法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年3月15日(火)
東北地方太平洋沖地震に関する質疑
【記者】
今大臣がおっしゃられた現地の様子,刻々と変化しているのですけれども,大臣として特に何かこれを総理にお願いしたとか,そういったことがあれば教えてください。
【大臣】
これは本当に内閣が一体となって,全省庁,国の総力を挙げて取り組んでいることでございまして,私からも被災された皆さん,そして被災地だけではなくて,全国にわたって大きな影響が起きているし,これからもずっと起きていく,東電管内の計画停電などもそうですが,それだけに止まらない国民の皆さんにお見舞いを申し上げ,国と自治体と,そして国民皆さんが一緒になって,この未曾有の危機を乗り越えなきゃならんし,まさに私たちの底力が問われていると。みんなの支え合いで乗り切ることによって,私たちがその後に,より強い絆に結ばれた新しい社会にたどり着くことができると確信をしておりまして,その辺は閣僚皆,意識を共有しております。私から菅首相に特別これをしたらどうだというようなことを言ってはおりません。そういう必要もありません。
【記者】
閣議,閣僚懇の中で菅首相からどのような説明があったか教えていただきたいと思います。
【大臣】
閣僚懇の議論の模様は,官房長官あたりから適宜報告されることで,個別に報告するのは適切ではないと思います。ただ,今皆さんお聞きいただいたかと思いますが,菅首相のほうから国民に向けてのメッセージがございましたが,そうした議論をいたしました。
【記者】
こういう未曾有の事態の中で政府の対応というのも,計画停電ですとか,原発の対応も,混乱もあるかと思いますけれども,これまでの政府の対応についてはどのように感じていらっしゃいますか。
【大臣】
言うまでもないことで,誰がどうというのではなくて,これまで想定された,例えば原発の制度というか設計自体の中に織り込まれていた災害の想定,そういうものを遙かに超える事態が起きたということは確かですね。日本の原発は安全性においては世界に誇ると言われていたわけで,この冷却系についても最大限の地震,最大限の津波を想定して,それにもちゃんと耐えうる安全設計になっていたと私も思っていたのですが,それも遙かに超える巨大地震で,全体のシステムがブレイクダウンしている状況で,そういう中でこの対応も非常に困難になっているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。にもかかわらず,私は,これまでもいろんな経験をしてきていて,確かにあのときあの部分が足りない,この部分が遅いということはありますが,できる限りの最大限の対応はしてきていると思っています。特に土曜日あたりですかね,さすがと思ったのですが,危機管理センター,防災担当大臣,危機管理官を中心にして,いろんなことをそこへぐっと集約して,いろんな調整なり,指示なりというのが組織的にうまく回り始めていると感じております。それにも関わらず想定外の対応事象が起きてきていますから,それをもっともっと真剣にやらなければならない。例えば今日もちょっと議論にあったのですが,物資はあると,しかもこの物資,特に地方負担なしに国の負担で調達するということで予備費の執行も決めたりして,物資はあると。それから自衛隊はこれもこれまでにない10万人規模,簡単にすぐできるものではないけれど,そういう人員を用意をしている。ところがその物資の輸送の任に当たる人の部隊と,物資と,これがうまく繋がらずにどこに何をもっていったらいいかがどうもはっきりしないというようなことがあって,この辺りのやり方をさらに集中させて,本当に全てのものがうまく動くようにしなければいけない。そうすることが今の課題だと思っています。課題は次々新しく出てきておりますが,どういう課題があるかということについて,明確な問題意識を持って,それに対する解決の仕方をすぐに作っていくということで動いています。被災地の皆さんを始め,国民の皆さんも大変心配をしておられるし,今早くこれをやって欲しいということが出てきていると思いますが,そういうものをちゃんとしっかり受け止めながら対応しているということでございます。
【記者】
法務省の所管として特にこの後対応していくことが何かあればお願いします。
【大臣】
