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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 令和2年 記者会見要旨 > 法務大臣臨時記者会見の概要

法務大臣臨時記者会見の概要

令和2年1月9日(木)

 先ほど,国外逃亡したカルロス・ゴーン被告人が記者会見を行いましたが,今回の出国は犯罪行為に該当し得るものであり,彼はICPOから国際手配されていることを忘れてはならないと思います。
 ゴーン被告人は我が国における経済活動で,自身の役員報酬を過少に記載した有価証券報告書虚偽記載の事実のほか,自己が実質的に保有する法人名義の預金口座に自己の利益を図る目的で日産の子会社から多額の金銭を送金させた特別背任の事実などで起訴されております。
 ゴーン被告人に嫌疑がかけられているこれらの経済犯罪について,潔白だというならば,司法の場で正々堂々と無罪を主張するべきと思います。(※)
 ところが,ゴーン被告人は,裁判所から,逃げ隠れしてはならない,海外渡航をしてはならないとの条件の下で,これを約束し,保釈されていたにもかかわらず,国外に逃亡し,刑事裁判そのものから逃避したのであって,どの国の制度の下であっても許されることではございません。しかも,それを正当化するために,国内外に向けて,我が国の法制度やその運用について誤った事実を殊更に喧伝するものであって,到底看過できるものではございません。
 我が国の刑事司法制度は,個人の基本的人権を保障しつつ,事案の真相を明らかにするために,適正な手続を定め,適正に運用されております。
 そもそも,各国の刑事司法制度には,様々な違いがございます。例えば,被疑者の身柄拘束に関しては,間口を広く,無令状で逮捕できる国もございますし,我が国で被疑者を逮捕するに当たっては,現行犯逮捕等の非常に限定的な場合を除いて,捜査機関から独立した裁判官による令状の発付を得なければ,捜査機関が勝手に逮捕するということはできなくなっております。このように身柄拘束は間口を非常に狭く,厳格なものとしているわけでございます。
 このように刑事司法制度は,各国の歴史や文化によって,そして長期間にわたる各国の努力によって形成されてきたものであり,各国の司法制度に一義的な優劣があるわけではなく,ある一面のみを切り取って批判をするということに,私は違和感がございますし,適切ではないと考えております。
 身柄拘束に関する不服申立て制度も我が国にはございます。罪証隠滅のおそれがなければ妻との面会なども許されます。全ての刑事事件において,被告人に公平な裁判所による公開裁判を受ける権利が保障されております。
 そして,我が国は,これまでの警察や検察などの捜査機関,司法関係者,そして国民の皆様の努力により,これまで積み上げられてきた制度によって,犯罪の発生率は国際的に見ても非常に低く,世界一安全な国といってもよいと考えております。
 もちろん,様々な御指摘があることは承知しております。それらについて,これまでも見直しを行い改革をしてまいりましたし,今後も見直しを不断にしていく努力は惜しまないものでございます。
 我が国の刑事司法制度が世界中の方々に正しく理解していただけるよう,今後も情報を発信し,疑問にお答えをしていくつもりでございます。
 ゴーン被告人においては,主張すべきことがあるのであれば,我が国の刑事司法制度において,正々堂々と,公正な裁判所の判断を仰ぐことを強く望みます。
 政府としては,関係国,国際機関とも連携しつつ,今後も粘り強くあらゆる手を尽くしてまいります。

(※)法務大臣の発言においては,「無罪を証明」とありましたが,「無罪を主張」と発言しようとして誤ったものであり,訂正しています。

カルロス・ゴーン被告人の記者会見に関する質疑について

【記者】
 先ほどのゴーン被告人の会見を御覧になって,改めて大臣の所感をお聞かせください。

【大臣】
 ゴーン被告人の記者会見を全て見ておりましたが,まず,私が冒頭申し上げましたとおり,ゴーン被告人は保釈中に国外に不法な手段で逃亡したものであって,これは犯罪に該当し得るものでございます。あの記者会見の中でどなたかが,「あなたは日本の法律に違反したから,ここにいるのではないですか」と質問をして,ゴーン被告人はそれに答えられずにおりましたが,その質問者の言うとおりだと思います。
 また,ゴーン被告人が我が国の司法制度について,批判的な見解を述べておりましたが,それらは正当な批判ではないと,一方的なものであると考えますし,その批判をすることによって自らの逃亡が正当化されるものではないと考えております。

