法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年4月23日(金)
私の方から二点,御報告させていただきます。一点目は検察庁における記者会見のオープン化についてです。御存知のとおり,鳩山内閣は,できるだけ国民に開かれた行政運営ということで,記者会見のオープン化についても積極的に取り組んでおりますが,こういう状況も踏まえてであろうかと推察いたしますが,検察庁におきましてもかねてより記者会見のオープン化ということを検討してきたと承知をしています。そこでその検討がまとまり,今回記者会見のオープン化について,一定の方向性を出させていただいたということです。実際にどのような形かというと,定例の記者会見と,いろいろな重大事犯等の節目に開催する臨時の記者会見ということで,まずは定例化を図っていくということです。また,この記者会見におきましては,フリーの記者の皆さんなどにも参加をいただけるということでして,詳細な手続等につきましては,逐次説明がされるものと考えています。この記者会見については,準備ができ次第,それぞれ全国の検察庁で,この考え方を基本にしながら行われていくと承知をしています。私も検察庁の記者会見がどのような形になっているかとお尋ねをしてまいりましたけれども,検察庁のほうでかなり積極的に,このようなオープン化ということを検討してきたということを,かねてから承知をしていましたので,今回このような取り組みが実施されるということは大変好ましく,有意義だと考えているところです。
二点目は,4月12日から4月19日まで,ブラジル・サルバドールにおいて,第12回国連犯罪防止・刑事司法会議,いわゆるコングレスが開催されました。これは,5年ごとに各国の司法関係者が集って,刑事司法に関する様々な問題について議論を行っているものです。今回の会議には,100か国から約3000人が参加し,日本からは,樋渡検事総長ほか,法務省,警察庁,外務省等の関係省庁からなる政府代表団が出席をしたところです。会議では,この会議の趣旨から考えても当然ですけれども,国際組織犯罪やテロ等への対策,あるいは国際協力の推進方策などが議論をされ,最後に参加国の政治的決意を表明するサルバドール宣言が採択されたとの報告を受けているところです。また,この中で法務省が運営する国連アジア極東犯罪防止研修所が「矯正施設における過剰収容に対する戦略とベストプラクティス」をテーマとするワークショップを企画・運営をして,大変多くの皆さんの関心をいただいたということも報告を受けています。過剰収容問題は各国の大きな課題とも聞いていまして,日本もこれに対する様々な取り組みをしてきたということもあり,かなり各国のいろいろな関心をいただいたのではないかと考えています。これからも,国際社会と協調して司法分野,それから安全な犯罪のない国際社会を築いていくという立場で努力をしていきたいと考えています。
検察庁の記者会見のオープン化に関する質疑
【記者】
冒頭御発言いただきました検察庁の記者会見のオープン化の話ですけれども,なぜこの時期なのか,つまり,政治資金規正法違反の公判が昨日,鳩山首相の関係でありましたけれども,そういう時期,あるいは検察審査会の議決時期が迫っているという時期など,重大案件が迫っている時期と関係があるのかどうか,あるいは,総務省が検察庁の記者会見のランキングを随分下位に評価していたことと関係があるのかどうか,その辺りについてお伺いします。
【大臣】
これは直接関係がないと承知をしています。先ほど申し上げましたように,かねてより,検察庁としても自らやはり,政権が変わったということばかりではなくて,できるだけ検察庁のきちっとした情報をお伝えするということが大切だという認識の上に立って,どのような形で記者会見をするか,あるいは情報をきちっと皆さんにお伝えできるかということを検討されてきたと報告を受けています。それを私も大変良いことだということで,その推移を見てまいりましたけれども,やはり,検察庁という機関ですから,検討することも多々あったと思います。それが全国の各地方検察庁のいろいろな意見も踏まえて,ようやくまとまったので,こういう時期になったと承知をしています。総務省のランキングもやはり検察庁という組織の特殊性もあり,確かに大分低い方にランクされたということはあるのかもしれませんが,その性格上やむないところもあったと思います。ただ,先ほど申したとおり,状況全体を踏まえれば,検察庁としても自らこういう姿勢を示していくことが必要だというふうに考えられたものだと思っていますので,私の思いというか認識ともほぼ方向が一致をしているということで,大変歓迎をしているところです。
【記者】
検察庁における記者会見のオープン化について,大臣は大変好ましい,有意義だと考えるとおっしゃられましたけれども,好ましい,有意義だと考える理由について教えていただけますか。
【大臣】
やはり,検察庁においての捜査がきちっと透明性をもって行われるということが大事であろうと思っています。そういう意味では,自ら捜査状況,あるいは捜査によってどのような結論が導かれたかということをきちっと皆さんにお伝えをする,正確な情報を伝えるということは他の行政機関では当然のことですけれども,検察庁の捜査においても求められるところであろうと思っていますので,まずはこういう形で定例的に,あるいは重大な事犯の時には逐次,また記者クラブの皆さんのみならず,関心をお持ちのメディアの皆さんなどにもきちっと報告をすると,こういう姿勢を持つことは大変大事なことだと考えたところです。
