございます。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   それでは、これも多数の項目にわたっておりますが、どの点からでも結構ですので、御質問等ございましたらお願いいたします。 和気委員 和気です。   まず、犯罪被害者の支援業務に関してです。この間、コロナ禍ということもあり、様々なDVや児童虐待も含めた件数が、これだけ福祉の領域では多くの専門家が相談業務に当たっている中でも一向に減ることがなく、ますます増加しているということがあります。今回フリーダイヤル化をしていただいたということで、非常に相談がしやすい体制が一歩前進したということで、また相談件数も非常に増えているということで、その点は非常に良かったと思います。   一方で、それによって犯罪が減るという、予防的な取組にはなかなか至っていないということが危惧されます。例えば、ストーカーなども、先日も殺人に至る事件も発生しておりまして、家庭内暴力とか、あるいはストーカーというのが犯罪であるということを、一般の国民の方が十分に認識していないのではないかというような懸念もあります。事後に相談に乗るということと同時に、何か予防的な働き掛けはお考えにはなっていないのかと思いまして、御質問させていただきます。 鍋田犯罪被害者支援課長 犯罪被害者支援課の鍋田と申します。   ストーカー事件等についての、予防的な観点からの取組についてのお尋ねということなのですけれども、私どもとしましては、まず関係機関との連携の中で、DVとかストーカー、児童虐待は犯罪であるというようなものを前提として、業務の取組を周知させていただいているところでございます。また、各地方事務所においても業務案内、業務説明等を行っておりまして、当然犯罪被害者支援に関しての説明もやらせていただいておりますが、その中で、DVとかストーカー、児童虐待については犯罪であるという前提の下に、業務説明をさせていただいているところでございます。今後も引き続き、この取組を続けてまいりたいというふうに考えております。 和気委員 いろいろなところが取り組んではいるのですけれども、法テラスとしても、そういうメッセージを国民や社会に対しても強く伝えるような取組を、今後期待したいと思っています。 長谷部委員長 どうもありがとうござました。   ほかにいかがでしょうか。 和気委員 私の方から、もう一点お願いいたします。 長谷部委員長 和気委員、お願いします。 和気委員 精通弁護士というところになるのかもしれません。前もお尋ねしたかもしれませんけれども、LGBTQのような特性を持っていらっしゃる方の精通弁護士の配置のような配慮はどういう状況になっていますでしょうか。 鍋田犯罪被害者支援課長 私の方から説明させていただきます。   LGBTQに対応した精通弁護士の対応についてのお尋ねですけれども、昨年度も同様のお尋ねを頂いたということを承知しておりますが、LGBTQに対応した形での精通弁護士の配置というものは、現状では対応できていないというところでございます。 和気委員 分かりました。別のある自治体の会議で、高齢者、その他障害者、あるいは母子の方々が、なかなかアパート等への居住が拒否されることが多いという問題が前からもあるのですけれども、そういう中で、先日は不動産協会の代表の方々と会議でお話しする中で、昔からあった問題は少しずつ解消されているのですけれども、例えば、男性同士が一緒に住みたいみたいなところにくると、何かそれを拒否する大家さんがいてというふうにおっしゃっている代表の方がおられました。何かそれを、あまり悪いことと思っていないようで、そう思うのは当然ですよねみたいな感じで発言されていました。その辺りの認識がどうなっているのだろうという疑問をもちました。その辺も予防的な意味も含めて、啓発活動を強化し、またそれで入居を拒否されるという事態が今起きていることは現実ですので、それに対する相談も強化していかなければいけないのではないかなと思ったので、お伺いしました。 長谷部委員長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 長内委員 5-20の業務内容の周知を図る取組の充実という項目において、本年度は名称認知度が57.4%という非常に高い数字を上げることができました。個人的な感想で恐縮ですが、テレビにおいて、法テラスのコマーシャルが非常に目に付いたという記憶があります。集中的にコマーシャルを流しているため、その分目立ったという感想があります。   私、広告に関しては専門家でも何でもないので分かりませんが、集中的な広告について、広告会社との間で打合せ等を行いながら進めているかと思いますが、今回認知度が上がったという結果等を踏まえて、テレビ広告に関して法テラスの方でどのようにお考えなのか質問させていただきました。 小林広報・調査室長代行 広報・調査室の小林と申します。   