森法務大臣訓示


オンラインによる訓示をする森法務大臣
 

令和2年5月29日(金)

 法務省職員の皆さん,法務大臣です。まず始めに新型コロナウイルス感染症について申し上げます。
 法務省では,1か月以上にわたり,職員にも,被収容者にも,新たな感染者が出ていません。
 これは,法務省職員全員が,一丸となって,徹底した感染対策に取り組んだことの成果です。特に,法務省では,矯正施設,入管施設を抱え,感染リスクの高い職場で業務に従事する職員が少なくないことを考えると,この結果は,正に,職員の皆さんの頑張りの賜物です。
改めて,職員の皆さんに感謝を申し上げます。
 今週月曜日(5月25日)に,緊急事態宣言が全面的に解除されましたが,気を緩めることなく,引き続き,適切な業務の遂行と感染防止対策に取り組んでください。
 しかし一方,今般,緊急事態宣言下において,国民が外出自粛等の我慢を求められている時期に,東京高等検察庁のトップの立場にある検事長が,賭け麻雀を行っていたことが発覚しました。
 私も一報を聞いたときは,耳を疑いました。
 この検事長の行為は,法務・検察への信頼に大きな打撃を与えるものであり,極めて不適切で,誠に遺憾です。また,この行為は,皆さんの日々の努力を無にするものであり,職員の皆さんのショックを考えると,胸が張り裂ける思いです。
 私は,法務大臣就任時に,皆さんへの訓示で,「法務省の使命は,国民の皆様からの信頼なくしては成り立たない。」と述べました。
法務省への国民の皆様からの信頼は,法務省職員が日々の一つ一つの業務遂行を通じて築き上げてきたものであり,正に法務省がその使命を果たすための基盤となるものです。
 今回の事態は,その法務省の基盤である国民からの信頼をゆるがすものと言わざるを得ず,厳しい非難を免れません。私自身強い憤りと責任を感じています。
 私は,今般,国民の皆様の厳しい御批判・御意見に応えるべく,法務省内に「法務・検察行政刷新会議(仮)」を設置し,国民の皆様の信頼回復に向けて検討を始めることといたしました。
 法務省は,「法」をつかさどり,社会正義を実現することを使命とした役所です。
 そのため,法務省職員は,高い倫理観と遵法精神を持って職務に臨むことが求められ,国民からも,その言動には厳しい目が向けられています。特に,幹部職員は,公私を問わずに自らを律し,国民から疑念を抱かれないよう格段に意を注ぐべき立場にあります。
 職員の皆さんにおかれては,大変ショックを受けたことと存じますが,今回の事態を他人事として捉えず,改めて,法務省職員としての立場を自覚していただきたいと存じます。その上で,自らの身の律し方,例えば,法令,規則,倫理を守ることの重要性,公務員としての廉潔性,公平性を確保することの意義,部下職員が風通しよく,報告・連絡・相談できる環境作り,民間事業者やマスコミの皆様との適切な対応の在り方などについて,改めて考えていただくよう強くお願いをいたします。
 法務省では,本省の各組織,また,矯正施設,地方入管局,法務局,保護観察所,検察庁,人権擁護機関,公安調査局,法務総合研究所といった様々な「現場」において,一人一人の職員が,高い使命感を持って,業務に従事していると承知しています。職員の皆さんが真摯に業務に向かう姿勢に,私は,いつも感銘を受け,敬意を抱いています。
 私は,皆さんが,このような苦境の中でも,国民からの信頼回復に向けて歩みを進めてくださるものと信じています。
 私も,法務大臣として,義家法務副大臣,宮﨑法務大臣政務官とともに,法務省職員全員が誇りを持って与えられた責務を果たせるよう,全力を尽くしてまいります。
 以上で,私の訓示とさせていただきます。

(以上)