法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年7月13日(火)
参議院議員選挙の結果等に関する質疑
【記者】
先日投票がありました参議院議員選挙について,大臣の御感想をお願いします。
【大臣】
本当に大変厳しい結果が出ましたが,多くの皆様に選挙を支えていただき,そしてまた多くの皆様から頑張れという声もいただきました。そういう意味では,たくさんの票をいただいたことについて,心から感謝をしたい気持ちで一杯です。ただ,その皆様に応えきれなかったということが残念ですし,私の責任の重さを感じているところです。ただ,大変,意義のある選挙をさせていただけたと思っています。
【記者】
選挙では落選されたということなのですが,今後大臣としての職務をお続けになるかどうかについて,本日,菅総理ともお話されたと思うのですが,どういったお話があったかということと,今後大臣を続けられるかどうか,その御心境についてお答えください。
【大臣】
先ほど菅総理に御報告と御礼を申し上げて参りました。私はやはり議員の一人として内閣に,閣僚に指名をいただいて職務を務めてきたわけですので,これは議員の任期というのが一つの区切りであろうというふうに思っています。ただ,総理から,やはり内閣としてこれまで一体として進めてきたと,ここで内閣全体としてこれを維持しながらしっかりと一つの節目までやっていきたいと,それについては,是非その一員として継続をしてもらいたいと,こういう御要請がありました。私も内閣の一員として,この間,総理を支えて頑張ってきたということもありますので,私の気持ちとしてはいろいろありますけれども,総理の御要請について,私もその責任の一端はあるわけですので,御要請に応えて,一つの節目というところまで内閣の一員としての役割だけは果たさせていただくということにさせていただくつもりです。
【記者】
今回,民主党が大きく負けました。これについて菅総理並びに党の執行部の方の責任についてどのようにお考えですか。
【大臣】
私は参議院議員選挙に立候補した当事者でもありますし,それから内閣の一員として総理を支えながらやってきたという立場でもあります。コメントするのは控えさせていただきますが,私の選挙結果については,やはり私の力の足らなかったことが基本的な原因だと思っています。
【記者】
大臣御自身に責任があったと今おっしゃったのですが,大臣が今まで進めてきた法務政策について何か問題があったとお考えなのかどうか,取調べの可視化ですとか,選択的夫婦別姓というマニフェストで掲げてきたものが全然進んでいなかったり,死刑執行をしなかったという現実,そこに何か問題があった故に落選したとお考えかどうかお聞かせください。
【大臣】
それはそうは考えていません。やってきたこと自体については,私なりの考え方,それから皆様にもしっかりと示させていただいたマニフェストにのっとって職務を,それから政策実現を図ってきたわけですので,これ自体に間違いがあったということではないと思っています。ただ,それぞれの課題については,非常に御意見が分かれる課題であることは確かだろうというふうに思います。そういう意味では,それをあまり是としない方にとっては,マイナスの評価になるでしょうし,逆に是とする人は,まだできないのかとこういうことにもなるのかもしれませんが,進めてきたことについて間違いというか,それは私は無いと思っていますし,それが大きな原因だとは私は思っていません。私の皆様からの評価がこういう結果だったと思っています。
【記者】
大臣の職務を続けることに関連して,大臣は先ほど議員の任期というのが一つの区切りというふうに思っているとおっしゃっていましたが,総理と会われたときに大臣としてそういった思いを伝えられたのでしょうか。
【大臣】
はい。私は総理にその旨申し上げました。
【記者】
先ほど,一つの節目まで内閣の一員として国会に参加させていただくつもりだとおっしゃったのですけれども,一つの節目というのはどういうタイミングであるというのは総理とお話されたのでしょうか。
【大臣】
具体的にいつということはありませんけれども,当然内閣としてもいろいろなところで改造があるとか,あるいは大きく態勢を整え直すというようなところがどこかではあるだろうと,こういうような御趣旨でした。今は継続をして,そういうところまで内閣がしっかりと任務を果たすということが一番必要なことだからということです。
【記者】
落選された後に長く閣僚を続けられた例はほとんどないようなのですけれども,そういったことに対して一部批判の声もあるかと思いますが,大臣としては残りの任期をどのようなおつもりで,どんな考え方で職務を全うしていこうとお考えでしょうか。
【大臣】
私はこれまで内閣一体としての政策の一つとして,法務行政,そして政策の実現に向けて進めて参りましたので,それをより前へ進めて道筋をつけると,これが私のこれからの任務だというふうに思います。あとはそれをきちっとその道筋の上にのっとって,次に引き継いでいくということだと私は考えています。
【記者】
現在のように国会議員のお一人として大臣を務めているという状況から,今後任期満了以降は民間の立場から大臣を務めるということになりますけれども,立場の違いによって大臣としての判断,決断というものに違いが出てくるおそれというものは今のところありますか。
【大臣】
