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法務大臣閣議後記者会見の概要

平成22年9月28日(火)

  今朝,第三国定住受入難民が来日したということは皆様御存知だと思いますけれども,最初の予定では5家族27名の方が来日する予定でしたが,小さいお子さんがいる家族に体調不良が起きたようで,今回は,3家族18名の方が,今朝成田に到着されました。今後,受入難民の皆様に対しては,外務省等によって宿泊施設が提供され,日本語教育や社会生活適応指導等の総合的な定住支援が実施されると聞いています。法務省としても難民の方々が我が国において安心して暮らすことができるよう最大限協力していきたいと思っています。
 次に厚生労働省村木元局長,現内閣府政策統括官の無罪事件に関してお話します。最高検察庁が,本件の捜査について検証を行い,このような事態を招いた原因等を明らかにした上,検察の信頼回復に必要な措置を講じる旨の発表をしていることは皆様御存知のとおりです。最高検察庁が,自ら,直接,しっかりと検証をするとの姿勢を示していますので,私としては,これまでどおり,まずは,その検証の行方を見守りたいと考えています。他方,本件に関しては,現職の検事が証拠隠滅で逮捕されるという前代未聞の異例な事態となったことなどにかんがみますと,私としては,最高検察庁が最終的な検証結果をまとめるに当たっては,外部の第三者の意見を聴く必要があると考えました。そこで,私から,検察当局に対して,その旨指示しました。ただし,本件に関連する公判が,今なお係属中であること,現在,最高検察庁において,証拠隠滅で検事を逮捕した事件について捜査中であること,検証の対象となる刑事事件の記録や証拠等には,関係者の名誉・プライバシーにかかわる情報が含まれていることなどは考慮する必要があります。この点も踏まえ,まずは最高検察庁において検証を行って,その結果を取りまとめ,それについて外部の有識者の意見を聴き,その上で,最終的な検証結果をまとめるという方法が相当であると私自身が考え,そのように指示をしました。

尖閣諸島における漁船衝突事件に関する質疑

【記者】
 中国人船長釈放問題ですが,検察庁が日中間の国際関係等を考慮して釈放を決めたという説明でしたが,捜査機関が外交問題を考慮して判断するというところに不自然ではないかという意見もありまして,今回,検察が判断する上で,そういった政治的な判断が入らなかったと言えるのでしょうか。また政治的判断があったとすれば,どのような判断が働いたのかについて大臣の御見解をお伺いします。
【大臣】
 9月23日,那覇地方検察庁において,外務省職員から今回の事案発生後の日中関係の状況等について説明を受けたものと承知しています。これが大きな前提です。検察当局は当該犯罪及び被疑者に関する情状として,被害の程度,犯行の計画性,我が国における前科の有無等に加え,刑事訴訟法第248条に定められている犯罪後の情況を考慮し,これが外務省からお話を聞いたことにあたるかと思っています。そういうことで被疑者の身柄を勾留したまま,捜査を継続することにより,日中間において現に生じ,または今後生じることが予想される様々な状況が,国民生活に与える社会的,経済的な影響,こういうものもありますし,日中両国の関係,さらには今後の関係当局による再発防止への努力などを考慮し,これ以上被疑者の身柄を拘束を継続することが相当でないと判断して,被疑者を釈放したものと承知しています。なお,政治的関与,判断,これはなかったものと承知しています。
【記者】
 中国人船長の釈放の関係で,海保が撮影して,那覇地検が証拠として持っている船が衝突した際のビデオなんですけれども,これは法務省として公開することを検討しているということでしょうか。
【大臣】
 その件については,捜査機関において,これまで刑事訴訟法第47条に基づき,捜査への支障等を踏まえて公開しないと判断していました。今後については,現在の捜査状況及び国会等からの要望を踏まえて適切な判断がなされると思っています。今日も参議院では外交防衛委員会が開かれています。明後日には衆議院の予算委員会で集中審議が行われると聞いていますので,国会の審議の状況を見ながら判断をさせていただきたいと思います。
【記者】
 船が衝突した際のビデオの公開について,国会などの要望を踏まえて適切に判断されるということなのですが,要望があれば公開する方向でという理解でよろしいでしょうか。
【大臣】
 公開につきましては,刑事訴訟法を見ますと,訴訟に関する書類は,公判の開廷前には公開してはならないと,今その段階だろうと思っています。ただ,この規定には但し書きがありまして,公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合はこの限りではないと,こういうことに当たるのかなと思っています。