テレビCMなど様々な広告に関しては、一定の期間を空けて2回、3回実施すると、認知の定着がより進むという助言が広告代理店からありまして、期間は長めに取りましたけれど、2週間まず実施して、その後2週間空けて、もう2週間という形で、2回実施しました。集中的にというのは、おそらくその2週間に凝縮したためそう見えたかなと思いますが、期間としては、結局2か月ぐらいにわたって実施しております。その間、お休みを挟んで2回実施することで、より認知の定着を図るということで実施をさせていただきました。 長内委員 分かりました。個人的な感想ですが非常に効果的だったと思います。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   奥山委員、お願いします。 奥山委員 奥山でございます。   教えていただきたいところがございます。3-14、一般管理費及び事業費の効率化ということで、この目標について御努力なされたということは、数値的に見てよく分かるところでございます。そこで、その手法の中に、一般競争入札及び価格競争等の競争的手法によって達成してきたということが書かれておりました。   昨今かなり諸物価の高騰が続いており、なかなか厳しい予算の中だと、一般競争入札が成り立たないことが各地で、各企業等でも起こっております。それで、今年度、この後、御報告があるかもしれませんけれども、センターの契約状況の中で、やはり大きな案件において一般競争入札が成立できないということが記載をされていると思います。こうした傾向は、予算はそうなかなか上がらずに毎回減らされているので、今後もこうした傾向は続くのかどうか、その辺はどのように見込んでいるのかを教えていただければと思います。 寺嶋財務会計課長 財務会計課長の寺嶋と申します。   私の方から回答させていただきますが、今、奥山委員からお尋ねがあった今後の傾向につきましては、やはり世界情勢などにも影響されてくるかと、こちらとしては考えておりますし、昨年来物価上昇なども続いているところではございますので、センターとしましては、一般競争入札を実施するに当たって、予定価格を立てることは御承知のとおりかと思いますが、諸々の要素を勘案しながら適切な予定価格を立てた上で、一般競争入札がきちっと実現できるようにという、そこは今後も努めてまいります。   質問に対するお答えになっていないかもしれませんが、私限りでは今後の予測がなかなかつきかねるところもございますので、申し訳ないですが、私からは以上です。 奥山委員 了解しました。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。     ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。   もしほかにございませんようでしたら、法テラスから御説明いただきました業務実績評価につきまして、監事からの御意見をお願いしたいと思います。 松並監事 それでは、監事、松並の方から意見を申し上げます。   まず、法テラスの業務全般についてですが、これまで御説明いただいた業務実績評価にありますとおり、全般的には適正に運営されていると思います。その上で、以下の三つの観点から私の意見を申し上げます。   まず第1は、常勤弁護士の採用及び配置についてでございます。   まず、常勤弁護士の採用についてですが、司法試験合格者の漸減傾向の中にありましても、令和4年度の採用人数は、最近の採用人数レベルをおおむね維持している点で、一定の評価はできると考えます。しかし、引き続き予断を許さないところであり、組織として危機感を持った不断の取組が求められる問題だと思います。   このような厳しい現状は、常勤弁護士の業務の魅力が司法修習生等に広く伝わっていないことが要因の一つであると思われます。令和4年度は、例年行っている司法修習生向けの就職説明会だけではなく、法科大学院等が主催する講義等への常勤弁護士の派遣など、種々の努力、取組が積極的に行われました。また、内定後のモチベーション維持のため、内定者交流会の開催や、常勤弁護士の中から内定者フォロー担当者を選定するなど、内定後の採用辞退を防ぐための工夫もなされました。   これらの取組の成果が直ちに現れるものではないと思いますが、これらの取組を積極的に行ったことは評価でき、今後も、このような取組に加え、新しい世代に合った手法での広報活動を繰り広げ、志望者数の増加、あるいは採用者数の増加といった具体的な結果に結び付けていくとともに、常勤弁護士の配置問題、先ほどからも出ておりましたが、これにつきましても、引き続きこれまでの取組を継続していっていただきたいと考えております。   続きまして、常勤弁護士の個々の活動について申し上げます。   常勤弁護士1人当たりの業務量について、従前は、単に民事法律扶助事件や国選弁護事件等の事件処理件数のみが評価の指標となっており、司法ソーシャルワーク活動等については適正に評価されているとは言い難い状況であったと考えております。そこで、第5期中期目標期間からは、常勤弁護士の司法ソーシャルワーク活動についても適正に評価の対象となるよう数値化する工夫がなされました。