今申し上げたとおりでして,これまで内閣としてマニフェストに基づいて政策の遂行を図っているということです。その一貫として私も内閣の一員としての政策実現を進めてきたということですので,ここから突如,それと離れた,それと食い違うようなことをやるということはむしろ内閣の一体的な考え方というのに反することになるわけですので,そういうことは考えていませんし,逆に言えばあってはならないというふうに思います。
【記者】
マニフェストに載っているような政策課題としてはそうかもしれませんが,例えば死刑執行命令書へのサインであるとか,大げさに言えば指揮権の発動であるとか,上陸特別許可であるとか,法務大臣に権限として与えられた,そういう職務については,これはどのようにお考えになっていますか。
【大臣】
これも私は,これまでの内閣としての指示をいただくとか,あるいはそれを受けての考え方に基づいて進めているわけですので,特段ここで新たに別な形で任命をされるということではありませんので,変わることはありません。
【記者】
可視化の話でいうと,参議院選挙後に中井大臣との協議が始まる予定だったと思います。それから加藤副大臣が中心にやられていたと思いますが,法曹養成のことについても,これから具体的な議論に移る予定だったと思います。今回選挙でこういう結果になったわけですけれども,それぞれの議論について,どのように進めていらっしゃるのか,選挙前からの考え方,方針などに多少の変更があるのかどうか伺いたいのですが。
【大臣】
ありません。
【記者】
中井大臣とも早急に御協議を始めるということですか。
【大臣】
これはもう段取りをさせていただくつもりでいます。
【記者】
国会議員ではない方が法務大臣を今までどおり続けていくというお話があったのですが,公的な話とは別に心理的な面としても,国民の代表として選ばれたわけではない方が法務大臣として,死刑の執行で人の命を奪ったり,指揮権を発動して人を拘束したりということが可能ということに別に問題はないというふうに考えられておられるのでしょうか。
【大臣】
基本的には憲法上でも認められているというか,違反するということではありません。ただ,先ほどから申し上げていますように,基本的な考え方自体は,これまでも申し上げましたように,新たに議員の立場ではないということの理由をもって,それに大きく反することをするべきではないというふうに思っています。
【記者】
参議院議員選挙が終ったばかりで恐縮なのですが,少し先になりますが,次回,改めて挑戦ということはありますか。
【大臣】
何をもって次回というのかは,よく分かりませんが,選挙については,私は一つの区切りであろうというふうに,考えています。
【記者】
今回の結果を受けて,民主党は参議院で過半数を失い,ねじれの状況をまた抱えてしまいますが,これを打破するために,大臣御自身としては,執行部の体制も含めてどのような体制構築が必要だとお考えになっていますか。
【大臣】
先ほど申し上げましたように,自分が参議院議員選挙に立候補した立場ですので,選挙結果について,なかなか他のことについては,私も分かりません。自分のことは自分の責任だというふうに思っていますので,コメントすることはなかなか難しいです。ただ,実際に結果を受けての参議院の運営等はなかなか大変なことが多いだろうというふうに思います。そういう意味では,私が何か言う立場にはありませんが,いろいろな対応が難しいことが多いのではないかというふうには思っています。ただ,参議院というのは,一体どういう意義があって,それから参議院とはどうあるべきかという議論がずっとあり,参議院とは何ぞやという,そこがなかなかまとまらないままに,これまでもきていますけれども,これからもその問題はより一層強くなっていくのかなというふうに思います。
【記者】
先ほど幹事長室で枝野幹事長ともお会いになったと思うのですけれども,そこで今後について幹事長のほうから何か言及というのはあったのでしょうか。
【大臣】
ありません。幹事長には結果の御報告と御礼をさせていただきました。
【記者】
今後の大臣の進退なのですけれども,衆議院,参議院含めて国政選挙に改めて再挑戦をされるおつもりなのか,議員としての活動,選挙は目指すことはもうないというふうに考えておられるのか聞かせていただけますか。
【大臣】
基本的には,私はずっと参議院議員という立場でやってまいりました。それ以外のことをこれまで考えたことは基本的にはありません。参議院議員としては一つの区切りであろうと思っています。
【記者】
先ほど,政策をこれから進めていきたいと,そして次の方に引き継いでいきたいというふうにおっしゃって,具体的には先ほどもいろいろあがっていましたけれども,これから大臣が任期を終えるまでの間に,具体的にどういった政策テーマについて進めていきたいというふうに考えていらっしゃいますか。
【大臣】
マニフェストに基づいて,これまで進めてきた道半ばというか,あるいは一定の歩みを進めてきているものがいくつかあるわけですので,それを,よりきちっと道筋をつけて次へお渡しをすることができるようにしておきたいということです。
【記者】
政策テーマの中には賛否両論あるものがあって,それに対して,反対するものは票を入れないであろうしというような趣旨のことをおっしゃいましたけれども,例えば選択的夫婦別姓であるとか,人権救済機関の設置法案であるとか,そういった法案について,大臣がこれまで推進をしてきたということは周知の事実だと思うのですけれども,その事実について,今回の参議院議員選挙でノーを突きつけられた,あるいは支持が得られなかったということも考えられると思うのですけれども,そうすると残りの任期の間に,そういった政策を進めていくことに正当性というのはあるのでしょうか。
