上川法務大臣初登庁後記者会見の概要


初登庁後の記者会見の様子

令和2年9月17日(木)

 この度,法務大臣に就任いたしました上川陽子です。
 私は,平成26年10月から平成27年10月まで,そして,平成29年8月から平成30年10月までの2回にわたり,法務大臣を務めました。今回が3回目の就任になるわけでございます。
 澄み切った心で,まっすぐに法務行政の諸課題に向き合い,そしてしっかりと努めてまいりたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 私自身,前回法務大臣を務めた後に,自由民主党の党内におきまして,司法制度調査会長を始めとして,様々な司法に関する活動をしてまいりました。率直に申し上げて,現在の法務省は,国民の皆様から得るべき信頼という視点で見ますと,その信頼を損なうというような事態に遭遇しているのではないかと思っております。
 申すまでもなく,法務行政というのは,国民の皆様の安全・安心に関わる,またその実現をしっかりとすることが使命でございます。その信頼なくしては法務行政そのものが成り立たないと言っても過言ではございません。
 私自身,今回の任命に当たりまして,国民の皆様,そして法務行政を担う職員との対話をしっかりと進めて,負の遺産と言うべきものがあれば即刻整理し,国民の皆様からの信頼回復に全力で努めたいと思っております。なんといっても,国民に身近な司法として,しっかりとした信頼を得るべく,全力で取り組む覚悟でございますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。
 法治国家である我が国においては,憲法を始めとする法体系の下で,法の支配を貫徹するということが何よりも大切であります。
 それを支える法制度を始めといたしまして,司法インフラ,司法の基盤でありますが,これは我が国にとりまして大変重要なソフトパワーであると認識をしております。これを国内外に向け積極的に発信をし,その意義を確認し合っていくことが必要と考えております。
 特に,来年3月に京都で開催予定の第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)でございますが,これにつきましては,法の支配の意義を国際社会において,しっかりと打ち出していく重要な機会と考えておりますので,それに向けての更なる努力を進めてまいりたいと思っております。
 今日は少し時間が急になりましたけれども,菅総理からは,法務行政の課題として6つの御指摘をいただいたところでございます。
 いずれも極めて重要な点でございまして,1点目は司法制度改革の推進,2点目はきめ細やかな人権救済の推進,また3点目として「世界一安全な国,日本」をつくるための施策の推進,4点目は我が国の領土・領海・領空の警戒警備について,緊張感を持って,事態に応じて我が国の法令に基づき,適切に対処すること,そして5点目は技能実習制度の在り方を含めまして総合的な検討を行うとともに,共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進めることでございます。最後に,ポストコロナの時代を見据えてということでありますが,観光先進国でありますので,それに相応しい入国管理の実現という6点でありました。
 いずれにつきましても,国民生活における大変重要な課題であると認識しておりまして,その具体化に向けましては,迅速かつ着実に取り組んでまいりたいと思っております。
 加えまして,私自身,法務行政を預かるに当たり,やはり旧来のやり方,あるいは旧来の考え方に捕らわれることなく,IT化や国際化を始めとする法務行政のイノベーションを推進していく決意でございます。
 さらに,秋冬には新型コロナウイルス感染症の感染,それがインフルエンザの時期とちょうど重なる時期ということで,感染の拡大が大変深刻になるのではないかと懸念されることでございますけれども,その意味で,法務省のリスク管理につきましても力を入れてまいりたいというふうに考えております。具体的に申し上げますと,法務省職員,そして矯正施設・入管収容施設の被収容者の命と健康を守るために,感染対策につきましては徹底を図りたいと思っております。また,感染の拡大に際しましては,法務省が地域のためにどのような貢献ができるのかということにつきまして,しっかりと検討し,そしてそのための施策につきましても,取り組んでまいりたいと思っております。
 私は,前々回,そして前回と法務大臣の職にあったときから,2015年9月の国連サミットで採択されましたSDGs,「持続可能な開発目標」,この一つの基本理念であります「誰一人取り残さない」社会の実現を目指してまいりました。今回も,引き続き,より一層の覚悟と熱意をもって取り組んでまいりたいと思っております。
 特に,新たな在留資格の創設などにより,新たな局面に入った外国人の受入れに対応いたしまして,多文化共生社会の定着に力を注いでまいりたいと考えております。
 また,性犯罪・性暴力,不当な差別や偏見,児童虐待等によりまして,その人権が傷つけられた方々や,無戸籍者の方々,両親が離婚した子供たちが置かれている状況等を考え,様々な困難を抱える方々への取組を推進してまいりたいと思っております。
 関係大臣等と十分に連携・協力をしながら,また,これから決まるわけでありますが,法務副大臣,法務大臣政務官と,しっかりとした連携を取り,協力をし合いながら,法務省の職員と一丸となって,現在の状況を一歩でも二歩でも前進することができるように,微力ではございますが,その重責を果たしてまいりたいと思っております。

