法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年4月20日(火)
新党結成に関する質疑
【記者】
地方自治体の首長が新しい政党を立ち上げたり,新党が相次いで設立されるような現状になっていますが,この夏の参議院選挙に与える影響について,どのように見ておられるか,お聞かせいただければと思います。
【大臣】
このところ本当にいろいろな新党が立ち上がっている状況で,参議院選挙に全く影響がないかと言われれば,やはり何らかの影響があるものと思います。特に私が感じるのは,都市部では候補者が多数立たれるという傾向もありますので,そういう中で参議院選挙の候補者が多数になることによって,票が均等化していくようなことも予測されないわけではありませんし,そういう意味では一定の影響はあるのではないかと,また,自らのことにも関わりますので,しっかりとやっていかなければと思っています。
普天間基地移設に関する質疑
【記者】
普天間基地移設の関係で,かなり混迷しているというか,総理自身も5月末ということで,合意の期限を御自身でお決めになったり,それがまた危ぶまれている状況ですが,もし5月末までに合意がかなわなかった場合,仮定の話で恐縮なんですが,総理の責任問題あるいは進退問題について,どういう見解をお持ちでしょうか。
【大臣】
今,仮定の問題とおっしゃいましたけれども,まさに,総理が5月末を期限として自らに課され,そこに向かって努力をされているというところですので,それをしっかりとまとめることに全力を傾けられ,是非まとめて欲しいと思う,それに尽きるということです。
【記者】
普天間の問題では,徳之島で反対集会が開かれるなど,今後,政府案を示した場合に,いろいろな反応があると思うのですけれども,総理が直接決めた所に行って,住民や首長に説明すべきだと大臣はお考えでしょうか。
【大臣】
私もどういうものが検討されているのかというのをつぶさに知る立場にありません。徳之島の話もいささか一人歩きをしているところもあるのかなという感じはしますけれども,いずれにしても今後の検討の方向によって,やはりそれは総理が自ら御説明をしたり,あるいは,話し合いをなさったり,そういうことも全くないわけではないでしょうし,いろいろな状況があるのではないでしょうか。
刑事訴訟法等の改正に関する質疑
【記者】
先ほどの法務委員会を拝見していたのですが,参議院に引き続き,衆議院でも,公訴時効改正案が民主党のインデックスと違うので公約違反ではないかという趣旨の指摘がありましたが,改めてですが大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
公訴時効の問題は,共通の問題意識から議論が続けられてきた問題です。そういう中でインデックス案も一つの考え方であり,これも刑罰権の消滅をなくして,できるだけ適正に犯罪を処罰しようということと,防御権とか捜査の負担,こういうものを勘案して一つの考え方として打ち出されたというものでもあり,旧政権下でもいろいろな議論があって,公訴時効も一定の範囲で廃止をするということがどうだろうかという議論もされてきました。インデックス案も旧政権下の議論も公訴時効をなんとかしなければということでは共通であったわけですし,それから共通しているのはやはり逃げ得を許してはならないということと,それから防御権や捜査の負担をどういうふうに勘案するかというバランスをどうとっていくかということで,かなり共通している問題だと思います。そういう中で一番多くの皆さんから納得をいただける,あるいは法制審議会でもいろいろな議論の下でまとめられてきた,こういうことがやはりまとめとしては最もふさわしいのではないかということで提起をさせていただいたということです。インデックス案を一顧だにしないなどという意見がありましたけれども,そういうことではなくて,より良いものあるいは問題点をより深化をさせていくということを認識をしながらまとめてきたということです。
法務省所管の特例民法法人に関する質疑
【記者】
先ほどの衆議院法務委員会で山尾議員から司法協会のコピーの件で指摘があり,大臣は謄写の料金が高いなというのが率直な気持ちであるという御発言をされていまして,ところが裁判所のほうが5年目途の契約なので無理ですというような発言もあって,大臣も法務省で可能なことは考えたいという発言もあったのですが,これはどのような対応を想定されているのでしょうか。
【大臣】