【大臣】
先ほどは,票を入れるかどうかということを言ったわけではありませんが,私の認識は,政策それ自体が否定されたというふうには思っていません。政策に対して御批判とか,反対の御意見の方はいらっしゃるとは思いますが,これは私個人のとりうることだけではなくて,マニフェストやあるいは党として,進めてきたということでありますので,今ここで,私が何かを大きく変えるとか変えないとかということは言えるべきものではないというふうに思っています。党として,やはりこれはマニフェストを変更しようとか,あるいは政策を変更しようと,こういった考え方になるのであればそれはそれだと思いますけれども,そうなればそれに従うということで,今,特段変更が加えられているということではありませんので,特段変わることはありません。
【記者】
大臣はこれまで参議院議員としてお仕事をされていて,それ以外の考えはないと,そして,今回の選挙を受けて,参議院議員として一つの区切りだと思っているとおっしゃっていましたけれども,今後,法務大臣としての残りの職務というのを,国会議員として最後のお仕事であるというふうに考えていらっしゃると理解してよろしいのでしょうか。
【大臣】
参議院議員としてはもう一つの区切りがついたと,後は,次の内閣への橋渡しを務めさせていただいて,きちっと後へつないでいくと,今はそれのみです。
【記者】
民主党は平成18年の参議院議員選挙で勝利をして以降,安倍内閣,福田内閣,麻生内閣に対して,直近の民意は自民党政権にノーを突きつけたのであるから,解散総選挙なりで信を問うべきだというような議論をずっとしてきました。現段階では直近の民意では民主党は敗北をし,大臣も落選をしたというにもかかわらず,大臣の座にあると,別に民間の枠で内閣に入ったわけではなく,議員として内閣に入ってきた方が落選をしたにもかかわらず内閣にとどまるということは,民主政治のあり方として適正なことであると大臣はお考えになりますか。
【大臣】
先ほど申し上げました。私も一つのそれは区切りではないかというふうに思っています。総理にもそういうことも申し上げていますが,内閣としての一つの区切りをどこかでつけるまでという総理からの御要請,これについて私も内閣の一員であったものとして,その御要請を受けて全うさせていただくというふうに総理に返事をさせていただいたということです。
【記者】
総理の要請があったことは分かるのですが,民主政治のあり方として,一定の区切りまでということを前提付きであろうとも,大臣の座にいることは問題ないとお考えですか。
【大臣】
今申し上げたとおりです。
【記者】
先ほどねじれ国会の話で伺ったのですけれども,現実に政策を動かしていく上では,現実的な対応として,参議院の議席の過半数を維持するために他党との連携が必要になってくると,そうすると選挙で戦った相手と連立を組むということが現実的な選択肢としてはあると思うのですが,その辺りについて大臣はどのようにお考えになっていますか。
【大臣】
それは今,お答えできる問題ではありません。いろいろな状況もあるでしょうし,新たにそれは参議院なり,あるいは党全体の執行体制の中で,これから検討したり,協議をしていくことではないだろうかと思っています。ただ,民主党単独だけでは,なかなか意見の異なる法案等については,成立は難しいという現実はそのとおりだと思います。
【記者】
これまでは参議院議員として,これからは民間人として法務大臣の職務を行うわけですが,そのことに変わりはないとおっしゃったかと思いますが,その中で,これまで死刑執行のサインをされていないわけですけれども,今後も同じようにということであれば,法相在任中は死刑執行にサインしないということでよろしいでしょうか。
【大臣】
私はサインをしないとは一度も申し上げたことはありません。
【記者】
民主党全体の敗北の要因について,政権交代後,主に鳩山政権ですけれども,10ヶ月間の歩みが,国民の期待する成果が上がらなかったとか,菅総理の消費税増税の持ち出し方がやや唐突であったとかいろいろな指摘がありますが,大臣としてはどの要因が一番大きく今回の結果に反映されたと感じていらっしゃいますか。
【大臣】
私はどれか一つということは,必ずしもないとは思いますが,消費税についての発言等が,なかなかその意味するところ,真意といいますか,それが伝わりきれない,それから説明をしないと理解をいただきにくかったということは一つの要因ではあると思います。逆に,一所懸命説明をさせていただくと,むしろ分かっていただくということもありましたけれども,なかなかそれが時間がかかると,選挙のようなときには,そういうようなこともあったと思いますし,それからこれまで着実に進めてきた様々な成果というのが,これも伝わりきれていなかったということなどがあると思います。一つだけという原因ではないというふうには思っていますが,そういうことが重なり合って,厳しい結果になっているのではないかというふうに思います。
【記者】
菅総理がおっしゃった一つの区切りというのは,他の閣僚の中では9月の代表選というような言葉も出たのですけれども,そのような具体的な月など,そういう指示というのはあったのでしょうか。
【大臣】
具体的にはありませんが,それほど長い期間ということにはならないだろうけれどと,こういう話です。