法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年5月1日(金)

 今朝の閣議は,試行的に初めてテレビ会議で実施したので,大臣室から閣議に参加しました。今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から2件御報告がございます。
 まず1件目は,入管施設感染防止タスクフォースについてです。
 昨日,宮﨑法務大臣政務官が座長を務める入管施設感染防止タスクフォースにおいて,「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」を策定し,本日付で,全ての出入国在留管理官署に対して発出しました。
 出入国在留管理庁は,3つの異なる事務を司っております。1つ目が出入国港,2つ目が在留申請窓口,そして3つ目が入管収容施設という異なる執務環境の下で感染症対策に取り組んでいます。本マニュアルでは,それぞれの執務環境における新型コロナウイルス感染症対策をまとめました。
 今週火曜日の記者会見で申し上げましたが,矯正施設感染防止タスクフォースにおいても,ガイドラインを策定しています。矯正施設の方は義家法務副大臣が,入管施設の方は宮﨑法務大臣政務官が,それぞれ座長を務めるタスクフォースがあり,その上に私が座長を務める専門家会議があります。
 この2つのタスクフォースにおいて,それぞれガイドラインとマニュアルを策定しました。矯正施設の方は,閉鎖的な空間である刑務所,拘置所,少年院などの感染症対策でございますが,本日発出した入管のマニュアルについては,収容施設に関しては,閉鎖的な空間であるという意味合いでは矯正施設と類似の点もございます。それ以外の2つの出入国港と在留申請窓口は,矯正施設のガイドラインとはまた違った感染症対策をしなければいけないと考えています。審査ブースや窓口ではいろいろな方が大勢来て職員とやりとりをしなければいけないので,そういう環境の中での感染症対策について取りまとめております。
 このマニュアルは,矯正施設感染防止タスクフォースと同じように,各分野に精通した専門家の皆様から,重要かつ有意義な御助言・御指導をいただき,それぞれの入管施設の特性を踏まえた感染防止策,感染者が発生した場合の対応などを盛り込んでおり,具体的かつ実践的な内容となっています。私から,出入国在留管理庁に対し,本マニュアルを全職員に周知した上で,これに基づく適切な感染症対策をとるよう指示したところです。
 また,こうした執務環境別の対策は,地方自治体を含め,他の行政分野の窓口,学校や高齢者施設等においても,参考にしていただけるのではないかと考え,ホームページ等で公表することといたします。火曜日に発表した矯正施設のガイドラインについては,セキュリティの関係がございますので,全ては公表せずに概要を公表しましたが,今回の入管施設のマニュアルについては全部を公開することにしました。
 法務省としては,今後とも,新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に万全を期してまいります。
 2件目でございますが,面会交流のウェブページの公開についてです。
 父母が離婚等した場合における親子の面会交流については,新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い,子どもの安全確保や感染症の拡大防止の観点から,取り決められた条件での面会交流の実施が,困難となる状況も生じていると承知しています。今まで会っていた方も会う機会が減少したとか,なくなったというような報道もありました。
 そこで,法務省では,本日,このような状況下で,面会交流の方法を変更するなどの対応を行うに当たって,参考となる情報を,法務省のホームページで公開する予定ですので,御報告します。
 詳細については,民事局にお問い合わせください。

新型コロナウイルス感染症に関する不当な差別や偏見に関する質疑について

【記者】
  これまでも発表いただいたように,新型コロナウイルス感染症に関する不当な差別や偏見などの人権相談を各窓口で受けていますが,これまでどのくらいの件数の相談が寄せられていますか。
 また,緊急事態宣言も延長される見通しとなっていますが,人権対策について,強化などのお考えはおありか,併せてお伺いします。
 
