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法務大臣閣議後記者会見の概要-令和2年7月10日(金)

令和2年7月10日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から2件御報告がございます。
 1件目は,豪雨の被災地・被災者のために,現時点で法務省として行える支援等についてです。
 冒頭,7月3日からの九州地方を中心とした豪雨によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに,被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 昨日,法務省危機管理専門家会議及び法務省災害対策本部会議を開催しました。今回の豪雨で被災された方々のために,法務省として,積極的にプッシュ型の支援を行っていくことを確認しました。
 災害下で法務省が果たすべき役割は大きいと考えております。現時点で,行うことのできる支援や行っている支援について,私から発信させていただきます。
 まず,矯正施設において,避難住民の受入れ,水・食料等の備蓄品の提供,心理的ケアのための専門職員を含む職員の派遣を行うことができます。
 また,法務局・地方法務局では,職員・人権擁護委員が,被災された方々の日常生活における困りごとなどについて,人権相談に応じます。
 出入国在留管理庁では,在留外国人に対して,ホームページ,公式ツイッター,地方自治体や様々な関係機関等を通じて,災害に関する情報や,14言語対応の災害時情報提供アプリ(「Safty Tips」)等の利用について情報発信を行っています。
 法テラスでは,法テラス事務所のほか,サポートダイヤル0570-078374(おなやみなし)で問合せを受け付け,各種支援制度や相談窓口等に関する情報を提供しています。
 報道機関の皆様におかれましては,被災された方々に,こういった法務省による支援の情報が届くよう,御協力をお願いいたします。
 法務省は,被災者の皆様に寄り添い,そのお力になれるよう,今後とも,積極的に支援を行っていきます。
 2件目は,自筆証書による遺言書を保管する制度が開始したことについてです。
 本日,「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が施行され,遺言書保管所として指定された全国312か所の法務局において,自筆証書による遺言書を保管する制度が始まりました。
 申請された遺言書は,法務局において,長期間適正に保管されることから,改ざんされたり,遺言者の死亡後に相続人に発見されなかったりするリスクが軽減されます。
 また,家庭裁判所における検認も不要となります。
 この制度の開始に当たっては,申請等の手続についてウェブサイトから予約ができるようにするなど,利便性の向上に努めております。
 今後も,より広く国民の皆様に利用していただけるよう,適正な運用を行うとともに,引き続き,制度の周知に努めてまいります。

自筆証書遺言書保管制度に関する質疑について

【記者】
 大臣から今発表がございました自筆証書遺言書保管制度についてお伺いいたします。
 この制度によって遺言書の紛失,破棄,改ざんなどの懸念を払拭できる一方で,依然としてパソコンなどで作成した遺言書については認められておりません。こういった現状について改善の余地を指摘する声もありますが,電子媒体による遺言の位置付けについて,どのような在り方が望ましいと大臣はお考えでしょうか。

【大臣】
 平成30年の相続法制の見直しにおいて,御指摘の自筆証書遺言書保管制度を導入しました。その際,自筆証書遺言についても方式が緩和され,遺言書に添付する財産目録については,自書することを要しないこととされました。
 もっとも,遺言書の本文については,現在も,遺言者本人の自書による必要があるものとされております。
 これは,遺言書については,紛争が生じた場合には,本人が既に死亡しているため,本人の筆跡など遺言書自体から,本人が書いたものであるかどうか,遺言者の真意により作成されたものかどうかについて客観的に判断することができるようにする必要性が高いためです。
 他方で,電子媒体による遺言が認められれば,自筆で遺言書を書くことが困難な方が遺言を作成する場合の選択肢が増えるものと考えられ,遺言書の作成を容易にするという観点からはメリットがございます。
 したがって,電子媒体による遺言については,最新技術の活用等によって,当該遺言書が本人の真意により作成されたものであることが担保されるなどの条件面が整えば,その導入を検討する余地があるものと考えております。
 私が主催する法務省DX会議(法務省デジタルトランスフォーメーション総合推進会議)において,CIO補佐官からのアドバイスも受けながら,現在のデジタル社会において,こういった電子媒体による遺言というものを導入できないかどうかについて,積極的に検討を進めてまいりたいと思います。

河井前法務大臣夫妻の逮捕・起訴に関する質疑について

【記者】
 河井前法務大臣夫妻を巡る事件についてお伺いします。
 東京地検特捜部は8日,夫妻を起訴しました。法務大臣経験者の逮捕・起訴は戦後初めてということですが,改めてこの事件に対してどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
       
【大臣】
 東京地検は,本年7月8日,河井克行衆議院議員及び河井案里参議院議員を公職選挙法違反により,東京地裁に公判請求したものと承知しております。
 個別事件における検察当局の事件処理について,法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきます。
 個別事件の捜査,事件処理は,検察官が,その権限と責任において行うものでございまして,私は,法務大臣に就任以来,個別事件における検察当局に対する具体的指揮権の行使については極めて慎重であるべきとの考えをとっているところでございます。所感を述べることにより,個別事件について実質的に指揮権を行使したとの印象を与えることにもなりかねないことは適当ではないと考えております。
 また,今後の公判に支障が生じるおそれや裁判所の判断に予断を与えるおそれがあることから,個別事件の事件処理について法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきます。
       