法務大臣就任に当たっての抱負に関する質疑について

【記者】
 幹事社から3点質問させていただきます。
 まず1点目ですが,法務大臣の就任は,先ほどおっしゃられたように今回で3回目となりますが,改めて法務行政を預かることになったことの受け止めと抱負をお聞かせください。

【大臣】
 私自身,冒頭申し上げたように3回目の法務大臣の就任となるところであります。
 法務省は,国民の皆様の命を守る,あるいは安全・安心を担保するという大変重大な使命を担っていると認識しておりまして,その法務省の大臣を3度にわたって拝命するということについては,本当に厳粛に受け止めているところでございます。
 現在,法務省におきましては,冒頭申し上げましたとおり,国民の皆様からの目線で見ても,信頼が損なわれている状況にあると言わざるを得ないと思っております。
 そうした状況下での法務大臣就任ということでありまして,総理からもこれまでの法務大臣としての経験を十分に活かしてほしいと御指示いただいておりまして,そうしたものをしっかりとベースにしながら,国民の皆様からの信頼をしっかりと回復できるように,取り組みたいと思っております。そして国民にとりまして身近な司法の実現に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 先ほどの冒頭の御挨拶でも申し上げたところでありますが,法務大臣就任期間におきまして,一貫して,「法の支配の実現」ということと,「誰一人取り残さない」社会の実現ということ,これを大きな柱として目指してまいりました。
 今回法務大臣の職責を果たす上でも,この基本的な考え方にのっとって,その思いを更に力に変えて頑張ってまいりたいと思っております。
 ただ,私自身,今回の就任につきましては,前回の延長線上に捉えるという考え方には立っておりません。
 今この時点で,法務大臣の責任を担わせていただくということ,この意味につきまして,自分自身にもしっかりと問い掛けつつ,もう一度新たな気持ち,フレッシュな気持ちで,澄み切った心で,法務行政に尽力してまいりたいと考えております。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 続いて2点目ですが,死刑制度について,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 死刑制度につきましては,我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であると考えております。
 国民の皆様,世論におきましても,こうした制度についての考え方については,様々な考え方があるということでございまして,こうした世論に十分に配慮しながら,社会における正義の実現等,種々の観点から慎重に検討すべき問題であると考えております。
 国民世論の多数の皆様が極めて悪質,また,凶悪な犯罪につきましては死刑もやむを得ないと考えておりまして,多数の者に対しての殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと,その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しましては,死刑を科することもやむを得ないのであり,死刑を廃止することにつきましては,現在のところ,適切ではないのではないかと考えております。

指揮権に関する質疑について

【記者】
 最後に,検察に対する指揮権についてどうお考えかお聞かせください。

【大臣】
 指揮権の行使につきましては,これは検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と,検察権の独立性確保の要請との調和を図るという検察庁法第14条の趣旨に鑑みまして,検察権の不当な制約とならないよう,極めて慎重に対応する必要があると考えております。

