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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成23年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成23年2月15日(火)

小沢元代表に関する質疑

【記者】
 小沢元代表の件ですが,昨日,民主党役員会がありまして,判決が確定するまで党員資格停止という処分を常任幹事会に提起することを,反対もある中で決めたということなのですけれども,これについて大臣として今お考えになっていること,お感じになっていることがあればお願いします。
【大臣】
 前から申し上げていることでございますが,政治と金の問題というのを次の世代には引き継がないというのが菅首相の強い決意であるし,私も同じ思いでおります。ただ,小沢元代表の件については,党の中で各機関が今検討中ということで,昨日は役員会,今日は常任幹事会,あるいは党の倫理委員会,そういうことは承知をしておりますが,政府のほうにいる私としては,党の各機関が適切に判断をしていくことだということです。それ以上に申し上げないほうが適切だと思っています。ただ,国民の皆さんに是非誤解のないようしていただきたいのは,民主党は与党で,与党の中で小沢元代表,あるいはその支援の皆さんが訴訟,今,強制起訴という形で刑事事件がスタートしたところですが,その事件に一定の態度表明をしようという皆さんがおられますが,そのことによって法務省として刑事事件に何らかの影響が出るような行動をとるというのはありません。法務省としては,ここはもう平常心で,公平,公正な裁判の結果が出ることをひたすら期待をして,強制起訴で指定弁護士が訴訟活動を行うわけで,そういうこともありますし,一切,法務省が何かの影響を与えるということをとることはありませんので,そこは国民の皆さんに,是非裁判の公正というものを信頼していただきたいと思っています。
【記者】
 政府内にいる大臣としては,あまり言わないほうが適切だということだったのですけれど,同じことかもしれませんが,更に伺いますが,常任幹事会が開かれて,そこで賛否が出てくるものと思われますけれども,民主党の議員として,あるいは参議院で幹部を務められた御自身として,やはり処分は必要だとお考えになりますでしょうか。
【大臣】
 今蛇足で申し上げたこととの関連で,与党の中で無罪判決を勝ち取るという動きが仮にあるとしても,それによって法務省が裁判に影響を与えるような行動をとることが一切ないということを申し上げたわけでございます。与党ですから,政府を支え,政府の意思決定に影響を与える,そういう国会内の勢力ですので,そこのところは一つ適切に行動,判断していただきたいという思いは持っております。

サイバー関係の法整備に関する質疑

【記者】
 先日,こちらの会見で質問させていただいたことでございますが,コンピューター監視法を今国会に提出をするということで,そのときに質問させていただいたときは,まだ大臣よく分からないと。それから2004年,2005年辺りから民主党はこの問題に関して強い関心を持って,政府案に対抗して修正案を考えてきた長い歴史がありますとそのことをお聞きしましたら御存知ないと。
【大臣】
 それは知らないというわけではないのですが。
【記者】
 カタカナのことは弱いのでというような表現でおっしゃっていました。大分時間が経ちました。この問題についても,もちろん勉強なさったと思いますので,改めて見解を教えていただきたい。今日は院内で日弁連主催のコンピューター監視法の100人規模の学習会というものも開かれます。大変懸念が高まっております。内容について御自身思われることをお聞かせいただきたいと思います。
【大臣】
 これはサイバー関係の処罰法でございますが,法務省としては,それから政府としては提出予定法案の中に入れて,検討を今進めているところで,5年前ですかね,共謀罪の関係で,当時野党であった民主党は,私ももちろんですが,構成要件が非常に不明確で日本の刑法体系とちょっと違うところがあるとか,いろんなことで強く反対をいたしました。しかし,今回共謀罪関係ではなくて,コンピューターウイルスの関係であるとか,あるいは強制執行の妨害であるとか,そういうことを取り出して立法しようということであって,これは淡々と今準備を進めているところです。
【記者】
 未だにホームページには民主党修正案が掲げられています。党は修正案をそれでもまだ掲げていて,政府案とは違う,民主的な法案はこちらだと主張している状態だと思いますけれども,大臣が政府案を出す。民主党の修正を加えたものを出すのではなく,政府案そのものを出そうとなさっていると聞いておりますが,これはどういったことからなんでしょうか。
【大臣】
 民主党のホームページに載っている当時の修正案というのは,当時の法案に対する修正案だと思いますが,それは主として共謀罪を落とせという話だったと記憶をしております。それで今の共謀罪を落とした部分について,日弁連のほうといろいろ協議をしていて,党のほうでも,もちろんいろんな党の法案審査のプロセスがありますから,そこで議論していただいていると思っていますが,日弁連との協議は前に進んでいますが,まだ確定的な結果というところまでは至っていないと思います。いずれにせよ政府案というのはまだ固めつつあるところで,何らかの,いろんな皆さんとの協議によって政府案を固めていく段階で,既にその前に,もちろん協議するための政府の原案というのはありますが,政府案が固まったというのはまだちょっと早いと思います。