大阪地方検察庁検事による証拠隠滅事件に関する質疑

【記者】
 大阪地検特捜部の証拠隠滅事件の関連ですが,現在,最高検察庁が事件の捜査及び検証を行っていまして,逮捕された検事の勾留期限を臨時国会開会の来月1日に迎えることになりますが,捜査及び検察の組織の在り方を含めた検証と関係者の処分は,いつごろに行われるのが望ましいと考えていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】
 まず検証については,先ほどお話ししたように,既に一部では始まっているかと思いますが,チームを作ってやられている。年内には速やかに結論を出したいということは,最高検察庁の方で皆様にお話になったかと思っています。そういう意味では,最終的な検証結果は,多分その頃まとめられるのだろうと思っています。人事上の処分については,その検証の結果を踏まえて,可能な限り速やかに行うことが望ましいと思っています。
【記者】
 今回の大阪地検における証拠隠滅事件においては,大阪地検と大阪高検の上司には報告は上がっていたと受け止めています。この辺の関与はいかほどのものだったのか,また,この報告というのが最高検察庁に上がっていたか否か,そして最高検察庁に上がっていた場合は,最高検察庁が自ら調べをするということになると,身内に甘いものになりはしないか,当事者が調べるということですので,最高検察庁が責任を免れることになりはしないかという懸念があるわけですが,その点についてお伺いします。
【大臣】
 最高検察庁の話は皆様も聞いたかと思いますけれども,大変強い決意を示されたと私は思っています。その決意をしっかりと実現していただけるものと,そう信じています。事件の内容について,私がここで述べることは適当でないと思っています。あくまでも最高検察庁の今後の検証については,しっかりと見守っていきたいと,ただ先ほど申し上げましたように,最終的な報告の取りまとめにあたっては,第三者の意見も聴き入れて,最終的な結果がまとまるだろうと,そういうふうにお願いをしているところです。
【記者】
 最高検察庁の決意ということですが,最高検察庁の中にこの報告を事前に受けていた者がいるかいないか,この点についてはいかがでしょうか。
【大臣】
 個別のことについて,私はここで申し上げることは適当でないと思います。
【記者】
 第三者からお話を聴くということですが,どういった方で,どのような場を設けるかについてお願いします。
【大臣】
 これは最高検察庁が適切な外部の人を選定されると,そう思っています。具体的にということになりますと,今の段階で私がとやかく言うことではありませんが,一般的に言いますと,法曹関係者とか,他の分野の有識者,学者などが考えられるのではないかと思います。
【記者】
 第三者の人選を最高検察庁が行うということは,法務省の方からこの人の意見を聞きなさいということについて,一切関与しないということでよろしいでしょうか。
【大臣】
 はい。
【記者】
 そこに何か意図はあるのでしょうか。外部の人を入れろというふうに大臣から御指示があったのに,その外部というのは具体的にどなたを指すのか,大臣から指示をなさらないのですか。
【大臣】
 冒頭から申し上げていますように,最高検察庁の検証,捜査を見守っていきたいというのは基本です。最高検察庁がそれなりの決意をしてやっていますので,最高検察庁が自ら第三者を選ぶものと思っています。私はそれで結構だと思います。
【記者】
 第三者というのは,第三者委員会のようなもので,報告について何回か討議した上で,最高検察庁に投げ返すというイメージでよろしいのでしょうか。
【大臣】
 検証チームのメンバー,その方々が第三者の意見をお聴きになるだろうと思います。第三者の意見を聴いて,その結果で最終報告書をまとめていただきたいというのが,昨日私がお願いしたことですので,そういうことでやっていただけるのではないかと思います。具体的なことについては最高検察庁が責任をもってやられると思います。
【記者】
 今回の事件は,日本の刑事司法全体に対する信頼を失墜させた大変大きな事件だと思いますが,どれほどの危機感が法務大臣御自身,そして法務省,検察官僚にお在りなのか,この点について大臣御自身の見解をお教えいただきたいと思います。それから,この問題が取調べの可視化の実現に向けてどれほど影響を与えるか,また,今後,可視化の実現が進むことになるかどうかということについて御見解をお聞かせください。
【大臣】
 現職の検事が逮捕されたという前代未聞の出来事が起きたわけで,私自身としても大変強い関心を持っています。由々しき事態だと,そういうふうにも考えていますので,検察の信頼回復に向けてできるだけの最大限の努力をしたいと思っています。取調べの可視化については,この件,一つの参考にはなろうかと思っています。ただ,実際,実現するとなるといろいろなことが想定されますので,その精査もしていかなければならないだろうと思います。例えば交通事故を起こし,パトカーに乗せました,それも全て可視化をやるのかどうかという判断もありますので,最終的な判断は来年6月以降の出来るだけ早い段階に中間報告をしますが,その中には今回の件も含まれるだろうと思っています。
