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法務大臣臨時記者会見の概要

平成23年4月8日(金)

 先ほど検事総長に法務大臣室に来ていただきまして,検察の在り方検討会議の提言に関して,検察の再生に向けての取組というペーパーをお渡しして,検察改革のお願いをいたしました。取調べの録音・録画のことも含めて,検察官の心得であるとか,あるいはチェック体制であるとか,教育の在り方であるとか,専門的な知識の集積であるとか,いろいろと申し上げました。これはその場でも申し上げましたが,私の法務大臣としての検察官に対する一般的な指揮権に基づくものだということをあえて申し上げまして,検事総長に重く受け止めてもらうようにお願いいたしました。検事総長の方からはしっかりと趣旨を踏まえて対応していく,検察の信頼を必ず取り戻す,その先頭に立って頑張ると,こういう決意表明をいただきました。

検察の再生に向けての取組に関する質疑について

【記者】
 1年後を目途にとあるんですけれども,期間の設定の仕方ですね,なぜ1年にしたのかということをお伺いします。
【大臣】
 全体にいろんな項目がありまして,中には3か月というのもあるし,あるいは半年というのもありますし,それらを総じて1年後にどこまでやれたか,何がやれていないか,そういう検証をしてみようということで1年というのをトータルで書きました。
【記者】
 可視化なのですが,法務省の方で,既に政務三役の検証が進んで,6月以降の早い時期というのが出されていまして,これまでも最高検や検察の在り方検討会議の方で既に検証なども出されて,このことをまたやることによって,さらに実施が遅れたりすることが考えられるのですが,法案を作成するなどの時間的な大体の目途というのは,今回これを受けて何かお考えはあるのでしょうか。
【大臣】
 より一層遅れるというような印象をお持ちになっては困るので,そうではなくて,この検察の再生に向けての取組ペーパーの2ページ目ですが,(4)提言の第4「検察における捜査・公判の在り方」関連で検察の運用による取調べの拡大で特に留意すべき事項として,検察の被疑者取調べの録音・録画は,今後,より一層,その範囲を拡大するべきである。そして,特捜部における被疑者取調べの録音・録画の試行は,「それ」というのは「より一層拡大すべきである」ということを前提とするものにあることに鑑み,実施に当たっては,以下の点に特に留意して方策を講じるということで,対象となり得る事件については,原則として全事件について試行を行う。それから全過程の録音・録画を行った場合に,何か弊害や支障が起こることになるのかといった問題点についての検討に資するよう,取調べの全過程の録音・録画を含めて試行の対象とするということで,全過程の録音・録画というのはなきゃいけませんよということを言っているわけです。さらに恣意的な運用にならないようにきっちりと方策を出しなさいと。そして最高検は,多角的な検討を行うために,この試行の状況について逐次報告を受けて把握をしなさいと。もちろんその報告を受けて把握をした点については,法務大臣の私が報告を受けるということで,直ちにこの試行は始めるということです。そうした試行をやっていった結果がずっと集大成されて,1年後あたりにどのくらいできた,どういう問題があった,どこまで良くなった,あるいは困ったことになった,そうしたことをフィードバックして,私の方に報告いただくわけですが,さらにこの一番最後のところですが,新たな刑事司法制度の構築に向けた検討の開始と特に留意する事項ということで,今の刑事司法制度が抱えている問題点と今取調べの録音・録画の拡大と法制化をやったらどうなるかといった問題点が出てきますから,そういう問題点に正面から取り組んで,新たな検証を構築していくために検討の場を早急に作る。そこの検討の場にそうした試行の結果をフィードバックさせて,そして検証を良いものに変えていくと,こういう全体のスキームなので,遅らせるという話ではありません。
【記者】
 可視化について,千葉座長の検察の在り方検討会議の方では,特に全面可視化ということは言っていませんでしたが,検察の再生に向けての取組ペーパーにはこの部分に踏み込まれて書いていますが,これはもう完全に全面可視化で試行するということでよろしいのでしょうか。
【大臣】
 全面可視化という言葉の意味が必ずしもはっきりしないのですが,検察が行う取調べは全て,あらゆることが全部可視化されるというのは,はっきり言ってなかなかならないと思います。しかし,ある一定の範囲では全件可視化ということも考えなさいよと,それから全過程可視化というのも考えなさいよと,さらに知的障害など,いわゆる供述が誘導されやすい一部の被疑者の場合には,専門家の皆さんとよく相談しながらではありますが,全過程の可視化を含むやり方を考えなさいよということを言っているわけです。
【記者】