【記者】
 ゴーン被告人が勾留中や保釈中に妻のキャロル・ナハス容疑者との面会を原則禁止されていたことについて,様々な批判を述べていました。これについて大臣の御意見をお聞かせください。

【大臣】
 個別事件に関わる捜査中の事柄ではございますが,一般論として申し上げれば,先ほど申し上げましたとおり,罪証隠滅のおそれがなければ,一般的には妻との面会は認められるものでございます。
 なお,検察当局において,「ゴーン被告人が約130日間にわたって逮捕・勾留され,また,保釈指定条件において妻らとの接触が制限されたのは,現にその後違法な手段で出国して逃亡したことからも明らかなとおり,ゴーン被告人に高度の逃亡のおそれが認められたこと,また,妻自身がゴーン被告人がその任務に違背して日産から取得した資金の還流先の関係者であるとともに,その妻を通じてゴーン被告人が他の事件関係者に口裏合わせを行うなどの罪証隠滅行為を現に行ってきたことを原因とするもので,ゴーン被告人自身の責任に帰着するものである」などのコメントを出しているものと承知しております。

【記者】
 日本の報道は,ほとんど捜査関係者を情報源として,防犯カメラの映像からゴーン氏の足取りを追って,例えば,箱に入って二人のアメリカ人に助けられて関空から出たと,ほとんど同じ内容で報道をしているのですが,この報道の内容は,当局としてほぼ間違いないと認められますでしょうか。

【大臣】
 これは捜査中の事柄でございまして,先ほど申しましたように,何らかの不正な手段で出国した,ということは明らかになっております。なぜならパスポートで出ていないというわけでございますので,何らかの不法な手段で出た,その場合には,不法出国罪,密出国罪という犯罪行為に当たり得るものですから,捜査又は調査しているわけでございます。今,捜査中の事柄について,法務大臣の私がコメントすることは差し控えさせていただきます。これは他の犯罪でも同じことでございまして,そこは申し訳ないのですが,私からのお答えはしかねるということで御理解いただければと思います。

【記者】
 ゴーン氏の批判が誤っているとおっしゃいましたが,どこが誤っているんでしょうか。

【大臣】
 ゴーン被告人が日本の司法制度について,様々な御批判をされましたが,それについては,誤っている事柄が多いと思います。先ほど申しましたように日本の司法制度は,人権が保障され,そして,捜査機関は適正に捜査をしております。また,身柄拘束のことについて言えば,勝手に捜査機関が身柄を拘束するということはできず,捜査機関から独立した裁判所が判断をし,その時に罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがあるかどうかということを審査した上で,令状が発付されなければ,捜査機関は身柄拘束できません。そのようなことについて,誤った事実を述べていると思います。

【記者】
 ゴーン氏は令状が必要ないとは言っていないと思いますが。

【大臣】
 令状が必要ないとは言っておりませんが,ゴーン被告人の今日の発言内容を見ますと,「全く適正な手続を経ずに」というような御発言があったと思います。私どもは法に則った,法に記載されている適正な手続で行っておりますので,例えば,全く法律に書いてもいない事柄で,不意討ち的に行っているとか,人権が全く保障されない形で行っているというようなことは当たらないと申したいと思います。

【記者】
 先ほど大臣は,「逃亡によって罪を犯したことを会見で問われるとゴーン氏が返答に窮していた」とおっしゃっていましたが,拝見していた時には,日本の検察の違法なメディアへのリークについて返答されていて,暗に自分が罪を犯した一方で,検察も同様の,より多くの違法なことをしているのではないかということを批判されてましたけれども,こちらのコメントに対する大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 先ほど申し上げましたのは,日本の法律に違反したからあなたはここにいるのではないですか,ということに対して,ストレートに回答していないと私は受け取ったのですが,会見の直後ですし,もしそこに誤解があったのであれば申し訳ございませんが,今の質問は,それとすれ違いでゴーン被告人が述べられたことについての質問だと思います。そこのところは,私はまだよく分析をしておりませんので,また分析をした上でお答えしたいと思います。
(以上)
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