法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年5月19日(火)

 今朝の閣議において,法務省案件はございませんでした。
 続いて,私から,2件報告がございます。
 まず1件目は,法務省危機管理専門家会議の開催についてです。
 昨日,法務省危機管理専門家会議を開催し,矯正施設のガイドライン,入管施設のマニュアルに基づく,各施設における新型コロナウイルス感染症対策の実施状況について,専門家の方々から様々な御助言をいただきました。
 法務省では,この約1か月間,職員や被収容者に新たな感染者が確認されない状況が続いています。
 大阪拘置所の職員の感染が判明してすぐに矯正施設感染防止タスクフォースを,続いて入管施設感染防止タスクフォースを立ち上げて,この危機管理専門家会議等の専門家の皆様方から御助言をいただいて,ゴールデンウィークの前に,ガイドラインとマニュアルを策定しました。それらを駆使して,ゴールデンウィーク中は絶対に感染者を出さない,広げないを合言葉に取り組んできた結果であると考えております。
 昨日の会議では,今後も感染者を出さない,広げないための取組について専門家の方々からの御意見をいただきつつ,今後の情勢の変化に応じた対策を講じることなどについて話し合いました。
 次に2件目は,養育費勉強会についてです。
 本年1月に私の下に立ち上げました「養育費勉強会」の最終回を,昨日,オンラインで開催しました。
 勉強会では,これまで合計7回にわたり,養育費不払い問題に関する現状や課題,地方自治体や諸外国における養育費の支払確保に向けた取組状況などについてのヒアリングや意見交換を実施してきました。
 そして,実務家や研究者,関係者の方々からは,今後の検討の方向性について,有益な御指摘をいただきました。
 今後は,5月中に,勉強会の取りまとめを行う予定です。
 養育費の支払確保は,子どもの健やかな成長のために解決すべき喫緊の課題です。以前も申し上げたかもしれませんが,我が国の養育費の受取状況は,諸外国に比して,約2割と非常に低い状況ですので,危機感を持っております。
 引き続き,スピード感を持ってしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

検察庁法改正案に関する質疑について

【記者】
 検察庁法改正案を含む,国家公務員法等の改正案について,今国会での成立が見送られることになりました。検察庁法を所管する大臣としての受け止めをお願いします。
 また,秋の臨時国会で改めて成立を目指すのかについても併せてお願いします。

【大臣】
 検察庁法改正案については,国民の皆様方に様々な御意見があるものと承知しております。こういった国民の皆様方の声に十分に耳を傾けて,今後も,引き続き,御説明してまいりたいと思います。
 法案の今後の取扱いについては,国会でお決めになることでございますので,お答えは差し控えさせていただきます。
 
【記者】
 国民の皆様に御説明ということですが,今回見送りになったということで,どういった御説明をするのか,どういった点を説明していくのか,具体的なところも含めてお願いいたします。
 
【大臣】
 三権分立という御指摘がございます。三権分立の中で検察官は行政組織に属しているわけですが,検察は,起訴権を独占しているという点で司法権と密接不可分な関係にあるという非常に特殊な立ち位置にあります。その特殊性をしっかり踏まえながら,民主的統制をどう及ぼすのかということと,検察の独立性をどう確保するか,その均衡,バランスをどう取っていくかという問題であるということを国民の皆様に御説明をしてまいりたいと思います。
 また,今回の国家公務員法と検察庁法の改正については,定年の引き上げ,すなわち高齢期の職員の豊富な知識,経験等を最大限に活用する等の同一の趣旨・目的が認められるところでございまして,その点についても御理解を得たいと思っております。

【記者】
 今回の検察庁法改正案について,政府の答弁があまりにも杜撰だったのではないかという声が自民党内からも出ているのですが,所管する大臣として,説明が十分であると考えるかということについてお願いします。もう一点,このことが抗議拡大の要因の一つとも考えられるのですが,その点の責任はどのように考えられるかということについてお願いします。

【大臣】
 これまでも,国会の審議に呼んでいただいた場合には,法務委員会,内閣委員会等において,答弁の機会を与えられたその時間内において丁寧かつ真摯な御説明をしてまいりました。それに尽きると思っております。国民の皆様の御理解の上に成り立っているということが基本でございますので,今後も,引き続き国民の皆様に真摯かつ丁寧に御説明をしてまいりたいと思います。

【記者】
 法案に盛り込まれている内閣などの判断で検察幹部の定年を延長できるとする特例規定について,野党側は引き続き撤回するよう求める姿勢を示しています。検察OBや弁護士会からも反対の声が上がっていますが,秋の臨時国会に向けて,今後,特例規定の削除など法案を見直す必要があるとお考えでしょうか。

【大臣】
 法案については,先ほどその趣旨を御説明したところですが,その趣旨を引き続き丁寧に御説明してまいりたいと思います。すなわち,民主的統制と検察の独立の均衡という点をしっかり御説明してまいりたいと思います。

