法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年3月24日(火)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,「証人等の被害についての給付に関する法律施行令の一部を改正する政令」及び「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令の一部を改正する政令」が,それぞれ閣議決定されました。続いて,私から2件報告がございます。
 1件目は,第14回国連犯罪防止刑事司法会議,いわゆる京都コングレスについてです。
 本年4月20日から京都で開催を予定しておりました,第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)については,誠に残念ではありますが,日本時間の本月21日未明,国連が,新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況等に鑑み,開催を延期する旨の発表をしました。また,これに伴いまして,京都コングレスの前週に開催することとなっておりましたユースフォーラムにつきましても,開催を延期することとしました。
 今後,法務省といたしましては,改めて,京都コングレスの開催と成功に向け,外務省と連携しつつ,国連等と開催日程の確定に必要な調整を鋭意進めるなど,ホスト国としての責任をしっかりと果たしてまいる所存です。
 これまで準備に御尽力いただいてきた皆様におかれましては,引き続き,変わらぬ御支援・御協力を賜りますよう,何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続いて2件目は,聖火リレーの実施に伴う,福島第一原発事故に関する風評被害に基づく偏見,差別を防止するための人権擁護活動等の推進についてです。
 東京2020オリンピック競技大会の聖火が,東日本大震災の被災地に到着し,明後日,福島から聖火に関する式典がスタートします。
 これまで,法務省では,福島第一原発事故に伴う風評に基づく偏見,差別を含め,東日本大震災に伴って生起する様々な人権問題を踏まえ,人権啓発活動等を推進してまいりました。
 人権問題を所管する法務大臣として,また,被災地出身の政治家として,より一層被災地の復興を応援すべく,法務省としてできることを更に推進するよう,改めて担当部局に指示したところです。

京都コングレスに関する質疑について

【記者】
 新型コロナウイルスの感染拡大により,刑事司法分野で世界最大級の国際会議「京都コングレス」の延期が21日,正式に決まりました。改めて森大臣の受け止めを教えてください。

【大臣】
 先ほども申し上げたとおり,京都コングレス及びユース・フォーラムについて,新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況等に鑑み,開催を延期する旨の決定がなされたところです。開催に向けて準備に御尽力いただいてきた地元京都府・京都市を始めとする多数の関係者の皆様のこれまでの御協力に感謝申し上げます。
 今後,法務省としては,改めて,京都コングレスの開催と成功に向け,外務省と連携しつつ,国連と必要な協議を鋭意実施し,また,引き続き関係者の皆様の御協力をいただきながら,ホスト国としての責任をしっかりと果たしてまいる所存です。
 

法務省の人権擁護活動に関する質疑について

【記者】
 大臣が先ほどおっしゃった,福島第一原発の事故に係る人権侵害について,具体的にはどんなものがあるか,教えていただけますか。

【大臣】
 個別の具体的事案に触れることはいたしませんが,福島第一原発の事故,水素爆発が起きたことによる風評に伴う差別的な取扱いや,子どもへのいじめ等の人権問題が今なお存在しておりますが,被災者や被災地の皆様に対する不当な偏見差別は断じてあってはならないと考えております。私も3月7日に現地を視察してまいりました。現地の法務局に人権擁護局が作ったのぼりが立ててありました。東日本大震災,原発事故に伴う差別やいじめは許さないという趣旨ののぼりです。今までも,法務省の人権擁護機関は,そういったものを使って人権啓発活動,相談・調査救済活動をしてまいりましたが,今回オリンピックの聖火の式典があるということで,不当な偏見差別が起きないように,より一層注意するよう指示を出したところです。

【記者】
 関連で再度伺いますが,人権侵害の防止のために,具体的にどういう取組をするのか,これまでの取組でも結構ですので,改めてお伺いしたいのと,もう一件はオリンピックや聖火をめぐって,手法の変更であったり,どのような形で開催ができるのか,難しい時期にあると思うのですが,現状についての受け止めがもしありましたらお願いします。

【大臣】
 東京オリンピック・パラリンピックは復興オリンピック・パラリンピックとしての位置付けがなされておりまして,これが重要な意義を持っていると認識しております。今年で丸9年を迎えた東日本大震災,原発事故ですが,これまで被災地の皆様の努力によって力強く復興が進められてまいりました。その姿をオリンピック・パラリンピックを通じて世界中の皆様に発信したいと思っていたところですが,この度の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受けて,今現在,IOCによって今後どのような形で開催するか,時期も含めて検討をされていると伺っております。
 いずれにせよ,復興オリンピックとして,完全な形で開催され,世界中に復興した姿を見ていただきたいと思っています。聖火リレーの発信も同じように考えておりますが,今現在どうなるかということは分からないということで,被災地の皆様も大変心配していると思います。総理も昨日おっしゃっておられましたが,完全な形でしっかり開催できるよう,開催国として,IOCを始めとした関係者,それから各国と緊密な連携をしていくということでした。現時点では,聖火出発の式典は行うかもしれないということですので,その式典等において,不当な差別や偏見による様々な事象が起きないように,法務省として担当者を派遣して,事前の現地視察を行います。また,福島県の人権擁護委員の皆様に対して,もし万が一人権侵害と見られる事案がありましたら,人権擁護局にお知らせいただくようにお願いしたところです。また,万が一,条例違反等の事案が生じた時には,迅速に警察等とも連携して,対応してまいりたいと考えています。

森友学園問題に関する質疑について

【記者】
 先日,自殺した財務省近畿財務局職員の御遺族が,国,つまり代表者として森まさこ法務大臣と佐川宣寿元理財局長を提訴しました。この提訴を受けて,麻生財務大臣は,「調査報告書と手記に齟齬はないので再調査は考えていない」と発言していますが,手記の方に「佐川氏から指示されて改ざんをした」とはっきりと記されており,明らかに調査報告書と事実の根幹の部分で違います。御遺族の夫人が言われるとおり,佐川氏の上司である麻生大臣は,調査をする立場ではなく,調査をされる立場であり,真実を言っているとは思われません。法務省としては,明らかな事実が出てきた今,手記を無視することなく真実を解明するため,再捜査に臨むお考えはあるのでしょうか。

【大臣】
 改めて,自殺なさった近畿財務局職員の方の御冥福をお祈りしたいと思います。また,御指摘の訴訟を提起したという報道は承知しておりますが,現時点で訴状の送達を受けておりませんので,裁判についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(以上)