【記者】
 河井前法務大臣夫妻の事件のことで改めて伺います。
 大臣は個別の案件についてはコメントを差し控えたいとのことでしたが,今回の事件については,先ほど御指摘があったとおり,法務大臣経験者として初めて逮捕・起訴されるという特異な案件でございます。そちらについて現職の法務大臣として全くコメントできないというのは国民の理解が得られないと思いますが,改めて御所見を伺いたいと思います。

【大臣】
 本件は,法務大臣の経験者が訴追されるという事態でございまして,その点は御指摘のとおりでございますが,法務大臣は検察を所管する立場でございます。特に今回は起訴をされた事件でありますが,個別事件の捜査,事件処理については,検察官が,その権限と責任において行うものです。法務大臣に就任以来,私は個別事件における検察当局に対する具体的指揮権の行使については極めて慎重であるべきとの考えをとっておりまして,それは既に各所で述べさせていただいているところでございます。私が所感を述べることにより,個別事件について実質的に指揮権を行使したとの印象を与えることは適当でないと考えておりますし,また,先ほどお話ししたとおり,今後の公判に支障が生じるおそれがございます。さらに,裁判所の判断に予断を与えるおそれもございます。このようなことから,個別事件の事件処理について,法務大臣としての立場で所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思っております。

【記者】
 政治家としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

【大臣】
 政治家としての考えはございますが,この法務大臣の記者会見の場で,法務大臣としての立場でお答えすることができかねますので,御理解いただきたいと思います。

【記者】
 先ほどの記者の質問に対して文書を読み上げておられましたが,その文書はどなたが作成されたものでしょうか。

【大臣】
 私の過去の国会答弁を基に事務方が下書きをしまして,今朝ほど私の方で確認をして,最終的に私の責任で作成をしたものです。

欧州議会本会議における決議に関する質疑について

【記者】
 子どもの連れ去り問題について質問します。
 今週,EUの本会議で日本に対する決議が可決されたと思います。決議では,極めて強い言葉が使われていますが,それに対して日本政府の受け止め方を教えてください。

【大臣】
 欧州議会の本会議において,お尋ねの決議案が採択されたことは承知しております。
 我が国は子の連れ去りの事案について,親の国籍に関係なく,子の最善の利益にかなう解決を図るべく,全ての事案に公平・公正に対応しております。
 個別の案件については,司法府の判断を見守ることになりますが,本年4月にハーグ条約実施法・民事執行法の改正法が施行されており,国際的な子の返還等の強制執行の実効性が向上することを期待しております。
 子の連れ去り問題に関しては,引き続き,外務省と協力しつつ適切に対応してまいります。

外国人の入国・再入国に関する質疑について

【記者】
 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策で,現在129か国を対象に,日本国籍や特別永住者以外の在留外国人の日本への再入国が,一律上陸拒否の対象になっています。
 一方,ベトナムなど一部の国について,政府の対策本部で,ビジネス関係,技能実習生が多いと思いますが,入国・再入国を認めるといった議論がされていると思います。
 ただ,日本に生活基盤を持つ外国人,日本で学ぶ留学生の大半が再入国できない状況が続いておりまして,7月1日にも法務省,入管庁の方で「法務大臣において,日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由があるもの」ということに関して,一律に上陸拒否するということを確認されているのですが,大臣は政府対策本部で,在留外国人の再入国の問題について,今までどのような御提言をされてきたのか,どうして一律に上陸拒否しなくてはいけないのか,何が壁になっているのか,大臣の御所見を伺いたいです。

【大臣】
 再入国について申し上げますと,一律に上陸拒否しているものではございません。
 政府においては,これまで,新型コロナウイルス感染症の感染者が多数に上っている状況等があり,当該地域に滞在する外国人の上陸を拒否すべき緊急性が高い場合には,当該地域を政府対策本部において報告して公表しています。
 政府対策本部においては,この公表に至るまでに様々な議論が行われておりまして,私も,法務大臣として,その議論に加わり,その報告を踏まえて,上陸拒否の措置の決定をしているわけです。
 再入国については,先ほど申し上げましたとおり,中長期在留者については,一律に拒否しているものではありません。
 すなわち,まず,上陸拒否の対象地域となる前に再入国の許可を得て当該地域に出国した「永住者」,「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」又は「定住者」の在留資格を有する外国人が再入国する場合は,我が国又は我が国の国民と一定の関係があることを踏まえ,原則として,「特段の事情」があるものとして上陸を認めることとしています。
 また,特に人道上配慮すべき事情がある場合など,個別の事情に応じて,「特段の事情」があるものとして上陸を認める場合もあり,法務省ホームページにおいて,そのような事例を公表しております。

【記者】
 留学生についてはどうでしょうか。今も日本に入国できない留学生がたくさんいて困っていると思うのですが。
       
【大臣】
 留学生を始め,様々な皆様から,入国をしたいという御要請をこちらにいただいております。今後,国内外の感染状況を踏まえながらではございますが,国際的な人の往来再開に向けて検討を行っていくことは重要であると考えています。
 人の往来を再開するということに当たっては,感染再拡大の防止と両立することが重要であると考えておりまして,お尋ねの留学生などを含め,どのように国際的な人の往来を部分的・段階的に再開できるかについては,政府全体として,様々な情報や知見に基づき,その対象国,対象者,手続等を慎重に検討しているところでございます。
(以上)