その結果、令和4年度は、司法ソーシャルワーク活動について、法律相談に換算すると、常勤弁護士1人当たり平均約23件の案件を行っているとの評価が可能となりました。このように、常勤弁護士の司法ソーシャル活動を見える化したことで、常勤弁護士の活動が適正に評価されるに至ったことは、大変望ましいことだと思っております。   これらに加えて、令和4年度は、民事法律扶助における出張相談、特定援助対象者法律相談援助、DV等被害者法律相談援助のいずれについても、当該活動における常勤弁護士が占める割合が、登録弁護士全体に占める常勤弁護士の割合は0.4%程度ですが、これを大きく上回る結果となっておりまして、常勤弁護士が司法アクセス障害の解消に大きく寄与したことが認められます。   これらの状況からいたしますと、常勤弁護士の採用・配置問題につきましては、当初の目標を十分に達成できたものと考えております。   第2に、先ほど来出ております霊感商法等に関する取組について申し上げます。   霊感商法等に関する取組については、旧統一教会問題及びこれと関連する問題について、即時適切に対応すべく、特定施策推進室を新設した上、霊感商法等対応ダイヤルを開設・運営しております。   相談窓口設置の決定から極めて短期間のうちに、多数の関係機関・団体等との連携を構築した上、対応部署の新設、対応ダイヤルの開設に至ったことは、法テラスが従前から司法アクセス拡充のための取組を積極的に進めてきた結果であると思います。   また、被害者の抱える法的トラブル以外の心の問題につきましても適切に対応するため、特定施策推進室に心理専門職を配置しました。これは、法テラスにおいてこれまでに見られなかった取組であり、社会の要請に応え、法的支援に付随する必要不可欠な支援についても、総合的・一体的に対応し、積極的に被害者救済を図っていこうとする姿勢の表れであり、高く評価することができるものと考えます。   また、この霊感商法等に関する取組における法テラスの広報活動についても、様々な工夫がなされ、高齢者等幅広い世代へのアクセスが可能となりました。これは、日頃の法テラスにおける司法アクセス障害の解消に向けた努力の成果が、こういう場面でも力を発揮したものであります。   このように、霊感商法等対応ダイヤルの設置とその活発な運用は、センター開業以来、16年かけて着実かつ地道に築いてきた関係諸機関との連携協力関係や社会への発信力、さらには国民からの信頼が結実したものと言え、高い評価に値すると考えます。   第3に、多様な司法アクセス障害等に対応した業務の充実についてであります。   多様な司法アクセス障害については、高齢者・障害者や在留外国人など、多様な司法アクセス障害を抱えている方々がいることを踏まえ、これらの方々のニーズに即したサービスを提供していく必要があると考えております。なかでも、高齢者・障害者等への対応については、令和4年度から、平常時においても利用可能な通常電話等相談援助を開始しております。   また、令和4年4月からは、同じく犯罪被害者支援ダイヤルをフリーダイヤル化し、犯罪被害者の方の同ダイヤルへのアクセスに対する心理的・経済的な障壁も除去されました。   同様に、DV等被害者法律相談援助についても、電話やオンラインによる相談を、令和4年4月から恒常化し、平常時においても利用できるような改善がなされております。   これら取組により、幅広い方々への精通弁護士の紹介、あるいはDV等被害者法律相談援助へのよりきめ細かな対応等が可能になったものであり、大きな成果を上げたものと評価できます。   以上申し上げましたとおり、令和4年度においては、これまで構築してきた関係機関との連携協力関係を更に深める取組が多く、これらは組織運営の方向性として大いに評価できるものであり、今後とも市民に寄り添う法テラスの活動の充実と更なる展開を期待するところでございます。   私の意見は以上です。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   ただいまの監事の御意見を踏まえまして、更に御発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。   では、御意見・御質問がないということであれば、これにて議事(1)は終了とさせていただきます。   続きまして、議事(2)の「令和4事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について」に入りたいと思います。   法テラスから、財務諸表等についての御説明をお願いいたします。 寺嶋財務会計課長 財務会計課長の寺嶋でございます。どうぞよろしくお願いします。   資料で申しますと、青の紙ファイルにつづられております令和4事業年度の財務諸表などにつきまして、私の方から御説明申し上げます。   まず、このファイルにつづられております資料の概要を申し上げます。   資料3-1の財務諸表ですけれども、こちらは、法人単位の財務諸表と一般及び国選の勘定別財務諸表の計三つ、三種類から構成されています。   