 ペーパーの最後の項目にある刑事司法制度全般の改革のことですけれども,法制審議会の部会という形になるのかどうか分かりませんが,あえて法制審議会を置かれる意図と,国民の声を十分に反映することができるよう配意するというふうにされていますけれども,具体的にどういうふうな方策を考えていらっしゃるのか2点お願いします。
【大臣】
 これから検討していくわけですが,これは刑事司法全体を視野において,おそらくこれまでの供述に頼った刑事司法の処理の仕方を大きく変えていかなければいかんということになると思うんですよね。したがって,これは刑事基本法の改革ということになりますから,そうするとやっぱり法制審議会という場が一番そういう場としてはふさわしい。したがって法制審議会に検討の場を設けると。しかしながら,今の法制審議会では,やはり法律の専門家だけということになりますので,そうすると国民の目を取り入れる,あるいは国民という外部の風を取り入れるということは提言に書かれていますから,その二つを両立させるために,法制審議会の部会ではあるけれども,今の法制審議会のメンバーで構成するのではなくて,もちろんその皆さんにも入っていただきますが,広く経済界であるとか,学者であるとか,労働界であるとか,いろんな皆さん,あんまり数が多くなってもいけませんが,いろんな人たちに入っていただいて,場は法制審議会の部会ですが,組織は国民に広く開かれたものにして検討してもらうということです。
【記者】
 メンバー構成もそうだと思うのですけれども,議事録の公開とか,そもそも議事を公開するかどうか,そういったことも課題になってくると思うのですが,例えば司法制度改革推進本部の検討会を振り返ってみると,フルオープンでやられていて,議事録も公開されていましたが,そういったものと同等くらいの透明度の高さで行っていくというお考えはおありでしょうか。
【大臣】
 私はあまりよく知らなかったのですが,今の法制審議会の議事規則というのは非公開と書いてあるのだそうで,しかし非公開で,果たして国民の皆さんが納得してくれるのだろうかという思いはございます。したがってこれから部会を立ち上げるときに重要な検討課題になると思います。
【記者】
 今お話があった新たな法制審の部会の名称と設置時期の見通しについてはいかがでしょうか。
【大臣】
 名称も設置時期もこれからです。
【記者】
 例えば1か月くらいの間には設置するとか,そういったことは。
【大臣】
 それは1か月くらいの間には作らなければいけないと思いますが,まだ人選などもこれからなので,頑張ります。
【記者】
 法制審議会に絡むことなのですけれども,通常の場合だと,法制審議会に諮問して,答申は,そのまま法案の骨子とほぼ同様のものが出ていると思いますが,ここで可視化法案の骨子のようなものを整理してもらおうということなのか。それから1年かけて試行の検証をするということですけれども,来年の4月にならないと法案の立案作業に入れないと受け止めることができるのですけれども,その辺のスケジュールとの兼ね合いについてお願いします。
【大臣】
 この法制審議会の部会は,刑事司法全体を見ながらやっていきますので,可視化だけに特化した部会ではないのですね。いろんな刑事司法全体のことを考えていく。相当な大がかりな仕事になると思います。あるいはその部会の下にさらに専門部会のようなものを置いて,可視化のことはここでやる,例えば証拠開示はここでやるとか,いろんなことをやらなくてはいけないかもしれません。そういう作業をやりながら,部分的にこの点についてはこう法制化しましょうとか,この点については法務大臣から検討するよう指揮してくださいとか,そういうことが出てくることもあり得ます。したがって,これはやってみなければ分からないので,時期の目途など簡単には出てこない。ただ,1年経たなければ可視化の法案も出ないのかという御懸念については先ほど申し上げたように,全件とか全過程を含む可視化を試行で実際にやってもらうわけですから,やっていきながら考えるという面がどうしても出てくるので,可視化をやるとやはり新たな捜査手法がいるという声が出てくるかもしれないですし,法改正などやらなくてもできるということになるかもしれないですし,ひょっとしたら証拠法については何らかの改正が必要だということになるかもしれませんし,これはこれからやっていく中で考えていかなければならない。いろんなキャッチボールをやっていくということになると思います。
【記者】
 全面可視化すると捜査への影響があるというような議論があると思いますが,検察の在り方検討会議がここら辺に言及しまして,提言の表現は,特捜部での全過程の録音・録画を行うことを検討の対象とするというような表現だったと思うのですけれども,そこから検討の対象を省いてやりなさいというふうにあえて御指示した意図を改めてお聞かせいただきたいのと,全過程録音・録画というのは大臣の中ではどこからどこまでを想定しているのかということをお聞かせください。
【大臣】