女性閣僚に関する質疑について

【記者】
 今回女性閣僚が2人ということになりましたけれども,法務省に様々な課題がある中で,女性の視点を生かしてどのように取り組まれるのか教えてください。

【大臣】
 今回総理を含めまして21名中,女性閣僚は2人ということであります。パーセンテージで言いますと,1割を切っているという状況です。
 世界的な今のすう勢から見ましても,G7でも最下位という状況,更にそれを下回るような状況でありまして,そのような意味で考えますと,女性活躍を掲げながら,その女性活躍の一つの大変大事な政治分野の閣僚の中で,女性が少ないということについては,大変重要な課題ではないかと改めて感じるところであります。
 私自身,法務行政におきまして,これまでも女性活躍につきましては,ワークライフバランスの推進でありますとか,男性の育児休業の取得でありますとか,ミーティングを開いて様々な現場の声を伺ってまいりました。
 そうした姿勢につきましては,今回3回目におきましても変わらぬ姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
 さらに加えて,今,新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しておりまして,働き方そのものがWeb会議でありますとか,あるいは在宅での勤務というような形で,大きく変わってきているということであります。これが一時的な対策にとどまらない形で,一つの大きな流れにしていくということは,ひいては女性の活躍,ある意味では基盤を作るものにつながっていくのではないかと思っておりますので,その辺につきましても,今回現場の実態についてよく把握させていただきながら,これから先の取組に反映をしてまいりたいと思っております。
 女性活躍に関わる部分として,法務行政の中にはいくつもの分野がございます。具体的に申し上げますと,今,先ほど少し触れましたが,お母さんお父さんが離婚した後の子どもの養育の在り方を含めての家族法制についての検討でありますとか,あるいは性犯罪・性暴力対策の強化のための刑事法の検討といった問題につきましては,一つの大きな課題として捉えておりまして,これは女性が社会の中で活躍する上で重要な課題になるのではないかとも思っているところであります。その意味で,しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

国民からの信頼回復に関する質疑について

【記者】
 官邸の会見でも,今の会見でも国民からの信頼が損なわれている状況にあると,負の遺産と言うべきものがあれば即刻整理をするということをおっしゃっているんですけれども,過去二度の就任時と比べてでも結構なのですが,現在の行政にどういった問題があるとお考えかということと,具体的に国民からの信頼の回復に向けてそれぞれどのような取組が必要だとお考えかについて,お聞かせください。

【大臣】
 まず,国民の目線で見たときの法務行政に対しての信頼が損なわれているというのではないかと私自身申し上げたところでありますが,やはり,そのことについては,今回の一連の様々な事柄を外から見てみましても,そのように感じてきましたので,率直に申し上げたところであります。
 それで,実際どうなのかということについては,今度は立場が法務省内の,法務大臣としての立場ということになるわけでありまして,ここについては,なるべく短時間の内に,実際に職員の方と率直な会話をしまして,私自身が,自分の対話の中で感じることについて,しっかりと整理してまいりたいと思っております。
 もちろん,「法務・検察行政刷新会議」等がございますので,専門家の立場での検討の結果もあろうかと思いますが,同時に私自身もできるだけヒアリングをさせていただきまして,その中から,過去の状況と比較してどうなのか,また,将来,更に信頼を回復するために,信頼を持って国民の身近な司法を実現するために何が必要なのかということについても併せて提案し,そして,その中から具体化に向けて進めていきたいと思っております。

検察庁法改正案に関する質疑について

【記者】
 先ほどの官邸での会見でもお伺いしましたが,検察庁法改正案についてお伺いします。
 先ほど,再提出に向けて検討を進めたいとおっしゃったのですが,これは見直さない可能性もあるのか,それとも見直しの方向で進むのか,現時点での方向性などお考えがありましたら教えてください。

【大臣】
 今回,先の国会に提出していた法律案につきましては,検察庁法改正部分につきまして,本当に様々な御意見があったと聞いております。
 そのような御意見をしっかりと踏まえながら,関係省庁ともよく相談をしながら,最終的な判断をしてまいりたいと思いますので,実際に,協議の内容,また意見交換の内容等について整理をして,対応してまいりたいと思っております。

人権に関する質疑について

【記者】
 2点伺いますが,1つは人権問題を重点的にやることの1つとして取り上げられました。その人権絡みでいうと,外国人を収容してる施設で,入管とかの関係で,結構暴力があるというような訴えが随分相次ぎました。そういう問題についてどう取り組まれるのか。あるいはヘイトスピーチの問題が,今もいろいろ問題になっております。この問題についてはどういうふうに取り組まれていこうと考えているのか,これを1つまず伺います。

