法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年4月5日(火)
今日は公務員の関係の会議がござまして,それが終わって閣議が9時から開かれました。法務省の関係では,非訟事件の改正と家事審判法の方は家事事件手続法と新法を見据えた整備法が閣議決定されました。
東日本大震災に関する法務省の対応について
【記者】
震災関係で法務省で何か動きなどありますか。
【大臣】
震災関連は,いろんなことがちゃんと進んでいると思っております。黒岩政務官が現地に行っておりまして,電話しましたら,とにかくやることが多くて忙しいと言っていました。
民主党の政策等に関する質疑について
【記者】
震災の体制の強化ということで,政治の動きですが,昨日,与野党の国対委員長会談で与党側から閣僚3人の増員の提案がありました。野党側は持ち帰るということでしたが,野党内で賛否のいろいろな意見があります。大連立を含めた与野党の協力体制の在り方について大臣はいかがお考えかお聞かせください。
【大臣】
大連立という定義がなかなか難しいでしょうが,基本的には積極です。御存知のとおり今の国会は,去年の参議院選挙以来ねじれ国会ということになっていて,ねじれというのは,与党も野党もそれぞれが責任を分担しているということなのですね。国会というのは結論を出す府ですから。しかも今回は3分の2というのがないわけですから,与党だけで国会が動くわけではないので,野党も応分の責任を分担しながら国民のために国会を動かすという構造になっているわけです。そこへ持ってきて,この東日本大震災というのが起きて,私はオールジャパンでこの危機を乗り越えていく,オールジャパンで乗り越えたときに私たちは新しい時代を迎えることができる。しかも今は特に原発事故が中心で,世界中の心がこの被災地に寄せられているときですから,むしろオールワールドでこの危機を乗り越えたときに新しい世界史が始まる,そういうときが来ていると思うんですね。そんな意味でみんなでここを乗り越えるというときですから,政策の優先順位が当然大きく変わってくるわけで,したがって今もちろん民主党が中心となった政権ですが,その民主党の震災前の政策の優先順位というものを大きく変えて与野党協議をして震災対応すると。期間限定かもしれませんが,それはできるかもしれません。ということで,みんなが一緒になって政府を作って動かすということは当然あり得べしと思っております。
【記者】
先ほど大連立に関して積極だということが分かったのですけれども,自民党の方から総理を代えるべきだとか,あるいは子ども手当を震災財源にするとかいろんな注文というか条件を付ける声が上がっています。その辺りは大臣いかがでしょうか。
【大臣】
総理を代えると言ったって,今この状態で,そんなことをやっているときではないだろうと思います。菅総理大臣の采配ぶりについていろいろ意見はあるかもしれませんが,今そんな講釈をしているときではないので,ここはやっぱり菅内閣がさらに与党体制というものを補強してやるべきところだと思っております。政策については先ほど申し上げたとおり,政策の優先順位が大きく変わってきていると思います。
【記者】
いわゆる4Kと言われている政策,子ども手当,高速道路,こういったものについて,民主党の政策の一丁目一番地と言われていますが,そういったことも関係なく,全て震災復興のため一から見直すという考えを大臣お持ちですか。
【大臣】
一丁目一番地であることは間違いありませんが,一丁目一番地の上に震災復興という政策の優先順位ナンバーワンが来たわけですから,一丁目一番地がちょっと下がるというのは当然のことではないでしょうか。
福島地検等の被疑者釈放に関する質疑について
【記者】
震災後に福島地検管内で,勾留されていた被疑者が釈放された件なのですが,釈放された者のうち,新たに別件で逮捕される者が出ました。当時の判断が妥当であったか,地検の説明では捜査を続けるということでしたが,その後の捜査をしっかりされていたのかと,この点について大臣の御認識をお聞かせください。
【大臣】
これは後で報告を受けただけで,一つ一つ個別の事件の検察としての判断で,そのときの状況を適切に判断して釈放したものと思います。しかし,あれだけの被災者がいて,多くの人の家が流され,あるいは原発の関係では自分の住んでいる家から退避をしなければならないとか,いろんなことが起きているときに,この被疑者釈放ということが起きたのは,それはそういう皆さんから見ると大変な不公平感をお持ちになるのは良く理解ができるところで,これは個別の事案ではあるけれども,あまりうれしくないことだったと思っております。そして,あまつさえ,そのうちの一人が,もう直後ですよね,再犯で逮捕されて,この身柄が検察に送られてきているという状況があって,事後的ではありますが,こういう事案が起きると,これは釈放の判断というのが適切であったかどうかというところに大きな疑問がつくことであると思っております。検察を所管する担当大臣としては大変残念に思っております。
民法の失踪宣告に関する質疑について
【記者】
民法の失踪宣告の期間をめぐって,厚労省の方で,1年とされているものを年金の支払い等では特例で3か月にしようじゃないかと,そういう議論がなされていますが,その民法の失踪宣告の期間について,適正かどうか,特例を含めて変更する考えがあるかどうか,お考えをお聞かせください。
【大臣】
これは失踪宣告というのは,通常は7年で,それがこういう事案の場合には1年という,そういう2本立てで,7年を1年にしているわけですから,こういう天災の場合に,特別失踪,危難失踪,随分早期にやるというのが今の民法の考え方になっているわけで,それをさらに短くするというときには,その必要性,例えば今の年金の支払いとか,特定の目的のためには,特定の制度があって,あるいは特定の目的のために特定の制度を考えるというのは検討すべきことであるかと思いますが,失踪というのは一般論として死亡とみなしてしまうわけで,もちろん相続も開始しますし,あるいは死亡しているとみなされているわけですから,もしその人が生きていて,結婚しても,これはその期間は重婚にならないとかいうことになったりするわけですから,死亡とみなすという制度のその期間を短くするというのはやはり慎重な検討が必要だろうと。しかし,もちろん政策目的のために特別失踪ではない制度を何か考える,これは検討できる話だと思っております。