【記者】
今の御発言ですと,捜査は透明性を持って行われることが大事だと思っていて,その説明についてはどのような結論に達したかを,マスコミなり,世の中に広く伝えるのが大事だということですが,私の認識だと,検察庁は今まで,基本的に捜査をしたことについては公判で明らかにすると,例えば被疑者の名前であるとか,簡単な罪名であるとかについては何らかの形で伝えるけれども,捜査の中身については言いませんというのが立場だったと思うのですけれども,そこから一歩踏み出すという御認識でしょうか。要するに,どういう捜査をして逮捕なり,起訴なりに至ったという経緯を,今回の記者会見のオープン化を契機に一歩踏み出した考え方に転換されるという御認識で発言されているのでしょうか。
【大臣】
基本的には,今御指摘がありましたように捜査の透明性といいますか,適正な捜査がなされたかということは,最終的にはやはり裁判の中できちっと示されるものだと思います。ただ,誤解を招くということがあってはならないのは当然ですので,そのような意味で捜査の一定の結論などを,正確にまずは皆さんに,あるいは社会にきちっと報告をするということは,最低限基本的に必要なことであろうと思います。ただ,御指摘の最終的にはどういう捜査で,どういう立件をして,どう立証するかということなどは,裁判の場で最終的にきちっと明らかにされていくものですので,その基本は変わらないものだと思います。
【記者】
記者会見のオープン化のことで二つお伺いします。高等検察庁とか最高検察庁の扱いはどうなるのかということと,大臣の今の御発言を伺っていると,基本的には検察庁のほうが考えていて,そこから報告が上がってきたというような趣旨で受け止めているのですけれども,大臣がオープン化するように指示をしたということではないのでしょうか。
【大臣】
基本的には,このオープン化というのは,高等検察庁も範囲としては入っているということですが,基本的には最初の捜査ということになりますので,地方検察庁が基本になると思います。それから,これは検察庁のほうがかねてよりオープン化ということをどういう形でやろうかと検討をしていたと承知をしています。私も,どういう実情にあるのか,あるいは,少しでもオープンにできることはないのか,検討していないのかということを尋ね,その時に,既に検討していますということでしたので,それは大変結構なことですねということで推移を見守らせていただきました。今回その方向をまとめ,こういう形でやりますという御報告をいただきましたので,是非,それは前向きにやってくださいということを申し上げたということです。
新党結成に関する質疑
【記者】
舛添議員が自民党を離党されまして,今日にも新党を立ち上げる運びになっていますけれども,日本のリーダーとしては期待がかなり強かった人物が立ち上げる新党というものをどのように御覧になっているのかという点と,参議院議員選挙への影響を,御自身の選挙の絡みも踏まえてお答えいただければと思います。
【大臣】
このところいくつか新党が立ち上がっているところですが,若干,御本人の志といいましょうか,何かそういうものに沿った新党立ち上げなのかどうか,立ち上げ方が,必ずしも何かそういう志と一致しておられなかったのではないかと,何かやむなくああいう形をとらざるを得なくなってしまわれたのではないかと,ちょっと,そのような印象を持たせていただいているところです。特に参議院というところを中心にされていると,新党というのが参議院の会派のような形で作られるというか,立ち上げざるを得ないというのはいささか,本当に本意とは異なられるのではないかという印象を受けています。そのような意味では,あれだけリーダーとしての期待が高い方ですので,選挙への影響が全くないということはないと思いますけれども,ちょっとどちらの方向へ行くのか,今ひとつその理念といいますか,そういうことがはっきりしないなという感じもしますし,すべて影響がないということは存在しないわけですけれども,今後の動き,推移を見てみないと,今ひとつ分からないなという感じはしています。いずれにしても,自らが,皆さんからの御期待,御支持にまずはきちっとこたえていくことが大事ですので,このようなことにあまり左右されずに何とか頑張っていかなければという気持ちです。
死刑制度に関する質疑
【記者】
成立が近づいている公訴時効の見直しに関する法律案に若干関連するのですが,この改正案というのは,逃げ得を許さず,司法手続きにのっとって有罪であれば適正に科刑をしていくというような趣旨があるところです。一方で私どもの知る限り,昨年7月28日から約9か月間死刑の執行がないという状況がございます。今回,時効の関係の法改正に積極的な,意欲的な大臣の姿勢と,死刑を執行されない現状では,若干かい離するというか,矛盾するのではないかと見受けられるのですけれども,その点について御説明をいただきたいのと,国民的議論を踏まえてというお話をかねがねされておりますけれども,国民的議論というのはなかなか今起きる気配がなく,それを仕掛けていく動きもちょっと見られない,なかなかそういう仕掛けがなく,議論が起こらないように思われます。法務大臣としての職責はすでにお認めになっているとこでですが,国民的議論を起こそうと思っておられるのか,それとも起こるかどうか分からないものをお待ちになっているのか,その辺りについて御認識を伺えればと思います。