【大臣】
 まず,外国人の方々,入国をしながら,様々な理由で,今,収容されているということであります。そうした中で,実態としてどのような現状にあるのかということにつきましては,私自身,過去,実際に視察をしたりしながら感じていたこともありますので,もう一度フレッシュな目で,今の現状につきましても把握をしてまいりたいと思っております。
 「収容・送還に関する専門部会」が,森前大臣の下で開催され,その提言が寄せられているということでございます。実態がどういう状況になっているのかということを把握した上で,その対策ということで提言されたということでありますので,私としても,そうした専門家の意見とか,あるいは難民審査参与員の皆さんの意見とか,そういったものも十分に把握をして対応してまいりたいと思っております。
 もう1点,ヘイトスピーチについてでありますが,これは様々な強調しなければならない人権要件のうちの1つということで,大変大きなテーマになっております。最近,私たちが大変心配しておりますのは,新型コロナウイルス感染症の感染に当たりましても,感染された方々が,いわれのない中傷や,また,引越しを余儀なくされるという自治体もありますし,また,学校でいじめにあったという声も聞かれるところであります。そうした声も通常の件数と比べますと,2割から3割程度,多くなっているということが指摘されている研究もあり,そうした実態にあるということですので,ここにつきましては,あってはならないという思いで,こうしたヘイトスピーチに対しましても,しっかりと対応していかなければいけないと思います。
 また,新たなテーマとしては,SNSを通しての人権侵害,この問題につきましても,極めて深刻な問題であると理解しておりまして,ここについてはなかなか難しい要素を含んでいるものではありますが,ここもしっかりと見据えて,取り組んでまいりたいと思っております。

記録の保存と開示に関する質疑について

【記者】
 それからもう1点,記録の保存と開示のことについてお伺いしたいと思います。前回法務大臣をされていたときに,オウムの全記録の保存というのを決めてくださいました。そして,刑事参考記録のリスト化についても道筋をつけていただきました。そして,菅首相が官房長官のときに,オウム事件のいろいろな資料についてのアーカイブ化の指示を,厚生労働省と,それから法務省に出されています。厚生労働省の方は会議などを作ってやっているようですけれども,法務省の方が,この間伺った中では全然遅々として進んでいないような印象を受けました。
 40分以上くらい掛けてようやく分かったのは,刑事参考記録になっているのは,少なくとも1件みたいな感じで,そうすると,この刑事参考記録のリスト化の時から全然進んでいないのかなという感じもするのですが,こういった問題,保存と開示の問題,これは御専門だと思うのですけれども,今後どういうふうに取り組んでいくおつもりか,伺わせてください。

【大臣】
 まず,官房長官のお言葉についての言及がございましたが,アーカイブ化を進めるということで,厚生労働省と法務省に対しまして,それをしっかりとやるようにと指示を出したので,やっているのではないかという御発言だったというふうに伺っております。もとより,公文書はしっかりと残すべきであるということについては,これはもう基本的な考え方でありますので,特に重大事件に係る文書につきましては,総体として残していくということ,この可能性は徹底的に追求していくべきことではないかと私自身は考えております。
 今御指摘がありました刑事参考記録,あるいはリスト化の問題,なかなか遅々として進んでいないのではないかという御指摘でございますが,今どういう状況なのかにつきまして,改めてよく精査をしてまいりたいと思っております。
 その上で,その状況の判断と評価と,そしてこれから先の見通しということについても,またいずれしっかりと御報告させていただきたいと思います。

死刑執行に関する質疑について

【記者】
 上川大臣がこれまで法務大臣在任中に執行を命じた死刑は,計16名となっています。その中には,一連のオウム真理教事件で残されていた6名が含まれています。オウム真理教が国家転覆する,すなわちクーデターを起こそうとしていたということは早川ノートなどから明らかですが,その企ての重要参考人である幹部たちを全員死刑にしてしまったことで,最終的なオウム真理教の企ての全容が究明されないまま,事件に蓋をされてしまったと言えます。
 これは,国民の安全な生活に対する重大な損失であると考えますが,大臣の考えをお聞かせください。

