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法務大臣臨時記者会見の概要

平成22年7月28日(水)

 本日,私の命令の下に,篠澤一男,尾形英紀の2名の死刑を執行しました。この2名に関する犯罪事実の概略を申し上げますと,まず篠澤一男については,宝飾品店の店員を殺害して,宝飾品を強取しようと企て,同店店長ら6名の女性被害者に対し,その身体等にガソリンを散布するなどして,ライターで火を放ち,同店を全焼させるとともに,女性被害者6名全員を火傷死又は焼死させて殺害し,宝飾品を奪った,強盗殺人,現住建造物等放火事件です。尾形英紀については,自己の交際相手と肉体関係を持とうとしたのではないかと男性被害者を問い詰めたものの,これを認めないことに激高し,その背部,腹部を数回突き刺すなどして男性被害者を殺害し,さらにその状況を目撃するなどした女性被害者3名を失踪を装って殺害するため,車で連れ去った上,同女性被害者3名の頸部をタオル又はビニールロープで締め付け,うち1名に対しては更にその側胸部を包丁で多数回突き刺すなどして,女性被害者のうち1名を殺害し,2名に重傷を負わせた,殺人,殺人未遂事件です。このようにいずれの事件も大変残忍な事案でもあり,それぞれの被害者の御遺族の方々にとっても大変無念な事件であったと思います。そして当然のことではありますが,いずれの事件も裁判所において,十分な審理を経た上で,最終的に死刑が確定したものです。以上のような事実を踏まえ,慎重に検討させていただいた上で,死刑の執行を命令した次第です。今回の死刑の執行に当たりまして,私は自らが命令した執行ですので,それをきちっと見届けることも私の責任だと考え,本日の執行に立ち会ってまいりました。死刑の執行は適切に行われ,私自身,自らの目でそれを確認させていただき,改めて死刑について深く考えさせられるとともに,死刑に関する根本からの議論が必要だということを改めて強く感じました。そこで,今後の死刑の在り方について検討するために法務省内に勉強会を立ち上げることにします。私自身の下,法務省内の関係部局等によって構成することとしますが,開かれた場で幅広く外部の様々な方から御意見をお聞きをしたいと,御議論に加わっていただきたいと考えています。この勉強会はあらかじめ結論を決めて行うものではありませんが,死刑制度の存廃を含めた,死刑制度の在り方等を検討することを考えています。そして裁判員裁判によって刑事司法に対する国民の関心,あるいは自らが裁判で判断をされると,こういう責任を国民の皆様も負うことになっているという状況の中で,この勉強会の成果を公表し,死刑の在り方について,より広く国民的な議論が行われていく契機にしたいと考えています。また,刑場は厳粛な死刑執行の場ですので,本来一般の公開にはなじまないという指摘もあります。しかし,今述べたような,国民的な議論に資する観点から,今回,東京拘置所において,マスメディアの取材の機会を設けるよう私から今指示をしたところです。近くそのような機会を設けさせていただくつもりです。