【大臣】
最初の御質問ですけれども,公訴時効の問題と死刑制度の問題というのは,私は直接に連動するものではないと思っています。やはり犯罪に対して逃げ得を許さず責任を果たしていただくということは当然のことですし,刑罰の内容とかあるべき刑罰というのは,また別の問題だと思いますし,死刑は,究極の刑罰ということですので,これは大変重い,また難しい問題だと感じています。後段ですけれども,これも今申し上げましたように,正直,非常に難しい問題だと思っています。誰でもいろいろな御意見,あるいはどちらにもなかなか決めきれないという気持ちはいろいろな皆さんがお持ちなのではと思いますし,決して何か議論が起こるだろうと,それを待って,私もどうかしようと,こういうことで考えているわけではありません。ただ,なかなかそれは重く,このような議論にそう関わりたいと思っている方も多いとも思いませんので,どういう形でどういう機会に議論なりをしていくか,どういう議論を進めていくか,本当に難しい問題ですので,これはいつも念頭に置きつつ,今どうしようということを常々考え続けているところです。
入国管理局の業務に関する質疑
【記者】
成立が近づいている公訴時効の見直しに関する法律案に若干関連するのですが,この改正案というのは,逃げ得を許さず,司法手続きにのっとって有罪であれば適正に科刑をしていくというような趣旨があるところです。一方で私どもの知る限り,昨年7月28日から約9か月間死刑の執行がないという状況がございます。今回,時効の関係の法改正に積極的な,意欲的な大臣の姿勢と,死刑を執行されない現状では,若干かい離するというか,矛盾するのではないかと見受けられるのですけれども,その点について御説明をいただきたいのと,国民的議論を踏まえてというお話をかねがねされておりますけれども,国民的議論というのはなかなか今起きる気配がなく,それを仕掛けていく動きもちょっと見られない,なかなかそういう仕掛けがなく,議論が起こらないように思われます。法務大臣としての職責はすでにお認めになっているとこでですが,国民的議論を起こそうと思っておられるのか,それとも起こるかどうか分からないものをお待ちになっているのか,その辺りについて御認識を伺えればと思います。
【大臣】
最初の御質問ですけれども,公訴時効の問題と死刑制度の問題というのは,私は直接に連動するものではないと思っています。やはり犯罪に対して逃げ得を許さず責任を果たしていただくということは当然のことですし,刑罰の内容とかあるべき刑罰というのは,また別の問題だと思いますし,死刑は,究極の刑罰ということですので,これは大変重い,また難しい問題だと感じています。後段ですけれども,これも今申し上げましたように,正直,非常に難しい問題だと思っています。誰でもいろいろな御意見,あるいはどちらにもなかなか決めきれないという気持ちはいろいろな皆さんがお持ちなのではと思いますし,決して何か議論が起こるだろうと,それを待って,私もどうかしようと,こういうことで考えているわけではありません。ただ,なかなかそれは重く,このような議論にそう関わりたいと思っている方も多いとも思いませんので,どういう形でどういう機会に議論なりをしていくか,どういう議論を進めていくか,本当に難しい問題ですので,これはいつも念頭に置きつつ,今どうしようということを常々考え続けているところです。
刑事訴訟法等の改正に関する質疑
【記者】
公訴時効の関係ですけれども,15年前に倉敷市で夫婦二人が殺された事件があり,その時効が28日の午前零時に成立します。今の国会のスケジュールでいくと,それに間に合わせるというのはかなり難しいのかなと思う一方で,全く不可能ではないと思うのですけれども,大臣はどのように対応されるおつもりなのか教えていただけますでしょうか。
【大臣】
まだ,成立しておりませんので,何とか次の衆議院法務委員会の質疑でまとめをいただけるかなと期待をしているところです。いずれにしましても,そのような意味では今回のことについてどうかといわれても,まだ成立をしていませんので,成立をして公布をするという,一定の時間的な制約の中で,今回ということだけではなくて,時効の問題というのはどうしても隙間みたいなものができてくることはありうるわけで,そのような意味では,何とかできるだけそういうことを避けるためにも,成立をすればできるだけ早く公布,施行ということをスピーディーにさせていただきたいと考えています。これは私の方向性です。
高速道路料金の無料化に関する質疑
【記者】
高速道路の料金の関係で,民主党側から見直すようにということをいわれ,それを昨日,前原大臣と鳩山総理が見直さないということで,政策決定の一元化というものが揺らいでいるのではないかという指摘もあるのですけれども,大臣は今回の道路料金の設定についてのバタバタ感をどのように受け止めていらっしゃいますか。
【大臣】
私も直接そのやり取りとかに関わっておりませんので,ただ,いろいろな御意見をいただいた結果,大臣として最終的に方向をきちっと示されたということだと思います。いろいろな経緯とか,決定をするにあたってはいろいろな御意見が出たり,あるいは示されたりということはいろいろあることで,最終的には政府が責任を持ってきちっとまとめるということが基本的には一番重要なことですので,そんなに揺らいでいるとか,一元化が何か妨げられているということではないと認識しています。