次に、資料3-2の事業報告書でございますが、こちらは、当センターの業務運営状況の全体像につきまして、概要情報等の開示を行うものです。   さらに、資料3-3の決算報告書ですが、こちらは、年度計画において定めました予算の区分に従い、決算の状況を表示するものでございます。   以上申し上げました資料3-1から3-3、これらをまとめて令和4事業年度財務諸表等などと申し上げますが、これらにつきましては、監事による監査報告におきまして、会計監査人の監査の方法及び結果が相当であること、事業報告書は法令等に従い、当センターの状況が正しく示されているといった意見を受けております。   今申し上げました監事による監査報告書、こちらの資料番号が3-4でございます。   また、独立監査人の監査報告書、こちらは資料番号で申しますと3-5になりますが、こちらにおきましても、無限定適正意見を受けておりますことを、あらかじめ御報告させていただきます。   なお、今年度につきましては、改訂後の独立行政法人会計基準等のうち、時価の算定に係る改訂内容の適用を受けることになりました。昨年度から変更となった箇所がございます。具体的には、注記事項の「金融商品に関する注記」におきまして、民事法律扶助立替金等を時価のレベルに分類するなどして表示しております。   それでは、法人単位の財務諸表を用いまして、その概要を説明させていただきます。   財務諸表の1ページ目、まず貸借対照表について御説明申し上げます。   貸借対照表は、期末の時点における法人の資産、負債及び純資産の状態を示すものです。   令和4年度末現在の資産合計は、246億4,400万円でした。前年度末との比較で、16億6,900万円減少しております。これは、現金及び預金が11億1,300万円減少したことなどが要因であると考えております。   負債の合計が228億5,000万円でして、前年度末との比較では20億3,300万円増加しています。こちらは、運営費交付金債務が14億7,300万円増加しておりますことなどが要因であります。   次に、2ページ目に移りまして、行政コスト計算書について御説明申し上げます。   行政コスト計算書と申しますのは、損益計算書上の費用及びその他行政コストに分類して、当期発生した全ての行政コストを記載したものでございます。   損益計算書上の費用合計は、この後にも申し上げますが、346億2,600万円であります。その他の行政コストは該当がございませんでした。   続きまして、3ページ目に移りまして、損益計算書について御説明申し上げます。   損益計算書は、法人の運営状況を明らかにするため、当期の費用と収益を記載したものでございます。   経常費用は、先ほども申し上げましたが、合計346億2,600万円でした。前年度との比較においては、14億4,500万円増加しております。これは、貸倒引当金繰入額が6億8,400万円増加したことなどが要因でございます。   他方、経常収益でございますが、こちらは合計347億9,900万円であり、前年度との比較では17億4,400万円減少しております。こちらは、運営費交付金収益が21億2,500万円減少したことなどが要因でございます。以上から、2億8,100万円を当期総利益として計上したものであります。   次に、4ページ目に移りまして、純資産変動計算書について御説明申し上げます。   この純資産変動計算書は、貸借対照表の純資産の部に計上している、資本金、資本剰余金、利益剰余金の当期変動額を明らかにしたものでございます。当期の業務運営の結果、利益剰余金が37億200万円減少いたしました。   最後に5ページ目にいきまして、キャッシュ・フロー計算書について御説明を申し上げます。   キャッシュ・フロー計算書は、資金の動きを示すものでございますが、当期のキャッシュ・フローにより、資金の期末残高は95億4,200万円となっております。期首残高との比較では11億1,300万円の減少となっておりますが、これは国庫納付金の支払額があったことなどが要因でございます。   財務諸表等に関する説明は以上でございます。ありがとうございました。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   それでは、監事の御意見を続けてお願いいたします。 高橋監事 それでは、監事、高橋より御報告いたします。   先ほど寺嶋財務会計課長から御報告があったところと重なる部分が多いかと思いますけれども、監事として実施した監査について御報告させていただきます。   財務諸表のうち、貸借対照表については、令和4年度は令和3年度と比較して、資産が16億6,900万円減少、負債が20億3,300万円増加しています。   資産については、現金及び預金が11億1,300万円減少したこと等によるものです。負債については、運営費交付金債務が14億7,300万円増加したこと等によるものです。   