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仙谷法務大臣年頭あいさつ

平成23年1月5日(水)

 皆さん明けましておめでとうございます。昨年は,特に9月に,数十年に一度あるかないかの大激震が,法務省あるいは検察庁を含めてそういう事件が発生をいたしました。今年はこのことの原因をしっかりと調査をし,そしてこれを糧として新しい法務行政を構築していただきたいと思います。この間,昨年の事件の流れの中で柳田大臣が辞任をされて,図らずも法務大臣を命ぜられ,私が皆さん方と一緒に仕事をすることになったわけでございますが,少々気が付いたことを申し上げたいと存じます。考えて見ますと,各省庁の中で認証官がこれだけ多い役所といいましょうか,霞が関の役所は,いわば法務省,検察庁と,外務省だけでございます。そしてまた,内閣におきましたら,建制順が大変高いポジションでございます。要するに,法務,外務が内閣の中でも総理といいましょうか権力中枢と最も近いところに位置付けられているということでございます。で,なぜこうなのかというのを考えてみましたら,やはり,明治維新によって近代国家を作ろうというふうに考えたときに,一つは多分,当時の先進国に仲間入りをすると,そのために民主主義的な諸制度を整備して,何よりも条約改正をしなければいけないということで,外交が第一,そしてさらには,近代的な司法制度といいましょうか,司法の独立を兼ね備えた国家でなければ先進国の仲間入りを出来ないし,相手にもされない,そして治安を維持するためにも,単なる実力で治安を上から押し込んでいくという,そういう作り方ではいけないんだと,法治が重要なんだということを,やはり近代国家建設において思い立った先人達がいたということだろうと思います。私も,少々皆さん方のお仲間の世界では,あばずれのほうでございますけれども,国会でいろいろな質問を受けて答弁をしております時に,なぜこの法治の意味についてあまりお考えいただけないで,政治論で振り回した議論ばかりが横行するのだろうと,やはり法治国家における法の支配,あるいは法治ということは,極めて重要なのに,なぜそこの謙抑的な考え方で質問がされないんだろうとつくづく思ったわけでございます。やはり先人が築いてきた法によって国を治めていくということは,いろいろな意味で,人類の知恵が込められている部分が私はあるんだろうなということを,この年になって感じさせられております。そのためには,ある意味で専門家集団としての皆さん方が,そのことを噛み締めながらやって仕事を進めていただかなければならないということであります。専門家集団であるだけに,今度は唯我独尊とか,ある種,自らの掲げる正義というものを自己目的化して走りすぎると,これはとんでもないことになってしまうということにもなるんだろうなと,改めてこの間振り返ってそんなふうに思います。それを制度的になんとか,国民のある意味で正しい批判や目線を感じるために,裁判員裁判や,あるいは検察審査会という制度ができたり,これから皆さん方に取り組んでいただかなければならない事柄があるんだろうなと,改めて思っているところでございます。それともう一つは,そうは言ってもグローバリゼーションと経済のソフト化といいましょうか,これは従来の法務行政の守備範囲を守っていれば片がつくということではないんだろうなと改めて最近思っているところでございまして,いわゆる会社法の世界も行政訴訟の世界も,あるいは人権委員会,人権問題の世界も,これから一つは国際ルールとの関係性の中で,一つは日本のマーケットや社会との関係の中で,やはり自らを変えていく努力ということが今年からは多分非常に重要なことになってくると,他の省庁の仕事との調整と統合ということが極めて重要になるだろうと思います。どうか,この法律の世界というのは,私も感じますけれども,どうしても思考の枠が保守的になると,そのことは極めて重要で,先ほど申し上げました人類があるいは日本の先人達が築き上げてきた司法の独立,あるいは刑事司法の自主性や独立性ということ,そして制度的担保,そのことによって人権をちゃんと守っていくという重要なお仕事でありますが,しかし,それだけでは事が進まない,やはり新しい時代,新しい経済,新しい市民社会の在り様に対応できるような仕組みを,システムを皆さん方の構想で是非お作りをいただきたい,前向きに取り組んでいただきたいなと改めて思っているところでございます。菅内閣総理大臣も大変意欲的に,この国を開くというこれからの課題について意欲的に取り組もうとしておりますので,どうか法務省の専門家集団としての皆さん方にも,是非そのことに向けて御尽力をいただきたいと改めてお願いを申し上げて,新年のあいさつとさせていただきます。

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