【記者】
 今回の検察庁法改正をめぐっては,ツイッターで抗議の声が著名人から多数上がったり,検察幹部,検事総長,東京地検特捜部長の経験者らからの反対の声が上がっていたわけですが,この件に関する大臣の率直な所感と,また,これらの動きが検察庁法改正案の見送りの直接の理由となっているのかどうかについても教えてください。

【大臣】
 国民の皆様の中に様々な御意見があることは承知しておりますし,いただいた意見書については,私は目を通させていただきました。その中に民主的統制と検察の独立の均衡の問題であるということも書いてありました。その均衡をどこに置くかという議論であると考えますので,引き続き,その点をしっかりと御説明してまいりたいと考えております。
 また,見送りという点の御質問がございましたが,国会の審議,国会の運営については国会でお決めになることでございますので,お答えは差し控えさせていただきます。

【記者】
 検察OBの方からも意見書が出たのですが,過去,検察の在り方,行政との関係も含めて,それについて検察内部で積極的に議論するべきとの提言もあったかと思います。それについて何か検察側と話し合ったことはあったのでしょうか。

【大臣】
 法案については,所管をする法務省刑事局を始めとした担当においてしっかりと議論をした上で作成したものと認識しております。検察の内部については私は存じ上げませんが,様々な国民の皆様方の声を受け止めていきたいと思っております。

【記者】
 新型コロナウイルスの対応の中で,この法案は今国会の中でやるべきということで言ってきたわけですが,今回見送りとなったことで国民生活への影響等は,どういったものが考えられるのか,お願いいたします。

【大臣】
 今,質問の前提がございましたが,私どもは国会審議のスケジュールについて申し上げたことはございません。国会においてどの法案を先にやるかとか,登壇ものにするかとか,重要法案にするかということは,国会でお決めになることでございますので,私どもはそれについてはこれまで申し上げたことはございません。
 それをお断りした上で,御質問は今後の新型コロナウイルス対応についての国民への影響ということでございましたが,法務省においては,この新型コロナウイルス対策を最優先事項とすることは今までも申し上げてまいりましたし,国会の答弁の場でも私は申し上げてまいりました。先ほど申し上げた法務省危機管理専門家会議の下にタスクフォースを作って,法務省における新型コロナウイルス対策については,全力で取り組んでまいりましたし,また,刑務所等においてマスクや防護ガウン等を製作するなど,政府全体の新型コロナウイルス対策にも全面的な協力をしているところでございます。
 今,この新型コロナウイルス感染症については,国民の皆様の命,生活,そして国民の皆様の生活を支える経済に大変大きな,深刻な影響がございますので,内閣一丸となって新型コロナウイルス対策を進めていくことは言うまでもない大切なことであると考えております。

【記者】
 先日の衆議院内閣委員会において,検察幹部の役職定年の延長の要件を求められたときに,明確なコメントはなかったわけですが,今後これは具体化していくのか,それは法律が成立した後なのか,それとも次の国会以降では審議中にそれを明らかにするおつもりなのかどうか,そこをお聞かせください。

【大臣】
 内閣委員会での答弁でございますが,明確なコメントがなかったというように評価されましたが,私の方は明確にこれを具体化していきますということをお約束したつもりでした。
 人事院の決める規則,国家公務員法の方では人事院で決めるということになっておりますが,それがまだ明らかではございません。私たちは,それに準ずるようにしますので,人事院にとにかく早く作ってくださいということは要求しているところでございます。人事院の作る規則に準ずる内容で,内閣が恣意的に運用するのではないかという皆様の御疑念を解消できるような具体的な基準を作ることに着手してまいりたいと思います。

【記者】
 それは,人事院が決めないと決められないので,法務省として基準を示すのがいつになるかということはまだ言えないということでしょうか。

【大臣】
 なるべく早く示したいと思います。
 また,人事院においても,とにかく早く作っていただき,また,それに準ずる形にいたしますが,それができないからいつまでも私たちが着手しないということではなくて,並行して着手しながら,人事院にも早く示していただくようにお願いをしながら,作っていきたいと思います。

東京入管における制止事案及び仮放免に関する質疑について

【記者】
 昨日,野党議員が難民問題に関する議員懇談会を立ち上げた件でお伺いします。ヒアリングの中で,4月25日に東京入管で,長期収容が続き,仮放免を求めていた女性数人に対し,過剰な制圧があったということで,中には怪我をしたり,服が脱げてしまって下着姿をビデオに撮影された女性もいると聞いています。
 収容が長期化している人がなかなか仮放免されなかったり,入管によって,かなりばらつきがあるようなのですが,それに対するアピールという側面があったと思います。
 大臣は出入国在留管理庁長官との間で,4月25日の東京入管の件や全国の入管の仮放免の状況について,意見交換や実態調査の必要性などを話されたり,情報共有はされているのでしょうか。
       
【大臣】
 出入国在留管理庁長官から必要な報告は受けております。
 私はこの場でも何度も申し上げておりますとおり,この新型コロナウイルス感染拡大の状況下において,仮放免は積極的に運用するようにと指示をしており,結果も出ていると考えています。また,人権に配慮して適正な処遇を行うということも併せて強く指示しているところです。
(以上)