法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年6月22日(火)
新たな人権救済機関の設置に関する質疑
【記者】
新たな人権救済機関の件ですが,早期の法案提出ということですけれど,具体的なスケジュールとして,いつ頃の国会に提出できたらよいと大臣はお考えですか。
【大臣】
確たるところ,法案提出時期まで定めているわけではありませんが,できるだけ早く法案の形にまとめていきたいと考えています。
【記者】
かつて2005年ころですが,自民党内で法案を提出しようとした時期がありまして,その時,人権擁護委員の国籍条項をどうするかなど,かなり保守系の方から反論が出たのですが,大臣は人権擁護委員の国籍条項についてはどのようにお考えですか。
【大臣】
人権擁護委員の国籍条項については,今回,この中間報告で特段の何か変更を示しているということではありません。ただ,以前の人権擁護推進審議会の答申等でも,これについては検討するようにということも盛り込まれているということは承知をしています。人権擁護委員会制度について,より一層中身のある,そして機能的なものに,充実させていくということは必要な,大事なことであろうと思いますので,様々な議論の中で,この人権擁護委員制度の議論がされていくものだと思っています。
【記者】
新たな人権救済機関が,法務省ではなく,内閣府の下に置く,外局とするということについてなぜなのか。もう一つ,報道機関についての扱いはどのように考えて,こういう中間まとめになったのか,それぞれコメントお願いできますか。
【大臣】
新たな人権救済機関を内閣府の下に設置することについては,いろいろな権力構造からの独立性を担保するとすれば,内閣府の外局に置くということが一番妥当であろうという考え方から出てきているわけです。極端にいえば,例えば,行政からの様々な人権侵害というようなこともあるわけでございまして,法務省というのはそういう意味では捜査機関である検察,あるいは,入国管理とか,そういう一定の権力行使的な部分を持っているわけで,機関のつくり方,これはいずれにしても,独立性を保ってつくるわけですので,法務省だから必ず権力的になるということではありませんけれども,最も第三者的に,そしてそういうものから独立したものとなりますと,内閣府に置くということが最もふさわしいのではないかという考え方に立っています。また,報道機関については,この間,報道機関での様々な自主的な取組が進んでいます。そういう意味で,私としては報道機関については盛り込まない,除外をするということがよろしいという判断に立っています。
【記者】
報道機関について自主的な取組が進んでいるというのは具体的にはどういう点ですか。
【大臣】
例えば,BPOの取組とか,それからそれぞれの報道機関での内部的なあるいは第三者を含めたチェック機関,こういうものをつくって,自主的な取組を進めておられるというふうに承知をしていますので,この状況の中で,報道機関については,やはりそれを尊重していくべきではないだろうかというふうに考えています。
【記者】
内閣府に置くということに関連して,これから内閣府なり関係省庁と協議に入っていくと思うのですけれども,それについてのスケジュール感とか,どういった協議が必要になるかといったあたりの大臣のお考えをお聞かせ願えますか。
【大臣】
この間も事実上は内閣府といいましょうか,官房長官等には御報告させていただくようなことはしてきました。そういう意味で,今後,その調整も含めてできるだけ早くしたいと思いますが,今,正直申し上げまして内閣府に担当部署が既にあるという状況ではありませんので,是非そういうものをつくっていただくということを要請させていただきながら,議論,そして検討・協議を進めていけたらと思っています。
【記者】
今日の閣僚懇談会,あるいは閣議の中で,この中間報告に関する大臣の発言があったのかということと,中間報告を取りまとめて,今後の参議院議員選挙の中で,法案の問題をどのように扱うかと期待されているかということをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。つまり,争点化するとかそういうことを。
【大臣】
今日,特に閣僚墾談会などの中で発言をしたということはありません。これは,選挙とあまりかかわりのないものでして,この間,この通常国会が終るところまで,一定の問題整理をしようと,こういうことで,政務官を中心に議論・取りまとめを進めていただいていたと,これが中間的にまとまったので御報告をし,そしてこれから,いよいよ内閣府,あるいは関係のところと協議をしていきたいと,こういうことですので,とりわけ何か争点であるとか,問題点であるとか,そういうこととはあまり直接関係のないものだと思っています。
【記者】
新たな人権救済機関を内閣府に置くということについては,法務省内に相当慎重な意見もあったのではないかと推察するのですけれども,この中間取りまとめが政務三役で取りまとめているというのは,これは法務省内の慎重な意見もある中で,政治主導でこのように中間報告としてまとめてきたというような,そういうお考えというか,感慨というか,そういう部分は大臣はありますか。
【大臣】
法務省内の意見が消極的だったということは御推測であろうかと思います。必ずしもそういうことではないと私は考えていますけれども,元々私も内閣府に設置をするということを基本にしながらまとめていきたいと申し上げていまして,それを政務三役,そして政務官の下で進めて,論点整理やあるいは中間的な取りまとめまで詰めていただいたということです。そういう意味では政務三役が主導というか,最初の方針をきちっとここまで中間的ではありますけれども進めさせていただいたと御理解いただければと思います。
【記者】
人権擁護法案等の審議の中でいろいろな懸念があって,例えば言論弾圧につながるのではないかとか,国籍条項の問題にしてもいろいろな懸念があったと思うのですけれども,今回の中間報告が出たことによって,これまでの議論の中で指摘されたいろいろな懸念というのは,どの程度払拭されたものと大臣はお考えになっていますか。
【大臣】
これまでのいろいろな御意見,御議論の中でもいろいろと意見が分かれているところだろうと思います。私は,これがきちっとできることで御懸念はないものだというふうには思っています。