法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年6月29日(火)
参議院議員選挙に関する質疑
【記者】
参議院の選挙戦が始まりましたけれど,菅内閣の支持率が就任発足当初から比べて,徐々に低下傾向にあります。おそらく消費税をめぐる議論について,少し説明不足の感があるかなというふうな受け止めが国民から見ればあるようですけれど,候補者のお一人である大臣は,この傾向をどのように御覧になられますか。
【大臣】
確かに発足当初と比較すると,ある意味では支持率が落ち着いてきたというところなのかなとは思いますが,この選挙期間で,この内閣の方向をやはりきちっと示して,戦いを進めなければいけないとは思っています。消費税については,まだ確かに説明不足というところ,十分に趣旨が国民の皆様に伝わり切れていないというところがあるかもしれませんが,ただ,私がいろいろとお聞きしたり,御意見を伺う中では,皆様がかなり冷静に受け止め,考えておられるのではないかという感じはします。やはり低所得に対する配慮であるとか,あるいは一定の段階のような形でやるのかどうか等,導入あるいは論議の中身としては,いろいろ御意見があるところだと思いますが,消費税で今後の財政,あるいは社会保障,こういうものをきちっと構築していかなければならないと,そういうところはかなり冷静に理解をしていただいているのではないかというふうに思っています。ですから,これから様々な問題点を議論して,そして最終的には当然のことながら国民の皆様の審判を仰ぐのだということをきちっとお伝えをしていくことが大事なのではないかと思います。
【記者】
小沢一郎前幹事長は消費税論議について,ちょっとまだ今から言うのは早いのではないかと異議を唱えられていらっしゃいますけれど,こういう声が党内にあることについてはどのようにお考えですか。
【大臣】
これもよく説明を申し上げれば,党内の意見が違っているということではありませんが,確かにこの時期に問題を出すということがいいのかどうかという御意見があることも確かだと思います。特に選挙を前にしてというか,そういうことはいろいろ心配をされることもありますし,それからこの間,確かに消費税問題というのは,マニフェスト等でも必ずしも明確にしていたということではありませんので,そういうことについて,少し早いのではないかと,こういう時期に言うべきではないのではないかという意見をいろいろとお持ちの方もいらっしゃると思います。ただ消費税問題自体の受け止め方とすれば,先ほど申し上げましたような,冷静に受け止めていただいているというふうに思いますので,ぜひ,なぜこの時期にということも併せて,これからできるだけ分かりやすく説明をしていくということが大事だろうと思います。
【記者】
人権救済機関法案と民法改正案について,結局,参議院議員選挙のマニフェストには記載されず,論戦の中でもあまりテーマにあがっていないようですけれど,今回の参議院議員選挙で争点になっていない,つまり,論争の対象になっていないということが,参議院議員選挙後にこの二つの法案を推進していくにあたって,影響を受けるというふうにはお考えになりますか。
【大臣】
参議院議員選挙の今回のマニフェスト,これは昨年来のマニフェストを更に中身を濃くするとか,あるいは一定の修正をするということについて,取り分けてお示しをしているということで,従来のマニフェストがなくなったとかということではなく,継続をしているということでもありますので,たくさんの他の政策課題も同じように継続をして存在しているという扱いですから,これは別にこの選挙が終わって今回のマニフェストに載っていない,あるいはテーマになっていないことが,特段に問題になるということはないと理解をしています。
【記者】
特に民法改正案の場合は,外国人参政権の話もそうなんですけれど,前回の衆議院議員選挙でマニフェストに記載されていたわけではなくてインデックスに記載されていたのですけれども,インデックスは今回は参議院議員選挙については公表せず取りまとめるということになると,両法案を進めるにあたっての正統性というか,党内におけるレジティマシーみたいなものが失われるのではないかという意見もあろうかと思うのですけれども,その点についてはどうお考えですか。
【大臣】
どうでしょうか。この間,この政策自体は,特に民法については,一貫して民主党としては取組をして,提起をしてきたという問題ですので,ここで突然消えてしまうとか,あるいは継続性がなくなるということではないと思っています。
【記者】
消費税について,菅総理御自身の発言が一番最初は2010年内に改革案をまとめるという言い方でおっしゃっていましたが,最近は超党派で議論を呼びかけるところまでが公約だと,必ずしも10パーセントに引き上げということを公約したわけではないととれるような発言になり,やや後退しているような印象を持たれているような状態になっているのですが,こういうふうに発言がやや変わっていることについては大臣としてはどのようにお考えですか。
【大臣】