 提言では検討の対象と,しかしこの取組の方では試行の対象としました。したがって,いや検討中ですということでやらないということはいけませんよと。もう試行でぜひ実現をしてくださいということを言っているわけです。そういう意味では提言の一番きついところに球を投げたということは言えるかもしれません。しかし,この検察の在り方検討会議の中で,可視化をするといろいろ捜査の障害があるという意見も出されたことはこれはよく分かっておりますし,あるいはそういうことは事件によってはあるかもしれないし,場面場面でいろんなことがあるでしょうから,そういう結果をフィードバックしてもらって検討するということで,だからあくまで試行だけど現実にやるんだということです。やはりそれは私は可視化すれば全て良くなるとは思わないので。可視化というものを踏まえて刑事司法全体を,今の供述に過度に依存したような刑事司法から変えていくというところから段々変わっていくものだと思っていて,そのくらいまではこの際やってもらわないと検察の信頼回復の道筋がついていかないという思いで,こういうところまで踏み込んでみました。
【記者】
 試行とはいっても,事件というのは特捜部が捜査をして,法で裁かれる生の事件であるんですけれども,全面可視化が法整備を含めて十分に議論し尽くされていない中で,こういうような全面可視化を試行するというのはどうなのでしょうか。
【大臣】
 そう言っているといつまでもやらないことになる。まずやることが大切だということです。これは検察ももちろん真剣にこの問題に取り組んでくると思いますし,また裁判所におかれてもそうした場合の検察を含む取組はきっちり理解をしていただけるものだと思っています。それから全過程というものの意義ですが,これは今回の検察の在り方検討会議の提言も,それから私の取組というペーパーも,身柄事件を念頭に置いていますので,身柄事件の取調べの全過程ということで,単に調書を取るときというところではありません。
【記者】
 試行の部分と,それから法制審でやる部分,時間的な関係なのですけれども,試行の結果,1年間で検証するということになりますよね。それを受けて法制化ということになるのでしょうか。それとも法制化は法制化でどんどん進めていこうということをお考えでしょうか。
【大臣】
 法制化が前提ではありません。別に法制化しなくても取調べの録音・録画はできると思います。ただ,法制化が必要な場面が試行していたら出てくるかもしれません。まだ分かりませんが,例えば供述調書の証拠能力について,何か手を入れるという必要が出てくるかもしれないので,そうすると何かの法制化をしなければいけないということですので,試行がもちろん先行いたします。もう一つ法務省の中で,国の内外含めていろんな調査をしている,そういう場が一つあるんです。それが今年の6月を目途に調査を終えて,次は早期に,その結果を踏まえたものを考えなければならないので,そちらの方からあるいは法制化の話が出てくるかも分かりません。
【記者】
 先ほど検事総長に検察改革のお願いをしたときに,検察の在り方検討会議のものより踏み込んだという趣旨ですけれども,この部分とはまさに可視化の部分ということで,例えば試行において全過程を試行されるということなんですけれども,どういうものが試行に当たっては可視化の対象にしないとか,例外的なものは具体的にあるのでしょうか。
【大臣】
 そこは検事総長を中心に検察・最高検の方で考えていただいて,実施の具体化をしてもらいたいと思いますが,ただその場合に,この前のいわゆる最高検の検証結果に基づく試行指針ですね,あれよりも,もう一歩踏み込んだ実施の指針を作ってほしいというような思いを込めてこの特に留意すべき事項というのを書いております。
【記者】
 試行に当たっての可視化の指針というのは,いつごろまでに最高検察庁は法務大臣に示すのでしょうか。
【大臣】
 これは検察の再生に向けての取組ペーパーの(4)の(1)(2)(3)(4)です。可視化の拡大の,その後ですが,「これらの留意点に従った試行が行われるようにするための措置を,1か月以内を目途に講じた上」と書いてありますから1か月以内です。
【記者】
 検察の再生に向けての取組ペーパー1ページ目の一番下の行で,「検察運営の在り方について外部からの適切な意見等を得る仕組みの構築」というところなのですが,この提言の中には,何か所か外部の声というのが入っているのですが,教育問題だと,例えばいろんな事件を検証して,そこからの教訓をどうやって教育に活かしていくのかというところで,法務省もかなり関わるところがあると思うんですけども,例えばそういう事件の検証について,外の人の目を入れたらどうだということも中で十分議論したと思うんですけど,これは法務省の方はここには関与しないで,検察にお願いするということなのでしょうか。
【大臣】