親権の停止に関する質疑

【記者】
 今日の午後,法制審の総会がありますけれども,去年,部会のほうで固まってきた,親権の2年停止の意義と,このことによって児童虐待防止にどのような効果を期待されているか教えていただけるでしょうか。
【大臣】
 親権というのは,親が子を監護・教育する,そういう権利であり,同時に義務でもあるのですよね。国連の大原則でチルドレン・ファーストというのがありまして,子の利益,子の福祉のために,全ての政策決定というのは行わなければならないというような大原則がありまして,親権をどうするかというのはこれは大きな問題で,今の民法の考え方だと,親権というのはあるかないかどちらかなのですね。親権があれば,これは全てのことに及ぶと,なければ一切ないという。しかし,親が本当に子の福祉のために親権を行使している場合ではないいろんな事例があるので,だからといって親権を喪失してしまうと,子の福祉にこれはまたちょっと障害があるという場合があるので,一定の期間を決めて,親権を停止して,その間,いろんな子の福祉に携わる児童福祉関係の専門の皆さんに活動しやすいようにしてもらうことが,子の福祉に資するのではないかと,こんな感じで2年の停止というのをやろうとしております。2年経って,それで良い関係ができればもちろん良いのですが,それでもまだ続けなければならんということであれば,改めてそういう親権の停止の措置をとるという法改正を考えていまして,これは今,おっしゃったとおり,法制審議会に諮問をしており,おそらく答申をいただけるものと期待しております。

個人通報制度に関する質疑

【記者】
 大臣はかねてから個人通報制度と,国内人権機関と取調べの可視化ということをおっしゃっているのですが,個人通報制度の問題で,1月の末にNGOが早期の実現を求めて申し出をしたと,先日,2月9日には民主党議員とNGOのほうで個人通報制度の早期実現に向けての勉強会を開きました。この問題,10年以上経っているわけで,外務省や法務省内の勉強会も40数回行われているという話もあったのですが,あとはもう政治的なイニシアチブにかかってくるのではないかと思うのですが,大臣は個人通報制度,これは外務省の絡みも出てきますけれども,どのように今後進めていきたいというふうにお考えでしょうか。
【大臣】
 NGOの皆さんが法務大臣としての私のところに御要望にお見えになったということはまだないと思います。しかし,あろうがなかろうが個人通報制度というものがどういうもので,どういう方向性で対処していかなければならないかということは分かっております。個人通報制度というのは,国を開くというのが今の菅内閣の大方針で,そういう国際社会の人権などに関わる制度について,これは日本もその中で一定の立場を占めるのは当然と思っておりますが,外交交渉のこともありますから,外務省がいろいろおやりになることだと思います。個人通報制度はいずれも国内の救済手続を尽くした上で,国際機関への救済を求めるという制度になっていまして,しかも国際機関の国に対する勧告が強制力というものを持っているわけではないので,国際世論というものはこういう見方をしていますよということですから,日本はそれを真っ正面から受け止めれば良いのだと思いますが,今精力的に検討中ということです。私の気持ちとしてはそういうことです。
【記者】
 今,大臣がおっしゃった国際世論というのは具体的に言うとどういうことでしょうか。
【大臣】
 それはいろいろ,個人通報したときにそれを扱ういろいろな人権機関などなどいろんな機関がありますよね。そういうところでの一定の見解の表明というのが国際世論だと思います。
【記者】
 早期に進めたいというお考えには変わりないんですね。
【大臣】
 そういう気持ちでいますが,やっぱりそれは,政府部内の検討はきちんと進めていかなければいけないので,アクセラレートしていきたいとは思います。

