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児童ポルノとの国際的闘いの強化に関するG8司法・内務閣僚宣言(仮訳)

児童ポルノとの国際的闘いの強化に関するG8司法・内務閣僚宣言(仮訳) 2007年5月24日

児童ポルノはすべての児童を手ひどく傷つける。それは,画像の作成過程において性的な攻撃を受けた児童を傷つけ,その児童は,当該画像が閲覧されるたびに再び被害を受ける。児童ポルノはまた,あたかも性的搾取の対象物であるかのごとく児童を描写するがゆえに,すべての児童を傷つける。我々は,性的虐待の画像を製造し,頒布し又は収集することによって児童を性的に搾取する者たちを,一切の例外なく非難する。いかなる児童も,そのような恐ろしい被害を受けることがあってはならないのであり,我々は,本日,児童ポルノとの国際的闘いへの取組みをなお一層強化することを誓う。

近年,我々は,インターネット上における児童の性的搾取に対するG8戦略を作成し,実施してきた。我々は、インターポールと協力し,国際児童ポルノデータベースを構築した。このデータベースは,警察が被害児童を特定し救済する手助けとなるものである。しかしながら,犯罪者の訴追もまた,精力的に追求すべきであり,かかる訴追を可能にするため,国際社会は行動を起こす必要がある。本日,我々は,児童ポルノの製造・頒布・保有と闘い,それらを根絶するための国際的な法的枠組みの実施に対するコミットメントを新たにする。それと同時に,これら画像に記録されたような虐待から児童を保護するに当たり,他の手段にも確立された有効性の存することを認めるものである。

なお,「児童ポルノ」という用語は,各国法制及び国際条約において広く用いられているものではあるが,当該視覚表現に込められた児童の虐待及び搾取の深刻性を適切又は十分に反映していないことに留意することが重要である。問題の本質は,詰まるところ,例えば国際条約において定義されているように,性的にあからさまな児童の画像ないし描写というところにある。しかしながら,「ポルノグラフィー」という用語は,一般に,同意に基づく個人間の性的行為の描写を指すものと理解されている。それゆえ,「児童ポルノ」という用語法は,児童に関わる性的描写の本質を的確に言い表すものではなく,この表現を使い続けることは誤解を生じさせるもととなる。そのような用語を用いることは,年若い被害者の被る実際の害悪と,児童を性的に搾取する行為の重大性とに対する我々の理解を妨げる。かかる誤解は,この種の性的搾取から児童を保護しようとする我々の重要な努力の実効性を損なうこととなる。

背景:問題の所在

児童ポルノの取引は,全世界的な問題であり,驚くべきスピードで拡大し続けている。この種の違法画像に関する犯罪の実行にコンピュータが使用されることは,電子メール,商業ウェブサイト,チャットルーム,ピア・ツー・ピア技術,ウェブカメラその他いずれのメカニズムを介してにせよ,今や普通のこととなっている。インターネットには国境がないことから,ある国で製造された画像は,瞬時にして世界中に頒布することが可能となる。国境管理を超えて画像を物理的に密輸する必要もなければ,違法画像の提供者が相手と対面する必要もない。

各国における法執行の結果,異なる国の犯罪者間に結びつきのあることがしばしば発見されている。あからさまな性的画像の製造者,取引者及び収集者の国際的連環はもはやありふれたものといえる。その結果,これらの画像を販売しようとする者(これらの者は,しばしば組織犯罪及び資金洗浄と結びついている)は,いつでも利用可能な世界的なマーケットを手近に有していることになる。

児童ポルノの製造者,取引者及び収集者は,どの国にもいるのであるから,あらゆる国が問題解決のために協働しなければならない。これらの画像がどこかで合法とされていれば,それらは,より簡単にどこででも入手できることとなる。そして,製造過程において搾取された児童は,画像が閲覧され,配布されるたび,再び被害を受けることとなる。捜査を成功させるためには,協調した行動,情報及びリソースの共有並びに共同のコミットメントが不可欠である。

国際社会は,児童を性的搾取及び性的虐待から保護することへのコミットメントを繰り返し確認してきた。2001年には,日本の横浜において,児童の商業的性的搾取に反対する世界会議が行われた。より最近では,欧州評議会の委員会が,搾取及び虐待からの児童の保護に関する条約の草案を作成しており,同草案は,児童ポルノの製造,取引,アクセス及び保有等の犯罪化を署名国に義務付けることとしている。この条約では,児童とは18歳未満のすべての者と定義されている。しかしながら,G8各国及び世界中において,取り組むべき課題は未だ山積している。