変わっていくというか,進め方について,議論の仕方についてですね,これはいろいろどうやったらいいのかと,多少やり方についていろいろ考えられたということだと思いますので,私は基本的にそんなに大きな変化ということではないのではないかというふうに思います。そういう意味では,まずはこれから,総理の話にあるとおり,強い経済,強い財政,強い社会保障という中で,当然一環として論議をしなければいけませんねとこういうことが基本的な総理の認識だと私は思います。論議の仕方としては10パーセントというのが一つの,念頭に置く基準になるのかもしれませんし,それから,税の問題ですから,超党派で議論をしていく,そういうことも当然必要なのではないかと,いろいろな論議の仕方について,頭をめぐらせてきているということではないでしょうか。
【記者】
かつて,橋本政権が当時の恒久減税をめぐる発言などで,非常に揺れた結果,参議院議員選挙の大敗につながったような経緯もあるのですけれども,大敗ということではなくて,そういう悪い方向に出るのではないかという危惧は特にお持ちではないでしょうか。
【大臣】
これは私がいうべき問題ではなく,内閣として,総理としての方向性を,先ほど言いましたようなプロセスを持って,そして議論を進めていく,こういうことについて,もうちょっと理解をいただくということは必要だと思いますけれども,大きくこの選挙の中で,それが決定的なことになるものではないだろうし,そうあってはならないと思っています。
【記者】
普天間基地移設の関係でも,最低でも県外,国外というような話はマニフェストに記載されているわけではなくて,選挙期間中に鳩山前総理が発言した内容が,政権交代後に実質的な公約として扱われてきた経緯というものがあると思うのですけれども,そもそも何が公約かという点について,選挙期間中に総理大臣が発言した,消費税を含めて発言したことというのは,民主党にとって公約であるというふうに大臣はお考えになりますか。
【大臣】
総理が発言をし,民主党,政府与党一体となって政策の実現をしていくということですので,総理が是非こうしたいという話をされたというのは,一つの公約というか,国民に対する提起だというふうには思います。
【記者】
参議院議員選挙の関連で,枝野幹事長からみんなの党を含めた他党との連携の形についての御発言がありましたが,選挙期間中にそういった参議院議員選挙後の連携の形についての意見が出ること自体について,大臣は選挙を今戦われているお立場としてどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
これは参議院議員選挙のいろいろなことはあるのかもしれませんが,選挙をまだやっている中で出るといささか困惑はしますね。
人権救済機関に関する質疑
【記者】
人権救済機関についてなのですが,今回のパリ原則に基づいた機関で,内閣府に独立した機関をつくるということで,従来の人権擁護法案のときとはかなり,内容的にもいろいろと変わってくると思うのですが,審議においては人権擁護推進審議会をもう一回新しく人選して,その中で答申をつくっていくということでお考えなのでしょうか。最初の答申のつくり方というのを何か考えていることがあれば伺いたいのですが。
【大臣】
特に改めて審議会をつくって議論いただくということではなく,これまでの審議会の答申を受け,そして人権擁護法案,そして民主党が人権救済法をつくってきたと,こういう,いろいろなこれまでの法案の検討なども念頭におきながら取りまとめをしていこうと考えているところです。特に,改めて審議会等を設置するというやり方を考えているわけではありません。
【記者】
人権擁護推進審議会そのものは,今はもう失効して新たに人選しなければいけないという状態ではないのでしょうか。今継続して常設してあるということですか。
【大臣】
いいえ。改めてそういうものを設置して法案の検討あるいは答申を改めていただくということは考えていないということです。
入国管理局の業務等に関する質疑
【記者】
7月1日から入国者収容所等視察委員会がスタートすると思うのですけれども,それについて,申立てのあり方とか,具体的なプランというのは既に出来上がっているということなのでしょうか。
【大臣】
これは今,人選等させていただいて,東日本地区,西日本地区に設置をするということでスタートすると,この中でこれから座長を決めていただいたり,それから,どういう形で視察委員会としての運営をしていくかということもこの中で議論をしていただくということになろうと思います。
【記者】
3月22日の強制送還中に死亡されたガーナ人の方の件で,まだ詳細な報告等が御遺族の方にされていないというふうに伺っているのですけれども,御遺体のこと,それから詳細な調査について,今法務省のほうでどのようになっていますか。
【大臣】
これについては当然の事ながら,必ずしも捜査等が十分にまだ終了したということではありませんので,そういうことにきちっと対応していくということと同時に,御遺体については,送還をするためのいろいろな手続をさせていただいているということです。
【記者】
調査がまとまり次第,御遺族の方には改めて御連絡されるということですか。
【大臣】
その都度,御遺族の方には実情とか,大変遺憾なことだったということについては申し上げています。