 今おっしゃった教育の関係やなんかは,これは検察だけではだめで,法務省も関わって一緒に相談しながら,教育の方法なんかを考えていかなければならないと思うのですが,教育のこととか,それから人事政策のこととかというのは,法務省と検察両方関わると思いますが,外部の目,外部の風を入れて,検察全般に外部の有識者から助言や意見を得る仕組みを考える。これは検察にやってもらうということで,検察が外部の目をしっかり意識してやるという仕切りに一応しておりますが,だけどいろいろと聞いてみて,まだ不十分なようでしたら,そこはまた物を言います。いろいろまた御指摘ください。
【記者】
 確認ですけれど,法制審議会に新たに置く組織の議事のことについて,原則,法制審議会は今非公開ということになっているけれども,立ち上げるときに課題だとおっしゃっていましたが,立ち上げを決めたときに大臣の方からこういう形でやりなさいというふうに措置をするという意味なのか,それとも立ち上がってから,メンバー間で議事の公開方法というか,それについて検討をしてもらうという意味なのか。どういうイメージなのでしょうか。
【大臣】
 正直言いましてそこまでまだ具体的に検討していません。しかし,私としては,やはり今こういう時代にそうした議論の場が極力透明化された方が,やっぱり世間の納得が得やすいですし,いいのではないかという気持ちはもっております。できることなら,委員の皆さんにお願いをして,その皆さんが皆さんの中で議論をして,公開ということで,公開もまあいろいろな方法はあるんだとは思うんですけれどね。やっぱりどこかの部屋でやるわけですから,自ずと誰でも見にいらっしゃいというわけにはいかないとは思いますが,その皆さんで考えていただくのがいいと思いますけれども,そのときに我々だけで密室の中でやろうということには,なかなかならないんじゃないかとは思いますけれども。
【記者】
 全過程可視化の問題なのですけれども,これまで,なかなか難しいという議論があったのは,今現在,裁判が供述に依存する制度になっているわけですね。それを土台はそのままなのにいきなり全面可視化をやってしまうと,まさしく治安維持に影響が出かねない。そういう懸念があるから,反対が出ていたわけで,土台が変わっていないうちに,とりあえず試しにやってみなさいよと,全過程ではないけれども,一部は原則的に等しくやりなさいと,それはちょっと乱暴なところもあるのではないかと思います。万一それによって立件できない事件とか,治安にまさしく事件が影響してくるようなことがあると,後戻りできないというか,できなかった事件がそのままになることがあり得るのですけれども,そういう点はいかがですか。
【大臣】
 そういうことも,いろいろ議論はあると思います。だけど,あなたの言い方では立件できないものは立件できないんでいいんだといういうふうにしてから可視化をするというやり方ですか。今事件があって,それを可視化せずにいろんな供述をとってますよね。そういうことによって今の刑事司法はうまくいっていると,これを可視化をしてもうまくいくようにというので変える。変えた後でなければ可視化したら乱暴なんじゃないかという御意見なんでしょ。
【記者】
 そうですね。
【大臣】
 そうするとだから,可視化によって供述がとれなくなるということが前提ですよね。
【記者】
 これまで最高検も裁判員裁判の前に検証しているわけですけど,そういうものがあるっていうことが実際に出てきているわけですけど。
【大臣】
 だから,そういう刑事司法全体を変えてからじゃなきゃ可視化ができないというのだったら,いつまでたっても可視化はできないということになりかねないので,まずは試行をしましょう。試行の結果,問題はそれは起きてくる場合はあると思います。何も今問題がないんだったらこれはこれでいいんですが,今だって現に問題があるんですから。
【記者】
 可視化したから良くなるとは思わないと,大臣は思うわけですか。
【大臣】
 可視化するだけで良くなるという話ではない。可視化をしたら次にまた問題が出てくる。その問題に対応するためには,今度は何がいるんですかということが出てくるわけでしょ。一気にドンというんじゃないので,分かっていただけましたでしょうか。
【記者】
 特捜事件の被疑者取調べの録音・録画に関しては1年後を目途に検討するということで,これは最高検の方でもそういう形になってたと思うんですけど,あえて3か月以内を目途に試行を開始する,その期限を区切ったのはなぜでしょうか。つまりは,特捜部の事件はそんなに頻繁にあるわけではなくて,3か月以内に事件があるとは限らないんですけど,ちょっと極論かもしれないですけど,穿った言い方をすれば3か月以内に事件を作れというような感じがするんですけれど。
【大臣】
 そんなことはありませんが,何かやっぱり時期を入れなきゃ。だって,工程表が全くないというのじゃ,やはり実際に試行するということになっていかないので,3か月ということになれば一応の目途にはなるでしょう。その間事件がなければそれはしょうがない。あえて事件を作るわけにはいかないでしょう。
【記者】