死刑執行に関する質疑

【記者】
 26日から民間人としての大臣となられました。この度の選挙は落選だったのですが,その際,これまでに行われてきた法務行政について民意の理解は得られなかったという指摘もありますが,このタイミングで死刑を執行された理由を改めてお願いします。
【大臣】
 これは時間をかけて検討し,そしてまた問題がないかどうかを精査をさせていただき,その結果,このような時期になったということです。
【記者】
 死刑執行のタイミングと御自身の選挙との関係がやはりあったと理解してよろしいですか。
【大臣】
 全くそれはありません。それ以前から様々な検討をさせていただいていました。
【記者】
 国民的議論については,昨日の会見でも具体的な行動についてはなかなか知恵がないとおっしゃっていて,引き続き検討をしていくというようなお話だったのですが,なぜ執行してから勉強会を立ち上げるなどの具体的な行動を起こすということになったのでしょうか。それ以前に国民的議論を深めようという行動なり努力というのはされなかったのでしょうか。
【大臣】
 これも,これまでも申し上げてまいりましたように,どのような形で行えばいいのか,私なりに考え続けてまいりました。その一つの結果です。
【記者】
 今日までの間に国民的な議論は,結局起こされなかったと思うのですけれども,いかがでしょうか。
【大臣】
 これまでの間は,なかなかそこまで私も至ることができなかったのは確かです。今後,是非私たちも正面から議論させていただき,そして,それを受け止めて国民の皆様にも様々な議論の状況を御提供し,それに基づいた議論を様々な場で展開をしていただくことを願っています。
【記者】
 死刑の執行に法務大臣が立ち会うのは今回が初めてのことですか。
【大臣】
 分かりませんが,多分そうではないだろうかと思います。
【記者】
 立ち会ったときの率直な心境とはどういうものだったのですか。
【大臣】
 私はあくまでも指揮命令をした者として,自分の指揮命令をきちっと確認をするということで立ち会わせていただいたと,これに尽きることです。
【記者】
 死刑の執行と勉強会の立ち上げというのはセットでなければならなかったのですか。執行しなくても立ち上げること,議論をすることはできたと思うのですけれども。
【大臣】
 別にセットで考えたわけではありません。
【記者】
 たまたま一緒になっているという,そういう理解でよろしいですか。
【大臣】
 それで結構です。
【記者】
 大臣は,参議院議員として,大臣就任前は死刑廃止を求める活動に一生懸命取り組んでこられたと思いますが,今回,死刑廃止を求める御自身の信念を曲げることをされたわけですが,信念を曲げて署名したことについて,心境をといいますか,その辺をお願いします。
【大臣】
 私も死刑の問題について,様々な議論の下で廃止をするという方向があれば,それは一つの方向性だろうと,そのために私もいろいろな議論に参加をしてきました。これからも多くの皆様との議論の中で,廃止という方向が出れば,それはまた一つの国民的な回答だろうというふうに思います。そういう意味では,決して私が何か考え方を異にするということではありません。これまでも,方向としてはそういうことがこれから求められていくのだろうというふうに考えていましたけれども,法務大臣としての職責が定められているということを承知をしながら大臣職を務めさせていただいてきたということです。
【記者】
 これまで慎重に検討されるということをおっしゃってきて,今回執行を決めたという一番の理由は何なのでしょうか。
【大臣】
 これは様々な要件,あるいは状況,こういうものを,この間,検討させていただいてきた,その結果だということです。
【記者】
 具体的には。
【大臣】
 いろいろな要素があります。
【記者】
 今日,二人の死刑の執行を御覧になったということでよろしいですか。
【大臣】
 はい。それぞれ立ち会わせていただきました。
【記者】
 順番は,どういう順番でしょうか。
【大臣】
 申し上げたとおりです。
【記者】
 残りの死刑確定者は107人ということでよろしいでしょうか。
【大臣】
 現在107人です。
【記者】
 今後勉強会を立ち上げて,議論を深めるということですが,その議論である程度の結果が出るまで,また次の執行というものは考えないということなのでしょうか。
【大臣】
 今それを申し上げることはできません。
【記者】
 野党の一部に,大臣の落選後から,問責決議案を出そうという意見もありますけれども,9月の代表選後に辞めることが分かっている大臣がこのタイミングで死刑執行を行ったことについて,問責決議案を出すという意見もある中で,このタイミングで行ったことによる影響といいますか,それからそういう政治的な動きへの影響など,それが出された場合の対応をお聞かせください。
【大臣】
 今回のことはこれまで検討をさせていただき,そしてその結果として執行に至ったという,これだけです。
【記者】
 勉強会についてなのですが,大臣が議論するのでしたら,大臣が在職する間に日程の目途や,あるいは方向性を出してもらいたいという御意思はあるのでしょうか。
【大臣】
 そんなに簡単に私は結論が出るとはなかなか思いません。ただ,やって何にもならないというようなことがあってはならないと思いますので,そこはできるだけ,精力的に,そしてまたいろいろな御意見も聞き,あるいは発信をし,そして議論を進めていかなければならないというふうに思います。
【記者】
 本日の死刑執行に立ち会われて,感想というのは難しいと思いますけれども,驚かれたこととかおかしいと思ったこととか,想像と違っていたこととか,何か一つでもございませんでしょうか。
【大臣】
 執行については,個別な私のコメントは差し控えさせていただきます。
【記者】
 本日の執行に至ったというのが,予算委員会や問責決議案が参議院で出されたりということについて,批判をかわすといった意味合いはなかったのでしょうか。
【大臣】
 全くありません。
【記者】
 選挙前から検討をされていたということですけれども,勉強会はまだなかったのですから,検討というのは,省内で大臣を含めてどのような形で検討されたのか具体的にお願いします。
【大臣】
 当然のことながら,記録を精査する,あるいは今の実情などの報告をもらう等々の検討を続けてきたということです。

(以上)
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