【記者】
 取調べの可視化が実現されれば,えん罪を防げるというような議論がありましたが,物的証拠をねつ造・改ざんされるということは,可視化だけ,つまり取調べの様子が開示されるだけではえん罪を防げないという議論も出てきています。物証を弁護側が確認することができるという状態にならなければいけないのかなということです。したがって現在は検察側が押収物全てを開示している状況ではないわけですが,そういった残記録の開示,あるいは押収品目録の開示,押収した物的証拠,そうしたものを弁護側に対する証拠として全て出しているわけではないので,証拠として持っている全ての手持ちの証拠の開示,そういうことも必要ではないかという議論も出ていますが,その点はいかがでしょうか。
【大臣】
 一つの意見として考えさせていただきます。
【記者】
 最高検察庁の検証なのですけれども,外部の人に意見を聴く必要があるというふうに判断された理由を教えていただけますか。
【大臣】
 皆様からもそういう意見が出たのも承知していますし,いろいろな有識者からもそういう話を聞かせてもらいました。検察庁という性格を考えたときに,どういうふうにして第三者の意見を取り入れればいいか,いろいろなことを考えた結果,こういう判断をさせてもらいました。
【記者】
 大臣が第三者の意見を聴く必要があると判断された理由を聞かせていただけますか。
【大臣】
 検察庁内部だけの検証で答えを出すよりは,最終報告をまとめる前に第三者の意見を聴いて,いろいろな意見を聴かせてもらって最終報告をまとめるほうが適当だろうと,そういう判断の下でそうさせていただきました。
【記者】
 大臣は先ほど検察に対して指示をしたと言われましたが,検事総長に対して指示をしたということでしょうか。
【大臣】
 そういうことです。
【記者】
 外部の方の意見を聴く場なのですけれども,公開するような形をお考えなのでしょうか。
【大臣】
 最高検察庁で御判断されると思います。
【記者】
 大臣はどのような形が望ましいとお考えですか。
【大臣】
 最高検察庁で御判断されると思います。しっかりとやってもらえると私は信じています。
【記者】
 先ほど外部の方に対しては,調書とかプライバシーの問題があるのでまず最高検察庁にまとめさせた上で,それについて話を聞く形をとりたいという話だったと思うのですが,外務省が密約の調査のときに行ったように,臨時職員等という形で,守秘義務を負わせて,全て見れるようにするというような形を今回とることも可能であったのではないかと個人的には想像するのですが,そういった考えについていかがでしょうか。
【大臣】
 先ほども申し上げましたように,公判中の案件もあります。まだ,裁判が続いている,更には捜査中であるということもありますし,プライバシーの問題もありますので,私は最終的な段階で意見を聴くほうが適当だろうと,そう考えた次第です。
【記者】
 検察庁に対する指示についてですが,これまでは法務大臣が検察に対して直接指示をする方法ではなく,あくまでも法務省を通じて法務大臣の意見を伝えるということでしたけれども,今回は検事総長に面会して直接指示をしたということなのでしょうか。その辺りを教えてください。
【大臣】
 面会はしていません。法務省を通じて指示をしました。
【記者】
 最高検察庁が当事者である可能性があるにもかかわらず,最高検察庁自身が外部の委員会に入るメンバーの方を選定して,事後にお話を伺うだけ,その調査に加わってもらうわけではないという位置づけは,ただのお手盛りのガス抜きのお飾りの会議に終わってしまうのではないかという懸念とか不満が国民から上がる可能性があると思うのですが,この点はいかがでしょうか。
【大臣】
 そういうことをおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。ただ,最高検察庁があれほど強い決意でやるとおっしゃっているので,私としてはそれを見守っていきたいというのが基本的な考えです。
【記者】
 第三者から意見を聴くということですけれども,これは法律に基づく委員会ではなくて,あくまでも有識者で参考の意見を言うという立場なのですか,その位置づけについてもう少し詳しく教えて下さい。
【大臣】
 最高検察庁が検証チームを作り,既に検証を一部始めているかも分かりませんけれども,これからいろいろな面で検証すると思います。その際に,第三者を入れるというのは大変難しいというのは先ほど説明したとおりです。ですから,ある程度進んできたときに最高検察庁の方の判断で,第三者を入れていろいろな意見を聞くことになるだろうと,そうしていただきたいということをお願いしたところです。
【記者】
 第三者の意見と最高検察庁の意見が違った場合,それはどちらの意見を優先するということになるのでしょうか。
【大臣】
 最高検察庁におまかせします。

(以上)

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