 一部可視化の件についてなのですけれども,どの部分を可視化するというのは取調べを受けている側が選べることではないので,検察の有利な展開を進めるために使われるのではないかという懸念があります。例えば布川事件で無期懲役の判決を受けて18年間服役をされた方も,その点は懸念されているんですね。その検察にとって有利になるために可視化を使われるのではないかということについてはどういうふうにお考えですか。
【大臣】
 そういう意見もよく承知をしています。だから全過程可視化というのは試行の中になくてはなりませんよと言っているわけです。だけど一部可視化で調書をとるところだけしか可視化しないことも試行の中にあるかもしれません。しかし試行の中に全過程可視化したものもありますから。それを見て1年後に全過程可視化ならこういう良い点が,悪い点が,困る点があるねという分かってくるわけで,それをやってみましょうと。全過程可視化するのはあまりにも冒険主義で刑事司法がこじれるのではないかという御心配もあるかと思いますが,物事を変えようということですから,やっぱりいろんなことをやってみないと変われない,変えられないので,そこはぜひ国民の皆さんにも御理解いただきたい。もちろんそうした失敗のないように検察も最大限頑張ってくれるだろうし,我々もそれは応援するし,検察の気持ちをしっかり理解しながらやっていきたいと思っています。
【記者】
 被疑者取調べの録音・録画の試行をするのは,身柄事件を対象にしているということなのですが,そうするとこれによる懸念は,なかなか逮捕しないで一応任意という形の強制状態がずっと続いて,そこでガンガンやることになるんじゃないかという懸念が,全部もちろんいっぺんにできないことは分かっているのですが,任意の取調べで自己可視化,つまり自分で録音機持って行くのを取り調べる側が妨害しないというのをもうちょっと何とか検討できないでしょうか。
【大臣】
 自分で録音機を持ってきているのはなかなか難しくて,今回の可視化の試行をまずやっていって,どの事件もこの事件も,全部まずは任意で集めて,最後の段階だけ身柄だけを取ってということになってしまってといることになれば,それはそのときに考えてみなければならないと思うけど,とりあえずはこれで。とりあえずというか提言いただいた皆さんに一生懸命に考えてもらったものを受けての私の方の指針なので,とりあえずこれでやってもらいたい。
【記者】
 新たな刑事司法制度の検討なのですけれども,その中で警察の方の取調べについて,検察の方はこれが試行されていくと思うのですけれども,警察の方については,同じようにこの中でやられるおつもりだと思うのですけれども,どうお考えなのでしょうか。
【大臣】
 これからまた国家公安委員長とはよく協議をしていかなければならんと思いますが,警察の方も独自に検証・検討をやっていて,中間報告も出ている段階ですので,そうしたことも検討の場にフィードバックしていただいて,法制審議会の部会の皆さんに考えて欲しいと思っています。部会の皆さんが考えるのは刑事司法全体ですから,そうすると刑事訴訟法の捜査,そこは司法警察職員が入っていますから,したがって警察のことも視野には入るけれども,警察の方も国家公安委員会の皆さんとのキャッチボールでいろんなことが動いていくのだろうと思います。
【記者】
 新たな刑事司法制度の具体的な内容というのは,検察の在り方検討会議で証拠の主観的要素を除くべきだと,可視化を導入するんだったら主観的なものを抜くべきだという提言というか話がありましたが,それくらい大きなことを考えるのですか。
【大臣】
 これはやはり刑法総論の話ですよね,構成要件があって,違法性があって,責任があって,その責任の部分を全部取り除いてしまえというような議論を検察の在り方検討会議でもされたのではないと思うんですよね。しかし,今のようにとにかく主観的要素があまりにも細かくなってしまっていると,結局供述以外にないわけですから,どうしても精密司法から抜け出せないということなので,その辺りのことも十分議論してもらうことになると思います。刑事司法も人間の行う営みで,そして人間が行う営みに完全なもの,万全なものはないし,神様じゃないから絶対的真実というのは,どういうか捕まえにくいところはあるんですよね。しかし刑事司法というのは動いていかなければいけないので,そうすると皆さん方から真相解明が足りないとか,動機の解明が不十分だとかいろいろお叱りを受けるようなことがあっても,それは今のではなくて,ここで検討して出てくる新たな刑事司法のプロセスの中で,社会的な要請としてはこういう刑事司法なら真実を発見して,そして教育刑罰権の行使をする,その要請には応えられていると,そういう限度があると思うんですよね。今はちょっとあまりに主観的な要素に傾き過ぎているので,その点を検討してもらおうと,こういうことだと思います。

(以上)
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