TPP等に関する質疑

【記者】
 TPPは貿易問題,経済の自由化の問題であって,そこで障害や影響のあるのは農業分野だけというふうに喧伝されておりますが,実際は24の作業分野があって,国内の様々な活動,これまで経済活動とか貿易活動とかかわらない分野にも影響が出ることになる。そのうちの一つが法制度,あるいは司法の分野にも影響が出るということが明らかになってきました。例えばアメリカの弁護士は日本では開業ができたり,大規模な事務所を開くことができるようになる。いわゆる法人化,これをしていくことが可能となる。他方で日本の弁護士は自由に開業できるわけではない。極めて不平等なことになりかねない。紛争解決に関してもこれもまた不平等なものとなるということがいろいろな情報で分かってきました。こうした問題について,先日,民主党内で作られたTPPを慎重に考える会の会長である山田正彦前農林水産大臣が日弁連の会長の宇都宮さんにお会いしてお話したところ,宇都宮さんは何も知らなかったと言って大変驚かれた。それから早期に研究するというふうにおっしゃっていました。日弁連も知らなかった,こういうような状態というのは司法の世界でまかり通っているのかと大変危惧しております。法務省はTPPのはらむ危険性,問題性について十二分に研究をしておられて,なおかつ,政府の平成の開国なのか何か分からない姿勢に賛同されているのか,その点についてお聞きしたいと思います。
【大臣】
 平成の開国ということの理解ですが,私はもうちょっと大きな視点で考えていきたいと思っています。御承知のとおり日本は明治維新で,これは黒船がやってきた。しかし,日本人の決断で江戸時代の日本の統治構造というものを変えたわけですよね。で,近代日本という時代に入った。これがしかし戦争へと突き進んでしまって,第二次大戦後の昭和の改革といいますか,戦後改革,これは戦争に負けたポツダム宣言の受諾ということがあって,諸外国,まあアメリカですが日本に入ってきて日本の制度を変えて,民主主義日本というもので,世界に第二の開国をやった。しかし,この民主主義というものが,本当に政権交代のある民主主義になったかというとなかなか困難があって,やっと今,国民が政権を選ぶという時代に入って,しかもこの十年,あるいは二十年,日本がずっと停滞の時期を続けている間に世界の状況が大きく変わって,中国の経済発展であるとか,あるいは韓国であるとか,いろいろな世界の状況が変わってきて,今日本は,外国が日本は開国しろと言って日本のことを気にするような状況ではなくて,日本は国際社会の中の役割を果たさないのであればどうぞ勝手にしてくださいというような状況なので,しかしそれでもやはり日本の独自の,日本の自主的なイニシアチブで国を開いて,そして世界の中の一員として,今のTPPであれ,FTAAPであれ, ハーグ条約であれその他のいろいろな,もちろん法曹サービス提供のシステムであれ,いろいろなことで世界の中でこういう世界の姿勢を作っていこうじゃないかと,そういうイニシアチブをとっていかなければいけない,そういう時代が来ているので,だからTPPというのはほんのその中の一例であって,もっと世界の中で日本というのはやっぱりなければいけない国だと,日本の言うことを聞いてみようという体制に日本がなっていく必要がある,そんなことを考えながら第三の開国ということを言っているというような理解を私はしています。だから,個別に挙げれば農業の問題であれ,あるいは今の法律サービスのこともその中にあるかもしれません。いろいろなことがあるけれども,例えばハーグ条約だって,世界のハーグ条約に関する事例を見ると,こんなに日本にとってつらいことがあるということがあると思います。あると思うけれども,それはまた逆の面もあるので,いずれにしてもそういうものを直していくためには,やっぱり外から直せというのではなくて,そこに入っていって,国際秩序の中で日本が役割を果たして直していかなければいけないんで,私はそこは決断を持って国を開くという発想をとるべき時代が来ていると思っています。
【記者】
 平成の不平等条約になるのではないかという懸念もあります。幕末の例でいえば,井伊大老の結んだ通商修好条約,これで主権を失ってしまった,これを復活するまで大変な苦労を重ねなければならない。慎重のうえに慎重を期さなければいけないのではないかという議論もあります。特に具体的な法制サービスについて,法律家だけが損をするという話だけではなく,もしそれが外国の法律家が優位に立つようなことがあれば,これは日本国民全体がいろいろな意味で不利益をこうむる可能性もある。この点に関しては非常に研究が必要なのではないかと思うのですけれども,その点は十分な研究をなされたのでしょうか。
【大臣】
 今,研究をしていくところですから。私たちは,不平等条約という一定の歴史的経験を持っているわけですよ。だけれども,あのときに明治維新で国を開かなかったらどうなるかということもあるわけでしょう。ですから国を開いた。しかし,不平等条約ということで大変な苦労をしたという経験を持っているわけですから,だからそこはそういうことを繰り返さないように,前車の轍にはまり込むことのないように一生懸命研究をして国を開いていくという方法があるのではないかと思いますね。それが必要なんで,ああいう苦労をしたからもう閉じこもって,内向きでじっとしていればよろしいといったら,どんどんどんどん谷間に沈んでいくだけではないかという心配を私は持っています。
【記者】
 FTAAPの件で,以前も人の移動のところで,看護師,介護士のことを想定したお話しもされたのですが,その他,少子高齢化ということで外国人労働者の問題,あるいはこれはやっぱり開国の問題に関係がありますが,難民の受入の問題というのもあると思うのですが,その辺はやはり着実に話を進めていかないと,明日,明後日,急にという問題ではないと思うのですが,その辺の対応というのは中長期的に見て進められていきたいという何か具体的なお考えがあればお伺いしたいのですが。
【大臣】
 具体的というわけでもありませんが,日本社会をどれだけ国際化するかというのが大きなテーマでして,今既に日本中,別に東京だけではなくて,どこへ行っても外国人が随分たくさんいます。その外国人も日本で一緒にコミニュティを作り,暮らしやすい,そういう日本の社会になっていかなければならないという思いは持っています。
【記者】
 そういう漠然としたお考えしか今のところ持っていらっしゃらないということでしょうか。
【大臣】
 漠然とした考えしか持っていないというのはちょっと,はいはいと言っておきましょう。漠然とした考えしか持っていないとあなたはお感じになると。

(以上)
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