基本的には裁判所が公募して,それに基づいて契約をされているということですので,一義的には裁判所で検討していただかなければならない問題だろうと思っています。法務省でそれを飛び越えて,何かできるということではありませんので,裁判所が今日の議論で5年の契約だから駄目だとおっしゃっていましたけれども,そのような声,ニーズがあるということを勘案して,御検討いただき,法務省としてできることはそれを何らかで後押しをしていくという形だろうと思います。
【記者】
今やっている一連の関連団体の立入調査と同列に調べるとか,法務省として対応することを想定した発言ではないということでしょうか。
【大臣】
司法協会の在り方といいましょうか,公益法人としてどうだというようなことは改めて,今調査を指示をしているところですので,そのような観点は別な問題としてありますけれども,謄写の費用は私から何か,直接,謄写の料金をこうしなさいと言って決められるものではないということです。
選挙に関する質疑
【記者】
先日,仙谷大臣が鳩山内閣が退陣することになった場合には,夏に衆参同日選挙の可能性があるというふうに発言して,閣内でもいろいろ話題になっていると思うのですけれども,仙谷大臣の発言について,大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか。
【大臣】
どうでしょう。仙谷大臣の嗅覚なのか,大変鋭い政治感覚でお話をされたのか,私には分かりません。
【記者】
閣内から総理の専権事項に触れるべきではないと官房長官なども批判されていますけれども,そのような点については大臣はいかがお考えでしょうか。
【大臣】
今申し上げましたような大臣としての政治的な鋭い嗅覚なのかなと思いますが,特に専権事項を左右しようとか,縛ろうという御趣旨のものではないと理解しています。
法曹養成制度に関する質疑
【記者】
昨日,日本弁護士連合会の宇都宮会長が日本記者クラブで会見をされました。今まで就任パーティー以外のところで公式の会見というのは初めてだったと思うのですけれども,改めて司法修習の今年11月に予定している貸与制の導入に反対していく姿勢で取り組むということと,これも前々からおっしゃていることですけれども,現段階で法曹人口を急激に増やすような状況にはないんだと,法律扶助が潤沢であり,あるいは増員が弁護士に集中しているという状況では,現段階で増員ぺースは緩めるべきではないかということを改めておっしゃいましたが,これまでも大臣に何回もお伺いしているのですけれども,法曹養成の司法修習の貸与制の導入と,法曹人口の増員ペースのことについてのお考えを改めてお伺いできますでしょうか。
【大臣】
度重ねてということになりますけれども,新たな法曹養成制度については,当初に掲げていたいろいろな理念と,現実との間で様々な違いが出てきていることもあると思います。そういうことも含めて,現在,検証を前提とした勉強会を文部科学省との間で行い,検討しているということですので,そこで整理をしていただいて,そして大きな何か議論の場を作って,方向性を出していくということが必要なのではないかと思います。新たな法曹養成制度がスタートした時もやはり政府一丸となって,それから法曹関係者,あるいは経済界などの各界,いろいろな形で議論の場を作って,そこで一致した方向性を出してきたということもありますので,これに対して新しく,次の段階として議論をするとなれば,また大きな議論の場が必要なのではないかと思っています。そのような意味では,問題点を整理をしているということですので,それをもって,またどういう仕組み,場が必要なのかということもできるだけ早く検討をして,そういうところに整理をした問題点を提起して,議論をいただくということが必要なのではないかと思っています。日本弁護士連合会でも法曹人口の問題をおっしゃっておられますけれども,例えば,裁判官や検察官の増員とか,法曹をさらにいろいろな場所で活かしていくということを御提起されておられますので,そういう御意見も合わせて,議論をしていかなければいけないと思っています。また,貸与制については,これを導入するときも大変議論があったところでした。ただ,やはり法曹人口を増やす,それから,給費制ということになると,これは多くの国民の理解をなかなか得られないのではないかということで,できるだけ奨学金等を含めて,そのサポート体制を作る中で,貸与制にしたということだったと思います。そういう意味では,当事者から思えば給費制のほうが大変助かることだろうと思いますが,やはり税金ということになるわけですので,そこの納得をいただけるかどうかなども含めて,これも大きな議論であろうと思います。