法務省は幸か不幸かそういうところに出て行く実働部隊を持っているわけではないので,すぐにお手伝いに行くことはできませんが,一つはこれまでもやっていることですが,海外からの災害救助隊の皆さんが来ておられます。この皆さんの入国については,最大限の円滑化というものを図るよう指示して,今進めております。それから,被災地の状況を把握をいたしまして,例えば,法務局の施設であるとか,あるいは,検察庁の施設であるとか,そういうところで,今動かない,動くことができないものについては,業務の停止を指示をして,これは若干の時間をいただいて,業務の移転というようなことの準備を今進めています。それから,そういった施設で避難可能なところに最大限,避難していただくようなことも指示をして,これも若干のところではありますが,避難に使っていただいております。今後については,やはり被災地の権利関係の錯綜といったことがあるので,り災都市の対応とか,あるいは,被災マンションの対応とか,そうしたことを今準備をしているところです。これは,今すぐやっても仕方がないので,準備を怠らずに行っていく。それからもう一つは,これも御承知と思いますが,政令を既に出して,当省関係では,例えば破産手続について,特例の措置を取るようにしました。
【記者】
補正予算に関してなんですけれども,この地震に対応するために,巨額の補正予算が必要と言われていますけれども,その規模についてのことと,あと財源について,自民党から,例えば子ども手当の財源からとか,増税すべきだとか色々な意見がありますが,それからまたそれに関連して,与野党協力のあり方についてですね,自民党からも協力したいという声もありますし,議論がされていますが,こういう事態に,どういった与野党協力が必要かということについてお尋ねしたい。
【大臣】
これは未曾有の大災害で,全国的な規模で事態が起きているわけですよね,ですから本当にオールジャパンの底力を全て出し切ってこれを乗り越えなければいけないので,そういう意味で言えば,あと半月程度で来年度が始まるわけですから,そこに予算がないというわけにはいきませんので,今の来年度予算,これは成立をさせていただかなければならんと思いますが,しかしそこの予算に決められた支出のやり方に必ずしもとらわれずに,相当大規模な支出が必要になってきますので,それができるように予算の補正というものはやっていかなければならないと思います。そのときの財源も,とにかくこの危機を乗り越えるというのが一番今必要なことですので,与野党を超えて皆で知恵を出し合って合意を作っていくということが必要だと思っています。野党の皆さんがそういう姿勢を示していただいているということは大変ありがたいことであるし,政府与党においても,今の現にあるこの危機をどうやって乗り切るかという,それをやらなきゃどうしようもないので,そのための姿勢をしっかり持って,合意形成に向けて頑張っていきたいと思います。具体的にどの項目をどうするというのは,これはそれぞれの省に考えていただくことであって,私からとやかく言うことではないと思っています。
【記者】
今朝発表した政府と東京電力との合同対策本部ですが,政府と特定の企業が一緒の合同に作るというのは例外的な話だと思いますし,その前に東電側の連絡が遅いとかそういった会話もありましたけれども,その本部についてと東電側のこれまでの流れをどのように見ているかということをお伺いしたいのですけれども。
【大臣】
これは,私が担当しているわけではないので,よく分かりませんけれども,どうも東電の対応が今ひとつぴりっとしないというようなことを耳にします。耳にするだけのことであって,私が法務大臣として特にどうということはないのですが,そういう状況の中で菅首相が電力に対して,原子力発電の事業者に対して持っている指示権というのが法制度上あるので,その指示権に根拠を置いて対策本部というのを,東京電力の本社のなかに立ち上げて,そこに政府等が一体となって危機対応に当たるということです。ですから私は今までなかったことでありますが,事象自体が今までの想定をはるかに超えている事象ですので,そういう法的根拠があればやはり最大限の対応をしなければならないと思っています。政府の方に原子力安全保安院,原子力安全委員会も,ここは知識も経験もちゃんとあるわけですから,そういうものと東京電力自体が持っている能力と,これを総合させて万全を期すると,最善の方策を出しているということで,いちいち現場から東電の関係部局へ,そして中枢へ,そして政府へ,今度は保安院から出て行って東電へ,そして現場へというやりとりでああでもないこうでもない,いや現場に聞いて見なきゃ上に聞いて見なきゃとやっていたら間に合わないので,そこは機動性を持って対応を今朝から取り始めたということで,是非御理解をいただきたい。