【大臣】
 大変重要な御指摘をいただきました。先般の死刑執行に関しましてということでございますが,今,御指摘のありましたように,様々な御意見があるということにつきましては,十分承知をしているところでございます。
 その上で,一般論として申し上げるところでありますが,死刑というのは,人の命を絶つ極めて重大な刑罰でございますので,その執行に際しましては,慎重な上にも慎重な態度で臨む必要があるものと考えております。
 同時に,法治国家でありますので,確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないということも,これも言うまでもないところでございます。
 特に,死刑の判決につきましては,極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対しまして,裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものであるということでございまして,法務大臣といたしましては,裁判所のこの判断を尊重しつつ,法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものであると考えているところであります。
 御指摘のありました先般の死刑執行につきましても,このような観点から,慎重の上にも慎重を重ねて検討した上で,死刑執行命令を発したものでございます。

少年法に関する質疑について

【記者】
 少年法についてお尋ねします。法制審議会の部会で少年法改正に向けた答申案が既に取りまとめられております。上川大臣は自民党の司法制度調査会長としてもこの課題に携わってこられましたけれども,改めて改正に向けての現在のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

【大臣】
 まず,御指摘のとおり,少年法の改正の問題につきましては,平成29年3月から,法制審議会に設けられました部会におきまして,検討を進めていただいたところであります。
 大きく,少年の年齢を18歳未満とすることでありますとか,あるいは犯罪者の処遇を充実させるための刑事法の整備の在り方についての調査審議を行っていただいたところでありまして,今年の9月9日の部会におきまして,意見の取りまとめが行われたと承知をしております。
 今後,法制審議会の総会におきまして議論が行われる予定ということでございまして,その調査審議の上で,できる限り早い時期に答申をいただきたいと考えております。私自身,自由民主党の立場と,そしてまた与党であります公明党の自公という形で,与党PTを立ち上げさせていただきまして,また座長を務めさせていただきました。
 18歳,19歳の者の刑事法上の取扱いにつきましての基本的な考え方をまとめたところでございます。
 法制審議会の方は,専門家のお立場での十分な審議を尽くしていただくということが大変重要であると思っておりますので,その総会におきましての答申ということをしっかりとお待ちしていきたいと考えております。

再審制度に関する質疑について

【記者】
 再審制度について伺いたいと思います。いわゆる袴田事件に関して,今,第二次再審請求の特別抗告審が続いているところでありますけれども,袴田さんが高齢であることから,早期の再審決定開始を求めております。
 お答えしづらい質問と分かっておりますけれども,大臣の所感がもしあれば,お答えいただきたいと思います。また,袴田事件を含む再審をめぐっては,再審の法整備の充実を求める声もあります。法整備について,お考えがあれば教えてください。

【大臣】
 ただいま全般に御質問をいただきました事案につきまして,現在,特別抗告審に係属中でございますので,個別事件ということで,法務大臣としての所感につきましては,述べることを差し控えさせていただきたいと思っております。
 その上で,2点目の御質問,再審の制度についての考え方いかんということでございます。先ほど申し上げたとおり,個別の案件につきましての観点からということについては差し控えるわけでございますが,一般論ということでありますが,当然のことでありますが,犯人でない者を処罰をするということについては,これは絶対にあってはならないと思っております。
 その上で,再審制度についてでありますが,確定判決の存在を前提として,主として事実認定の不当を是正し,有罪の言渡しを受けた者を救済するための非常の救済手段と位置付けられていることであります。
 様々な御意見があるということにつきましては,承知をしているところでございます。
 ただ,現時点におきまして,この現行法の規定に直ちに手当をする必要があるかどうかというようなことになりますと,特段の不備があるとは認識しているところではございません。
 いずれにしても,再審制度の在り方そのものにつきましては,確定判決による法的安定性の要請と,個々の事件における是正の必要性との調和点をどこに求めるかということに関わるものであると認識しておりまして,様々な角度から慎重に検討すべきものと考えております。

(以上)