国際法

国際社会は,児童ポルノに対する国際的な法的枠組みを整備するために団結してきた。

  • 1 ILOの「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(第182号)」(1999年)は,132か国が締結している。この条約は最悪の形態の児童労働の撤廃を優先課題とした上,その定義に「ポルノの製造又はわいせつな演技のために児童を使用し,あっせんし,又は提供すること」を含ませている。同条約の適用上,児童とは,18歳未満のすべての者をいう。
  • 2 国際連合の「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(2000年)は,118か国が締結している(2007年3月29日現在)。同議定書は,児童ポルノの製造,配布,頒布,輸入,輸出,提供,販売及び議定書に定められた目的での保有を犯罪化することを締約国に求めている。児童の権利に関する条約自体は,締約国に対し,あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護すること及び,そのために「わいせつな演技及び物において児童を搾取的に使用すること」を防止するための適当な措置を採ることを求めている。同条約は,18歳未満の者を児童と定義している(法律上,それより低い年齢で成年に達する場合を除く)。
  • 3 欧州評議会の「サイバー犯罪に関する条約」(2001年)は,締約国に対し,コンピュータ・システム上における児童ポルノの製造,提供の申出,頒布,取得及び保有を犯罪化することを要求している。児童ポルノとは,性的にあからさまな行為を行う18歳未満の者又は外見上18歳未満のように見える者の描写を含むよう定義されている。締約国は,基準となる年齢をこれよりも低く定めることができるが,16歳を下回ってはならないとされている。

国内的実施

国際的な最低基準を設定し,遵守するよう合意することは,児童ポルノに対する全世界的な共同の取組みを展開していく上で,重要なステップである。児童ポルノによる児童の性的搾取との闘いにおいて,重要かつ効果的な前進を遂げるためには,各締約国が包括的な法的枠組みを整備することがまず第一歩となる。この枠組みは,あらゆる表現及びあらゆる犯行手段による児童ポルノを対象とするものでなければならない。また,この枠組みは,犯行に関与したすべての者が--児童の性的搾取において果たした役割がいかなるものであれ--全面的に責任を負うこと及び,被害児童の利益・権利が保護されることを確保するものでなくてはならない。

本日,我々は,これらの国際文書の締約国となっていないすべての国に対し,参加を検討するよう促すものである。また,我々は,以下の事項を確保することにより,これらの国際文書によって確立された手段を国内法的実施に移す我々のコミットメントを改めて確認する。

  • 1 児童ポルノを,「現実の若しくは擬似のあからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現(手段のいかんを問わない)」又は「主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現」と明確に定義すること。
  • 2 国際的な法的枠組みと整合的に「児童」を定義すること。この点,国際的な文書は,締約国に対し,児童を18歳未満の者と定義することを求め又は促すという点で一致している。我々は,これらの基準の趣旨及び目的は,18歳未満のすべての青少年を児童ポルノによる性的搾取から保護することにあり,これはまた,我々の国内法においても目的とされるべきであることで一致する。
  • 3 手段のいかんを問わず(コンピュータ,インターネットその他の新規又は発展中のテクノロジーの使用を含む),製造,販売,頒布,保有,輸入及び輸出を含む児童ポルノのすべての局面を犯罪化すること。
  • 4 すべての児童ポルノ犯罪(特に累犯者によって敢行された場合)につき,児童に対するこれらの犯罪の重大性を適切に反映した刑罰による処罰を可能とすること。
  • 5 国内法が,すべてのレベルの政府間(国内的及び国際的)及び法執行機関間の継続的な協力体制を通じ執行されること。また,各国は,国内法に従い,公式又は非公式の手段により,民間部門(インターネット・サービス・プロバイダ,情報技術専門家及び金融機関を含む)及び市民社会(教師,ヘルスケア及び社会サービス提供者,NGO及びメディアを含む)に対し,児童ポルノに関して入手した情報を,適切な法執行機関又は社会サービス当局に提供するよう協力を促すべきである。

その他の手段

児童ポルノを製造し,頒布し又は保有する者の訴追は,児童を更なる害悪から保護するために必須のものであるが,この増大しつつある問題と闘うために国としてなし得ることは,法制度の領域外にもなお存在する。例えば,法執行機関,検察官及び裁判官といった,刑事司法の専門家に対する研修は,これらの犯罪と闘うための包括的なプログラムの不可欠な要素である。刑事司法の専門家は,児童の性的虐待,児童ポルノ及び性的にあからさまな児童の画像が同一問題であること,また,これらの犯罪が,刑事司法システムによる明確かつ強力な非難を必要とするものであることを認識する必要がある。同様に,児童ポルノによる児童の性的搾取の横行やその本質について,市民の認知度を高め,教育を行うことは,当局への通報を促すとともに潜在的犯罪者に対する抑止力ともなる。

児童ポルノの取引が全世界的規模に及んでいるため,各国政府,法執行機関及び国際的な地域機関による全世界的な対応が求められているが,一方で,民間部門にもまた果たすべき役割がある。インターネット・サービス・プロバイダ,情報技術専門家及び金融機関等の民間部門や,NGO,メディア,保護者及び教育者等を含む市民社会は,これらの犯罪との闘いにおいてそれぞれが果たしうる役割について検討するよう促されるべきである。最後に,民間機関であれ公的機関であれ,この分野に向けられた国内センターもまた,インターネット・サービス・プロバイダその他の民間部門と協力し,児童ポルノ犯罪の効果的な監視及び児童ポルノとの闘いに貢献することが可能である。

結論:我々のコミットメント

 我々は,児童ポルノに関する国内法の実施及び実効性を確保すること及び,必要かつ適切なときには,これらの法をアップデートし,改善するための手段を取ることを約束する。我々はまた,国際的な対話を通して児童ポルノとの闘いの重要性を引き続き強調し,G8内外における協力を促進していくことを約束する。
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