現金及び預金については、前期が中期目標期間の最終年度であったことから、同期間中に交付された運営費交付金を精算し、令和4年度に国庫納付したことによるものです。運営費交付金債務については、現金及び預金の減少理由と同様、運営費交付金を精算したことから、前期の残高が0円となりましたが、当期新たに交付された運営費交付金のうち、民事法律扶助業務に対する想定を超える件数の援助申込みに対応するため、14億7,300万円を留保したものです。   損益計算書については、令和4年度は令和3年度と比較して、経常費用が14億4,500万円増加、経常収益が17億4,400万円減少しており、これにより当期純利益が前期と比較して31億8,900万円減少しておりますが、先ほど述べたように、運営費交付金の精算及び国庫納付によるものです。   財務会計課からこれらの説明を受け、また、会計監査人からも報告を受けたり説明を求める等して検証いたしました。その結果、令和4年度に係る財務諸表、決算報告書並びに事業報告書の会計に関する部分については、会計監査人有限責任あずさ監査法人の監査を経ており、監事の監査報告の中で会計監査人の監査の方法及び結果は相当であると認め、また事業報告書は、法令等に従い、センターの状況を正しく示しているものと認めるとしております。   以上になります。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   それでは、先ほどの財務諸表等についての御説明及びただいまの監事の御意見を含めまして、本日の議事全体を通して、何か御質問や御意見がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。   奥山委員。 奥山委員 奥山でございます。   監事の監査報告において、入札・契約の状況も取組も妥当であると述べられております。それで、支援センターの契約状況のところの随意契約の一覧表のその他の第3表の内訳の5というところに、第四世代インフラ共通基盤等更改業務一式というのが記載されております。これは、一般競争入札が不調で、緊急随意契約によったものと説明が記載されてあり、これについては理解するところでございます。したがって、ここ、記載の仕方がよく分からないのですけれども、予定価格イコール契約金額になっていると思うのですけれども、この契約金額以上に何か追加で請求が来るということはないという理解でよろしいでしょうか。 寺嶋財務会計課長 財務会計課長の寺嶋でございます。   今御質問いただいた点は、委員のおっしゃったとおりの認識で間違いございません。 奥山委員 安心しました。   以上でございました。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。   ほかに何かございますか。   よろしいでしょうか。もし追加的な御質問がございましたら、事務局を通じて法テラスに御質問いただくこともできますので、事務局宛てに適宜の方法で御連絡いただければと思います。   それでは、他に特段の御発言等ございませんようでしたら、以上をもちまして、本日の議事は終了いたします。   最後に、事務局から、今後のスケジュール等について御説明をお願いいたします。 本田総合法律支援推進室長 まず、本日の議事録の作成についてでございます。   従前どおり、事務局におきまして原案を作成した後、御出席の委員の皆様に内容を御確認いただき、最後に委員長に全体を御確認いただいてから公表するという手順で行いたいと考えておりますが、皆様よろしいでしょうか。   皆様御了承いただいたということで、ありがとうございます。   次に、次回の会議の予定でございます。   御案内のとおり、評価委員会第76回会議を、本年8月7日月曜日午後4時から午後6時で予定しております。その際に、年度評価等の本日の議事事項につきまして、評価委員会としての御意見を取りまとめていただきたいと思っております。   取りまとめに当たりましては、本日の御議論を踏まえまして、まずは事務局の方でたたき台の案を作り、7月14日金曜日頃をめどに委員の皆様にお送りしたいと思っております。委員の皆様におかれましては、大変恐縮ですが、その次の週の7月21日金曜日の午後3時までに事務局宛てにメール等で御意見を頂きたいと存じます。御意見を頂きましたら、事務局で整理をいたしまして取りまとめ案を作成し、次回の評価委員会の前に、できる限り早くにお示しをしたいと考えてございます。この間に更に御質問等がございましたら、何なりと事務局宛てにお申し付けください。   また、本日使用いたしました資料の郵送を御希望される委員の皆様は、資料をそのまま机上に残しておいていただければ、後日郵送いたします。   事務局からは以上でございます。 長谷部委員長 どうもありがとうございました。期間が限られておりまして誠に恐縮でございますが、御協力のほどお願い申し上げます。   それでは、以上をもちまして、本日の評価委員会を終了させていただきます。   長時間にわたり、どうもありがとうございました。 ―了―