【大臣】
 今この瞬間にも,困難な状況下で,感染リスクと向き合いながら,新型コロナウイルス感染症の治療等に当たっている医療従事者の皆様に感謝を申し上げます。そうした医療従事者の皆様,また患者の皆様やそれぞれの御家族,それから外国人の皆様等に対して,差別や偏見があるということは決して許されることではありません。
 こういった問題に関連した人権相談の回数のお尋ねでしたが,本年2月から4月24日までの間に,法務省の人権擁護機関に寄せられた人権相談の回数は,これまでに把握しているところでは,約600回に及んでいます。
 法務省の人権擁護機関では,これまでも,SNS等により,新型コロナウイルス感染症に関連して,感染者や医療従事者等に対する誤解や偏見に基づく差別は許されないとのメッセージを発信するとともに,人権相談の窓口の案内をしてきました。
 今般,この取組を強化するため,法務大臣からの緊急メッセージをYouTubeの法務省チャンネル等を通じて間もなく発信いたします。また,これに係るバナー広告も配信して周知を図ってまいります。
 法務省としては,新型コロナウイルス感染症対策本部が決定した基本的対処方針も踏まえ,こうした人権擁護活動にしっかりと取り組んでまいります。

再入国許可に関する質疑について

【記者】
  ビザと再入国の件についてお尋ねします。基本の流れでは,日本を出ると再入国許可とか,ビザそのものは無くなるということですが,それはもちろん今の事態も関係あると思いますが,例えば,私たちのようなジャーナリストやマネージャーは,長いビザ,3年や4年のビザがあるときでも,例えば,出張で今日出たら,もう帰って来れません。それは大変な迷惑が掛かっていると思いますが,それについては改善するつもりはありますか。この事情がなくなってから,それともずっとこの流れでしょうか。
 
【大臣】
 ビザについては法務省の所管ではございませんので,私からお答えすることができません。ビザについては外務省にお尋ねいただきたいと思います。
 再入国の許可については法務省の所管でございますので,それについてお答えいたしますと,4月27日の政府対策本部における報告・公表を踏まえて,4月29日の午前0時から,上陸拒否の対象地域を14か国拡大しましたので,現在合計で87の国又は地域に滞在歴がある外国人等については,特段の事情がない限り,上陸を拒否することにいたしました。この87の国や地域に該当する場合には,一旦出たら再入国できないということになっております。そのため,本邦に在留する外国人に対しては,前もって上陸拒否対象地域への渡航は控えるようにということを要請しているところです。
 おっしゃっていただいたように,今,新型コロナウイルス感染拡大防止に万全を期さなければならない時期ですので,水際対策としてこのように決定をさせていただきましたことを,御理解いただきたいと思います。そしてその期間が,いつまでかということは現在は決まっておりません。新型コロナウイルスの感染拡大状況は時々刻々と変化しており,世界的にもまだまだ予断を許さない状況にございますので,そうした状況をしっかり見極めながら判断をしていくことになると思います。

親子の面会交流の制限に関する質疑について

【記者】
 親子の面会交流,制限というか,新型コロナウイルス感染防止のために会えなくなるということについての質問です。法務省として具体的に今どのような状況か,面会ができない件数とか,相談とか,どんなものがあるのか,もし分かれば教えてください。

【大臣】
 子どもの面会についてのお尋ねでございますが,現在の状況の具体的な回数等については把握しておりません。
 しかしながら,新型コロナウイルスの感染拡大,そして緊急事態宣言下で,それ以前に決められていた方法で面会をすることが困難となった場合には,面会の方法を変えることで,面会を実現することができますということを法務省からお示ししていこうと思います。
 例えば,実際に会って面会をするという取決めをしていた方々が,今現在できないということならば,オンラインや電話等で面会をするということで方法を変更してもそれは構わないということでございます。それについては,父母の間でそれを話し合うということができる場合には,まずは両親間で話し合っていただくことが重要となります。これに対し,両親で話し合うことが難しい場合もあると思います。その場合は法律家,弁護士等の専門家に相談していただくことになると思いますので,そういった相談窓口,法テラスや弁護士会等を法務省で御案内してまいります。
(以上)